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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】レーダ装置及び信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/89 20060101AFI20230111BHJP
   G01S 13/34 20060101ALI20230111BHJP
   G01S 13/931 20200101ALN20230111BHJP
【FI】
G01S13/89
G01S13/34
G01S13/931
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018193684
(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公開番号】P2020060530
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 渉志
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215161(JP,A)
【文献】特開2015-055541(JP,A)
【文献】特開2011-191227(JP,A)
【文献】特開2011-196943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/51
G01S 13/00-13/95
G01S 17/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体からの反射波を受信する受信アンテナから出力される受信信号に基づき前記物体の反射点である検知点を検出する検出部と、
前記検知点と所定形状のテンプレートとに基づき第1パターンマッチングを行って前記第1パターンマッチングのマッチング率を算出する第1マッチング部と、
仮想検知点及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第2パターンマッチングを行った場合のマッチング率が所定値になるように前記仮想検知点を生成する仮想検知点生成部と、
前記仮想検知点生成部によって生成された前記仮想検知点の少なくとも一部及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第3パターンマッチングを行って前記第3パターンマッチングのマッチング率を算出する第2マッチング部と、
マッチング判定部と、
有効判定部と、
を備え、
前記第1パターンマッチングのマッチング率が第1閾値より大きい場合に、前記マッチング判定部は前記第1パターンマッチングが成立すると判定し、
前記第1パターンマッチングのマッチング率が第2閾値より大きく前記第1閾値以下である場合に、前記仮想検知点生成部は前記仮想検知点を生成し、
前記第3パターンマッチングのマッチング率が第3閾値より大きい場合に、前記マッチング判定部は前記第3パターンマッチングが成立すると判定し、
前記所定値は前記第1閾値より大きく、前記第3閾値は前記第1閾値以上前記所定値未満であ
第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合に、前記有効判定部は前記仮想検知点を有効と判定し、
前記第2マッチング部は、前記仮想検知点生成部によって生成された前記仮想検知点の うち前記有効判定部によって有効と判定されたものに基づき前記第3パターンマッチングを行い、
前記第1条件は、前記レーダ装置に対する前記仮想検知点の方位が第1所定範囲外であるという条件であり、
前記第2条件は、前記テンプレートの面の前記仮想検知点が存在する位置に前記レーダ装置の送信波が入射したと仮定した場合における前記送信波の入射角が第2所定範囲外であるという条件である、
レーダ装置。
【請求項2】
前記第1条件及び前記第2条件のいずれも満たさない場合であっても第3条件を満たせば、前記有効判定部は前記仮想検知点を有効と判定し、
前記第3条件は、前記レーダ装置と判定対象である前記仮想検知点との間に前記検知点及び有効な前記仮想検知点の少なくとも一方が存在するという条件である、請求項に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記第1条件及び前記第2条件のいずれも満たさない場合であっても第3条件を満たせば、前記有効判定部は前記仮想検知点を有効と判定し、
前記第3条件は、前記レーダ装置と判定対象である前記仮想検知点とを結ぶ線分が前記テンプレートの判定対象である前記仮想検知点が存在しない面を通過するという条件である、請求項に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記有効判定部は、前記仮想検知点の時系列情報に基づき前記仮想検知点が有効であるか否かを判定する、請求項のいずれか一項に記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記時系列情報の各々に対応する前記レーダ装置の各位置に基づき前記仮想検知点が有効であるか否かを判定する、請求項に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記第1パターンマッチングのマッチング率が第2閾値より大きく前記第1閾値以下となる前記テンプレートが複数種類存在する場合、前記仮想検知点生成部は前記複数種類の前記テンプレートそれぞれについて前記仮想検知点を生成する、請求項1~のいずれか一項に記載のレーダ装置。
【請求項7】
レーダ装置の信号処理方法であって、
物体からの反射波を受信する受信アンテナから出力される受信信号に基づき前記物体の反射点である検知点を検出する検出工程と、
前記検知点と所定形状のテンプレートとに基づき第1パターンマッチングを行って前記第1パターンマッチングのマッチング率を算出する第1マッチング工程と、
仮想検知点及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第2パターンマッチングを行った場合のマッチング率が所定値になるように前記仮想検知点を生成する仮想検知点生成工程と、
前記仮想検知点生成工程によって生成された前記仮想検知点の少なくとも一部及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第3パターンマッチングを行って前記第3パターンマッチングのマッチング率を算出する第2マッチング工程と、
マッチング判定工程と、
有効判定工程と、
を備え、
前記第1パターンマッチングのマッチング率が第1閾値より大きい場合に、前記マッチング判定工程において前記第1パターンマッチングが成立すると判定され、
前記第1パターンマッチングのマッチング率が第2閾値より大きく前記第1閾値以下である場合に、前記仮想検知点生成工程において前記仮想検知点が生成され、
前記第3パターンマッチングのマッチング率が第3閾値より大きい場合に、前記マッチング判定工程において前記第3パターンマッチングが成立すると判定され、
前記所定値は前記第1閾値より大きく、前記第3閾値は前記第1閾値以上前記所定値未満であり、
第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合に、前記有効判定工程は前記仮想検知点を有効と判定し、
前記第2マッチング工程は、前記仮想検知点生成工程によって生成された前記仮想検知点のうち前記有効判定工程によって有効と判定されたものに基づき前記第3パターンマッチングを行い、
前記第1条件は、前記レーダ装置に対する前記仮想検知点の方位が第1所定範囲外であるという条件であり、
前記第2条件は、前記テンプレートの面の前記仮想検知点が存在する位置に前記レーダ装置の送信波が入射したと仮定した場合における前記送信波の入射角が第2所定範囲外であるという条件である、
信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置によって検知される物体の形状を認識する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パターンマッチングを行って物体の形状を認識するレーダ装置が種々開発されている(例えば特許文献1参照)。パターンマッチングを行って物体の形状を認識するレーダ装置は、当該物体からの反射波を受信する受信アンテナから出力される受信信号に基づき当該物体の反射点である検知点を検出し、当該検知点の時系列情報と所定形状のテンプレートとに基づきパターンマッチングを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-185769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば図6に示すように前方レーダ装置11を搭載した車両V11が前進しながら駐車スペースを探すシーンでは、駐車車両V12の前面F11分及び左側面L11の前側部分において検知点(図6中の黒三角形)が検出され易く、駐車車両V12の左側面L11の後側部分、右側面R11、及び背面B11において検知点が検出され難い。なお、前方レーダ装置11は車両V11の前方に存在する物体を検知するレーダ装置である。
【0005】
駐車車両V12の左側面L11の後側部分、右側面R11、及び背面B11において検知点が検出され難い理由は、以下の3つである。
(1)駐車車両V12の左側面L11の後側部分が前方レーダ装置11のFOV(Field of View)12の境界に近いこと
(2)駐車車両V12の左側面L11の後側部分では、前方レーダ装置11の送信波の入射角が大きくなり、反射波が前方レーダ装置11に戻ってきにくいこと
(3)駐車車両V12の右側面R11及び背面B11には前方レーダ装置11の送信波がそもそも届かないこと
【0006】
上述したように駐車車両V12における検知点の分布は駐車車両V12の形状を半分程度しか再現できないため、パターンマッチングの精度が悪くなり、前方レーダ装置11が駐車車両V12の形状を正しく認識できない可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、パターンマッチングの精度を向上させることができるレーダ装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るレーダ装置は、物体からの反射波を受信する受信アンテナから出力される受信信号に基づき前記物体の反射点である検知点を検出する検出部と、前記検知点と所定形状のテンプレートとに基づき第1パターンマッチングを行って前記第1パターンマッチングのマッチング率を算出する第1マッチング部と、仮想検知点及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第2パターンマッチングを行った場合のマッチング率が所定値になるように前記仮想検知点を生成する仮想検知点生成部と、前記仮想検知点生成部によって生成された前記仮想検知点の少なくとも一部及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第3パターンマッチングを行って前記第3パターンマッチングのマッチング率を算出する第2マッチング部と、マッチング判定部と、を備え、前記第1パターンマッチングのマッチング率が第1閾値より大きい場合に、前記マッチング判定部は前記第1パターンマッチングが成立すると判定し、前記第1パターンマッチングのマッチング率が第2閾値より大きく前記第1閾値以下である場合に、前記仮想検知点生成部は前記仮想検知点を生成し、前記第3パターンマッチングのマッチング率が第3閾値より大きい場合に、前記マッチング判定部は前記第3パターンマッチングが成立すると判定し、前記所定値は前記第1閾値より大きく、前記第3閾値は前記第1閾値以上前記所定値未満である構成(第1の構成)である。
【0009】
上記第1の構成のレーダ装置において、有効判定部をさらに備え、第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合に、前記有効判定部は前記仮想検知点を有効と判定し、前記第2マッチング部は、前記仮想検知点生成部によって生成された前記仮想検知点のうち前記有効判定部によって有効と判定されたものに基づき前記第3パターンマッチングを行い、前記第1条件は、前記レーダ装置に対する前記仮想検知点の方位が第1所定範囲外であるという条件であり、前記第2条件は、前記テンプレートの面の前記仮想検知点が存在する位置に前記レーダ装置の送信波が入射したと仮定した場合における前記送信波の入射角が第2所定範囲外であるという条件である構成(第2の構成)であってもよい。
【0010】
上記第2の構成のレーダ装置において、前記第1条件及び前記第2条件のいずれも満たさない場合であっても第3条件を満たせば、前記有効判定部は前記仮想検知点を有効と判定し、前記第3条件は、前記レーダ装置と判定対象である前記仮想検知点との間に前記検知点及び有効な前記仮想検知点の少なくとも一方が存在するという条件である構成(第3の構成)であってもよい。
【0011】
上記第2の構成のレーダ装置において、前記第1条件及び前記第2条件のいずれも満たさない場合であっても第3条件を満たせば、前記有効判定部は前記仮想検知点を有効と判定し、前記第3条件は、前記レーダ装置と判定対象である前記仮想検知点とを結ぶ線分が前記テンプレートの判定対象である前記仮想検知点が存在しない面を通過するという条件である構成(第4の構成)であってもよい。
【0012】
上記第2~第4いずれかの構成のレーダ装置において、前記有効判定部は、前記仮想検知点の時系列情報に基づき前記仮想検知点が有効であるか否かを判定する構成(第5の構成)であってもよい。
【0013】
上記第5の構成のレーダ装置において、前記時系列情報の各々に対応する前記レーダ装置の各位置に基づき前記仮想検知点が有効であるか否かを判定する構成(第6の構成)であってもよい。
【0014】
上記第1~第6いずれかの構成のレーダ装置において、前記第1パターンマッチングのマッチング率が第2閾値より大きく前記第1閾値以下となる前記テンプレートが複数種類存在する場合、前記仮想検知点生成部は前記複数種類の前記テンプレートそれぞれについて前記仮想検知点を生成する構成(第7の構成)であってもよい。
【0015】
本発明に係る信号処理方法は、レーダ装置の信号処理方法であって、物体からの反射波を受信する受信アンテナから出力される受信信号に基づき前記物体の反射点である検知点を検出する検出工程と、前記検知点と所定形状のテンプレートとに基づき第1パターンマッチングを行って前記第1パターンマッチングのマッチング率を算出する第1マッチング工程と、仮想検知点及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第2パターンマッチングを行った場合のマッチング率が所定値になるように前記仮想検知点を生成する仮想検知点生成工程と、前記仮想検知点生成工程によって生成された前記仮想検知点の少なくとも一部及び前記検知点と前記テンプレートとに基づき第3パターンマッチングを行って前記第3パターンマッチングのマッチング率を算出する第2マッチング工程と、マッチング判定工程と、を備え、前記第1パターンマッチングのマッチング率が第1閾値より大きい場合に、前記マッチング判定工程において前記第1パターンマッチングが成立すると判定され、前記第1パターンマッチングのマッチング率が第2閾値より大きく前記第1閾値以下である場合に、前記仮想検知点生成工程において前記仮想検知点が生成され、前記第3パターンマッチングのマッチング率が第3閾値より大きい場合に、前記マッチング判定工程において前記第3パターンマッチングが成立すると判定され、前記所定値は前記第1閾値より大きく、前記第3閾値は前記第1閾値以上前記所定値未満である構成(第8の構成)である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、パターンマッチングの精度を向上させることができるレーダ装置及び信号処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】レーダ装置の構成例を示す図
図2】形状認識部の動作例を示すフローチャート
図3】前方レーダ装置を搭載した車両が前進しながら駐車スペースを探すシーンを示す俯瞰図
図4】有効判定処理の一例を示すフローチャート
図5】有効判定処理の他の例を示すフローチャート
図6】従来技術において前方レーダ装置を搭載した車両が前進しながら駐車スペースを探すシーンを示す俯瞰図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<1.レーダ装置の構成>
図1はレーダ装置の構成例を示す図である。レーダ装置1は、例えば車両に搭載されている。以下、レーダ装置1が搭載される車両を「自車両」という。
【0020】
レーダ装置1は、自車両の前端中央に取り付けられ、周波数変調した連続波であるFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)を用いて、自車両の前方に存在する物標に係る物標データを取得する。
【0021】
図1に示すように、レーダ装置1は、送信部2と、受信部3と、信号処理装置4と、を主に備えている。
【0022】
送信部2は、信号生成部21と発信器22とを備えている。信号生成部21は、三角波状に電圧が変化する変調信号を生成し、発信器22に供給する。発信器22は、信号生成部21で生成された変調信号に基づいて連続波の信号を周波数変調し、時間の経過に従って周波数が変化する送信信号を生成し、送信アンテナ23に出力する。
【0023】
送信アンテナ23は、発信器22からの送信信号に基づいて、送信波TWを出力する。送信アンテナ23が出力する送信波TWは、所定の周期で周波数が上下するFMCWとなる。送信アンテナ23から自車両の左前側方に送信された送信波TWは、人、他車両などの物体にて反射されると、反射波RWとなる。
【0024】
受信部3は、アレーアンテナを形成する複数の受信アンテナ31と、その複数の受信アンテナ31に接続された複数の個別受信部32とを備えている。本実施形態では、受信部3は、例えば、4つの受信アンテナ31と4つの個別受信部32とを備えている。4つの個別受信部32は、4つの受信アンテナ31にそれぞれ対応している。各受信アンテナ31は物体からの反射波RWを受信して受信信号を取得し、各個別受信部32は対応する受信アンテナ31で得られた受信信号を処理する。
【0025】
各個別受信部32は、ミキサ33とA/D変換器34とを備えている。受信アンテナ31で得られた受信信号は、ローノイズアンプ(図示省略)で増幅された後にミキサ33に送られる。ミキサ33には送信部2の発信器22からの送信信号が入力され、ミキサ33において送信信号と受信信号とがミキシングされる。これにより、送信信号の周波数と受信信号の周波数との差となるビート周波数を有するビート信号が生成される。ミキサ33で生成されたビート信号は同期回路(不図示)にて受信アンテナ31間でタイミングを合わせた上でA/D変換器34によりデジタルの信号に変換された後に、信号処理装置4に出力される。
【0026】
信号処理装置4は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリなどを含むマイクロコンピュータを備えている。信号処理装置4は、各A/D変換器34から供給される信号に基づき、物標データを生成することができる。各A/D変換器34から供給される信号に基づき物標データを生成する方法として公知の任意の方法を利用することができる。
【0027】
信号処理装置4は、マイクロコンピュータでソフトウェア的に実現される機能として、送信制御部41、検知部42、及び形状認識部43を備える。
【0028】
送信制御部41は、送信部2の信号生成部21を制御する。
【0029】
検知部42は、物体からの反射波RWを受信する受信アンテナ31から出力される受信信号に基づき物体の反射点である検知点を検出する。より具体的には、検知部42は、受信部3の各A/D変換器34から供給されるデジタル信号形式で表現されたビート信号に基づき物体の反射点である検知点を検出し、検知点に関わる検知点データを生成する。
【0030】
検知部42は、受信アンテナ31にて受信される反射波RWの出所である反射点のみを検出する。言い換えると、検知部42は、受信アンテナ31にて受信されない反射波RW(受信アンテナ31に到来しない反射波RW)の出所である反射点を検出しない(検出できない)。
【0031】
検知点データは、レーダ装置1に対する検知点の方位、レーダ装置1に対する検知点の位置、及び固定基準点に対する検知点の位置を示す情報を含む。検知点データは物標データの一種である。検知部42は、車速センサ5、舵角センサ6等から供給される自車両の移動量に関する情報とレーダ装置1に対する検知点の位置とに基づき、固定基準点に対する検知点の位置を示す情報を生成する。
【0032】
形状認識部43は、第1マッチング部43aと、仮想検知点生成部43bと、第2マッチング部43cと、有効判定部43dと、マッチング判定部43eと、を備える。
【0033】
第1マッチング部43aは、検知部42によって検出された検知点と所定形状(例えば四角形)のテンプレートとに基づき第1パターンマッチングを行って第1パターンマッチングのマッチング率MR1を算出する。第1パターンマッチングでは、検知点とテンプレートとをマッチングさせる。テンプレートは複数種類用意することが望ましい。例えば、自家用車の平面形状(真上から見た形状)を示すテンプレート、バスの平面形状を示すテンプレート、自転車の平面形状を示すテンプレート等が考えられる。テンプレートに関わるデータは信号処理装置4のメモリに不揮発的に記憶させておくとよい。パターンマッチングでは、例えばレーダ装置1と検知点との距離に基づく倍率でテンプレートが縮小又は拡大される。
【0034】
仮想検知点生成部43bは、仮想検知点及び検知点とテンプレートとに基づき第2パターンマッチングを行った場合のマッチング率MR2が所定値になるように仮想検知点を生成する。第2パターンマッチングでは、仮想検知点生成部43bによって生成される仮想検知点の全部及び検知点とテンプレートとをマッチングさせる。
【0035】
第2マッチング部43cは、仮想検知点生成部43bによって生成された仮想検知点の少なくとも一部及び検知点とテンプレートとに基づき第3パターンマッチングを行って第3パターンマッチングのマッチング率MR3を算出する。第3パターンマッチングでは、仮想検知点生成部43bによって生成される仮想検知点の少なくとも一部及び検知点とテンプレートとをマッチングさせる。
【0036】
有効判定部43dは、仮想検知点生成部43bによって生成される仮想検知点が有効であるかを判定する。
【0037】
マッチング判定部43eは、第1パターンマッチングが成立するかを判定し、第3パターンマッチングが成立するかも判定する。
【0038】
<2.形状認識部の動作>
次に、形状認識部43の動作について説明する。図2は、形状認識部43の動作例を示すフローチャートである。なお、検知部42は、検知点の検出を一定時間ごとに周期的に繰り返す。したがって、検知点の検出タイミングは一定時間ごとに到来する。
【0039】
例えば自車両の車速が所定速度以下になれば、形状認識部43が図2に示すフロー動作を開始し、自車両の車速を所定速度超えた時点で、形状認識部43が図2に示すフロー動作を終了すればよい。これにより、例えば自車両が低速で前進しながら駐車スペースを探すシーンで駐車車両の形状を認識することができ、駐車スペースの探索を支援することができる。
【0040】
まず、形状認識部43はN回の検出タイミングが到来したかを判定し(ステップS1)、N回の検出タイミングが到来したらステップS2に移行する。以下の説明ではN=4である場合を例に挙げて説明する。
【0041】
ステップS1からステップS2に移行する時点で、第1マッチング部43aは、1回目の検出タイミング~4回目の検出タイミングで検出された駐車車両V2に関わる検出点の情報を取得している。なお、図3ではa回目の検出タイミングta~d回目の検出タイミングtdそれぞれにおける自車両V1の位置が示されており、a回目の検出タイミング~d回目の検出タイミングで検出された駐車車両V2に関わる検出点が黒三角形で示されている。なお、図3中のa、b、c、及びdは連続する4つの自然数を意味している。
【0042】
ステップS2において、第1マッチング部43aは、直近4回分の検出タイミングで検知部42によって検出された検知点と所定形状のテンプレートとに基づき第1パターンマッチングを行って第1パターンマッチングのマッチング率MR1を算出する。
【0043】
ステップS2に続くステップS3において、マッチング判定部43eは、第1パターンマッチングのマッチング率MR1が第1閾値TH1より大きいかを判定する。第1パターンマッチングのマッチング率MR1が第1閾値TH1より大きければ、マッチング判定部43eは、第1パターンマッチングが成立すると判定する(ステップS4)。これにより、形状認識部43は、検知部42によって検出された検知点に関わる物体の形状がテンプレートの形状であると認識する。ステップS4の処理が終わると、後述するステップS11に移行する。
【0044】
第1パターンマッチングのマッチング率MR1が第1閾値TH1より大きくなければ、マッチング判定部43eは、第1パターンマッチングのマッチング率MR1が第2閾値TH2より大きいかを判定する(ステップS5)。なお、第2閾値TH2は第1閾値TH1より小さい値である。
【0045】
第1パターンマッチングのマッチング率MR1が第2閾値TH2より大きくなければ、形状認識部43は検知部42によって検出された検知点に関わる物体の形状を認識することができないので、直ちに後述するステップS11に移行する。
【0046】
一方、第1パターンマッチングのマッチング率MR1が第2閾値TH2より大きければ、形状認識部43は検知部42によって検出された検知点に関わる物体の形状を認識できるかもしれないので、ステップS6に移行する。
【0047】
ステップS6において、仮想検知点生成部43bは、仮想検知点及び直近4回分の検出タイミングで検知部42によって検出された検知点とテンプレートとに基づき第2パターンマッチングを行った場合のマッチング率MR2が所定値PD1になるように仮想検知点を生成する。第2パターンマッチングでは、仮想検知点生成部43bによって生成される仮想検知点の全部及び直近4回分の検出タイミングで検知部42によって検出された検知点とテンプレートとをマッチングさせる。なお、所定値PD1は第1閾値TH1より大きい値である。また、図3中の白三角形は仮想検知点を示している。
【0048】
ステップS6に続くステップS7において、有効判定部43dは、仮想検知点生成部43bによって生成される仮想検知点が有効であるかを判定する。有効判定の詳細については後述する。
【0049】
ステップS7に続くステップS8において、第2マッチング部43cは、有効な仮想検知点及び直近4回分の検出タイミングで検知部42によって検出された検知点とテンプレートとに基づき第3パターンマッチングを行って第3パターンマッチングのマッチング率MR3を算出する。第3パターンマッチングでは、有効な仮想検知点及び直近4回分の検出タイミングで検知部42によって検出された検知点とテンプレートとをマッチングさせる。
【0050】
ステップS8に続くステップS9において、マッチング判定部43eは、第3パターンマッチングのマッチング率MR3が第3閾値TH3より大きいかを判定する。なお、第3閾値TH3は第1閾値TH1以上所定値PD1未満の値である。
【0051】
第3パターンマッチングのマッチング率MR3が第3閾値TH3より大きければ、マッチング判定部43eは、第3パターンマッチングが成立すると判定する(ステップS10)。これにより、形状認識部43は、検知部42によって検出された検知点に関わる物体の形状がテンプレートの形状であると認識する。ステップS10の処理が終わると、後述するステップS11に移行する。
【0052】
第3パターンマッチングのマッチング率MR3が第3閾値TH3より大きくなければ、形状認識部43は仮想検知点を用いても検知部42によって検出された検知点に関わる物体の形状を認識することができなかったので、直ちに後述するステップS11に移行する。
【0053】
ステップS11において、形状認識部43は次回の検出タイミングが到来したかを判定し、次回の検出タイミングが到来したらステップS2に戻る。これにより、4回目の検出タイミング以降は、検出タイミングごとに形状認識部43による形状認識の結果が更新される。
【0054】
上述したステップS5~ステップS10の処理を行うことにより、仮想検知点が追加され、形状を認識しようとする物体の形状の再現率が向上するため、パターンマッチングの精度が向上する。
【0055】
上述したステップS7の処理を行うことにより、レーダ装置1の物理的特性を考慮した場合に検知点にならないことが妥当な位置の仮想検知点のみを有効にすることができる。これにより、仮想検知点の追加によって誤った形状が認識させることを抑制できる。
【0056】
<3.有効判定の詳細>
図4は有効判定処理(図2中のステップS7)の一例を示すフローチャートである。有効判定部43dは、図2中のステップS7を1回実行する際に図4に示すフロー動作を仮想検知点ごとに実行する。
【0057】
ステップS71において、有効判定部43dは、第1条件、すなわち仮想検知点の方位角の絶対値が第1所定角度θ1以上であるか否かを判定する。また、有効判定部43dは第1条件を満たす検出タイミングの割合(以下、割合RT1という)が所定値α以上であるか否かを判定する。図3中のθaは、検出タイミングtaでの仮想検知点VDP1の方位角である。仮想検知点の方位角は、レーダ装置1及び仮想検知点を結ぶ線分と自車両V1の前方向とのなす角度であり、例えば自車両V1の右側に仮想検知点が存在する場合には正の値となり自車両V1の左側に仮想検知点が存在する場合には負の値となる。
【0058】
本実施形態では、有効判定部43dは、直近4回分の検出タイミングta~tdそれぞれにおける仮想検知点の方位角の絶対値|θa|~|θd|を取得し、割合RT1を算出する。例えば検出タイミングtaにおける仮想検知点の方位角の絶対値|θa|のみが第1所定角度θ1以上であって、検出タイミングtb~tdそれぞれにおける仮想検知点の方位角の絶対値|θb|~|θd|が第1所定角度θ1未満であれば、割合RT1は0.25になる。
【0059】
割合RT1が所定値α以上であれば、有効判定部43dは、仮想検知点を有効と判定し(ステップS73)、その後ステップS74に移行する。
【0060】
一方、割合RT1が所定値α以上でなければ、ステップS72に移行する。
【0061】
ステップS72において、有効判定部43dは、第2条件、すなわちテンプレートの面の仮想検知点が存在する位置にレーダ装置1の送信波が入射したと仮定した場合における送信波の入射角度が第2所定角度θ2以上であるか否かを判定する。また、有効判定部43dは、第2条件を満たす検出タイミングの割合(以下、割合RT2という)が所定値β以上であるか否かを判定する。図3中のθa’は、テンプレートTPの面F1の仮想検知点VDP1が存在する位置に検出タイミングtaでレーダ装置1の送信波が入射したと仮定した場合における送信波の入射角度である。第2条件において仮想検知点は必ずしも厳密にテンプレートの面上に存在する必要はない。設計上、面上に存在すると判断できる範囲で近接していればよい。例えばレーダ装置1の測定誤差程度にあえてばらつかせて仮想検知点を生成する方法をとっても良い。仮想検知点がテンプレートの面上に存在しない場合は、仮想検知点に近い面を選択して第2条件を評価してもよい。また仮想検知点がテンプレートの角のような複数の面に近接して存在する場合は、どちらか片方の面に対して評価してもよいし、両方の面に対して評価してもよい。テンプレートが曲面の場合は、仮想検知点における接面に対する入射角度としてもよい。なお、所定値βは所定値αと同一であってもよく、所定値αと異なっていてもよい。
【0062】
本実施形態では、有効判定部43dは、直近4回分の検出タイミングta~tdそれぞれにおける送信波の入射角度θa’~θd’を取得し、割合RT2を算出する。例えば検出タイミングtaにおける送信波の入射角度θa’のみが第2所定角度θ2未満であって、検出タイミングtb~tdそれぞれにおける送信波の入射角度θb’~θd’が第2所定角度θ2以上であれば、割合RT2は0.75になる。
【0063】
割合RT2が所定値β以上であれば、有効判定部43dは、仮想検知点を有効と判定し(ステップS73)、その後ステップS74に移行する。
【0064】
一方、割合RT2が所定値β以上でなければ、ステップS73に移行することなくステップS74に移行する。
【0065】
ステップS74は、全ての仮想検知点に関してステップS71~S73の処理が完了してから実行される。ステップS74において、有効判定部43dは、第3条件、すなわちレーダ装置1と判定対象である仮想検知点との間(レーダ装置1と判定対象である仮想検知点とを結ぶ線分上)に検知点及び有効な仮想検知点の少なくとも一方が存在するか否かを判定する。また、有効判定部43dは、第3条件を満たす検出タイミングの割合(以下、割合RT3という)が所定値γ以上であるか否かを判定する。なお、所定値γは、所定値αと同一であってもよく、所定値αと異なっていてもよく、所定値βと同一であってもよく、所定値βと異なっていてもよい。なお、レーダ装置1と判定対象である仮想検知点とを結ぶ線分上とは、ある幅をもった線分上の範囲としてもよい。逆に仮想検知点にある拡がり範囲を持たせて線分上に乗るか否かを判定してもよい。
【0066】
本実施形態では、有効判定部43dは、直近4回分の検出タイミングta~tdそれぞれにおいてレーダ装置1と判定対象である仮想検知点との間に検知点及び有効な仮想検知点の少なくとも一方が存在するかを判定し、割合RT3を算出する。例えば検出タイミングta及びtbにおいてレーダ装置1と判定対象である仮想検知点との間に検知点及び有効な仮想検知点の少なくとも一方が存在し、検出タイミングtc及びtdにおいてレーダ装置1と判定対象である仮想検知点との間に検知点及び有効な仮想検知点のいずれもが存在しなければ、割合RT3は0.5になる。
【0067】
割合Rt3が所定値γ以上であれば、有効判定部43dは、判定対象である仮想検知点を有効と判定し(ステップS75)、フロー動作を終了する。
【0068】
一方、割合RT3が所定値γ以上でなければ、ステップS75に移行することなくフロー動作を終了する。
【0069】
上述したステップS71~ステップS73の処理を行うことにより、本明細書の段落0005に記載した理由(1)及び(2)を考慮した場合に検知点にならないことが妥当な位置の仮想検知点を有効にすることができる。
【0070】
上述したステップS74~ステップS75の処理を行うことにより、本明細書の段落0005に記載した理由(3)を考慮した場合に検知点にならないことが妥当な位置の仮想検知点を有効にすることができる。
【0071】
上述した図4に示すステップS74の処理内容(より具体的には第3条件の内容)を変更し、有効判定部43dが図5に示すフロー動作を行っても同様の効果を得ることができる。なお、有効判定部43dが図5に示すフロー動作を行う場合、ステップS74は、全ての仮想検知点に関してステップS71~S73の処理が完了してから実行されなくてもよい。
【0072】
図5に示すフローチャートのステップS74において、有効判定部43dは、第3条件、すなわちレーダ装置1と判定対象である仮想検知点とを結ぶ線分がテンプレートの他の面(判定対象である仮想検知点が存在しない面)を通過するか否かを判定する。また、有効判定部43dは、第3条件を満たす検出タイミングの割合(以下、割合RT4という)が所定値γ以上であるか否かを判定する。上記の通過について、例を挙げて説明すると、判定対象を図2に示す仮想検知点VDP1とした場合、検出タイミングtaにおいてレーダ装置1と仮想検知点VDP1とを結ぶ線分はテンプレートTPの仮想検知点VDP1が存在しない面(面F2~F4)を通過していない。
【0073】
本実施形態では、有効判定部43dは、直近4回分の検出タイミングta~tdそれぞれにおいてレーダ装置1と判定対象である仮想検知点とを結ぶ線分がテンプレートの判定対象である仮想検知点が存在しない面を通過するかを判定し、割合RT4を算出する。例えば検出タイミングta及びtbにおいてレーダ装置1と判定対象である仮想検知点とを結ぶ線分がテンプレートの判定対象である仮想検知点が存在しない面を通過し、検出タイミングtc及びtdにおいてレーダ装置1と判定対象である仮想検知点とを結ぶ線分がテンプレートの判定対象である仮想検知点が存在しない面を通過しなければ、割合RT4は0.5になる。
【0074】
本実施形態では、有効判定部43dは、仮想検知点の時系列情報に基づき仮想検知点が有効であるか否かを判定している。例えば、ステップS71及びS73では、仮想検知点の時系列情報に該当する直近4回分の検出タイミングta~tdそれぞれにおける仮想検知点の方位角の絶対値|θa|~|θd|に基づき仮想検知点が有効であるか否かを判定している。
【0075】
仮想検知点の時系列情報に基づき仮想検知点が有効であるか否かを判定することにより、仮想検知点の情報に関する瞬時的なノイズが有効判定に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0076】
本実施形態では、有効判定部43dは、仮想検知点の時系列情報の各々に対応するレーダ装置1の各位置に基づき仮想検知点が有効であるか否かを判定している。例えばステップS71では、仮想検知点の方位角の絶対値|θa|は検出タイミングtaにおけるレーダ装置1の位置に基づいて算出され、仮想検知点の方位角の絶対値|θb|は検出タイミングtbにおけるレーダ装置1の位置に基づいて算出され、仮想検知点の方位角の絶対値|θc|は検出タイミングtcにおけるレーダ装置1の位置に基づいて算出され、仮想検知点の方位角の絶対値|θd|は検出タイミングtdにおけるレーダ装置1の位置に基づいて算出される。
【0077】
仮想検知点の時系列情報の各々に対応するレーダ装置1の各位置に基づき仮想検知点が有効であるか否かを判定することにより、仮想検知点の時系列情報の各々に対応するレーダ装置1の各位置を1つの代表位置で近似する場合に比べて有効判定の精度を向上させることができる。
【0078】
なお、第1パターンマッチングのマッチング率MR1が第2閾値TH2より大きく第1閾値TH1以下となるテンプレートが複数種類存在する場合には、仮想検知点生成部43は複数種類のテンプレートそれぞれについて仮想検知点を生成することが望ましい。そして、第2マッチング部43cは複数種類のテンプレートそれぞれに関して第3パターンマッチングのマッチング率MR3を算出し、第3パターンマッチングのマッチング率MR3が最も高くなるテンプレートに関する第3パターンマッチングについてのみステップS9及びステップS10の処理を行うようにすればよい。
【0079】
これにより、第1パターンマッチングのマッチング率MR1が最も高くなるテンプレートについてのみ仮想検知点生成部43が仮想検知点を生成する場合に比べて有効判定の精度を向上させることができる。或るテンプレートに関する第1パターンマッチングのマッチング率MR1が他のテンプレートに関する第1パターンマッチングのマッチング率MR1より低くても、或るテンプレートに関する第3パターンマッチングのマッチング率MR3が他のテンプレートに関する第3パターンマッチングのマッチング率MR3より高くなる場合があるからである。
【0080】
<4.その他>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0081】
例えば、上述した実施形態ではレーダ装置はFMCW方式のレーダ装置であったが、他の方式のレーダ装置を用いてもよい。例えば、例えばFCM(Fast-Chirp Modulation)方式のレーダ装置を用いてもよい。
【0082】
例えば、上述した実施形態ではレーダ装置は車両に搭載されたが、車両以外の移動体、例えば船舶、飛行体などに搭載されてもよい。
【0083】
例えば、上述した実施形態における図4に示すフローチャート又は図5に示すフローチャートのステップS71とステップS72とを入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 レーダ装置
43 形状認識部
43a 第1マッチング部
43b 仮想検知点生成部
43c 第2マッチング部
43d 有効判定部
43e マッチング判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6