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特許7208006車両ベースのデータ及びモバイルデバイスベースのデータを用いた車両内のモバイルデバイス位置の検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】車両ベースのデータ及びモバイルデバイスベースのデータを用いた車両内のモバイルデバイス位置の検出
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20230111BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20230111BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230111BHJP
   G01C 21/16 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G01B21/00 D
H04M1/00 V
H04M11/00 301
G01C21/16
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018547271
(86)(22)【出願日】2017-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2017021609
(87)【国際公開番号】W WO2017156295
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-01-14
(31)【優先権主張番号】15/066,406
(32)【優先日】2016-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519085888
【氏名又は名称】アリティ インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子
(74)【代理人】
【識別番号】100192337
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100206092
【弁理士】
【氏名又は名称】金 佳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100208535
【弁理士】
【氏名又は名称】松坂 光邦
(72)【発明者】
【氏名】ランズガード、ソーレン、ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ファーガソン、ダナ
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー、ジャレド、エス.
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0180730(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0287738(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0210405(US,A1)
【文献】HE Zongjian,"Who Sits Where? Infrastructure-Free In-Vehicle Cooperative Positioning via Smartphones.”,Sensors,2014年06月30日,Volue 14, Issue 7,Pages 11605 - 11628
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00 - 21/32
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
H04M 1/00、1/24-1/82
H04M 3/00 - 3/58
H04M 7/00 - 7/16
H04M 11/00 - 11/10
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に位置するモバイルデバイスの1つ以上のモバイルデバイス加速度計によって収集された第1のモバイルデバイスセンサデータを受信することであって、前記第1のモバイルデバイスセンサデータは、第1の軸加速度計データと、第2の軸加速度計データと、第3の軸加速度計データとを含み、
前記第1のモバイルデバイスセンサデータを、X軸加速度計データ、Y軸加速度計データ、及びZ軸加速度計データに変換することで、変換された第1のモバイルデバイスセンサデータを生成することと、
前記変換された第1のモバイルデバイスセンサデータにおけるイベントの第1の発生を検出することであって、前記イベントの前記第1の発生を検出することは、前記Z軸加速度計データの大きさの第1の変化が第1の所定の閾値を超えたことを判定することを伴い、
前記検出されたイベントの第1の発生に基づいて、第1の発生の大きさ及び第1の発生の角度を含む第1の発生のベクトルを算出することと、
前記変換された第1のモバイルデバイスセンサデータにおけるイベントの第2の発生を検出することと、
前記検出されたイベントの第2の発生に基づいて、第2の発生の大きさ及び第2の発生の角度を含む第2の発生のベクトルを算出することと、
前記算出された第1の発生のベクトルと、前記算出された第2の発生のベクトルとを比較することであって、前記算出された第1の発生のベクトルと、前記算出された第2の発生のベクトルとを比較することは、前記第1の発生の大きさと前記第2の発生の大きさとを比較することと、前記第1の発生の角度と前記第2の発生の角度と比較することとを伴い、
前記算出された第1の発生のベクトルと、前記算出された第2の発生のベクトルとを比較することに基づいて、前記車両内部の前記モバイルデバイスの位置を判定することと、を含む方法。
【請求項2】
前記算出された第1の発生のベクトルと、前記算出された第2の発生のベクトルとを比較することは、前記算出された第1の発生のベクトルと、前記算出された第2の発生のベクトルとの差を決定することを有し、
前記算出された第1の発生のベクトルと、前記算出された第2の発生のベクトルとの前記差は、前記第1の発生の大きさと前記第2の発生の大きさとの差と、前記第1の発生の角度と、前記第2の発生の角度との差を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両が、第1のタイヤと第2のタイヤとを含み、前記イベントの第1の発生が、前記第1のタイヤが道路上の隆起にぶつかることを含み、
前記イベントの第2の発生が、前記第2のタイヤが前記道路上の前記隆起にぶつかることを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記検出されたイベントの第2の発生が、前記検出されたイベントの第1の発生から所定の時間間隔内に起きているかを判定することと、前記算出された第1の発生のベクトルと前記算出された第2の発生のベクトルとの差とに基づいて、前記第2のタイヤが前記隆起にぶつかることを判定することをさらに有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記車両内部の前記モバイルデバイスの位置を判定することは、前記イベントの前記第1の発生と、前記イベントの前記第2の発生との間の所要時間が所要時間閾値に関する条件を満たすと判定した後に前記モバイルデバイスの位置を判定することをさらに含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のモバイルデバイスセンサデータを、X軸加速度計データ、Y軸加速度計データ、及びZ軸加速度計データに変換することは、前記車両の速度の増加が、前記モバイルデバイスの基準フレーム内のX軸、Y軸及びZ軸のうちの少なくとも1つにおける加速に対応することを判定することを伴う、請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記モバイルデバイス以外のコンピューティングデバイスに、前記モバイルデバイスに関連した位置情報を送信することをさらに含む、請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記モバイルデバイス以外の前記コンピューティングデバイスが、保険プロバイダによって操作されるデバイスを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記モバイルデバイスの機能を非アクティブ化するように構成されたコマンドを前記モバイルデバイスに送信することをさらに含む、請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記機能が、テキストメッセージングアプリケーションを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の発生のベクトルを算出することは、変換された第1のモバイルデバイスセンサデータと、複数の軸のそれぞれとのドット積を計算することを含む、請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記イベントの第2の発生を検出することは、前記Z軸加速度計データの大きさの第2の変化が第2の所定の閾値を超えたことを判定することを含み、かつ、前記Z軸加速度計データの大きさの第2の変化が前記検出された第1の発生から所定の時間間隔内に起きたと判定することを含む、請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記比較することに基づいて前記車両内部の前記モバイルデバイスの位置を判定することは、
前記比較することに基づいて、前記算出された第1の発生のベクトルと前記算出された第2の発生のベクトルとから発生ベクトルを決定することであって、前記発生ベクトルは前記算出された第1の発生と前記算出された第2の発生のベクトルとのうちその大きさが大きいものであるか、または、その角度が大きいものである発生ベクトルを決定することと、
大きい大きさか、または、大きい角度を有する前記決定された発生ベクトルに基づいて、前記車両内部の前記モバイルデバイスの位置を判定することと、を有する請求項1乃至12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
位置解析コンピューティングデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサを備える処理ユニットと、
前記処理ユニットにより実行されたときに、請求項1乃至13の何れか一項に記載の方法を位置解析コンピューティングデバイスに行わせるコンピュータ実行可能命令を記憶しているメモリユニットと、を備える位置解析コンピューティングデバイス。
【請求項15】
位置解析コンピューティングデバイスに、請求項1乃至13の何れか一項に記載の方法を実行させる位置解析のためのプログラム。
【請求項16】
車両の1つ以上のセンサによって収集された車両センサデータを受信することであって、前記車両センサデータは、第1の軸加速度計データと、第2の軸加速度計データと、第3の軸加速度計データとを含み、
前記車両センサデータを、X軸加速度計データ、Y軸加速度計データ、及びZ軸加速度計データに変換することで、変換されたデータを生成することと、
前記変換されたデータにおけるイベントの第1の発生を検出することであって、前記イベントの前記第1の発生を検出することは、前記Z軸加速度計データの大きさの変化が所定の閾値を超えたことを判定することを伴い、
前記車両内部に位置するモバイルデバイスの1つ以上のモバイルデバイスセンサによって収集されたモバイルデバイスセンサデータを受信することであって、前記モバイルデバイスセンサデータは、さらなる加速度計データを含み、
前記検出されたイベントに基づいて、第1のイベントの大きさ及び第1のイベント角度を含む第1のイベントベクトルを算出することと、
前記さらなる加速度計データに基づいて、第2のイベントの大きさ及び第2のイベント角度を含む第2のイベントベクトルを算出することと、
前記算出された第1のイベントベクトル及び前記算出された第2のイベントベクトルに基づいて、前記車両内部の前記モバイルデバイスの位置を判定することと、を含む方法。
【請求項17】
前記算出された第1のイベントベクトルと前記算出された第2のイベントベクトルとに基づいて、前記車両内部の前記モバイルデバイスの位置を判定することが、
前記第1のイベントベクトルと、前記第2のイベントベクトルとの差を判定することと、
一又は複数のヒューリスティック分析に基づいて、前記差が、前記第1のイベントベクトルを取得するのに用いた前記車両センサデータと前記第2のイベントベクトルを取得するのに用いた前記モバイルデバイスセンサデータとが同じ路面不連続によってもたらされたことを示すことを判定することとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記モバイルデバイスの機能を非アクティブ化するように構成されたコマンドを前記モバイルデバイスに送信することを含む請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
位置解析装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備える処理ユニットと、
前記処理ユニットにより実行されたときに、請求項16乃至18の何れか一項に記載の方法を位置解析装置に行わせるコンピュータ実行可能命令を記憶しているメモリユニットと、を備える位置解析装置。
【請求項20】
位置解析コンピューティングデバイスに、請求項16乃至18の何れか一項に記載の方法を実行させる位置解析のためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2016年3月10日付け出願の米国特許出願第15/066,406号、発明の名称「Detection of Mobile Device Location Within Vehicle Using Vehicle Based Data and Mobile Device Based Data」の利益及び優先権を主張する。前述の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示の態様は、概して、車両データ及び加速度計データの分析に関する。特に、本開示の様々な態様は、車両データ及び加速度計データを送受信し、車両内の加速度計のおおよその位置を検出するためにデータを分析することに関する。
【背景技術】
【0003】
車両とモバイルデバイスとの同時操作は、多くの懸念や課題を引き起こす。モバイルデバイスを操作しながら車両を運転することは、運転者、同乗者、及び一般大衆にとって有害で安全でない状態を作り出す。運転者がモバイルデバイスと物理的にやりとりしない「ハンズフリー」モードであっても、いくつかの研究では、集中できない運転状況を作り出すことが示されてきた。多くの人々は、運転中にモバイルデバイスを使用することの欠点を認識しているが、運転中のハンドヘルドモバイルデバイスの操作が禁止されている地域であっても、様々な心理的、社会的、及び挙動的要因が、運転中のモバイルデバイスの継続した操作に関わってくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個々のユーザが、運転中にモバイルデバイスの使用を中止するための単なる意志以上のものを必要とすることを考慮して、モバイルデバイスが移動中の車両内で操作されている状況を識別する技術的解決策が提案されてきた。スマートフォン、携帯情報端末、タブレットコンピュータ等のモバイルデバイスは、動きを検出することが可能である加速度計、ジャイロスコープ、速度計、及び/または全地球測位システム(GPS)受信機等の動きセンサを含むことができる。これまでに提案された解決策は、モバイルデバイスに搭載された加速度計からの加速度計データ及び/または地理位置サービス(GPSなど)からのデータを処理することに大きく関わるものであった。このデータから、過度の移動または速度は、モバイルデバイスが車両内で操作されていることを示す場合があり、モバイルデバイスの機能が無効にされ得るか、または車両が動いている間は、ユーザにモバイルデバイスの動作を中止するよう警告するための通知を提示し得る。予想されるように、これらの解決策は、まだ広く実施されていないが、それは、これらが運転者ではない人によるモバイルデバイスの使用が許される側面の考慮に対処していないためである。言い換えると、これらの提案された解決策は、コンスタントなリマインダまたは制限された機能なしに、車両内のモバイルデバイスを自由に操作する必要がある同乗者による使用を遮断または制限する。
【0005】
加えて、いくつかの状況では、モバイルデバイスの完全な動作を可能にすることは、車両の乗員にとって有利または有益であり得る。上述したように、同乗者がモバイルデバイスを操作している可能性があり、繰り返しの通知は煩わしいことがある。別の例として、ユーザは、ナビゲーション援助としてモバイルデバイスを使用している可能性があり、機能を無効にすることは、それらのルートガイダンスが中断または終了されるとユーザが注意散漫になる可能性があるため、利益より損害を多くもたらす場合がある。
【0006】
また別に、多くの車両は、洗練されたセンサと、車両の運転及び運転機能を監視及び制御するように設計された高度な内部コンピュータシステムを含む。オンボード診断(OBD)システム及びテレマティクデバイス等の車両ベースのコンピュータシステムは、自動車及び他の車両で使用されてもよく、様々な運転データ及び車両センサデータを収集することが可能であり得る。例えば、OBDシステムは、車両のオンボードコンピュータ及びセンサから情報を受信し、車両システムに関連する多種多様な情報、例えばエンジンRPM、排出ガス制御、車速、スロットル所在位置、加速及び制動速度、運転者制御の使用等を監視する。また、車両は、車両の位置及び時間データを収集するように構成された、車両内に設置されるかまたは車両で動作する全地球測位システム(GPS)受信機及びデバイスを含み得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するための簡略化された要約を提示する。本要約は、本開示の広範囲にわたる概要ではない。本開示の鍵となるかまたは重要な要素を特定することも、本開示の範囲を描写することも意図されていない。以下の概要は単に、以下の説明の前置きとして、本開示のいくつかの概念を簡略化した形で提示する。
【0008】
上述した問題に対する有利な解決法、及び本開示を読んだ際に明らかになる他の問題は、車両の室内空間内部でのスマートフォンの位置を判定し、デバイスの機能を無効にするか、または判定された位置に基づいて他のアクションを取ることであり得る。そのようにするために、車両のOBDシステムを介して受信したデータと組み合わせて、モバイルデバイスのセンサ(例えば、モバイルデバイスのジャイロスコープ、モバイルデバイスの加速度計)から受信したデータを処理することが望ましい場合がある。OBDシステムは、車速、加速及び制動速度等の付加的な情報を提供し得、いくつかの車両では、ステアリングホイールからの入力(例えば、ユーザが左折または右折を行っている)等の情報を提供することができる。さらに、OBDシステムは、そのような車両加速度計がデフォルトオプションとして、または市場投入後の追加として設置されている場合には、モバイルデバイスの加速度計以外の、車両に搭載された加速度計からの加速度計情報を提供することができる。2つの加速度計の間の比較は、車両内のモバイルデバイスの位置を判定するのに有用であり得る。
【0009】
例えば、車両は、路面の不完全性または不連続性(例えば、隆起、穴、レーンマーカ等)に遭遇する可能性がある。車両のフロントタイヤが路面の不連続点に遭遇する場合があり、遭遇(車内で感じる衝撃)からのデータを車両プロセッサによって記録し得る。一例として、道路の隆起は、前輪(例えば、リム)に配置された加速度計及び/または車両内部に固定して配置された加速度計を介して感じられ得る。次に、隆起は、車両室内空間内部を移動するモバイルデバイスの加速度計によって記録され得る。隆起間の各移動軸に沿った大きさの差は、モバイルデバイスの位置を判定することを支援し得る。いくつかの状況では、リアタイヤが同じ路面の不完全性に遭遇することにより、車両(及びモバイルデバイス)が再び隆起を経験することがある。この付加的な情報は、車両加速度計とデバイス加速度計との間の各移動軸に沿った大きさのさらなる差を算出するために使用され得、これはまた、車両内のモバイルデバイスの位置の判定を支援し得る。
【0010】
したがって、本開示の態様は、コンピューティングデバイスによって、車両室内空間内部のモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット)のおおよその位置を判定することに関する。例えば、本開示の態様は、少なくとも1つのプロセッサを備える処理ユニットと、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリユニットとを備える位置解析コンピューティングデバイスを含む。命令は、処理ユニットによって実行されたときに、位置解析コンピューティングデバイスに、車両内に位置するモバイルデバイスのモバイルデバイスセンサによって収集された第1のモバイルデバイスセンサデータを受信させ得る。センサデータは、第1のモバイルデバイスの基準フレームにおけるX軸加速度計データ、Y軸加速度計データ、及びZ軸加速度計データを含み得る。処理ユニットは、第1のモバイルデバイスのセンサデータを、車両の基準フレームにおけるX軸加速度計データ、Y軸加速度計データ、及びZ軸加速度計データに変換し得る。変換されたデータに基づいて、処理ユニットは、イベントの最初の発生(衝突した車両のタイヤ等)を検出し得る。イベントを検出することは、車両フレームZ軸加速度計データの大きさの変化が所定の閾値を超えたことを判定することを含み得る。処理ユニットは、検出されたイベントに基づいて、第1イベントの大きさ及び第1のイベント角度を含む第1イベントベクトルを算出し、算出された第1のイベントベクトルに基づいて、車両内部のモバイルデバイスの所在を判定し得る。
【0011】
本開示のさらなる態様によれば、本明細書に開示された方法は、車両内部に位置するモバイルデバイスのモバイルデバイスセンサによって収集された第1のモバイルデバイスセンサデータを受信することを含み、第1のモバイルデバイスセンサデータは、第1の軸加速度計データと、第2の軸加速度計データと、第3の軸加速度計データとを含む。本方法は、第1のモバイルデバイスのセンサデータを、X軸加速度計データ、Y軸加速度計データ、及びZ軸加速度計データに変換して、変換されたデータを生成することを含み得る。本方法は、コンピューティングデバイスによって、変換されたデータにおけるイベントの第1の発生を検出することを含み、イベントを検出することは、Z軸加速度計データの大きさの変化が所定の閾値を超えたことを判定することを含む。コンピューティングデバイスは、検出されたイベントに基づいて第1のイベントの大きさ及び第1のイベント角度を含む第1のイベントベクトルを算出し、算出された第1のイベントベクトルに基づいて、車両内部のモバイルデバイスの所在位置を判定し得る。
【0012】
本開示のさらなる態様によれば、位置分析装置が提供され得る。位置分析装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリユニットとを含む処理ユニットを含み得る。命令は、処理ユニットによって実行されると、位置解析コンピューティングデバイスに、車両のセンサによって収集された第1の車両センサデータを受信させ得る。第1の車両センサデータは、第1軸加速度計データ、第2軸加速度計データ、及び第3軸加速度計データを含み得る。処理ユニットは、車両センサデータを、X軸加速度計データ、Y軸加速度計データ、及びZ軸加速度計データに変換し、変換されたデータ内のイベントの第1の発生を検出し得る。イベントを検出することは、Z軸加速度計データの大きさの変化が所定の閾値を超えたことを判定することを含み得る。処理ユニットは、車両内に位置するモバイルデバイスのモバイルデバイスセンサによって収集されたモバイルデバイスセンサデータを受信し得、これは、さらなる加速度計データを含み得る。処理ユニットは、検出されたイベントに基づいて、第1のイベントの大きさ及び第1のイベント角を含む第1のイベントベクトルと、さらなる加速度計データに基づいて、第2のイベントの大きさ及び第2のイベント角を含む第2のイベントベクトルを算出し得る。算出された第1のイベントベクトル及び第2のイベントベクトルに基づいて、処理ユニットは、車両内のモバイルデバイスの所在位置を判定し得る。
【0013】
本開示の他の特徴及び利点は、本明細書で提供されるさらなる説明から明らかになるであろう。
【0014】
添付の図面を考慮して以下の説明を参照することにより、本発明及びその利点のより完全な理解を得ることができ、図面においては、同様の参照番号は同様の特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の態様を実装するために使用され得るネットワーク環境及びコンピューティングシステムを図示する。
図2】本開示の1つ以上の態様による、デバイス位置及び構成システムの様々な成分及びデバイスを示す図である。
図3A】本開示の1つ以上の態様に従って分析され得る、道路の不連続性(例えば、隆起)に遭遇する際の車両及びデバイスの様々な態様を図示する。
図3B】本開示の1つ以上の態様に従って分析され得る、道路の不連続性(例えば、隆起)に遭遇する際の車両及びデバイスの様々な態様を図示する。
図4】本開示の1つ以上の態様に従って解析され得る、隆起に遭遇する際に車両及びその内部のデバイスが遭遇する力ベクトルの様々な態様を図示する。
図5図5A及び図5Bは、本開示の1つ以上の態様に従って分析され得る、高速で隆起に遭遇する際の車両及びデバイスの様々な態様を示す。
図5C】本開示の1つ以上の態様に従って分析され得る、隆起との車両の遭遇の結果によるグラフ化されたデータの様々な態様を示す。
図6A】本開示の1つ以上の態様による、車両室内空間内部のモバイルデバイスの所在位置を推定する方法の一例をともに図示する。
図6B】本開示の1つ以上の態様による、車両室内空間内部のモバイルデバイスの所在位置を推定する方法の一例をともに図示する。
図7A】本開示の1つ以上の態様によるユーザインターフェースを示す。
図7B】本開示の1つ以上の態様によるユーザインターフェースを示す。
図8A】本開示の1つ以上の態様による、車両の内部のモバイルデバイスの所在位置を推定する別の例示的な方法を示す。
図8B】本開示の1つ以上の態様による、車両の内部のモバイルデバイスの所在位置を推定する別の例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の様々な実施形態の説明では、本明細書の一部を形成し、実施され得る本開示の様々な実施形態を、例示として示す添付の図面を参照する。他の実施形態が利用され得ることが理解されるべきである。
【0017】
当業者には、以下の開示を読むことによって理解されるように、本明細書に記載される様々な態様は、方法、特別にプログラムされたコンピュータシステム、またはコンピュータプログラム製品として具体化され得る。したがって、これらの態様は、全体としてハードウェアの実施形態、全体としてソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施形態の形式をとり得る。さらに、そのような態様は、記憶媒体内に、または記憶媒体上に組み入れられるコンピュータ可読プログラムコード、または命令を有する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体によって記憶されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。ハードディスク、CD-ROM、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、及び/またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体を利用し得る。加えて、本明細書に記載されたようなデータまたはイベントを表す様々な信号は、送信元と相手先との間で、金属ワイヤ、光ファイバ、及び/または無線伝送媒体(例えば、空中及び/または空間)等の信号伝達媒体を通して進む電磁波の形態で伝達され得る。
【0018】
図1は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態により使用され得るモバイルデバイス位置構成システム100内のモバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101のブロック図を図示する。モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101は、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101及びその関連成分(RAM105、ROM107、入力/出力モジュール109、及びメモリ115を含む)の全体的な動作を制御するためのプロセッサ103を有し得る。コンピューティングデバイス101は、1つ以上の追加デバイス(例えば、端末141、151)とともに、複数のシステムまたはデバイス、例えばモバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、スマート端末、タブレット等)及び本明細書に記載されているように、モバイルデバイスから生じたデータ及び車両から生じたデータを送受信するように構成された車両ベースのコンピューティングデバイスのいずれかに対応し得る。
【0019】
入力/出力(I/O)109は、コンピューティングデバイス101のユーザがそれを通して入力を提供し得るマイクロフォン、キーパッド、タッチスクリーン、及び/またはスタイラスを含み得、また、オーディオ出力を提供するための1つ以上のスピーカと、テキスト、オーディオビジュアル及び/またはグラフィカル出力を提供するためのビデオディスプレイデバイスとを含み得る。ソフトウェアは、メモリ115及び/または記憶装置内に記憶され、プロセッサ103に、デバイス101が様々な機能を実行することを可能にするための命令を提供し得る。例えば、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101によって使用されるソフトウェア、例えばメモリ115は、オペレーティングシステム117、アプリケーションプログラム119、及び関連する内部データベース121等を記憶し得る。プロセッサ103及びそれに関連する成分は、コンピューティングデバイス101が一連のコンピュータ可読命令を実行し、車両運転データを送受信し、運転データを分析し、運転挙動または運転アクションを特定することを可能にし得る。
【0020】
モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101は、端末/デバイス141及び151等の1つ以上のリモートコンピュータへの接続をサポートするネットワーク環境で動作し得る。モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101及び関連する端末/デバイス141及び151は、車両に搭載されたデバイス、車両内を移動し得るモバイルデバイス、または車両及び運転データを受信して処理するように構成された車両の外のデバイスを含み得る。このように、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101及び端末/デバイス141及び151は、パーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップ、デスクトップ、またはタブレットコンピュータ)、サーバ(例えば、ウェブサーバ、データベースサーバ)、車両ベースのデバイス(例えば、車載コンピュータ、短距離車両通信システム、テレマティクデバイス)、またはモバイル通信デバイス(例えば、携帯電話、ポータブルコンピューティングデバイス等)を各々含み得、コンピューティングデバイス101に関して上述された要素のいくつかまたはすべてを含み得る。
【0021】
図1に描画されるネットワーク接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)125及び広域ネットワーク(WAN)129、ならびに無線通信ネットワーク133を含むが、他のネットワークもまた含まれてもよい。LANネットワーキング環境で使用される場合、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101は、ネットワークインターフェースまたはアダプタ123を通してLAN125に接続され得る。WANネットワーキング環境で使用される場合、コンピューティングデバイス101は、モデム127、またはWAN129を経由して通信を確立するための他の手段、例えばネットワーク131(例えば、インターネット)を含み得る。無線通信ネットワーク133で使用される場合、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101は、1つ以上のトランシーバ、デジタル信号プロセッサ、及び無線ネットワーク133内の1つ以上のネットワークデバイス135(例えば、基地トランシーバステーション)を介して、無線コンピューティングデバイス141(例えば、携帯電話、短距離車両通信システム、車両テレマティクデバイス)と通信するためのさらなる回路及びソフトウェアを含み得る。示されたネットワーク接続は例示であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段を使用してもよいことが理解されよう。例えばTCP/IP、イーサネット(登録商標)、FTP、HTTP等の様々なネットワークプロトコルのうちのいずれか、及びGSM(登録商標)、CDMA、WiFi、及びWiMAX等の様々な無線通信技術の存在が想定され、本明細書に記載された様々なコンピューティングデバイス及びモバイルデバイス位置構成システム要素は、これらのネットワークプロトコルまたは技術のいずれかを使用して通信するように構成され得る。
【0022】
図1に図示されているのは、セキュリティ統合階レイヤ160であり、これを通して、デバイス101(例えば、ユーザのパーソナルモバイルデバイス、車両ベースのシステム、外部サーバ等)と、リモートデバイス(141及び151)、リモートネットワーク(125、129、及び133)との間で通信が送られて管理され得る。セキュリティ及び統合レイヤ160は、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101に関して上述した要素のうちのいくつかまたはすべ手を有する1つ以上の別個のコンピューティングデバイス、例えばウェブサーバ、認証サーバ、及び/または様々なネットワークコンポーネント(例えば、ファイアウォール、ルータ、ゲートウェイ、ロードバランサ等)を含み得る。一例として、モバイルコンピューティングデバイス、車両ベースのデバイス、または保険プロバイダ、金融機関、政府機関、または他の組織によって運用されるサーバのセキュリティ及び統合レイヤ160は、セキュアなプロトコルを使用し、サーバ101を外部デバイス141及び151から隔離するように構成されたウェブアプリケーションサーバのセットを含み得る。いくつかのケースでは、セキュリティ及び統合レイヤ160は、同じ物理的位置で動作し、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101と同じエンティティの制御下で動作する専用のハードウェア及び/またはソフトウェアのセットに対応し得る。例えば、レイヤ160は、組織のデータセンター内の、またはクラウドベースのモバイルデバイス位置構成システムをサポートするクラウドインフラストラクチャ内の、1つ以上の専用ウェブサーバ及びネットワークハードウェアに対応し得る。他の例では、セキュリティ及び統合レイヤ160は、別個の物理的位置で、及び/または別個のエンティティによって動作し得る別個のハードウェア及びソフトウェアコンポーネントに対応し得る。
【0023】
以下に述べるように、デバイス位置構成システム100の様々なデバイスへ、そしてそこから転送されるデータは、セキュアな機密データ、例えば運転データ、運転している場所、車両データ、及び機密性の高い個人データ、例えば車両所有者に関連する保険データ及び医療データを含み得る。少なくともいくつかの例では、データの送信は、1つ以上のユーザ許可の提供に基づいて実行され得る。したがって、セキュアなネットワークプロトコル及び暗号化を使用することによってそのようなデータの送信を保護し、また、ユーザを認証し、不明または認可されていないユーザへのアクセスを制限するためのセキュリティ及び統合レイヤ160を使用することによって、モバイルデバイス、分析サーバ、または1}デバイス位置構成システム100内の他のコンピューティングデバイス内のデータベースまたは他の記憶装置に記憶されたときにデータの完全性を保護することが望ましい場合がある。様々なでは、セキュリティ及び統合レイヤ160は、例えば、モバイルデバイスの位置構成システム100内の様々なデバイス間でデータを送信するためのファイルベースの統合スキームまたはサービスベースの統合スキームを提供し得る。データは、様々なネットワーク通信プロトコルを使用して、セキュリティ及び統合レイヤ160を介して送信され得る。ファイル転送において、運転データの完全性を保護するために、セキュアなデータ送信プロトコル、例えばファイル転送プロトコル(FTP)、セキュアファイル転送プロトコル(SFTP)、及び/またはプリティグッドプライバシー(PGP)暗号化等が使用され得る。
【0024】
他の例では、1つ以上のウェブサービスは、デバイス位置及び構成システム100及び/またはセキュリティ及び統合レイヤ160内の様々なモバイルデバイスコンピューティングデバイス101内部に実装され得る。ウェブサービスは、外部デバイス及びユーザによってアクセスされ、デバイス位置構成システム100内の様々なモバイルデバイス位置測定コンピューティングデバイス101間でのデータ(例えば運転データ、位置データ、機密個人データ等)の入力、抽出、及び操作をサポートし得る。デバイス位置構成システム100をサポートするように構築されたウェブサービスは、クロスドメイン及び/またはクロスプラットフォームであってもよく、企業の使用のために構築され得る。そのようなウェブサービスは、ウェブサービス相互運用性(WS-I)ガイドライン等の様々なウェブサービス規格に従って開発されてもよい。いくつかの例では、移動データ及び/または運転データウェブサービスは、セキュアソケットレイヤ(SSL)またはトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)プロトコルを使用して、セキュリティ及び統合レイヤ160に実装され、サーバ(例えば、モバイルデバイス位置測定コンピューティングデバイス101)と様々なクライアント141及び151(例えば、モバイルデバイス、データ分析サーバ等)との間のセキュアな接続を提供し得る。SSLまたはTLSは、HTTPまたはHTTPSを使用して、認証及び機密性を提供し得る。
【0025】
他の例では、そのようなウェブサービスは、WSセキュリティ標準を使用して実装することができる。これは、XML暗号化を使用して、セキュアなSOAPメッセージを提供する。さらに他の例では、セキュリティ及び統合レイヤ160は、安全なウェブサービスを提供するための専用のハードウェアを含むことができる。例えば、セキュリティ及び統合レイヤ160におけるセキュアなネットワーク機器は、ハードウェアSSL及びHTTPS、WSセキュリティ、ファイアウォール等の組み込み機能を含み得る。そのような特化されたハードウェアは、ウェブサーバの前にあるセキュリティ及び統合レイヤ160にインストールされかつ構成され、それによって、任意の外部デバイスが特化されたハードウェアと直接通信し得るようにされる。
【0026】
図1には示されていないが、メモリ115内部の様々な要素またはデバイス位置構成システム100内の他の構成要素は、一つ以上のキャッシュ、例えば処理ユニット103によって使用されるCPUキャッシュ、オペレーティングシステム117によって使用されるページキャッシュ、ハードドライブのディスクキャッシュ、及び/またはデータベース121からコンテンツをキャッシュするために使用されるデータベースキャッシュを含み得る。CPUキャッシュを含む実施形態に対しては、CPUキャッシュは、処理ユニット103内の1つ以上のプロセッサによって使用され、メモリ待ち時間及びアクセス時間を低減し得る。そのような例では、プロセッサ103は、メモリ115への読出し/書込みではなく、CPUキャッシュからデータを検索したり、CPUキャッシュにデータを書き込んだりし得、このことは、それらの動作速度を向上させ得る。いくつかの例では、データベースキャッシュが作成され得、データベース121からの一定のデータ(例えば、運転データベース、車両データベース、保険顧客データベース等)は、データベースサーバとは別個のアプリケーションサーバ上の別個のより小さいデータベースにキャッシュされる。例えば、多層アプリケーションでは、アプリケーションサーバ上のデータベースキャッシュは、ネットワーク経由でバックエンドデータベースサーバと通信する必要がないことにより、データ検索及びデータ操作時間を短縮することができる。これらのタイプのキャッシュ及び他のものが、様々な実施形態において含まれてもよく、運転、車両データ、及び個人データを取り出す一定の実施、例えば、事故検出回復ソフトウェアアプリケーション(またはアプリケーション更新)、運転データ、車両及び同乗者データ等を送受信するときのより速い応答時間及びより低いネットワーク条件への依存度において、可能性のある利点を提供し得る。
【0027】
示されたネットワーク接続は例示であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段を使用してもよいことが理解されよう。TCP/IP、イーサネット、FTP、HTTPなどの様々なネットワークプロトコル、GSM、CDMA、WiFi、WiMAXなどの様々な無線通信技術の存在が想定され、様々なコンピュータデバイス及びシステム本明細書に記載される構成要素は、これらのネットワークプロトコルまたは技術のいずれかを使用して通信するように構成され得る。
【0028】
加えて、1つ以上のアプリケーションプログラム119を、デバイス位置構成システム100(例えば、デバイス位置ソフトウェアアプリケーション、デバイス構成ソフトウェアアプリケーション等)内部の様々なモバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101によって使用してもよく、車両ベースシステム、及び/またはモバイルコンピューティングデバイスからのデータを受信して記憶し、車両に関連するモバイルコンピューティングデバイスの可能性のある位置を判定するようにデータを分析し、様々な車両データ及び車両の乗員に関する個人データを検索し、検索され分析されたデータに基づいて、モバイルコンピューティングデバイスを判定して構成し、及び/または本明細書に記載された他の関連する機能を行うためのコンピュータ可読命令を含む。
【0029】
図2は、車両210及びモバイルデバイス220ならびに追加の関連コンポーネントを含む、例示的なデバイス位置構成システム200の図である。図2に示される各コンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれら2つの組み合わせで実施されてもよい。加えて、デバイス位置構成システム200の各コンポーネントは、モバイルデバイス位置測定コンピューティングデバイス101のための上記の構成要素のうちのいくつかまたはすべてを有するコンピューティングデバイス(またはシステム)を含み得る。単一のモバイルデバイスの例解は例示であり、任意の数のモバイルデバイスが、デバイス位置構成システム200内に存在してもよい。
【0030】
デバイス位置構成システム200内の車両210は、例えば、自動車、オートバイ、スクータ、バス、レクリエーションビークル、ボート、または車両の走行データを解析し得る他の車両であってもよい。車両210は、車両の様々な状態及び車両の動作パラメータを検出し記録することが可能である複数の車両操作センサ211を含む。例えば、複数のセンサ211は、車両の位置(例えば、GPS座標)、速度及び方向、加速度またはブレーキの速度、及び突然の加速、制動及びコース逸脱の特定の事例に対応するデータを検出及び記憶し得る。複数のセンサ211はまた、車両210の内部システムから受信されたデータ、例えばドアの開閉、ドアのロック及びロック解除、クルーズコントロールの使用、方向指示器の使用、シートベルトの使用、車両内部での電話及びラジオの使用、行われたメンテナンスを検出し記憶し得る。
【0031】
複数の追加センサ211は、運転中の外部状況を検出し記憶し得る。例えば、外部カメラ及び複数の近接センサ211は、他の近くの車両、交通量レベル、道路状況、交通妨害物、動物、サイクリスト、歩行者、及び運転イベントデータ分析の要因となる他の状況を検出し得る。複数の追加センサ211は、車両210のメンテナンスに関連するデータ、例えばエンジン状態、オイルレベル、エンジン冷却材温度、走行距離計、燃料タンク内の燃料レベル、1分間当たりのエンジン回転数(RPM)、及び/またはタイヤ空気圧を検出して記憶し得る。
【0032】
特定の複数の車両センサ211はまた、運転者の経路選択に関する情報、運転者が所与の経路をたどるか、及び移動のタイプ(通勤、所用、新ルートなど)を分類する情報を収集し得る。これは、位置サービスに接続された位置サービスデバイス215と組み合わせてもよい。位置サービスデバイス215は、例えば、全地球測位システム(GPS)データを受信する1つ以上のデバイスまたは車両210の内部に位置付けられた他の位置センサ、及び/または車両のルートまたは所在位置を判定するために使用され得る、車両210の外部の位置センサまたはデバイスであり得る。
【0033】
デバイス位置及び構成システム200内のモバイルデバイス220は、例えば、任意のモバイルデバイス、例えばスマートフォン、タブレットコンピューティングデバイス、携帯情報端末(PDA)、スマート・ウォッチ、ネットブック、ラップトップコンピュータ、及び他の同様のデバイスであってもよい。モバイルデバイス220は、例えば、ジャイロスコープ226及び加速度計223を含み得る複数のモバイルデバイスセンサ221のセットを含む。複数のモバイルデバイスセンサ221は、モバイルデバイス220における様々な状況、及びモバイルデバイス220の動作パラメータを検出及び記録することが可能であり得る。例えば、複数のセンサ221は、モバイルデバイスの位置(例えば、GPS座標)、1つまたは複数の軸における速度及び方向(例えば、前後左右、上下など)、加速及び減速率、突然の加速、減速及び側方移動の特定のケースに対応するデータを検出及び記憶し得る。複数のセンサ221は、オーディオセンサ、ビデオセンサ、信号強度センサ、通信ネットワーク存在センサ、周囲光センサ、温度/湿度センサ、気圧センサを含み得、関連データ、例えば車両への上車または下車を示し得るデータを検出及び記憶し得る。これは、例えば、ドアのロック/ロック解除、ドアチャイム、または車両の点火を示すオーディオ信号を聞くこと、オーバーヘッドまたはダッシュボードの光から光を感知すること、車両に入ることを示す温度または湿度の変化を検出すること、(例えば、車両に関連付けられたBLUETOOTHトランシーバ)、及びモバイルデバイスのセンサによって収集された他のデータを含むことができる。
【0034】
モバイルデバイス220上で実行されるソフトウェアアプリケーションは、複数のモバイルデバイスセンサ221を使用して独立して特定の運転データを検出するように構成されてもよく、及び/または追加の運転データを受信するために複数の車両センサ211と通信してもよい。例えば、モバイルデバイス220は、加速度計223、ジャイロスコープ226、速度計、及び/またはGPS受信機などの動きセンサを備えていてもよく、通信する必要なしに、車両の位置、速度、加速度、複数の車両センサ211、または任意の車両システムと通信する。他の例では、モバイルデバイス220上のソフトウェアは、複数の車両センサ211によって収集された運転データの一部または全部を受信するように構成されてもよい。
【0035】
追加の複数のセンサ221は、車両内に存在することを示す外部条件を検出して記憶することができる。例えば、オーディオセンサ及び複数の近接センサ211は、他の近くのモバイルデバイス、交通量レベル、道路状況、交通妨害物、動物、サイクリスト、歩行者、及び運転イベントデータ分析を考慮し得る他の状態を検出することができる。
【0036】
特定の複数のモバイルデバイスセンサ221はまた、運転者の経路選択に関する情報、運転者が所与の経路に従うかどうか、及び旅行のタイプ(通勤、使用、新しいルートなど)を分類することもできる。これは、位置サービスに接続された位置サービスデバイス225と組み合わせてもよい。位置サービスデバイス225は、例えば、GPSデータを受信する1つ以上のデバイスであってもよく、またはモバイルデバイス220に位置付けられた他のデバイスまたは他の位置センサであってもよい。
【0037】
複数のモバイルデバイスセンサ221によって収集されたデータは、モバイルデバイス220内に記憶され、及び/またはそこで解析され得、ならびに/もしくは1つ以上の外部デバイスに送信され得る。同時に、複数の車両センサ211によって収集されたデータは、車両210内部に記憶され、及び/またはそこで解析され得、ならびに/もしくは1つ以上の外部デバイスに送信され得る。例えば、図2に示されるように、センサデータは、短距離通信システム212及び222を介して、車両210とモバイルデバイス220との間で(一方向または双方向に)交換され得る。さらに、センサデータは、車両210及び/またはモバイルデバイス220から、位置判定構成サーバ250等の1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに、テレマティクスデバイス213を介して、及び/または通信インターフェース及び通信システム(図示せず)を介して送信され得る。
【0038】
近距離通信システム212及び222は、近くの他の車両に車両操作データを送信し、近くの他の車両から車両操作データを受信するように構成されたデータ送信システムである。短距離通信システム212及び222は、WLAN通信プロトコル(例えば、IEEE802.11)、ブルートゥース(登録商標)(例えば、IEEE802.15.1)、または1つ以上の陸上移動体通信アクセス(CALM)無線通信プロトコル及びエアインターフェースを含む。短距離通信システム212と222との間の送信は、Bluetooth、衛星、GSM赤外線、IEEE802.11、WiMAX、RFID、及び/または任意の適切な無線通信媒体、規格、及びプロトコルを介して送信されてもよい。特定のシステムでは、短距離通信システム212及び222は、車両210及びモバイルデバイス220(例えば、トランシーバ、アンテナ等)に設置された専用のハードウェアを含み得、一方で他の例では、通信システム212及び222は、既存のハードウェアコンポーネント(例えば、ラジオ及び衛星機器、ナビゲーションコンピュータ)を使用して実装され得るか、またはモバイルデバイス220上及び車両210内で稼働するソフトウェアによって実装され得る。
【0039】
いくつかの例では、モバイルデバイス220は、加速度計または他のセンサデータのセット、例えばオンボードのジャイロスコープまたはGPSレシーバなどからのデータを、周期的に放送し得る。代替的に、いくつかの例では、車両210は、モバイルデバイス220によって受信される車両データのセットを、周期的に放送し得る(これは、例えば、モバイルデバイスが車両内の位置を決定することである)。また、車両210の制御及び機器の状態または使用は、例えば、車両が加速しているか、制動しているか、旋回しているか、車両の機器がどの程度まで、及び/またはそのいずれが運転者によって現在作動されているか(例えば、方向指示器、走行制御、レーンアシスト等)とともに、モバイルデバイスに送信され得る。様々な他の例では、任意の複数の車両センサ211によって収集された任意のデータが送信され得る。また、車両のセンサからではない付加的な車両運転データ(例えば、車種/モデル/年度情報、運転者保険情報、走行経路情報、車両メンテナンス情報、運転者スコア等)が、他のデータ源、例えば運転手または同乗者のモバイルデバイス220から収集され得る。
【0040】
図2に示されるように、複数の車両センサ211によって収集されたデータ及び/または複数のモバイルデバイスセンサ221によって収集されたデータもまた、テレマティクスデバイス213及び/または他の通信デバイス/インターフェースを介して、位置決定構成サーバ250等の外部ソース、及び1つ以上の追加の外部サーバ及びデバイスに送信され得る。テレマティクスデバイス213等の通信デバイスは、図1に描画されたモバイルデバイス位置測定コンピューティングデバイス101として、ハードウェア/ソフトウェアコンポーネントの多くまたはすべてを包含するコンピューティングデバイスであってもよい。上述したように、テレマティクスデバイス213は、車両操作データ及び運転データを複数の車両センサ211から受信し得、データを1つ以上の外部コンピュータシステム(例えば、保険会社、金融機関、または他の実体の位置判定構成サーバ250)に送信し得る。テレマティクスデバイス213はまた、車両210のリアルタイムの運転及び状況に関する追加のデータ型を検出または判定するように構成され得る。特定の実施形態では、テレマティクスデバイス213は、1つ以上の車両センサ211を包含してもよく、または1つ以上の車両センサ211と一体であってもよい。テレマティクスデバイス213はまた、そのそれぞれの車両210のタイプ、例えば、製造、モデル、装備品(またはサブモデル)、年、及び/またはエンジン仕様に加えて、他の情報、例えば車両所有者または運転者情報、保険情報、及び経済情報を記憶し得る。
【0041】
図2に示された例では、テレマティクスデバイス213は、複数の車両センサ211からの車両運転データを受信し、そのデータを位置判定構成サーバ250に送信することができる。しかしながら、他の例では、1つ以上の車両センサ211は、テレマティクスデバイスを使用することなく、位置判定構成サーバ250に直接データを送信するように構成され得る。他の例では、テレマティクスデバイス213は、(例えば、短距離通信システム212/222に加えて、またはそれに代えて)車両運転データをモバイルデバイス220に送信するように構成され得る。テレマティクスデバイス213は、一定の複数の車両センサ211からデータを送受信するように構成され得、一方で他のセンサは、テレマティクスデバイス213を使用することなく、位置判定構成サーバ250に直接データを送信するように構成され得る。他の例では、1つ以上の車両センサ211は、テレマティクスデバイスを使用することなく、モバイルデバイス220にデータを送信するように構成され得る。例えば、テレマティクスデバイス213は、特定の複数の車両センサ211からデータを送受信するように構成されてもよく、一方で他のセンサは、テレマティクスデバイス213を使用することなく、車両210内部のモバイルデバイス220にデータを直接送信するように構成され得る。モバイルデバイス220は、短距離通信システム222及び/またはテレマティクスデバイス213を介して受信されたセンサデータを含むセンサデータを、位置判定構成サーバ250に送信するように構成され得る。したがって、テレマティクスデバイス213は、一定の実施形態では任意であってもよい。
【0042】
一定の実施形態では、モバイルデバイス220は、複数のセンサ211及び複数のセンサ221から車両運転データ及び/またはモバイルデバイスデータを収集するために使用され得、その後、車両運転データを位置判定構成サーバ250及び他の外部コンピュータデバイスに、直接またはテレマティクスデバイス213を介して送信するために使用され得る。本明細書で使用される場合、車両210「内部の」のモバイルコンピューティングデバイス220は、動いている車両の内側にあるかさもなければそれに固定された、例えば自動車、バス、レクリエーションビークル、オートバイ、スクータまたはボートの室内空間内のモバイルデバイス220、及び車両の運転者または同乗者が所有するモバイルデバイス220を含む。
【0043】
車両210及びモバイルデバイス220は、それぞれ、プロセッサ214及び224を有する、ハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェアコンポーネントとしてのデバイス位置判定構成モジュールを含み得る。代替的には、デバイス位置判定構成モジュールは、別個のコンピューティングデバイスであってもよく、または車両210及びモバイルデバイス220内部の1つ以上のコンポーネント、例えば短距離通信システム212及び222、テレマティクスデバイス213、または車両210及び220の他の内部コンピューティングシステムに統合されてもよい。位置判定構成モジュールは、図1に描画されたモバイルデバイス位置特定コンピューティングデバイス101として、ハードウェア/ソフトウェアコンポーネントのいくつかまたはすべてを包含し得る。さらに、特定の実施態様では、位置判定構成モジュールの機能、例えば車両運転データの記憶及び分析、モバイルデバイスベースのデータの記憶及び分析、モバイルデバイスの予測位置の判定、及び1つ以上の後続のアクションの実行は、個々の車両210及びモバイルデバイス220ではなく、位置判定構成サーバ250において実行され得る。このような実装形態では、車両210及びモバイルデバイス220は、データを収集して位置判定構成サーバ250に送信するだけであり得、したがって、プロセッサ214及び224内部のデバイス位置判定構成モジュールは、任意であり得る。
【0044】
プロセッサ214及び224内部のデバイス位置判定構成モジュールは、複数の車両センサ211、複数のモバイルデバイスセンサ221、短距離通信システム212及び222、テレマティクスデバイス213、及び/またはデータソースからの車両運転データを受信するように構成されたハードウェア及び/またはソフトウェアに実装され得る。データを受信した後、プロセッサ214及び224内部のデバイス位置判定構成モジュールは、データを分析し、車両内部のモバイルデバイスの所在位置を判定し、その所在位置の決定に基づいて1つ以上の動作を行うための機能のセットを行い得る。例えば、プロセッサ214及び224内部のデバイス位置判定構成モジュールは、1つ以上の位置決めアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、及びデバイス検出アルゴリズムを含み得、これらは、デバイス位置判定構成モジュール内部の汎用または特化ハードウェア上で動作するソフトウェアによって実行され得る。車両210内のプロセッサ214内部のデバイス位置判定構成モジュールは、短距離通信システム212を介して受信されたモバイルデバイス220からのデータとともに、その車両の複数のセンサ211から受信した車両運転データを使用して、車両210の室内空間内部のモバイルデバイス220の特定の位置を判定し得る。プロセッサ214及び224内部のデバイス位置判定構成モジュールによって実行され得るアルゴリズム、機能、及び分析のさらなる説明及び例が、図3図8を参照して以下に記載される。
【0045】
システム200は、図1に描画されたモバイルデバイス位置探査デバイス101として、ハードウェア/ソフトウェアコンポーネントのいくつかまたはすべてを包含する、デバイス位置判定構成サーバ250をさらに含み得る。デバイス位置判定構成サーバ250は、車両210及びモバイルデバイス220ならびに他のデータソースから、車両運転データを受信するためのハードウェア、ソフトウェア、及びネットワーク成分を含み得る。デバイス位置判定構成サーバ250は、車両及び他のデータ源から受信した運転データをそれぞれ記憶及び分析するためのデータベース及びデバイス位置判定構成モジュール(図示せず)を含むことができる。デバイス位置判定構成サーバ250は、テレマティクスデバイス213、モバイルデバイス220を介して無線で、または1つ以上のコンピュータネットワーク(例えば、インターネット)を経由した別個のコンピュータシステムによって、車両210との通信を開始し、及び/または車両210から運転データを検索し得る。さらに、デバイス位置判定構成サーバ250は、様々な時点及び場所での交通データ(例えば、交通量、平均運転速度、交通速度分布、事故件数及びタイプ等)を包含する外部交通データベース、外部インフラストラクチャ要素(例えば、データのネットワーク要素または通信ネットワーク、例えば携帯電話またはデータネットワーク)等の、他の非車両データソースからの、モバイルデバイス位置付け情報判定に関連する追加データを受信し得る。
【0046】
デバイス位置判定構成サーバ250内部のデバイス位置判定構成モジュールは、ローカルデータベースからデータを検索するように構成されてもよく、または車両210、モバイルデバイス220、または他のデータソースから直接的に運転データを受信してもよく、車両210の室内空間内部のモバイルデバイス220の位置を判定し、モバイルデバイスの位置が決定されたときに、車両210、モバイルデバイス220、または他のデバイスに通知を送信し、または、室内空間の特定の領域(例えば、運転席、同乗者席、トランク、小物入れ、取り付けデバイス等)内部にあると判定された場合、危険な運転挙動(例えば、運転中にモバイルデバイスを使用する)に関するデータを収集し、収集後の処理を行う機能、及び他の関連する機能を行い得る。デバイス位置判定構成モジュールによって実行される機能は、プロセッサ214及び224内部のデバイス位置判定構成モジュールのものに類似し得、デバイス位置判定構成モジュールによって実行され得るアルゴリズム、機能、及び解析のさらなる説明及び例が、図3~8を参照して以下に説明される。
【0047】
様々な例では、デバイス位置決定及び構成モジュール内で実行される分析及びアクションは、デバイス位置決定構成サーバ250のデバイス位置決定構成モジュールにおいて全体的に実行されてもよく(この場合、プロセッサ214及び224内部のデバイス位置決定及び構成モジュールは、車両210及びモバイルデバイス220に実装される必要はない)、プロセッサ214及び224内部の車両ベース及びモバイルデバイスベースのモジュールで全体的に実行されてもよく(この場合、デバイス位置判定構成モジュール及び/またはサーバ250が実装される必要はない)、またはこれら2つのいくつかの組み合わせであってもよい。例えば、プロセッサ214内の車両ベースのモジュール及びプロセッサ224内のデバイスベースのモジュールは、データを連続的に受信及び分析し、車両210の内部空間内部における所在位置の変化が生じていないことを判定し得、それによって、大量の重複するデータをサーバ250に送信する必要はない。しかしながら、所在位置の過度の変化が検出された後(例えば、車内の1人の同乗者が電話を他の同乗者または運転手に手渡したことに起因する)、データはサーバ250に送信され得、そのモジュールは、1つ以上のアクションの実行が必要であるかを判定し得る。
【0048】
図3A及び図3Bは、データが複数の車両センサ211及び/または複数のデバイスセンサ221によって収集され得る例示的なイベントを図示する。図3Aに示すように、路面不連続部(ここでは、隆起404)は、車両403(図2の車両210であり得る)のフロントタイヤ405によって遭遇され得る。隆起404は、車軸において車両に力を加え、フロントタイヤ405の加速及び正の垂直変位を引き起こす。例えば、隆起404はスピードバンプであってもよく、スピードバンプの横断により、フロントタイヤ405がスピードバンプ上を通過するときに、車403の前方を上昇させ得る。この隆起がフロントタイヤで遭遇されると、隆起の力が車両の重心407を通って平行移動し、車両の後部に向かう後輪軸を中心として車両の回転が生じる(例えば矢印406を介して図示される)。典型的には、このことは、車両の乗員には長時間にわたって知覚されないが、それは、いったん車両が隆起を横断した後「平坦な」表面に戻ると、車両は反対方向の後輪軸を中心として対応する回転を経験するためである。フロントタイヤ405の負の垂直変位を引き起こす隆起404(例えば、穴)は、結果として、図3Aに描画されたものとは反対の回転を最初にもたらす(例えば、車両は車両の前方に向かう後輪軸を中心として回転する)。
【0049】
図3Bに示すように、車両403のリアタイヤ415によって隆起414に遭遇することがある。隆起414は、車軸に車両に力を加え、リアタイヤ415の加速度の正の垂直変位を引き起こす。例えば、隆起414はスピードバンプであってもよく、スピードバンプの横断により、フロントタイヤ415がスピードバンプ上を通過するときに、車403の後方を上昇させ得る。この隆起がリアタイヤで遭遇されると、隆起の力が車両の重心407を通って平行移動し、車両の前部に向かう前輪軸を中心として車両の回転が生じる(例えば矢印416を介して図示される)。再度、車両は、隆起を横断した後、すばやく「平坦な」表面に戻り、車両は、反対方向の前輪軸を中心として対応する回転を経験する。リアタイヤ415の負の垂直変位を引き起こす隆起414は、結果として、図3Bに描画されたものとは反対の回転を最初にもたらす(例えば、車両は車両の後方に向かう前輪軸を中心として回転する)
【0050】
上述した基準フレームにおける加速度409及び419のプロットを示す図4に見られるように、2つの角度420及び421が判定され得、X軸から測定されたとき、角度421は角度420よりも大きな絶対大きさを有している。いくつかの態様では、加速度データは、3つの次元(例えば、曲がる間に経験された隆起に起因する、右向き、前向き及び上向き)及び角度420及び421のすべての動きベクトルを表し得るか、またはモバイルデバイス408及び/または車両403の動きから導き出された任意の他の角度が、1つまたは複数の次元で表され得る。
【0051】
図5A及び図5Bは、データが複数の車両センサ211及び/または複数のデバイスセンサ221によって収集され得るさらなる例示的なイベントを示す。ここで、図5A及び図5Bに描画されるイベントと、先に議論したイベントと間の1つの差異は、車両の左(-y)または右(+y)のいずれかによって隆起が遭遇され得ることである。図5Aに示すように、車両503のフロント左タイヤ505(車両の正面に向いているとき)によって隆起504に遭遇することがある。隆起504は、フロント左タイヤ505の正の垂直変位を引き起こす。例えば、隆起504はスピードバンプであってもよく、スピードバンプの横断により、左フロントタイヤ505がスピードバンプ上を通過するときに、車503の前方左を上昇させ得る。この隆起が左フロントタイヤで遭遇されると、隆起の力が車両の重心507を通って平行移動し、リアタイヤの近くに位置する点を通る軸を中心とした車両の回転を生じさせ、車両の後部に向かう回転が生じる(例えば矢印508を介して図示され、これは回転方向を図示しているが、必ずしも軸の所在位置ではない)。左フロントタイヤ505の負の垂直変位を引き起こす隆起504(例えば、穴)は、結果として、図5Aに描画されたものとは反対の回転を最初にもたらす(例えば、車両は車両の前方に向かう点を中心として回転する)。
【0052】
図5Bに示すように、車両503の右フロントタイヤ515によって隆起514に遭遇することがある。隆起514は、右フロントタイヤ515の正の垂直変位を引き起こす。例えば、隆起514はスピードバンプであり得、スピードバンプの横断により、右フロントタイヤ515がスピードバンプ上を通過するときに、車503の前方右を上昇させ得る。この隆起がリアタイヤで遭遇されると、車両が速度で走行していることに起因して、隆起の力が車両の重心507を通って平行移動し、左リアタイヤの近くの点を通る軸を中心として車両の回転が生じる。右前のタイヤ515の負の垂直変位を引き起こす隆起514は、結果として、図5Bに描画されたものとは反対の回転をもたらす。図5Bに示すように(例えば、自動車は、車両の右前方に向かう軸を中心として回転する)。
【0053】
図3A図3B図4図5A、及び図5Bを参照して理解され得るように、隆起に遭遇する車両は、対応する垂直移動(例えば、正または負のZ軸に沿った移動) (例えば、正または負のX軸及び/またはY軸に沿った移動)を可能にする。この単一軸または多軸の動きは、車両内部に位置するモバイルデバイスによって経験され得る。図3A及び図3Bを特に参照すると、隆起によって生じる車両の加速度のベクトルは、角度420及び421として図4に描画される動き軸(例えば、車両「隆起角」)をもって角度を形成し得る。このベクトル及びこの隆起角は、複数の車両センサ211によって感知されたデータから導き出され得る。隆起及びその対応する隆起角によって生じるモバイルデバイスの加速度の同様のベクトルは、複数のモバイルデバイスセンサ211、例えば加速度計223によって感知されたデータから導出され得る。本明細書では「隆起角」という用語を使用するが、そのような用語は、遭遇する路面不連続が、結果として正のZ軸に沿った動き/加速をもたらすイベントに限定されず、結果として任意の1つ以上の軸に沿った動き及び/または加速度をもたらすあらゆる路面不連続を含み得る。
【0054】
図5Cは、車両が隆起と遭遇することの結果として生じるデータのグラフ化の様々な態様を示し、これは、単一の軸における加速度及び動きの大きさがどのようにモバイルデバイスによって経験され得るかを反映する。例えば、線550は、第2の隆起の大きさ(例えば、隆起に当たる第2のタイヤに起因する)よりも小さい第1の隆起の大きさ(例えば、隆起に当たる第1のタイヤに起因する)を実証する。したがって、以下でさらに説明するように、線550における隆起の連続及び大きさは、デバイスが、第1の隆起位置よりも、第2の隆起が生じた所在位置(例えば、第2のタイヤ)の位置に近接して位置することを示し得る。さらに、隆起間の時間差は、デバイスが車両の重心により近いか、またはそこから遠くにあることを示している可能性がある。しかしながら、線560は、より強い第1の隆起大きさを示し、デバイスが第2の隆起イベント位置よりも第1の隆起イベント位置に近いことを示す。
【0055】
図3図5の用語及び環境を意図して、図6は、本明細書の1つ以上の態様による、車両内のモバイルデバイスの所在位置を判定するための例示的な方法を描画する。ステップ610では、モバイルデバイスのセンサでデータが受信される。これは、例えば、加速度計223からの加速度計データであってもよい。ステップ610において、データは処理デバイスで受信され得る。議論を容易にするために、処理デバイスという用語は、車内室内空間内部のモバイルデバイスの所在位置を判定するために利用され得る上述の様々なデバイス及びシステムを少なくとも含む(例えば、処理デバイスは、モバイルデバイス220、車両210、プロセッサ214及び224の様々なモジュール、サーバ250等のうちの1つ以上であり得る)。
【0056】
ステップ620において、処理デバイスによって受信されたデータは、修正された参照フレームに変換される。多くの態様では、動きの軸を判定することは、モバイルデバイスの所在位置を判定する問題の一部であり得る。例えば、モバイルデバイスは、衣類ポケット、バッグまたは財布、小物入れまたはセンターコンソールの中にあるか、または充電を目的としてDC電源ポートの近くで角度を付けられている場合がある。したがって、モバイルデバイスの加速度計に対する横方向の動き(例えば、Y軸の動き)として現れ得るものは、実際には、前後方向の動き(例えば、X軸の動き)である場合があるが、これは、モバイルデバイスが角度を付けられ得るかまたは回転させられ得るためである。ステップ620では、入信データから、入信するデータのどの軸が、前方/後方軸(X軸)、横軸(Y軸)、及び垂直軸(Z軸)に対応するかを判定するための1つ以上の類推が導き出され得る。これらの1つ以上の類推は、上述したように、他のソースからのデータの受信及び処理に基づいて導き出され得る。車両及び/またはモバイルデバイスの他のセンサからデータが受信され、X軸及びY軸を類推し得る。例えば、車両からの加速及び/または減速データ(例えば、ガスまたはブレーキペダルの操作、固定加速器からのデータなど)を取得し得、1つ以上の軸のみの大きさの適切な変化が判定され得る。別の例として、車両からのデータは使用されず、代わりにモバイルデバイスが利用可能なデータだけが使用されてもよい。例えば、加速度計データからデータを受信し得、重力ベクトル(例えば、重力による加速度を示すベクトル)に対して直角の運動を決定するために調べられ得る。これは、モバイルデバイスの向きを判定する際にデバイスを支援し得る。モバイルデバイスは、1つ以上の軸に沿った大きな動き量を検出し得、その動き量のタイミングを、受信したGPSデータに基づく速さまたは速度の変化を示す、位置サービスデバイス225からのデータと比較し得る。このことから、モバイルデバイスは、どの軸がX方向の動きを含むかを類推し得る。
【0057】
ステップ620において別個に、または上記と組み合わせて、処理デバイスは、左及び右(例えば、Y軸の移動)を類推することが可能であり得る。例えば、処理デバイスは、車両が左折または右折を行っていることを示す信号(例えば、操作者が左折または右折信号に関わったことを示すデータ、ステアリングホイールが左または右に回転したことを示すデータ、操作者が左折または右折を行ったためにルートが更新されたことを示すGPSまたは位置サービスデータ等)を受信することができる。再度、いくつかの態様では、このデータは車両から取得され得るのではなく、代わりにモバイルデバイスにローカルなセンサを介してのみ取得されてもよい。例えば、位置サービスデバイス225から、左折または右折が行われたことを示すGPSまたは位置サービスデータが受信され得、加速度計データを審査して、重力ベクトル(例えば、ベクトル重力による加速度を示すベクトル)に対して直角の動きを判定し得る。修正されたデータは、入信データの処理及び変換の結果として得られ、データに関連する1つ以上の推論を判定し得る。
【0058】
ステップ630において、修正されたデータは、隆起イベントを判定するために審査され得る。これは、例えば、路面の不連続性(例えば、隆起、穴等)の存在を示す、補正されたZ軸における正または負の移動及び/または加速を決定することを含み得る。例えば、Z軸に沿った移動及び/または加速度の大きさは、所定の閾値と比較することができる。ベクトルの大きさが所定の閾値を超えた場合(ステップ630のはい分岐)、データは候補イベントを反映し得る。所定の閾値を使用して、例えば過剰なデータの取得を避け得、及び/または誤検出のイベント(例えば、不均一な舗装からのデータに発生するノイズまたは席に再度位置付けられた操作者)に対して該検出方法をトリガすることを避け得る。ベクトルの大きさが所定の閾値を超えない場合、該方法はさらなるデータを待ち得る(ステップ630からのいいえ分岐)。
【0059】
ステップ635では、隆起角及び隆起の大きさを算出し得る。いくつかの態様では、2つ以上の軸で補正されたデータのドット積を行うことによって、隆起角を算出し得る。例えば、隆起角の1つの算出は、加速度ベクトルと、下降ベクトル(Z軸)と乗算したドット積とを取ることを含み得、X軸ベクトルとZ軸ベクトルとの比の逆正接の対応する算出(例えば、arctan(X/Z))は、隆起角をもたらし得る。算出の結果は、どのようにして実行され得るかに関わらず、後にプロセスにおける検索及び/またはさらなる算出のために記憶デバイスに記憶されてもよい。
【0060】
いくつかの態様では、さらなるデータを受信することは、デバイスの位置探査において増大された確実性を提供するために有益であり得る。このさらなるデータは、例えば、モバイルデバイスの加速度計からの追加データを含み得るが、これは、いくつかの例では、隆起が車両のフロントタイヤとリアタイヤの両方によって遭遇されるべきであるためである。これらの例における期待値は、ステップ630において閾値を超えたと判定されたイベントは、フロントタイヤが隆起に遭遇していることであり得る。さらなるデータを受信するための1つの方法は、ステップ640において、動きまたは加速を示す追加のデータを待つためのタイマまたはタイミング論理をインスタンス化することであり得る。タイマの継続時間は、例えば、車両の速度(車両ベースのデータソースまたはモバイルデバイスデータソースから提供される)に基づき得る。継続期間内に隆起(第2の隆起)を示すデータが受信された場合(ステップ645のはい分岐)、ステップ650において、元の(第1の)隆起のデータと第2の隆起のデータとがマッチングされて比較され得る。第2の隆起のデータが第1の隆起からのデータと異なる(例えば、1つ以上のヒューリスティック分析に基づいて、同じ路面不連続が第1の隆起データ及び第2の隆起データを生じさせたとは考えられないことが判定される)場合、第1及び第2のデータは破棄されてもよく、該方法が再開され得る(ステップ650からいいえ分岐)。さらに、第2の隆起が感知されない場合、該方法は再開され得る(ステップ645からいいえ分岐)。
【0061】
しかしながら、第1の隆起が第2の隆起に合致する場合(ステップ650のはい分岐)、ステップ660において、上述したものと同様の算出が実行され得る。再度、第2の隆起の大きさの1つの算出は、前方ベクトル(X軸)と、下降ベクトル(Z軸)と乗算したドット積とを取ることを含み得、X軸ベクトルとZ軸ベクトルとの比の逆正接の対応する算出(例えば、arctan(X/Z))は、第2の隆起角をもたらし得る。
【0062】
第1の隆起ベクトルまたはその成分(例えば、第1の隆起の大きさ、第1の隆起の角度)及び/または第2の隆起のベクトルまたはその成分(例えば、第2の隆起の大きさ、第2の隆起の角度)に基づいて、ステップ670においてデバイスの所在位置を推定し得る。これは、第1の隆起ベクトルまたはその成分、及び/または第2の隆起ベクトルまたはその成分を、ヒューリスティックエンジンに供給することを含み得、これは、先に述べられたプロセッサ及びデバイスのうちの1つ以上(例えば、モバイルデバイス位置探査コンピューティングデバイス101等)によって実装され得る。ヒューリスティックエンジンは、様々な変数を使用し、変数に様々な重みを割り当て得る。例えば、ヒューリスティックエンジンによって審査され得る変数は、「第1/第2の隆起角」、「第1/第2の隆起大きさ」、「マイクロフォンによる方向指示器の聞き取り」、「架台に置かれているモバイルデバイスの検出」、「隆起大きさの差」、「隆起角の差」、「隆起の間隔」、「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からの機器の回転」、「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からの加速度信号」、「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からの加速度計のフーリエ係数」及び「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からのジャイロスコープのフーリエ係数」を含んでもよい。当然のことながら、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変数を使用することもできる。特に、任意の可変または感知されたデータは、ヒューリスティックエンジンによって使用されて、モバイルデバイスの位置を決定することができる。ヒューリスティックエンジンは、左または右の位置及び/または前または後ろの位置の目標変数を決定するために較正されてもよい。いくつかの態様では、ヒューリスティックエンジンは、サポートベクトルマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、勾配ブーストツリー、一般化線形モデル、または他の統計的モデル化技術の使用を含むことができる。
【0063】
ヒューリスティックエンジンによって、車両の室内空間内部のモバイルデバイスの大まかな所在位置を判定するために行われ得る平易な判定の一例として、図3~5、そして特に図5Cを参照して述べられたように、隆起角の差及び隆起の大きさの差が、車両の重心を基準としたモバイルデバイスのおおよその位置を示し得る。例えば、データ560における「より強い」第1の隆起(例えば、より大きな隆起の大きさまたはより大きい隆起角を有するデータ)は、モバイルデバイスが車両の前方により近接して位置していることを示し得、それに対して、データ550の「より強い」第2の隆起は、モバイルデバイスが車両の後方により近接して位置していることを示し得る。
【0064】
モバイルデバイスの大まかな位置を判定するためにヒューリスティックエンジンによって行われる判定の別の例として、加速度計及びジャイロスコープデータがモバイルデバイスにおいて収集され得る。データは、1つ以上の軸に沿った律動的な動きのインジケータを含み得、これは、ユーザが、徒歩中にその人物上にデバイスを携えていることを示し得る。データ署名及び/またはパターンマッチングを採用してもよく、これは、受信したデータを、既知の加速度計及び/またはジャイロスコープの信号値と比較することを含み得る。例えば、デバイスがユーザの手中、バッグの中、ユーザの臀部近くのポケット、またはシャツポケットに保持されている場合、インジケータは異なり得る。加速度計及びジャイロスコープのデータを既知の値と比較することによって、次に受信されたデータが、ユーザが車両に入っていることを示すかどうかを判定することが可能になり得るが、これは、受信されたデータが、既知の値に存在するパターンにさらに一致するためである。データと既知のパターンとのこのマッチングを所与として、モバイルデバイスが運転者側または同乗者側の車両に入っているか、特にモバイルデバイスが運転者の四分区画内にあるか、または運転者以外の四分区画内内にあるかを判定することが可能であり得る。
【0065】
図6Aに戻ると、いくつかの態様では、受信されたデータは、強い横方向または左/右(Y軸)の移動を示し得る。したがって、ステップ635及び660におけるいくつかの態様では、Y軸成分を使用して、第3及び第4の隆起ベクトルを算出し得る。例えば、この第3及び第4の隆起ベクトルの算出は、左/右ベクトルと、下降ベクトル(Z軸)と乗算したドット積とを取ることによって、隆起の大きさを算出することを含み得、Y軸ベクトルとZ軸ベクトルとの比の逆正接の対応する算出(例えば、arctan(Y/Z))を行うことは、結果としては、第3及び第4の隆起角をもたらし得る。これらのさらなる隆起ベクトルまたはそれらの成分は、ヒューリスティックエンジンによって、位置を判定するために使用され得る。例えば、第1の隆起は強い+Y成分を有し得、第2の隆起はY成分または強い-Y成分を有し得ず、このことは、モバイルデバイスが車両の右側に、またはその重心に位置しているかもしれないことを表し得る。
【0066】
モバイルデバイスの位置の決定に基づいて、1つ以上のアクションがステップ680において実行されてもよい。これらのアクションは、モバイルデバイス及び/または車両を構成する動作、例えばモバイルデバイスに通知を提供すること(例えば、モバイルデバイスのディスプレイ上に警告を表示すること)、モバイルデバイスの機能を非アクティブ化すること(例えば、テキストメッセージングアプリケーションを無効化すること)、車両に通知を提供すること(例えば、モバイルデバイスが運転席の領域で検出されたことを示すビジュアルまたはオーディオ通知を表示するかまたは有効化し、車両が動作している間は消音すること)、車両の特徴のアクティブ化または非アクティブ化を生じさせること(例えば、BLUETOOTHトランシーバを有効にし、無効にされた場合には車線支援機能をオンにすること)、第三者に通知を送信すること(例えば、保険サービスまたは保険アプリケーションに、モバイルデバイスが車両操作者によって使用されているかもしれないことを示す通知を送信すること)等を含み得る。代替的に、デバイスが運転者の領域に位置していない場合、例えば、機能の起動または再起動、または第三者への通知の送信(例えば、保険サービスに対する、車両操作者がモバイルデバイスを使用していないことを示す通知の送信)等の他のアクションを取ってもよい。
【0067】
取られるアクションは、ヒューリスティックエンジンに入力された変数及び/または他のデータに依存してもよい。例えば、隆起間の所要時間が最大所要時間またはそれに近い場合、第1の隆起の大きさは、一定の範囲内にあり、及び/またはモバイルデバイスは、架台に置かれていることを示し、一定の機能(例えば、テキストメッセージングアプリケーション、ソーシャルメディアアプリケーション)は、モバイルデバイス上で無効化され得るが、他の機能(例えば、経路案内またはナビゲーションアプリケーション)は、分布する隆起の大きさ及び/または架台検出が、モバイルデバイスが静的に保持されており、運転者の手中にはないことを示し得るため、有効化され得る。
【0068】
また、図7A及び図7Bは、所在位置情報の決定に起因し得るアクションの実行を示す様々なユーザインターフェースを示す。ユーザインターフェース700aでは、モバイルデバイスが運転席にあり、車両が動いていることを示すインターフェースが表示され、その結果、テキストメッセージングアプリケーションが無効にされ得る。ユーザインターフェース700bでは、モバイルデバイスが、車両に設置された検出されたGPSシステムにマップ及び経路情報を転送していることを示すインターフェースが表示され、モバイルデバイスのさらなる使用を不要にする。
【0069】
図8は、車両室内空間内部におけるモバイルデバイスの位置を判定するための追加の例示的な方法を提供する。図8の方法は、車両加速度計データが図8の方法において使用されている点で図6と異なる。ステップ810では、処理デバイスにおいて、移動中の車両(例えば、車両内の1つ以上のセンサ)から情報が受信され得るこの情報は、車両とその同乗者に関する情報を含み得る。例えば、車両においてただ1つのドア(運転席のドア)のみが開閉されたことが検出されて、運転席のシートベルトのみが締結される。ステップ815では、処理デバイスにおいて、モバイルデバイスのセンサからのデータを受信し得る。これは、例えば、加速度計223からの加速度計データであってもよい。再び、議論を容易にするために、処理デバイスという用語は、車内室内空間内部のモバイルデバイスの所在位置を判定するために利用され得る上述の様々なデバイス及びシステムを少なくとも含む(例えば、処理デバイスは、モバイルデバイス220、車両210、プロセッサ214及び224の様々なモジュール、サーバ250等のうちの1つ以上であり得る)。
【0070】
ステップ820において、処理デバイスによって受信されたデータは、修正された参照フレームに変換される。多くの態様では、移動軸を判定することは、モバイルデバイスの所在位置を判定する問題の一部である場合があり、例えば、モバイルデバイスは、衣類のポケット、バッグまたは財布、小物入れまたは中央コンソールの中にあるか、または充電を目的としてDC電源ポートの近くで角度を付けられている場合がある。したがって、モバイルデバイスの加速度計に対して横方向の動き(例えば、Y軸方向の動き)として現れることがあるものは、車両の基準フレームにおける実際の前後方向の動き(例えば、X軸方向の動き)であり得るが、これは、モバイルデバイスが角度を付けられているか、または回転している場合があるためである。ステップ820において、入力データから1つ以上の推論が導き出され、入力データのどの軸が、前方/後方軸(X軸)、横軸(Y軸)、及び垂直軸(Z軸)に対応するかを判定し得る。これらの1つ以上の類推は、上述したように、他のソースからのデータを受信し処理することに基づいて導き出され得る。例えば、X軸及びY軸を類推するために、車両及び/またはモバイルデバイスの他のセンサからデータを受信してもよい。例えば、車両から加速及び/または減速データ(例えば、ガスまたはブレーキペダルの操作、固定加速度計からのデータ等)を取得し得、1つ以上の軸のみにおける大きさの適切な変化が判定され得る。
【0071】
ステップ820において別個に、または上記と組み合わせて、処理デバイスは、左及び右(例えば、Y軸の移動)を類推することが可能であり得る。例えば、処理デバイスは、車両が左折または右折を行っていることを示す信号(例えば、操作者が左折または右折信号に関わったことを示すデータ、ステアリングホイールが左または右に回転したことを示すデータ、操作者が左折または右折を行ったためにルートが更新されたことを示すGPSまたは位置サービスデータ等)を受信することができる。修正されたデータは、入信データの処理及び変換の結果として得られ、データに関連する1つ以上の推論を判定し得る。
【0072】
ステップ830において、修正されたデータを審査して、車両ベースのデータ(例えば、車両室内空間内部、車両のエンジンルーム及び/または車両のホイールエリアに固定された加速度計からのデータ)における隆起イベントを判定し得る。これは、例えば、路面の不連続性(例えば、隆起、穴等)の存在を示す、補正されたZ軸における正または負の移動及び/または加速を決定することを含み得る。例えば、Z軸に沿った移動及び/または加速度の大きさは、所定の閾値と比較することができる。ベクトルの大きさが所定の閾値を超えた場合(ステップ830のはい分岐)、データは候補イベントを反映し得る。所定の閾値を使用して、例えば過剰なデータの取得を避け得、及び/または誤検出のイベント(例えば、不均一な舗装からのデータに発生するノイズ)に対して該検出方法をトリガすることを避け得る。ベクトルの大きさが所定の閾値を超えない場合、該方法はさらなるデータを待ち得る(ステップ830からのいいえ分岐)。
【0073】
ステップ835では、隆起角及び隆起の大きさを算出し得る。いくつかの態様では、2つ以上の軸で補正されたデータのドット積を行うことによって、隆起角を算出し得る。例えば、隆起の大きさの1つの算出は、前方向ベクトル(X軸)と、下降ベクトル(Z軸)と乗算したドット積とを取ることを含み得、X軸ベクトルとZ軸ベクトルとの比の逆正接の対応する算出(例えば、arctan(X/Z))は、隆起角をもたらし得る。算出の結果は、それがどのように実行されるかに関わらず、プロセスの後半における検索及び/またはさらなる算出のために、記憶デバイスに記憶されてもよい。
【0074】
いくつかの態様では、ステップ845においてさらなるデータを受信し得る。このさらなるデータは、例えば、モバイルデバイスの加速度計からのデータを含み得る。しかし、図6とは異なり、タイマは必要ではないかもしれないが、それは、モバイルデバイスが車両のセンサとほぼ同時に隆起を感知し得るためである。このように、第2の隆起イベントがモバイルデバイスで実際に検出された場合(例えば、ステップ845のはいの分岐)、元の(第1の)隆起のデータと第2の隆起のデータとが合致し、ステップ850で比較され得る。第2の隆起のデータが第1の隆起からのデータと異なる(例えば、1つ以上のヒューリスティック分析に基づいて、同じ路面不連続が車両隆起データ及びモバイルデバイス隆起データを生じさせたとは考えられないことが判定される)場合、第1及び第2のデータは破棄されてもよく、該方法が再開され得る(ステップ850からいいえ分岐)。さらに、第2の隆起が感知されない場合、該方法は再開され得る(ステップ845からいいえ分岐)。
【0075】
しかしながら、第1の隆起が第2の隆起に合致する場合(ステップ850のはい分岐)、ステップ860において、上述したものと同様の算出が実行され得る。再度、第2の隆起の大きさの1つの算出は、加速ベクトルと、下降ベクトル(Z軸)と乗算したドット積とを取ることを含み得、X軸ベクトルとZ軸ベクトルとの比の逆正接の対応する算出(例えば、arctan(X/Z))は、第2の隆起角をもたらし得る。
【0076】
第1の隆起ベクトルまたはその成分(例えば、第1の隆起の大きさ、第1の隆起の角度)及び/または第2の隆起のベクトルまたはその成分(例えば、第2の隆起の大きさ、第2の隆起の角度)に基づいて、ステップ870においてデバイスの所在位置を推定し得る。これは、第1の隆起ベクトルまたはその成分、及び/または第2の隆起ベクトルまたはその成分を、ヒューリスティックエンジンに供給することを含み得、これは、様々な変数を使用し、変数に様々な重みを割り当てる。例えば、ヒューリスティックエンジンによって審査され得る変数は、上記で述べられているが、「第1/第2の隆起角」、「第1/第2の隆起大きさ」、「マイクロフォンによる方向指示器の聞き取り」、「架台に置かれているモバイルデバイスの検出」、「隆起大きさの差」、「隆起角の差」、「隆起の間隔」、「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からの機器の回転」、「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からの加速度信号」、「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からの加速度計のフーリエ係数」及び「モバイルデバイスが車両に入ったと推定される時間からのジャイロスコープのフーリエ係数」を含んでもよい。
【0077】
ヒューリスティックエンジンによって、車両の室内空間内部のモバイルデバイスの大まかな所在位置を判定するために行われ得る平易な判定の一例として、図3~5を参照して述べられたように、隆起角の差及び隆起の大きさの差が、車両の重心を基準としたモバイルデバイスのおおよその所在位置を示し得る。
【0078】
いくつかの態様では、受信されたデータは、強い横方向または左/右(Y軸)の移動を示し得る。したがって、ステップ835及び860におけるいくつかの態様では、Y軸成分を使用して、第3及び第4の隆起ベクトルを算出し得る。例えば、この第3及び第4の隆起ベクトルの算出は、左/右ベクトルと、下降ベクトル(Z軸)と乗算したドット積とを取ることによって、隆起の大きさを算出することを含み得、Y軸ベクトルとZ軸ベクトルとの比の逆正接の対応する算出(例えば、arctan(Y/Z))を行うことは、結果としては、第3及び第4の隆起角をもたらし得る。これらのさらなる隆起ベクトルまたはそれらの成分は、ヒューリスティックエンジンによって、位置を判定するために使用され得る。例えば、第1の隆起は強い+Y成分を有し得、第2の隆起はY成分または強い-Y成分を有し得ず、このことは、モバイルデバイスが車両の右側に、またはその重心に位置しているかもしれないことを表し得る。
【0079】
モバイルデバイスの所在位置の判定に基づいて、1つ以上のアクションがステップ880で実行されてもよい。これらのアクションは、図6A及び図6Bに関して上述したものと同様であり、モバイルデバイス及び/または車両を構成する動作、例えばモバイルデバイスに通知を提供すること(例えば、モバイルデバイスのディスプレイ上に警告を表示すること)、モバイルデバイスの機能を非アクティブ化すること(例えば、テキストメッセージングアプリケーションを無効化すること)、車両に通知を提供すること(例えば、モバイルデバイスが運転席の領域で検出されたことを示すビジュアルまたはオーディオ通知を表示するかまたは有効化し、車両が動作している間は消音すること)、車両の特徴のアクティブ化または非アクティブ化を生じさせること(例えば、BLUETOOTHトランシーバを有効にし、無効にされた場合には車線支援機能をオンにすること)、第三者に通知を送信すること(例えば、保険サービスまたは保険アプリケーションに、モバイルデバイスが車両操作者によって使用されているかもしれないことを示す通知を送信すること)等を含み得る。代替的に、デバイスが運転者の領域に位置していない場合、例えば、機能の起動または再起動、または第三者への通知の送信(例えば、保険サービスに対する、車両操作者がモバイルデバイスを使用していないことを示す通知の送信)等の他のアクションを取ってもよい。
【0080】
以下の記述は、本明細書に記載されたシステム及び方法の実施の例を提供する。それらは単なるいくつかの例であり、本明細書に記載されたシステム及び方法を限定することは意図されていない。
【0081】
一例では、本明細書で説明された1つ以上のデバイス及びシステムは、車両室内空間内部のスマートフォンモバイルデバイスの所在位置を判定し得る。スマートフォンは、上述したように、加速度計を有してもよく、車両の1つ以上のタイヤが路面の隆起に衝突した場合の加速を経験し得る。車両が隆起に当たるたびに、スマートフォンは、(車両の中心に対して)上下、左右、及び/または前後に動く場合がある。この動きは、大きさ及び角度を有する単一のベクトルとして調査され得る。車両が一定時間内に同じ隆起に当たった場合、第2の隆起に当たることは、3つの軸での異なる動きを生じさせ得、これは、第2の大きさ及び角度を有する第2のベクトルに組み合わされ得る。ベクトルの角度間の差と大きさ間の差を算出し得、当該結果を使用して、室内空間内部のスマートフォンの所在位置を判定し得る。例えば、第1の大きさが第2の大きさより大きい場合、スマートフォンは、第1の隆起が感じられたタイヤにより近い場合がある。算出された所在位置は、車両内の推定された実際の位置(例えば、運転席、後部座席、助手席、トランク、小物入れ)に変換され得る。いくつかの態様では、これは、車両の四分区間を大きさ及び角度に基づいて判定することであり得、すなわち、車両の左側に向かって正の大きさを有するものはどれかという比較の結果として得られる任意のベクトルは、スマートフォンが左前方の四分区間にあることを示し得、これは例えば米国では運転席であり得る。推定された位置がどこであるかに応じて、スマートフォンの機能を有効または無効にし得る。例えば、デバイスが運転席の近くにある場合、スマートフォンは、テキストメッセージングアプリケーション、ソーシャルメディアアプリケーション、及びハンドヘルドモードでの呼び出しを無効にし得る。代替的に、スマートフォンは、ハンズフリーモードを可能にすることができる。デバイスが運転席以外の四分区間にある場合、スマートフォンの所在位置が、同乗者がデバイスを使用していることを示す可能性があるため、デバイスの機能が無効にされない場合がある。電話が運転席以外の四分区間にあるときに機能を無効にすることに代えて、ユーザに対し、運転中にデバイスを操作すべきでないことを示す消去可能な通知が提示され得る。いくつかの例では、スマートフォンは、車両のGPS受信機に地図データまたは経路データを送信する等、スマートフォンの使用を抑止するためにスマートフォンにデータを送信して、スマートフォンを目または手の届かないところに保管し得るいくつかの例では、スマートフォン及び/または車両は、データをリモートサーバに送信し得る。
【0082】
別の例では、スマートフォンからの加速度計データを、車両、例えば車内しつまたは車輪等に配置された加速度計からの加速度計データと比較し得る。再度、車両が隆起に当たると、車両及びスマートフォンの両方が、上下左右、及び/または前方または後方に移動し得る。車両加速度計が感じる隆起からのデータは、スマートフォンが感じる隆起からのデータと比較され得る。他の情報は、ヒューリスティック算出の一部として使用できます:例えば、いくつのシートベルトが使用されているか、助手席にどれくらいの重量があるか、スマートフォンが方向指示器を聞いているか、等々。加速度計からのデータ及びさらなるデータに基づいて、デバイス位置測定コンピューティングデバイスは、室内空間内部のスマートフォンの位置を推定し得る。推定された位置は、さらなる処理及び/またはビジネス上の意思決定、例えば保険率の調整や安全運転習慣を実施するための運転者への電子メールの送信のために、保険提供者によって運営される遠隔サーバに送信されてもよい。
【0083】
本明細書に記載された態様は、本開示の態様を実行する様々な様式を含む特定の例に関して議論されてきたが、当業者においては、発明の本質及び範囲に含まれる上述のシステム及び技法の数多くの変形及び順序があることが理解されよう。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B