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特許7208159取外し可能一体化摩耗リング式羽根車スカート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】取外し可能一体化摩耗リング式羽根車スカート
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/22 20060101AFI20230111BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20230111BHJP
   F04D 1/00 20060101ALI20230111BHJP
   F04D 29/044 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F04D29/22 C
F04D29/60 E
F04D1/00
F04D29/044
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019560309
(86)(22)【出願日】2018-05-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018030432
(87)【国際公開番号】W WO2018204350
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】62/492,602
(32)【優先日】2017-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516039413
【氏名又は名称】フルイド ハンドリング リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー スティーブン ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】マルコス ダニエル ロイミチャー
(72)【発明者】
【氏名】パトリシア デルコート
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第00186243(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0007632(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/22
F04D 29/60
F04D 1/00
F04D 29/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両吸込み型羽根車であって、
吸込み口金アダプタ結合部材を有する羽根車本体と、
前記羽根車本体の前記吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を持つ取外し可能吸込み口金アダプタを有する羽根車吸込み口金であって、それによって、前記取外し可能吸込み口金アダプタが、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる、羽根車吸込み口金と、
を備え、
前記吸込み口金アダプタ結合部材と前記これに対応する吸込み口金アダプタ結合部材が、前記羽根車本体と前記取外し可能吸込み口金アダプタとの間に完全ネジ式取付け部を与えるように構成された噛合せネジ切り面を有する、両吸込み型羽根車。
【請求項2】
前記両吸込み型羽根車が、ネジ切り端を持つセットスクリューを備え、
前記吸込み口金アダプタ結合部材が、前記セットスクリューの前記ネジ切り端を受け入れるように構成されたネジ切り開口を含み、
前記対応する吸込み口金アダプタ結合部材が、前記取外し可能吸込み口金アダプタを前記羽根車本体に結合するために、前記セットスクリューが貫通できるようしかつ前記ネジ切り端部が前記吸込み口金アダプタ結合部材の前記ネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する開口を含む、
請求項1に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項3】
前記両吸込み型羽根車が、ネジ切り端を有するセットスクリューを備え、
前記対応する吸込み口金アダプタ結合部材が、前記セットスクリューの前記ネジ切り端を受け入れるように構成されたネジ切り開口を含み、
前記吸込み口金アダプタ結合部材が、前記取外し可能吸込み口金アダプタを前記羽根車本体に結合するために、前記セットスクリューが貫通できるようにしかつ前記ネジ切り端が前記対応する吸込み口金アダプタ結合部材の前記ネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する開口を含む、
請求項1に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項4】
前記両吸込み型羽根車が、ネジ切り端を持つセットスクリューを含み、前記セットスクリューが、ポンプ媒体の流れに対して垂直に構成される、請求項1に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項5】
前記羽根車本体が、第2吸込み口金アダプタ結合部材を含み、
前記両吸込み型羽根車が、
前記羽根車本体の前記第2吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材を持つ第2取外し可能吸込み口金アダプタを有する第2羽根車吸込み口金であって、前記第2取外し可能吸込み口金アダプタが、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、第2の別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる、第2羽根車吸込み口金、
を備える、
請求項1に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項6】
前記両吸込み型羽根車が、
対応するネジ切り端を有する第2セットスクリューを含み、
前記第2吸込み口金アダプタ結合部材が、前記第2セットスクリューの前記対応するネジ切り端を受け入れるように構成された第2ネジ切り開口を含み、
前記対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材が、前記第2取外し可能吸込み口金アダプタを前記羽根車本体に結合するために、前記第2セットスクリューが貫通できるようにしかつ前記対応するネジ切り端が前記吸込み口金アダプタ結合部材の前記第2ネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する第2開口を含む、
請求項5に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項7】
前記第2吸込み口金アダプタ結合部材と前記対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材が、前記羽根車本体と前記第2取外し可能吸込み口金アダプタとの間に第2完全ネジ式取付け部を与えるように構成された第2噛合せネジ切り面を有する、請求項5に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項8】
前記両吸込み型羽根車が、対応するネジ切り端を有する第2セットスクリューを備え、
前記対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材が、前記第2セットスクリューの前記対応するネジ切り端を受け入れるように構成された第2ネジ切り開口を含み、
前記第2吸込み口金アダプタ結合部材が、前記第2取外し可能吸込み口金アダプタを前記羽根車本体に結合するために、前記第2セットスクリューが貫通できるようにしかつ前記対応するネジ切り端が前記対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材の前記第2ネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する第2開口を含む、
請求項6に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項9】
前記第2セットスクリューがポンプ媒体の流れに対して垂直に構成される、請求項8に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項10】
前記両吸込み型羽根車が、
前記吸込み口金アダプタ結合部材と前記対応する吸込み口金結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成されたガスケット、
を備える、請求項1に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項11】
前記両吸込み型羽根車が、
前記第2吸込み口金アダプタ結合部材と前記対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成された第2ガスケット、
を備える、請求項6に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項12】
前記両吸込み型羽根車が、
前記吸込み口金アダプタ結合部材と前記対応する吸込み口金アダプタ結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成されたOリング、
を備える、請求項1に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項13】
前記両吸込み型羽根車が、
前記第2吸込み口金アダプタ結合部材と前記対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成された第2Oリング、
を備える、請求項6に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項14】
前記取外し可能吸込み口金アダプタと前記第2取外し可能吸込み口金アダプタが、対称形で交換可能な取外し可能吸込み口金アダプタとして構成される、
請求項6に記載の両吸込み型羽根車。
【請求項15】
ポンプであって、
吸込み口金アダプタ結合部材を有する羽根車本体と、
前記羽根車本体の前記吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を持つ取外し可能吸込み口金アダプタを有する羽根車吸込み口金であって、前記取外し可能吸込み口金アダプタが、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる、羽根車吸込み口金と、
を有する、両吸込み型羽根車、
を備え、
前記吸込み口金アダプタ結合部材と前記これに対応する吸込み口金アダプタ結合部材が、前記羽根車本体と前記取外し可能吸込み口金アダプタとの間に完全ネジ式取付け部を与えるように構成された噛合せネジ切り面を有する、ポンプ。
【請求項16】
前記ポンプが遠心ポンプである、請求項15に記載のポンプ。
【請求項17】
吸込み型羽根車であって、
吸込み口金アダプタ結合部材を有する羽根車本体と、
前記羽根車本体の前記吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を持つ取外し可能吸込み口金アダプタを有する羽根車吸込み口金であって、前記取外し可能吸込み口金アダプタが、摩耗又は腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる、羽根車吸込み口金と、
を備え、
前記吸込み口金アダプタ結合部材と前記これに対応する吸込み口金アダプタ結合部材が、前記羽根車本体と前記取外し可能吸込み口金アダプタとの間に完全ネジ式取付け部を与えるように構成された噛合せネジ切り面を有する、吸込み型羽根車。
【請求項18】
前記吸込み型羽根車が両吸込み型羽根車である、請求項17に記載の吸込み型羽根車。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2017年5月1日に提出された仮特許出願第62/492602号(参照によりその全体が本明細書に援用される)に対する利益を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ポンプ、特に羽根車摩耗リングを有する遠心ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
遠心ポンプ内において、羽根車がポンプケーシング内で自由に回転できるようにするために、回転する羽根車と静止するポンプケーシングとの間に小さい隙間スが維持されるように設計される。遠心ポンプの効率を最大にするためには、この隙間を通過する漏出の(ポンプの高圧又は排出側から低圧又は吸込み側へ戻る)量を最小限に抑える必要がある。この隙間を通過する液体の漏出及びその他の原因により、羽根車とポンプケーシングとの間のニアコンタクト点において摩耗及び腐食が生じる。摩耗が生じると、漏出は、受容できない大きさになり、ポンプの保守が必要となる。保守コストを最小限に抑えるために、多くの遠心ポンプが摩耗リングを持つように設計される。摩耗リングは、羽根車及び/又はポンプケーシングに取り付けられる交換可能部品であり、ポンプの耐用期間中定期的に交換されるように設計されて、よりコスト高の部品(即ち、羽根車及び/又はケーシング)の交換を防止する。これによって、実際の羽根車又はケーシングの摩耗を生じることなく、羽根車とポンプケーシングとの間の運転隙間を小さくできる。
【0004】
上述の装置の欠点のいくつかは、下記のことを含む。
【0005】
多くの市場が固有の摩耗リング構成を必要とする。あるものは、全く摩耗リングを必要としないが、その他のものは、ケーシング及び羽根車の両方に摩耗リングを含めたい場合がある。これに対応するために、様々な構成に利用可能な材料の量及びスペースが提供されなければならない。ケーシング及び羽根車における付加的材料は、製造上及び販売上の問題(即ち、鋳込みの問題、重量の増大、製造コストの増大など)を生じる。
【0006】
摩耗リングに伴う別の一般的な問題は、かじり(galling)である。かじりは、2つの金属の運転隙間が密着して、圧送される流体の中の研磨物又は擦れによってバルが生じると発生する。これによって、局部的なホットスポットを生じて、2つの部品を融着させる。
【0007】
例として、特許文献1は、対向する取入れ口金及び摩耗リング(図1に示すのと同様の)と一緒に受け入れられるように作られた対向する外部円筒形部分を持つ羽根車を有する両吸込み単段渦巻ポンプを開示する。摩耗リングは、羽根車シュラウドと対向する外部円筒形部分との間に配列される。外部円筒部分は、羽根車の構成部分を形成し、羽根車本体(これも、図1に示すものと同様である)から取外し又は分解可能ではない。特許文献1は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第4563124号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
要約すると、本発明の目的は、羽根車の摩耗リングを取り除き、その代わりに羽根車自体の取外し可能構成要素と取り換えることである。羽根車摩耗リングが使用される場合、摩耗リングは羽根車吸込み口金の外径に乗る。その代わりに、本明細書においては、摩耗又は腐食が生じたとき吸込み口金を取り外して交換できるように、羽根車を改変することが提案される。羽根車の吸込み口金は、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとなる。これにより、羽根車ケーシング自体の重量が減少し、製造コストが削減される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、羽根車本体及び羽根車吸込み口金を特徴とする両吸込み型羽根車の形式を取ることができる。
【0011】
羽根車本体は、吸込み口金アダプタ結合部材を含むことができる。
【0012】
羽根車吸込み口金は、羽根車本体の吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を有する取外し可能吸込み口金アダプタを含むことができ、取外し可能吸込み口金アダプタは、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。
【0013】
本発明は、下記の特徴の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0014】
両吸込み型羽根車は、ネジ切り端を持つセットスクリューを含むことができる。吸込み口金アダプタ結合部材は、セットスクリューのネジ切り端を受け入れるように構成されたネジ切り開口を含むことができ、対応する取外し可能吸込み口金アダプタは、取外し可能吸込み口金アダプタを羽根車本体に結合するために、セットスクリューが貫通できるようにしかつネジ切り端が吸込み口金アダプタ結合部材のネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する開口を含むことができる。この実施形態において、セットスクリューは、ポンプ媒体の流れ(両吸込み型羽根車の吸込み口金の中へ流れる)に対して平行に構成できる。
【0015】
吸込み口金アダプタ結合部材とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材は、羽根車本体と取外し可能吸込み口金アダプタとの間に完全ネジ式取付け部を与えるように構成された噛合せネジ切り面を含むことができる。
【0016】
両吸込み型羽根車は、ネジ切り端を持つセットスクリューを含むことができる。対応する吸込み口金アダプタ結合部材は、セットスクリューのネジ切り端を受け入れるように構成されたネジ切り開口を含むことができる。吸込み口金アダプタ結合部材は、取外し可能吸込み口金アダプタを羽根車本体に結合するために、セットスクリューが貫通できるようにしかつネジ切り端が対応する吸込み口金アダプタ結合部材のネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する開口を含むことができる。この実施形態において、セットスクリューは、ポンプ媒体の流れに対して垂直に構成できる。
【0017】
羽根車本体は、第2吸込み口金アダプタ結合部材を含むことができる。又、両吸込み型羽根車は、羽根車本体の第2吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材を持つ第2取外し可能吸込み口金アダプタを有する第2羽根車吸込み口金を含むことができ、第2取外し可能吸込み口金アダプタは、摩耗及び腐食が生じたときに取り外して交換でき、別個の第2鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。
【0018】
両吸込み型羽根車は、対応するネジ切り端を持つ第2セットスクリューを含むことができる。第2吸込み口金アダプタ結合部材は、第2セットスクリューの対応するネジ切り端を受け入れるように構成された第2ネジ切り開口を含むことができる。対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材は、第2取外し可能吸込み口金アダプタを羽根車本体に結合するために、第2セットスクリューが貫通できるようにしかつ対応するネジ切り端が吸込み口金アダプタ結合部材の第2ネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する第2開口を含むことができる。この実施形態において、第2セットスクリューは、ポンプ媒体の流れに対して平行に構成できる。
【0019】
第2吸込み口金アダプタ結合部材と対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材は、羽根車本体と第2取外し可能吸込み口金アダプタとの間に第2完全ネジ式取付け部を与えるように構成された第2噛合せネジ切り面を含むことができる。
【0020】
両吸込み型羽根車は、対応するネジ切り端を持つ第2セットスクリューを含むことができる。対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材は、第2セットスクリューの対応するネジ切り端を受け入れるように構成された第2ネジ切り開口を含むことができ、第2吸込み口金アダプタ結合部材は、第2取外し可能吸込み口金アダプタを羽根車本体に結合するために、第2セットスクリューが貫通できるようにしかつ対応するネジ切り端が対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材の第2ネジ切り開口に受け入れられるように構成された対応する第2開口を含むことができる。この実施形態において、第2セットスクリューは、ポンプ媒体の流れに対して垂直に構成できる。
【0021】
両吸込み型羽根車は、吸込み口金アダプタ結合部材とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成されたガスケットを含むことができる。両吸込み型羽根車は、第2吸込み口金アダプタ結合部材とこれに対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成された第2ガスケットも含むことができる。
【0022】
両吸込み型羽根車は、吸込み口金アダプタ結合部材とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成されたOリングを含むことができる。両吸込み型羽根車は、第2吸込み口金アダプタ結合部材とこれに対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材との間に配列されかつ漏出を防止するように構成された第2Oリングも含むことができる。
【0023】
取外し可能吸込み口金アダプタと第2取外し可能吸込み口金アダプタは、対称形で交換可能な取外し可能吸込み口金アダプタとして構成できる。
【0024】
本発明は、本発明に従った羽根車本体及び1つ又は複数の羽根車吸込み口金を有する両吸込み型羽根車を特徴とするポンプの形式を取ることもできる。例えば、羽根車本体は、吸込み口金アダプタ結合部材を含むことができる。1つ又は複数の羽根車吸込み口金は、羽根車本体の吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を有する取外し可能吸込み口金アダプタを含むことができる。取外し可能吸込み口金アダプタは、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。いくつかの実施形態によれば、ポンプは遠心ポンプである。
【0025】
本発明は、本発明に従った羽根車本体及び羽根車吸込み口金を特徴とする吸込み型羽根車の形式を取ることもできる。羽根車本多は、吸込み口金アダプタ結合部材を含むことができる。羽根車吸込み口金は、羽根車本体の吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を有する取外し可能吸込み口金アダプタを含むことができる。取外し可能吸込み口金アダプタは、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。いくつかの実施形態によれば、又、本明細書において開示するものと同様に、吸込み型羽根車は両吸込み型羽根車とすることができる。
【0026】
実際に、本発明のいくつかの実施形態によれば、1つ又は複数の取外し可能で交換可能な吸込み口金アダプタは、例えば本明細書において開示するものと同様の1つ又は複数の取外し可能一体化摩耗リング式羽根車スカートの形式を取ることができる。
【0027】
図面は必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】技術上既知の従来の羽根車摩耗リングの設計を示す。図示するような羽根車摩耗リングを持つ従来の両吸込み型羽根車において、羽根車摩耗リングは、焼き嵌めによって羽根車の吸込み口金の外径に保持される。図1において、羽根車の吸込み口金は、羽根車本体のいずれの側からも取外しできない。
図2】本発明のいくつかの実施形態に従った取外し可能一体化摩耗リング式羽根車スカートを示す。例えば、羽根車吸込み口金は、保守のために交換部品となる取外し可能一体化摩耗リングとなる。
図3】本発明のいくつかの実施形態に従った平行セットスクリュー取付けを示す。例えば、取外し可能一体化摩耗リング式羽根車スカートは、ポンプ媒体の流れに対して平行のセットスクリュー(例えばその他のタイプのボルト)を使用して羽根車の本体に保持される。図に示すように、漏出を防止するためにフラットガスケットが使用される。
図4】本発明のいくつかの実施形態に従った完全ネジ式取付けを示す。
図5】本発明のいくつかの実施形態に従った垂直セットスクリュー取付けを示す。例えば、取外し可能一体化摩耗リング式羽根車スカートは、ポンプ媒体の流れに対して垂直のセットスクリュー(又は他のタイプのボルト)を使用して羽根車本体に保持され、漏出を防止するためにOリングが使用される。
図6】技術上既知の従来の羽根車摩耗リング設計を持つ技術上既知の両吸込み型単段ポンプの例を示す。
図7】技術上既知の片吸込み型羽根車設計の例を示す。
【0029】
図において同様の部品又は構成要素には、一貫性のために同様の参照番号及びラベルを付ける。各要素のためのリード線及び関連する参照ラベルは、全体として図面の乱雑さを抑えるために、全ての図面に含まれるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図2
【0031】
図2は、羽根車本体12及び全体が14、14’として示される1つ又は複数の吸込み口金を特徴とする、全体が10として示される両吸込み型羽根車を示す。
【0032】
羽根車本体12は、吸込み口金アダプタ結合部材18を含むことができる。例として、吸込み口金アダプタ結合部材18は、図3~5に関連して本明細書において開示するものと同様、セットスクリューを受け入れるためのネジ切り開口、ネジ切り噛合い面又はセットスクリューが貫通できるようにする非ネジ切り開口を含むことができる。
【0033】
1つ又は複数の羽根車吸込み口金は、羽根車本体12の吸込み口金アダプタ結合部材18に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材22を持つ取外し可能吸込み口金アダプタ20を有する羽根車吸込み口金14を含むことができる。これによって、取外し可能吸込み口金アダプタ20は、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。例として、吸込み口金アダプタ結合部材18と同様に、対応する吸込み口金アダプタ結合部材22は、図3~5に関連して本明細書において開示するものと同様、セットスクリューを受け入れるためのネジ切り開口、ネジ切り噛合い面又はセットスクリューが貫通できるようにする非ネジ切り開口を含むことができる。
【0034】
図3:平行セットスクリュー取付け
【0035】
例として、図3は、吸込み口金アダプタ結合部材18とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材22との間の、例えば平行セットスクリュー取付けを使用する分解可能結合の実施例を示す。
【0036】
図3において、両吸込み型羽根車10は、ネジ切り端24aを持つセットスクリュー24を含むことができる。吸込み口金アダプタ結合部材18は、セットスクリュー24のネジ切り端24aを受け入れるように構成されたネジ切り開口18aを含むことができる。対応する取外し可能吸込み口金アダプタ22は、取外し可能吸込み口金アダプタ14を羽根車本体12に結合するために、セットスクリュー24が貫通できるようにしかつネジ切り端24aが吸込み口金アダプタ結合部材18のネジ切り開口18aに受け入れられるように構成された対応する開口22aを含むことができる。この実施形態において、セットスクリュー24は、ポンプ媒体の流れに対して平行に構成できる。
【0037】
図4:完全ネジ式取付け
【0038】
例として、図4は、吸込み口金アダプタ結合部材18とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材22との間で、例えば全体を26として示す完全ネジ式取付けを使用する別の分解可能結合の実施例を示す。図4において、取外し可能一体化摩耗リング式羽根車スカート(別名:吸込み口金アダプタ)は、部材又は部品18、22に機械加工された噛合いネジ山を使用して、羽根車10の本体12に保持される。
【0039】
図4において、吸込み口金アダプタ結合部材18とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材22は、羽根車本体12と取外し可能吸込み口金アダプタ20との間に完全ネジ式取付け部26を与えるように構成された噛合せネジ切り面18b、22bを含むことができる。
【0040】
図5:垂直セットスクリュー取付け
【0041】
例として、図5は、吸込み口金アダプタ結合部材18とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材22との間の、例えば垂直セットスクリュー取付けを使用する更に別の分解可能結合の実施例を示す。
【0042】
図5において、両吸込み型羽根車10は、ネジ切り端24aを持つセットスクリュー24を含むことができる。対応する吸込み口金アダプタ結合部材22は、セットスクリュー24のネジ切り端24aを受け入れるように構成されたネジ切り開口22cを含むことができる。吸込み口金アダプタ結合部材18は、取外し可能吸込み口金アダプタ20を羽根車本体12に結合するために、セットスクリュー24が貫通できるようにしかつネジ切り端24aが対応する吸込み口金アダプタ結合部材22のネジ切り開口22bに受け入れられるように構成された対応する開口18cを含むことができる。この実施形態において、セットスクリュー24は、ポンプ媒体の流れに対して垂直に構成できる。
【0043】
第2吸込み口金16
【0044】
図2に示すものと同様、両吸込み型羽根車10は、第2吸込み口金14’を含むことができる。この実施形態において、羽根車本体12は、第2吸込み口金アダプタ結合部材18’を含むことができる。第2吸込み口金14’は、羽根車本体12の第2吸込み口金アダプタ結合部材18’に分解可能に結合するように構成された対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材22’を持つ第2取外し可能吸込み口金アダプタ20’を含むことができる。これによって、第2取外し可能吸込み口金アダプタ20’は、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、別個の第2鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。
【0045】
例として、対応する第2吸込み口金アダプタ結合部材22’と第2吸込み口金アダプタ結合部材18’は、図3~5に示すような結合の実施例を使用して分解可能に結合できる。
【0046】
図2に示すものと同様、取外し可能吸込み口金アダプタ20と第2取外し可能吸込み口金アダプタ20’は、対称形で交換可能な取外し可能吸込み口金アダプタとして構成できる。
【0047】
ガスケット及びOリング
【0048】
両吸込み型羽根車10は、吸込み口金アダプタ結合部材18、18’とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材22、22’との間に配列されかつ漏出を防止するように構成された1つ又は複数のガスケット30を含むことができる。ガスケット30は、図3に示すようにフラットガスケットを含むことができる。
【0049】
両吸込み型羽根車は、吸込み口金アダプタ結合部材18、18’とこれに対応する吸込み口金アダプタ結合部材22、22’との間に配列されかつ漏出を防止するように構成された1つまたは複数のOリング32を含むことができる。
【0050】
分解可能結合の実施例
【0051】
分解可能結合の実施例を、例として図3~5に示す。但し、例えば要素18、18’及び22、22’などの構成要素又は部品を一緒に結合するための他のタイプ又は種類の分解可能結合の実施例(本発明の主旨の範囲内で現在既知のもの又は今後開発されるもの)を使用する実施形態が想定され、本発明の範囲はこれを含むことを意図する。言い換えると、本発明の範囲は、要素18、18’及び22、22’などの構成要素又は部品を一緒に結合するための特定のタイプ又は種類の分解可能結合の実施例に限定されることを意図しない。
【0052】
図6
【0053】
例えば、図6に示すような両吸込み単段ポンプを適切に改造することによって本発明を実施する実施形態が想定され、本発明の範囲はこれを含むことを意図する。
【0054】
例として、図6に示すような両吸込み単段ポンプは、例えば図2~5に示すような羽根車本体及び羽根車吸込み口金を持つ両吸込み型羽根車で適切に改造でき、両吸込み型羽根車は、例えば図2~5に示すような吸込み口金アダプタ結合部材を含み、羽根車吸込み口金は、羽根車本体の吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を持つ取外し可能吸込み口金アダプタを含む。これによって、取外し可能吸込み口金アダプタは、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、例えば図2~5に示すような別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。
【0055】
当業者は、例えば本明細書において開示するように、図2~5に示すように本発明を実施するために、不当な実験なしに図6に示すような両吸込み単段ポンプをどのように適切に改造するかを理解できるだろう。
【0056】
図7
【0057】
例えば、図7に示すような片吸込み型羽根車設計を適切に改造することによって、本発明を実施する実施形態が想定され、本発明の範囲はこれを含むことを意図する。
【0058】
例として、図7に示すような片吸込み型羽根車設計は、例えば図2~5に示すような羽根車本体及び羽根車吸込み口金を特徴とする吸込み型羽根車で適切に改造できる。羽根車本体は、例えば図2~5に示すような吸込み口金アダプタ結合部材を含み、羽根車吸込み口金は、羽根車本体の吸込み口金アダプタ結合部材に分解可能に結合するように構成された対応する吸込み口金アダプタ結合部材を持つ取外し可能吸込み口アダプタを含む。それによって、取外し可能吸込み口金アダプタは、摩耗及び腐食が生じたとき取り外して交換でき、図2~5に示すような別個の鋳造及び/又は機械加工ピースとすることができる。
【0059】
当業者は、例えば本明細書において開示するように、図2~5に示すように本発明を実施するために、不当な実験なしに図7に示すような片吸込み型羽根車設計をどのように適切に改造するかを理解できるだろう。
【0060】
発明の範囲
【0061】
本明細書において説明され図示される実施形態は、単なる例であり、本発明の範囲は、本明細書に含まれる特定の構成、寸法及び/又はこれらの部品又は要素の設計細部に限定されることを意図しない。言い換えると、当業者であれば、これらの実施形態に対して設計の変更を加えることができ、その結果の実施形態は本明細書において開示するものと異なるが、本発明の主旨の範囲内にある、ことがわかるはずである。
【0062】
本明細書において特に明示しない限り、本明細書において特定の実施形態に関連して説明する特徴、特性、代替又は修正のどれも、本明細書において説明する他の実施形態に応用、使用または組み込むことができることが分かるはずである。
【0063】
本発明について、その模範的実施形態に関連して説明したが、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、上記の又はその他の様々な追加または省略が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7