(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】シフトレジスターユニット、ゲート駆動回路、表示装置及び駆動方法
(51)【国際特許分類】
G11C 19/28 20060101AFI20230111BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230111BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G11C19/28 230
G09G3/20 622E
G09G3/36
(21)【出願番号】P 2018564266
(86)(22)【出願日】2018-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2018090217
(87)【国際公開番号】W WO2019056803
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】201710858352.4
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 明夫
(72)【発明者】
【氏名】商 ▲広▼良
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 承佑
(72)【発明者】
【氏名】姚 星
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 皓▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲麗▼君
(72)【発明者】
【氏名】王 志冲
【審査官】堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105161134(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0345515(US,A1)
【文献】特開2006-293299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力回路と、プルアップノードリセット回路と、出力回路と結合回路を備えるシフトレジスターユニットであって、
前記入力回路は、入力信号に応じてプルアップノードに対して充電するように配置され、
前記プルアップノードリセット回路は、リセット信号に応じて前記プルアップノードをリセットするように配置され、
前記出力回路は、前記プルアップノードのレベルの制御下で、第1のクロック信号を第1出力端に出力するように配置され、
かつ、前記第1のクロック信号に応じて、前記プルアップノードの電位に対して結合による制御を行うように配置され、
前記結合回路は、第2のクロック信号に応じて、前記プルアップノードの電位に対して結合による制御を行うように配置され
、
前記プルアップノードの電位は、まず、前記入力信号に応じて、前記入力回路により第1の高レベルまで充電され、次に、前記第1のクロック信号の高レベルに応じる前記出力回路と前記第2のクロック信号の高レベルに応じる前記結合回路とにより、同時に第2の高レベルに結合され、次に、前記プルアップノードの電位は、前記第1のクロック信号の低レベルに応じて前記出力回路によりプルダウンされ、次に、前記プルアップノードの電位は、前記第2のクロック信号の低レベルに応じて、前記結合回路により、さらに前記第1の高レベルまでプルダウンされ、最後に、前記プルアップノードの電位は、前記リセット信号に応じて、前記プルアップノードリセット回路によるリセットのために、さらにプルダウンされる、
シフトレジスターユニット。
【請求項2】
プルダウンノード制御回路と、プルアップノードノイズリダクション回路と出力ノイズリダクション回路をさらに備え、
前記プルダウンノード制御回路は、プルダウンノードのレベルを制御するように配置され、
前記プルアップノードノイズリダクション回路は、前記プルダウンノードのレベルの制御下で、前記プルアップノードに対してノイズリダクションを行うように配置され、
前記出力ノイズリダクション回路は、前記プルダウンノードのレベルの制御下で、前記第1出力端に対してノイズリダクションを行うように配置される
請求項1に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項3】
前記結合回路は、第1のトランジスタと記憶容量を備え、
前記第1のトランジスタのゲートと記憶容量の第1極は、前記プルアップノードに接続されるように配置され、前記第1のトランジスタの第1極は、第2のクロック信号端に接続されて前記第2のクロック信号を受信するように配置され、前記第1のトランジスタの第2極は、前記記憶容量の第2極に接続されるように配置される
請求項
2に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項4】
第2出力端をさらに備え、
前記結合回路は、さらに、前記第2のクロック信号を前記第2出力端に出力するように配置され、
前記第2出力端は、前記第1のトランジスタの第2極に接続されるように配置される
請求項3に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項5】
結合リセット回路をさらに備え、
前記結合リセット回路は、前記プルダウンノードのレベルの制御下で、前記第2出力端をリセットするように配置される
請求項4に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項6】
前記結合リセット回路は、
ゲートは前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第1極は前記第2出力端に接続されるように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される、第2のトランジスタを備える
請求項5に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項7】
前記入力回路は、
ゲートは第1極に接続されるとともに入力端に接続されて前記入力信号を受信するように配置され、第2極は前記プルアップノードに接続されて前記プルアップノードに対して充電するように配置される、第3のトランジスタを備える
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項8】
前記プルアップノードリセット回路は、
ゲートはリセット端に接続されて前記リセット信号を受信するように配置され、第1極は前記プルアップノードに接続されて前記プルアップノードをリセットするように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される、第4のトランジスタを備える
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項9】
前記出力回路は、
ゲートは前記プルアップノードに接続されるように配置され、第1極は第1のクロック信号端に接続されて前記第1のクロック信号を受信するように配置され、第2極は前記第1出力端に接続されるように配置される、第5のトランジスタを備える
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項10】
前記プルダウンノード制御回路は、
ゲートは第1極に接続されるとともに第2電圧端に接続されて第2電圧を受信するように配置され、第2極は前記プルダウンノードに接続されるように配置される、第6のトランジスタと、
ゲートは前記プルアップノードに接続されるように配置され、第1極は前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される、第7のトランジスタと
を備える、請求項2ないし5のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項11】
前記プルアップノードノイズリダクション回路は、
ゲートは前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第1極は前記プルアップノードに接続されて前記プルアップノードに対してノイズリダクションを行うように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される、第8のトランジスタを備える
請求項2ないし5のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項12】
前記出力ノイズリダクション回路は、
ゲートは前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第1極は前記第1出力端に接続されるように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される、第9のトランジスタを備える
請求項2ないし5のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニット。
【請求項13】
複数のカスケードされた請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニットを備えるゲート駆動回路であって、
第1段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットの入力端は、直前の段のシフトレジスターユニットの第1出力端に接続され、
最後の段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットのリセット端は直後の段のシフトレジスターユニットの第1出力端に接続される
ゲート駆動回路。
【請求項14】
複数のカスケードされた請求項4ないし6のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニットを備えるゲート駆動回路であって、
第1段階のシフトレジスターユニット以外、他の各段階のシフトレジスターユニットの
入力端は、直前の段階のシフトレジスターユニットの第2出力端に接続され、
最後の段階のシフトレジスターユニット以外、他の各段階のシフトレジスターユニットのリセット端は直後の段階のシフトレジスターユニットの第2出力端に接続される
ゲート駆動回路。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のゲート駆動回路を備える表示装置。
【請求項16】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニットの駆動方法であって、
前記入力回路が前記入力信号に応じて前記プルアップノードに対して充電し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の低レベルを前記第1出力端に出力する第1段階と、
前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号の高レベルによって結合されて上昇し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の高レベルを前記第1出力端に出力する第2段階と、
前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号の低レベルによって結合されて低下し、前記第1出力端が前記出力回路を通じて放電する第3段階と、
前記プルアップノードの電位が前記第2のクロック信号の低レベルによってさらに結合されて低下する第4段階と、
前記プルアップノードリセット回路が前記リセット信号の制御下で、前記プルアップノードをリセットする第5段階と
を含み、
ここで、前記第3段階と前記第4段階では、前記第1のクロック信号の立ち下がり時刻が前記第2のクロック信号の立ち下がり時刻よりも早い
駆動方法。
【請求項17】
前記第2段階では、前記第1のクロック信号の立ち上がり時刻は、前記第2のクロック信号の立ち上がり時刻と一致するように保持される
請求項16に記載の駆動方法。
【請求項18】
請求項4ないし6のいずれか一項に記載のシフトレジスターユニットの駆動方法であって、
前記入力回路が前記入力信号に応じて前記プルアップノードに対して充電し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の低レベルを前記第1出力端に出力し、前記結合回路が前記第2のクロック信号の低レベルを前記第2出力端に出力する第1段階と、
前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号の高レベルによって結合されて上昇し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の高レベルを前記第1出力端に出力し、前記結合回路が前記第2のクロック信号の高レベルを前記第2出力端に出力する第2段階と、
前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号の低レベルによって結合されて低下し、前記第1出力端が前記出力回路を通じて低レベルとなるまで放電し、前記結合回路が前記第2のクロック信号の高レベルを前記第2出力端に出力する第3段階と、
前記プルアップノードの電位が前記第2のクロック信号の低レベルによってさらに結合されて低下し、前記第2出力端が前記結合回路を通じて低レベルとなるまで放電する第4段階と、
前記プルアップノードリセット回路が前記リセット信号の制御下で、前記プルアップノードをリセットする第5段階と
を含み、
ここで、前記第3段階と前記第4段階では、前記第1のクロック信号の立ち下がり時刻が前記第2のクロック信号の立ち下がり時刻よりも早い
駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は、2017年9月21日に出願された中国特許出願第201710858352.4号の優先権を主張し、前記中国特許出願の内容は援用により全てここに引用して本出願の一部とする。
【0002】
本開示の実施例は、シフトレジスターユニット、ゲート駆動回路、表示装置及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術分野において、例えば、液晶デスプレイの画素アレイは、通常、複数行のゲートライン及びそれらとインターリーブされている複数列のデータラインを備える。ゲートラインに対する駆動は、アタッチされた集積駆動回路によって実現される。近年、アモルファスシリコン薄膜プロセスの続ける発展に伴い、ゲートライン駆動回路を直接薄膜トランジスタアレイ基板上に集積しGOA(Gate driver On Array)を構成することでゲートラインを駆動することもできる。
【0004】
例えば、複数のカスケードされたシフトレジスターユニットからなるGOAを利用して画素アレイの複数行のゲートラインへスイッチング電圧信号を提供することにより、複数行のゲートラインが逐次ターンオンになるように制御し、データラインによって画素アレイにおける対応する行の画素ユニットへデータ信号を提供して、表示画像の各グレースケールに必要とされるグレースケール電圧を形成し、さらに各フレーム画像を表示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の少なくとも一実施例は、入力回路と、プルアップノードリセット回路と、出力回路と結合回路を備えるシフトレジスターユニットを提供する。前記入力回路は、入力信号に応じてプルアップノードに対して充電するように配置される。前記プルアップノードリセット回路は、リセット信号に応じて前記プルアップノードをリセットするように配置される。前記出力回路は、前記プルアップノードのレベルの制御下で、第1のクロック信号を第1出力端に出力するように配置される。前記結合回路は、第2のクロック信号に応じて、前記プルアップノードの電位に対して結合による制御を行うように配置される。
【0006】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットは、プルダウンノード制御回路と、プルアップノードノイズリダクション回路と出力ノイズリダクション回路をさらに備える。前記プルダウンノード制御回路は、プルダウンノードのレベルを制御するように配置される。前記プルアップノードノイズリダクション回路は、前記プルダウンノードのレベルの制御下で、前記プルアップノードに対してノイズリダクションを行うように配置される。前記出力ノイズリダクション回路は、前記プルダウンノードのレベルの制御下で、前記第1出力端に対してノイズリダクションを行うように配置される。
【0007】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記結合回路は第1のトランジスタと記憶容量を備える。前記第1のトランジスタのゲート及び記憶容量的第1極は、前記プルアップノードに接続されるように配置される。前記第1のトランジスタの第1極は、第2のクロック信号端に接続されて前記第2のクロック信号を受信するように配置される。前記第1のトランジスタの第2極は、前記記憶容量の第2極に接続されるように配置される。
【0008】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットは、第2出力端をさらに備える。前記結合回路は、さらに、前記第2のクロック信号を前記第2出力端に出力するように配置される。前記第2出力端は、前記第1のトランジスタの第2極に接続されるように配置される。
【0009】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットは、結合リセット回路をさらに備える。前記結合リセット回路は、前記プルダウンノードのレベルの制御下で、前記第2出力端をリセットするように配置される。
【0010】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記結合リセット回路は第2のトランジスタを備え、第2のトランジスタにおいて、ゲートは前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第1極は前記第2出力端に接続されるように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0011】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記入力回路は第3のトランジスタを備え、第3のトランジスタにおいて、ゲートは第1極に接続されるとともに入力端に接続されて前記入力信号を受信するように配置され、第2極は前記プルアップノードに接続されて前記プルアップノードに対して充電するように配置される。
【0012】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記プルアップノードリセット回路は第4のトランジスタを備え、第4のトランジスタにおいて、ゲートはリセット端に接続されて前記リセット信号を受信するように配置され、第1極は前記プルアップノードに接続されて前記プルアップノードをリセットするように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0013】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記出力回路は第5のトランジスタを備え、第5のトランジスタにおいて、ゲートは前記プルアップノードに接続されるように配置され、第1極は第1のクロック信号端に接続されて前記第1のクロック信号を受信するように配置され、第2極は前記第1出力端に接続されるように配置される。
【0014】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記プルダウンノード制御回路は、第6のトランジスタと第7のトランジスタを備え、第6のトランジスタにおいて、ゲートは第1極に接続されるとともに第2電圧端に接続されて第2電圧を受信するように配置され、第2極は前記プルダウンノードに接続されるように配置される。第7のトランジスタにおいて、ゲートは前記プルアップノードに接続されるように配置され、第1極は前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0015】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記プルアップノードノイズリダクション回路は第8のトランジスタを備え、第8のトランジスタにおいて、ゲートは前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第1極は前記プルアップノードに接続されて前記プルアップノードに対してノイズリダクションを行うように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0016】
例えば、本開示の一実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおいて、前記出力ノイズリダクション回路は第9のトランジスタを備え、第9のトランジスタにおいて、ゲートは前記プルダウンノードに接続されるように配置され、第1極は前記第1出力端に接続されるように配置され、第2極は第1電圧端に接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0017】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、複数のカスケードされた本開示実施例に記載したシフトレジスターユニットを備えるゲート駆動回路を提供する。第1段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットの入力端は、直前の段のシフトレジスターユニットの第1出力端に接続される。最後の段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットのリセット端は、直後の段のシフトレジスターユニットの第1出力端に接続される。
【0018】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、複数のカスケードされた本開示実施例に記載したシフトレジスターユニットを備えるゲート駆動回路を提供する。第1段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットの入力端は、直前の段のシフトレジスターユニットの第2出力端に接続される。最後の段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットのリセット端は、直後の段のシフトレジスターユニットの第2出力端に接続される。
【0019】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、本開示のいずれの実施例に記載したゲート駆動回路を備える表示装置を提供する。
【0020】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、シフトレジスターユニットの駆動方法であって、前記入力回路が前記入力信号に応じて前記プルアップノードに対して充電し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の低レベルを前記第1出力端に出力する第1段階と、前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号の高レベルによって結合されて上昇し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の高レベルを前記第1出力端に出力する第2段階と、前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号の低レベルによって結合されて低下し、前記第1出力端が前記出力回路を通じて放電する第3段階と、前記プルアップノードの電位が前記第2のクロック信号の低レベルにさらに結合されて低下する第4段階と、前記プルアップノードリセット回路が前記リセット信号の制御下で前記プルアップノードをリセットする第5段階と、を含む駆動方法を提供する。ここで、前記第3段階と前記第4段階では、前記第1のクロック信号の立ち下がり時刻が前記第2のクロック信号の立ち下がり時刻よりも早い。
【0021】
例えば、本開示の一実施例によって提供される駆動方法において、前記第2段階では、前記第1のクロック信号の立ち上がり時刻は、前記第2のクロック信号の立ち上がり時刻はと一致するように保持される。
【0022】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、シフトレジスターユニットの駆動方法であって、前記入力回路が前記入力信号に応じて前記プルアップノードに対して充電し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の低レベルを前記第1出力端に出力し、前記結合回路が前記第2のクロック信号の低レベルを前記第2出力端に出力する第1段階と、前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号の高レベルによって結合にされて上昇し、前記出力回路が前記第1のクロック信号の高レベルを前記第1出力端に出力し、前記結合回路が前記第2のクロック信号の高レベルを前記第2出力端に出力する第2段階と、前記プルアップノードの電位が前記第1のクロック信号の低レベルによって結合されて低下し、前記第1出力端が前記出力回路を通じて低レベルとなるまで放電し、前記結合回路が前記第2のクロック信号の高レベルを前記第2出力端に出力する第3段階と、前記プルアップノードの電位が前記第2のクロック信号の低レベルにさらに結合されて低下し、前記第2出力端が前記結合回路を通じて低レベルとなるまで放電する第4段階と、前記プルアップノードリセット回路が前記リセット信号の制御下で前記プルアップノードをリセットする第5段階と、を含む駆動方法を提供する。前記第3段階と前記第4段階では、前記第1のクロック信号の立ち下がり時刻が前記第2のクロック信号の立ち下がり時刻よりも早い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示実施例の技術案をより明らかに説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明する。以下説明する図面は、本開示のいくつかの実施例に係るものに過ぎず、本開示に対する制限ではないことは、言うまでもない。
【0024】
【
図1】シフトレジスターユニットの回路概念図である。
【
図2】
図1に示すシフトレジスターユニットの稼動時に対応する信号シーケンス図である。
【
図3】本開示の一実施例の一例示によって提供されるシフトレジスターユニットの模式的なブロック図である。
【
図4】本開示の一実施例の他の一例示によって提供されるシフトレジスターユニットの模式的なブロック図である。
【
図5】
図4に示すシフトレジスターユニットの一つの実現例示の回路概念図である。
【
図6】
図3に示すシフトレジスターユニットの一つの実現例示の回路概念図である。
【
図7】
図5に示すシフトレジスターユニットの稼動時に対応する信号シーケンス図である。
【
図8】
図1及び
図5に示すシフトレジスターユニットにおけるプルアップノードPUの電位をシミュレーションする概念図である。
【
図9】
図1及び
図5に示すシフトレジスターユニットにおける第1出力端OUT1の出力信号をシミュレーションする概念図である。
【
図10】本開示の一実施例によって提供されるゲート駆動回路の概念図である。
【
図11】本開示の一実施例によって提供される他のゲート駆動回路の概念図である。
【
図12】本開示の一実施例によって提供される表示装置の模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示実施例の目的、技術案と長所をより明らかにするために、以下、本開示実施例の図面を参照して、本開示実施例の技術案に対して明瞭かつ完全に説明していく。説明する実施例は、本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことは、明らかである。説明する本開示の実施例に基づいて、当業者は、創造性のある労働をせずに得られる全てのその他実施例は、本開示の保護を求める範囲に属する。
【0026】
別途定義しない限り、本開示では使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常な意味であるべき。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似する文言は、いかなる順序、数量或いは重要性を表すわけではなく、異なる部品を区別するだけのために用いられる。同様に、「一つ」、「一」又は「該」などの類似する文言も数量の限定を表すものではなく、少なくとも一つ存在することを意味する。「備える」或いは「含む」などの類似する文言は、当該文言の前で現れる素子又は部品は、当該文言の後ろに挙げられた素子又は部品又はその同等物を包含することを意味しており、その他の素子又は部品を除外することではない。「接続」又は「繋がる」などの類似する文言は、物理的な接続或いは機械的な接続に限らず、直接か間接かを問わず、電気的な接続を含んでよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置の関係を表すためだけに用いられ、説明対象の絶対位置が変更された後、当該相対位置の関係も相応に変更される可能性がある。
【0027】
表示パネル技術において、低コストとナローフレームを実現するために、GOA(Gate driver On Array)技術が利用される。すなわち、ゲート駆動回路を、薄膜トランジスタプロセスによって表示パネル上に集積することにより、ナローフレームとアセンブリーコストの低減などのメリットを実現する。該表示パネルは、液晶表示(LCD)パネル又は有機発光ダイオード(OLED)表示パネルであってもよい。
【0028】
図1は、シフトレジスターユニットの回路構成を示し、該シフトレジスターユニットは、カスケードされてゲート駆動回路を形成することができる。
図1に示すように、該シフトレジスターユニットは、九つのトランジスタ(T1からT9まで)と記憶容量(C1)を備える。
【0029】
第1のトランジスタT1は、そのゲートはプルアップノードPUに接続され、第1極は第1のクロック信号端CLKに接続され、第2極は第2出力端OUT2に接続される。
【0030】
第2のトランジスタT2は、そのゲートはプルダウンノードPDに接続され、第1極は第2出力端OUT2に接続され、第2極は第1電圧端VGLに接続される。
【0031】
第3のトランジスタT3は、そのゲートは第1極に接続され、かつ、入力端INPUTに接続されるように配置され、第2極はプルアップノードPUに接続される。
【0032】
第4のトランジスタT4は、そのゲートはリセット端RSTに接続され、第1極はプルアップノードPUに接続され、第2極は第1電圧端VGLに接続される。
【0033】
第5のトランジスタT5は、そのゲートはプルアップノードPUに接続され、第1極は第1のクロック信号端CLKに接続され、第2極は第1出力端OUT1に接続される。
【0034】
第6のトランジスタT6は、そのゲートは第1極に接続され、かつ、第2電圧端VGH(例えば直流高レベル信号が入力されることが保持される)に接続されるように配置され、第2極はプルダウンノードPDに接続される。
【0035】
第7のトランジスタT7は、そのゲートはプルアップノードPUに接続され、第1極はプルダウンノードPDに接続され、第2極は第1電圧端VGLに接続される。
【0036】
第8のトランジスタT8は、そのゲートはプルダウンノードPDに接続され、第1極はプルアップノードPUに接続され、第2極は第1電圧端VGL(例えば直流低レベル信号が入力されることが保持される)に接続される。
【0037】
第9のトランジスタT9は、そのゲートはプルダウンノードPDに接続され、第1極は第1出力端OUT1に接続され、第2極は第1電圧端VGLに接続される。
【0038】
記憶容量C1は、その第1極はプルアップノードPUに接続され、第2極は第1出力端OUT1に接続される。
【0039】
例えば、上記トランジスタはいずれもN型トランジスタである。以下もN型トランジスタを例で説明するが、本開示の実施例はこれに限らず、例えばこれらのトランジスタのうち少なくとも一部はP型トランジスタに置き換えられることができる。
【0040】
以下、
図2に示す信号シーケンス図を参照しながら
図1に示すシフトレジスターユニットの稼動原理を説明する。
図2に示す第1段階A、第2段階B、第3段階C及び第4段階Dの四つの段階において、該シフトレジスターユニットは以下の操作を行う。
【0041】
第1段階Aにおいて、第1のクロック信号端CLKには低レベル信号が入力され、入力端INPUTには高レベル信号が入力される。入力端INPUTに高レベル信号が入力されるため、第3のトランジスタT3はオンとなり、入力端INPUTに入力された高レベルは記憶容量C1に対して充電してプルアップノードPUの電位は第1の高レベルまでプルアップされるようにする。
【0042】
例えば第2電圧端VGHは、直流高レベル信号が入力されることを保持するように設置され、第6のトランジスタT6はオンと保持され、第2電圧端VGHに入力される高レベルはプルダウンノードPDに対して充電する。また、プルアップノードPUの電位は第1の高レベルであるため、第7のトランジスタT7はオンとなり、プルダウンノードPDと第1電圧端VGLとは電気的に接続される。ここで、例えば、第1電圧端VGLは、直流低レベル信号が入力されることを保持するように設置される。トランジスタの設計上、第6のトランジスタT6と第7のトランジスタT7は、T6とT7といずれもオンとなる場合、プルダウンノードPDの電位は相対的に低いレベルにプルダウンされるように配置(例えば二者のサイズ比、閾値電圧などを設定)されることができる。該低レベルは、第8のトランジスタT8をオンにすることはない。留意すべきのは、
図2に示す信号シーケンス図において電位が高いか低いかは模式的なものに過ぎず、真実の電位値を表すことではない。
【0043】
プルアップノードPUは第1の高レベルにあるため、第1のトランジスタT1と第5のトランジスタT5はオンとなり、この時、第1のクロック信号端CLKには低レベルが入力されるため、この段階では、第1出力端OUT1と第2出力端OUT2はいずれも該低レベル信号を出力する。
【0044】
第2段階Bでは、第1のクロック信号端CLKには高レベル信号が入力され、入力端INPUTには低レベル信号が入力される。入力端INPUTには低レベル信号が入力されるため、第3のトランジスタT3はオフとなり、プルアップノードPUは直前の段階の第1の高レベルを保持するので、第1のトランジスタT1と第5のトランジスタT5はオンと保持される。この段階で第1のクロック信号端CLKには高レベルが入力されるため、第1出力端OUT1と第2出力端OUT2は該高レベル信号を出力する。
【0045】
それと同時に、第1のクロック信号端CLK、第1出力端OUT1及び第2出力端OUT2は高レベルとなるため、該高レベルは第1のトランジスタT1の寄生容量(ゲートと第1極の間の寄生容量、及びゲートと第2極の間の寄生容量を含む)、第5のトランジスタT5の寄生容量(ゲートと第1極の間の寄生容量、及びゲートと第2極の間の寄生容量を含む)、並びに記憶容量C1を通じてプルアップノードPUと結合されてその電位を上昇させることができる。プルアップノードPUに結合される電圧幅の値は式1によって算出され得る。
ΔV_PU = ΔV_CLK ×(C_T1 + C_T5 + C_C1)/C_PU; (1)
【0046】
但し、ΔV_PUはプルアップノードPUに結合される電圧幅の値であり、ΔV_CLKは第1のクロック信号端の電圧幅の値のバリエーション量であり、C_T1は第1のトランジスタT1の寄生容量値であり、C_T5は第5のトランジスタT5の寄生容量値であり、C_C1は記憶容量C1の容量値であり、C_PUはプルアップノードPUに接続される全ての容量の総和である。
【0047】
プルアップノードPUの電位は結合されることでプルアップされ、第2の高レベルまで達し、第5のトランジスタT5を十分にオンにする。プルアップノードPUの電位は高レベルであるため、第7のトランジスタT7は続いてオンとなり、プルダウンノードPDの電位は続いて低レベルに保持される。プルダウンノードPDの電位は低レベルであるため、第2のトランジスタT2、第8のトランジスタT8と第9のトランジスタT9はオフ状態に保持されることで、プルアップノードPUの電位及びシフトレジスターユニットが正常にシフト信号を出力することに影響を及ぼすことはない。
【0048】
第3段階Cにおいて、第1のクロック信号端CLKに入力される信号は高レベルから低レベルへ変わり、入力端INPUTは続いて低レベルが入力される。ここで、第2段階でプルアップノードPUに対する結合によるプルアップと同様に、第1のクロック信号端CLKに入力される信号は低レベルに変わり、プルアップノードPUの電位は結合により第1の高レベル(
図2に示す点線の楕円に示すように)までプルダウンされ、結合によりプルダウンされる電圧幅の値は、依然、式1を利用して算出され得る。
【0049】
それと同時に、プルアップノードPUの電位は、依然高レベルとなるため、第5のトランジスタT5はオンと保持され、第1出力端OUT1は、第5のトランジスタT5によって低レベルにある第1のクロック信号端CLKに対して放電する。同様に、第1のトランジスタT1はオンと保持され、第2出力端OUT2は、第1のトランジスタT1によって低レベルにある第1のクロック信号端CLKへ放電する。放電によって、第1出力端OUT1と第2出力端OUT2の電位は、低レベルまでプルダウンされる。
【0050】
第4段階Dでは、リセット端RSTには高レベル信号が入力されるため、第4のトランジスタT4はオンとなり、プルアップノードPUは第1電圧端VGLに電気的に接続され、プルアップノードPUの電位は低レベルにプルダウンされることで、第1のトランジスタT1と第5のトランジスタT5はオフとなる。
【0051】
プルアップノードPUの電位は低レベルにあるため、第7のトランジスタT7はオフとなり、プルダウンノードPDの放電経路は遮断され、プルダウンノードPDの電位は高レベルまで充電される。これにより、第8のトランジスタT8、第2のトランジスタT2と第9のトランジスタT9はオンとなり、プルアップノードPU、第2出力端OUT2及び第1出力端OUT1の電位をそれぞれ、第1電圧端VGLから入力される低レベルにプルダウンし、シフトレジスターユニットが非出力段階でその出力端(第1出力端OUT1と第2出力端OUT2を含む)とプルアップノードPUで生じ得るノイズをさらに除去する。
【0052】
例えば、
図1に示すシフトレジスターユニットは、カスケードされてゲート駆動回路を形成することができる。該ゲート駆動回路は、表示パネルを駆動することに用いられる場合、各段のシフトレジスターユニットは、例えば一つのゲートラインに対応する。第1出力端OUT1は、対応するゲートラインに接続されてプログレッシブ走査信号を提供し、第2出力端OUT2は、直前の段のシフトレジスターユニットのリセット端RST及び直後の段のシフトレジスターユニットの入力端INPUTに接続されて、それぞれリセット信号と入力信号を提供することができる。このような接続方式を利用することで、シフトレジスターユニットの負荷能力を向上することができる。
【0053】
上記シフトレジスターユニットは稼動する際に、第1出力端OUT1は第5のトランジスタT5によって放電する時に、プルアップノードPUの電位が低下されるため、第5のトランジスタT5のオンとなる程度に影響を与え、さらに第1出力端OUT1の放電速度も影響される。第1出力端OUT1の放電速度が遅いほど、その立ち下がり時間が長くなる。
【0054】
高解像度LCD(Liquid Cristal Display)製品において、充電のための時間は大幅に削減され、例えば、α-Si(アモルファスシリコン)TFT(薄膜トランジスタ)を画素スイッチング素子として利用し、かつ解像度が8Kである表示製品については、一行の画素ユニットのターンオン時間は例えば3.7μsだけであり、実際に有効である充電時間はもっと少なくなり、よって充電時間0.1μsオーダーの増加でも充電レートを著しく改善することができる。
【0055】
本開示の少なくとも一実施例は、入力回路と、プルアップノードリセット回路と、出力回路と結合回路を備えるシフトレジスターユニットを提供する。該入力回路は、入力信号に応じてプルアップノードに対して充電するように配置される。該プルアップノードリセット回路は、リセット信号に応じてプルアップノードをリセットするように配置される。該出力回路は、プルアップノードのレベルの制御下で、第1のクロック信号を第1出力端に出力するように配置される。該結合回路は、第2のクロック信号に応じてプルアップノードの電位に対して結合制御を行うように配置される。
【0056】
本開示の少なくとも一実施例は、上記シフトレジスターユニットに対応するゲート駆動回路、表示装置及び駆動方法を提供する。
【0057】
本開示の実施例によって提供されるシフトレジスターユニット、ゲート駆動回路、表示装置及び駆動方法は、第1出力端が放電する時に比較的高い電位に保持されるように結合回路によってプルアップノードの電位を制御することで、第1出力端から出力される信号の立ち下がり時間を低減し、表示パネルにおける画素ユニットの充電時間を増加することで、駆動能力を向上させることができる。
【0058】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例及び例示を詳細に説明する。
【0059】
本開示実施例の一例示は、シフトレジスターユニット100を提供する。
図3に示すように、該シフトレジスターユニット100は、入力回路110と、プルアップノードリセット回路120と、出力回路130と結合回路140を備える。
【0060】
該入力回路110は、入力信号に応じてプルアップノードPUに対して充電するように配置される。例えば、該入力回路110は、プルアップノードPUと入力端INPUTを電気的に接続するように配置されることができ、よって入力端INPUTから入力される高レベル信号でプルアップノードPUに対して充電する。
【0061】
該プルアップノードリセット回路120は、リセット信号に応じてプルアップノードPUをリセットするように配置される。例えば、該プルアップノードリセット回路120はリセット端RSTに接続されるように配置されることができ、よってリセット端RSTから入力されるリセット信号の制御下で、プルアップノードPUと低レベル信号又は低電圧端を電気的に接続し、該低電圧端は例えば第1電圧端VGLであり、よってプルアップノードPUに対してプルダウンリセットを行うことができる。留意すべきのは、第1電圧端VGLは、例えば直流低レベル信号が入力されることを保持するように配置されてもよく、以下、本開示の各実施例はこれと同様であるため、それらの説明を省略する。
【0062】
出力回路130は、プルアップノードPUのレベルの制御下で、第1のクロック信号を第1出力端OUT1に出力するように配置される。例えば、該出力回路130は、プルアップノードPUのレベルの制御下で、第1のクロック信号端CLKと第1出力端OUT1を電気的に接続することで、第1のクロック信号端CLKから入力される第1のクロック信号を第1出力端OUT1に出力するように配置される。これと同時に、第1出力端OUT1は、さらに、出力回路130によって放電することもできる。
【0063】
該結合回路140は、第2のクロック信号に応じてプルアップノードPUの電位に対して結合制御を行うように配置される。例えば、該結合回路140は、第2のクロック信号端CLKAに接続され、よって第2のクロック信号端CLKAから入力される第2のクロック信号が高レベルである時、結合回路140は、プルアップノードPUの電位に対して結合制御を行うことでその電位を上昇させ、第2のクロック信号端CLKAから入力される第2のクロック信号は低レベルである時、結合回路140は、プルアップノードPUの電位に対して結合制御を行うことでその電位を低下させる。
【0064】
例えば、複数のカスケードされた上記シフトレジスターユニット100を利用して一つのゲート駆動回路を構成することができる。該ゲート駆動回路を使用して表示パネルを駆動する時、出力回路130と結合回路140によって、並びに第1のクロック信号と第2のクロック信号の互いの連携下で、第1出力端OUT1の放電する時に相対的高い電位に保持されるようにプルアップノードPUの電位を制御することで、第1出力端OUT1から出力される信号の立ち下がり時間を低減し、表示パネルにおける画素ユニットの充電時間を増加することで、駆動能力を向上させることができる。
【0065】
例えば、
図4に示すように、本実施例の他の一例示において、該シフトレジスターユニット100は、さらにプルダウンノード制御回路150と、プルアップノードノイズリダクション回路160と出力ノイズリダクション回路170を備えてもよい。
【0066】
該プルダウンノード制御回路150は、プルダウンノードPDのレベルを制御し、さらにプルアップノードノイズリダクション回路160と出力ノイズリダクション回路170を制御するように配置される。
【0067】
該プルアップノードノイズリダクション回路160は、プルダウンノードPDのレベルの制御下で、プルアップノードPUに対してノイズリダクションを行うように配置される。例えば、該プルアップノードノイズリダクション回路160は、第1電圧端VGLに接続されて、プルダウンノードPDのレベルの制御下で、プルアップノードPUと第1電圧端VGLを電気的に接続させることで、プルアップノードPUに対してプルダウンノイズリダクションを行うように配置される。
【0068】
該出力ノイズリダクション回路170は、プルダウンノードPDのレベルの制御下で、第1出力端OUT1に対してノイズリダクションを行うように配置される。例えば、該出力ノイズリダクション回路170は、プルダウンノードPDのレベルの制御下で、第1出力端OUT1と第1電圧端VGLを電気的に接続させることで、第1出力端OUT1に対してプルダウンノイズリダクションを行うように配置される。
【0069】
例えば、
図4に示すように、本実施例の他の一例示において、該シフトレジスターユニット100は、さらに第2出力端OUT2と結合リセット回路180を備えてもよい。
【0070】
結合回路140は、さらに、第2のクロック信号を第2出力端OUT2に出力するように配置される。例えば、
図4に示すシフトレジスターユニット100はカスケードされてゲート駆動回路を形成する時、第2出力端OUT2は、直前の段のシフトレジスターユニットのリセット端RST及び直後の段のシフトレジスターユニットの入力端INPUTに接続されてそれぞれリセット信号和入力信号を提供することができる。二つの出力端を利用することで、シフトレジスターユニットの負荷能力を向上させることができる。
【0071】
該結合リセット回路180は、プルダウンノードPUのレベルの制御下で、第2出力端OUT2をリセットするように配置される。例えば、該結合リセット回路180は、第1電圧端VGLに接続されて、プルダウンノードPUのレベルの制御下で、第2出力端OUT2と第1電圧端VGLを電気的に接続することで、第2出力端OUT2に対するプルダウンリセットを実現するように配置されてもよい。
【0072】
例えば、
図4に示すシフトレジスターユニット100は、一例示において
図5に示す回路構成として実現されてもよい。
図5に示すように、該シフトレジスターユニット100は第1から第9のトランジスタT1-T9及び記憶容量C1を備える。
【0073】
図5に示すように、該例示において、より具体的には、結合回路140は、第1のトランジスタT1と記憶容量C1を備えるように実現されてもよい。第1のトランジスタT1のゲートは、プルアップノードPUに接続されるように配置され、第1極は、第2のクロック信号端CLKAに接続されて第2のクロック信号を受信するように配置され、第2極は、第2出力端OUT2に接続されるように配置される。記憶容量C1の第1極は、プルアップノードPUに接続されるように配置され、第2極は、第2出力端OUT2に接続されるように配置される。
【0074】
結合リセット回路180は、第2のトランジスタT2として実現されてもよい。第2のトランジスタT2のゲートは、プルダウンノードPUに接続されるように配置され、第1極は、第2出力端OUT2に接続されるように配置され、第2極は、第1電圧端VGLに接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0075】
留意すべきのは、本開示の実施例における第1電圧端VGLは、例えば直流低レベル信号が入力されることが保持される。なお、該直流低レベルを第1電圧と称する。第2電圧端VGHは、例えば直流高レベル信号が入力されることが保持される。なお、該直流高レベルを第2電圧と称する。以下の各実施例については同様であるため、それらの説明を省略する。
【0076】
入力回路110は、第3のトランジスタT3として実現されてもよい。第3のトランジスタT3のゲートは第1極に接続され、また、入力端INPUTに接続されて入力信号を受信するように配置され、第2極は、プルアップノードPUに接続されてプルアップノードPUに対して充電するように配置される。
【0077】
プルアップノードリセット回路120は、第4のトランジスタT4として実現てもよい。第4のトランジスタT4のゲートは、リセット端RSTに接続されてリセット信号を受信するように配置され、第1極は、プルアップノードPUに接続されてプルアップノードPUをリセットするように配置され、第2極は、第1電圧端VGLに接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0078】
出力回路130は、第5のトランジスタT5として実現されてもよい。第5のトランジスタT5のゲートは、プルアップノードPUに接続されるように配置され、第1極は、第1のクロック信号端CLKに接続されて第1のクロック信号を受信するように配置され、第2極は、第1出力端OUT1に接続されるように配置される。
【0079】
プルダウンノード制御回路150は、第6のトランジスタT6と第7のトランジスタT7を備えるように実現されてもよい。第6のトランジスタT6のゲートは第1極に接続され、かつ、第2電圧端VGHに接続されて第2電圧を受信するように配置され、第2極は、プルダウンノードPDに接続されるように配置される。第7のトランジスタT7のゲートは、プルアップノードPUに接続されるように配置され、第1極は、プルダウンノードPDに接続されるように配置され、第2極は、第1電圧端VGL接続に接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0080】
プルアップノードノイズリダクション回路160は、第8のトランジスタT8として実現されてもよい。第8のトランジスタT8のゲートは、プルダウンノードPUに接続されるように配置され、第1極は、プルアップノードPUに接続されてプルアップノードPUに対してノイズリダクションを行うように配置され、第2極は、第1電圧端VGLに接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0081】
出力リセット回路170は、第9のトランジスタT9として実現されてもよい。第9のトランジスタT9のゲートは、プルダウンノードPDに接続されるように配置され、第1極は、第1出力端OUT1に接続されるように配置され、第2極は、第1電圧端VGLに接続されて第1電圧を受信するように配置される。
【0082】
留意すべきのは、
図5に示すシフトレジスターユニット100について、第2のトランジスタT2と第9のトランジスタT9のゲートはプルダウンノードPDに接続せず、リセット端RSTに電気的に接続することで、リセット端RSTから入力されるリセット信号の制御下で、リセットノイズリダクションの効果を実現してもよい。本開示の実施例はこれを限定しない。
【0083】
例えば、
図3に示すシフトレジスターユニット100に対応して、
図6に示す回路構成として実現されてもよい。
図6に示す各トランジスタ及び記憶容量C1の接続関係については、
図5に示すシフトレジスターユニット100における対応する記載を参照すればよいので、ここでそれらの説明を省略する。
【0084】
留意すべきのは、本開示の実施例に利用されるトランジスタはいずれも薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタ又はその他の特性が同じスイッチングデバイスであればよい。本開示の実施例においてはいずれも薄膜トランジスタを例として説明する。ここで利用するトランジスタのソース、ドレインは構成上では対称になってもよいため、ソース、ドレインは構成上では違いはない。本開示の実施例において、トランジスタのゲート以外の二つの極を区別するために、そのうちの一つは第1極、もう一つは第2極として直接記載した。
【0085】
また、本開示の実施例におけるトランジスタはいずれもN型トランジスタであることを例として説明する。この場合、第1極はドレインであり、第2極はソースであってもよい。留意すべきのは、本開示はこの場合を含むがこれに限らない。例えば、本開示の実施例によって提供されるシフトレジスターユニットにおける一つ又は複数のトランジスタは、P型トランジスタを利用してもよい。この場合、第1極はソースであり、第2極はドレインであってもよい。選定されたタイプのトランジスタの各極の極性を、本開示の実施例における対応するトランジスタの各極の極性に応じて接続すればよい。
【0086】
例えば、
図5に示すように、該シフトレジスターユニット100におけるトランジスタは、いずれもN型トランジスタを利用し、第1電圧端VGLは、直流低レベルの第1電圧が入力されることを保持し、第2電圧端VGHは、直流高レベルの第2電圧が入力されることを保持し、第1のクロック信号端CLKには第1のクロック信号が入力され、第2のクロック信号端CLKAには第2のクロック信号が入力される。
【0087】
以下、
図7に示す信号シーケンス図を参照しなら、
図5に示すシフトレジスターユニット100の稼動原理を説明する。
図7に示す第1段階A、第2段階B、第3段階C、第4段階D及び第5段階Eの五つの段階において、該シフトレジスターユニット100は以下の操作を行う。
【0088】
第1段階Aでは、第1のクロック信号端CLKには低レベル信号が入力され、第2のクロック信号端CLKAには低レベル信号が入力され、入力端INPUTには高レベル信号が入力される。入力端INTPUTに高レベル信号が入力されるので、第3のトランジスタT3はオンとなり、入力端INPUTに入力される高レベルによって記憶容量C1に対して充電し、プルアップノードPUの電位は第1の高レベルにプルアップされる。
【0089】
第2電圧端VGHが直流高レベル信号の入力を保持するので、第6のトランジスタT6がオンと保持され、第2電圧端VGHに入力される高レベルによってプルダウンノードPDに対して充電する。また、プルアップノードPUの電位が第1の高レベルであるため、第7のトランジスタT7がオンとなり、プルダウンノードPDと第1電圧端VGLが電気的に接続されるようになる。トランジスタの設計上、第6のトランジスタT6と第7のトランジスタT7は、T6とT7といずれもオンとなる時、プルダウンノードPDの電位が第8のトランジスタT8と第9のトランジスタT9をターンオンさせない相対的低いレベルにプルダウンされるように配置(例えば二者のサイズ比、閾値電圧などの設定)されてもよい。留意すべきのは、
図7に示す信号シーケンス図において電位が高いか低いかは模式的なものに過ぎず、真実的な電位値を表すことはない。
【0090】
プルアップノードPUが第1の高レベルにあるため、第1のトランジスタT1と第5のトランジスタT5がオンとなり、この時、第1のクロック信号端CLKと第2のクロック信号端CLKAには低レベル信号が入力されるため、この段階では、第1出力端OUT1と第2出力端OUT2はいずれも低レベル信号を出力する。
【0091】
第2段階Bでは、第1のクロック信号端CLKには高レベル信号が入力され、第2のクロック信号端CLKAには高レベル信号が入力され、入力端INPUTに入力される信号は続いてある期間の高レベルが保持されてから低レベルまで低下される。プルアップノードPUが高レベルであるため、第1のトランジスタT1と第5のトランジスタT5は、オンと保持され、この段階で第1のクロック信号端CLKと第2のクロック信号端CLKAにはいずれも高レベルが入力されるため、第1出力端OUT1と第2出力端OUT2は、高レベル信号を出力する。
【0092】
第1のクロック信号端CLK、第1出力端OUT1が高レベルであるため、該高レベルは、第5のトランジスタT5の寄生容量(ゲートと第1極の間の寄生容量、及びゲートと第2極の間の寄生容量を含む)を通じてプルアップノードPUと結合されてその電位を上昇させることができる。第1のクロック信号端CLKに入力される高レベルがプルアップノードPUに対して結合される電圧幅の値は式2によって計算され得る。
ΔV_PU1 = ΔV_CLK × C_T5 / C_PU; (2)
【0093】
但し、ΔV_PU1は、プルアップノードPUが第1のクロック信号端CLKの電位のバリエーションに起因して結合される電圧幅の値である。ΔV_CLKは、第1のクロック信号端の電圧幅の値のバリエーション量である。C_T5は、第5のトランジスタT5の寄生容量値である。C_PUは、プルアップノードPUに接続される全ての容量の総和である。
【0094】
第2のクロック信号端CLKA、第2出力端OUT2が高レベルであるため、該高レベルは、第1のトランジスタT1の寄生容量(ゲートと第1極の間の寄生容量、及びゲートと第2段階との間の寄生容量を含む)及び記憶容量C1を通じて、プルアップノードPUと結合されてその電位を上昇させることができる。第2のクロック信号端CLKAに入力される高レベルがプルアップノードPUに対して結合される電圧幅の値は式3によって算出され得る。
ΔV_PU2 = ΔV_CLKA ×(C_T1 + C_C1)/ C_PU; (3)
【0095】
但し、ΔV_PU2は、プルアップノードPUが第2のクロック信号端CLKAの電位のバリエーションに起因して結合される電圧幅の値である。ΔV_CLKAは、第2のクロック信号端の電圧幅の値のバリエーション量である。C_T1は、第1のトランジスタT1の寄生容量値である。C_C1は、記憶容量C1の容量値である。C_PUは、プルアップノードPUに接続される全ての容量の総和である。
【0096】
上記したように、第2段階Bでは、第1のクロック信号端CLKと第2のクロック信号端CLKAに入力される高レベルによるプルアップノードPUに対する複合作用により、その電位は結合されて第2の高レベルまで上昇する。
【0097】
プルアップノードPUの電位が結合により上昇して第2の高レベルまで達することで、第5のトランジスタT5がより十分にオンとなる。プルアップノードPUの電位が高レベルであるため、第7のトランジスタT7は続いてオンとなり、プルダウンノードPDの電位は続いて低レベルに保持される。プルダウンノードPDの電位が低レベルであるため、第2のトランジスタT2、第8のトランジスタT8と第9のトランジスタT9はオフ状態に保持されることで、プルアップノードPUの電位及びシフトレジスターユニットから正常にシフト信号を出力することに影響を与えることはない。
【0098】
第3段階Cでは、第1のクロック信号端CLKに入力される信号は高レベルから低レベルに変わり、第2のクロック信号端CLKAは続いて高レベル信号が入力されることを保持する。ここで、第2段階Bで第1のクロック信号端CLKに入力される高レベル信号による、プルアップノードPUに対する結合による上昇と類似に、この段階で第1のクロック信号端CLKに入力される信号が高レベルから低レベルに変わるため、プルアップノードPUの電位は結合によって相対的小さな幅分低下されてある高レベル(
図7に示す点線の楕円に示すように、該高レベルは第1の高レベルより大きく、かつ第2の高レベルより小さい)となり、結合によって低下される電圧幅の値は、式2を利用して算出され得る。
【0099】
プルアップノードPUの電位が依然として高レベルであるため、第5のトランジスタT5は、オンと保持され、第1出力端OUT1は、第5のトランジスタT5を通じて低レベルにある第1のクロック信号端CLKへ放電する。放電により、第1出力端OUT1の電位は低レベルまで低下される。それと同時に、第1のトランジスタT1は、オンと保持され、第2出力端OUT2は、第2のクロック信号端CLKAに入力される高レベル信号を出力する。
【0100】
第4段階Dでは、第2のクロック信号端CLKAに入力される信号は、高レベルから低レベルに変わる。ここで、第2段階Bで第2のクロック信号端CLKAに入力される高レベル信号による、プルアップノードPUに対する結合による上昇と類似に、この段階では第2のクロック信号端CLKAに入力される信号が高レベルから低レベルに変わるため、プルアップノードPUの電位は結合によって第1の高レベルに低下され、結合によって低下される電圧幅の値は、式3を利用して算出され得る。
【0101】
プルアップノードPUの電位が依然として高レベルであるため、第1のトランジスタT1は、オンと保持され、第2出力端OUT2は、第1のトランジスタT1を通じて低レベルにある第2のクロック信号端CLKAへ放電する。放電により、第2出力端OUT2の電位は低レベルまで低下される。
【0102】
式2と式3から分かるように、第1のトランジスタT1と第5のトランジスタT5のパラメータが特定されている場合、記憶容量C1の容量値C_C1を調整することでΔV_PU1とΔV_PU2の比例関係を調整し、さらにプルアップノードPUの第3段階Cにおける電位を制御することができる。
【0103】
第5段階Eでは、リセット端RSTには高レベル信号が入力され、第4のトランジスタT4はオンとなり、プルアップノードPUは第1電圧端VGLに電気的に接続され、プルアップノードPUの電位が低レベルにプルダウンされることで、第1のトランジスタT1と第5のトランジスタT5がオフとなる。
【0104】
プルアップノードPUの電位が低レベルにあるため、第7のトランジスタT7はオフとなり、プルダウンノードPDの放電経路は遮断され、プルダウンノードPDの電位は高レベルまで充電され、これにより、第8のトランジスタT8、第2のトランジスタT2と第9のトランジスタT9はオンとなり、それぞれプルアップノードPU、第2出力端OUT2及び第1出力端OUT1の電位を第1電圧端VGLに入力される低レベルにプルダウンし、さらにシフトレジスターユニットの非出力段階でのその出力端(第1出力端OUT1と第2出力端OUT2を含む)とプルアップノードPUで生じ得るノイズを除去した。
【0105】
図1に示すシフトレジスターユニットと比較すると、
図5に示すシフトレジスターユニット100は稼動する時、例えば
図7に示すように、第3段階Cと第4段階Dでは、第1のクロック信号端CLKに入力される信号(第1のクロック信号)の立ち下がり時刻は、第2のクロック信号端CLKAに入力される信号(第2のクロック信号)の立ち下がり時刻よりも早い。このようなタイミング設定を利用すれば、該シフトレジスターユニット100は第3段階Cで稼動する際に、プルアップノードPUの電位を先に比較的小さな幅分(
図7における点線の楕円に示す)低下させることで、第1出力端OUT1が放電する時、プルアップノードPUの電位は比較的高い電位(
図2における点線の楕円と比べる)に保持されることができる。
【0106】
留意すべきのは、
図7に示すように、第2段階Bでは、第1のクロック信号端CLKに入力される信号(第1のクロック信号)の立ち上がり時刻は、第2のクロック信号端CLKAに入力される信号(第2のクロック信号)の立ち上がり時刻と一致に保持され、本開示の実施例はこの場合を含むがこれに限らない。例えば、一例示では、第1のクロック信号端CLKに入力される信号(第1のクロック信号)の立ち上がり時刻は、第2のクロック信号端CLKAに入力される信号(第2のクロック信号)の立ち上がり時刻より早くてもよいし、遅くてもよい。
【0107】
図1に示すシフトレジスターユニットと
図5に示すシフトレジスターユニットにおけるプルアップノードPUの電位をシミュレーションする。シミュレーション結果は
図8に示す。
図8には、点線は
図1におけるプルアップノードPUの電位に対応し、実線は
図5におけるプルアップノードPUの電位に対応し、横座標は時間であり、縦座標は電圧である。
【0108】
図7に示すように、第3段階Cでは、プルアップノードPUの電位が相対的高い電位に保持されることができるため、該高電位により第1出力端OUT1の放電速度を向上させて第1出力端OUT1から出力される信号の立ち下がり時間を低減することができる。
【0109】
留意すべきのは、本開示の実施例に説明された第1出力端OUT1から出力される信号の立ち下がり時間は、出力信号が高レベル幅値の90%から高レベル幅値の10%まで低下されるのにかかる時間を指す。
【0110】
図1に示すシフトレジスターユニットと
図5に示すシフトレジスターユニットにおける第1出力端OUT1の出力信号をシミュレーションする。シミュレーション結果は
図9に示す。
図9には、点線は
図1における第1出力端OUT1の出力信号に対応し、実線は
図5における第1出力端OUT1の出力信号に対応し、横座標は時間であり、縦座標は電圧である。あるシミュレーションでは、実線曲線の立ち下がり時間は1.1μsであり、点線曲線の立ち下がり時間は1.8μsである。シミュレーション結果から分かるように、
図5に示すシフトレジスターユニットを利用すれば、第1出力端OUT1の出力信号の立ち下がり時間を低減させることができ、よって充電時間を増加して駆動能力を向上させることができる。
【0111】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、ゲート駆動回路10を提供する。
図10に示すように、該ゲート駆動回路10は、複数のカスケードされたシフトレジスターユニット100を備える。例えば、該シフトレジスターユニット100は、上記実施例において提供されるシフトレジスターユニットを利用することはできる。例えば、該シフトレジスターユニット100は、第1出力端OUT1だけを備える。該ゲート駆動回路10は、薄膜トランジスタと同じ製造プロセスを利用して表示装置のアレイ基板上に直接集積してプログレッシブ走査駆動機能を実現することができる。
【0112】
例えば、
図10に示すように、第1段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットの入力端INPUTは直前の段のシフトレジスターユニットの第1出力端OUT1に接続される。最後の段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットのリセット端RSTは直後の段のシフトレジスターユニットの第1出力端OUT1に接続される。例えば、第1段のシフトレジスターユニットの入力端INPUTは、トリガー信号STVを受信するように配置され、最後の段のシフトレジスターユニットのリセット端RSTは、リセット信号RESETを受信するように配置されてよい。
【0113】
例えば、該ゲート駆動回路10を利用して表示パネルを駆動する際に、該ゲート駆動回路10を表示パネルの一側に設置することができる。例えば、該表示パネルは、N行のゲートライン(Nは零より大きい整数である)を備え、ゲート駆動回路10における各段のシフトレジスターユニット100の第1出力端OUT1は、逐次に該N行のゲートラインに接続されてプログレッシブ走査信号を出力するように配置される。留意すべきのは、表示パネルの両側にそれぞれ該ゲート駆動回路10を設置してバイラテラル駆動を実現してもよい。本開示の実施例は、ゲート駆動回路10の設置方式を限定しない。例えば、表示パネルの一方の側にゲート駆動回路10を設置して奇数行のゲートラインを駆動し、表示パネルの他方の側にゲート駆動回路10を設置して偶数行のゲートラインを駆動してもよい。
【0114】
例えば、
図10に示すように、四つのシステムクロック信号CLK1、CLK2、CLKA1及びCLKA2によって各シフトレジスターユニット100におけるクロック信号端(第1のクロック信号端CLKと第2のクロック信号端CKLA)へクロック信号を提供する。
【0115】
例えば、
図10に示すように、ゲート駆動回路10は、さらに、シーケンスコントローラ200を備えてもよい。該シーケンスコントローラ200は、例えば、各段のシフトレジスターユニット100へクロック信号(CLK1、CLK2、CLKA1、CLKA2)を提供するように配置される。シーケンスコントローラ200は、さらに、トリガー信号STV及びリセット信号RESETを提供するように配置されてもよい。
【0116】
本実施例によって提供されるゲート駆動回路10を利用すれば、第1出力端OUT1から出力される信号の立ち下がり時間を低減して表示パネルにおける画素ユニットの充電時間を増加することができ、よって該ゲート駆動回路の駆動能力を向上させることができる。
【0117】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、ゲート駆動回路10を提供する。
図11に示すように、
図10に示すゲート駆動回路と比べて、
図11に示すゲート駆動回路10で利用されるシフトレジスターユニット100が第1出力端OUT1以外、第2出力端OUT2を備えるという点で異なる。
【0118】
例えば、
図11に示すように、第1段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットの入力端INPUTは直前の段のシフトレジスターユニットの第2出力端OUT2に接続される。最後の段のシフトレジスターユニット以外、他の各段のシフトレジスターユニットのリセット端RSTは直後の段のシフトレジスターユニット的第2出力端OUT2に接続される。例えば、第1段のシフトレジスターユニットの入力端INPUTは、トリガー信号STVを受信するように配置され、最後の段のシフトレジスターユニットのリセット端RSTは、リセット信号RESETを受信するように配置されてよい。
【0119】
本実施例によって提供されるゲート駆動回路10では、その前の一実施例と同様に、各段のシフトレジスターユニット100の第1出力端OUT1はプログレッシブ走査信号を出力し、第2出力端OUT2の出力信号は、直前の段のシフトレジスターユニットのリセット信号と直後の段のシフトレジスターユニットの入力信号として用いられることができる。この方式を利用すれば、該ゲート駆動回路10の負荷能力を向上させることができる。
【0120】
本実施例によって提供されるゲート駆動回路のその他の部分及び技術効果については、前の実施例における対応する記述を参照すればよいため、ここでその説明を省略する。
【0121】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、表示装置1を提供する。
図12に示すように、該表示装置1は、上記実施例で提供されるいずれか一つのゲート駆動回路10を備える。
【0122】
留意すべきのは、本実施例における表示装置は、液晶パネル、液晶テレビ、ディスプレイ、OLEDパネル、OLEDテレビ、電子ペーパー、携帯電話、パネルコンピューター、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータ等のいかなる表示機能を備える製品又は部品であってもよい。該表示装置1は、さらに、表示パネル等のその他の従来の部品を備えてもよい。本開示の実施例はこれを制限しない。
【0123】
本開示の実施例によって提供される表示装置1の技術効果については、上記実施例におけるシフトレジスターユニット100についての対応する記載を参照すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0124】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、駆動方法を提供する。該駆動方法は、本開示の実施例によって提供されるいずれか一つのシフトレジスターユニット100、及び該シフトレジスターユニットを利用するゲート駆動回路を駆動するために用いられる。例えば、該駆動方法は、以下の操作を含む。
【0125】
第1段階では、入力回路110は、入力信号に応じてプルアップノードPUに対して充電し、出力回路130は、第1のクロック信号の低レベルを第1出力端OUT1に出力する。
【0126】
第2段階では、プルアップノードPUの電位は、第1のクロック信号と第2のクロック信号の高レベルの結合によって上昇し、出力回路130は、第1のクロック信号の高レベルを第1出力端OUT1に出力する。
【0127】
第3段階では、プルアップノードPUの電位は、第1のクロック信号の低レベルの結合によって低下し、第1出力端OUT1は、出力回路130を通じて放電する。
【0128】
第4段階では、プルアップノードPUの電位は、第2のクロック信号の低レベルによってさらに結合されて低下する。
【0129】
第5段階では、プルアップノードリセット回路120は、リセット信号の制御下で、プルアップノードPUをリセットする。
【0130】
ここで、第3段階と第4段階では、第1のクロック信号の立ち下がり時刻は、第2のクロック信号の立ち下がり時刻よりも早い。
【0131】
留意すべきのは、該駆動方法の詳細的な説明については、本開示実施例におけるシフトレジスターユニット100の稼動原理についての記載を参照すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0132】
本開示の少なくとも一実施例は、さらに、駆動方法を提供する。該駆動方法は、本開示の実施例によって提供される第2出力端OUT2を備えるシフトレジスターユニット100を駆動するために用いられる。例えば、該駆動方法、以下の操作を含む。
【0133】
第1段階では、入力回路110は、入力信号に応じてプルアップノードPUに対して充電し、出力回路130は、第1のクロック信号の低レベルを第1出力端OUT1に出力し、結合回路140は、第2のクロック信号の低レベルを第2出力端OUT2に出力する。
【0134】
第2段階では、プルアップノードPUの電位は、第1のクロック信号と第2のクロック信号の高レベルによって結合されて上昇し、出力回路130は、第1のクロック信号の高レベルを第1出力端OUT1に出力し、結合回路140は、第2のクロック信号の高レベルを第2出力端OUT2に出力する。
【0135】
第3段階では、プルアップノードPUの電位は、第1のクロック信号の低レベルによって結合されて低下し、第1出力端OUT1は、出力回路130を通じて低レベルになるまで放電され、結合回路140は、第2のクロック信号の高レベルを第2出力端OUT2に出力する。
【0136】
第4段階では、プルアップノードPUの電位は、第2のクロック信号の低レベルによってさらに結合されて低下し、第2出力端OUT2は、結合回路140を通じて低レベルになるまで放電される。
【0137】
第5段階では、プルアップノードリセット回路120は、リセット信号の制御下で、プルアップノードPUをリセットする。
【0138】
ここで、第3段階と第4段階では、第1のクロック信号の立ち下がり時刻は、第2のクロック信号の立ち下がり時刻よりも早い。
【0139】
留意すべきのは、該駆動方法の詳細的な説明については、本開示実施例におけるシフトレジスターユニット100の稼動原理についての記載を参照すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0140】
上記実施例において、第2段階では、第1のクロック信号の立ち上がり時刻は前記第2のクロック信号の立ち上がり時刻と一致するように保持される。或いは、第2段階では、第1のクロック信号の立ち上がり時刻は、第2のクロック信号の立ち上がり時刻より早い又は遅い。
【0141】
本開示の実施例によって提供されるシフトレジスターユニットの駆動方法によれば、第1出力端OUT1の出力信号の立ち下がり時間を低減して表示パネルにおける画素ユニットの充電時間を増加することができ、よって駆動能力を向上させることができる。
【0142】
留意すべきのは、本開示の実施例において、各ポートから入力される高レベルと低レベルは相対的なものである。高レベルは、比較的高い電圧レンジ(例えば、高レベルは5V、10V又はその他の適当な電圧を利用することができる)を表し、かつ、複数のポートの複数の高レベルは同じでもよいし異なってもよい。例えば、該高レベルは、N型トランジスタをターンオンし、P型トランジスタをターンオフする。同様に、低レベルは、比較的低い電圧レンジ(例えば、低レベルは、0V、-5V、-10V又はその他の適当な電圧を利用することができる)を表し、かつ、複数のポートの複数の低レベルは同じでもよいし異なってもよい。例えば、該低レベルは、P型トランジスタをターンオンし、N型トランジスタをターンオフする。例えば、高レベルの最小値は低レベルの最大値よりも大きい。
【0143】
以上は、本開示の具体的な実施態様に過ぎず、本開示の保護範囲は上記に限らず、本開示の保護範囲は、請求項の範囲に従うべきである。
【符号の説明】
【0144】
100 シフトレジスターユニット
110 入力回路
120 プルアップノードリセット回路
130 出力回路
140 結合回路
150 プルダウンノード制御回路
160 プルアップノードノイズリダクション回路
170 出力ノイズリダクション回路
180 結合リセット回路
200 シーケンスコントローラ