IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アレグロ・マイクロシステムズ・エルエルシーの特許一覧

特許7208246磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力
<>
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図1
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図2
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図2A
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図3
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図3A
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図3B
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図3C
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図4
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図5
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図6
  • 特許-磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20230111BHJP
   G01R 33/02 20060101ALN20230111BHJP
【FI】
G01D5/12 H
G01R33/02 N
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020542581
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019017012
(87)【国際公開番号】W WO2019168645
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】15/909,208
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501105602
【氏名又は名称】アレグロ・マイクロシステムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】コゾモラ,ネベンカ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ブランシェット,ブレイデン
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-54393(JP,A)
【文献】特開2010-145371(JP,A)
【文献】特開2010-286238(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0137797(US,A1)
【文献】特開2006-250580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12- 5/252
G01R 33/02-33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する磁場を生み出す磁性ターゲットと、
前記磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第1の磁場感知素子および第2の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第1のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第1のセットと、
前記磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第3の磁場感知素子および第4の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第2のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第2のセットと
を備え、
前記第1のセットの前記磁場感知素子の最大感度の前記軸と、前記第2のセットの前記磁場感知素子の最大感度の前記軸とは、単一の平面を規定し、
前記第1の磁場感知素子の最大感度の前記軸は、前記第2の磁場感知素子の最大感度の前記軸に直交し、
前記第3の磁場感知素子の最大感度の前記軸は、前記第4の磁場感知素子の最大感度の前記軸に直交し、
磁場感知素子の前記第1のセットは、磁場感知素子の前記第2のセットより、前記磁性ターゲットの近くに位置決めされる、システム。
【請求項2】
前記第1の磁場感知素子の最大感度の前記軸は、前記第3の磁場感知素子の最大感度の前記軸に平行であり、
前記第の磁場感知素子の最大感度の前記軸は、前記第4の磁場感知素子の最大感度の前記軸に平行である、
請求項に記載のシステム。
【請求項3】
回転する磁場を生み出す磁性ターゲットと、
前記磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第1の磁場感知素子および第2の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第1のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第1のセットと、
前記磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第3の磁場感知素子および第4の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第2のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第2のセットと
を備え、
前記第1のセットの前記磁場感知素子の最大感度の前記軸と、前記第2のセットの前記磁場感知素子の最大感度の前記軸とは、単一の平面を規定し、
前記磁場感知素子は、前記磁場感知素子のそれぞれの最大感度の軸が、前記磁場に対して、それぞれのあらかじめ決定された角度にあるように配置され、
前記第1の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、磁場感知素子の前記第1および第2のセットにより規定される中心線に対して約180度であり、
前記第2の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、磁場感知素子の前記第1および第2のセットにより規定される前記中心線に対して約90度であり、
前記第3の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、磁場感知素子の前記第1および第2のセットにより規定される前記中心線に対して約180度であり、
前記第4の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、磁場感知素子の前記第1および第2のセットにより規定される前記中心線に対して約90度である、システム。
【請求項4】
回転する磁場を生み出す磁性ターゲットと、
前記磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第1の磁場感知素子および第2の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第1のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第1のセットと、
前記磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第3の磁場感知素子および第4の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第2のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第2のセットと
を備え、
前記第1のセットの前記磁場感知素子の最大感度の前記軸と、前記第2のセットの前記磁場感知素子の最大感度の前記軸とは、単一の平面を規定し、
前記磁場感知素子は、前記磁場感知素子のそれぞれの最大感度の軸が、漏洩(stray)磁場の予測される方向に対して、あらかじめ決定された角度にあるように配置され、
前記第1の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、前記漏洩磁場の前記予測される方向に対して、90度の角度に位置決めされ、
前記第2の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、前記漏洩磁場の前記予測される方向に対して、45度の角度に位置決めされ、
前記第3の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、前記漏洩磁場の前記予測される方向に対して、90度の角度に位置決めされ、
前記第4の磁場感知素子の最大感度の前記軸の前記角度は、前記漏洩磁場の前記予測される方向に対して、45度の角度に位置決めされる、システム。
【請求項5】
前記ターゲットは、円柱を含む本体を含む、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記円柱の第1の半分は、第1の磁気極性を有し、前記円柱の第2の半分は、第2の磁気極性を有する、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記円柱の前記第1および第2の半分は、前記円柱の軸が通って延びる平面により規定される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記円柱は、4つの四分区間(four quadrants)により規定され、近接する四分区間は、反対の磁気極性を有する、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ターゲットは、棒を含む、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記棒は、異なる磁気極性を有する2つ以上のセグメントを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
各々の磁場感知素子は、それぞれの前記磁場感知素子により検出されるような前記磁場を表す出力信号を生み出す、請求項1から10のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記磁場感知素子の出力信号を受信し、前記磁場の検出される角度を算出するために結合される処理回路をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理回路は、磁場感知素子の前記第1のセットから前記第2のセットへの線に実質的に直交する方向を有する漏洩磁場の影響を打ち消すように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理回路は、逆正接関数を実行するための回路、正弦関数を実行するための回路、および、余弦関数を実行するための回路のうちの1つまたは複数を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
場感知素子の前記第1のセットは、磁場感知素子の前記第1のセットが、磁場感知素子の前記第2のセットが検出するより強い磁場を検出するように、磁場感知素子の前記第2のセットより、前記磁場の中心点の近くに位置決めされ
磁場感知素子の前記第1および第2のセットは、両方のセットが、ほぼ等しい強さで、漏洩磁場を検出するように配置される、請求項1から14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
場感知素子の前記第1のセットは、磁場感知素子の前記第1のセットが、磁場感知素子の前記第2のセットが検出するより強い磁場を検出するように位置決めされ
磁場感知素子の前記第1および第2のセットは、両方のセットが、ほぼ等しい強さを伴って、漏洩磁場を検出するように配置される、請求項1から14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、磁場センサに、より詳細には、検出の間の漏洩磁場(stray magnetic field)の排除に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]磁場センサは、しばしば、回転する磁性ターゲットを検出するために使用される。例えば、磁石が、カムシャフトまたは車軸などの回転シャフトの端部に配置され得る。磁場センサは、シャフトが回転する際にその磁石を検出するために、その磁石に近接して配置され得る。
【0003】
[0003]場合によっては、磁石およびセンサは、角度位置を検出するように設計される。磁石は、その極性ベクトルがシャフトとともに回転するように位置決めされ得る。センサは、極性ベクトルの方向を検出し、磁石の位置的角度を算出するように設計され得る。
【0004】
[0004]外来または漏洩磁場が、磁石の検出をより不正確にすることがあり、角度を算出することにおいて誤りを誘導することがある。これらの場は、周囲環境において存在し、または、付近の機器もしくは電子デバイスにより生み出され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の一実施例は、例えば、磁性ターゲットの回転動きの間の磁場影響力に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005]実施形態において、システムは、回転する磁場を生み出す磁性ターゲットと、磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第1の磁場感知素子および第2の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第1のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第1のセットと、磁性ターゲットとの隔置された関係で配置され、少なくとも第3の磁場感知素子および第4の磁場感知素子を備える、磁場感知素子の第2のセットであって、各々の磁場感知素子は最大感度の軸を有する、磁場感知素子の第2のセットとを備える。磁場感知素子の第1のセットは、磁場感知素子の第2のセットより、磁場の中心点の近くに位置決めされる。
【0007】
[0006]後に続く特徴のうちの1つまたは複数が含まれ得る。
[0007]第1のセットの磁場感知素子の最大感度の軸は、平面を規定し得るものであり、第2のセットの磁場感知素子の最大感度の軸は、平面を規定し得る。
【0008】
[0008]第1のセットにより規定される平面、および、第2のセットにより規定される平面は、同じ平面であり得る。
[0009]第1の磁場感知素子の最大感度の軸は、第2の磁場感知素子の最大感度の軸に直交し得るものであり、第3の磁場感知素子の最大感度の軸は、第4の磁場感知素子の最大感度の軸に直交し得る。
【0009】
[0010]第1の磁場感知素子の最大感度の軸は、第3の磁場感知素子の最大感度の軸に平行であり得るものであり、第2の磁場感知素子の最大感度の軸は、第4の磁場感知素子の最大感度の軸に平行であり得る。
【0010】
[0011]磁場感知素子は、それらの磁場感知素子のそれぞれの最大感度の軸が、磁場に対して、それぞれのあらかじめ決定された角度にあるように配置され得る。
[0012]回転する磁場は、磁場感知素子の第1および第2のセットを通る方向を有し得るものであり、第1の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、磁場感知素子の第1および第2のセットにより規定される中心線に対して約180度であり、第2の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、磁場感知素子の第1および第2のセットにより規定される中心線に対して約90度であり、第3の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、磁場感知素子の第1および第2のセットにより規定される中心線に対して約180度であり、第4の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、磁場感知素子の第1および第2のセットにより規定される中心線に対して約90度である。
【0011】
[0013]磁場感知素子は、それらの磁場感知素子のそれぞれの最大感度の軸が、漏洩磁場の予測される方向に対して、あらかじめ決定された角度にあるように配置され得る。
[0014]第1の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、漏洩磁場の予測される方向に対して約90度であり得るものであり、第2の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、漏洩磁場の予測される方向に対して約45度であり得るものであり、第3の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、漏洩磁場の予測される方向に対して約90度であり得るものであり、第4の磁場感知素子の最大感度の軸の角度は、漏洩磁場の予測される方向に対して約45度であり得る。
【0012】
[0015]ターゲットは、円柱を含む本体を含み得る。
[0016]円柱の第1の半分は、第1の磁気極性を有し得るものであり、円柱の第2の半分は、第2の磁気極性を有し得る。
【0013】
[0017]円柱の第1および第2の半分は、円柱の軸が通って延びる平面により規定され得る。
[0018]円柱は、4つの四分区間により規定され得るものであり、近接する四分区間は、反対の磁気極性を有する。
【0014】
[0019]各々の磁場感知素子は、それぞれの磁場感知素子により検出されるような磁場を表す出力信号を生み出し得る。
[0020]処理回路が、磁場感知素子の出力信号を受信し、磁場の検出される角度を算出するために結合され得る。
【0015】
[0021]処理回路は、磁場感知素子の第1のセットから第2のセットへの線に実質的に直交する方向を有する漏洩磁場の影響を打ち消すように構成され得る。
[0022]処理回路は、逆正接関数を実行するための回路、正弦関数を実行するための回路、および、余弦関数を実行するための回路のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0016】
[0023]別の実施形態において、システムは、回転する磁場を生み出す磁性ターゲットと、磁場を検出し、磁場を表す1つまたは複数の信号を生み出すための手段と、1つまたは複数の信号から、回転する磁場の角度を算出するための手段と、角度の算出から漏洩磁場の影響を打ち消すための手段とを備える。
【0017】
[0024]別の実施形態において、システムは、回転する磁場を生み出す磁性ターゲットと、磁場を検出するために磁性ターゲットとの隔置された関係で配置される磁場感知素子の第1のセットと、磁場を検出するために磁性ターゲットとの隔置された関係で配置される磁場感知素子の第2のセットとを備え、磁場感知素子の第1のセットは、磁場感知素子の第1のセットが、磁場感知素子の第2のセットが検出するより強い磁場を検出するように、磁場感知素子の第2のセットより、磁場の中心点の近くに位置決めされ、磁場感知素子の第1および第2のセットは、両方のセットが、ほぼ等しい強さを伴って、漏洩磁場を検出するように配置される。
【0018】
[0025]前述の特徴は、図面の、後に続く説明から、より十二分に理解され得る。図面は、開示される技術を解説および理解することにおいて助力となる。あらゆる可能な実施形態を例解および説明することは、しばしば非実際的または不可能であるので、提供される図は、1つまたは複数の例示的な実施形態を描写する。よって、図は、本発明の範囲を限定することを意図されない。図においての同じ番号は、同じ要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】[0026]回転するターゲットを検出するためのシステムの線図である。
図2】[0027]磁場センサおよび磁性ターゲットの線図である。
図2A】[0028]磁場強さ対距離のグラフである。
図3】[0029]磁場センサおよび磁性ターゲットの別の実施形態の線図である。
図3A】[0030]磁場センサおよび磁性ターゲットの別の実施形態の線図である。
図3B】[0031]磁場センサおよび磁性ターゲットの別の実施形態の線図である。
図3C】[0032]磁場センサおよび磁性ターゲットの別の実施形態の線図である。
図4】[0033]磁場センサおよび磁性ターゲットの別の実施形態の線図である。
図5】[0034]磁場センサを伴う磁性ターゲットの線図である。
図6】[0035]磁場センサの位置決めを伴う磁性ターゲットの線図である。
図7】[0036]処理回路を示す磁場センサ、および磁性ターゲットの線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0037]本明細書において使用される際、用語「磁場感知素子」は、磁場を感知することができる種々の電子素子を説明するために使用される。磁場感知素子は、Hall効果素子、磁気抵抗素子、または磁気トランジスタであり得るが、それらに制限されない。知られているように、異なるタイプのHall効果素子、例えば、平面Hall素子および縦型Hall素子が存する。さらには知られているように、異なるタイプの磁気抵抗素子、例えば、アンチモン化インジウム(InSb)などの半導体磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、異方性磁気抵抗(AMR)子、トンネリング磁気抵抗(TMR)素子、および磁気トンネル接合(MTJ)が存する。磁場感知素子は、単一の素子であり得るものであり、または代替的に、様々な構成、例えば、ハーフブリッジもしくはフル(Wheatstone)ブリッジで配置構成される、2つ以上の磁場感知素子を含み得る。デバイスタイプ、および、他の用途要件に依存して、磁場感知素子は、ケイ素(Si)もしくはゲルマニウム(Ge)などのタイプIV半導体材料、または、ヒ化ガリウム(GaAs)もしくはインジウム化合物、例えばアンチモン化インジウム(InSb)と同類のタイプIII-V半導体材料で作製されるデバイスであり得る。
【0021】
[0038]知られているように、上記で説明された磁場感知素子のうちの一部は、磁場感知素子を支持する基板に平行な、最大感度の軸を有する傾向があり、上記で説明された磁場感知素子のうちの他のものは、磁場感知素子を支持する基板と直角をなす、最大感度の軸を有する傾向がある。特に、平面Hall素子は、基板と直角をなす、感度の軸を有する傾向があり、一方で、金属ベースの、または金属性の磁気抵抗素子(例えば、GMR、TMR、AMR)、および、縦型Hall素子は、基板に平行な、感度の軸を有する傾向がある。
【0022】
[0039]本明細書において使用される際、用語「磁場センサ」は、磁場感知素子を、一般的には他の回路との組合せで使用する回路を説明するために使用される。磁場センサは、種々の用途において使用され、それらの用途は、磁場の方向の角度を感知する角度センサ、電流搬送導体により搬送される電流により生成される磁場を感知する電流センサ、強磁性物体の接近度を感知する磁気スイッチ、回転検出器であって、磁場センサが、バックバイアスの、または、他の磁石との組合せで使用される場合に、通過する強磁性物品、例えば、環状磁石または強磁性ターゲット(例えば、歯車の歯)の磁区を感知する、回転検出器、および、磁場の磁場密度を感知する磁場センサを含むが、それらに制限されない。
【0023】
[0040]本明細書において使用される際、用語「ターゲット」および「磁性ターゲット」は、磁場センサまたは磁場感知素子により、感知または検出されることになる物体を説明するために使用される。
【0024】
[0041]図1は、磁性ターゲット102を検出するためのシステム100の例を示す。ターゲット102は、回転するシャフト104の端部に配置され得る。実施形態において、回転するシャフト104は、カムシャフト、車軸、スピンドル、スプール、または、回転する任意のタイプの機械であり得る。
【0025】
[0042]磁性ターゲット102は、それが、北セクション106と、南セクション108とを有するように極性化され得る。円柱のターゲット102の事例において、北セクション106および南セクション108は各々、ターゲット102の水平な円柱のセグメントを含み得る。磁石102の極性化は、ベクトル110の方向においての磁場ベクトルを生み出し得る。
【0026】
[0043]磁場センサ112が、磁場を検出するために、ターゲット102に近接して位置決めされ得る。シャフト104が回転する際、磁場ベクトル110が、さらには回転し得る。磁場センサ112は、磁場、および、その回転の角度を検出するように構成され得る。
【0027】
[0044]磁場センサ112は、プロセッサ114に通信可能に結合され得る。例として、シャフト104が車両内のカムシャフトであるならば、プロセッサ114は、センサ112により提供される情報に部分的に基づいて車両を制御し得る車載コンピュータであり得る。センサ112が磁場を検出する際、そのセンサ112は、磁場に関する情報(位置、回転の速度、位相、角度、その他など)をプロセッサ114に送出し得る。磁場センサ112は、さらには、遭遇される何らかの誤りに関する情報をプロセッサ114に伝達し得る。
【0028】
[0045]図2を参照すると、システム200は、磁場センサ112と同じまたは同様であり得る磁場センサ202と、ターゲット102と同じまたは同様であり得るターゲット204とを含む。ターゲット204は、磁場206を生み出し得る。例解の容易さのために、ターゲット204により生み出される磁場206は、直線的な磁場線208により例解される。しかしながら、磁場206の方向は、磁場線208により示される方向とは異なることがある。例えば、磁場線208’が、ターゲット204により生み出される磁場の、より現実に即した描写を提示し得る。当業者は、図の全体を通して、磁場は、例解の容易さのために直線的な線によって描かれることがあるが、磁気源のタイプおよび形状に依存して、他の形状、形式、および方向をとり得るということを認識するであろう。磁場が図において直線的な線を使用して描かれるとしても、そのことは、磁場がそれらの線に沿って均一な場強さを有するということを、本文において均一であると具体的に説明されない限り、必ずしも指示するとは限らない。例えば、磁場線208により描写される磁場は、(ターゲット204に、より近い)対218の周りで、より大きい強さ(例えば、束密度)を、および、(ターゲット204から、より遠く離れた)対212の周りで、相対的に、より弱い強さを有することになる。
【0029】
[0046]磁場センサ202は、ターゲット204が回転する際に磁場206を検出し、ターゲット204の回転の角度を計算するために、ターゲット204に近接して位置決めされ得る。磁場線210は、センサ202による磁場206の検出に影響力を及ぼし、潜在的に誤りまたは不正確さを引き起こし得る、外部または漏洩磁場を表す。
【0030】
[0047]実施形態において、磁場センサ202は、磁場感知素子214および216の第1のセット212と、磁場感知素子220および222の第2のセット218とを含み得る。各々のセットは、磁場感知素子の対を内包し得る。他の実施形態において、各々のセットは、3つ以上の磁場感知素子を内包し得る。
【0031】
[0048]磁場センサ202は、セット218が、セット212より、ターゲット204に近いように位置決めされ得る。かくして、磁場感知素子220および222は、磁場感知素子214および216により検出されるものより強い磁場206にさらされ、その磁場206を検出し得る。
【0032】
[0049]磁場210は、磁場感知素子220、222、214、および216に実質的に等しく影響を及ぼす、均一の磁場であり得る。かくして、磁場208と対照的に、磁場感知素子220、222、216、および216は、実質的に等しい漏洩磁場210にさらされ、その漏洩磁場210を検出し得る。
【0033】
[0050]各々の磁場感知素子214、216、220、および222は、それぞれ矢印224、226、228、および230により表される(上記で説明されたような)最大感度の軸を有する。最大感度の軸224および226は、非平行ベクトルとして視認され得るものであり、かくして、第1の平面を規定し得る。同様に、最大感度の軸228および23は、非平行ベクトルとして視認され得るものであり、かくして、第2の平面を規定し得る。実施形態において、第1および第2の平面は、図において示されるように、同じ(または実質的に同じ)平面であり得る。磁場感知素子214、216、22、および222は、最大感度の軸により形成される平面の中に配置され得るものであり、磁場感知素子214および216のセット212は、磁場感知素子220および222のセット218より、ターゲット204から遠く離れている。
【0034】
[0051]実施形態において、磁場感知素子214の最大感度の軸224は、磁場感知素子216の最大感度の軸226に直交し、磁場感知素子220の最大感度の軸228は、磁場感知素子222の最大感度の軸230に直交する。
【0035】
[0052]図2において示されるように、最大感度の軸224および226は、互いと90度角度を形成する。実施形態において、磁場感知素子214および216は、さらには、それらの磁場感知素子のそれぞれの最大感度の軸が、磁場206に対して45度角度を形成するように配置され得る。同様に、最大感度の軸228および230は、互いと90度角度を形成する。実施形態において、磁場感知素子220および222は、さらには、それらの磁場感知素子のそれぞれの最大感度の軸が、磁場206に対して45度角度を形成するように配置され得る。
【0036】
[0053]当業者は、最大感度の軸224、226、228、および230により形成されるそれぞれの角度が、様々な座標系によって説明されることがあるということを認識するであろう。例えば、角度座標系232を使用し、中心線234が、磁場206の予測される方向に平行であるということを想定すると、最大感度の軸226と中心線234との間の角度は、約180度であり、最大感度の軸224と中心線234との間の角度は、約90度であり、最大感度の軸230と中心線234との間の角度は、約180度であり、最大感度の軸228と中心線234との間の角度は、中心線234に対して約90度である。
【0037】
[0054]上記で触れられたように、漏洩磁場210は、磁場206に直交する予測される方向を有し得る。かくして、1つの例において、磁場感知素子は、最大感度の軸226と漏洩磁場210との間の角度が、90度であり得るものであり、最大感度の軸224と漏洩磁場210との間の角度が、45度であり得るものであり、最大感度の軸230と漏洩磁場210との間の角度が、90度であり得るものであり、最大感度の軸228と漏洩磁場210との間の角度が、45度であり得るように配置され得る。
【0038】
[0055]ターゲット204は、円柱の回転するターゲットであり得る。一部の実例において、ターゲット204は、回転するシャフトの端部に配置され得る、シャフトの端部磁性ターゲットであり得る。ターゲット204は、円柱の対称の軸に平行に、および、その軸を通って広がる(線240により表される)平面により形成される、2つの水平な円柱のセグメント236および238を含み得る。セグメント236および238は、反対の磁気極性 - 例えば、セグメント236に対する磁気的南、および、セグメント238に対する磁気的北を有し得る。
【0039】
[0056]ターゲット204が回転する際、磁場206もそうである。各々の磁場感知素子214、216、220、および222は、磁場206を検出し、それぞれの磁場感知素子により検出されるような磁場206を表す出力信号を生み出し得る。
【0040】
[0057]対212および218の位置決めは、磁場センサ202が、漏洩場210からの干渉または誤りを低減しながら、磁場206を検出することを可能とし得る。例えば、セット212は、セット218より、ターゲット204から遠いので、セット212は、セット218により検出されるものより弱い磁場206を検出し得る。
【0041】
[0058]図2Aを参照すると、グラフ250は、磁場感知素子の対により経験される磁場強さにおいての差を例解する。グラフ250において、水平軸は、磁場感知素子とターゲットとの間の距離を表し、垂直軸は、磁場感知素子により検出されるような磁場を表す。セット218が、ターゲットから約2mmの距離に配置されるならば、そのセット218は、点252によれば、800Gaussの場強さを経験し得る。セット212が、ターゲットから約3mmの距離に配置されるならば、そのセット212は、点254によれば、600Gaussの場強さを経験し得る。
【0042】
[0059]場強さ差が、さらには、2つの3D感知群内に配置される磁場感知素子により検出され得る。これらの群は、ターゲットからのそれらの群のそれぞれの間隔が維持されさえすれば、同じダイ内にあってもよく、または、異なるダイ上にあってもよい。それらの群が同じダイ上に配置されるならば、ダイは、磁場感知素子の一方の群(またはセット)が、他方より、ターゲットから遠いように、ターゲットと直角をなして位置決めされ得る。
【0043】
[0060]再び図2を参照すると、実施形態において、磁場210は、実質的に均一な磁場であり得る。かくして、セット212およびセット218は、同じ大きさまたは強さを伴う磁場210を検出し得る。プロセッサ(図1においてのプロセッサ114など)が、各々のセット212および218から出力を受信し、対212および218により検出される変動する磁場強さを使用して、磁場206の角度を算出することを、磁場210が算出に関して有する影響を低減または最小化しながら行い得る。
【0044】
[0061]図3を参照すると、実施形態において、システム200’は、磁場センサ202がターゲット240の円柱の(例えば中心)軸に直交するように配置構成される、磁場センサ202と、ターゲット240とを含み得る。この実施形態において、ターゲット240の円柱の軸は、ページと直角をなす(ページ内への、および、ページから外への)ものであり得る。磁場センサ202は、セット218が、セット212より、ターゲット240に近い(すなわち、中心軸に近い)ように配置構成され得る。この実施形態において、漏洩場は、磁場206に直交する予測される方向(すなわち、ページ内への、または、ページから外への予測される方向)を有し得る。他の実施形態において、漏洩場は、図2において示される漏洩磁場210の方向と同様の、ページの平面に沿った予測される方向を有し得る。
【0045】
[0062]この配置構成において、磁場感知素子212は、ターゲット240から、磁場感知素子対218より遠く離れて位置決めされ得る。実施形態において、磁場感知素子対212、磁場感知素子対218、およびターゲット240は、1列に配置構成され得る。磁場206の強さは、ターゲット240に、より近いと、より大きく、ターゲット240から、より遠く離れると、相対的に、より弱くあり得る。結果として、磁場感知素子対218は、磁場感知素子対212より強い磁場を検出し得る。
【0046】
[0063]図3Aを参照すると、システム200”は、磁場感知素子対212’と、磁場感知素子対218’とを有する磁場センサ202’を含み得る。磁場センサ202’は、対212’および対218’の中心を通して描かれる線302が、磁場センサ202’の中心306、および、ターゲット240の中心308を通して描かれる線304と実質的に直角をなすように位置決めされ得る。
【0047】
[0064]実施形態において、ターゲット240は、中心点308を通過し、ページ内へと、および、ページから外に伸びる、回転の軸を真中にして回転し得る。換言すれば、ターゲット240は、中心点308を真中にして、矢印310により示されるように、時計回りおよび/または反時計回り方向において回転し得る。
【0048】
[0065]ターゲット240が回転する際、それが生み出す磁場206が、さらには、回転の軸を真中にして回転する。磁場206が、磁場感知素子対212’および218’のそばを通り過ぎて回転する際、磁場感知素子は、磁場においての、その回転に起因する変化を検出することになる。磁場206が、反時計回り方向において回転しているということを想定する。磁場感知素子対218’は、磁場206においての特定のレベルまたは特定の変化を、磁場感知素子対212’が検出する前に検出し得る。かくして、磁場感知素子対218’からの出力信号は、特定の変化またはレベルを、磁場感知素子対212’からの出力信号が反映する前に反映し得る。換言すれば、この配置構成において、対218’の磁場感知素子、および、対212’の磁場感知素子の出力信号の間に位相差が存し得る。この位相差は、ターゲット240の回転の速度、回転の方向、位置、その他を検出するために使用され得る。
【0049】
[0066]図3Bを参照すると、実施形態において、システム200Bは、磁場センサ312と、ターゲット314とを含み得る。ターゲット314は、矢印318により示されるように、線316に沿って後方および/または前方に動くように構成される、円柱の、または、平坦な棒(rod)形状のターゲットであり得る。ターゲット314は、磁気的南セグメント322に直接的に近接する磁気的北セグメント320を含み得る。2つのセグメント320、322が示されるが、ターゲット314は、近接するセグメントが反対の磁極を有するように一体に結合される追加的なセグメントを含み得る。実施形態において、ターゲット314は、磁気セグメントに近接する1つまたは複数の非磁気セグメントを有し得る。非磁気セグメントを包囲する磁気セグメントは、反対の磁極、または、同じ磁極を有し得る。
【0050】
[0067]磁場センサ312は、磁場感知素子の第1の対324と、磁場感知素子の第2の対326とを含み得る。磁場センサ312は、対326の中心から対324の中心へと描かれる線が、ターゲット314の進行の線316と実質的に直角をなすように配置構成され得る。対324は、ターゲット314に、対326より近くあり得る。結果として、対324の磁場感知素子は、対326の磁場感知素子より強い磁場を検出し得る。
【0051】
[0068]図3Cを参照すると、実施形態において、システム300Cは、磁場センサ328と、ターゲット314とを含み得る。ターゲット314は、矢印318により示されるように、線316に沿って後方および/または前方に動くように構成される、円柱の、または、平坦な棒形状のターゲットであり得る。ターゲット314は、磁気的南セグメント322に直接的に近接する磁気的北セグメント320を含み得る。2つのセグメント320、322が示されるが、ターゲット314は、近接するセグメントが反対の磁極を有するように一体に結合される追加的なセグメントを含み得る。実施形態において、ターゲット314は、磁気セグメントに近接する1つまたは複数の非磁気セグメントを有し得る。非磁気セグメントを包囲する磁気セグメントは、反対の磁極、または、同じ磁極を有し得る。
【0052】
[0069]磁場センサ328は、磁場感知素子の第1の対330と、磁場感知素子の第2の対332とを含み得る。磁場センサ328は、対330の中心から対332の中心へと描かれる線334が、ターゲット314の進行の線316に実質的に平行であるように配置構成され得る。
【0053】
[0070]実施形態において、ターゲット314は、矢印318により指示される方向において並進的に動き得る。ターゲット314が動く際、それが生み出す磁場が、さらには動く。磁場が、磁場感知素子対330および332のそばを通り過ぎて、または、それらの対を通って動く際、磁場感知素子は、磁場においての、その動きに起因する変化を検出することになる。ターゲット314が、ページ上で左から右への方向において動いているということを想定する。磁場感知素子対330は、磁場においての特定のレベルまたは特定の変化を、磁場感知素子対332が検出する前に検出し得る。かくして、磁場感知素子対330からの出力信号は、特定の変化またはレベルを、磁場感知素子対332からの出力信号が反映する前に反映し得る。換言すれば、この配置構成において、対330の磁場感知素子、および、対332の磁場感知素子の出力信号の間に位相差が存し得る。この位相差は、ターゲット314の回転の速度、回転の方向、位置、その他を検出するために使用され得る。
【0054】
[0071]図4を参照すると、実施形態において、システム200”は、磁場センサ202がターゲット240の平坦な表面402に重なるように配置構成される、磁場センサ202と、ターゲット240とを含み得る。他の実施形態において、磁場センサ202は、ターゲット240の中心からずらされ得る。
【0055】
[0072]図5を参照すると、システム500は、磁場センサ202と同じまたは同様であり得る磁場センサ502を含み得る。磁場センサ502は、ターゲット504により生み出される磁場を検出するために、ターゲット504に近接して配置され得る。
【0056】
[0073]ターゲット504は、4つの四分区間506~512を含み得る。各々の近接する四分区間は、反対の磁気極性を有し得る。例えば、四分区間506および508は、それらが縁部514を共有するので、近接し得る。かくして、四分区間506は、南極性を有し得るものであり、四分区間508は、北極性を有し得る。四分区間508および512は、それらが縁部516を共有するので、近接し得る。かくして、四分区間512は、南極性を有し得るものであり、四分区間508は、北極性を有し得る。四分区間510は、北極性を有し、南極性四分区間506および512と縁部を共有し得る。
【0057】
[0074]4つの四分区間506~512は、部分的に、例えば磁場線520により示されるように、ターゲット504の上部表面に実質的に平行である方向を伴う磁場を生み出し得る。磁場センサ502は、ターゲット504が回転する際にターゲット504により生み出される磁場を検出するために、ターゲット504の中心からずらされ得る。別の実施形態において、磁場センサ502は、ターゲット504の周縁に近接して位置決めされ得る。
【0058】
[0075]図6を参照すると、磁場センサは、ターゲット504の上方の位置602の中心に置かれ得るものであり、または、位置604により示されるようにずらされ得る。上記で触れられたように、磁場センサは、磁場感知素子の2つ(以上)の対またはセットを有し得る。(図2においてのセット212およびセット218を確認されたい)。実施形態において、磁場感知素子の一方のセットは、例えば位置602において、ターゲット504の中心に、より近く位置決めされ得る。磁場感知素子の他方のセットは、例えば位置604のうちの1つにおいて、ターゲット504の中心から、より遠くずらされ得る。磁場感知素子のセットの分離は、一方のセットが、ターゲット504からのより強い磁場を検出し、他方のセットが、ターゲット504からのより弱い磁場を検出することを結果的に生じさせ得る。検出される場強さにおいての差は、上記で説明されたように、漏洩磁場を排除するために利用され得る。
【0059】
[0076]図7を参照すると、システム700は、磁場センサ202と、ターゲット702とを含み得る。ターゲット702は、ターゲット204または504と、同じまたは同様であり得る。システム700は、さらには、半導体基板であり得る、および、処理回路706を支持し得る、基板704を含み得る(例えば、処理回路706は、基板704内および/または上に形成され得る)。基板704は、さらには、磁場センサ202および磁場感知素子214、216、220、222を支持し得る。
【0060】
[0077]処理回路706は、磁場206の検出を表す、磁場感知素子214、216、220、222からの信号を受信するための回路網を含み得るものであり、磁場206の回転の角度、磁場206の回転の速度、その他を算出し得る。算出を実行するために、処理回路706は、磁場の角度を算出するソフトウェアまたはファームウェアコードを実行する、カスタム回路網および/またはプロセッサを含み得る。処理回路706は、さらには、計算された角度、速度、その他を表す出力信号708を生成し得る。
【0061】
[0078]漏洩場210に対する妨害排除能力は、磁場感知素子からの信号強度の変動するレベルを利用することにより成し遂げられ得る。上記で触れられたように、磁場感知素子220および222は、磁場感知素子214および216が検出するより強い磁場206を検出し得るものであり、なぜならば、磁場感知素子220および222は、ターゲット702に、より近くあり得るからである。
【0062】
[0079]プロセッサ706は、後に続く式を使用して、検出される磁場を計算し得る。
H1y = ABsinθ + ABstraysinθstray (1)
H1x = ABcosθ + ABstraycosθstray (2)
H2y = AkBsinθ + ABstraysinθstray (3)
H2x = AkBcosθ + ABstraycosθstray (4)
上記の式において、H1yは、磁場感知素子216の出力信号であり、H1xは、磁場感知素子214の出力信号であり、H2yは、磁場感知素子222の出力であり、H2xは、磁場感知素子22の出力であり、Aは、磁場感知素子のスカラ感度因子であり、Bは、磁場206であり、Bstrayは、漏洩磁場210であり、kは、セット212およびセット218(図2を確認されたい)により検出されるような磁場強さにおいての差を表すスケーリング因子である。
【0063】
[0080]式4を式1から、および、式3を式2から減算することが、漏洩場の影響を除去し、式を、後に続くものにまとめる。
Hydiff = (1-k)ABsinθ (5)
Hxdiff = (1-k)ABcosθ (6)
磁場の回転の角度は、後に続く算式によって算出され得る。
【0064】
【数1】
【0065】
処理回路706は、出力信号708として信号θを提供し得る。
[0081]本特許の主題である、様々な概念、構造、および技法を例解する役目をする、好まれる実施形態を説明したので、これらの概念、構造、および技法を組み込む他の実施形態が使用され得るということは、今や当業者に明白になるであろう。よって、本特許のその範囲は、説明された実施形態に限定されるべきではなく、むしろ、後に続く特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみで限定されるべきであるということが提言される。本開示において引用されるすべての参照文献は、それらの全体において参照によりここに組み込まれる。
図1
図2
図2A
図3
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7