(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】蓄光繊維
(51)【国際特許分類】
D01F 8/04 20060101AFI20230111BHJP
D01F 1/04 20060101ALI20230111BHJP
D02G 3/02 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
D01F8/04 Z
D01F1/04
D02G3/02
(21)【出願番号】P 2018190714
(22)【出願日】2018-10-09
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000148151
【氏名又は名称】株式会社川島織物セルコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早瀬 重喜
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-020143(JP,A)
【文献】特開2010-248673(JP,A)
【文献】特開2005-200774(JP,A)
【文献】特開2006-081543(JP,A)
【文献】特開2007-282580(JP,A)
【文献】特開平10-140421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00- 9/04
D02G 1/00- 3/48
D06M 13/00-15/715
A01K 91/00-91/16,
91/20-95/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄光性を有する
、繊度2500~20000dtexの繊維であって、
芯層と鞘層とを有する芯鞘複合モノフィラメント構造であること、
前記芯層が、200~1200dtexのマルチフィラメントを含むこと、
前記鞘層が
、蓄光剤を含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなること
、
前記蓄光剤が、レーザー回析による粒径分布図にて、粒子全体の中に占める粒子径20μm以上の粒子の割合が70%以上であり、平均粒径D
50
が25~80μmの蓄光粒子であること
を特徴とする、蓄光繊維。
【請求項2】
前記鞘層が、
前記蓄光剤を7重量%以上含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の蓄光繊維。
【請求項3】
前記蓄光繊維が円形の断面を有する、請求項1又は2に記載の蓄光繊維。
【請求項4】
前記マルチフィラメントがグラスファイバーを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄光繊維。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄光繊維が少なくとも1部に使用されていることを特徴とする、蓄光性繊維製品。
【請求項6】
前記繊維製品が、床材、カーテン、壁装材、椅子張地、緞帳、タペストリー、衣料、及び布製鞄からなる群より選択されることを特徴とする、請求項5に記載の蓄光性繊維製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄光性を有する繊維に関し、より具体的には蓄光性を有する芯鞘複合モノフィラメントに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄光性を有する繊維は、従来から、夜釣りに適した釣糸として、あるいは暗闇での意匠性に優れた織物等を製造するために用いられている。
【0003】
例えば、釣糸に適した糸として、特許文献1には、複数のフィラメントの少なくとも一部が蓄光剤を含有する複合糸条が開示されており、特許文献2には、熱可塑性合成樹脂に特定のアルミン酸ストロンチウムを含有させた組成物を構成成分とする繊維からなる釣糸が、あるいは合成繊維の表面に特定のアルミン酸ストロンチウムを含有する樹脂コーティング層を形成した釣糸が開示されており、特許文献3には、釣り糸や漁網等に適切な蓄光性繊維として、蓄光性粒子を芯層に含有する芯鞘型の複合繊維が開示されている。
【0004】
また、蓄光による意匠性を備えた布帛等を製造するための糸として、特許文献4には、蓄光性を有する粒子が、単フィラメントの表面に配されているマルチフィラメント糸が開示されており、特許文献5には、夜光性顔料を有する熱可塑性樹脂からなる芯成分、及び、夜光性顔料を含有しない熱可塑性樹脂からなる鞘成分から構成される夜光性軽量繊維が開示されており、特許文献6には、蓄光性顔料を含有する蓄光繊維と、着色糸とが、特定の条件で合撚されている多色性複合構造蓄光繊維が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1~3に開示された糸は、釣り糸や漁網等への使用を前提としているため、織物等の装飾製品を製造するには適していない。他方、特許文献4~6に開示された糸は、装飾製品のために利用されるものであるが、蓄光性及び強度の点で十分とは言えず、これらの特性が改善された蓄光繊維の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO 2008/093560
【文献】特開2002-125548号公報
【文献】特開2001-131829号公報
【文献】特開2000-273760号公報
【文献】特開平9-228149号公報
【文献】特開2004-100058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、本発明は、優れた蓄光性と強度を有し、特にインテリア製品や身装製品を製造するのに好適な蓄光繊維を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために検討した結果、優れた残光輝度特性を示す粒子径の大きな蓄光剤を含有させるために、モノフィラメント構造を選択し、且つ、芯層と鞘層との2層構造からなる芯鞘複合型として、芯層により強度を維持しつつ、その鞘層を蓄光剤を含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂から構成することにより、優れた蓄光性と強度を有する蓄光繊維を開発することに成功した。
【0009】
すなわち本発明は、蓄光性を有する繊維であって、芯層と鞘層とを有する芯鞘複合モノフィラメント構造を有すること、及び、前記鞘層が蓄光剤を含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなることを特徴とする。
【0010】
前記鞘層は、粒径20μm以上の蓄光剤を7重量%以上含むことによって、より優れた蓄光性を実現することができる。
【0011】
また、前記芯層に含まれる芯材として、200~1200dtexのマルチフィラメント(特にグラスファイバーを含むマルチフィラメント)を使用することによって、優れた強度を達成することができ、伸度が安定する。
【0012】
また、前記蓄光繊維を少なくとも1部に使用した蓄光性繊維製品は、優れた蓄光性に基づく意匠性を備えることができる。
【0013】
前記繊維製品の例としては、床材(カーペット、床タイル、マット等)、カーテン、壁装材、椅子張地、緞帳、タペストリー、衣料、及び布製鞄等が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の蓄光繊維は、モノフィラメント構造をとることにより、粒子径の大きな蓄光剤を含むことが可能であり、鞘層(すなわち表層側)に蓄光剤を含有させること、及び鞘層の樹脂として軟質ポリ塩化ビニル樹脂を採用することによって、蓄光剤の性能を十分に発揮させることができる。また、芯層により、繊維の強度を保つことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の蓄光性芯鞘複合モノフィラメント(実施例1)、比較品の蓄光性マルチフィラメント(比較例1)及び蓄光性非芯鞘型モノフィラメント(比較例2)を用いて行った、残光輝度測定試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の蓄光繊維は、細い複数本の繊維を撚り合せた構造を有するマルチフィラメントではなく、モノフィラメント構造を有するため、マルチフィラメントに比べて粒子径の大きな蓄光剤を包含することができる。
本発明に係る蓄光繊維は、繊度が2,000~20,000dtex(デシテックス)のモノフィラメントであることが好ましく、2,500~10,000dtexのモノフィラメントであることがより好ましい。繊度が小さすぎると、粒子径の大きな蓄光剤を使用した際にモノフィラメントの表面(鞘層表面)に蓄光剤が露出して表面がざらざらするため、製織しにくくなる。他方、繊度が大きすぎても、製織が困難になる。前記モノフィラメントの断面形状は特に限定されないが、円形の断面を有することがより好ましい。
【0017】
本発明の蓄光繊維は、芯鞘複合モノフィラメントであり、鞘部分が、蓄光剤を含む軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなる。前記軟質ポリ塩化ビニル樹脂としては、例えば、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)[略称:DEHP]及びフタル酸ジイソノニル[略称:DINP]等のフタル酸エステル系可塑剤や、ポリエステル系可塑剤等の可塑剤を5重量%以上含有しているもの、7重量%以上含有しているもの、10重量%以上含有しているもの等を使用することができる。このような軟質ポリ塩化ビニル樹脂として、繊維の分野ですでに使用されている透明の軟質ポリ塩化ビニル樹脂と同じものを使用することが可能である。
【0018】
鞘層に軟質ポリ塩化ビニル樹脂を使用することにより、繊維径を太くしても、柔らかさが保たれるため、製織が行いやすいという利点がある。すなわち、残光輝度等の蓄光性能が高い蓄光繊維を得るためには、粒子径の大きい蓄光剤を使用することが望ましいところ、このような蓄光剤が繊維表面に露出しないようにするためには、繊維径を太くすることが必要になるが、合成樹脂の種類によっては、繊維径を太くすると硬くコシのある繊維になるため、製織が難しくなる。
本発明では、鞘層に軟質ポリ塩化ビニル樹脂を使用することにより、繊維径を太くしても製織が行いやすいため、粒子径の大きい蓄光剤を使用して、高い残光輝度を実現することが可能である。
【0019】
また、ポリ塩化ビニルは自己消火性があり、かつ水を吸わないため速乾性に優れている。そのため、鞘層が軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなる本発明の蓄光性モノフィラメントは、床材(例えば、織物性の床タイル)や、壁装材、椅子張地等のインテリア製品として使用するのに適している。
【0020】
本発明の蓄光性モノフィラメントの芯層は、強度のある芯材からなることが好ましい。より具体的には、芯材として総繊度200~1200dtexのマルチフィラメントを使用することがより好ましい。マルチフィラメントを構成する単糸の繊度は特に限定されないが、例えば、繊度が0.5~35dtex、あるいは1~20dtex、あるいは1.5~5dtexの単糸から構成されるマルチフィラメントを使用することができる。前記マルチフィラメントは、補強材として使用されている強化繊維マルチフィラメント、例えば、グラスファイバー(ガラス繊維)、ポリアラミド繊維、炭素繊維などの補強用長繊維を含むマルチフィラメントであることが好ましい。また、特に好ましい実施形態では、本発明の蓄光繊維は、不燃性であるグラスファイバーからなるマルチフィラメント、あるいはグラスファイバーとポリエステル等の樹脂とからなるマルチフィラメントを芯材として有する。
【0021】
本発明で使用される蓄光剤(蓄光顔料)は、粒径が15μm~80μmであることが好ましく、20~50μmであることがより好ましく、25~45μmであることが特に好ましい。粒径が15μm未満となると、粒が小さいため光を十分に蓄えることができず、また、変性が生じやすいため、蓄光性が低くなる。他方、粒径が80μmを超えると、蓄光性は高くなるが、蓄光剤の粒が大きくなるため、フィラメント表面に凹凸が生じやすく、製織に適した平滑なフィラメントを得ることが難しくなる。なお、本明細書において「粒径」とは、粒度分布における平均粒径D50の値を意味し、レーザ回折式粒径分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製のSALD-2300)で測定することができる。また、上記D50値を有する蓄光剤の中でも特に、レーザ回折による粒径分布図で確認した際、粒子全体の中で、粒子径20μm以上の粒子が70%以上(より好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上)を占めている蓄光剤が好ましい。
【0022】
本発明で使用できる蓄光剤の好ましい例として、アルカリ土類金属酸化物に希土類元素をドープさせてなる蓄光顔料が挙げられる。特に、アルミン酸ストロンチウム化合物にランタノイド系希土類元素をドープさせてなる蓄光顔料が好ましく、例えば、ジスプロシウム、ユーロピウムで賦活されたアルミン酸ストロンチウムが挙げられる。好ましい蓄光剤として、例えば、(SrAl2O4.nB2O3:Eu.Dy)の組成式で表されるグリーン系蓄光顔料や、(Sr4Al14O25.nB2O3:Eu.Dy)の組成式で表されるブルー系蓄光顔料が挙げられる。
【0023】
前記蓄光剤は、残光輝度が高いものが好ましい。具体的には、JIS Z 9107:2008に準拠して、蓄光剤を、暗所に48時間以上外光を遮断した状態で保管して、その後、常用光源蛍光ランプD65・200lxの照度で20分間照射し、照射を止めた後20分後に測定した場合でも、80mcd/m2以上、より好ましくは90mcd/m2以上、特に好ましくは100mcd/m2以上の高い輝度(残光輝度)を有する蓄光剤が好ましい。このような蓄光剤として、例えばエルティーアイ株式会社からGDKシリーズとして提供されているものを使用することができる。
【0024】
本発明の蓄光繊維の鞘層は、前記蓄光剤を7重量%以上含んでいることが好ましく、10重量%以上含んでいることがより好ましく、15重量%以上含んでいることが特に好ましい。他方、蓄光剤の量が多すぎると、蓄光性能は良くなるものの、蓄光剤の露出により鞘層の表面がざらざらして、製織しにくくなるため、蓄光剤の上限は40重量%以下であることが好ましく、30重量%以下がより適切である。本発明では、芯層ではなく鞘層に蓄光剤を含有させることにより、蓄光剤の性能を有効に利用して、高い残光輝度を実現することが可能となる。
【0025】
本発明の蓄光繊維は、上記構成をとることにより、蓄光剤の性能を十分に生かすことができるため、上述したJIS Z 9107:2008に準拠した方法において、20分後の残光輝度が、80mcd/m2以上、90mcd/m2以上、あるいは100mcd/m2以上となる蓄光繊維を提供することが可能である。
【0026】
本発明の蓄光繊維は、補強用長繊維を芯材とし、合成樹脂を鞘層とする芯鞘複合モノフィラメントを製造するために当分野で知られている方法によって製造することができる。例えば、前記補強用長繊維からなる芯材や、補強用長繊維と合成樹脂からなる芯材を使用し、この芯材の周囲に溶融した熱可塑性樹脂を押出機で押し出すことによって鞘層(表面層)を形成する方法よって製造することができる。
【0027】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0028】
[実施例1]
軟質ポリ塩化ビニル樹脂(可塑剤としてDINP含有)と、蓄光剤とを、重量比80:20にて混合し、鞘層のための樹脂コンパウンドを製造した。蓄光剤としては、エルティーアイ株式会社から販売されている、品番GDK11030(非耐水)の蓄光顔料を使用した。この蓄光顔料の発光ピーク波長(365nm照射)は520±5nmであり、組成式は(SrAl2O4.nB2O3:Eu.Dy)である。前記蓄光剤の粒度分布を、レーザ回折式粒径分布測定装置(株式会社島津製作所製:SALD-2300)で測定したところ、粒径D50は38.5μm、D90は71.5μm、粒子径20μm以上の粒子が蓄光剤全体に占める割合は約82%であった(すなわち、この鞘層には20μm以上の蓄光剤が16.4%含まれている)。
また、芯層を構成する芯材として、グラスファイバーからなる総繊度1012dtexのマルチフィラメント(単糸繊度約1.69dtex×600本からなるマルチフィラメント)を用意した。
【0029】
このマルチフィラメントの周囲を、前記樹脂コンパウンドを溶融させてなる溶融樹脂で被覆することによって、芯層がグラスファイバーからなり、鞘層が蓄光剤含有軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなる、芯鞘複合モノフィラメント(直径約1mm:繊度約10,000dtex)を製造した。
【0030】
[比較例1]
比較例1として、市販の蓄光性マルチフィラメント(フジボウ愛媛株式会社製)を使用した。このマルチフィラメントは、株式会社ネモト・ルミマテリアルから販売されている長残光性蓄光顔料(商品名:ルミノーバ)を約10重量%含むナイロン樹脂からなり、芯鞘構造のマルチフィラメントである(単糸18本からなり、総繊度は1400dtex)。
【0031】
[比較例2]
比較例2として、ナイロン6と、実施例1で使用した蓄光剤とを重量比80:20にて含むコンパウンドを製造し、このコンパウンドを用いて、非芯鞘構造のモノフィラメントを製造した。繊維径は400μm(2046dtex)とした。
【0032】
[残光輝度測定]
実施例1及び比較例1,2の蓄光繊維の残光輝度を測定した。なお、明るい環境下では、いずれの繊維も、薄い黄色あるいは黄緑色を帯びた白っぽい色合いを呈していた。測定条件は以下の通りである。
(1)方法 JIS Z 9107:2008「安全標識-性能の分類、性能基準及び試験方法」に準拠
(2)試料形状 糸をコーンに2cm以上の厚みで巻いた状態
(3)励起光源 蛍光灯(OHM社製EFD-13EXN 13W)
(4)照度 200 lx
(5)照射時間 20分
(6)測定環境 暗室(照明は全てOFFの状態で実施)
(7)照度計 ミノルタ デジタル照度計 T-1
(8)輝度計 コニカミノルタ 輝度計 LS-150
【0033】
【0034】
表1及び
図1から分かるように、本発明に係る芯鞘複合モノフィラメントは、マルチフィラメント(比較例1)及び非芯鞘型モノフィラメント(比較例2)と比べて、消灯後の残光輝度が有意に高く、消灯20分後にも100mcd/m
2以上の輝度を示し、消灯後20分~60分において、比較例1の3倍以上、および比較例2の2倍以上の輝度を示した。
また、実施例1の芯鞘型モノフィラメントは、直径が約1mmと太いにも関わらず、柔らかさを有し、製織機での製織が可能であった。
【0035】
[実施例2]
実施例1の蓄光性芯鞘複合モノフィラメントを、緯糸に使用して、前記モノフィラメントからなる模様を有する床材(織物性床タイル)を製造した。経糸には、繊度3556dtexの黒色の芯鞘複合モノフィラメント(芯層:ポリエステル樹脂、鞘層:軟質ポリ塩化ビニル)を使用した。この織物を屋内で使用したところ、照明を付けた状態では、黒地に、やや黄色~黄緑がかった白っぽい模様(蓄光性モノフィラメントからなる模様)を有する織物性床タイルとして視認される一方、照明を消して暗がりの状態にすると、蓄光性モノフィラメントからなる模様のみが、薄い黄緑色に発光して暗がりの中で浮かび上がり、消灯後20分経過しても、発光による模様をはっきりと視認することができた。また、この床材は、ポリ塩化ビニルに基づく優れた耐水性を有するため、水や飲料等が付着しても、汚れを残すことなく容易にふき取ることが可能であった。