(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】バルブの取り付け構造
(51)【国際特許分類】
F01N 13/08 20100101AFI20230111BHJP
【FI】
F01N13/08 B
(21)【出願番号】P 2020193500
(22)【出願日】2020-11-20
【審査請求日】2021-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】都築 裕介
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-024565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気流路におけるバルブの取り付け構造であって、
バルブと、排気流路において前記バルブが取り付けられる
筒状形状の設置部と、を含み、
前記バルブは、
前記設置部に取り付けられ、排気が通過する開口を有する弁座と、
前記開口を閉じるための弁体と、を備え、
前記弁座は、軸方向に直径が変化しない筒状形状の部分である差込部と、前記差込部の軸方向における一端から連続する筒状形状の部分であって、前記差込部から離れるに連れて拡径する部分である拡径部と、を有し、前記差込部が前記設置部と周方向に重なるように前記設置部に取り付けられ、
前記弁座と前記設置部との間に
はクッション部
が配置されている、バルブの取り付け構造。
【請求項2】
請求項
1に記載のバルブの取り付け構造であって、
前記設置部、前記クッション部、及び前記弁座が、前記設置部の中心軸と直交する方向に重なるラップ部が形成されている、バルブの取り付け構造。
【請求項3】
請求項
2に記載のバルブの取り付け構造であって、
前記ラップ部よりも前記弁体から離れた位置であって、前記設置部と前記クッション部とが重なり、かつ、前記弁座が重ならない位置において、前記設置部と前記クッション部は固定されている、バルブの取り付け構造。
【請求項4】
排気流路におけるバルブの取り付け構造であって、
バルブと、排気流路において前記バルブが取り付けられる
筒状形状の設置部と、を含み、
前記バルブは、
前記設置部に取り付けられ、排気が通過する開口を有する弁座と、
前記開口を閉じるための弁体と、を備え、
前記弁座と前記設置部との間に
はクッション部
が配置され、
前記設置部、前記クッション部、及び前記弁座が、前記設置部の中心軸と直交する方向に重なるラップ部が形成され、
前記ラップ部よりも前記弁体から離れた位置であって、前記設置部と前記クッション部とが重なり、かつ、前記弁座が重ならない位置において、前記設置部と前記クッション部は固定されている、バルブの取り付け構造。
【請求項5】
請求項
2から請求項4のいずれか1項に記載のバルブの取り付け構造であって、
前記クッション部は、前記設置部の周囲を取り囲むように配置されている、バルブの取り付け構造。
【請求項6】
請求項1
から請求項5のいずれか1項に記載のバルブの取り付け構造であって、
前記クッション部は、前記弁座及び前記設置部のそれぞれに対して固定されており、
前記クッション部における前記弁座の固定される位置と、前記クッション部における前記設置部の固定される位置とは、異なる位置である、バルブの取り付け構造。
【請求項7】
請求項
6に記載のバルブの取り付け構造であって、
前記クッション部と前記弁座の固定される位置と、前記クッション部と前記設置部の固定される位置とは、前記設置部の中心軸の長さ方向に関して異なる位置である、バルブの取り付け構造。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載のバルブの取り付け構造であって、
前記クッション部は、その一部が前記弁座における前記開口の内部に配置されており、前記弁体が前記開口を閉じたときに前記弁体と前記弁座との間に挟まれる、バルブの取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バルブの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気系には、弁体を用いて排気流路を切り換える切換バルブが取り付けられている。この切換バルブは、マフラの内部で開口している排気管の開口部などに取り付けて用いられる。特許文献1では、弁座における弁体と当接する部分にクッション部を配置することで、閉弁時の打音を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
弁座における弁体と当接する部分にクッション部を配置するだけでは、十分な打音の抑制が達成できない場合がある。クッション部を厚くすると打音抑制の能力が高くなるが、排気の漏れが大きくなってしまうため、厚さの増加には制限がある。
【0005】
本開示の目的は、バルブを閉じたときの異音の発生を抑制する技術を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、排気流路におけるバルブの取り付け構造であって、バルブと、排気流路においてバルブが取り付けられる設置部と、を含む。バルブは、弁座と、弁体と、を備える。弁座は、設置部に取り付けられ、排気が通過する開口を有する。弁体は、開口を閉じることができる。さらに、弁座と設置部との間に配置されたクッション部を備える。
【0007】
このような構成であれば、弁体が閉じたときに弁座に生じる振動が、クッション部により減衰される。また、クッション部によって、バルブで発生した振動が排気流路に伝わることが抑制される。これらの理由により、排気脈動によって発生したチャタリングによる異音の発生を低減できる。
【0008】
上述したバルブの取り付け構造において、クッション部は、弁座及び設置部のそれぞれに対して固定されていてもよい。また、クッション部における弁座の固定される位置と、クッション部における設置部の固定される位置とは、異なる位置であってもよい。
【0009】
クッション部のうち、弁座及び設置部と固定された部分は、固定により若干の柔軟性が失われるため、それ以外の部分と比較して振動を減衰する能力が比較的小さく、振動を伝え易い。しかしながら上述した構成では、クッション部における弁座が固定された部分と設置部が固定された部分とが異なる位置であるから、振動は固定された部分以外の部分を通過するため、クッション部の振動減衰能力を良好に発揮することができる。
【0010】
上述したバルブの取り付け構造において、設置部は筒状形状であってもよい。さらに、クッション部と弁座の固定される位置と、クッション部と設置部の固定される位置とは、設置部の中心軸の長さ方向に関して異なる位置であってもよい。
【0011】
このような構成であれば、クッション部は、上述した軸方向に関する柔軟性を高く維持できるため、高い振動減衰の能力を発揮できる。その結果、バルブで生じた振動の設置部への伝達をより良好に抑制できる。
【0012】
上述したバルブの取り付け構造において、クッション部は、その一部が弁座における開口の内部に配置されており、弁体が開口を閉じたときに弁体と弁座との間に挟まれてもよい。このような構成であれば、弁体が閉じて弁座と当たるときに発生する打音を抑制できる。
【0013】
上述したバルブの取り付け構造において、設置部は筒状形状であってもよい。さらに、設置部、クッション部、及び弁座が、設置部の中心軸と直交する方向に重なるラップ部が形成されていてもよい。このような構成であれば、設置部の壁面がクッション部を介して弁座と当接するように配置されるため、設置部へ弁座を安定した状態で取り付けることができる。
【0014】
上述したバルブの取り付け構造では、ラップ部よりも弁体から離れた位置であって、設置部とクッション部とが重なり、かつ、弁座が重ならない位置において、設置部とクッション部は固定されていてもよい。このような構成であれば、クッション部が広く配置されるため、振動減衰の効果を向上させることができる。
【0015】
また上述したバルブの取り付け構造では、クッション部は、設置部の周囲を取り囲むように配置されていてもよい。このような構成であれば、設置部の周囲全体において振動の減衰及び振動の伝達の抑制を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態のバルブの取り付け構造を示す斜視図である。
【
図2】実施形態のバルブの取り付け構造であって、設置部、クッション部、弁座、及び弁体の断面形状を示す斜視図である。
【
図3】実施形態のバルブの取り付け構造を示す断面図である。
【
図4】
図4Aが実施形態のバルブの取り付け構造をマフラに適用した状態を示す斜視図であって、筒状体の一部を省略した図であり、
図4Bが排気ガスの流れを説明するためのマフラの模式的な側面図である。
【
図5】変形例のバルブの取り付け構造を示す斜視図である。
【
図6】変形例のバルブの取り付け構造を示す斜視図である。
【
図7】変形例のバルブの取り付け構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
[1.実施形態]
[1-1.全体構成]
図1-
図3に示すバルブの取り付け構造1は、排気流路3の設置部11にバルブ5を取り付けるための取り付け構造である。バルブの取り付け構造1は、バルブ5、設置部11、及びクッション部7を含む。
【0018】
排気流路3は、本実施形態においては、車両の内燃機関から排出される排気ガスを車両の外部に排出するための流路である。設置部11は、排気流路3においてバルブ5が取り付けられる部分であり、排気流路3を構成する筒状形状の配管の先端部分である。
【0019】
バルブ5は、弁座13、弁体15、回転軸17、コイルバネ19などを有する。弁座13は、クッション部7を介して設置部11に取り付けられ、排気が通過する開口を有する。弁体15は回転軸17を介して弁座13に回転可能に連結されており、弁座13に接近したときに上記開口を閉じる。コイルバネ19は回転軸17に巻きつけるように配置されており、弁体15を弁座13の開口を閉じる位置に向けて付勢する。
【0020】
弁座13は、差込部31、拡径部33、鍔部35、及び一対の軸支持部37を有する。差込部31と拡径部33は、一体に形成された筒状形状である。差込部31は、軸方向に直径が変化しない部分である。拡径部33は、差込部31から離れるに連れて円錐台状に拡径する。差込部31と拡径部33は中心軸が一致する。この差込部31と拡径部33とによって、弁座13の開口が形成される。鍔部35は、拡径部33における差込部31とは逆の縁部から拡径部33の中心軸と交差する方向に広がる板状の部材である。一対の軸支持部37は、鍔部35における間隔を開けた2箇所にて、鍔部35を基準として差込部31が存在する側とは反対に延び出す。一対の軸支持部37は、回転軸17を定められた位置にて支持する。
【0021】
弁体15は、当接部41、底部43、鍔部45、及び一対の連結部47を有する。当接部41は、円錐台状である。当接部41の縮径した側の縁部を塞ぐように板状の底部43が形成されている。鍔部45は、当接部41における底部43とは逆の縁部から当接部41の中心軸と交差する方向に広がる板状の部材である。一対の連結部47は、鍔部45における間隔を開けた2箇所にて、鍔部45を基準として底部43がある側とは反対に延び出す。一対の連結部47は、それぞれ、回転軸17が通過する貫通孔を有している。これにより、弁体15は回転軸17を中心に回転可能となる。弁体15が弁座13の開口を閉じたときに、当接部41は底部43側から開口に進入し、当接部41は拡径部33に対向する位置となる。
【0022】
クッション部7は、弁座13と設置部11との間に配置される。クッション部7は、バルブ5の振動を減衰させる。クッション部7は、糸状の金属を織って、或いは織らずに絡み合わせて形成されたワイヤーメッシュである。ワイヤーメッシュは厚みを有するシート状に形成されており、弾性変形可能である。
【0023】
クッション部7は、一部が設置部11の周囲を取り囲むように配置されている。またクッション部7の一部は、弁座13における開口の内部において、差込部31及び拡径部33の内周面を覆うように配置されている。そのため、弁体15が開口を閉じたときには、クッション部7は弁座13と弁体15との間に挟まれる。クッション部7は、全体として略筒状となる。
【0024】
図3に示されるように、クッション部7は、設置部11の周囲に位置する部分であって、かつ、弁座13の開口の内部に位置する部分を有する。そのため、設置部11、クッション部7、及び弁座13によってラップ部51が形成される。ラップ部51は、設置部11、クッション部7、及び弁座13が設置部11の中心軸Aと直交する方向に重なっている部分である。なお中心軸Aは、差込部31及び拡径部33の中心軸と一致する。
【0025】
クッション部7は、弁座13及び設置部11のそれぞれに対して固定されている。固定はスポット溶接により行う。クッション部7における弁座13の固定される位置と、クッション部7における設置部11の固定される位置とは、異なる位置である。具体的には、クッション部7と弁座13との溶接が為された第1溶接部61と、クッション部7と設置部11との溶接が為された第2溶接部63とは、設置部11の軸方向(すなわち、中心軸Aの長さ方向)に関して異なる位置である。第1溶接部61は差込部31に設けられている。第1溶接部61はラップ部51に設けられていてもよいし、ラップ部51以外の位置に設けられていてもよい。第2溶接部63は、設置部11とクッション部7とが重なり、かつ、弁座13が重ならない位置に設けられている。この位置は、ラップ部51よりも弁体15から離れた位置である。
【0026】
以上説明した取り付け構造において、バルブ5は排気流路3の少なくとも一部を開閉する。なお、弁体15が弁座13に最も接近した状態が、バルブ5が閉じた状態である。コイルバネ19に反して弁体15が弁座13から離れた状態が、バルブ5が開いた状態である。バルブ5が閉じた状態において、バルブ5の開口は完全に閉塞されていなくてもよい。本実施形態において、排気の一部は、ワイヤーメッシュの隙間を通過することによって、閉じた状態のバルブ5を通過することが可能である。
【0027】
[1-2.取り付け構造の使用例]
バルブ5は、筒状の配管以外の対象物にも取り付けることができる。
図4A-4Bに、マフラ81のセパレータ89にバルブ5を取り付ける場合の例を示す。マフラ81は、アウタシェルを構成する筒状体83、第1閉塞部85、及び第2閉塞部87と、アウタシェルの内部を仕切るセパレータ89と、インレットパイプ91と、アウトレットパイプ93と、を有する。セパレータ89には筒状の設置部95が形成されており、その設置部95に対してバルブ5が取り付けられている。
【0028】
このようなマフラ81においては、インレットパイプ91を介して流入した排ガスが第1室97に入り、バルブ5の開口を通過して第2室99に入る。排気ガスは、その後、アウトレットパイプ93を介して排出される。
【0029】
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)上記取り付け構造1では、クッション部7が弁座13と設置部11との間に配置され、バルブ5の振動を減衰させる。そのため、弁体15が閉じたときに弁座13に生じる振動が、クッション部7により減衰される。また、クッション部7によって、排気流路3に振動が伝わることが抑制される。よって、排気脈動によって発生したチャタリングによる異音の発生を低減できる。
【0030】
(1b)取り付け構造1では、第1溶接部61と第2溶接部63とが異なる位置である。つまり、クッション部7は、弁座13及び設置部11のそれぞれに対して異なる位置で溶接により固定されている。クッション部7において、スポット溶接された箇所は振動の減衰する能力が低くなってしまう。しかしながら、第1溶接部61と第2溶接部63の位置が離れていることによって、溶接箇所以外の部分、すなわち振動減衰能力が高い部分を通過して振動が伝わるため、良好な振動減衰を実現できる。
【0031】
なお、第1溶接部61と第2溶接部63とが設置部11の軸方向に離れているため、クッション部7は弁体15が弁座13に衝突したときの衝撃を吸収し易く、より良好に振動減衰を実現できる。
【0032】
(1c)クッション部7は、弁体15が弁座13に衝突したときの衝撃を吸収する。よって、弁体15が閉じて弁座13と当たるときに発生する打音を、別のクッション用部品を用いることなく抑制できる。
【0033】
(1d)取り付け構造1では、設置部11、クッション部7、及び弁座13が、ラップ部51を形成している。そのため、設置部11の壁面がクッション部7を介して弁座13と当接するように配置される結果、設置部11へ弁座13を安定した状態で取り付けることができる。
【0034】
(1e)取り付け構造1では、ラップ部51よりも弁体15から離れた位置であって、設置部11とクッション部7とが重なり、かつ、弁座13が重ならない位置において、設置部11とクッション部7は固定されている。このような構成では、クッション部7が広く配置されることによって、振動減衰の効果を向上させることができる。また、まず弁座13とクッション部7とを溶接して第1溶接部61を形成し、その後にクッション部7と設置部11とを溶接して第2溶接部63を形成するという手順で、容易にバルブ5の設置部11への固定を実現できる。
【0035】
なお、取り付け構造1は、例えばラップ部51が弁体15から離れる方向に長く、ラップ部51が形成される位置に第2溶接部63が設けられる構成であってもよい。このような構成を実現するために、例えば、弁座13における第2溶接部63の外周側に相当する部分に第2溶接部63のための開口を形成し、その開口を利用してクッション部7と設置部11とを溶接してもよい。このように溶接することで、弁座13と設置部11との間に第2溶接部63が位置する構成となる。
【0036】
[2.その他の実施形態]
以上本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0037】
(2a)上記実施形態では、車両の内燃機関の排気流路3にバルブを取り付ける取り付け構造を例示した。しかしながら排気流路は、排気を通過させるための配管であれば特に限定されない。例えば、車両以外に設けられる排気流路に本開示の取り付け構造を適用してもよいし、内燃機関の排気ガス以外を排出する排気流路に本開示の取り付け構造を適用してもよい。
【0038】
(2b)上記実施形態では、弁体15が弁座13の開口の外部にある回転軸17を中心に移動することで開閉するバルブを例示した。しかしながら、本開示の取り付け構造を適用可能なバルブの構成は特に限定されない。なお、開閉時に衝突音が発生するバルブであれば、本開示の取り付け構造の消音効果を良好に活用できる。
【0039】
(2c)上記実施形態では、クッション部7としてワイヤーメッシュを例示した。しかしながら、弁座13と弁体15の間の振動を吸収できるものであれば、クッション部の具体的な素材、形状などは特に限定されない。例えば、弁座13及び弁体15よりも柔軟性が高い素材を含む部品をクッション部として用いてもよい。なお、高温の排気が排出されるシステムでバルブを用いる場合には、クッション部に耐熱性の高い素材を用いることが望ましい。
【0040】
(2d)上記実施形態では、第1溶接部61と第2溶接部63の位置が、設置部11の軸方向に関して異なる構成を例示した。しかしながら、第1溶接部61と第2溶接部63は設置部11の周方向の異なる位置に配置されていてもよい。もちろん、第1溶接部61と第2溶接部63の位置は、設置部11の軸方向と周方向の両方とも異なっていてもよい。なお、第1溶接部61と第2溶接部63は同じ位置であってもよい。
【0041】
(2e)上記実施形態では、ラップ部51が形成される構成を例示したが、ラップ部51が形成されていなくてもよい。また上記実施形態では、ラップ部51よりも弁体15から離れた位置までクッション部7が設けられる構成を例示したが、ラップ部51よりも弁体15から離れた位置にはクッション部7が設けられていなくてもよい。
【0042】
(2f)上記実施形態では、クッション部7が設置部11の周囲を取り囲むように配置される構成を例示した。しかしながら、クッション部7は設置部11の周方向の一部にのみ配置されていてもよい。言い換えると、クッション部7は筒状に形成されていなくてもよい。
【0043】
(2g)上記実施形態では、スポット溶接によってクッション部7と弁座13及びクッション部7と弁体15を固定する方法を例示した。しかしながら、スポット溶接以外の溶接により固定を行ってもよい。また、溶接以外の方法で固定を行ってもよい。
【0044】
(2h)上記実施形態では、設置部11と弁座13との間に挟まれるクッション部7が弁座13の内面に配置され、弁座13と弁体15との衝突音を抑制する構成を例示した。しかしながら、弁座13と弁体15の衝突音を抑制するためのクッション用部品は、クッション部7とは別個に設けられていてもよい。
図5に示されるバルブの取り付け構造101では、設置部11と弁座13の間にはクッション部103が配置され、弁座13における拡径部33の内側面にはクッション用部品105が配置される。クッション部103とクッション用部品105は、同一の素材を含む部材であってもよいし、異なる素材によって構成される部材であってもよい。
【0045】
(2i)上記実施形態では、設置部11の周囲にクッション部7が配置され、さらにその周囲に弁座13が配置される構成を例示した。しかしながら、設置部11が弁座13の外側に配置されていてもよい。
図6に示されるバルブの取り付け構造201では、外側から、設置部11、クッション部203、弁座13の順に積層される。なお取り付け構造201のように、クッション部203が差込部31の端部において折り返す折り返し部203aを有しており、クッション部203が弁座13の開口内部にまで広がるように構成されていてもよい。
【0046】
(2j)
図7に示されるバルブの取り付け構造301のように、設置部11が、クッション部7を保持する保持部303を有していてもよい。このような構成であれば、クッション部7の破損を抑制し、設置部11へ弁座13を安定した状態で取り付けることができる。
【0047】
(2k)上記実施形態では、設置部11が筒状形状である構成を例示した。しかしながら、設置部11は筒状形状でなくてもよい。例えば、貫通孔が形成された平板における、貫通孔の周辺部分を設置部としてもよい。その場合には、貫通孔が、排気が通過する開口となる。
【0048】
(2l)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1,101,201,301…バルブの取り付け構造、3…排気流路、5…バルブ、7,103,203…クッション部、11,95…設置部、13…弁座、15…弁体、17…回転軸、19…コイルバネ、31…差込部、33…拡径部、35,45…鍔部、37…軸支持部、41…当接部、43…底部、47…連結部、51…ラップ部、61…第1溶接部、63…第2溶接部、81…マフラ、83…筒状体、85…第1閉塞部、87…第2閉塞部、89…セパレータ、91…インレットパイプ、93…アウトレットパイプ、97…第1室、99…第2室、105…クッション用部品、203a…折り返し部、303…保持部。