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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A47F3/04 K
A47F3/04 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019023001
(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公開番号】P2020130197
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】板谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 検造
(72)【発明者】
【氏名】嶋村 裕樹
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-156475(JP,A)
【文献】特開2011-163574(JP,A)
【文献】国際公開第2005/001350(WO,A1)
【文献】特開2015-215131(JP,A)
【文献】特表2013-523238(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2362169(EP,A2)
【文献】特開2007-46820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/04
F25D 17/06-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口した商品室を有するショーケースであって、
前記商品室の上側に設けられ前記商品室の前面側に空気吹出口を有する上部ダクトと、
前記商品室の下側に設けられ前記商品室の前面側に空気吸込口を有する下部ダクトと、
前記商品室の背面側に設けられ前記上部ダクト内と前記下部ダクト内とを連通する第1背面通路であって、通路内の空気を前記上部ダクトに向けて送風する上部ファンが上部側に配設され且つ冷却器及び下部ヒータが下部側に配設された前記第1背面通路と、
前記商品室の背面側に前記第1背面通路とは別に設けられ前記上部ダクト内と前記下部ダクト内とを連通する第2背面通路と、
前記商品室に対して着脱可能な中間ダクトであって、前記商品室に取り付けられたときに前記商品室を上側商品室と下側商品室とに分けると共に前記第1背面通路を前記上部ファンが配設された上側背面通路と前記冷却器及び前記下部ヒータが配設された下側背面通路とに分け、且つ、一端が前記空気吹出口に対向するように開口し他端が前記上側背面通路内に開口する第1中間通路と、一端が前記空気吸込口に対向するように開口し他端が前記下側背面通路内に開口する第2中間通路と、を有する前記中間ダクトと、
前記上部ダクト内及び前記第1背面通路における前記上側背面通路を構成する部位の少なくとも一方に配設された上部ヒータと、
前記下部ダクト内の空気を前記第1背面通路に向けて送風する第1下部ファンと、
前記下部ダクト内の空気を前記第2背面通路に向けて送風する第2下部ファンと、
前記上部ファン、前記冷却器による冷却動作、前記下部ヒータ、前記上部ヒータ、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを制御可能な制御ユニットと、
を含む、ショーケース。
【請求項2】
外気温又は前記商品室内の上部温度を検知する温度センサを含み、
前記制御ユニットは、
前記中間ダクトが取り付けられていない場合、前記温度センサの検知結果に基づき、前記商品室の温度があらかじめ設定された設定温度を維持するように、前記上部ファン、前記冷却器による冷却動作、前記下部ヒータ、前記上部ヒータ、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを制御し、
前記中間ダクトが取り付けられている場合、前記温度センサの検知結果に基づき、前記上側商品室の温度が前記設定温度を維持し且つ前記下側商品室の温度が前記設定温度よりも低い所定温度を維持するように、前記上部ファン、前記冷却器による冷却動作、前記下部ヒータ、前記上部ヒータ、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを制御する、
請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記制御ユニットは、
前記中間ダクトが取り付けられておらず且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも高い場合には、前記上部ファン、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを連続運転させると共に前記冷却器による冷却動作を実行し、これによって、前記商品室全体を冷却する全体冷却モードを実行し、
前記中間ダクトが取り付けられておらず且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも低い場合には、前記上部ファン、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを連続運転させると共に前記下部ヒータ及び前記上部ヒータを動作させ、これによって、前記商品室全体を加温する全体加温モードを実行する、
請求項2に記載のショーケース。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記全体冷却モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が第1閾値温度未満になった場合には前記全体冷却モードから前記全体加温モードに移行し、前記全体加温モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記第1閾値温度よりも高い第2閾値温度以上になった場合には前記全体加温モードから前記全体冷却モードに移行する、請求項3に記載のショーケース。
【請求項5】
前記制御ユニットは、
前記中間ダクトが取り付けられており且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも高い場合には、前記上部ファン及び前記第1下部ファンを連続運転させ、前記第2下部ファンを断続運転させ及び前記冷却器による冷却動作を実行し、これによって、前記上側商品室と前記下側商品室とを別々に冷却する冷却/冷却モードを実行し、
前記中間ダクトが取り付けられており且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも低い場合には、前記上部ファン及び前記第1下部ファンを連続運転させ、前記冷却器による冷却動作を実行し及び前記上部ヒータを動作させ、これによって、前記上側商品室を加温すると共に前記下側商品室を冷却する加温/冷却モードを実行する、
請求項2~4のいずれか一つに記載のショーケース。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記冷却/冷却モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が第1閾値温度未満になった場合には前記冷却/冷却モードから前記加温/冷却モードに移行し、前記加温/冷却モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記第1閾値温度よりも高い第2閾値温度以上になった場合には前記加温/冷却モードから前記冷却/冷却モードに移行する、請求項5に記載のショーケース。
【請求項7】
前記中間ダクトが取り付けられているか否かを検知する中間ダクトセンサを含み、
前記制御ユニットは、前記温度センサの検知結果及び前記中間ダクトセンサの検知結果に基づいて前記上部ファン、前記冷却器による冷却動作、前記下部ヒータ、前記上部ヒータ、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを制御する、
請求項2に記載のショーケース。
【請求項8】
前記制御ユニットは、
前記中間ダクトが取り付けられておらず且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも高い場合には、前記上部ファン、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを連続運転させると共に前記冷却器による冷却動作を実行し、これによって、前記商品室全体を冷却する全体冷却モードを実行し、
前記中間ダクトが取り付けられておらず且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも低い場合には、前記上部ファン、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを連続運転させると共に前記下部ヒータ及び前記上部ヒータを動作させ、これによって、前記商品室全体を加温する全体加温モードを実行し、
前記中間ダクトが取り付けられており且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも高い場合には、前記上部ファン及び前記第1下部ファンを連続運転させ、前記第2下部ファンを断続運転させ及び前記冷却器による冷却動作を実行し、これによって、前記上側商品室と前記下側商品室とを別々に冷却する冷却/冷却モードを実行する、
前記中間ダクトが取り付けられており且つ外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記設定温度よりも低い場合には、前記上部ファン及び前記第1下部ファンを連続運転させ、前記冷却器による冷却動作を実行し及び前記上部ヒータを動作させ、これによって、前記上側商品室を加温すると共に前記下側商品室を冷却する加温/冷却モードを実行する、
請求項7に記載のショーケース。
【請求項9】
前記制御ユニットは、
前記全体冷却モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が第1閾値温度未満になった場合には前記全体冷却モードから前記全体加温モードに移行し、前記全体冷却モードの実行中に前記中間ダクトが取り付けられた場合には前記全体冷却モードから前記冷却/冷却モードに移行し、
前記全体加温モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記第1閾値温度よりも高い第2閾値温度以上になった場合には前記全体加温モードから前記全体冷却モードに移行し、前記全体加温モードの実行中に前記中間ダクトが取り付けられた場合には前記全体加温モードから前記加温/冷却モードに移行し、
前記冷却/冷却モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が前記第1閾値温度未満になった場合には前記冷却/冷却モードから前記加温/冷却モードに移行し、前記冷却/冷却モードの実行中に前記中間ダクトが取り外された場合には前記冷却/冷却モードから前記全体冷却モードに移行し、
前記加温/冷却モードの実行中に外気温又は前記商品室の前記上部温度が第2閾値温度以上になった場合には前記加温/冷却モードから前記冷却/冷却モードに移行し、前記加温/冷却モードの実行中に前記中間ダクトが取り外された場合には前記加温/冷却モードから前記全体加温モードに移行する、
請求項8に記載のショーケース。
【請求項10】
前記第2背面通路は前記第1背面通路の側方に配置されている、請求項1~9のいずれか一つに記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品室の上側と下側とが異なる温度帯域の商品室として使用可能なショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のショーケースの一例として、特許文献1に記載されたショーケースは、冷風が前面部、底面部、背面部、天井部及び前面部と順次循環して前方に冷却のエアカーテンを形成する第1風路と、前記第1風路の外側を循環して前記冷却のエアカーテンを保護する非冷却のエアカーテンを形成する第2風路と、前記第1風路の途中の背面部から中間棚ダクトを介して冷却空気を前面部に通風し、中間棚下側の前方に冷却のエアカーテンを形成する第3風路と、を備え、前記第3風路が形成され前記第1風路が遮断されたとき、中間棚下方を前記第3風路の冷却空気による冷蔵温度帯域に、中間棚上方を前記第2風路の非冷却空気による弱冷温度帯域に仕切るように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-187391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたショーケースでは、特に外気温が低い場合に中間棚上方を前記弱冷温度帯域に維持することができないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、外気温にかかわらず商品室の上側と下側とをそれぞれの所期の温度帯域に維持することができるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によると、前面が開口した商品室を有するショーケースが提供される。このショーケースは、前記商品室の上側に設けられ前記商品室の前面側に空気吹出口を有する上部ダクトと、前記商品室の下側に設けられ前記商品室の前面側に空気吸込口を有する下部ダクトと、前記商品室の背面側に設けられ前記上部ダクト内と前記下部ダクト内とを連通する第1背面通路であって、上部側に通路内の空気を前記上部ダクトに向けて送風する上部ファンが配設され且つ下部側に冷却器及び下部ヒータが配設された前記第1背面通路と、前記商品室の背面側に前記第1背面通路とは別に設けられ前記上部ダクト内と前記下部ダクト内とを連通する第2背面通路と、前記商品室に対して着脱可能な中間ダクトであって、前記商品室に取り付けられたときに前記商品室を上側商品室と下側商品室とに分けると共に前記第1背面通路を前記上部ファンが配設された上側背面通路と前記冷却器及び前記下部ヒータが配設された下側背面通路とに分け、且つ、一端が前記空気吹出口に対向するように開口し他端が前記上側背面通路内に開口する第1内部通路と、一端が前記空気吸込口に対向するように開口し他端が前記下側背面通路内に開口する第2内部通路と、を有する前記中間ダクトと、前記上部ダクト内及び前記第1背面通路における前記上側背面通路を構成する部位の少なくとも一方に配設された上部ヒータと、前記下部ダクト内の空気を前記第1背面通路に向けて送風する第1下部ファンと、前記下部ダクト内の空気を前記第2背面通路に向けて送風する第2下部ファンと、前記上部ファンと、前記冷却器による冷却動作、前記下部ヒータ、前記上部ヒータ、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを制御可能な制御ユニットと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
前記ショーケースにおいて、前記制御ユニットは、前記上部ファン、前記冷却器による冷却動作、前記下部ヒータ、前記上部ヒータ、前記第1下部ファン及び前記第2下部ファンを制御可能に構成されている。このため、前記中間ダクトが取り付けられている場合には前記上側商品室と前記下側商品室とを別々に冷却しつつそれぞれの前面に冷却空気によるエアカーテンを形成すること、及び、前記上側商品室を加温しつつその前面に加温空気によるエアカーテンを形成し且つ前記下側商品室を冷却しつつその前面に冷却空気によるエアカーテンを形成することが可能である。また、前記中間ダクトが取り付けられていない場合には前記商品室を冷却しつつその前面に冷却空気によるエアカーテンを形成すること及び前記商品室を加温しつつその前面に加温空気によるエアカーテンを形成することが可能である。したがって、前記ショーケースによれば、外気温にかかわらず、前記中間ダクトの上側(上側商品室)と下側(下側商品室)とをそれぞれの所期の温度帯域に維持すること、及び、前記商品室を所期の温度帯域に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るショーケースの断面図である。
図2】前記ショーケースの下部ダクトの内部及び背面ダクトの内部を正面側から見た状態を示す図である。
図3】前記ショーケースの中間ダクトの拡大断面図である。
図4】前記ショーケースの制御ユニットが実行する制御の一例を示すフローチャートである。
図5】前記ショーケースの制御ユニットが実行する制御の一例を示すフローチャートである。
図6】前記ショーケースにおいて前記中間ダクトが取り付けられていないときの空気の流れを説明するための図である。
図7】前記ショーケースにおいて前記中間ダクトが取り付けられていないときの空気の流れを説明するための図である。
図8】前記ショーケースにおいて前記中間ダクトが取り付けられているときの空気の流れを説明するための図である。
図9】前記ショーケースにおいて前記中間ダクトが取り付けられているときの空気の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るショーケース1の断面図である。図1に示されるように、本実施形態に係るショーケース1は、前面が開口するコ字状の断面形状を有した断熱構造のケース本体2を有している。ケース本体2の内側には内部パネル3が取り付けられており、内部パネル3の内側(空間)が前面開口の商品室4を構成している。商品室4には複数(ここでは5個)の商品陳列棚(以下単に「陳列棚」という)5が上下方向に互いに間隔をあけて設置されている。
【0010】
本実施形態においては主にケース本体2の内面と内部パネル3の外面とによって通気ダクト6が形成されている。すなわち、ケース本体2の内面と内部パネル3の外面との間には通気用の所定の隙間空間が形成されている。通気ダクト6は、商品室4の上側に位置する上部ダクト61と、商品室4の下側に位置する下部ダクト62と、商品室4の背面側に位置すると共に上部ダクト61の背面側と下部ダクト62の背面側とを接続する背面ダクト63と、を含む。
【0011】
商品室4内には中間ダクト7が設けられている。中間ダクト7は商品室4に対して着脱可能に構成されている。具体的には、本実施形態において、中間ダクト7は、その一部である装着部7aが内部パネル3に形成された取付孔31に差し込まれることによって商品室4に取り付けられ、装着部7aが取付孔31から抜き出されることによって商品室4から取り外されるように構成されている。取付孔31は、複数の陳列棚5のうちの上下方向に中間に位置する陳列棚(中間陳列棚)5の下側であって且つ左右方向の中央から左右方向に延びるように形成され、陳列棚5の幅よりも狭い幅を有している。中間ダクト7は、装着部7aが取付孔31に差し込まれたときに商品室4内に位置する本体部7bが対応する陳列棚(中間陳列棚)5に設けられた支持部(図示省略)に支持されるように構成されている。特に制限されないが、本実施形態において、取付孔31は上から3段目の陳列棚5の下側に形成され、中間ダクト7は、装着部7aが取付孔31に差し込まれると本体部7bが上から3段目の陳列棚5に設けられた支持部(図示省略)に支持されるようになっている。
【0012】
取付孔31には取付孔31を閉塞する方向に常時付勢された閉塞板32が付設されている。閉塞板32は、取付孔31に差し込まれる中間ダクト7の装着部7aによって押圧されて取付孔31を開放するように構成されている。また、図示省略するが、内部パネル3の主に取付孔31の下方には、商品室4内と背面ダクト63内とを連通する複数のスリット状の連通孔が形成されている。
【0013】
上部ダクト61内には電気式の第1ヒータ8が配設されている。特に制限されないが、本実施形態において、第1ヒータ8はケース本体2の内面における上部ダクト61を形成する部位に取り付けられている。また、上部ダクト61における商品室4の前面側には下方に開口した空気吹出口61aが設けられている。
【0014】
下部ダクト62内には下部ダクト62内の空気を背面ダクト63に向けて送風する第1ファンユニット9が配設されている。第1ファンユニット9については後述する。また、下部ダクト62における商品室4の前面側には上方に開口する空気吸込口62aが設けられている。空気吸込口62aは空気吹出口61aに対向するように配置されている。なお、空気吸込口62aは、空気吹出口61aに厳密に対向している必要はなく、空気吹出口61aに概ね対向していればよい。
【0015】
背面ダクト63内には上部側(上部ダクト61の近い側)から下部側(下部ダクト62に近い側)に向かって電気式の第2ヒータ10、背面ダクト63内の空気を上部ダクト61に向けて送風する第2ファンユニット11、冷却器12及び電気式の第3ヒータ13が配設されている。
【0016】
図2は、下部ダクト62の内部及び背面ダクト63の内部を正面側から見た状態を示している。図2に示されるように、背面ダクト63内にはそれぞれが上下方向に延びて背面ダクト63を左右方向に仕切る一対の仕切板64、64が設けられている。一対の仕切板64、64は取付孔31(図2において想像線(二点鎖線)で示す)の幅とほぼ同じ又はそれよりも僅かに小さい間隔をあけて配置されており、下部ダクト62と背面ダクト63との接続部近傍から取付孔31の上方(ここでは上から2段目の陳列棚2の高さに相当する位置)まで延びている(図1参照)。
【0017】
背面ダクト63内において、第2ヒータ10は一対の仕切板64、64の上方に配設されている。特に制限されないが、本実施形態において、第2ヒータ10はケース本体2の内面における背面ダクト63の上部を形成する部位に取り付けられている。
【0018】
第2ファンユニット11は一対の仕切板64、64の上面に架設されている。したがって、本実施形態において、第2ファンユニット11は、背面ダクト63内において、上から2段目の陳列棚5とほぼ同じ高さ位置に配設されている。本実施形態において、第2ファンユニット11は、一対の仕切板64、64の上面に架設されたファンブラケット111を有しており、電動式の四つのファン(第1~第4)ファン112a~112dが左右方向に等間隔でファンブラケット111に組み込まれている。但し、これに限られるものではなく、第2ファンユニット11は少なくとも一つのファンを有していればよい。
【0019】
冷却器12は背面ダクト63内の下部であって且つ一対の仕切板64、64の間に配設されている。冷却器12は下部ダクト62側からの空気が通過可能なように図示省略の支持体上に載置されている。なお、冷却器12は、その一部が下部ダクト62内に配設されてもよい。
【0020】
冷却器12は冷媒配管14を介して商品室4の下方の機械室15に収容されたコンデンシングユニット16に接続されている(図1図2参照)。コンデンシングユニット16は、図示省略の電動式の圧縮機及び凝縮器(又はガスクーラー)を含む。また、冷却器12の近傍には膨張器17が配設されている。コンデンシングユニット16は、低温・高圧の冷媒を、膨張器17を介して冷却器12に供給すると共に冷却器12を通過した冷媒が戻されるように構成されている。冷却器12は前記圧縮機が動作してコンデンシングユニット16から低温・高圧の冷媒が供給されて膨張器17で低温・低圧となることによって冷却動作を実行し、前記圧縮機の動作が停止してコンデンシングユニット16からの低温・高圧の冷媒の供給が停止されると冷却動作を停止する。
【0021】
第3ヒータ13は冷却器12の前面に取り付けられている(図1参照)。図示省略するが、冷却器12の前面はパネル材によって覆われており、第3ヒータ13は冷却器12と前記パネル材との間に位置するように前記パネル材に取り付けられている。但し、これに限られるものでない。第3ヒータ13は、ケース本体2の内面における一対の仕切板64、64の間であって且つ取付孔31と冷却器12との間に位置する部位に取り付けられてもよい。
【0022】
ここで、背面ダクト63内には、大別して、一対の仕切板64、64の上方に位置し且つ第2ヒータ10が配設された上部空間S1、一対の仕切板64、64の間に位置すると共に上部の第2ファンユニット11が配設され且つ下部に冷却器12及び第3ヒータ13が配設された仕切板間空間S2、正面側から見て仕切板間空間S2(一対の仕切板64、64)の左側に位置する左側空間S3、及び、正面側から見て仕切板間空間S2の右側に位置する右側空間S4が形成されている。また、本実施形態においては、右側空間S4の上部が閉塞板65によって閉塞されている。
【0023】
したがって、本実施形態において、背面ダクト63内には上部ダクト61内と下部ダクト62内とを連通する二つの通路が形成される。前記二つの通路のうちの一方は、上部空間S1及び仕切板間空間S2によって形成される通路、つまり、上部側に第2ヒータ10及び第2ファンユニット11が配設され且つ下部側に冷却器12及び第3ヒータ13が配設された通路(以下「第1背面通路」という)66である。前記二つの通路のうちの他方は、主に左側空間S3によって形成される通路、つまり、冷却器12及び第3ヒータ13をバイパスして上部ダクト61内と下部ダクト62内とを連通する通路(以下「第2背面通路」という)67である。本実施形態においては、第2背面通路67が第1背面通路66の左側に配置されている。但し、これに限られるものではなく、第2背面通路67は第1背面通路66の右側や背面側(後側)に配置されてもよい。なお、上部が閉塞された右側空間S4には冷媒配管14及び膨張器17が配置されている。
【0024】
次に下部ダクト62内に配設された第1ファンユニット9について説明する。
図2に示されるように、本実施形態において、第1ファンユニット9は、下部ダクト62内における左右方向の略中央に配設されている。第1ファンユニット9は、左右方向に延びると共に商品室4の背面側が開口したファンダクト91を有しており、電動式の四つのファン(第1~第4ファン)92a~92dがファンダクト91の上面に左右方向に間隔をあけて取り付けられている。
【0025】
第1ファンユニット9は、第1~第4ファン92a~92dが動作すると下部ダクト62内の空気をファンダクト91内に導き、ファンダクト91内を通過させて背面ダクト63に向けて送風するように構成されている。ここで、図2中に破線で示されるように、本実施形態においては、最も左側の第1ファン92aの動作によってファンダクト91内に導かれた空気を背面ダクト63の左側空間S3(すなわち、背面通路67)に向けて案内するガイド板911がファンダクト91内に設けられている。
【0026】
したがって、図2において矢印で示されるように、第1ファンユニット9は、第1~第4ファン92a~92dのうちの最も左側の第1ファン92aの動作によって下部ダクト62内の空気を第2背面通路67(左側空間S3)に向けて送風し、残りの第2~第4ファン92b~92dの動作によって下部ダクト62内の空気を第1背面通路66(仕切板間空間S2)に向けて送風する。なお、第2ファンユニット11の場合と同様に、第1ファンユニット9は、下部ダクト62内の空気を第2背面通路67に向けて送風する少なくとも一つのファンと、下部ダクト62内の空気を第1背面通路66に向けて送風する少なくとも一つのファンと、を有していればよい。
【0027】
次に中間ダクト7について説明する。
本実施形態において、中間ダクト7の装着部7aは、一対の仕切板64、64の間隔とほぼ等しい幅寸法を有すると共に、背面ダクト63とほぼ等しい奥行寸法を有している。また、中間ダクト7の本体部7bは、商品室4とほぼ等しい幅寸法を有すると共に、陳列棚5よりも大きな奥行寸法を有している。したがって、中間ダクト7が商品室4に取り付けられると、仕切板間空間S2は中間ダクト7の装着部7aによって上側と下側に分けられる。さらに言えば、第1背面通路66は、中間ダクト7の装着部7aによって、第2ヒータ10及び第2ファンユニット11が配設された上側背面通路661と冷却器12及び第3ヒータ13が配設された下側背面通路662とに分けられる(図1参照)。また、中間ダクト7が商品室4に取り付けられると、商品室4は、中間ダクト7の本体部7bによって、上側商品室41と下側商品室42とに分けられる(図1参照)。
【0028】
図3は中間ダクト7の拡大断面図である。
図1及び図3に示されるように、中間ダクト7はその内部が断熱部材71によって上下に分割されている。本体部7bの上面における装着部7aとは反対側の端部近傍には、中間ダクト7が商品室4に取り付けられたときに空気吹出口61aに対向する第1導入口72が形成されており、装着部7aの上面における本体部7bとは反対側の端部近傍には、中間ダクト7が商品室4に取り付けられたときに上側背面通路661内に開口する第1導出口73が形成されている。したがって、中間ダクト7内には第1導入口72から断熱部材71の上側空間を経由して第1導出口73に至る通路(以下「第1中間通路」という)74が形成される。換言すれば、中間ダクト7は、中間ダクト7が商品室4に取り付けられたときに一端が空気吹出口61aに対向する第1導入口72として開口し且つ他端が上側背面通路661内に第1導出口73として開口する第1中間通路74を有する。なお、第1導入口72は、空気吹出口61aに厳密に対向する必要はなく、空気吹出口61aに概ね対向すればよい。
【0029】
本体部7bの下面における装着部7aとは反対側の端部近傍には中間ダクト7が商品室4に取り付けられたときに空気吸込口62aに対向する第2導出口75が形成され、装着部7aの下面における本体部7bとは反対側の端部近傍には中間ダクト7が商品室4に取り付けられたときに下側背面通路662内に開口する第2導入口76が形成されている。したがって、中間ダクト7内には第2導入口76から断熱部材71の下側空間を経由して第2導出口75に至る通路(以下「第2中間通路」という)77が形成される。換言すれば、中間ダクト7は、中間ダクト7が商品室4に取り付けられたときに一端が空気吸込口62aに対向する第2導出口75として開口し且つ他端が下側背面通路662内に第2導入口76として開口する第2中間通路77を第1中間通路74の下側に有する。なお、第2導出口75は、空気吸込口62aに厳密に対向する必要はなく、空気吸込口62aに概ね対向すればよい。
【0030】
図1に戻り、商品室4内又は背面ダクト63内には中間ダクト7の有無(すなわち、商品室4に中間ダクト7が取り付けられているか否か)を検知する中間ダクトセンサ21が設けられている。本実施形態において、中間ダクトセンサ21は、背面ダクト63内の取付孔31の近傍、例えば、ケース本体2の内面における取付孔31に対応する位置に取り付けられており、中間ダクト7の有無に応じた信号を出力する。特に制限されないが、取付孔31に差し込まれた中間ダクト7の装着部7aによって押圧されて動作するプッシュスイッチや中間ダクト7の装着部7aの端部に取り付けられたマグネット(図示省略)の磁力によって動作するリードスイッチが中間ダクトセンサ21として用いられ得る。
【0031】
また、ショーケース1には外気温を検知する外気温センサ22が設けられている。本実施形態において、外気温センサ22は、ショーケース1の側面に設置されており、外気温センサ22は外気温に応じた信号を出力する。但し、これに限られるものではなく、外気温センサ22はショーケース1の任意に場所に設置することが可能である。
【0032】
ショーケース1の動作は、ケース本体2の上面に設置された制御ユニット20によって主に制御される。本実施形態において、制御ユニット20は、中間ダクト7が取り付けられていない場合、すなわち、商品室4が上側商品室41と下側商品室42とに分けられていない場合には、商品室4(全体)の温度が弁当や総菜などに適した設定温度TS(例えば18~22℃)を維持するようにショーケース1の動作を制御する。また、制御ユニット20は、中間ダクト7が取り付けられている場合、すなわち、商品室4が上側商品室41と下側商品室42とに分けられている場合には、上側商品室41の温度が設定温度TSを維持し且つ下側商品室42の温度が設定温度TSよりも低い所定温度、例えば0~10℃の冷蔵温度又はチルド温度(以下「冷蔵温度等」という)を維持するようにショーケース1の動作を制御する。
【0033】
具体的には、本実施形態において、制御ユニット20は、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)及び外気温センサ22の出力信号(検知結果)に基づいて、第1ヒータ8、第1ファンユニット9の各ファン92a~92d、第2ヒータ10、第2ファンユニット11の各ファン112a~112d、冷却器12による冷却動作及び第3ヒータ13を制御する。なお、冷却器12による冷却動作に関し、制御ユニット20は、主にコンデンシングユニット16を構成する前記圧縮機を動作させ又は前記圧縮機の動作を停止させることによって冷却器12による冷却動作を実行し又は冷却器12による冷却動作を停止する。
【0034】
以下、制御ユニット20は実行する制御について具体的に説明する。図4及び図5は、制御ユニット20が実行する制御の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、ショーケース1が起動すると開始される。なお、以下の説明において「停止状態とする」という表現は、動作を停止させること及び停止状態を維持することを含む。
【0035】
ステップS1では、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)に基づいて中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定する。中間ダクト7が取り付けられていない場合(ステップS1:NO)にはステップS2に進む。上述のように、中間ダクト7が取り付けられていない場合には商品室4が上側商品室41と下側商品室42とに分けられていない。このため、制御ユニット20は、商品室4(全体)の温度が設定温度TSを維持するようにショーケース1の動作を制御する(ステップS2~S9)。一方、中間ダクト7が取り付けられている場合(ステップS1:YES)にはステップS10に進む。上述のように、中間ダクト7が取り付けられている場合には商品室4が上側商品室41と下側商品室42とに分けられている。このため、制御ユニット20は、上側商品室41の温度が設定温度TSを維持し且つ下側商品室42の温度が冷蔵温度等を維持するようにショーケース1の動作を制御する(ステップS10~S17)。なお、中間ダクト7が取り付けられている場合には第1背面通路66が上側背面通路661と下側背面通路662とに分けられている。
【0036】
ステップS2では、商品室4全体を冷却する「全体冷却モード」を実行する。具体的には、制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第1~第4ファン92a~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dを連続運転させると共に、冷却器12による冷却動作を実行する。また、制御ユニット20は、第1ヒータ8、第2ヒータ10及び第3ヒータ13を停止状態とする。
【0037】
すると、空気吸込口62aから下部ダクト62内に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気が下部ダクト62内を通過して背面ダクト63内の第1背面通路66及び第2背面通路67に導かれる。第1背面通路66に導かれた空気は冷却器12によって冷却されて上部ダクト61に導入され、上部ダクト61内を通過して空気吹出口61aから下部ダクト62の空気吸込口62aに向けて吹き出される。また、第2背面通路67に導かれた空気も上部ダクト61に導入される。
【0038】
このため、図6に白抜き矢印で示されるように、冷却空気が、第1背面通路66、上部ダクト61、商品室4の前面(空気吹出口61aと空気吸込口62aとの間)及び下部ダクト62の順に循環する。これにより、商品室4が冷却されると共に商品室4の前面に冷却空気によるエアカーテンが形成される。換言すれば、冷却空気が循環して商品室4の前面に冷却空気によるエアカーテンを形成する第1循環風路が形成される。また、図6において破線矢印で示されるように、第2背面通路67を通過した空気も上部ダクト61に導入されて前記第1循環風路を循環する冷却空気に混合される。したがって、外気温が高い場合あっても商品室4全体の温度が一様に設定温度TSに維持され得る。
【0039】
ここで、前記「全体冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ファンユニット9の第1~第4ファン92a~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの制御を変更してもよい。例えば、前記「全体冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温が高いほど第1背面通路66を通過させる空気の流量(すなわち、前記第1循環風路を循環する冷却空気の流量)を多くする。前記「全体冷却モード」を実行する制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの回転数を増加させることで前記第1循環風路を循環する冷却空気の流量を多くすることができる。このようにすれば、外気温が高い場合において、商品室4の前面に確実に冷却空気によるエアカーテンが形成され得ると共に商品室4の温度がより精度よく設定温度TSに維持され得る。
【0040】
また、前記「全体冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ファンユニット9の第1ファン91aの回転数を増減し、これによって、前記第1循環風路を循環する冷却空気に混合される、第2背面通路67を通過した空気の流量(すなわち、冷却器12をバイパスした空気の流量)を調整して前記第1循環風路を循環する冷却空気の温度、ひいては、商品室4の温度を微調整することも可能である。
【0041】
ステップS3では、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)に基づいて中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定する。中間ダクト7が取り付けられていない場合(ステップS3:NO)にはステップS4に進む。一方、中間ダクト7が取り付けられている場合(ステップS3:YES)、すなわち、前記「全体冷却モード」の実行中に中間ダクト7が取り付けられた場合にはステップS10に進み、後述する「冷却/冷却モード」を実行する(前記「全体冷却モード」から「冷却/冷却モード」に移行する)。
【0042】
ステップS4では、外気温センサ22の出力信号(検知結果)に基づいて外気温を検知する。
【0043】
ステップS5では、ステップS4で検知された外気温が第1閾値温度Tth1未満であるか否かを判定する。外気温が第1閾値温度Tth1以上である場合(ステップS5:NO)には「前記全体冷却モード」を継続する。一方、外気温が第1閾値温度Tth1未満である場合(ステップS5:YES)、すなわち、前記「全体冷却モード」の実行中に外気温が第1閾値温度Tth1未満になった場合にはステップS6に進む。本実施形態において、第1閾値温度Tth1は設定温度TSの下限値(例えば18℃)に設定されている。但し、これに限られるものではない。第1閾値温度Tth1は設定温度TS及び商品室4の大きさ(容積)などに応じて任意に設定可能である。
【0044】
ステップS6では、商品室4全体を加温する「全体加温モード」を実行する(前記「全体冷却モード」から「全体加温モード」に移行する)。具体的には、制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第1~第4ファン92a~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dを連続運転させると共に、第1ヒータ8、第2ヒータ10及び第3ヒータ13を動作させる。また、制御ユニット20は、冷却器12による冷却動作を停止状態とする。
【0045】
すると、空気吸込口62aから下部ダクト62内に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気が下部ダクト62内を通過して背面ダクト63内の第1背面通路66及び第2背面通路67に導かれる。第1背面通路66に導かれた空気は第3ヒータ13及び第2ヒータ10によって加温されて上部ダクト61に導入され、上部ダクト61内においてさらに第1ヒータ8によって加温された後に空気吹出口61aから下部ダクト62の空気吸込口62aに向けて吹き出される。また、第2背面通路67に導かれた空気も上部ダクト61に導入される。
【0046】
このため、図7に黒塗り矢印で示されるように、加温空気が、第1背面通路66、上部ダクト61内、商品室4の前面(空気吹出口61aと空気吸込口62aとの間)及び下部ダクト62の順に循環する。これにより、商品室4が加温されると共に商品室4の前面に加温空気によるエアカーテンが形成される。換言すれば、加温空気が循環して商品室4の前面に加温空気によるエアカーテンを形成する第2循環風路が形成される。また、図7において破線矢印で示されるように、第2背面通路67を通過した空気も上部ダクト61に導入されて前記第2循環風路を循環する加温空気に混合されると共に第1ヒータ8によって加温される。したがって、外気温が低い場合であっても商品室4全体の温度が一様に設定温度TSに維持され得る。
【0047】
ここで、前記「全体加温モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ヒータ8、第2ヒータ10及び第3ヒータ13の制御を変更してもよい。例えば、前記「全体加温モード」を実行する制御ユニット20は、設定温度TSと外気温との差が第1所定値以上である場合には第1ヒータ8、第2ヒータ10及び第3ヒータ13を動作させ、設定温度TSと外気温の差が第1所定値未満である場合には第3ヒータ13を動作させると共に第1ヒータ8及び第2ヒータ10の少なくとも一方を停止させ又は断続動作させる。このようにすれば、外気温が低い場合において商品室4の温度がより精度よく設定温度TSに維持され得る。
【0048】
また、前記「全体加温モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ファンユニット9の第1~第4ファン92a~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの制御を変更してもよい。例えば、前記「全体加温モード」を実行する制御ユニット20は、外気温が低いほど第1背面通路66を通過させる空気の流量(すなわち、前記第1循環風路を循環する加温空気の流量)を多くする。前記「全体加温モード」を実行する制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの回転数を増加させることで前記第1循環風路を循環する加温空気の流量を多くすることができる。このようにすれば、外気温が低い場合において、商品室4の前面に確実に加温空気によるエアカーテンを形成され得る共に商品室4の温度がより精度よく設定温度TSに維持され得る。
【0049】
さらに、前記「全体加温モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ヒータ8を停止させると共に第1ファンユニット9の第1ファン91aの回転数を増減し、これによって、前記第2循環風路を循環する加温空気に混合される、第2背面通路67を通過した空気の流量(すなわち、第3ヒータ13をバイパスした空気に流量)を調整して前記第2循環風路を循環する加温空気の温度、ひいては、商品室4の温度を微調整することも可能である。
【0050】
ステップS7は、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)に基づいて中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定する。中間ダクト7が取り付けられていない場合(ステップS7:NO)にはステップS8に進む。一方、中間ダクト7が取り付けられている場合(ステップS7:YES)、すなわち、前記「全体加温モード」の実行中に中間ダクト7が取り付けられた場合にはステップS14に進み、後述する「加温/冷却モード」を実行する(前記全体加温モードから「加温/冷却モード」に移行する)。
【0051】
ステップS8では、外気温センサ22の出力信号(検知結果)に基づいて外気温を検知する。
【0052】
ステップS9では、ステップS8で検知された外気温が第1閾値温度Tth1より高い第2閾値温度Tth2以上であるか否かを判定する。外気温が第2閾値温度Tth2未満である場合(ステップS9:NO)には前記「前記全体加温モード」を継続する。一方、外気温が第2閾値温度Tth2以上である場合(ステップS9:YES)、すなわち、前記「全体加温モード」の実行中に外気温が第2閾値温度Tth2以上になった場合にはステップS2に進み、前記「全体冷却モード」を実行する(前記「全体加温モード」から前記「全体冷却モード」に移行する)。本実施形態において、第2閾値温度Tth2は設定温度TSの上限値(例えば22℃)に設定されている。但し、これに限られるものではない。第2閾値温度Tth2は、第1閾値温度Tth1よりも高い温度であればよく、設定温度TS及び商品室4の大きさ(容積)などに応じて任意に設定可能である。
【0053】
ステップS10では、上側商品室41と下側商品室42とを別々に冷却する「冷却/冷却モード」を実行する。具体的には、制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第1ファン92aを断続運転させ、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dを連続運転させ、及び、冷却器12による冷却動作を実行する。また、制御ユニット20は、第1ヒータ8、第2ヒータ10及び第3ヒータ13を停止状態とする。
【0054】
すると、中間ダクト7の下方においては、空気吸込口62aから下部ダクト62内に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気が下部ダクト62内を通過して下側背面通路662及び第2背面通路67に導入される。下側背面通路662に導入された空気は冷却器12によって冷却されて中間ダクト7の第2導入口76から中間ダクト7の第2中間通路77に導入され、第2中間通路77を通過して中間ダクト7の第2導出口75から空気吸込口62aに向けて吹き出される。なお、第2背面通路67に導入された空気は、第2背面通路67を通過して上部ダクト61に導入される。
【0055】
このため、図8において白抜き矢印で示されるように、冷却空気が、下側背面通路662、中間ダクト7の第2中間通路77、下側商品室42の前面(第2導出口75と空気吸込口62aとの間)及び下部ダクト62内の順に循環する。すなわち、冷却空気が循環して下側商品室42の前面に冷却空気によるエアカーテンを形成する前記第3循環風路が形成される。したがって、外気温が高い場合であっても下側商品室42の温度が冷蔵温度等に維持され得る。
【0056】
ここで、前記「冷却/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92dの制御を変更してもよい。例えば、前記「冷却/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温が高いほど下側背面通路662を通過させる空気の流量(すなわち、前記第3循環風路を循環する冷却空気)を多くする。前記「冷却/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92dの少なくとも一つの回転数を増加させることによって前記第3循環風路を循環する冷却空気の流量を多くすることができる。このようにすれば、外気温が高い場合において、下側商品室42の前面に確実に冷却空気によるエアカーテンが形成され得ると共に下側商品室42の温度がより精度よく冷蔵温度等に維持され得る。
【0057】
中間ダクト7の上方においては、中間ダクト7の第1導入口72から中間ダクト7の第1中間通路74に空気が導入され、導入された空気が第1中間通路74を通過して第1導出口73から上側背面通路661内に導出される。上側背面通路661内に導出された空気は上部ダクト61に導入される。また、上部ダクト61には第2背面通路67を通過した空気も導入される。上部ダクト61に導入された空気は、上部ダクト61内を通過して空気吹出口61aから中間ダクト7の第1導入口72に向けて吹き出される。ここで、上側背面通路661を通過して上部ダクト61に導入される空気は冷却されていない空気(非冷却空気)であり、第2背面通路67を通過して上部ダクト61に導入される空気は、空気吸込口62aから下部ダクト62内に吸い込まれた空気、すなわち、前記第3循環風路を循環する冷却空気が含まれる。したがって、非冷却空気と冷却空気との混合気が空気吹出口61aから中間ダクト7の第1導入口72に向けて吹き出される。吹き出された混合気は前記非冷却空気よりも低温であり且つ前記冷却空気よりも高温である。
【0058】
このため、図8においてハッチング矢印で示されるように、前記混合気(弱冷却空気)が、上部ダクト61内、上側商品室41の前面(空気吹出口61aと第1導入口72との間)、中間ダクト7の第1中間通路74及び上側背面通路661の順に循環する。これにより、上側商品室41が冷却(弱冷却)されると共に上側商品室41の前面には前記混合気(弱冷却空気)によるエアカーテンが形成される。換言すれば、弱冷却空気が循環して弱冷却空気によるエアカーテンを上側商品室41の前面に形成する第4循環風路が形成される。したがって、外気温が高い場合であっても上側商品室41の温度が設定温度TSに維持され得る。
【0059】
ここで、前記「冷却/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて前記混合気中の冷却空気の割合を調整してもよい。例えば、制御ユニット20は、外気温が高いほど前記混合気中の冷却空気の割合を多くする。前記「冷却/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第1ファン9aの断時間を短く(稼働時間を長く)することによって及び/又は第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの少なくとも一つの回転数を減少させ又は停止させることによって前記混合気中の冷却空気の割合を多くすることができる。このようにすれば、前記混合気による冷却能力が調整されるため、上側商品室41の温度がより精度よく設定温度TSに維持され得る。
【0060】
ステップS11では、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)に基づいて中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定する。中間ダクト7が取り付けられていない場合(ステップS11:NO)、すなわち、前記「冷却/冷却モード」の実行中に中間ダクト7が取り外された場合にはステップS2に進み、前記「全体冷却モード」を実行する(前記「冷却/冷却モード」から前記「全体冷却モードに移行する」。一方、中間ダクト7が取り付けられている場合(ステップS11:YES)にはステップS12に進む。
【0061】
ステップS12では、外気温センサ22の出力信号(検知結果)に基づいて外気温を検知する。
【0062】
ステップS13では、ステップS12で検知された外気温が第1閾値温度Tth1未満であるか否かを判定する。外気温が第1閾値温度Tth1以上である場合(ステップS13:NO)には前記「冷却/冷却モード」を継続する。一方、外気温が第1閾値温度Tth1未満である場合(ステップS13:YES)、すなわち、前記「冷却/冷却モード」の実行中に外気温が第1閾値温度Tth1未満になった場合にはステップS14に進む。
【0063】
ステップS14では、上側商品室41を加温すると共に下側商品室42を冷却する「加温/冷却モード」を実行する(前記「冷却/冷却モード」から「加温/冷却モード」に移行する)。具体的には、制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92d及び第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dを連続運転させ、冷却器12による冷却動作を実行し、及び、第1ヒータ8及び第2ヒータ10を動作させる。また、制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第1ファン92a及び第3ヒータ13を停止状態とする。
【0064】
すると、中間ダクト7の上方においては、中間ダクト7の第1導入口72から中間ダクト7の第1中間通路74内に空気が導入され、導入された空気が第1中間通路74を通過して第1導出口73から上側背面通路661内に導出される。上側背面通路661内に導出された空気は第2ヒータ10によって加温されて上部ダクト61に導入され、上部ダクト61内においてさらに第1ヒータ8によって加温された後に空気吹出口61aから中間ダクト7の第1導入口72に向けて吹き出される。
【0065】
このため、図9に黒塗り矢印で示されるように、加温空気が、上部ダクト61内、上側商品室41の前面(空気吹出口61aと第1導入口72との間)、中間ダクト7の第1中間通路74及び上側背面通路661の順に循環する。これにより、上側商品室41が加温されると共に上側商品室41の前面には加温空気によるエアカーテンが形成される。換言すれば、加温空気が循環して上側商品室41の前面に加温空気によるエアカーテンを形成する第5循環風路が形成される。したがって、外気温が低い場合であっても上側商品室41の温度が設定温度TSに維持され得る。
【0066】
ここで、前記「加温/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ヒータ8及び第2ヒータ10の制御を変更してもよい。例えば、前記「加温/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、設定温度TSと外気温との差が第2所定値以上である場合には第1ヒータ8及び第2ヒータ10を動作させ、設定温度TSと外気温の差が前記第2所定値未満である場合には第1ヒータ8及び第2ヒータ10の一方を動作させると共に第1ヒータ8及び第2ヒータ10の他方を停止させ又は断続動作させる。このようにすれば、外気温が低い場合において上側商品室41の温度がより精度よく設定温度TSに維持され得る。
【0067】
また、前記「加温/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの制御を変更してもよい。例えば、前記「加温/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温が低いほど上側背面通路661を通過させる空気の流量(すなわち、前記第4循環風路を循環する加温空気)を多くする。制御ユニット20は、第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの回転数を増加させることによって前記第5循環風路を循環する加温空気の流量を多くすることができる。このようにすれば、外気温が低い場合において、上側商品室41の前面に確実に加温空気によるエアカーテンが形成され得ると共に上側商品室41の温度がより精度よく設定温度TSに維持され得る。
【0068】
中間ダクト7の下方においては、空気吸込口62aから下部ダクト62内に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気が下部ダクト62内を通過して下側背面通路662に導入される。下側背面通路662に導入された空気は冷却器12によって冷却されて中間ダクト7の第2導入口76から中間ダクト7の第2中間通路77に導入され、第2中間通路77を通過して中間ダクト7の第2導出口75から空気吸込口62aに向けて吹き出される。
【0069】
このため、図9に白抜き矢印で示されるように、冷却空気が、下側背面通路662、中間ダクト7の第2中間通路77、下側商品室42の前面(第2導出口75と空気吸込口62aとの間)及び下部ダクト62の順に循環する。すなわち、冷却空気が循環して下側商品室42の前面に冷却空気によるエアカーテンを形成する前記第3循環風路が形成され、下側商品室42の温度が冷蔵温度等に維持され得る。
【0070】
ここで、前記「加温/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温に応じて、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92dの制御を変更してもよい。例えば、前記「加温/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、外気温が低いほど下側背面通路662を通過させる空気の流量(すなわち、前記第5循環風路を循環する冷却空気)を少なくする。制御ユニット20は、第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92dの少なくとも一つの回転数を減少又は停止させることによって前記第5循環風路を循環する冷却空気の流量を少なくすることができる。このようにすれば、下側商品室42の温度が冷蔵温度等に維持されつつ消費電力の低減が図れる。
【0071】
ステップS15では、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)に基づいて中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定する。中間ダクト7が取り付けられていない場合(ステップS15:NO)、すなわち、前記「加温/冷却モード」の実行中に中間ダクト7が取り外された場合にはステップS6に進み、前記「全体加温モード」を実行する(前記「加温/冷却モード」から前記「全体加温モード」に移行する)。一方、中間ダクト7が取り付けられている場合(ステップS15:YES)にはステップS16に進む。
【0072】
ステップS16では、外気温センサ22の出力信号(検知結果)に基づいて外気温を検知する。
【0073】
ステップS17では、ステップS16で検知された外気温が第2閾値温度Tth2以上であるかを判定する。外気温が第2閾値温度Tth2未満である場合(ステップS17:NO)には前記「加温/冷却モード」を継続する。一方、外気温が第2閾値温度Tth2以上である場合(ステップS17:YES)、すなわち、前記「加温/冷却モード」の実行中に外気温が第2閾値温度Tth2以上になった場合にはステップS10に進み、前記「冷却/冷却モード」を実行する(前記「加温/冷却モード」から前記「冷却/冷却モード」に移行する)。
【0074】
このように、本実施形態において、制御ユニット20は、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)及び外気温センサ22の出力信号(検知結果)に基づいて、前記「全体冷却モード」、前記「全体加温モード」、前記「冷却/冷却モード」又は前記「加温/冷却モード」のいずれかを選択的に実行するように構成されている。このため、オペレータがスイッチ等を操作することによって中間ダクト7の有無を制御ユニット20に入力する必要がなく、商品室4内が自動的に中間ダクト7の有無に応じた最適な温度状態に維持される。また、誤ったスイッチ操作等による商品室4内の温度異常も防止される。
【0075】
本実施形態に係るショーケース1において、第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dが本発明の「上部ファン」に相当し、第3ヒータ13が本発明の「下部ヒータ」に相当し、第1ヒータ8及び第2ヒータ10が本発明の「上部ヒータ」に相当し、第1ファンユニット9の第2~第4ファン9b~9dが本発明の「第1下部ファン」に相当し、第1ファンユニット9の第1ファン9aが本発明の「第2下部ファン」に相当する。
【0076】
なお、上述の実施形態において、制御ユニット20は、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)に基づいて、中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定している。しかし、これに限られるものではない。制御ユニット20は、中間ダクト7の取り付け時又は取り外し時にオペレータによって操作されるスイッチ等からの信号に基づいて中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定してもよい。
【0077】
また、上述の実施形態において、制御ユニット20は、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)及び外気温センサ22の出力信号(検知結果)に基づいて第1ヒータ8、第1ファンユニット9の各ファン92a~92d、第2ヒータ10、第2ファンユニット11の各ファン112a~112d、冷却器12による冷却動作及び第3ヒータ13を制御している。しかし、これに限られるものではない。外気温センサ22の出力信号(検知結果)に代えて、商品室4内の上部温度を検知する上部温度検知センサの出力信号(検知結果)が用いられてもよい。ショーケース1の商品室4は前面が開口しているため、商品室4内の上部温度を検知することで実質的に外気温を検知することになるからである。なお、前記上部温度検知センサは、商品室4内に配設されるため、外気温センサ22に比べて外部気流などの影響を受け難く、安定した温度制御が可能になるという利点もある。前記上部温度検知センサは商品室4内における取付孔31よりも上方に配設される。例えば、前記上部温度検知センサは、内部パネル3の内面における取付孔31よりも上方の位置や取付孔31よりも上方の陳列棚5に取り付けられ得る。この場合、上述の説明における「外気温」が「商品室4内の上部温度」に読み替えられる。
【0078】
また、上述の実施形態においては中間ダクト7の取付孔31が一つしか設けられていない。しかし、これに限られるものではない。図示は省略するが、取付孔31が上下方向に複数設けられ、そのうちのいずれかの取付孔31に中間ダクト7が取り付けられるように構成されてもよい。この場合、各取付孔31に対応する位置に中間ダクトセンサ21が取り付けられ、制御ユニット20は、中間ダクトセンサ21の出力信号(検知結果)に基づいて中間ダクト7が取り付けられているか否かを判定すると共に取り付けられている場合には中間ダクト7の取付位置を判定する。そして、前記「冷却/冷却モード」又は前記「加温/冷却モード」を実行する制御ユニット20は、中間ダクト7の取付位置が低いほど第1ファンユニット9の第2~第4ファン92b~92dの回転数を低下させると共に第2ファンユニット11の第1~第4ファン112a~112dの回転数を増加させる。このようにすれば、中間ダクト7の取付位置にかかわらず、前記第3~第5循環風路を循環する空気(冷却空気、弱冷却空気又は加温空気の風量をほぼ等しくすることができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…ショーケース、4…商品室、5…陳列棚、6…通気ダクト、7…中間ダクト、8…第1ヒータ(上部ヒータ)、9…第1ファンユニット、10…第2ヒータ(上部ヒータ)、11…第2ファンユニット、12…冷却器、13…第3ヒータ(下部ヒータ)、20…制御ユニット、21…中間ダクトセンサ、22…外気温センサ、41…上側商品室、42…下側商品室、61…上部ダクト、61a…空気吹出口、62…下部ダクト、62a…空気吸込口、63…背面ダクト、74…第1中間通路、77…第2中間通路、91a…第1ファンユニットの第1ファン(第2下部ファン)、91b~91d…第1ファンユニットの第2~第4ファン(第1下部ファン)、11a~11b…第2ファンユニットの第1~第4ファン(上部ファン)、66…第1背面通路、67…第2背面通路、661…上側背面通路、662…下側背面通路
図1
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図9