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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ひげ剃り用カミソリカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/22 20060101AFI20230111BHJP
   B26B 21/14 20060101ALI20230111BHJP
   B26B 21/44 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B26B21/22 Z
B26B21/14 A
B26B21/44 B
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021036394
(22)【出願日】2021-03-08
(62)【分割の表示】P 2019512188の分割
【原出願日】2017-08-29
(65)【公開番号】P2021098091
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-04-07
(31)【優先権主張番号】16188222.0
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】316015877
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE GILLETTE COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ポール ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ロバート ハリントン
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ カルロス リー
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-514145(JP,A)
【文献】国際公開第2012/094093(WO,A2)
【文献】米国特許第04831731(US,A)
【文献】特表2007-527775(JP,A)
【文献】特表2000-500044(JP,A)
【文献】国際公開第2016/109136(WO,A1)
【文献】特表2014-524790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B21/00-21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)であって、
ハウジングの前部にある一次ガード(14)と、ハウジングの後部にある二次キャップ(16)と、前記一次ガードと前記二次キャップとの間に配置された少なくとも1つのばね部材(62、64、66、68、70、72、74、76)とを有するハウジング(12)と、
前記一次ガードと前記二次キャップとの間に配置されたブリッジ部材(26)であって、一次キャップ表面(28)及び二次ガード表面(30)を有する、ブリッジ部材(26)と、
刃先(22)を有する第1の刃(18)であって、前記一次ガードと前記一次キャップ表面との間で前記ばね部材の少なくとも1つに取り付けられた、第1の刃(18)と、
刃先(24)を有する第2の刃(20)であって、前記二次ガード表面と前記二次キャップとの間で前記ばね部材の少なくとも1つに取り付けられた、第2の刃(20)と、を備え、前記ブリッジ部材が複数の前記ばね部材上に取り付けられており、
前記第1の刃(18)が前記一次ガードに最も近く、前記第2の刃(20)が前記二次キャップ(16)に最も近く、
前記刃(18、20)及び前記ブリッジ部材(26)を前記ハウジング(12)に固定する少なくとも1つのクリップ(32a、32b)を更に備え、
前記ブリッジ部材(26)の上面(58)が、前記少なくとも1つのクリップ(32a、32b)の上面(33a、33b)と前記少なくとも1つのクリップの下面(32a及び32b)との間の平面(P1)上に配置されている、ひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項2】
前記第1の刃(18)、前記第2の刃(20)、及び前記ブリッジ部材(26)がそれぞれ、別々のばね部材(62、64、66、68、70、72、74、76、78、及び79)上に独立して取り付けられている、請求項1に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項3】
前記ブリッジ部材(26)が、ステンレス鋼、アルミニウム、又は銅を含む、請求項1又は2に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項4】
前記ひげ剃り用カミソリカートリッジが、2枚の刃(18、20)のみを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項5】
前記ブリッジ部材(26)が、3mm~5mmの前記一次キャップ表面(28)から前記二次ガード表面(30)までの幅(W2)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項6】
前記ブリッジ部材(26)が、1.75mm~4mmの前記一次キャップ表面(28)から前記二次ガード表面(30)までの幅(W2)を有する、請求項1~のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項7】
前記第1の刃(18)の前記刃先(22)と前記第2の刃(20)の前記刃先(24)との間の刃間スパン(S1)が4.2mm~6mmである、請求項1~6のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項8】
前記第1の刃(18)が刃支持部材(38)を含み、前記ブリッジ部材(26)が前記第1の刃及び前記刃支持部材の両方から間隔を空けて配置されることで、洗い流し隙間(39)を画定する、請求項1~のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記刃(18、20)の一方又は前記ブリッジ部材(26)の一部を受容するように構成された複数の刃スロット(40、42、48、50、52)を画定する、請求項1~のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項10】
前記ブリッジ部材(26)が開放刃スロット(48)と重なっている、請求項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項11】
前記ブリッジ部材(26)が、記号(60)を含む上面(58)を有する、請求項1~1のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項12】
前記ブリッジ部材(26)が、間隔を空けて配置された複数の平行なリブ(27c)によって相互接続された、間隔を空けて配置された一対の脚部(44c、46c)を有する、請求項1~1のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【請求項13】
前記ブリッジ部材(26)が潤滑部材(31b)を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載のひげ剃り用カミソリカートリッジ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひげ剃り用カミソリに関し、より詳細には2つのガード、2つのキャップ、及び複数の刃を有するひげ剃り用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ウェットシェービング式のひげ剃り用カミソリは、刃先を有する少なくとも1枚の刃を有するカートリッジ又は刃ユニットを含み、このカートリッジ又は刃ユニットが、カートリッジが取り付けられたハンドルによってひげを剃る皮膚の表面全体にわたって動かされる。カートリッジは、刃の切れ味が不充分なレベルにまで低下した時点でカートリッジを新しいカートリッジに交換することができるようにハンドルに取り外し可能に取り付けるか、又は刃が鈍った時点でカミソリ全体を捨てることを意図してハンドルに永久的に取り付けることができる(すなわち使い捨てカミソリ)。ハンドルとカートリッジとの接続は、カートリッジの角度が調節されてひげを剃る表面の輪郭を辿るように、ハンドルに対するカートリッジの枢動可能な取り付けをもたらす。そのようなシステムでは、カートリッジは、カートリッジハウジング上のカム表面に当てられてハンドル上に担持された、ばねで付勢されるプランジャー(カムフォロワー)の作用によって、静止位置の方へ向かって付勢され得る。
【0003】
カミソリカートリッジは通常、ひげ剃り中に刃の前方の皮膚と接触するガードと、刃の後方の皮膚と接触するキャップと、を含む。キャップ及びガードは、いわゆる「ひげ剃りジオメトリ」、すなわち、ひげ剃り中の皮膚に対する刃の向き及び位置を決定するパラメータを確立する助けとなり、このパラメータはカミソリのひげ剃り性能及び効率に大きく影響する。キャップ及びガードは、刃の露出度を確立する助けとなり得る。刃の露出度は、刃先の前隣り及び後隣りの刃ユニットの要素の皮膚接触面に接する平面に対して測定した刃先の垂直距離又は高さとして定義される。したがって、3枚刃の刃ユニットでは、1番目の刃又は第1の刃の露出度は、ガード及び第2の刃の刃先に接する平面を基準として測定され、3番目の刃又は第3の刃の露出度は、第2の刃の刃先及びキャップに接する平面を基準として測定される。
【0004】
最小許容露出度は、ガードの皮膚係合面から刃先までの距離、すなわち、第1の刃の「スパン」などの他の刃ユニット寸法によって影響され得る。本明細書で言うところの「スパン」とは、刃先の直前の皮膚接触要素と刃先との間に延びる接線に沿って測定される、刃先からその刃先の直前の皮膚接触要素までの距離を意味する。ガードは、刃を支持するハウジング又はプラットフォーム構造と一体に形成することが可能な、概ね剛性のガードバーを含み得る。ガードは更に、皮膚を引き伸ばし、かつ/又は刃の前方の毛髪を整列させることを意図した様々な種類の弾性材料で作製された皮膚引き伸ばし要素を含み得る。
【0005】
複数の刃を備えたカートリッジを有する安全カミソリは、近年、膨大な数が販売されており、1枚刃のカミソリと比較して、特に深剃りに関して、より質の高いひげ剃りを提供するものとして一般に認知されている。多くの刃を有する刃ユニットは、1枚又は2枚の刃のみを有する同様の刃ユニットよりも深剃りを与えることができる。しかしながら、得られるひげ剃りの深剃り度はカミソリのユーザがカミソリの性能を判断するうえでの1つのパラメータに過ぎない。考慮される別の重要な特性として快適性がある。例えば、多くの消費者が、自分が、傷、切り傷、及び刺激に弱い敏感肌を有するとしている。ひげを剃る人によって「引き攣れ」感としてしばしば述べられるひげ剃りにおける不快感は、刺激される毛包の周囲の神経によって引き起こされる。この神経の刺激は、毛髪を動かすこと、毛髪を引っ張る、かつ/又は切断すること、及び皮膚の表面上でカミソリカートリッジを引くことによって発生し得る。
【0006】
更に、多くの消費者が、ひげ剃りを不快なものとするニキビ及び/又は須毛部仮性毛包炎(PFB)を患っている。PFBすなわちひげ剃り後のぶつぶつは、丘疹及び膿疱を伴う異物炎症反応である。これは、もともと硬い、又は強く巻いた毛髪を有する成人男性、特に普段から深剃りをする成人男性に主にみられる、一般的な皮膚科学的状態である。皮膚の表皮に再び入り込む、又は毛包の壁を横断する深剃りによって切り詰められた顔の毛髪の先端は、患部に局在化した炎症反応を生じさせる。このプロセスによって、皮膚の二次感染が生じ、重篤な場合では永久的な瘢痕が生じる場合がある。したがって、より快適なひげ剃り性を提供し、かつ/又は顔及び身体を剃毛することにより生じる皮膚の問題(例えば、PFB、刺激、発赤、ひげ剃り後の毛穴のぶつぶつ、埋没毛、ニキビなど)を低減するひげ剃り用カミソリカートリッジが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は概して、ハウジングの前部にある一次ガードと、ハウジングの後部にある二次キャップと、一次ガードと二次キャップとの間に配置された少なくとも1つのばね部材とを有するハウジングを備えたひげ剃り用カミソリカートリッジに関する。ブリッジ部材が、一次ガードと二次キャップとの間に配置される。ブリッジ部材は、一次キャップ表面及び二次ガード表面を有する。刃先を有する第1の刃が、一次ガードと一次キャップ表面との間でばね部材の少なくとも1つに取り付けられる。刃先を有する第2の刃が、二次ガード表面と二次キャップとの間でばね部材の少なくとも1つに取り付けられる。ブリッジ部材は、ばね部材の少なくとも1つの上に配置された1対の離間した脚部を有する。
【0008】
別の態様では、本発明は概して、一次ガード及び二次キャップを有するハウジングを提供することにより、ひげ剃り用カミソリカートリッジを組み立てる方法に関する。刃先を有する第1の刃がハウジングに取り付けられる。刃先を有する第2の刃がハウジングに取り付けられる。1対の離間した脚部を有するブリッジ部材が、第1の刃と第2の刃との間にこれらに接してハウジングに取り付けられる。第1の刃、第2の刃、及びブリッジ部材が、少なくとも1つのクリップでハウジングに固定される。
【0009】
更なる別の態様では、本発明は概して、カートリッジハウジングの1対の対応する刃スロット内に取り付けられるように構成された1対のほぼ平行な離間した脚部を備えたひげ剃り用カミソリカートリッジのブリッジ部材に関する。上面が脚部全体に延びる。上面は1.5mm~4mmの幅を有する。
【0010】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の明細書に記述する。本発明のその他の特徴及び利点は、明細書及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ひげ剃り用カミソリカートリッジの平面図である。
図2図1の線2-2に概ね沿ったひげ剃り用カミソリカートリッジの断面図である。
図3A図1のひげ剃り用カミソリカートリッジに組み込むことができるブリッジ部材の1つの可能な実施形態の斜視図である。
図3B図1のひげ剃り用カミソリカートリッジに組み込むことができるブリッジ部材の別の可能な実施形態の斜視図である。
図3C図1のひげ剃り用カミソリカートリッジに組み込むことができるブリッジ部材の別の可能な実施形態の斜視図である。
図4図1のひげ剃り用カミソリカートリッジの組立図である。
図5図1のひげ剃り用カミソリカートリッジの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、ひげ剃り用カミソリカートリッジ10の平面図が示されている。ひげ剃り用カミソリカートリッジ10は、ハウジング12の前方に向かう一次ガード14、及びハウジング12の後方に向かう二次キャップ16を有するハウジング12を含み得る。特定の実施形態では、一次ガード14と二次キャップ16との間でハウジング12に取り付けられた第1の刃18及び第2の刃20があってよい。刃18及び20のそれぞれは、同じ方向(例えば、一次ガード14に向かう)に面したそれぞれの刃先22及び24を有し得る。刃18及び20は、ひげ剃りストローク中に刃18及び20がハウジング12に対して動かないようにハウジング12に固く固定されてよく、又は刃18及び20はばね装填されてもよい。
【0013】
ブリッジ部材26は、第1の刃18と第2の刃20との間に配置することができる。ブリッジ部材26は、一次キャップ表面28及び二次ガード表面30を有し得る。したがって、一次ガード18及び一次キャップ表面28は、第1の刃先22のひげ剃り面を確立することができる。同様に、二次ガード表面30及び二次キャップ16は、第2の刃先24のひげ剃り面を確立することができる。特定の実施形態では、二次ガード表面30及び一次キャップ表面28は一体の部材とすることができる。ブリッジ部材26は、ハウジング12に取り付けられた別の成形部品としてもよい。ブリッジ部材26は、アルミニウム、銅、又はステンレス鋼などの金属を含んでもよい。
【0014】
刃18及び20、並びにブリッジ部材26は、ハウジング12の一部の周囲に折り曲げられた少なくとも1つのクリップ32a及び32bでハウジング12に固定することができる。クリップ32a及び32bは、刃18及び20並びにブリッジ部材26をハウジング12に固定している2つの別個の要素として示されているが、クリップ32a及び32bは単一部品の設計としてもよい。更に、ハウジング12に対して刃18及び20並びにブリッジ部材26を固定するために、必ずしもクリップ32a及び32bをハウジング12の一部の周囲に折り曲げる、又は形成する必要がない場合がある。例えば、クリップ32a及び32bは、ハウジング12に対してスナップ嵌め、圧入、接着剤による接着、又は超音波溶着することができる。クリップ32a及び32bは、金属(例えば、アルミニウム又はステンレス鋼)、又はポリマー材料(例えば、Noryl(商標)(General Electric Plastics、現在のSABIC Innovative Plasticsaが開発したポリフェニレンオキシド(PPO)とポリスチレンとのブレンド)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アセタール、ポリプロピレン、耐衝撃性ポリスチレン、又はこれらの任意の組み合わせ)を含み得る。クリップ32a及び32bは、それぞれの刃18及び20の刃先22及び24と接触してひげ剃り面を確立することができる。
【0015】
特定の実施形態では、クリップ32a及び32bは、刃先22及び24に対する一次キャップ表面28及び二次ガード表面30の適切な配置を容易とするために一次キャップ表面28及び/又は二次ガード表面30に接触していなくてもよい。例えば、クリップ32a及び32bがブリッジ部材26の上方、又はその周囲に延びている場合、クリップ32a及び32bは、一次キャップ表面28及び二次ガード表面30の上側に位置するために、クリップ32a及び32bは、皮膚及び毛髪の刃先22及び24との適切な接触を妨げる可能性がある。更に、ブリッジ部材26の位置は、クリップ32a及び32bの厚さによって限定される。
【0016】
理論に束縛されずに言うならば、毛髪を皮膚レベルの近くにまで切るが、ただし、皮膚の表面の下では切らないことによって、皮膚の刺激及びPFBを最小限に抑えることが可能であると考えられる。複数刃のひげ剃り用カミソリカートリッジは、ヒステリシス効果として知られる効果を利用している。ヒステリシスは、ひげ剃り中に毛髪が切断された後に発生する準安定的な毛髪の伸張である。現行のカミソリでは、カートリッジの鋭い刃先がひげ剃りストローク中に個々の毛髪と係合し、皮膚の表面全体にわたってカミソリが動かされる際に毛髪に力を作用させて毛髪を毛包から外に脱出させる。毛が切断され、力が除かれると、毛髪は皮膚内に引っ込む。しかしながら、複数刃システムでは、後方の刃(すなわち2番目の刃)が毛髪と係合し、毛髪が皮膚内に引っ込む前に切断する。毛髪が皮膚内に完全に引っ込む前に連続刃が毛髪を切断するこの概念は、「ヒステリシス切断」として知られている。第2の連続刃も更に毛髪に係合して、切断を行いながら毛髪を引っ張る場合には、1枚刃のカミソリを使用する場合よりもかなりの深剃りを行うことが可能になる。
【0017】
複数の間隔の近い刃を有するカミソリカートリッジでは、1本の毛髪が1回の切断動作中に1つを超える刃と係合し得るため、神経の刺激及び不快感が増幅される。それほど間隔が近くない刃は、1回の切断動作で同じ毛髪と係合する確率が低くなることから、神経刺激及び不快感を増幅させる傾向は低くなる。理論に束縛されずに言うならば、不快な神経刺激は1本の毛髪が切断動作中に複数の刃と係合する確率を低くすることによって低減することができると考えられる。更に、1本の毛髪が切断動作中に複数の刃と係合する確率を低くすることにより、毛髪が深剃りされすぎる、すなわち、皮膚の表面の下で切断されることを防止する助けとなり、これにより、伸びる毛髪が皮膚の表皮に再び入り込むことを制限することができる。
【0018】
図2を参照すると、図1の線2-2に概ね沿った、ひげ剃り用カミソリカートリッジ10の断面図が示されている。一次ガード14は、約0.35mm~約0.85mmの幅(W1)を有し得る。ブリッジ部材26は、2枚の刃先22と24との間に充分な間隔を提供することで、一般的なひげ剃りシステムと比較して毛髪が毛包内のより奥深くに引っ込むことを可能とする。刃先22と24とがより遠く離れているほど、毛髪が引っ込まなければならない時間は長くなる。第2の刃先24は第1の刃先22と同じ毛髪を切断せずともよいが、第1の刃先22が逃した毛髪を切断することができる。特定の実施形態では、第1の刃18の刃先22と第2の刃20の刃先24との間の刃間スパン(S1)は、約3mm~約6mmとすることができる。例えば、第1の刃18の刃先22と第2の刃20の刃先24との間の刃間スパン(S1)を4.2mmよりも大きくすることで、より快適なひげ剃りをもたらすための充分な間隔を提供することができる。第1の刃18の刃先22と第2の刃20の刃先24との間の刃間スパン(S1)は、一次ガード14と第1の刃18の刃先20との間のスパン(S2)より大きくてもよい。第1の刃18の刃先22と第2の刃20の刃先24との間の刃間スパン(S1)はまた、二次ガード表面28と第2の刃20の刃先24との間のスパン(S3)より大きくてもよい。特定の実施形態では、刃間スパン(S1)は、スパンS2及び/又はS3よりも約6倍~約12倍大きくすることができる。刃間スパンS1は、不快感及び皮膚表面よりも下での毛髪の切断につながり得る毛髪の2重の係合を最小に抑える助けとなり得る。
【0019】
刃18及び20は、対応する刃支持部材38及び36を有し得る。支持部材は刃18及び20の一体部分とすることもでき、あるいは、刃18及び20を対応する刃支持部材36及び38に取り付け固定(例えば溶接)することもできる。刃支持部材36及び38は、ハウジング12の対応する刃スロット40及び42内に配置することができる。ブリッジ部材26は、ブリッジ部材26に対して横断方向に延びる1対の離間した脚部44及び46を含み得る。ハウジング12は、刃18と刃20との間に複数の刃スロット48、50、及び52を有し得る。離間した脚部44及び46は、刃スロット50及び52内にそれぞれ配置することができる。離間した脚部44及び46は、特にブリッジ部材26のサイズ(例えば前から後への方向の幅)が大きくなる場合に、ひげ剃りストローク中のブリッジ部材26の安定性を向上させることができる。1本脚のブリッジ部材は、2つの離間した脚部44及び46を有するブリッジ部材26ほど力の均衡が取れないために、ひげ剃りストローク中にハウジング12内で傾くか又は揺れやすい傾向にある。更に、2つの脚部44及び46は、1本脚と比較してひげ剃り力をハウジング12に、よりよく分配することができる。ブリッジ部材26は、第1の刃18(及び刃支持部材38)から離間していることで、それらの間に洗い流し隙間39を画定することができる。洗い流し隙間39は、ひげ剃り破片(例えば切断された毛髪及び/又はひげ剃り剤)の除去を促進することができる。これにより、第2の刃20が毛髪と係合しこれを切断する際に存在するひげ剃り破片を少なくすることができ、より効率的かつ快適なひげ剃りにつながる。離間した脚部44及び46により、ブリッジ部材26の間隔を改善することができる。特定の実施形態では、脚部の間隔をブリッジ部材26の全体の幅よりも小さくすることができ、これにより洗い流し性を向上させることができる。例えば、脚部44と46とがブリッジ部材26の幅と同じ距離だけ離間していたとすると、ひげ剃り破片が脚部46と刃支持部材38との間に挟まりやすくなる。脚部44と46とは、約1mm、例えば0.5mm~1.5mm離間し得る。
【0020】
第2の刃20(又は刃支持部材36)とブリッジ部材26との間の刃スロット48は空いていてよい(すなわち、刃スロット48内に構成部品が配置されていない)。特定の実施形態では、ブリッジ部材26は空いている刃スロット48と重なっていてよい。典型的な複数刃のカートリッジハウジングは、刃及び/又は刃支持部材を受容する刃スロットを用いている。ブリッジ部材26は、同じハウジングを使用し、一次ガード14に最も近い刃18と二次キャップ16に最も近い刃20との間により大きな皮膚支持領域を提供することにより、新たなハウジングを設計又は製造する必要なくしてより快適なひげ剃りを可能とし得るものである。例えば、ハウジング12は、5枚刃のひげ剃り用カートリッジに使用されるものと同じハウジングであってよいが、ブリッジ部材26並びに2枚の刃18及び20のみを必要とする。
【0021】
特定の実施形態では、ブリッジ部材26の一次キャップ表面28及び二次ガード表面30を、対応するクリップ32bの下面34bに対して予め負荷を掛けることができる刃先22及び24よりも上側に配置することが有利となり得る。ブリッジ部材26の一次キャップ表面28及び二次ガード表面30は、対応するクリップ32bの上面33bと下面34bとの間の平面P1上に配置することができる。図2には1つのクリップ32bのみが示されているが、クリップ32aもまた対応する上面33a及び下面34a(図4に示される)を有し得、ブリッジ部材26をクリップ32bにおけるのと同じ要領で取り付けることができることが理解されよう。
【0022】
ブリッジ部材26は、毛髪の2重係合を最小限に抑え、毛髪が皮膚表面よりも下で切断されることを防止する適切なひげ剃りジオメトリを促進するような幅(W2)を有し得る。幅(W2)は、刃先22及び24に接する平面P2で(例えば、クリップ32bの下面34bで)測定されるブリッジ部材26の(前から後への方向の)全体の幅として測定することができる。特定の実施形態では、W2は、約1.75mm~約4mm、好ましくは約2mm~約3mmとすることができる。ブリッジ部材26の幅は、適切なひげ剃りジオメトリの確立を助け、毛髪が皮膚表面よりも下で切断されることを防止することができる。例えば、ブリッジ部材26の幅W2は、刃先22及び24間に充分な間隔を与えて、毛髪が第1の刃18の刃先22により切断された後、第2の刃20の刃先24が係合する前に毛包内に再び引っ込むことを可能とし得る。更に、ブリッジ部材26の幅及び間隔は、毛髪が2重に係合する(例えば、刃先22及び24が両方とも同時に同じ毛髪と係合する)ことを低減することができる。刃間スパンS1が大きくなるにしたがって、刃先22及び24間での皮膚の膨らみも大きくなり得、これにより傷及び切り傷が増える結果につながり得る。ブリッジ部材26の幅は、特に刃間スパンS1が大きくなる場合に、傷、切り傷、及び不快感につながり得る皮膚の膨らみを最小限に抑えるよう、改善された皮膚の支持をもたらすことができる。
【0023】
特定の実施形態では、ブリッジ部材の幅W2は、刃間スパンS1の45%よりも大きくすることができる。例えば、ブリッジ部材の幅W2は、刃間スパンS1の約50%~約75%とすることができる。したがって、刃間スパンS1が4.0mmであった場合、ブリッジ部材26の幅W2は2.0mmよりも大きくすることができる。特定の実施形態では、ブリッジ部材の幅W2は、刃間スパンS1の約60%~約70%とすることができる。より幅の広いブリッジ部材26は、皮膚の膨らみを低減させる一方で同時に毛髪の2重係合及びヒステリシスを最小限に抑えることにより、より快適なひげ剃りにつながる高い皮膚の支持を提供することができる。
【0024】
図3Aを参照すると、ブリッジ部材26の斜視図が示されている。ブリッジ部材26は、前縁部62及び後縁部64を有し得る。特定の実施形態では、前縁部62及び/又は後縁部64は、対応する脚部44及び46と重なって、刃18と刃20との間に充分な間隔を提供する一方で、同時にブリッジ部材26がハウジング12内に収まることも可能にする(図2に示される)。脚部44及び46のそれぞれは、対応する上面54及び56を有し得る。上面54及び56は、上面58よりも低く下がっていることで、図1のクリップ32a及び32bを取り付けるための領域を提供することができる。したがって、クリップ32a及び32bがハウジング12に固定されると、クリップ32a及び32bはブリッジ部材26の上面58とほぼ同じ高さとなるため、図2に示されるように、ひげ剃り用カミソリカートリッジ10のより均一な表面を提供することができる。脚部44及び46は、ブリッジ部材26に取り付けられた別個の構成部品であってもよく、又はブリッジ部材26と一体の構成部品として製造されてもよい。一次キャップ表面28及び二次ガード表面30を円弧状にして、快適な皮膚支持表面を提供することができる。ブリッジ部材26は、脚部44及び46全体にわたって延びる上面58を有し得る。一次キャップ表面28と二次ガード表面30との間の上面58は、概ね平坦とすることができる。平坦な上面58は、ブリッジ部材26上にブランド名を表記することを可能にし得る。例えば、記号60を、機械加工、エッチング、成型、塗装などにより上面58上に配置することができる。ブリッジ部材26は、平坦な長方形として示されているが、丸みを帯びた表面など、その他の多くの形状も可能である点が理解される。
【0025】
特定の実施形態では、一次キャップ表面28、二次ガード表面30、及び/又は上面58は、一次ガード14の摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有し得る。例えば、一次キャップ表面28、二次ガード表面30、及び/又は上面58は、光沢表面(例えば、6000グリットのダイヤモンドバフ~1200グリットのダイヤモンドバフ)を有することで、ひげ剃りストロークの際の滑りをよくすることができる。ブリッジ部材26(すなわち、二次ガード表面30及び/又は上面58)をコーティング(ポリ-para-キシリレン又はPTFE)又はめっき(例えばクロームめっき)して、潤滑性を高めてもよい。また、一次キャップ表面28、二次ガード表面30、及び/又は上面58は、ひげ剃りストロークの際に皮膚を剥落させるために極めて粗い表面を有してもよい(例えば600グリットストーン以下)。一次キャップ表面28、二次ガード表面30、及び上面58は、陽極酸化アルミニウムから製造することで潤滑性を高め、ブリッジ部材26の色の選択肢を与えることができる。ブリッジ部材26は、各種金属(例えば、ステンレス鋼、銅、又はアルミニウム)のワイアEDM、機械加工、又はスタンピングにより製造することができる。
【0026】
図3Bを参照すると、ブリッジ部材26bの第2の可能な実施形態の斜視図が示されている。ブリッジ部材26bは、図1及び2のひげ剃り用カートリッジ10のブリッジ部材26と置き換えることができる。例えば、ブリッジ部材26bは、図2でブリッジ部材26に関して述べたようにハウジング12内に挿入することができる。ブリッジ部材26bは、対応する上面54b及び56bを有する1対の脚部44b及び46bを含み得る。脚部44bと46bとは、上面27bによって相互に接続することができる。脚部44b及び46bは別個の構成部品であってもよく、又は上面27bと一体の構成部品として製造されてもよい。上面27bは、潤滑部材31bを受容するように構成された開口部29bを画定することができる。開口部29bは凹部であってもよいし、又は上面27bを完全に貫通して延びていてもよい。潤滑部材29bは、射出成形、押出成形、又は熱/超音波圧縮された水滲出性ひげ剃り補助要素を含み得る。潤滑部材29bは、一次キャップ表面28及び二次ガード表面30を提供し得る。したがって、潤滑部材29bは、1つ以上の刃の前方(例えば図2の刃20)及び後方(例えば図2の刃18)に潤滑性を与え、これにより、刺激を低減するか又はひげ剃り剤の必要をなくすことができる。一次キャップ表面28b及び/又は二次ガード表面30bを円弧状にして、快適な皮膚支持表面を提供することができる。ブリッジ部材26bは、一次キャップ表面28bと二次ガード表面30bとの間に上面58bを有し得る。上面58bは上述したように、ブリッジ部材26b上にブランド名を表記することを可能にし得る。
【0027】
脚部44b及び46bは、上面58bよりも低く下がっていることで図1のクリップ32a及び32bを取り付けるための領域を提供する、対応する上面54b及び56bを有し得る。したがって、クリップ32a及び32bがハウジング12に固定されると、クリップ32a及び32bはブリッジ部材26bの上面58bとほぼ同じ高さとなるため、ひげ剃り用カミソリカートリッジ10のより均一な表面を提供することができる。ブリッジ部材26bは、約1.5mm~約4mmの前縁部62bから後縁部64bまでの幅(W3)を有し得る。ブリッジ部材26bの幅W3は、毛髪の2重係合を最小限に抑え、毛髪が皮膚表面よりも下で切断されることを防止する、適切なひげ剃りジオメトリを可能にすることができる。特定の実施形態では、ブリッジ部材26bは一次ガード14の幅の3~5倍の幅とすることができる。特定の実施形態では、ブリッジ部材26bは、異なるハウジング構造にクリアランスをもたらすために1つ以上の切欠き部65b、67b、及び69bを有し得る。例えば、ハウジング12内において、切欠き部65b及び69bは、ばね部材62、64、66、68、60、72、74、76、78及び70のクリアランスを可能にすることができ(図4に示される)、切欠き部67bは、中心刃支持部材75のクリアランスをもたらすことができる(図4に示される)。示される図では、切欠き部65b、67b、及び69bのみが示されているが、ブリッジ部材26bの反対側が同様の切欠き部を有し得る点が理解されよう。
【0028】
図3Cを参照すると、ブリッジ部材26cの別の可能な実施形態の斜視図が示されている。ブリッジ部材26cは、図1及び2のひげ剃り用カートリッジ10のブリッジ部材26と置き換えることができる。例えば、ブリッジ部材26cは、図2でブリッジ部材26に関して述べたようにハウジング12内に挿入することができる。ブリッジ部材26cは、対応する上面54c及び56cを有する1対の脚部44c及び46cを含み得る。脚部44cと46cとは、離間した複数の平行なリブ27cによって相互に接続することができる。脚部44c及び46cは別個の構成部品であってもよく、又は離間した複数の平行なリブ27cと一体の構成部品として製造されてもよい。離間した複数の平行なリブ27cは、一次キャップ表面28c及び二次ガード表面30cを提供することができる。リブ27cは、一次キャップ表面28cと二次ガード表面30cとの間に上面58cを有し得る。
【0029】
脚部44c及び46cの上面54c及び56cは、上面58cよりも低く下がっていることで、図1のクリップ32a及び32bを取り付けるための領域を提供することができる。したがって、クリップ32a及び32bがハウジング12に固定されると、クリップ32a及び32bはブリッジ部材26cの上面58cとほぼ同じ高さとなるため、ひげ剃り用カミソリカートリッジ10のより均一な表面を提供することができる。ブリッジ部材26は、幅(W4)を有し得る。幅(W4)は、図2及び3Aに示される幅(W2)と同様にして測定することができる。幅(W4)は、刃先22及び24に接する平面P2で(例えば、クリップ32a及び32bの下面34a及び34bで)測定されるブリッジ部材26の(前から後への方向の)全体の幅として測定することができる。ブリッジ部材26cの幅は、毛髪の2重の係合を最小限に抑え、毛髪が皮膚表面よりも下で切断されることを防止する、適切なひげ剃りジオメトリを可能にすることができる。特定の実施形態では、ブリッジ部材26cは、一次ガード14の幅の3~5倍の幅とすることができる。離間した複数の平行なリブ27cは、それらの間に洗い流し開口部29cを画定して、切断された毛髪及び余分なひげ剃り剤又は石鹸の除去を助けることができる。特定の実施形態では、ブリッジ部材26は、異なるハウジング構造にクリアランスをもたらすために1つ以上の切欠き部65c、67c、及び69cを有し得る。例えば、ハウジング12内において、切欠き部65c及び69cは、ばね部材62、64、66、68、60、72、74、76、78及び70のクリアランスを可能にすることができ(図4に示される)、切欠き部67cは、中心刃支持部材75のクリアランスをもたらすことができる(図4に示される)。示される図では、切欠き部65c、67c、及び69cのみが示されているが、ブリッジ部材26cの反対側が同様の切欠き部を有し得る点が理解されよう。
【0030】
図4を参照すると、ひげ剃り用カミソリカートリッジ10の組立図が示されている。刃18及び20はそれぞれ、ハウジング12の1対の対応したばね部材62、64及び66、68上に取り付けることができる。ブリッジ部材26は、複数のばね部材70、72、74、76、78及び79上に取り付けることができる。図3B及び3Cに示される切欠き部65b、69b、65c、及び69cがばね部材70、72、74、76、78及び79のクリアランスを可能にすることができ、そのためブリッジ部材26を適切な高さに取り付けることができる。更に、図3B及び3Cに示される切欠き部67b及び67cは、ハウジング12の中心刃支持部材75のクリアランスをもたらすことができる。クリップ32a及び32bは、刃18及び20、並びにブリッジ部材26(例えば、ブリッジ部材26の脚部44及び46の上面54及び56)の上方に取り付けることができる。ブリッジ部材26が示されているが、代わりにブリッジ部材26b及び26cも使用できる点が理解されよう。次いで、クリップ32a及び32bをハウジング12に固定することができる。ばね部材62、64及び66、68は、クリップ32a及び32b(例えば、クリップ32a及び32bの下面34a及び34b)に対して刃18及び20を持ち上げる。同様に、ばね部材70、72、74、76、78及び79は、クリップ32a及び32bに対してブリッジ部材26を持ち上げることができる。特定の実施形態では、ブリッジ部材26はそれ自体のばね部材70、72、74、76、78及び79上に取り付けられているため、ブリッジ部材26は、刃18及び20、並びにハウジング12とは独立して動くことができる。ブリッジ部材26の独立した運動は、ブリッジ部材がひげ剃りストローク中に適用される力に適応することを可能にするため、より快適なひげ剃りをもたらすことができる。更に、1対の脚部44及び46は、ブリッジ部材26の安定性を高めることができる。特定の実施形態では、ブリッジ部材26は、刃18及び20の場合のように2つのばね部材だけでなく、6つのばね部材70、72、74、76、78及び79によって支持することができる。したがって、ブリッジ部材26は、ひげ剃り荷重をより効果的に分配することができる。上で説明したように、ブリッジ部材26は、クリップ33a及び33bの上面の下側に配置されてもよいし、クリップ32a及び32bの上面33a及び33bの上側に配置されてもよい。
【0031】
図5を参照すると、図1のひげ剃り用カミソリカートリッジ10の概略図が示されている。刃に関連した牽引力に影響し得る別の因子は、刃接線角度、すなわちBTAである。ひげ剃り用カミソリカートリッジ10は、一次ガード14及び一次キャップ表面28に接する第1のひげ剃り平面80を有し得る。第1のひげ剃り平面80は、第1の刃接線角度β1で第1の刃18の刃面82(すなわち刃先22)と交差することができる。ひげ剃り用カミソリカートリッジ10は、二次ガード表面30及び二次キャップ16に接する第2のひげ剃り平面84を有し得る。第2のひげ剃り平面84は、第2の刃接線角度β2で第2の刃20の第2の刃面86(すなわち刃先24)と交差することができる。刃接線角度が小さいほど、ひげ剃り用カミソリカートリッジ10でより快適なひげ剃りを行うことができる。特定の実施形態では、第1の刃接線角度β1は約15°、例えば10°~25°とすることができる。刃18及び20が両方とも同じ刃接線角度を有する必要はない。例えば、第2の刃接線角度β2は、第1の刃18の刃接線角度β1よりも、例えば約10°小さくすることができる。
【0032】
本明細書で開示されている寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示されている寸法は、「約40mm」を意味することが意図されている。更に、寸法は、典型的な製造許容差によるずれを許容しない、不可能なほど高い形而上学的識別基準に固執されるべきではない。したがって、用語「約」は典型的な製造の許容誤差の範囲内であると解釈されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5