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特許7207945アトマイズノズル、アトマイズ装置、及び金属粉末の製造方法
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  • 特許-アトマイズノズル、アトマイズ装置、及び金属粉末の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】アトマイズノズル、アトマイズ装置、及び金属粉末の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 9/08 20060101AFI20230111BHJP
   B01J 2/02 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B22F9/08 A
B01J2/02 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018201273
(22)【出願日】2018-10-25
(65)【公開番号】P2020066783
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176833
【氏名又は名称】三菱製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】小松 由尚
(72)【発明者】
【氏名】畑中 雅哉
【審査官】瀧澤 佳世
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-032761(JP,A)
【文献】特開2006-247619(JP,A)
【文献】特開平06-238211(JP,A)
【文献】特開2003-113406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 9/08
B01J 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びて下端から溶湯が流下される溶湯ノズルと、
前記溶湯ノズルを外周側から囲う内周面を有するチャンバ、該チャンバ内に前記溶湯ノズルの周方向に向かってガスを導入する導入部、及び、前記チャンバから前記溶湯ノズルを囲いながら該溶湯ノズルの下端よりも下方まで延びるカバーであって、前記チャンバの内周面に接続されて下方に向かうに従って縮径するテーパ内周面が形成されたカバーを有するガスノズルと、
を備え、
前記テーパ内周面の径寸法の減少率は、上下方向の全域にわたって単調変化であり、
前記カバーは、前記テーパ内周面の下方に設けられ、下方に向かうに従って縮径する第二縮径部と、前記第二縮径部の内側に、下方に向かう成分を含むガスの流れを導入する軸方向ガス導入部と、をさらに有し、
前記第二縮径部の上方の端部は、前記テーパ内周面の下方の端部よりも大きな径寸法を有することで、前記上方の端部及び前記下方の端部との間に、前記軸方向ガス導入部としての開口が形成され、
前記第二縮径部の下端部は、前記溶湯ノズルの下端部よりも下方に位置している
アトマイズノズル。
【請求項2】
前記導入部は、前記チャンバに対し斜め下方に向けて前記ガスを導入する請求項1に記載のアトマイズノズル。
【請求項3】
前記カバーは、前記テーパ内周面の下方に接続されて下方に向かうに従って拡径する拡径面をさらに有する請求項1又は2に記載のアトマイズノズル。
【請求項4】
前記チャンバは、上下方向を中心軸とする円環状をなしている請求項1からのいずれか一項に記載のアトマイズノズル。
【請求項5】
前記導入部は、前記チャンバに対して該チャンバの接線方向から接続されている請求項に記載のアトマイズノズル。
【請求項6】
前記カバーは、前記周方向に間隔をあけて配列された複数の前記導入部を有する請求項1からのいずれか一項に記載のアトマイズノズル。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載のアトマイズノズルを含むアトマイズ装置。
【請求項8】
アトマイズノズルを用いて金属粉末を製造する方法であって、
上下方向に延びる溶湯ノズルの下端から溶湯を流下させるステップと、
前記溶湯ノズルを外周側から囲う内周面を有するチャンバ内に、前記溶湯ノズルの周方向に向かってガスを導入する導入部からガスを導入するステップと、
前記チャンバから前記溶湯ノズルを囲いながら該溶湯ノズルの下端よりも下方まで延びるカバーであって、前記チャンバの内周面に接続されて下方に向かうに従って縮径するテーパ内周面が形成されたカバーにより導入された前記ガスに旋回流を付与し、該ガスを前記溶湯に接触させて、前記溶湯を微粒化するステップと、
を含み、
前記テーパ内周面の径寸法の減少率は、上下方向の全域にわたって単調変化であり、
前記カバーは、前記テーパ内周面の下方に設けられ、下方に向かうに従って縮径する第二縮径部と、前記第二縮径部の内側に、下方に向かう成分を含むガスの流れを導入する軸方向ガス導入部と、をさらに有し、
前記第二縮径部の上方の端部は、前記テーパ内周面の下方の端部よりも大きな径寸法を有することで、前記上方の端部及び前記下方の端部との間に、前記軸方向ガス導入部としての開口が形成され、
前記第二縮径部の下端部は、前記溶湯ノズルの下端部よりも下方に位置している
金属粉末の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトマイズノズル、アトマイズ装置、金属粉末の製造方法、及び金属粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3Dプリンタによる金属部品の製造に注目が集まっている。この種の製造方法では、溶融した金属粉末を所定の形状に沿って積層、溶着させた後、冷却硬化させることで、所望の形状を有する部品を得ることができる。良好な形状・性質を有する部品を製造するためには、上記した金属粉末の品質が肝要となる。
【0003】
金属粉末を得るための技術として、これまでにフリーフォール方式や、クローズ・カップルド方式と呼ばれる方法が提唱されている。これらの方法では、溶融した金属母材を重力によって下方に流下させながら、周囲から不活性ガスを噴射する。ガスの噴流によってせん断力が作用し、溶融した母材が分裂・微粒化される。その後、粒子径に基づいて分級を行い、一定の粒子径を有する金属粉末を得ることができる。このような技術の具体例として、例えば下記特許文献1に記載されたガスアトマイズノズルが知られている。
【0004】
特許文献1に記載されたガスアトマイズノズルは、溶融した金属母材を流下させる溶湯ノズルと、この溶湯ノズルを包囲するガスノズルと、を備えている。ガスノズルは、円環状のガス供給室と、このガス供給室から溶湯ノズルの周囲に向かってガスを噴出するノズル孔と、を有している。ガス供給室には、当該ガス供給室に接線方向からガスを導入する導入口が接続されている。ノズル孔は、溶湯ノズルの吐出口よりも上方に位置している。これにより、上記のノズル孔から噴出したガスに、旋回成分を与えることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-113406号公報
【文献】特開2005-139471号公報
【文献】国際公開第2018/139544号
【文献】国際公開第2012/157733号
【文献】実開平6-22338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置では、ノズル孔が、溶湯ノズルの吐出口よりも上方に配置されていることから、ガスに与えられていた旋回流成分が、溶湯ノズルの吐出口に達した時点ではすでに拡散して失われてしまう。その結果、溶湯に十分なせん断力を加えることができず、得られる金属粉末の粒子径が不均一になってしまう虞がある。また、せん断力を増加させるべく、ガスの流速を上げた場合には、周方向においてガスの流れ同士が干渉してしまい、金属粉末を安定的に生成できない虞がある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、より均一な粒子径を有する金属粉末を安定的に生成することが可能なアトマイズノズル、アトマイズ装置、及び金属粉末の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るアトマイズノズルは、上下方向に延びて下端から溶湯が流下される溶湯ノズルと、前記溶湯ノズルを外周側から囲う内周面を有するチャンバ、該チャンバ内に前記溶湯ノズルの周方向に向かってガスを導入する導入部、及び、前記チャンバから前記溶湯ノズルを囲いながら該溶湯ノズルの下端よりも下方まで延びるカバーであって、前記チャンバの内周面に接続されて下方に向かうに従って縮径するテーパ内周面が形成されたカバーを有するガスノズルと、を備え、前記テーパ内周面の径寸法の減少率は、上下方向の全域にわたって単調変化であり、前記カバーは、前記テーパ内周面の下方に設けられ、下方に向かうに従って縮径する第二縮径部と、前記第二縮径部の内側に、下方に向かう成分を含むガスの流れを導入する軸方向ガス導入部と、をさらに有し、前記第二縮径部の上方の端部は、前記テーパ内周面の下方の端部よりも大きな径寸法を有することで、前記上方の端部及び前記下方の端部との間に、前記軸方向ガス導入部としての開口が形成され、前記第二縮径部の下端部は、前記溶湯ノズルの下端部よりも下方に位置している
【0009】
本発明の一態様に係る金属粉末の製造方法は、アトマイズノズルを用いて金属粉末を製造する方法であって、上下方向に延びる溶湯ノズルの下端から溶湯を流下させるステップと、前記溶湯ノズルを外周側から囲う内周面を有するチャンバ内に、前記溶湯ノズルの周方向に向かってガスを導入する導入部からガスを導入するステップと、前記チャンバから前記溶湯ノズルを囲いながら該溶湯ノズルの下端よりも下方まで延びるカバーであって、前記チャンバの内周面に接続されて下方に向かうに従って縮径するテーパ内周面が形成されたカバーにより導入された前記ガスに旋回流を付与し、該ガスを前記溶湯に接触させて、前記溶湯を微粒化するステップと、を含み、前記テーパ内周面の径寸法の減少率は、上下方向の全域にわたって単調変化であり、前記カバーは、前記テーパ内周面の下方に設けられ、下方に向かうに従って縮径する第二縮径部と、前記第二縮径部の内側に、下方に向かう成分を含むガスの流れを導入する軸方向ガス導入部と、をさらに有し、前記第二縮径部の上方の端部は、前記テーパ内周面の下方の端部よりも大きな径寸法を有することで、前記上方の端部及び前記下方の端部との間に、前記軸方向ガス導入部としての開口が形成され、前記第二縮径部の下端部は、前記溶湯ノズルの下端部よりも下方に位置している
【0010】
上記構成によれば、導入部を経てチャンバ内に、溶湯ノズルの周方向に向かってガスが導入される。これにより、チャンバ内では内周面に沿って、周方向に旋回する旋回流が形成される。さらに、チャンバの内周面は、カバーのテーパ内周面に接続されている。これにより、旋回流はテーパ内周面に沿って下方に向かって流れる。ここで、テーパ内周面は、下方に向かうに従って縮径していることから、旋回流は下方に向かうに従ってその角速度が増大する。その結果、溶湯ノズルから流下された溶湯に対して大きなせん断力を与えることができる。加えて、カバーは、溶湯ノズルの下端よりも下方まで延びていることから、旋回流が発散する前に当該旋回流を溶湯に接触させることができる。一方で、カバーが溶湯ノズルの下端よりも上方に留まっている場合、カバーから噴出した旋回流が、溶湯ノズルの吐出口に達した時点ではすでに拡散して失われてしまう可能性がある。上記の構成によれば、このような可能性を低減することができる。
【0011】
上記アトマイズノズルでは、前記導入部は、前記チャンバに対し斜め下方に向けて前記ガスを導入してもよい。
【0012】
上記構成によれば、導入部によってガスがチャンバに対して斜め下方に向けて導入される。即ち、ガスに対して、上方から下方に向かう流れ成分を付与することができる。これにより、溶湯に対してより大きなせん断力を与えることができる。
【0013】
上記アトマイズノズルでは、前記カバーは、前記テーパ内周面の下方に接続されて下方に向かうに従って拡径する拡径面をさらに有してもよい。
【0014】
上記構成によれば、カバーが拡径面をさらに有していることから、テーパ内周面に沿って流れる際に音速に達したガスは、拡径面を経てさらに高速となる。これにより、溶湯に対してさらに大きなせん断力を与えることができる。加えて、ガスの流れが高速化されることで、下方に向かう速度成分も増加するため、金属粉末を下方に吹き飛ばす効果が増加し、テーパ内周面や拡径面への金属粉末の付着を防止することができる。これにより、溶湯ノズルが閉塞される可能性を低減すると共に生成した金属粉末の回収率を向上させることができる。
【0015】
上記アトマイズノズルでは、前記カバーは、前記テーパ内周面の下方に設けられ、下方に向かうに従って縮径する第二縮径部と、前記第二縮径部の内側に、下方に向かう成分を含むガスの流れを導入する軸方向ガス導入部と、をさらに有してもよい。
【0016】
上記構成によれば、軸方向ガス導入部によって、第二縮径部の内側に、下方に向かう成分を含むガスの流れを導入することができる。ここで、テーパ内周面を経て下方に達した旋回流成分を含むガスの流れは、遠心力によって外周側に広がる傾向にある。しかしながら、上記の構成では、旋回流を含むガスの流れが、軸方向ガス導入部から導入されたガスによって外周側から抑え込まれる。その結果、旋回流の角速度が高められ、ガスによるせん断力をさらに増大させることができる。さらに、ガスの流れが高速化されることで、下方に向かう速度成分も増加するため、金属粉末を下方に吹き飛ばす効果が増加し、テーパ内周面や拡径面への金属粉末の付着を防止することができる。これにより、溶湯ノズルが閉塞される可能性を低減すると共に生成した金属粉末の回収率を向上させることができる。
【0017】
上記アトマイズノズルでは、前記第二縮径部の上方の端部は、前記テーパ内周面の下方の端部よりも大きな径寸法を有することで、前記上方の端部及び前記下方の端部との間に、前記軸方向ガス導入部としての開口が形成されていてもよい。
【0018】
上記構成によれば、第二縮径部の上方の端部と、テーパ内周面の下方の端部との間に開口を形成することによって、周方向の全域にわたって、下方に向かうガスの流れを形成することができる。その結果、旋回流を含むガスの流れを、軸方向ガス導入部から導入されたガスによって外周側から均一に抑え込むことができる。これにより、溶湯に対して周方向に均一なせん断力が与えられ、金属粉末を安定的に生成することができる。
【0019】
上記アトマイズノズルでは、前記チャンバは、上下方向を中心軸とする円環状をなしていてもよい。
【0020】
上記構成によれば、チャンバが円環状をなしていることにより、チャンバ内で旋回流を円滑に形成することができる。一方で、チャンバが矩形や多角形状をなしている場合には、角部でガスの流れが剥離したり、淀んだりするため、旋回流を安定的に形成することができない可能性がある。上記の構成によれば、このような可能性を低減することができる。
【0021】
上記アトマイズノズルでは、前記導入部は、前記チャンバに対して該チャンバの接線方向から接続されていてもよい。
【0022】
上記構成によれば、導入部がチャンバに対して接線方向から接続されているため、チャンバ内に形成される旋回流の旋回速度(周方向速度)をさらに高めることができる。これにより、溶湯に対して十分に大きなせん断力を与えることができる。
【0023】
上記アトマイズノズルでは、前記カバーは、前記周方向に間隔をあけて配列された複数の前記導入部を有してもよい。
【0024】
上記構成によれば、カバーが、周方向に間隔をあけて配列された複数の導入部を有することから、チャンバ内で形成される旋回流の旋回速度(周方向速度)の分布を均一化することができる。これにより、溶湯に対して周方向の全域にわたって均一にせん断力を与えることができる。
【0025】
本発明の一態様に係るアトマイズ装置は、上記いずれか一の態様に係るアトマイズノズルを含む。
【0026】
上記構成によれば、金属粉末を安定的に製造することが可能なアトマイズ装置を得ることができる。
【0027】
上記の金属粉末の製造方法において、前記溶湯は、溶湯収容部に収容されており、製造方法は、前記溶湯の液面の高さをセンサにより検知するステップと、検知された前記高さに応じて、前記導入部から導入されるガスの圧力を調整するステップと、を含んでもよい。
【0028】
この方法によれば、溶湯の流量が減少した場合に、ガスの圧力を低下させ、ガスと溶湯との流量比(メタル/ガス比)を常時適正化することができる。即ち、溶湯の流量に応じてガスの流量を調整することができる。これにより、より安定的に金属粉末を生成することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、より均一な粒子径を有する金属粉末を安定的に生成することが可能なアトマイズノズル、アトマイズ装置、及び金属粉末の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第一実施形態に係るアトマイズノズルの縦断面図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3】本発明の第二実施形態に係るアトマイズノズルの縦断面図である。
図4図3のIV-IV線のおける断面図である。
図5】本発明の第三実施形態に係るアトマイズノズルの縦断面図である。
図6】本発明の各実施形態の変形例に係るアトマイズノズルの構成を示す模式図である。
図7】本発明の実施形態に係る金属粉末の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、図1図2を参照して説明する。本実施形態に係るアトマイズノズル装置90は、一例として3Dプリンタによる部品の造形に用いられる金属粉末を生成するための装置である。図1に示すように、このアトマイズ装置90は、アトマイズノズル100と、ガス供給部3と、を備えている。アトマイズノズル100は、溶湯ノズル1と、ガスノズル2と、を有している。
【0032】
溶湯ノズル1は、溶融した液相状態の金属母材(溶湯M)を重力によって下方に向かって流下させるために設けられている。溶湯ノズル1は、溶湯収容部11と、円筒部12と、先端部13と、を有している。溶湯収容部11は、溶湯Mを一時的に貯留するための容器である。溶湯収容部11は、上下方向に延びる軸線Amを中心として有底円筒状に形成されている。
【0033】
円筒部12は、溶湯収容部11の底面に接続されて下方に延びる筒状をなしている。円筒部12は、軸線Amを中心とする円筒状をなしている。軸線Amに対する径方向の円筒部12の寸法は、上下方向の全域にわたって一定である。円筒部12は、溶湯収容部11の中心位置(軸線Amの位置)に接続されている。即ち、円筒部12と溶湯収容部11とは、互いに同軸上に設けられている。円筒部12の径方向の寸法は、溶湯収容部11の径方向の寸法よりも小さい。
【0034】
先端部13は、円筒部12の下端に接続されている。先端部13は、上方から下方に向かうに従って、径方向の寸法が次第に減少している。言い換えると、先端部13は、下方に向かうに従って次第に縮径している。先端部13の下端部は、下方に向かって開口する溶湯吐出口13Pとされている。溶湯吐出口13Pは、軸線Amを中心とする円形をなしている。液相状態の溶湯Mは、この溶湯吐出口13Pから下方に向かって流下される。なお、溶湯ノズル1の構成は上記に限定されず、例えば溶湯収容部11の底面に貫通孔を形成し、この貫通孔に連通するように上記の先端部13を取り付ける構成を採ることも可能である。つまり、上記の円筒部12を設けない構成を採ることも可能である。
【0035】
ガスノズル2は、溶湯吐出口13Pから吐出された溶湯Mに対してせん断力を与えることで、溶湯Mを分裂・微粒化させるためのガスを供給する。ガスノズル2は、環状部21と、チャンバ22と、導入部23と、カバー24と、を有している。
【0036】
図2に示すように、環状部21は、軸線Amを中心軸とする円環状をなしており、内部にはガスが流通するための空間が形成されている。軸線Amを含む面における環状部21の断面形状は矩形である。なお、環状部21の断面形状は矩形に限定されず、円形であってもよい。
【0037】
チャンバ22は、環状部21の内周側に設けられ、軸線Amを中心とする円環状をなしている。チャンバ22の内部には、後述する導入部23を経て環状部21から導入されたガスが流通する空間が形成されている。
【0038】
導入部23は、環状部21とチャンバ22とを接続している。本実施形態では、ガスノズル2は、軸線Amの周方向に間隔(等間隔)をあけて複数(4つ)の導入部23を有している。各導入部23は、チャンバ22の外周面から、当該チャンバ22のなす円形の接線方向に延びている。導入部23の両端部のうち、環状部21側の端部は第一端部23Aとされ、チャンバ22側の端部は第二端部23Bとされている。第一端部23Aは、環状部21の内周面上にそれぞれ開口している。第二端部23Bは、チャンバ22の内周面(チャンバ内周面22S)上にそれぞれ開口している。これにより、導入部23を経て環状部21から供給されたガスの流れは、チャンバ22内で周方向に向かって流れる。なお、導入部23は、第一端部23Aと第二端部23Bとが水平面内(即ち、軸線Amに直交する面内)に位置していてもよいし、図6に示すように、第二端部23Bが第一端部23Aよりも下方に位置していてもよい。即ち、第一端部23Aから第二端部23Bに向かうに従って、導入部23が上方から下方に向かって斜めに延びていてもよい。後者の場合には、ガスの流れに軸線Am方向の成分を与えることができる。また、導入部23自体が水平面内に延びている場合であっても、チャンバ22に対して斜め上方から下方に向けてガスを導入する構成を採ることも可能である。この場合にも、ガスの流れに軸線Am方向の成分を与えることができる。
【0039】
カバー24は、上記のようにチャンバ22内を流通しているガスを、溶湯ノズル1の先端部(溶湯吐出口13P)に向かって案内する。図1に示すように、本実施形態では、ガスノズル2は、カバー24としての縮径部25を有している。縮径部25は、軸線Amを中心として、チャンバ22から下方に向かって延びており、下方に向かうに従って縮径している。縮径部25は、チャンバ22の下端部から溶湯ノズル1を囲いながら、溶湯ノズル1の下端部(溶湯吐出口13P)よりも下方まで延びている。縮径部25の内周面は、下方に向かうに従って縮径するテーパ内周面25Sとされている。テーパ内周面25Sの径寸法の減少率は、軸線Am方向の全域にわたって単調変化である。つまり、径寸法は常に下方の方が小さくなる。
【0040】
カバー24の下端部は、上記したガスを吐出するガス吐出口25Pとされている。上下方向(軸線Am方向)におけるガス吐出口25Pの位置は、溶湯ノズル1の溶湯吐出口13Pよりも下方とされている。ガス吐出口25Pは、軸線Amを中心とする円形をなしている。ガス吐出口25Pの径方向の寸法(開口径)は、溶湯吐出口13Pの径方向の寸法(開口径)よりも大きい。ガス吐出口25Pと溶湯吐出口13Pとは、互いに軸線Amを中心とする同軸上に配置されている。
なお、ガス吐出口25Pの直径をDとした場合、ガス吐出口25Pと溶湯吐出口13Pとの上下方向の間隔H(軸線Am上の間隔)は、1D<H<2Dの寸法に設定されていることが好ましい。ここで、ガス吐出口25Pでは旋回流によってガスが半径方向外側に拡散する。上記のように、間隔Hを1Dよりも大きくすることで、カバー24内の流れにこの影響が伝搬することを抑制することが可能となる。その結果、溶湯Mにより大きな流体力を与えることができる。
【0041】
ガス供給部3は、ガス供給源31と、ガス圧送部32(圧縮機32)と、供給配管33と、を有している。ガス供給源31は、例えばアルゴンやネオン等の不活性ガスを貯留するための容器である。ガス供給源31は、供給配管33によって、上述の環状部21に接続されている。供給配管33上には、ガスを圧送するための圧縮機32が設けられている。即ち、圧縮機32を駆動することによって、ガス供給源31から環状部21に向かってガスが導入される。なお、ガスの成分や組成は上記のアルゴンやネオンに限定されず、溶湯M(金属母材)との間で化学反応を生じない限りにおいてはいかなる気体もガスとして用いることが可能である。また、上記の圧縮機32に代えて、ガスが封入された高圧ボンベや高圧タンクをガス圧送部32として用いることも可能である。
【0042】
次に、本実施形態に係る金属粉末の製造方法について、図7を参照して説明する。同図に示すように、この製造方法は、溶湯流下ステップS1と、ガス導入ステップS2と、微粒化ステップS3と、を含む。溶湯流下ステップS1では、上述の溶湯ノズル1から液相状態の溶湯Mを流下させる。次いで、ガス導入ステップS2では、上述の導入部23によってチャンバ22内に、溶湯ノズル1の周方向にガスを導入する。その後、微粒化ステップS3で、ガスのせん断力によって溶湯Mが微粒化されて金属粉末が得られる。以上により、本実施形態に係る金属粉末の製造方法の全工程が完了する。
【0043】
続いて、本実施形態に係るアトマイズノズル100の動作について説明する。アトマイズノズル100を動作させるに当たっては、まず上記の圧縮機32を駆動することで、ガスをガスノズル2の環状部21内に供給する。同時に、溶湯ノズル1の溶湯収容部11に溶湯Mを充填する。環状部21内にガスが充満すると、即ち、環状部21内におけるガスの圧力が高まると、当該圧力によって、ガスは導入部23に向かって流れる。導入部23を通過したガスは、チャンバ22内に導かれる。ここで、上述のように導入部23は、チャンバ22のなす円形の接線方向に延びていることから、導入部23からチャンバ22内に導かれたガスは、チャンバ22内で軸線Amの周方向一方側から他方側に向かって旋回する。チャンバ22内で形成された旋回流は、旋回速度(角速度)を維持したまま、チャンバ22の下方に接続されたカバー24(縮径部25)に到達する。
【0044】
ここで、カバー24の内周面は、下方に向かうに従って縮径するテーパ内周面25Sをなしている。したがって、チャンバ22から導かれたガスの旋回流は、テーパ内周面25Sに沿って旋回しながら下方に流れる。この時、テーパ内周面25Sが縮径していることによって、旋回流の角速度は下方に向かうにつれて次第に増加する。その後、溶湯ノズル1の溶湯吐出口13Pまで到達したガスは、溶湯吐出口13Pから流下された溶湯Mに接触することで、溶湯Mにせん断力を与える。このせん断力によって、溶湯Mが分裂・微粒化される。溶湯Mの微粒子は、下方に移動するにつれて冷却硬化し、金属粉末となる。このようにして生成された金属粉末を不図示の回収装置によって回収し、粒子径に応じて分級する。これにより、所望の粒子径を有する金属粉末が得られる。
【0045】
上記の構成によれば、導入部23を経てチャンバ22内に、溶湯ノズル1の周方向に向かってガスが導入される。これにより、チャンバ22内では内周面に沿って、周方向に旋回する旋回流が形成される。さらに、チャンバ22の内周面は、カバー24のテーパ内周面25Sに接続されている。これにより、旋回流はテーパ内周面25Sに沿って下方に向かって流れる。ここで、テーパ内周面25Sは、下方に向かうに従って縮径していることから、旋回流は下方に向かうに従ってその角速度が増大する。その結果、溶湯ノズル1から流下された溶湯Mに対して大きなせん断力を与えることができる。加えて、カバー24は、溶湯ノズル1の下端よりも下方まで延びていることから、旋回流が発散する前に当該旋回流を溶湯Mに接触させることができる。一方で、カバー24が溶湯ノズル1の下端よりも上方に留まっている場合、カバー24から噴出した旋回流が、溶湯ノズル1の吐出口に達した時点ではすでに拡散して失われてしまう可能性がある。しかしながら、上記の構成によれば、このような可能性を低減することができる。その結果、より均一な粒子径を有する金属粉末を安定的に生成することができる。
【0046】
さらに、上記構成によれば、チャンバ22が軸線Amを中心とする円環状をなしていることにより、チャンバ22内で旋回流を円滑に形成することができる。一方で、チャンバ22が矩形や多角形状をなしている場合には、角部でガスの流れが剥離したり、淀んだりするため、旋回流を安定的に形成することができない可能性がある。上記の構成によれば、このような可能性を低減することができる。
【0047】
加えて、上記構成によれば、導入部23がチャンバ22に対して接線方向から接続されているため、チャンバ22内に形成される旋回流の旋回速度(周方向速度)をさらに高めることができる。これにより、溶湯Mに対して十分に大きなせん断力を与えることができる。
【0048】
さらに加えて、上記構成によれば、カバー24が、周方向に間隔をあけて配列された複数の導入部23を有することから、チャンバ22内で形成される旋回流の旋回速度(周方向速度)の分布を均一化することができる。これにより、溶湯Mに対して周方向の全域にわたって均一にせん断力を与えることができる。
【0049】
以上、本発明の第一実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば上記第一実施形態では、導入部23が4つ設けられている例について説明した。しかしながら、導入部23の個数は4つに限定されず、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
さらに、上記第一実施形態では、導入部23が周方向に間隔をあけて複数配列されている例について説明した。しかしながら、導入部23の構成は上記に限定されず、周方向に隣接するように周方向全域にわたって複数の導入部23を連続的に配置することも可能である。
【0050】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図3図4を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態に係るアトマイズノズル200では、カバー224の構成が上記第一実施形態と異なっている。図3に示すように、カバー224は、上記第一実施形態で説明した縮径部25と、当該縮径部25の下方に接続された拡径部26と、を有している。拡径部26は、縮径部25の下端部から下方に向かうに従って、径方向の寸法が次第に増加するように形成されている。拡径部26の内周面(拡径面26S)は、下方に向かうに従って拡径している。
【0051】
縮径部25と拡径部26との接続部分(のど部27)の上下方向(軸線Am方向)における位置は、以下のように設定されている。のど部27の開口径(直径)をDとした時、のど部27の上下方向における位置は、溶湯ノズル1の溶湯吐出口13Pを基準として、上方向にDの10%から、下方向にDの30%までの範囲内とされている。より好ましくは、のど部27の位置は、上方向にDの0%から、下方向にDの10%までの範囲内とされる。
【0052】
さらに、本実施形態では図4に示すように、拡径部26を有していない場合(即ち、第一実施形態の構成)に比べて、導入部23の個数を増やすことが望ましい。具体的には、導入部23を5つ以上設ける、又は全周に間隔をあけずに設けることが望ましい。即ち、周方向に隣接するように周方向全域にわたって複数の導入部23を連続的に配置することが望ましい。なお、図4の例では、周方向に隣接するように周方向全域にわたって複数の導入部23が設けられ、周方向全域にわたってチャンバ22に接続されている例について図示している。また、同図の例では、複数の導入部23は軸線Amを中心として軸対称に配置されている。
【0053】
上記構成によれば、カバー224が拡径部26をさらに有することで、上方から下方に向かって延びるラバールノズルを形成している。これにより、テーパ内周面25Sに沿って流れる際に音速に達したガスは、拡径部26の内周面(拡径面26S)を経てさらに高速となる。その結果、溶湯Mに対してさらに大きなせん断力を与えることができる。加えて、ガスの流れが高速化されることで、下方に向かう速度成分(軸線Am方向成分)も増加するため、金属粉末を下方に吹き飛ばす効果が増加し、テーパ内周面や拡径面への金属粉末の付着を防止することができる。これにより、溶湯ノズル1が閉塞される可能性を低減すると共に生成した金属粉末の回収率を向上させることができる。
【0054】
以上、本発明の第二実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
【0055】
[第三実施形態]
続いて、本発明の第三実施形態について、図5を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態に係るアトマイズノズル300では、カバー324の構成が上記の各実施形態と異なっている。カバー324は、上記第一実施形態で説明した縮径部25(第一縮径部25Aとする)と、当該第一縮径部25Aの下方に設けられた第二縮径部25Bと、軸方向ガス導入部4と、第二チャンバ222と、を有している。
【0056】
第二縮径部25Bの上端部と第一縮径部25Aの下端部とは、軸線Am方向において同一の位置とされている。第一縮径部25Aの下端部は、溶湯吐出口13Pよりもわずかに下方に位置している。さらに、第二縮径部25Bの上端部は、テーパ内周面25Sの下端部よりも大きな径寸法を有している。これにより、第二縮径部25Bの上端部と、テーパ内周面25Sの下端部との間には、軸線Amに対する径方向に広がる開口が形成されている。この開口は、軸方向ガス導入部4とされている。軸方向ガス導入部4の上方には、第一縮径部25Aを外周側から囲むようにして配置された円環状の第二チャンバ222が設けられている。第二チャンバ222には、上述したガス供給源31からガスを導入する第二供給配管33Bが接続されている。
【0057】
上記構成によれば、軸方向ガス導入部4によって、第二縮径部25Bの内側に、下方に向かう成分を含むガスの流れを導入することができる。ここで、テーパ内周面25Sを経て下方に達した旋回流成分を含むガスの流れは、遠心力によって外周側に広がる傾向にある。しかしながら、上記の構成では、旋回流を含むガスの流れが、軸方向ガス導入部4から導入されたガスによって外周側から抑え込まれる。その結果、旋回流の拡散が抑制され、ガスによるせん断力をさらに増大させることができる。さらに、ガスの流れが高速化されることで、下方に向かう速度成分も増加するため、金属粉末を下方に吹き飛ばす効果が増加し、テーパ内周面や拡径面への金属粉末の付着を防止することができる。これにより、溶湯ノズル1が閉塞される可能性を低減すると共に生成した金属粉末の回収率を向上させることができる。
【0058】
さらに、上記構成によれば、第二縮径部25Bの上方の端部と、テーパ内周面25Sの下方の端部との間に開口(軸方向ガス導入口)を形成することによって、周方向の全域にわたって、下方に向かうガスの流れを形成することができる。その結果、旋回流を含むガスの流れを、軸方向ガス導入部4から導入されたガスによって外周側から均一に抑え込むことができる。これにより、溶湯Mに対して周方向に均一なせん断力が与えられ、金属粉末を安定的に生成することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
【0060】
さらに、導入部23は、図6に示すように、第二端部23Bが第一端部23Aよりも下方に位置していてもよい。即ち、第一端部23Aから第二端部23Bに向かうに従って、導入部23が上方から下方に向かって斜めに延びていてもよい。後者の場合には、ガスの流れに軸線Am方向の成分を与えることができる。また、導入部23自体が水平面内に延びている場合であっても、チャンバ22に対して斜め上方から下方に向けてガスを導入する構成を採ることも可能である。この場合にも、ガスの流れに軸線Am方向の成分を与えることができる。
【符号の説明】
【0061】
1…溶湯ノズル
2…ガスノズル
3…ガス供給部
4…軸方向ガス導入部
11…溶湯収容部
12…円筒部
13…先端部
21…環状部
22…チャンバ
23…導入部
24,224,324…カバー
25…縮径部
26…拡径部
27…のど部
31…ガス供給源
32…圧縮機(ガス圧送部)
33…供給配管
100,200,300…アトマイズノズル
222…第二チャンバ
13P…溶湯吐出口
22S…チャンバ内周面
23A…第一端部
23B…第二端部
25A…第一縮径部
25B…第二縮径部
25P…ガス吐出口
25S…テーパ内周面
26S…拡径面
33B…第二供給配管
Am…軸線
M…溶湯
S1…溶湯流下ステップ
S2…ガス導入ステップ
S3…微粒化ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7