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特許7208135熱安定性セルロースエステル組成物及びこれらの組成物を用いて製造される物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】熱安定性セルロースエステル組成物及びこれらの組成物を用いて製造される物品
(51)【国際特許分類】
   C08L 1/10 20060101AFI20230111BHJP
   C08K 5/527 20060101ALI20230111BHJP
   C08K 5/1515 20060101ALI20230111BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C08L1/10
C08K5/527
C08K5/1515
B29C45/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019524451
(86)(22)【出願日】2017-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 US2017060793
(87)【国際公開番号】W WO2018089594
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】62/505,268
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/505,261
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/420,989
(32)【優先日】2016-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/513,467
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ジョセフ ペコリーニ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ユージーン ドネルソン
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー マイケル スタック
(72)【発明者】
【氏名】エマーソン エストン シャープ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ウェンライ フォン
(72)【発明者】
【氏名】ハイニン アン
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-138141(JP,A)
【文献】特開2011-195787(JP,A)
【文献】特開2010-126637(JP,A)
【文献】特表2004-538340(JP,A)
【文献】特開2015-071770(JP,A)
【文献】特開2000-007829(JP,A)
【文献】特開2011-057958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-1/32
C08K 5/527
C08K 5/1515
B29C 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースエステルを含み、そして場合により可塑剤を含む組成物であって、可塑剤が存在する場合には、可塑剤は組成物の総質量を基準として5wt%未満で存在し、
ここで、前記組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して90℃~140℃の範囲の熱変形温度(「HDT」)を有し、
ここで、前記組成物を5分間の滞留時間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は30%未満であり、
前記組成物は、組成物の総質量を基準として0.1~0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含み、
前記組成物は、組成物の総質量を基準として0.2~2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含み、
前記組成物は、組成物の総質量を基準として0.01~0.5wt%の範囲の塩安定化剤をさらに含み、
前記セルロースエステルはセルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースイソブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートイソブチレート、セルロースプロピオネートブチレート又はセルロースプロピオネートイソブチレートから選ばれ、かつ
ΔE値は25未満であり、ここでΔEは以下の式により決定される、
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
(上式中、L、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される)
組成物。
【請求項2】
前記二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は、組成物の総質量を基準として0.1~15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記セルロースエステルはセルロースアセテートであり、ここで、前記組成物はASTM D648に従って、70℃に4時間付された3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して95℃~140℃の範囲の熱変形温度(「HDT」)を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
可塑剤は存在しない、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記可塑剤は組成物の総質量を基準として5wt%未満で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
ASTM E1348に従って、5分間の滞留時間で249℃のバレル温度で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを使用して測定して、b値は15未満である、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は23℃で50%相対湿度に48時間さらされた3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して40J/mを超えるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は23℃で50%相対湿度に48時間さらされた3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して1800MPaを超える曲げ弾性率を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
前記セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフラン及び1mL/分の流速を使用してASTM D5296に従って測定して40,000Da~200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
組成物が238℃のバレル温度、246℃の溶融温度、13.8MPaの成形圧力、0.8mmのモールド厚及び12.7mmのモールド幅の条件でスパイラルフローモールドを用いて成形されるときに、スパイラルフロー長さは3.0cm~10.0cmである、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
請求項1記載の組成物を含む成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、セルロースエステル化学の分野に関する。本発明はまた、セルロースエステルから製造される組成物及びそれから製造される物品に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
市販のセルロースエステル組成物は、高レベルの可塑剤の存在のために、典型的には90℃未満の熱変形温度(HDT)を有する。セルロースエステル組成物中の高レベルの可塑剤は、セルロースエステルの加工を可能にし、組成物からの成形品にある程度の靭性を付与する。しかしながら、可塑剤の添加は、セルロースエステル材料の使用を、約90℃未満のHDTに適応することができる用途に限定するという欠点を有する。また、可塑化セルロースエステル成形品は使用中に可塑剤の染み出しを経験することがある。90℃を超えるHDTを有するセルロースエステル組成物を得るために、可塑剤を排除するか又は実質的に減らすことができる。しかしながら、得られるセルロース組成物はより高い加工温度を要求し、これはセルロースエステル組成物の分解をもたらし、望ましくない生成物をもたらす可能性がある。そのような欠点を持たない溶融加工可能なセルロースエステル組成物を提供することができれば有益であろう。
【発明の概要】
【0003】
発明の要旨
本出願は、セルロースエステルを含み、そして場合により可塑剤を含む組成物であって、可塑剤が存在する場合には、可塑剤は組成物の総質量を基準として20wt%未満で存在し、ここで、前記組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約90℃~約140℃の範囲の熱変形温度(「HDT」)を有し、ここで、前記組成物を5分間の滞留時間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は30%未満である、組成物を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
定義
酸化防止剤は、材料の加工中に劣化プロセスを阻害するために使用される化学物質である。酸化防止剤は、一次酸化防止剤及び二次酸化防止剤を含む幾つかのクラスに分類される。
【0005】
「一次酸化防止剤」は、水素移動を介して過酸化物ラジカルと反応してラジカルをクエンチさせることによって作用する酸化防止剤である。一次酸化防止剤は、一般に、ヒンダードフェノール及び第二級芳香族アミンなどの反応性ヒドロキシ又はアミノ基を含有する。一次酸化防止剤の例としては、Irganox(商標)1010、1076、1726、245、1098、259及び1425、Ethanox(商標)310、376、314及び330、Evernox(商標)10、76、1335、1330、3114、MD1024、1098、1726、120.2246及び565、Anox(商標)20、29、330、70、IC-14及び1315、Lowinox(商標)520、1790、22IB46、22M46、44B25、AH25、GP45、CA22、CPL、HD98、TBM-6及びWSP、Naugard(商標)431、PS48、SP及び445、Songnox(商標)1010、1024、1035、1076CP、1135LQ、1290PW、1330FF、1330PW、2590PW及び3114 FF、及び、ADK Stab AO-20、AO-30、AO-40、AO-50、AO-60、AO-80及びAO-330が挙げられる。
【0006】
「二次酸化防止剤」はしばしばヒドロペルオキシド分解剤と呼ばれる。それはヒドロペルオキシドと反応してヒドロペルオキシドをラジカルでない非反応性で熱安定な生成物に分解することによって作用する。それはしばしば一次酸化防止剤と併用される。二次酸化防止剤の例としては、有機リン(例えば、ホスフィット、ホスホナイト)及び有機硫黄クラスの化合物が挙げられる。これらの化合物のリン原子及び硫黄原子は過酸化物と反応して過酸化物をアルコールに転化させる。二次酸化防止剤の例としては、Ultranox 626、Ethanox(商標)368、326及び327、Doverphos(商標)LPG11、LPG12、DPS-680、4、10、S480及びS-9228、Evernox(商標)168及び626、Irgafos(商標)126及び168、Weston(商標)DPDP、DPP、EHDP、PDDP、TDP、TLP及びTPP、Mark(商標)CH302、CH55、TNPP、CH66、CH300、CH301、CH302、CH304及びCH305、ADK Stab 2112、HP-10、PEP-8、PEP-36、1178、135A、1500、3010、C及びTPP、Weston439、DHOP、DPDP、DPP、DPTDP、EHDP、PDDP、PNPG、PTP、PTP、TDP、TLP、TPP、398、399、430、705、705T、TLTTP及びTNPP、Alkanox240、626、626A、627AV、618F及び619F、及び、Songnox(商標)1680 FF、1680 PW及び6280FFが挙げられる。
【0007】
「酸捕捉剤」はポリマーの加工中に形成される酸を中和する添加剤である。酸捕捉剤の例としては、Hycite713、KisumaDHT-4A、DHT-4V、DHT-4A-2、DHT-4C、ZHT-4V及びKW2200、Brueggemann Chemical亜鉛炭酸塩RAC、Sipax(商標)AC-207、ステアリン酸カルシウム、Baerlocher GL 34、RSN、GP及びLA Veg、Licomont CAV 102、FACIステアリン酸カルシウムDW、PLC、SP及びWLC、Hangzo Hitech Fine Chemical.CAST及びZnST、Songstab(商標)SC-110、SC-120、SC-130、SM-310及びSZ-210、Sun Ace SAK-CS、SAK-DSC、SAK-DMS、SAK-DZS及びSAK-KS、US Zinc酸化亜鉛201、205HAS、205H、210及び210E、Drapex(商標)4.4、6.8、39、391、392及び392S、Vikoflex(商標)4050、5075、7170、7190、7040、9010、9040及び9080、Joncryl(商標)ADR 4468及びADR 4400、Adeka CIZER D-32、Epon(商標)1001F、1002F及び1007F、Aralidite(商標)ECN 1299、1273、1280、1299及び9511、Dynamar RC 5251Q及びNexamitePBOが挙げられる。
【0008】
本明細書に使用されるときに、「及び」又は「又は」と一緒に使用される場合の用語「から選ばれる(chosen from)」は以下の意味を有する。A、B及びCから選ばれる変数は、その変数はA単独、B単独又はC単独であることができることを意味する。変数A、B又はCは、その変数がA単独、B単独、C単独、AとBの組み合わせ、AとCの組み合わせ、又は、A、B及びCの組み合わせであることができることを意味する。
【0009】
組成物
本出願は、セルロースエステルを含み、そして場合により可塑剤を含む組成物であって、可塑剤が存在する場合には、可塑剤は組成物の総質量を基準として20wt%未満で存在し、ここで、前記組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約90℃~約140℃の範囲の熱変形温度を有し、ここで、前記組成物を5分間の滞留時間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は30%未満である、組成物を開示する。
【0010】
1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約95℃~約130℃の範囲のHDTを有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を5分間の滞留時間で260℃のバレル温度で射出成形すると、Mwの変化は25%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ΔEは次の式によって決定される。
【0011】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0012】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0013】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は20%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0014】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0015】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0016】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、Mwの変化は15%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0017】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0018】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0019】
1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約100℃~約130℃の範囲のHDTを有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を5分間の滞留時間で260℃のバレル温度で射出成形すると、Mwの変化は25%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ΔEは次の式によって決定される。
【0020】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0021】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0022】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、Mwの変化は20%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0023】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0024】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0025】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、Mwの変化は15%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0026】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0027】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0028】
1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約95℃~約110℃の範囲のHDTを有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を5分間の滞留時間で260℃のバレル温度で射出成形すると、Mwの変化は25%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ΔEは次の式によって決定される。
【0029】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0030】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約500J/mの範囲のノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約400J/mの範囲のノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約300J/mの範囲のノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約200J/mの範囲のノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。
【0031】
このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0032】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、Mwの変化は20%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0033】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0034】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0035】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、Mwの変化は15%未満である。このクラスの1つのサブクラスにおいて、ΔE値は25未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0036】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0037】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0038】
1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約120℃~約130℃の範囲のHDTを有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約90℃~約110℃の範囲のHDTを有する。1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約100℃~約110℃の範囲のHDTを有する。1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約105℃~約110℃の範囲のHDTを有する。1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して95℃を超えるHDTを有する。1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約100℃を超えるHDTを有する。1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約105℃を超えるHDTを有する。1つの実施形態において、組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約110℃を超えるHDTを有する。
【0039】
1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は15未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は12未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は10未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は8未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は7未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は6未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は5未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は4未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は3未満である。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してb値は約0~約15の範囲にある。
【0040】
1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は80を超える。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は85を超える。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は90を超える。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は約80~約99の範囲にある。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は約80~約96の範囲にある。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は約80~約95の範囲にある。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は約85~約96の範囲にある。1つの実施形態において、ASTM E1348に従って249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いて測定してL値は約90~約96の範囲にある。
【0041】
1つの実施形態において、ΔE値は25未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0042】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0043】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は20未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0044】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0045】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は15未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0046】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0047】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は10未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0048】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0049】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は8未満であり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0050】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0051】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は約2~約25未満の範囲にあり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0052】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0053】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は約3~約25の範囲にあり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0054】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0055】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は約4~約25の範囲にあり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0056】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0057】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は約2~約10の範囲にあり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0058】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0059】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。1つの実施形態において、ΔE値は約10~約25の範囲にあり、ここでΔEは次の式により決定される。
【0060】
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
【0061】
、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される。
【0062】
1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約50,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約75,000Da~約100,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約75,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約100,000Da~約150,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約150,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約60,000Da~約170,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約600,000Da~約90,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。1つの実施形態において、セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速1mL/分を用いてASTM D5296に従って測定して約120,000Da~約170,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する。
【0063】
1つの実施形態において、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は25%未満である。1つの実施形態において、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は20%未満である。1つの実施形態において、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は15%未満である。1つの実施形態において、組成物を滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は10%未満である。
【0064】
1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約40J/mを超えるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して60J/mを超えるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/mを超えるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約90J/mを超えるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約100J/mを超えるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約40J/m~約400J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約40J/m~約200J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約60J/m~約400J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約60J/m~約200J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約500J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約400J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約300J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して約80J/m~約200J/mの範囲にあるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する。
【0065】
1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して1800MPaを超える曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して1900MPaを超える曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して2000MPaを超える曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して2100MPaを超える曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して2200MPaを超える曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して2400MPaを超える曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約1800MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約1900MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約2000MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約2100MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約2200MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約2300MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約2400MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約2500MPa~約3500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約1900MPa~約2500PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約1900MPa~約3000PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。1つの実施形態において、組成物は、23℃で48時間50%相対湿度に付した3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して約1900MPa~約2800PMaの範囲にある曲げ弾性率を有する。
【0066】
1つの実施形態において、組成物が、バレル温度238℃、溶融温度246℃、成形圧力13.8MPa、モールド厚0.8mm及びモールド幅12.7mmの条件でスパイラルフローモールドを用いて成形される場合に、スパイラルフロー長は約3.0cm~約10.0cmである。1つの実施形態において、組成物が、バレル温度238℃、溶融温度246℃、成形圧力13.8MPa、モールド厚0.8mm及びモールド幅12.7mmの条件でスパイラルフローモールドを用いて成形される場合に、スパイラルフロー長は約4.0cm~約10.0cmである。1つの実施形態において、組成物が、バレル温度238℃、溶融温度246℃、成形圧力13.8MPa、モールド厚0.8mm及びモールド幅12.7mmの条件でスパイラルフローモールドを用いて成形される場合に、スパイラルフロー長は約5.0cm~約10.0cmである。1つの実施形態において、組成物が、バレル温度238℃、溶融温度246℃、成形圧力13.8MPa、モールド厚0.8mm及びモールド幅12.7mmの条件でスパイラルフローモールドを用いて成形される場合に、スパイラルフロー長は約4.0cm~約9.0cmである。1つの実施形態において、組成物が、バレル温度238℃、溶融温度246℃、成形圧力13.8MPa、モールド厚0.8mm及びモールド幅12.7mmの条件でスパイラルフローモールドを用いて成形される場合に、スパイラルフロー長は約4.0cm~約8.0cmである。1つの実施形態において、組成物が、バレル温度238℃、溶融温度246℃、成形圧力13.8MPa、モールド厚0.8mm及びモールド幅12.7mmの条件でスパイラルフローモールドを用いて成形される場合に、スパイラルフロー長は約4.0cm~約7.0cmである。1つの実施形態において、組成物が、バレル温度238℃、溶融温度246℃、成形圧力13.8MPa、モールド厚0.8mm及びモールド幅12.7mmの条件でスパイラルフローモールドを用いて成形される場合に、スパイラルフロー長は約5.0cm~約7.0cmである。
【0067】
加工中にセルロースエステル組成物を安定化させるために、塩安定剤をセルロースエステル組成物中に取り込むことができる。塩安定剤のカチオン成分は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、銅、セリウム、アンチモン、ニッケル、コバルト、マンガン、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ、カドミウム、クロム及び鉄カチオンから選ばれ、そして塩安定剤のアニオン成分は、(C6-20)脂環式カルボン酸、(C2-20)アルキルカルボン酸又は(C6-20)アルケニルカルボン酸である。(C6-20)脂環式カルボン酸、(C6-20)アルキルカルボン酸又は(C6-20)アルケニルカルボン酸の例としては、ナフテン酸、アビエチン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンプロピオン酸、3-メチル-シクロペンチル酢酸、4-メチルシクロヘキサンカルボン酸、2,2,6-トリメチルシクロヘキサンカルボン酸、2,3-ジメチルシクロペンチル酢酸、2-メチルシクロペンチルプロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などが挙げられる。塩安定剤の例としては、ナフテン酸ストロンチウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、アビエチン酸銅、アビエチン酸マグネシウム、酢酸チタン、プロピオン酸チタン、酪酸チタン、酢酸アンチモン、プロピオン酸アンチモン、酪酸アンチモン、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酪酸亜鉛、酢酸スズ、プロピオン酸スズ、酪酸スズ、2-エチルヘキシルアミン、ビス(2-エチルヘキシル)アミン、テトラブチルホスホニウムブロミド、ドデシルジメチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、テトラメチルグアニジン、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、2-エチルイミダゾール、DBU/2-エチルヘキサン酸、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミネートラクテート、ビスマスオクトエート、カルシウムオクトネート、セリウムナフテネート、クロム(III)2-エチルヘキサノエート、コバルトオクトエート、銅IIアセチルアセトネート、鉄(III)アセチルアセトネート、マンガンナフテネート、ニッケルアセチルアセトネート、オクタン酸第一スズ、酢酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトネート、オクタン酸亜鉛、オクタン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0068】
1つの実施形態において、セルロースエステル組成物は、組成物の総質量を基準として約0.005wt%~約0.25wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。1つの実施形態において、セルロースエステル組成物は、組成物の総質量を基準として約0.005wt%~約0.2wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。1つの実施形態において、セルロースエステル組成物は、組成物の総質量を基準として約0.005wt%~約0.15wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。1つの実施形態において、セルロースエステル組成物は、組成物の総質量を基準として約0.005wt%~約0.1wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。1つの実施形態において、セルロースエステル組成物は、組成物の総質量を基準として約0.05wt%~約0.15wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。1つの実施形態において、セルロースエステル組成物は、組成物の総質量を基準として約0.005wt%~約0.05wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。
【0069】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として0~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.3~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.4~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.5~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.6~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.7~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.8~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.8wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.6wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.4wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0070】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンは、Ultranox(商標)626の商品名で販売されている。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0071】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0072】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0073】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0074】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.3~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0075】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0076】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.4~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0077】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0078】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.5~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいては、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0079】
この実施形態の1つのクラスにおいては、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0080】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.6~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0081】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0082】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.7wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0083】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0084】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.6wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0085】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0086】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.5wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0087】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0088】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.4wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0089】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0090】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.3wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0091】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0092】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.3~約0.7wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0093】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0094】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.3~約0.6wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである。
【0095】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0096】
1つの実施形態において、組成物は、3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである二次酸化防止剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいては、組成物はエポキシ化脂肪酸エステルである酸捕捉剤をさらに含む。
【0097】
この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。このクラスの1つのサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。このサブクラスの1つのサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。このサブサブクラスの1つのサブサブサブクラスにおいて、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤をさらに含む。
【0098】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.4~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.6~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.8~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約1.0~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約1.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約1.4~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約1.6~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約1.8~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約1.8wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約1.6wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約1.4wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約1.2wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約1.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約0.8wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約0.6wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約0.4wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.4~約1.8wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.6~約1.6wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.8~約1.4wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.8~約1.2wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。
【0099】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤、及び、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.1wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。
【0100】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤、及び、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.1wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。
【0101】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤、及び、組成物の総質量を基準として0~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.1wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。
【0102】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約0~約1.0wt%の範囲の一次酸化防止剤、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤、及び、組成物の総質量を基準として0~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.5wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。この実施形態の1つのクラスにおいて、組成物は約0.01wt%~約0.1wt%の範囲の塩安定剤をさらに含む。
【0103】
実施形態において、本発明において利用されるセルロースエステルは当該分野において公知のいかなるものであってもよい。本発明に用いることができるセルロースエステルは、一般に、以下の構造の繰り返し単位を含む。
【0104】
【化1】
【0105】
上式中、R、R及びRは、水素、又は、2~10個の炭素原子を有する直鎖アルカノイルからなる群より独立して選ばれる。セルロースエステルについて、置換レベルは、通常、置換度(DS)で表され、これは無水グルコース単位(AGU)当たりの非OH置換基の平均数である。一般に、従来のセルロースは各AGU単位に置換可能な3つのヒドロキシル基を含み、したがって、DSは0~3の値であることができる。しかしながら、低分子量セルロース混合エステルは、末端基の寄与のために3をわずかに上回る総置換度を有することができる。天然セルロースは、パルプ化及び精製後でさえも250~5,000の重合度を有する大きな多糖であり、したがって最大DSが3.0であるという仮定はほぼ正しい。しかしながら、低分子量セルロース混合エステルと同様に、重合度が低下するにつれて、多糖主鎖の末端基は比較的より有意になり、それによって3.0を超える範囲のDSをもたらしうる。低分子量セルロース混合エステルは本開示において後により詳細に議論される。DSは統計的平均値であるため、値1はすべてのAGUが単一の置換基を持つことを保証するものではない。幾つかの場合において、非置換無水グルコース単位は存在し、幾つかは2つの置換基を含みそして幾つかは3つの置換基を含むことができ、そして典型的にはその値は非整数であろう。全DSは、無水グルコース単位当たりの全ての置換基の平均数として定義される。AGU当たりの置換度はまた、例えば、ヒドロキシル、アセチル、ブチリル又はプロピオニルなどの特定の置換基を指すこともできる。
【0106】
1つの実施形態において、セルロースエステルは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースイソブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートイソブチレート、セルロースプロピオネートブチレート又はセルロースプロピオネートイソブチレートから選ばれる。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースプロピオネートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースブチレートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースイソブチレートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテートプロピオネートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテートブチレートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテートイソブチレートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースプロピオネートブチレートである。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースプロピオネートイソブチレートである。
【0107】
この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートから選ばれる。
【0108】
この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート又はセルロースアセテートブチレートから選ばれる。
【0109】
この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテート又はセルロースアセテートプロピオネートから選ばれる。
【0110】
セルロースエステルは、当該技術分野において公知のいずれかの方法によって製造することができる。セルロースエステルを製造する方法の例は、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology、5th Edition, Vol.5,Wiley-Interscience, New York(2004), 、pp.394-444に教示されている。セルロースエステルを製造するための出発材料であるセルロースは、とりわけ、コットンリンター、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、トウモロコシ繊維及び他の農業用原料、ならびにバクテリアセルロースからのものなどの異なるグレード及び原料で得ることができる。
【0111】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として0~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む。衝撃改質剤は、セルロースエステル組成物の衝撃強度を増大させることが判明しているいかなる材料であってもよい。本発明の目的のために、耐衝撃性改良剤は、その組成物の少なくとも一部が室温より低いガラス転移温度(Tg)を有するエラストマーである任意の材料として定義される。Tgは、例えば、TA 2100 Thermal Analyst Instrumentを用いて20℃/分の走査速度を用いてASTM D3418に従って測定することができる。幾つかのクラスの耐衝撃性改良剤はこの記述に適合する。
【0112】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤は変性ポリオレフィンである。このクラスにおいて、オレフィンは、ポリマーの結晶化を制限しそして室温未満のTgを有する鎖の量を増加させそして500MPa未満に弾性率を減少させる追加のモノマーと共重合される。変性オレフィンの例としては、EMA(例としてはElvaloy 4051、Lotader 3410及びLotader 8900が挙げられる)、EBA、EVA(例としてはLevamelt500、Levamelt600、Levamelt700、Levamelt800、Elvax 40W、Evatane28-40、Evatane40-55,Evatane 18-150、Bynel E418及びBynel 3101)、EEA、EPDM(例としてはRoyaltuf 498
が挙げられる)、EPRなどが挙げられる。
【0113】
実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤は、鎖の少なくとも1つのセグメントがソフトセグメントと呼ばれる室温未満のTgを有し、そして鎖の少なくとも1つのセグメントがハードセグメントと呼ばれる室温を上回るTg又はTmを有するブロックコポリマーである。これらのブロックコポリマーは一般に熱可塑性エラストマー(TPE)とも呼ばれる。このクラスのブロックコポリマーの例としては、SBS、SEBS及びSISなどのスチレン系材料(例としては、Kraton G1657MS、Kraton FG1901 G及びKraton FG1924 Gが挙げられる)、熱可塑性ウレタン(TPU)(例としては、Elastolan 1170Z、Estane 2355、Estane ALR CL87A及びEstane ALR 72Aが挙げられる)、ポリエステル-エーテルコポリマー(例としてはEcdel 9966及びHytrel 3078が挙げられる)又はポリアミド-エーテルコポリマー(例としてはPebax 5533が挙げられる)が挙げられる。
【0114】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤はコア-シェル耐衝撃性改良剤である。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤はMBSコア-シェル耐衝撃性改良剤である。MBSコア-シェル耐衝撃性改良剤の例としては、ブタジエン-スチレンコポリマーからなるコア及びメチルメタクリレート-スチレンコポリマーからなるシェルを有するメタクリレート-ブタジエン-スチレンMBSコア-シェル耐衝撃性改良剤が挙げられる。
【0115】
メタクリレート-ブタジエン-スチレンコアシェルポリマーの例は、限定するわけではないが、米国特許第4,446,585号、同第5,534,594号及び同第6,331580号明細書に記載されたものである。MBSコア-シェル耐衝撃性改良剤は、KanekaからKane Ace B564、ArkemaからClearstrength、DowからParaloid及びEvonikからVisiomerとして得ることができる。
【0116】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤はABSコア-シェル耐衝撃性改良剤である。ABSコア-シェル耐衝撃性改良剤の例としては、ブタジエン-スチレンコポリマーからなるコア及びアクリロニトリル-スチレンコポリマーからなるシェルを有するアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンABSコア-シェル耐衝撃性改良剤が挙げられる。
【0117】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤はコアシェル型耐衝撃性改良剤であり、これは約75~99.8wt%の(C1-6)アルキルアクリレート、0.1~5wt%の架橋性モノマー及び0.1~5wt%のグラフト結合性モノマーを含むモノマー系から重合された第一のエラストマー相、約25~95wt%、及び、前記エラストマー相の存在下に重合された、エポキシ基を含まない最終硬質熱可塑性相、約75~5wt%、を含むアクリル系耐衝撃性改良剤である。
【0118】
有用なアクリレートの例はメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートなどである。幾つかの実施形態において、アクリレートはn-ブチルアクリレート及びエチルアクリレートである。
【0119】
アクリルコアシェルポリマーの例は、限定するわけではないが、米国特許第3,448,173号、同第3,655,825号及び同第3,853,968号明細書に記載されたものである。適切なアクリル系耐衝撃性改良剤の例は、KanekaからのKane Ace ECO 100、ArkemaからのDurastrength、DuPontからのElvaloy及びElvaloy HP、ならびにDowからのParaloidである。
【0120】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤は中性の酸性度を有する。これは、組成物の溶融加工中にセルロースエステルが分解するのを防ぐのに役立つと考えられる。
【0121】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤の屈折率(RI)はセルロースエステルの屈折率に十分に近く、それにより、高い透過率及び低い曇り度を有する組成物を提供する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤は、透明な組成物を提供するために約1.46~1.50のセルロースエステルのRIに近いRIを有するアクリル系耐衝撃性改良剤である。
【0122】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤及びセルロースエステル成分は、約0.006~約-0.0006の屈折率の差、RI(第二の成分)-RI(第一の成分)を有し、不混和性ブレンドは少なくとも75%のパーセント透過率、及び、10%未満の曇り度を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤及びセルロースエステル成分は、約0.006~約-0.0006の屈折率の差、RI(第二の成分)-RI(第一の成分)を有し、不混和性ブレンドは、少なくとも75%のパーセント透過率、及び、5%未満の曇り度を有する。
【0123】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は少なくとも75%のパーセント透過率を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は、少なくとも80%のパーセント透過率を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は少なくとも85%のパーセント透過率を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は少なくとも90%のパーセント透過率を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は少なくとも95%のパーセント透過率を有する。
【0124】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は、10%未満のパーセント曇り度を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は、8%未満のパーセント曇り度を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は、6%未満のパーセント曇り度を有する。この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤をさらに含む組成物は、5%未満のパーセント曇り度を有する。
【0125】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤は、非反応性耐衝撃性改良剤もしくは反応性耐衝撃性改良剤のいずれか、又は両方の組み合わせであることができる。使用される耐衝撃性改良剤はまた、セルロースエステル組成物の機械的及び物理的性質を改良することができる。
【0126】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤は非反応性耐衝撃性改良剤であり、ここで、耐衝撃性改良剤は他のポリマー鎖セグメントよりもセルロースエステルと化学的又は物理的に適合性がある第一のポリマー鎖セグメントを含む。
【0127】
非反応性耐衝撃性改良剤の例としては、限定するわけではないが、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪酸、ポリエチレンビニルアセテート、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとのブロックポリマー、エチレン/プロピレンターポリマー、官能化ポリオレフィン、ポリグリセロールエステル、多糖類エステル及びソルビタンエステルが挙げられる。エトキシル化アルコールの例はC11-C15第二級アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル及びエチレンオキシドでエトキシル化されたC12-C14天然直鎖アルコールである。C11-C15第二級エトキシレートは、Dow Chemical CompanyからDow Tergitol(登録商標)15Sとして入手することができる。ポリオキシエチレンセチルエーテル及びポリオキシエチレンステアリルエーテルは、Brij(登録商標)シリーズの製品としてICI Surfactantsから入手することができる。エチレンオキシドでエトキシル化されたC12-C14天然直鎖アルコールは、Genapol(登録商標)シリーズの製品としてHoechst Celaneseから入手することができる。エトキシル化アルキルフェノールの例としては、オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール及びノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールが挙げられる。オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールは、RhodiaからIgepal(登録商標)CAシリーズの製品として入手でき、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールは、RhodiaからIgepal COシリーズの製品として、又は、Dow Chemical CompanyからTergitol(登録商標)NPとして入手できる。エトキシル化脂肪酸としては、Nopalcol(登録商標)シリーズの製品としてHenkelから入手可能であるポリエチレングリコールモノステアレート又はモノラウレートを挙げることができる。プロピレンオキシド及びエチレンオキシドのブロックポリマーは、BASFからPluronic(登録商標)シリーズの製品として入手することができる。ポリグリセロールエステルは、Drewpol(登録商標)シリーズの製品としてStepanから入手することができる。多糖類エステルは、HenkelからGlucopon(登録商標)シリーズの製品として入手することができ、これはアルキルポリグルコシドである。ソルビタンエステルは、Tween(登録商標)シリーズの製品としてICIから入手することができる。
【0128】
非反応性耐衝撃性改良剤は、セルロースエステル適合性化合物を反応させることによってセルロースエステル組成物中でその場で合成することができる。これらの化合物は、例えば、それらの反応性末端基を介してさらなる重合又は他の反応に入ることができるプレポリマーとして定義されるテレケリックオリゴマーであることができる。本発明の1つの実施形態において、これらのその場での耐衝撃性改良剤は、約10,000~約1,000,000のより高い分子量を有することができる。
【0129】
この実施形態の1つのクラスにおいて、耐衝撃性改良剤は反応性であることができる。反応性耐衝撃性改良剤は、組成物の1つの成分と適合性のあるポリマー又はオリゴマー、及び、組成物の別の成分と反応することができる官能基を含むことができる。使用できる反応性耐衝撃性改良剤には2つのタイプがある。第一の反応性耐衝撃性改良剤は、セルロースエステルと適合性がありそしてまたセルロースエステルと反応することができる官能基を有する炭化水素鎖を有する。そのような官能基としては、限定するわけではないが、カルボン酸、酸無水物、酸塩化物、エポキシド及びイソシアネートが挙げられる。このタイプの反応性耐衝撃性改良剤の具体例としては、限定するわけではないが、以下のものが挙げられる:ステアリン酸(オクタデカン酸)などの長鎖脂肪酸、ステアロイルクロリド(オクタデカノイルクロリド)などの長鎖脂肪酸クロリド、無水ステアリン酸(無水オクタデカン酸)などの長鎖脂肪酸無水物、エポキシ化油及び脂肪酸エステル、スチレン無水マレイン酸コポリマー、無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、無水マレイン酸とオレフィン及び/又はアクリル酸エステルとのコポリマー、例えば、エチレン、アクリル酸エステル及び無水マレイン酸のターポリマー、及び、メタクリル酸グリシジルとオレフィン及び/又はアクリル酸エステルとのコポリマー、例えば、エチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸グリシジルのターポリマー。
【0130】
反応性耐衝撃性改良剤は、Sartomer / Cray ValleyからのSMA(登録商標)3000スチレン無水マレイン酸コポリマー、Eastman Chemical CompanyからのEastman G―3015(登録商標)無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、Westlake Chemicalから入手されるEpolene(登録商標)E-43無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、Arkemaから入手される、エチレン、アクリル酸エステル及び無水マレイン酸のランダムターポリマーであるLotader(登録商標)MAH 8200、エチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸グリシジルのランダムターポリマーであるLotader(登録商標)GMA AX 8900、及び、エチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸グリシジルのランダムターポリマーであるLotader(登録商標)GMA AX 8840。
【0131】
変性ポリオレフィン耐衝撃性改良剤は、Lotader, Fusabond, Elvloy PTW, Lotryl, Elvaloy AC, InterLoyとして入手することができる。
【0132】
第二のタイプの反応性耐衝撃性改良剤は、セルロースエステルと適合性でありそしてまたセルロースエステルと反応することができる官能基を有する極性鎖を有する。これらのタイプの反応性耐衝撃性改良剤の例としては、オレフィン又はチオール官能基を有するセルロースエステル又はポリエチレングリコールが挙げられる。オレフィン官能基を有する反応性ポリエチレングリコール耐衝撃性改良剤としては、限定するわけではないが、ポリエチレングリコールアリルエーテル及びポリエチレングリコールアクリレートが挙げられる。チオール官能基を有する反応性ポリエチレングリコール耐衝撃性改良剤の例としてはポリエチレングリコールチオールが挙げられる。反応性セルロースエステル耐衝撃性改良剤の例としてはメルカプトアセテートセルロースエステルが挙げられる。
【0133】
1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約1wt%~約50wt%の少なくとも1つの追加のポリマー成分をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約75wt%の少なくとも1つの追加のポリマー成分をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約50wt%の少なくとも1つの追加のポリマー成分をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約40wt%の少なくとも1つの追加のポリマー成分をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約30wt%の少なくとも1つの追加のポリマー成分をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約20wt%の少なくとも1つの追加のポリマー成分をさらに含む。1つの実施形態において、組成物は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約10wt%の少なくとも1つの追加のポリマー成分をさらに含む。追加のポリマー成分の適切な例としては、限定するわけではないが、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、他のセルロースエステル、セルロースエーテル、ポリスチレンコポリマー、スチレンアクリロニトリルコポリマー、ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリル系コポリマー、ポリ(エーテル-イミド)、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド/スルホン、ポリ(エステル-カーボネート)、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート、ポリスルホンエーテル、及び、芳香族ジヒドロキシ化合物のポリ(エーテル-ケトン)又は前述のポリマーのいずれかの混合物。
【0134】
本発明で利用される可塑剤は、溶融加工特性を改良するためにセルロースエステルのガラス転移温度及び/又は溶融粘度を低下させることができる当該技術分野で知られているいかなるものであってもよい。可塑剤は、セルロースエステルと共に使用するのに適したいずれの可塑剤であってもよい。可塑剤レベルは、セルロースエステルのための通常の(又は典型的な)可塑剤レベルより低くすべきであり、それにより、組成物は完全可塑化セルロースエステル組成物よりも高いTg、良好な靭性及び良好な流動性を有するようになる。可塑剤は、可塑剤を含まない同様の組成物と比較してセルロースエステル組成物のTgを120℃未満に低下させない量で存在する。
【0135】
1つの実施形態において、可塑剤は存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを20%を超えて低下させないレベルで存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを15%を超えて低下させないレベルで存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを10%を超えて低下させないレベルで存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを8%を超えて低下させないレベルで存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを6%を超えて低下させないレベルで存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを4%を超えて低下させないレベルで存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを2%を超えて低下させないレベルで存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は組成物のTgを1%を超えて低下させないレベルで存在する。
【0136】
1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として20wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として18wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として16wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として14wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として12wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として10wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として8wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として6wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として5wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として4wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として3wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として1wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は組成物の総質量を基準として0.5wt%未満で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約20wt%の範囲で存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルは酢酸セルロースである。1つの実施形態において、可塑剤は、組成物の総質量を基準として約0wt%~約5wt%の範囲で存在する。この実施形態の1つのクラスにおいて、セルロースエステルはセルロースアセテートプロピオネート又はセルロースアセテートブチレートである。1つの実施形態において、可塑剤は、組成物の総質量を基準として約5wt%~約10wt%の範囲で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は、組成物の総質量を基準として約10wt%~約15wt%の範囲で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は、組成物の総質量を基準として約8wt%~約12wt%の範囲で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は、組成物の総質量を基準として約15wt%~約20wt%の範囲で存在する。1つの実施形態において、可塑剤は存在しない。
【0137】
可塑剤は、構造的にモノマー又はポリマーのいずれかであることができる。1つの実施形態において、可塑剤は、芳香族リン酸エステル系可塑剤、アルキルリン酸エステル系可塑剤、ジアルキルエーテルジエステル系可塑剤、トリカルボン酸エステル系可塑剤、ポリマーポリエステル系可塑剤、ポリグリコールジエステル系可塑剤、ポリエステル樹脂系可塑剤、芳香族ジエステル系可塑剤、芳香族トリエステル系可塑剤、脂肪族ジエステル系可塑剤、カーボネート系可塑剤、エポキシ化エステル系可塑剤、エポキシ化オイル系可塑剤、ベンゾエート系可塑剤、ポリオールベンゾエート系可塑剤、アジペート系可塑剤、フタレート系可塑剤、グリコール酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、水酸基官能可塑剤又は固体の非結晶性樹脂可塑剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0138】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、トリエチルシトレート、トリ-n-ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチル-トリ-n-ブチルシトレート及びアセチル-トリ-n-(2-エチルヘキシル)シトレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート又はトリエチレングリコールジベンゾエートから選ばれる。
【0139】
本発明のこの実施形態のクラスにおいて、可塑剤は、(i)フタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、コハク酸、安息香酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、酪酸、グルタル酸、クエン酸又はリン酸のうちの1種以上から選ばれる酸残基、及び、(ii)それぞれ約20個以下の炭素原子を含有する脂肪族、脂環式又は芳香族アルコールのうちの1種以上の残基から選ばれるアルコール残基から合成されるエステルである。
【0140】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤はアルコール残基を含み、該アルコール残基はステアリルアルコール、ラウリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール及びジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1つである。
【0141】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤はベンゾエート、フタレート、ホスフェート、アリーレン-ビス(ジアリールホスフェート)又はイソフタレートから選ばれる。この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤はジエチレングリコールジベンゾエート(本明細書では「DEGDB」と略記する)を含む。
【0142】
この実施形態の1つのクラスにおいては、可塑剤はC2-10二酸残基及びC2-10ジオール残基を含む脂肪族ポリエステルから選ばれる。そのようなC2-10二酸残基の例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸が挙げられる。そのようなC2-10ジオール残基の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ペンチレングリコール、トリエチレングリコール又はテトラエチレングリコールが挙げられる。
【0143】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤はポリグリコールである。ポリグリコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリブチレングリコールが挙げられる。これらは、低分子量の二量体及び三量体から高分子量のオリゴマー及びポリマーまでの範囲であることができる。ポリグリコールの分子量は約200~約2000ダルトンの範囲であることができる。
【0144】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤はResoflex(登録商標)R296可塑剤、Resoflex(登録商標)804可塑剤、SHP(ソルビトールヘキサプロピオネート)、XPP(キシリトールペンタプロピオネート)、XPA(キシリトールペンタアセテート)、GPA(グルコースペンタアセテート)、GPP(グルコースペンタプロピオネート)又はAPP(アラビトールペンタプロピオネート)から選ばれる。
【0145】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は以下の1つ以上を含む:A)約5~約95wt%のC-C12炭水化物有機エステル、ここで、該炭水化物は約1~約3個の単糖単位を含む、及びB)約5~約95wt%のC-C12ポリオールエステル、ここで、該ポリオールはC又はC炭水化物に由来する。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ポリオールエステルはポリオールアセテートを含まない又は含有しない。
【0146】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は少なくとも1つの炭水化物エステルを含み、該炭水化物エステルの炭水化物部分はグルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、アラビノース、ラクトース、フルクトース、ソルボース、スクロース、セロビオース、セロトリオース及びラフィノースからなる群より選ばれる1つ以上の化合物に由来する。
【0147】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は少なくとも1つの炭水化物エステルを含み、該炭水化物エステルの炭水化物部分はα-グルコースペンタアセテート、β-グルコースペンタアセテート、α-グルコースペンタプロピオネート、β-グルコースペンタプロピオネート、α-グルコースペンタブチレート及びβ-グルコースペンタブチレートのうちの1種以上を含む。
【0148】
この実施形態のクラスにおいて、可塑剤は少なくとも1つの炭水化物エステルを含み、該炭水化物エステルの炭水化物部分はα-アノマー、β-アノマー又はそれらの混合物を含む。
【0149】
この実施形態のクラスにおいて、可塑剤はプロピレングリコールジベンゾエート、グリセリルトリベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート又はポリエチレングリコールジベンゾエートから選ばれる。
【0150】
この実施形態の1つのクラスにおいて、可塑剤は固体の非結晶性樹脂であることができる。これらの樹脂はいくらかの量の芳香族又は極性官能基を含むことができ、そしてセルロースエステルの溶融粘度を低下させることができる。樹脂としてはロジン、水素化ロジン、安定化ロジン及びそれらの単官能アルコールエステル又はポリオールエステル、マレイン酸及びフェノール変性ロジン及びそれらのエステルを含むが、これらに限定されない変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、クマリン-インデン樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール-アセチレン樹脂及びフェノール-ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。
【0151】
この実施形態のクラスにおいて、可塑剤はトリアセチン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルシトレート、アセチルトリメチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリブチル-o-アセチルシトレート、ジブチルフタレート、ジアリールフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジ-2-メトキシエチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジブチルタートレート、エチルo-ベンゾイルベンゾエート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、n-エチルトルエンスルホンアミド、o-クレジルp-トルエンスルホネート、芳香族ジオール、置換芳香族ジオール、芳香族エーテル、トリプロピオニン、トリベンゾイン、ポリカプロラクトン、グリセリン、グリセリンエステル、ジアセチン、グリセロールアセテートベンゾエート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールジエステル、ジ-2-エチルヘキシルポリエチレングリコールエステル、グリセロールエステル、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリジノン、C-C20ジカルボン酸エステル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジ-ブチル、マレイン酸ジ-オクチル、モノ酢酸レゾルシノール、カテコール、カテコールエステル、フェノール、エポキシ化大豆油、ヒマシ油、アマニ油、エポキシ化アマニ油、他の植物油、他の種子油、ポリエチレングリコールに基づく二官能グリシジルエーテル、γ-バレロラクトン、アルキルホスフェートエステル、アリールホスフェートエステル、リン脂質、オイゲノール、シンナミルアルコール、樟脳、メトキシヒドロキシアセトフェノン、バニリン、エチルバニリン、2-フェノキシエタノール、グリコールエーテル、グリコールエステル、グリコールエステルエーテル、ポリグリコールエーテル、ポリグリコールエステル、エチレングリコールエーテル、プロピレングリコールエーテル、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、ポリプロピレングリコールエステル、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、ナプロキセン、イミダゾール、トリエタノールアミン、安息香酸、安息香酸ベンジル、サリチル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、プロピル-4-ヒドロキシベンゾエート、メチル-4-ヒドロキシベンゾエート、エチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ベンジル-4-ヒドロキシベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ソルビトール、キシリトール、エチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、トリアジン、トリアゾール又はピロールから選ばれる。
【0152】
1つの実施形態において、組成物は可塑剤を含まない。
【0153】
1つの実施形態において、組成物は溶融加工性である。溶融加工性は、一般に、均質なペレット又はプラスチック物品を得るために材料の分解温度未満でその材料を熱加工することができる能力を指す。例えば、記載の組成物は、250rpmのスクリュー速度及び240℃のバレル温度で35ポンド/時の処理量でWerner&Pflerderer 30mm二軸スクリュー押出機で溶融押出することができ、Toyo 110射出成形機で、240℃のバレル温度、160°Fのモールド温度で、分子量又は色の劣化を最小限に抑えて射出成形することができる。
【0154】
1つの実施形態において、組成物は、ASTM D4440に従って1rad/秒~400rad/秒の周波数走査を用いて、直径25mmのパラレルプレート、1mmギャップ及び10%歪みでRheometrics Dynamic Analyzer(RDA II)などのプレート-プレートメルトレオメーターによって測定されたときに、240℃及び400rad/sで10,000 1/s以下の溶融粘度を有する。
【0155】
1つの実施形態において、セルロースエステル組成物は、離型剤、帯電防止剤、白色化剤、着色剤、流動助剤、加工助剤、防曇添加剤、鉱物、UV安定剤、滑剤、連鎖延長剤、核形成剤、強化充填剤、木材又はフラワーフィラー、ガラス繊維、炭素繊維、難燃剤、染料、顔料、着色剤、追加の樹脂及びそれらの組み合わせを含む群から選ばれる少なくとも1種の添加剤をさらに含む。
【0156】
物品
本発明の組成物は成形品に成形することができる。1つの実施形態において、成形品は、射出成形品、押出成形品、回転成形品、圧縮成形品、ブロー成形品、射出ブロー成形品、射出延伸ブロー成形品、押出ブロー成形品、シート又はフィルム押出成形品、異形押出成形品、ガスアシスト成形品、構造用フォーム成形品又は熱成形品から選ぶことができる。
【0157】
1つの実施形態において、成形品は、透明品、シースルー品、薄肉品、技術品(例えば、複雑なデザインを有する物品)、高いデザイン仕様を有する物品、複雑なデザイン物品、モールドから製造される物品であって典型的な成形作業又は条件下に充填するのが困難である物品、着用物品、身体接触物品、容器(身体接触を意図する材料用の容器を含む)、食品接触物品、家庭用物品、一般消費者物品、包装物品、医療用物品又はそれらの構成要素から選ばれる。
【0158】
1つの実施形態において、透明又はシースルー物品は、電子ディスプレイ、電子ディスプレイレンズ又は窓、電子ディスプレイカバー、眼科用デバイス、眼科用レンズ、眼科用フレーム、サングラス、サングラスレンズ、自動車内装部品、照明デバイス、LEDライト、照明カバー、ヘッドライトカバー又はエンクロージャ、電化製品部品、スポーツ用品、乗物部品、計装部品、計装カバー、計時デバイス部品、パーソナルデバイス、パーソナル電子デバイス、医療用デバイス、パーソナル保護デバイス、安全デバイス、ツール、ガード、オフィス供給デバイス、キッチンデバイス、台所用品、カトラリー、ガラス製品、バー用品、アーティスト供給デバイス、装飾品、包装又はそれらの構成要素から選ぶことができる。
【0159】
1つの実施形態において、薄肉物品は、食品包装物品(例えば食品容器及び蓋)、自動車又は他の乗物用物品(例えば、構造用及び非構造用の両方の自動車部品)、移動体通信又はハンドヘルド電子物品(例えば、携帯電話ハウジング)、医療用物品(例えば、注射器)、コンピュータ機器用物品(例えば、コンピュータハウジング)、電子デバイス、電子部品、電子ハウジング、電子カバー、電子デバイスのスクリーン、タッチスクリーン、スクリーンもしくはタッチスクリーン用カバー、自動車もしくはその他の輸送用部品又はそれらの構成要素から選ぶことができる。
【0160】
1つの実施形態において、技術的物品、高いデザイン仕様を有する物品、複雑なデザイン物品及び成形が困難な物品は、輸送又は自動車部品、電気/電子機器部品、香料又は化粧品容器、眼科用物品、照明デバイス、計時デバイス、医療用デバイス又はそれらの構成要素から選ぶことができる。
【0161】
1つの実施形態において、着用物品又は身体接触物品は、眼鏡フレーム、眼鏡レンズ、サングラスフレーム、サングラスレンズ、ゴーグル、ウェアラブル電子機器、ヘッドフォン、時計、パーソナルデバイス、パーソナル電子機器、医療用デバイス、パーソナル保護デバイス、安全デバイス、宝石類、ウォータースポーツ用品又はそれらの構成要素から選ぶことができる。
【0162】
1つの実施形態において、家庭用品又は一般消費者物品は、台所用品、バー用品、屋外用家具、玩具、ラゲッジ、家電製品、小型家電製品、収納容器、オフィス供給品、浴室デバイス又は備品、ツール、ホームエレクトロニクス又はそれらの構成要素から選ぶことができる。
【0163】
1つの実施形態において、包装物品は、包装システム、製品包装品、容器、薄肉カップ、ビーカー、バケツ、ペイル、折り畳み箱、クレート又はそれらの構成要素から選ぶことができる。
【0164】
1つの実施形態において、医療用物品又はデバイスは、使い捨て商品、注射器、チューブ、器具、器具類、ハンドル、医療用包装品、医療用容器、ハウジング又はそれらの構成要素から選ぶことができる。
【実施例
【0165】
以下の実施例によって本発明をさらに説明することができるが、これらの実施例は単に例示の目的のために含まれており、他に特に示さない限り本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0166】

本発明は、その実施形態の以下の実施例によってさらに説明することができる。これらの実施例は単に例示の目的のために含まれており、そして他に特に示されない限り本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0167】
略語
Exは例であり、CAは酢酸セルロースであり、CABはセルロースアセテートブチレートであり、CAPはセルロースアセテートプロピオネートであり、%Hはパーセント曇り度であり、%Tはパーセント透過率であり、Mwは絶対重量平均分子量であり、ΔMw%は絶対重量平均分子量の変化であり、%Hはパーセント曇り度であり、RHは相対湿度であり、℃は摂氏温度であり、minは分であり、°Fは華氏温度であり、Comp Exは比較例であり、Pzは可塑剤であり、Antiox.は酸化防止剤であり、SNMOはAKCROSTAB SN-MOであり、Tempは温度であり、minは分であり、NPPPは、WESTONネオペンチルフェニルホスフィットであり、Primは一次であり、IMは耐衝撃性改良剤であり、Scav.捕捉剤(スカベンジャー)であり、Stab.は安定剤であり、CEはセルロースエステルであり、ozはオンスであり、in/secはインチ/秒であり、sec又はsは秒であり、psiはポンド/平方インチであり、BSPはバレル設定点であり、RTは滞留時間である。
【0168】
組成物を調製するための一般手順
実施例は、セルロースエステル粉末を安定剤、耐衝撃性改良剤及び可塑剤などの添加剤と室温で20分間ホバートミキサー中で予備混合することによって調製した。
【0169】
例1
例1はEastman(商標)CAP 482-20 (18.484lb、92.42wt%)、ECO 100(1.2lb、6.0wt%)、IRGANOX 1010 (0.05lb、0.25wt%)、IRGAFOS168 (0.066lb、0.33wt%)、DRAPEX4.4 (0.194lb、0.97wt%)、SNMO(0.0006lb、0.03wt%)をホバートミキサー中で20分間室温にて混合することにより調製した。
【0170】
一連の組成物を製造し、異なる安定剤の臨界的特性に対して及ぼす効果を決定し、表1の例に記載されたとおりである。これらの例のために使用されたベース材料はEastman(商標)CAP 482-20であった。
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
比較例1は対照であり、そしてCAP 482-20から製造される典型的な可塑化CE 配合物である。比較例2~4は前述した手順を調整することにより調製した。これらの比較例のために使用されたベース材料はEastman(商標)CAP 482-20であった。
【0174】
【表3】
【0175】
ペレット製造
予備混合した材料(例1~13及び比較例1~4)を、次いで、Davis-Standard 32 mm押出機のスロートにフィードし、そしてEastman(商標)CAP 482-20をベースとする組成物に対して、300 rpmのスクリュー速度及び225℃のバレル温度で40lb/時の処理量で配合し、ペレットを製造した。
【0176】
プラーク製造
配合した材料のペレットを、1インチ/秒の射出速度で6.7オンスのバレル容量を有する150トンToyo射出成形機で、2分又は5分の滞留時間、80℃のモールド温度で、公称249℃(480°F)又は260℃(500°F)のバレル温度を用いて1ショットあたり2つの4インチ×4インチ×0.126(10.2cm×10.2cm×0.32cm)プラークに射出成形した。
【0177】
試験バー製造
配合した材料のペレットを射出成形して、0.5インチ×5インチ×0.125インチ(1.27cm×12.7cm×0.3cm)の標準試験バーを形成した。ペレットを、バレル容量3.4オンスの110トンToyo射出成形機で成形した。配合された材料は典型的に、公称249℃(480°F)のバレル温度及び80℃のモールド温度で1ショット当たり4つの試験バーに1インチ/秒の射出速度で射出成形される。
【0178】
試験方法
サンプルは、下記の特別な条件で標準のASTM試験方法を用いて評価した。
【0179】
【表4】
【0180】
スパイラルフロー
3.2 mm厚バー
スクリュー直径32mmで110トンの型締力を有する往復スクリュー射出成形機に、幅0.50インチ×深さ0.125インチ×長さ60.00インチの寸法を有するらせん形状キャビティを有する水冷コールドランナーモールドを取り付けた。キャビティは、公称直径0.400インチで3度のテーパーを有する長さ3.5インチのコールドスプルー、続いて公称直径0.30インチの長さ1.0インチのコールドランナー、続いて幅0.25インチ×厚さ0.050インチ×長さ0.10インチの矩形ゲートを介してフィードされた。実験範囲に関して制御された変数は、樹脂乾燥、射出ユニットバレル温度、モールド温度、初期射出速度、射出圧力限界、スクリュー回転速度及びスクリュー回復時の背圧、射出時間及びサイクル時間を含んだ。
【0181】
変数の各組み合わせに対して、応答には、ランナーとゲートを除く、らせん形状キャビティ内の実際の溶融温度と溶融移動距離が含まれた。射出プロセスは、各組の条件(典型的には10~15ショット)で安定化させ、次いで10個の成形試験片を平均報告流長のために収集した。
【0182】
すべての材料は、80°Fのモールド温度、1インチ/秒の初期射出速度、1000psiの射出ユニット圧力限界、10秒間の射出時間、38秒間のサイクル時間、0.1インチの最大クッション、150rpmのスクリューの回復回転速度、100psiのスクリューの回復背圧を用いて圧力制御を用いて成形した。
【0183】
0.8 mm厚バー
スクリュー直径32mmで110トンの型締力を有する往復スクリュー射出成形機に、幅0.50インチ×深さ0.030インチ×長さ60.00インチの寸法を有するらせん形状キャビティを有する水冷コールドランナーモールドを取り付けた。キャビティは、公称直径0.400インチで3度のテーパーを有する長さ3.5インチのコールドスプルー、続いて公称直径0.30インチの長さ1.0インチのコールドランナー、続いて幅0.25インチ×厚さ0.030インチ×長さ0.10インチの矩形ゲートを介してフィードされた。実験範囲に関して制御された変数は、樹脂乾燥、射出ユニットバレル温度、モールド温度、初期射出速度、射出圧力限界、スクリュー回転速度及びスクリュー回復時の背圧、射出時間及びサイクルタイムを含んだ。
【0184】
変数の各組み合わせに対して、応答には、ランナーとゲートを除く、らせん形状キャビティ内の実際の溶融温度と溶融移動距離が含まれた。射出プロセスは、各組の条件(典型的には10~15ショット)で安定化させ、次いで10個の成形試験片を平均報告流長のために収集した。
【0185】
すべての材料は、120°Fのモールド温度、1インチ/秒の初期射出速度、2000psiの射出ユニット圧力限界、5秒の射出時間、32秒のサイクル時間、0.2インチの最大クッション、150rpmの圧力回復回転速度及び100psiのスクリュー回復背圧で圧力制御を用いて成形した。
【0186】
試験結果
表4(例1~13及び比較例2)の以下の結果は、配合材料のペレットから成形された4インチ×4インチのプラークを用いて得られた。射出成形条件、ならびに得られたプラークのカラー(L、a、b)、%H及び%Tを提供する。ペレット段階及びプラーク段階で成形された後のセルロースエステルのMwは、%ΔMw(ペレットからプラークまで)と共に提供される。
【0187】
【表5】
【0188】
【表6】
【0189】
表5は、比較例1、3及び4、ならびに例2、3、12及び13についてのノッチ付きアイゾッド、熱変形温度及び曲げ弾性率を提供する。
【0190】
【表7】
【0191】
表6及び7は例12~13及び比較例3のスパイラルフローデータを提供する。
【0192】
【表8】
【0193】
【表9】
【0194】
実施形態
実施形態1.
セルロースエステルを含み、そして場合により可塑剤を含む組成物であって、可塑剤が存在する場合には、可塑剤は組成物の総質量を基準として20wt%未満で存在し、
ここで、前記組成物はASTM D648に従って70℃に4時間付した3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約90℃~約140℃の範囲の熱変形温度(「HDT」)を有し、
ここで、前記組成物を5分間の滞留時間で260℃のバレル温度で射出成形したときに、射出成形による絶対重量平均分子量(「Mw」)の変化は30%未満である、組成物。
【0195】
実施形態2.
前記組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約0.8wt%の範囲の二次酸化防止剤をさらに含む、実施形態1記載の組成物。
【0196】
実施形態3.
前記二次酸化防止剤は3,9-ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンである、実施形態2記載の組成物。
【0197】
実施形態4.
前記組成物は、組成物の総質量を基準として約0.2~約2.0wt%の範囲の酸捕捉剤をさらに含む、実施形態1~3のいずれか1項記載の組成物。
【0198】
実施形態5.
前記組成物の酸捕捉剤はエポキシ化脂肪酸エステルである、実施形態4記載の組成物。
【0199】
実施形態6.
前記組成物は、組成物の総質量を基準として約0.01~約0.5wt%の範囲の塩安定化剤をさらに含む、実施形態1~5のいずれか1項記載の組成物。
【0200】
実施形態7.
前記組成物は、組成物の総質量を基準として約0.1~約15wt%の範囲の耐衝撃性改良剤をさらに含む、実施形態1~6のいずれか1項記載の組成物。
【0201】
実施形態8.
前記セルロースエステルはセルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースイソブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートイソブチレート、セルロースプロピオネートブチレート又はセルロースプロピオネートイソブチレートから選ばれる、実施形態1~7のいずれか1項記載の組成物。
【0202】
実施形態9.
前記セルロースエステルはセルロースアセテートであり、ここで、前記組成物はASTM D648に従って、70℃に4時間付された3.2mm厚のバーを用いて1.82MPaで測定して約95℃~約140℃の範囲の熱変形温度(「HDT」)を有する、実施形態1~7のいずれか1項記載の組成物。
【0203】
実施形態10.
可塑剤は存在しない、実施形態1~9のいずれか1項記載の組成物。
【0204】
実施形態11.
前記可塑剤は組成物の総質量を基準として5wt%未満で存在する、実施形態1~9のいずれか1項記載の組成物。
【0205】
実施形態12.
前記可塑剤は約5wt%~約20wt%の範囲で存在する、実施形態1~9のいずれか1項記載の組成物。
【0206】
実施形態13.
前記組成物が滞留時間5分間で260℃のバレル温度で射出成形されるときに、ASTM E1348に従って、5分間の滞留時間で249℃のバレル温度で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを使用して測定して、b値は15未満である、実施形態1~12のいずれか1項記載の組成物。
【0207】
実施形態14.
ΔE値は25未満であり、ここでΔEは以下の式により決定される、
((L-100)+(a-0)+(b-0)1/2
(上式中、L、a、b値は、249℃のバレル温度で5分間の滞留時間で射出成形された組成物から製造された3.2mmプラークを用いてASTM E1348に従って決定される)、実施形態1~13のいずれか1項記載の組成物。
【0208】
実施形態15.
前記組成物は23℃で50%相対湿度に48時間さらされた3.2mm厚のバーを用いてASTM D256に従って測定して40J/mを超えるノッチ付きアイゾット衝撃強度を有する、実施形態1~14のいずれか1項記載の組成物。
【0209】
実施形態16.
前記組成物は23℃で50%相対湿度に48時間さらされた3.2mm厚のバーを用いてASTM D790に従って測定して1800MPaを超える曲げ弾性率を有する、実施形態1~15のいずれか1項記載の組成物。
【0210】
実施形態17.
前記セルロースエステルは、溶媒としてテトラヒドロフラン及び1mL/分の流速を使用してASTM D5296に従って測定して約40,000Da~約200,000Daの範囲の絶対重量平均分子量を有する、実施形態1~16のいずれか1項記載の組成物。
【0211】
実施形態18.
組成物が238℃のバレル温度、246℃の溶融温度、13.8MPaの成形圧力、0.8mmのモールド厚及び12.7mmのモールド幅の条件でスパイラルフローモールドを用いて成形されるときに、スパイラルフロー長さは約3.0cm~約10.0cmである、実施形態1~17のいずれか1項記載の組成物。
【0212】
実施形態19.
実施形態1~18のいずれか1項記載の組成物を含む成形品。
【0213】
実施形態20.
前記成形品は眼鏡フレームである、実施形態19記載の成形品。
【0214】
実施形態21.
前記成形品はハウジングである、実施態様19記載の成形品。
【0215】
実施形態22.
前記成形品は化粧品容器である、実施形態19記載の成形品。
【0216】
他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示された実施形態の実施から当業者に明らかであろう。開示された実施形態の主旨及び範囲内で変形及び変更が可能であることが理解されよう。明細書及び実施例は例示としてのみ考慮されることをさらに意図しており、開示された実施形態の真の範囲及び主旨は以下によって示される。