(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】自動薬物調合器のためのポンプ駆動装置
(51)【国際特許分類】
F04B 43/12 20060101AFI20230111BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F04B43/12 Z
A61J3/00 312
(21)【出願番号】P 2021037954
(22)【出願日】2021-03-10
(62)【分割の表示】P 2018528950の分割
【原出願日】2016-11-30
【審査請求日】2021-03-10
(32)【優先日】2015-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、ロバート エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】リトル、サラ
(72)【発明者】
【氏名】フェイス、レイ
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-069382(JP,U)
【文献】特開平11-128339(JP,A)
【文献】特開2004-156584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/00 - 47/14
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性チューブ(3606)と、
前記弾性チューブの第1の端部にある第1の一方向バルブ(3608)と、
前記弾性チューブの対向する第2の端部にある第2の一方向バルブ(3610)と、
ここで、前記第1の一方向バルブおよび前記第2の一方向バルブは各々、流体が同じ一方向に流れることを可能にし、
前記第1の一方向バルブと前記第2の一方向バルブとの間で前記弾性チューブの一部分を圧縮して前記流体を同じ一方向に圧送する往復平面プラテン(3604)と、
細長い開口(3603)を有するポンプハウジング(3602)であって、前記弾性チューブが、前記細長い開口(3603)を通して挿入され、前記往復平面プラテンは、前記弾性チューブを圧縮して解放するために前記細長い開口内で作動されるように構成されている、ポンプハウジング(3602)と、
前記
往復平面プラテンを作動させるように構成されたモータ(3620)と、
前記モータの回転運動を前記
往復平面プラテンの直線往復運動に転換するように構成された偏心駆動装置(3702)と、
前記モータを前記
往復平面プラテンに機械的に結合する偏心軸受(3703)と
を備える、ポンプ(2500)。
【請求項2】
前記モータ(3620)は、第1の方向において前記
往復平面プラテンを作動させて、前記弾性チューブを圧縮して、前記流体を前記弾性チューブから前記第1の一方向バルブを通じて一方向に圧送し、第2の反対の方向において前記
往復平面プラテンを作動させて、前記弾性チューブを解放するように構成されている、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記弾性チューブは、前記第2の一方向バルブを介して前記弾性チューブに追加の流体を引き込むために非圧縮状態に戻るように構成されている、請求項2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記モータに結合されたモータマウント(3704)をさらに備える、請求項1に記載のポンプ。
【請求項5】
前記ポンプハウジングは、前記ポンプを調合器(10)の外面に取り付けるように構成された取り付け構造体(3622)を備える、請求項1に記載のポンプ。
【請求項6】
前記細長い開口は、前記弾性チューブのチューブ形状に対応する細長い開口形状を有する、請求項1に記載のポンプ。
【請求項7】
前記弾性チューブの前記第1の端部は、受容器(32)の出力ポートに流体結合されている、請求項1に記載のポンプ。
【請求項8】
前記弾性チューブの対向する前記第2の端部は、廃棄物容器(44)に流体結合されている、請求項7に記載のポンプ。
【請求項9】
前記ポンプは、前記受容器内に収容された流体を前記廃棄物容器に圧送するように構成されている、請求項8に記載のポンプ。
【請求項10】
前記往復平面プラテンを画定するプラテンハウジング(3700)をさらに備える、請求項1に記載のポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬物を再構成し、混合し、バイアルから受容器に送達する装置に関する。具体的には、本開示は、薬物の再構成、吊下希釈剤バッグおよび希釈剤バイアルから薬剤バイアルへの希釈剤の送達、受容器の充填および廃棄物容器への廃棄物の除去を容易にするためのポンプ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品調合とは、患者の固有の必要性に合わせて特定の医薬品の作成を実践することである。実際には、調合は、典型的には、様々なツールを用いて適切な成分を組み合わせる薬剤師、技術者または看護師によって行われる。1つの一般的な形態の調合は、懸濁医薬組成物を生成するための、粉末薬物製剤と特定の希釈剤との組み合わせを含む。これらのタイプの組成物は、一般に、静脈内/非経口投与において使用される。医薬品および希釈剤は、調合プロセス中に無菌状態に維持されることが極めて重要であり、適切な混合特性を維持しながらプロセスを自動化する必要がある(すなわち、医薬品が溶液中に適切に混合されるが、溶液は泡立てられず、気泡が生成されないような特定の方法で、特定の医薬品を攪拌しなければならない)。使用が容易で、頻繁に使用することができ、効率的で信頼性があり、ユーザのエラーを減少させる調合システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
自動薬物調合器のためのポンプ駆動装置を提供することができる。ポンプ駆動装置は、カートリッジを通じて薬物を収容しているバイアルに流体を圧送するか、または再構成された薬物を受容器に圧送するようにポンプカートリッジを操作するように制御可能な複数の作動機構を備えたポンプヘッドアセンブリを含むことができる。
【0004】
一実施形態によれば、カルーセルから針アセンブリを有するポンプカートリッジを解放するように回転可能なバヨネットと、バイアルトレイへと、および、バイアルトレイからバイアルを移送するための、薬物を収容するバイアルに取り付けられたバイアルパックを把持するように構成されたバイアルグリップと、針アセンブリをバイアルへと延伸させるためにバイアルを持ち上げるように構成されたバイアルリフトと、ポンプカートリッジのピストンを動作させるように構成されているポンプピストン駆動装置と、ポンプカートリッジのバルブを動作させるように構成された少なくとも1つのバルブアクチュエータと、マニホールド針をポンプカートリッジ内のポートへと延伸させるように構成された少なくとも1つの針プッシュロッドとを含む、調合器システムのためのポンプ駆動装置が提供される。
【0005】
別の実施形態によれば、ポンプカートリッジであって、針アセンブリ、ピストン、および複数のバルブを有する、ポンプカートリッジと、ポンプ駆動装置であって、カルーセルからポンプカートリッジを解放するように回転可能なバヨネット、バイアルトレイへと、および、バイアルトレイからバイアルを移送するための、薬物を収容するバイアルに取り付けられたバイアルパックを把持するように構成されたバイアルグリップ、針アセンブリをバイアルへと延伸させるためにバイアルを持ち上げるように構成されたバイアルリフト、ポンプカートリッジのピストンを動作させるように構成されているピストンポンプ駆動装置、および、ポンプカートリッジの複数のバルブを動作させるように構成された複数のバルブ作動機構を備える、ポンプ駆動装置とを備える、調合器システムが提供される。
【0006】
別の実施形態によれば、弾性チューブと、弾性チューブの第1の端部にある第1の一方向バルブと、弾性チューブの対向する第2の端部にある第2の一方向バルブと、ここで、第1の一方向バルブおよび第2の一方向バルブは各々、流体が同じ一方向に流れることを可能にし、第1の一方向バルブと第2の一方向バルブとの間で弾性チューブの一部分を圧縮して流体を一方向に圧送する往復平面プラテンとを備える、ポンプが提供される。
【0007】
本発明のさらなる理解を助けるために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、開示される実施形態を示しており、本明細書とともに、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の態様による調合システムの例示的な実施形態の一例の正面斜視図である。
【
図2】本開示の態様による透明ハウジングを有する
図1の調合システムの正面斜視図である。
【
図3】本開示の態様によるハウジングが取り外された
図1の調合システムの側面図である。
【
図4】本開示の態様によるポンプ駆動機構の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図5】本開示の態様による
図4のポンプ駆動機構の分解図である。
【
図6】本開示の態様によるモータマウントの例示的な実施形態の一例の斜視図である。
【
図7】本開示の態様による
図6のモータマウントの背面斜視図である。
【
図8】本開示の態様による
図6のモータマウントの斜視図である。
【
図9】本開示の態様によるカムハウジングの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図10】本開示の態様による
図9のカムハウジングの背面斜視図である。
【
図11】本開示の態様による歯車が取り外された
図9のカムハウジングの背面斜視図である。
【
図12】本開示の態様によるポンプヘッドアセンブリの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図13】本開示の態様による把持システムおよびバイアルパックの例示的な実施形態を有する
図12のポンプヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図14】本開示の態様による
図13のポンプヘッドアセンブリ、把持システムおよびバイアルパックの斜視図である。
【
図15】本開示の態様による
図13のポンプヘッドアセンブリ、把持システムおよびバイアルパックの背面斜視図である。
【
図16】本開示の態様による把持システムの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図17】本開示の態様による
図16の把持システムの背面斜視図である。
【
図18】本開示の態様による
図16の把持システムの側面斜視図である。
【
図19】本開示の態様による
図16の把持システムの上面図である。
【
図20】本開示の態様による
図16の把持システムの上面図である。
【
図21】本開示の態様によるプロセスのステップの例示的な実施形態を示す流れ図である。
【
図22】本開示の態様によるカートリッジの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図23】本開示の態様によるカバーを有するカルーセルの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図24】本開示の態様による調合システムの別の例示的な実施形態の正面斜視図である。
【
図25】本開示の態様による
図24の調合システムの別の正面斜視図である。
【
図26】本開示の態様によるハウジングの部分が取り外された
図24の調合システムの正面斜視図である。
【
図27】本開示の態様によるハウジングの部分が取り外された
図24の調合システムの背面斜視図である。
【
図28】本開示の態様による
図24の調合システムの分解斜視図である。
【
図29】本開示の態様による、様々な構成要素が明瞭化のために拡大図で示されている
図24の調合システムの斜視図である。
【
図30】本開示の態様によるポンプ駆動機構の別の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図31】本開示の態様による
図30のポンプ駆動機構の部分分解斜視図である。
【
図32】本開示の態様による
図32のポンプ駆動アセンブリの分解斜視図である。
【
図33】本開示の態様によるポンプ駆動装置を有するポンプヘッドアセンブリを示す図である。
【
図34】本開示の態様によるポンプ駆動装置の一部分の分解斜視図である。
【
図35】本開示の態様によるポンプ駆動装置の一部分の分解後方斜視図である。
【
図36】本開示の態様による調合器システムの外部ポンプの斜視図である。
【
図37】本開示の態様による調合器システムの外部ポンプの分解斜視図である。
【
図38】本開示の態様による調合器システムの様々な流体経路の図である。
【
図39】本開示の態様によるポンプカートリッジの別の実施形態の分解斜視図である。
【
図40A】本開示の態様による
図39のカートリッジの背面平面図である。
【
図40B】本開示の態様による
図39のカートリッジの正面平面図である。
【
図41】本開示の態様による、取り付けられたバックパックを有する
図39のカートリッジの断面斜視図である。
【
図42】本開示の態様による、ポンプヘッドアセンブリのマガジン凹部内に配置された複数のマニホールドを有するマガジンの斜視図である。
【
図43】本開示の態様による
図42のマガジン・ポンプヘッドアセンブリの分解斜視図である。
【
図44】本開示の態様による複数のマニホールドを有するマガジンの斜視図である。
【
図45】本開示の態様による
図44のマガジンおよびマニホールドの分解斜視図である。
【
図46】本開示の態様による複数のマニホールド針プッシュロッドを有するマガジンの斜視底面図である。
【
図47】本開示の態様による、マガジン内の対応する複数のマニホールド内のロッド凹部内に配置された複数の針プッシュロッドを備えたマガジンの底面斜視図である。
【
図48】本開示の態様による分離構成にあるマニホールドの断面図である。
【
図49】本開示の態様による係合構成にあるマニホールドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に記載される詳細な説明は、本発明の主題の技術の様々な構成を記載し、本発明の主題の技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、本発明の主題の技術の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれる。したがって、非限定的な例として、特定の態様に関して寸法が与えられる場合がある。しかしながら、当業者には、本発明の主題の技術がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは明らかであろう。いくつかの事例では、本発明の主題の技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および構成要素がブロック図形式で示されている。
【0010】
本開示は本発明の主題の技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。ここで、本発明の主題の技術の様々な態様を、特定的であるが非限定的な例に従って開示する。本開示に記載された様々な実施形態は、様々な異なる方法および変形形態において、および所望の用途または実施態様に従って実行されてもよい。
【0011】
本システムは、滅菌環境において医薬品を効率的に再構成することができ、患者に使用するために調合された医薬品を送達バッグに送達することができる調合システムをともに形成する複数の特徴および技術を含む。
【0012】
図1は、一実施形態による調合器システム10を示す。
図2は、透明な外側ハウジング12を有するシステム10を示し、
図3は、ハウジングが取り外されたシステムを示す。このシステムは、10個までの個々のカートリッジ16を収容するカルーセルアセンブリ14を備える。カルーセル14は、必要に応じて、より多いまたはより少ないカートリッジ16を保持することができる。カートリッジ16は使い捨てであり、粉末薬物(または濃縮液体薬物)を含むバイアル18、複数の希釈剤および受容器の間に独自の流体経路を提供する。カートリッジ16は、必要に応じて、蒸気廃棄物容器への流体経路を提供することもできる。しかし、他の実施形態では、ろ過された、またはろ過されていない無毒廃棄物を調合器から環境に排出し、廃棄物ポートの必要性を低減または排除することができる。各カートリッジは、ピストンポンプと、流体がカートリッジを通って受容器内に移動するときの調合プロセスのステップ中の流体の吸入、排出、および流体経路選択を制御するバルブとを含む。
【0013】
カルーセルアセンブリ14は、異なるカートリッジ16をポンプ駆動機構20と位置整合させるために(例えば、ポンプカートリッジのバヨネット開口をポンプ駆動装置のバヨネットに隣接して位置決めするために)回転することができるように、装置に取り付けられている。カルーセル14は、典型的には、使用済みのカルーセル14を取り外した後にカルーセル14を新しいカルーセル14と交換するために開くことができるハウジング12内に封入される。図示のように、カルーセル14は、最大10個のカートリッジ16を収容することができ、特定のカルーセルを10回まで使用することができる。この構成では、各カルーセルアセンブリは、実行される調合のタイプに応じて、例えば、10~100個の受容器をサポートすることができる。例えば、有害薬物調合のために、カルーセルアセンブリは、10個の受容器への調合をサポートすることができる。別の例では、抗生物質または鎮痛剤の調合などの非有害薬物調合のために、カルーセルアセンブリは、100個の受容器への調合をサポートすることができる。ハウジング12はまた、カルーセル14の下に位置決めされたスターホイール22を含む。スターホイール22は、カルーセル14上の特定のカートリッジ16に合わせた、またはそれとは別個の位置に、医薬品のバイアル18を回転させる。ハウジング12はまた、バイアル18をスターホイール22上の所定位置に装填するための開口24を含むこともできる。
【0014】
カルーセル14内のカートリッジ16の各々は、希釈剤および蒸気廃棄物のための複数の経路を含む使い捨てユニットである。各カートリッジ16は、受容器(例えば、IVバッグ、シリンジ、またはエラストマーバッグ)に接続するためのチューブが維持され得る「バックパック」を含むこともできる小型、単一の使い捨てユニットである。各カートリッジ16はまた、カートリッジ16を通って流体および蒸気を移動させるためのピストンポンプのような圧送機構、ならびに、バイアル18がポンプ駆動機構20によって所定位置に移動されるとバイアル18の上にあるバイアルパック26を穿刺するために延伸することができるハウジング内の二重内腔針を含むこともできる。例えば、針は、針に向かって動かされるバイアルパック26の圧縮作用によってバイアルパック26を穿刺することができる。各カートリッジ16はまた、複数の希釈剤マニホールドの針と一致するように設計された複数のポートをも含む。各カートリッジ16はまた、ポンプヘッドアセンブリ28から取り付けポストおよびロックバヨネットを受け入れるための開口を含む。ロックバヨネットは一例として本明細書に記載されているが、カートリッジを取り出してポンプヘッドにロックするために他のロック機構を使用することができる(例えばグリッパ、クランプなどがポンプヘッドから延伸してもよい)。各カートリッジ16はまた、ポンプモータ機構からのバルブアクチュエータが各カートリッジ16上のバルブと相互作用することを可能にする開口を含む。
【0015】
バイアル18およびカルーセル14を保持するハウジング12に隣接して、図に示すようなIVバッグ32のような少なくとも1つの容器32を保持するための装置30がある。IVバッグ32は、典型的には、ポート34および36のような2つのポートを有する。例えば、一実施態様では、ポート34は吸入ポート34であり、ポート36は出口ポート36である。この実施態様が本明細書において一例として説明されるが、ポート34および36のいずれかを容器32の入力ポートおよび/または出口ポートとして実装することができる。例えば、別の実施態様では、チューブ38の端部においてコネクタを受け入れるための入口34を出口ポート36上に設けることができる。示された実施形態では、IVバッグ32は、保持装置30から吊下され、一実施形態では、保持装置30は、
図1~
図3に示すようなフックを備えたポストである。希釈剤容器、受容器、または廃棄物容器のような容器を吊下するすためのフックの1つまたは複数に、吊下される容器の重量を検出および監視するロードセルのような重量センサを設けることができる。保持装置30は、IVバッグ32または他の医薬品容器を位置決めするために必要な他の形態を取ることができる。IVバッグ32が保持装置30上に位置決めされると、第1のチューブ38(その一部分は
図1に示されている)がカルーセル14上のカートリッジ16からIVバッグ32の入口34に接続される。例えば、第1のチューブは、カートリッジに取り付けられたバックパック内に収容され、IVバッグ32に達するようにバックパック内から(例えば、操作者によってまたは自動的に)延伸することができる。チューブ38の端部には、受容器32の入口34に接続するために、Texium(登録商標)コネクタのようなコネクタ37を設けることができる。
【0016】
調合器10の反対側には、複数のIVバッグ32または他の容器を保持するための保持装置40のアレイがある。調合器10の図示のバージョンでは、5つのIVバッグ42、44が描かれている。これらのバッグ42のうち3つは、生理食塩水、D5Wまたは滅菌水などの希釈剤を含むことができるが、当技術分野で知られている任意の希釈剤を利用することができる。アレイ内の追加のバッグは、混合プロセスからの潜在的に有害なまたは有毒な蒸気廃棄物などの廃棄物を収集するための空の蒸気廃棄物バッグ44であってもよい。追加のバッグ44は液体廃棄物バッグであってもよい。液体廃棄物バッグは、受容器から生理食塩水のような無毒の液体廃棄物を受け入れるように構成されてもよい。液体廃棄物は、機械的ポンプを使用して専用チューブを介して廃棄物バッグに圧送することができる。動作中、対応する容器42および44からの希釈剤ラインおよび蒸気廃棄物ラインを各々、使い捨てマニホールドを介してカートリッジ16に接続することができる。
【0017】
調合システム10はまた、複数のタイプのバイアル18に取り付けるように設計された特殊なバイアルパック26を含む。動作中、バイアルパック26は、再構成が必要な薬物を含むバイアル18の上に配置される。バイアルパック26が適所に配置されると、バイアル18は調合器10のスターホイール22に装填される。バイアルパック26上の嵌合機構が、バイアルパック26がスターホイール22内にある間、およびバイアルパック26が後で所定の位置に回転されるときの両方で適切な位置整合を提供し、それによって、調合器10は、バイアルパックをさらなる処理のためにスターホイール22から取り外すことができる。
【0018】
一実施形態によるポンプ駆動機構20が
図4に示されており、
図5に分解図で示されている。
図4および
図5に示す実施形態では、ポンプ駆動機構20は、複数の区画を含む。ポンプ駆動機構20の一端には、駆動エレクトロニクスを保持し、そのハウジング96上に、回転ハウジング46があり、1つまたは複数の希釈剤容器および/または廃棄物容器から1つまたは複数の対応するマニホールドまで延伸する可撓性チューブ50のためのロックフランジ94を含む。回転ハウジング46は、ポンプ駆動機構20の残りの部分を回転させるために、その軸回りに回転することができる。回転ハウジング46は、その端部にハウジングを回転させることが可能な軸受リブ52を含む。例えば、ポンプ駆動機構は、180°以下、または180°超などの任意の適切な角度で回転するように構成することができる。
【0019】
回転ハウジング46の隣には、一実施形態による、
図6~
図8において様々な角度から単独で示されているモータマウント54がある。
図4~
図8に示す実施形態では、
図9~
図11の様々な角度からさらに詳細に示されるカムハウジング56が、モータの回転運動ならびにポンプ駆動機構20がカートリッジ16およびバイアル18をピックアップするように所定の位置に移動するときのポンプ駆動機構20の軸方向運動を制御するカムおよび歯車を含むモータマウント54に接続される。
【0020】
調合器システムはまた、ポンプ駆動機構の側部に位置するスロット60内に取り付けられる希釈剤マガジン(図示せず)を含む。希釈剤マガジンは、希釈剤ポートとして動作可能な任意の数の個々の希釈剤マニホールドを受け入れるように構成された使い捨て部品であってもよい。希釈剤マニホールド(図示せず)はモジュール式であってもよく、そのため、それらは容易にかつ取り外し可能に互いに接続し、マガジンに接続し、および/またはポンプ駆動機構20に接続することができる。
【0021】
ポンプ駆動機構20の最後の部分は、ポンプヘッドアセンブリ28である。ポンプヘッドアセンブリ28は、バイアル把持アーム76、バイアルリフト78、ポンプカートリッジ把持部80、アーム222を有するポンプピストン偏心駆動シャフト82、バルブ作動機構84、および、希釈剤が添加されるとバイアル18内の医薬品を混合するためにポンプ駆動機構20が前進および後退ならびに回転することを可能にするモータとを含む。調合器10はまた、ユーザによるデータ入力、ならびに、ユーザに対する通知、指示およびフィードバックを提供するための、図に示されるようなタッチスクリーン86のような入力画面86を含むこともできる。
【0022】
ここで、調合器システム10の動作を、一実施形態による
図21に示された流れ図において概括的に説明する。第1のステップ88において、ユーザは、複数のマニホールド(例えば、希釈剤マニホールドおよび廃棄物マニホールド)を有する新たな希釈剤マニホールドマガジンを、ポンプヘッドアセンブリ28の側部上のスロット60に挿入する。マガジンをスロット60に設置する前または後に、マニホールドをマガジンに装填することができる。マニホールドは、カートリッジ16が後に定位置にロックされるまで、マニホールドのハウジングの内部に針を保持する。マガジンは、任意の数の希釈剤マニホールドおよび蒸気廃棄物マニホールドを含むことができる。1つの例示的なシステムでは、3つの希釈剤マニホールドおよび1つの蒸気廃棄物マニホールドが存在し得る。次のステップ92では、希釈剤チューブが対応する希釈剤バッグに接続される。チューブは、チューブを定位置に保持するために、ロックフランジを通じて調合器フレームの表面(例えば、前面)上に送ることができる。例えば、
図24の図示された実施形態では、チューブは、ロックフランジ2402によって調合器のフレーム上の適所に保持される。代替的に、当該技術分野において知られている他のタイプのクリップまたはロック機構を使用して、チューブを適所に安全に保持することができる。
図4に示す実施形態では、ポンプ駆動機構20の外側ハウジング96上に位置決めされた追加のフランジ94が、調合器の内部配線を安全確保するために設けられている。次のステップ98では、廃棄物チューブを蒸気廃棄物バッグ44に接続することができる。他の実施形態では、チューブは、マニホールドと希釈剤容器および/または廃棄物容器などの関連する容器との間に予め結合されてもよく、ステップ92および98の動作は省略されてもよい。
【0023】
必要に応じて、次のステップ100において、新たなカルーセル14を、調合器システムのカルーセルハブのようなカルーセル取り付けステーションに装填することができる。カルーセル14は、ほぼ円形の配列で配置された任意の数の使い捨てカートリッジ16を含むことができる。次のステップ110では、バイアルパック26が、再構成のために粉末医薬品または液体医薬品のバイアル18の上部に取り付けられ、バイアル18は次のステップ112においてカルーセル14の下のスターホイール22に装填される。ステップ110は、スターホイール22内の複数のバイアルパック凹部に複数のバイアル18を装填するステップを含むことができる。1つまたは複数のバイアルがスターホイールに装填された後、バイアルは所定の位置に回転されて、各バイアルのバイアルラベルの走査を可能にされ、開始される。一実施形態では、ユーザは、走査が開始される前にすべてのバイアルスロットがバイアルによって占有されるまで、バイアルをスターホイールに装填することを可能にされる。各バイアルの装填を検出するセンサを設けることができ、その後、次のバイアルパック凹部がユーザの装填位置へと回転される。ユーザが、バイアルラベルを走査する前にすべてのバイアルをスターホイールに装填することを可能にすることによって、調合の効率が向上する。しかし、他の実施態様では、各バイアルが装填された後、またはバイアルのサブセットが装填された後に、バイアルラベルの走査を行うことができる。これらの設定ステップに続いて、次のステップ114は、ユーザが入力画面上で適切な投薬量を選択することである。
【0024】
入力画面86上での選択の後、調合器10は動作116を開始する。スターホイール22は、バイアル(および取り付けられたバイアルパック26)を、ポンプヘッドアセンブリ28のバイアル把持キャリパ76と位置整合118するように、バイアルグリップ76およびバイアルリフト78の適用範囲内に回転させる。バイアルパック26は、例えば、スキャナ(例えば、バーコードスキャナまたは1つもしくは複数のカメラ)がバイアル18上のラベルを走査する122ことができるようにバイアル18が回転する120ことを可能にする回転モータに結合された歯車とインターフェースする歯車を含む。スキャナまたはカメラ(および関連する処理回路)は、バイアルのロット番号および有効期限を決定することができる。ロット番号および有効期限は、現在の日付および/またはリコールまたはロット番号に関連付けられた他の指示などの他の情報と比較することができる。バイアル18が走査され位置整合されると、次のステップ124において、ポンプ駆動機構20は、キャリパ76によってバイアル18を把持するために、所定の位置に前進する。また、前方への移動は、ポンプヘッドアセンブリ28の前面の取り付けポスト130およびロックバヨネット128を、カートリッジ16上の対応する開口と一致して位置整合させる。次のステップ126において、カートリッジ16は、ポンプヘッドアセンブリ28上の適所においてロックバヨネット128によってロックされ、キャリパ76は、バイアル18の上部のバイアルパック26を把持する132。次に、キャリパ76は、スターホイール22から後退させることによってバイアル18を除去し132、同時にカルーセル14からカートリッジ16を引き出す134。
【0025】
いくつかの実施形態では、カートリッジ16は、コイル状チューブを含むバックパックを含む。この実施形態では、ステップ136において、ポンプ駆動機構20は、カートリッジ16をユーザの方に傾けて、チューブの端部を露出させ、ユーザにチューブをバックパックから引き出して受容バッグ32に接続するよう促す138。代替的な実施形態では、カートリッジ16がカルーセル14から引き離されると、チューブ38はカルーセル14の側部に露出される。別の代替の実施形態では、チューブ38は自動的に(例えば、バックパックの外に)押し出され、これにより、ユーザは、チューブの端部に位置するコネクタを把持し、受容器に接続することができる。システムは、ユーザに、カルーセル14からチューブを引き出し、チューブをIVバッグ32の入力部34に接続するように促す138。チューブ38が接続されると、ステップ140において、ユーザは、入力画面86と対話することによって調合プロセスを続けるように、調合器10に通知することができる。
【0026】
ステップ142において、バイアル18はカートリッジ16に向かって引き上げられ、それによって、カートリッジ16の同軸二重内腔針のような1つまたは複数の針がバイアルパック26の上部を穿刺してバイアル18の内部に入る。
図21の例は、ユーザがカートリッジからのチューブを受容器に取り付けた後の、バイアルパックと針との係合を示しているが、これは単なる例示である。別の実施形態では、ステップ138および140がステップ142の後に実施されてもよく、それによって、ユーザがカートリッジからのチューブを受容器に取り付ける前に、バイアルパックとの針の係合が行われる。
【0027】
希釈剤が、ステップ144において、カートリッジ16および第1の針を介して適切な投薬量でバイアル18に圧送される。必要に応じて、カートリッジ16に取り付けられた第2の希釈剤マニホールドまたは第3の希釈剤マニホールドを介して、バイアル18に第2の希釈剤または第3の希釈剤を添加することができる。同時に、蒸気廃棄物が、バイアル18から第2の針、カートリッジ16および蒸気廃棄物マニホールドを通じて蒸気廃棄物バッグ44へと圧送される144。ポンプヘッドアセンブリ28上のバルブアクチュエータ84は、プロセス中に必要に応じて流体流路を変更するために、カートリッジ16のバルブを開閉する。希釈剤がバイアル18に圧送されると、ポンプ駆動機構20は、バイアル18が右上がりの位置と上下逆の位置との間で回転するようにバイアルリフト78を例えば180度まで回転させることによって、次のステップ146においてバイアル18を攪拌する。攪拌プロセスは、再構成される医薬品のタイプに依存して、必要なだけ繰り返され得る。さらに、再構成される薬物のタイプに応じて異なる攪拌パターンを使用することができる。例えば、いくつかの薬物では、180度回転するのではなく、ポンプヘッドの前後左右の動きの組み合わせを行って、バイアルの旋回攪拌を発生させることができる。特定の薬物または他の医療流体のための複数のデフォルト攪拌パターンを、調合器制御回路に格納された(および/または当該回路によってアクセス可能な)薬物ライブラリに含めることができる。攪拌ステップが完了すると、ポンプ駆動機構は、バイアルを上下逆の位置または他の適切な位置に回転させ、所定位置に保持する。いくつかの実施形態では、すでに受容器32内にある希釈剤などの流体は、再構成された薬剤を受け入れるための受容器内の空間を可能にするように(例えば、カートリッジを通じてまたは別の経路を介して)液体廃棄物容器内に圧送することができる。
【0028】
次のステップ148では、バルブアクチュエータ84がカートリッジのバルブの向きを変え、カートリッジ16の圧送機構が作動されて、再構成された薬物を、取り付けられたチューブを介して受容バッグ32に圧送する150。薬物が受容バッグ32内に圧送されると、次のステップ152において、ポンプ駆動機構20は、再構成された薬物のすべてが受容バッグ32に提供されることを確実にするために、別のバルブ調整の後、ろ過された空気またはより多くの希釈剤をチューブ38を通して受容バッグ32に圧送することによってチューブ38が空にされる。いくつかのシナリオでは、シリンジを受容器32として使用することができる。シリンジが受容器32として使用されるシナリオでは、再構成された薬物のシリンジへの送達後、ポンプ駆動機構20によってチューブ38内に真空が生成されて、シリンジに押し込まれた可能性がある空気または他の蒸気を除去することができ、それによって、シリンジがチューブ38から取り外されると、再構成された薬物が患者に送達するために読み取られ、空気または他の望ましくない気体はシリンジに存在しない。
【0029】
次いで、システムは、ユーザに、チューブ38を受容器32から取り外すように促す154。次いで、ユーザは、コネクタ(例えば、Texium(登録商標)またはSmartSite(登録商標)コネクタ)をバックパックまたはカルーセル内のそのスロットに挿入し、ポンプヘッドの光学センサがコネクタの存在を検知し、チューブをカルーセルまたはバックパックのいずれかに自動的に引き込むことができる。いずれのタイプのシステムが使用されているかに応じて、チューブはカルーセル14またはバックパックのいずれかに引き戻される。次のステップ156において、調合器10は、バイアル18を回転させて、スターホイール22と再び位置整合させ、それを解放する。使用済みカートリッジ16は、カルーセル14上で交換することもできる。使用済みカートリッジは、ポンプ駆動装置内のセンサが、チューブがカートリッジ内で交換されたと(例えば、カートリッジの窓を通してカートリッジのバックパック内のチューブの端部においてTexium(登録商標)コネクタのようなコネクタの存在を検知することによって)判定したときに解放することができる。カルーセル14および/またはスターホイール22は、次いで、新しい未使用のカートリッジ16および/または新しい未使用のバイアル18へと回転することができ158、プロセスが、新しい薬物について反復され得る。いくつかの状況(例えば、同じ薬物の複数の再構成)では、単一のカートリッジを2つ以上のバイアルを用いて2回以上使用することができる。
【0030】
カートリッジ16は使い捨て可能であるように設計されており、ユーザは、カルーセル14を交換する前に、所与のカルーセル14内のすべてのカートリッジ16を利用することができる。カートリッジ16が使用された後、カルーセル14は次のカートリッジ16へと回転し、システムソフトウェアは、カートリッジ16が使用されたことを記録するように更新し、したがって、他の再構成された薬物からの相互汚染が防止される。各カートリッジ16は、必要に応じて複数の希釈剤を用いて薬物を再構成するために必要なすべての流路、バルブ、フィルタおよびポンプを含み、再構成された薬物を受容器に圧送し、蒸気廃棄物をシステムから廃棄物容器に圧送し、適切な量の薬物および希釈剤が受容器に存在することを確認するために、最終的なQS工程を実施するように設計されている。再構成のためにバイアルに圧送される希釈剤の量およびバイアルから受容器へと圧送される薬剤の量は、カートリッジ内の容積ピストンポンプによって制御され、これは、品質制御のために調合器の重量測定スケール(例えば、1つまたは複数の希釈剤ロードセルおよび受容器ロードセル)によって得られる重量と比較することができる。この完全なパッケージは、カートリッジ16の特定のかつ独特の構造、その流路、およびそのバルブ構造によって可能になる。
【0031】
カートリッジ16の一実施形態を
図22に示す。
図22に示すように、カートリッジ16は、カートリッジフレーム160、カートリッジベゼル164、ならびに、ピストンポンプ166、針ハウジング168および針アセンブリ170を含むことができる。カートリッジフレーム160は、各カートリッジ16の主な支持を提供し、希釈剤チャンバ、蒸気廃棄物チャンバ、圧送チャンバ、疎水性排出口、出口ポート、および/または受容器32に接続するチューブに接続することができる、以下に説明するような他の機構を含む。
【0032】
カートリッジ16のフレーム160はまた、各カートリッジ16がポンプヘッドアセンブリ28に取り外し可能に取り付けられることを可能にする設置機構を含む。これらの機構は、例えば、ポンプヘッドアセンブリ28から取り付けポスト130を受け入れる3つの開口198と、ロックバヨネット128がその中に挿入され、カルーセル14から取り外すためにカートリッジ16をポンプヘッドアセンブリ28にロックするように旋回されることを可能にするキーホール210とを含む。一部の実施形態では、出口ポート延長部220が存在してもよい。ピストンポンプ166は、シリコーンピストンブーツ内に位置決めされたロッド194によってチャンバ内に取り付けられる。さらに、ベゼル164は、開口228を含み、この開口228内には、シール膜のバルブ190が配置され、バルブアクチュエータ84によってアクセスされる。さらに、ベゼル164は、流体マニホールドがカートリッジ16内の希釈剤チャンバおよび蒸気廃棄物チャンバに接続されることを可能にする開口230を含む。ベゼル164はまた、調合が完了したときにユーザがコネクタを、与えられているスロットに挿入するときに、コネクタ(例えば、Texium(登録商標)またはSmartSite(登録商標)コネクタ)の検出を容易にする開口を含むことができる。動作中、流体マニホールドの針は、ベゼル164内の開口230を通って入り、シール膜を穿刺して、カートリッジ16内でシール膜とカートリッジフレーム160との間に画定された希釈剤および蒸気廃棄物チャンバへの流体アクセスを得る。カートリッジ16の様々な実施形態のさらなる詳細については後述する。
【0033】
図23を参照すると、一実施形態による調合器10から取り外されたカルーセル14の例示的な実施形態が示されている。
図23のカルーセル14は、この実施形態では10個のカートリッジ16のアレイを含むが、カルーセル14のポケット500の一部を空にして、より多くのまたはより少ないカートリッジ16がカルーセル14上に存在してもよく、または、より多いまたはより少ないカートリッジポケット500を有するようにカルーセルのフレーム510が設計されてもよいことは理解されたい。カルーセル14はまた、ユーザが各カートリッジ16に結合されたチューブに直接アクセスすることを防止するカバー511を含む。カバー511は、必要であれば、カートリッジ16の背面にアクセスするために取り外すことができる。
図23の実施例では、Texium(登録商標)アタッチメント548などのコネクタが各カートリッジ16に隣接して配置され、アタッチメント548は各カートリッジ16の延長部220から延伸するチューブ38に取り付けられる。
【0034】
図24~
図29は、別の実施形態による調合器10を示す。
図24に示すように、保持装置40は、容器42および44のそれぞれのための取り付けデバイスのための支持を提供する延長アームとして実施されてもよい。保持装置40および保持装置30は各々、適切な量の流体が容器に添加または除去されたか否かを判定するための重量測定値を提供し、または、流体が適切な容器へと、および/もしくは、適切な容器から転送されていること(例えば、適切な希釈剤が施与されていること)を確認するように構成された重量センサのような1つまたは複数のセンサを含むことができる。各希釈剤容器および/または受容器を、調合器10に取り付けられる前および/または取り付けられた後に走査することができるスキャナ2404を設けることができる。
図24に示されるように、カルーセルカバー2400およびチューブ管理構造2402もまた、様々な実施形態において調合器10上に提供されてもよい。例えば、容器42および/または44と対応するマニホールドとの間に接続されたチューブが各々、チューブ管理構造2402の溝内に取り付けられて、調合器10の動作中にチューブの絡み合いまたは詰まりを防止することができる。
【0035】
図25に示すように、バイアル18をスターホイールに設置することができる開口2502を設けることができる。さらに、例えば受容器32から廃棄物容器44に無毒液体廃棄物を圧送するために(例えば、所望の量の生理食塩水を受容器32から迅速に、かつ液体廃棄物がカートリッジおよび/または調合器の他の部分を通過することなく圧送するために)、外部ポンプ2500が設けられてもよい。
【0036】
いくつかの容器マウント2506を含む流体モジュール2504を提供することができる。容器マウント2506は、希釈剤および廃棄物容器を吊下するために使用されてもよく、容器が吊下されたときを感知し、および/または容器の重量を感知するセンサ回路を含んでもよい。このようにして、調合器10の動作を監視して、正しい希釈剤含有物が走査されており、正しい位置に吊下されていること、および廃棄物が適切な廃棄物容器に予測される量で供給されていることを保証することができる。
【0037】
図26に示すように、ポンプ2500およびディスプレイ86をシャーシ2600に取り付けることができる。ポンプ駆動装置20は、部分的にシャーシ2600内に取り付けられてもよく、ポンプヘッドアセンブリ28は、シャーシからポンプヘッドアセンブリが回転する(例えば、バイアルを反転させるか、または攪拌する)ことを可能にする位置に延伸する。カルーセル14はまた、カートリッジ取り付け凹部500が見えるように、カートリッジが取り付けられていない状態で
図26に示されている。
【0038】
スターホイール22(本明細書ではバイアルトレイと呼ばれることもある)が
図26に示されており、いくつかのバイアルパック凹部2604は空になっている。バイアルトレイ22を回転させることができ、作動扉2608を開けてバイアルトレイ22内のバイアルパック凹部2604へのバイアル18の装填を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、扉2608は、操作者の指が回転トレイからの傷害の危険性がないことを保証するために、バイアルトレイ22の回転前に閉じてもよい。しかしながら、これは単なる例示である。他の実施形態では、扉2608の代わりに(または、加えて)センサ2650(例えば、ライトカーテン)などのセンサを設けて、トレイ22の近傍の操作者の存在を感知し、操作者または他の障害物が検出される場合に、トレイの回転を防止することができる。
【0039】
挿入される各バイアル18は、バイアルパック凹部2604内に配置されたときにセンサ2652のようなセンサ(例えば、荷重センサまたは光学センサ)を用いて検出されてもよい。検出されると、挿入されたバイアルは、バイアルトレイ22を回転させることによって走査位置に移動することができ、次いで、挿入されたバイアル18が、バイアル回転モータ2602を用いてバイアルトレイ22内のその位置内で回転してバイアルラベルが走査されることを可能にすることができる。
【0040】
調合器10の逆の斜視図が
図27に示されており、走査構成要素が見える。特に、カメラ2700がシャーシ2600の開口内に取り付けられており、走査位置においてバイアル18を見るように構成されている。モータ2602が、カメラ2700がバイアルラベルの画像を取得できるように、バイアル18を1回以上の完全回転を通じて回転させることができる。いくつかの実施形態では、カメラ2700を用いて撮像するためにバイアル18を照らす照明デバイス2702(例えば、発光ダイオードまたは他の光源)を設けることができる。
【0041】
図27に示すように、走査位置においてバイアル18が取り付けられるバイアルパック26上の対応する歯車と係合する、モータ2602に結合された1つまたは複数の歯車2704が設けられてもよい。バイアルトレイ22は、モータ2602が作動したときにバイアル18が回転するように、バイアルパック歯車が回転モータ歯車と噛み合うように回転することができる。
【0042】
図27はまた、1つまたは複数のマニホールドを収容するマガジン2706がポンプヘッドアセンブリ28の凹部内にどのように取り付けられ得るかを示す。蒸気廃棄物マニホールドのマガジン2706内のマガジンスロットは、そのスロット内の希釈剤マニホールド(またはマガジン内の希釈剤スロット内の廃棄物マニホールド)の偶発的な接続を防止するために固定することができる。マガジン2706内の他の希釈剤スロットは共通の幾何学的形状を有することができ、したがって任意の希釈剤マニホールドがマガジン希釈剤スロットに嵌合することができる。マニホールドセンサ2750のような1つまたは複数のマニホールドセンサ(例えば、光学センサ)が、ポンプヘッドアセンブリ28のマニホールド凹部内に設けられてもよい。マニホールドセンサ2750は、マガジン2706内のマニホールド凹部(スロット)内のマニホールドの存在(または不存在)を検出して、適切なマニホールド(例えば、希釈剤マニホールドまたは廃棄物マニホールド)が、調合動作について予測される位置に配置されることを保証する。このようにして、ポンプヘッドはマニホールドの存在を検出することができる。ポンプヘッドおよび/またはマニホールドセンサは、希釈剤マニホールドの適切な位置決めを保証するために、希釈剤負荷センサと通信することができる。バルブアクチュエータ、針アクチュエータ、取り付けポスト、ロックバヨネット、および駆動ピンのような様々な動作構成要素2708も、ポンプカートリッジ16を固定して動作させるように構成されたポンプヘッドアセンブリ28から延伸して見られる。
【0043】
調合器10の様々な構成要素の分解図を
図28に示す。ディスプレイ86、ポンプ2500、投薬ハンガー30、流体モジュール2504、ポンプヘッドアセンブリ28を有するポンプ駆動装置20、カメラ2700、および照明デバイス2702のような、上述の構成要素が示されている。
図28には、シャーシ2600のシャーシベース2810およびシャーシハウジング2812などの追加の構成要素も示されている。電子アセンブリ2803を有する後部パネル2802をシャーシハウジング12に取り付けることができ、ポンプ駆動装置20をシャーシハウジング2812の開口2808に着座させることができ、ポンプヘッドアセンブリ28をシャーシハウジング2812から突出させることができる。調合器システム10の動作を管理するための処理回路が、電子アセンブリ2803に含まれてもよい。
【0044】
バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800も示され、作動扉2608およびカルーセルハブ2814が見える。カルーセル14はカルーセルハブ上に配置され、バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800によって回転されて、ハブ2814を回転させてカルーセル内の選択されたカートリッジを、ポンプ駆動装置20によって取り出され操作される位置に移動させることができる。バイアルトレイおよびカルーセル駆動アセンブリ2800は、バイアルトレイ22およびカルーセル14が独立して回転され得るように、バイアルトレイおよびカルーセルのための別々の駆動アセンブリを含み得る。
【0045】
図29は、一実施形態による、カートリッジ16が内部に取り付けられたカルーセル14、バックパック2900を有するカートリッジ16、バイアル18を取り付けるためのバイアルパック26、および、複数のマニホールド2906を収容する希釈剤マガジン2706を有するポンプヘッドアセンブリ28のような、様々な特定の構成要素の位置を強調する、調合器10の別の斜視図を示す。調合器10のポンプ駆動アセンブリのさらなる特徴は、
図30~
図35に関連して以下で説明される。
【0046】
ここで
図30を参照すると、一実施形態によるポンプ駆動機構20が示されている。
図30に示す実施形態では、ポンプ駆動機構20は、複数の区画を含む。ポンプ駆動機構20の一端には、ポンプ駆動機構20のための駆動電子機器を保持する回転ハウジング46がある。ポンプヘッドアセンブリ28が、ポンプ駆動機構の反対側の端部に配置される。回転ハウジング46は、回転部分3091が内部に配置された円筒形マウント3090を含み、回転部分は、ポンプヘッドアセンブリ28を回転させるためにその軸の周りを回転することができる。
【0047】
円筒形マウント3090はプラットフォーム3092に取り付けることができ、プラットフォームは、レール3094上を前後に摺動させてポンプヘッドアセンブリを前後に(例えば、カルーセルおよびバイアトレイに向かっておよびそれらから外方に)摺動可能に移動させて、バイアルグリップ76を前方に延伸して、バイアルトレイからバイアルパックを把持し、バイアルトレイから把持されているバイアルを取り出し、および/またはカートリッジ内のバヨネット開口へとバヨネットを延伸させて、カルーセルからカートリッジを取り外すように構成されている。ポンプ駆動機構のモータ制御プリント回路基板アセンブリ(PCBA)3096も示されている。
【0048】
図30のポンプ駆動機構20の部分分解図が
図31に示されており、ここで、ポンプ駆動アセンブリ3190が回転ハウジング46から取り外されている。
図31に示すように、ポンプ駆動アセンブリ3190は、ポンプヘッドアセンブリ28、モータ制御PCBA3096、およびモータ制御PCBAとポンプヘッドアセンブリ28との間に配置された制御構成要素3192を含むことができる。希釈剤マガジン2706もまた、ポンプヘッドアセンブリ内のマガジン凹部内に設置されて示されている。
【0049】
図32は、ポンプ駆動アセンブリ3190の分解斜視図を示す。
図32に示すように、制御構成要素3192は、モータ制御PCBA3096とポンプヘッドアセンブリ28との間に配置されたモータマウント54およびカムハウジング56を含むことができる。モータマウント54、カムハウジング56、モータ制御PCBA3096、およびポンプヘッドアセンブリ28のさらなる詳細が
図33~
図35に示されている。
【0050】
図33は、ポンプヘッドアセンブリ28の一実施形態を示す。図示のように、
図33の実施形態では、ポンプヘッドアセンブリ28は、バイアル把持アーム76、バイアルリフト78、駆動ピン222を有するピストンポンプ偏心駆動シャフト82、およびバルブ作動機構84を含む。バヨネット128は、T字型バヨネットの上部を形成する端部4900を含むことができる。この実施形態では、端部4900を回転させて、(a)カートリッジバックパックの解放機構を作動させて、カルーセルからバックパックおよびカートリッジを解放し、(b)同時にカートリッジの傾斜部分に当接して、カートリッジおよびバックパックをカルーセルから持ち上げ、引くことができる。カートリッジ/バックパック解放機構およびカートリッジの傾斜部分のさらなる詳細は、以下で説明される。
【0051】
図33に示すように、ポンプヘッドアセンブリ28は、ポンプカートリッジ内の流体経路内の圧力を検知するように構成された圧力センサ4904、ポンプカートリッジのエアインライン取付具を受け入れるように構成されているエアインラインセンサ4906、ならびに、(例えば、バヨネット128を旋回させることによって)カートリッジおよびバックパックをポンプヘッドアセンブリから解放すべきか否かを判定する目的で、コネクタがバックパック内に配置されているか否かを判定するために、ポンプカートリッジのバックパック内のTexium(登録商標)コネクタなどのコネクタを観察するように構成されているコネクタセンサ4902などの他の装置および構造を含むことができる。
【0052】
図34は、カムハウジング56、および、カムハウジング56から分離されたモータマウント58の正面斜視図を示す。
図34に示すように、カムハウジング56は、カートリッジ16の対応するバルブを動作させるために関連するバルブアクチュエータ84を作動させるためにカム3400が回転するときに、1つまたは複数のバルブアクチュエータ84の内端部に当接するカム面3406を各々有する1つまたは複数のバルブフィンガカム3400を含むことができる。各カム面3406は、1つ、2つ、3つ、または4つ以上のバルブアクチュエータを動作させるように構成することができる。バルブフィンガカム3400は、1つまたは複数の希釈剤針プッシュロッド3401と共にカムハウジング構造3403内に配置することができる。希釈剤針プッシュロッド3401は、カムハウジング56から延伸し、カムハウジング56内に引き込んで、希釈剤マガジン2706内のマニホールドの希釈剤針または廃棄物針などの関連する針を伸長および引き出すことができる。
図34の例では、3つのバルブフィンガカム3400と4つの針プッシュロッド3401が設けられている。モータマウント58は、駆動ピン222を用いて、プッシュロッド3401、バルブフィンガカム3400、バヨネット128および/またはピストンポンプ駆動装置82などのポンプ駆動機構20の構成要素に所望の運動を提供するためにモータ3408に結合する1つまたは複数のモータカプラ3402を含むことができる。
図34の例では、モータマウント58のモータマウントハウジング構造3404内に、9つのモータカプラ3402が設けられている。
【0053】
図35は、互いに分離されたポンプヘッドアセンブリ28、カムハウジング56およびモータマウント58の後方斜視図を示す。
図35に示すように、モータマウント58は、
図34に示す9つのモータカプラ3402に対応する9つのモータ3408を含むことができる。カムハウジング56は、モータカプラ3402に係合し、モータカプラからカムハウジングバルブフィンガカム3400の構成要素および/または他の構成要素への運動を伝達する1つまたは複数のカプラ係合ロッド3500を含むことができ、これらの構成要素は、バルブアクチュエータ84、バイアルリフト78およびバイアルグリップ76のような、ポンプヘッドアセンブリ28の構成要素を動作させる。追加のカプラ係合ロッド3502は、バヨネット128およびピストンポンプ82などの他のポンプヘッドアセンブリ構成要素を動作させるために、モータカプラ3402に係合するために、ポンプヘッドアセンブリ28からカムハウジング56内の開口3504を通じて直接延伸することができる。図示のように、作動回路3506にカムハウジング56を設けることができ、作動回路3508にポンプヘッドアセンブリ28を設けることができる。作動回路3506および3508は、モータ3408から独立して、またはモータ3408と協働して、それぞれカムハウジング56およびポンプヘッドアセンブリ28の1つまたは複数の構成要素を動作させるために設けることができる。
【0054】
図36は、一実施形態による外部ポンプ2500の斜視図を示す。
図36に示すように、外部ポンプ2500は、実質的に平坦なプラテン3604が配置されるスロット3603を有するポンプハウジング3602を含むことができる。プラテン3604は、モータ3620または他の作動機構を使用して、スロット3603内に配置された弾性チューブ3606を圧縮および解放するように動作可能であり得る。例えば、プラテン3604を直線的に作動させて、チューブ3606を圧縮および解放することができる。1対の一方向バルブ(例えば、チェックバルブ)3608および3610を、弾性チューブ3606の対向する端部に配置して、流体または気体の、入力チューブ3614から出力チューブ3616への(例えば、
図36の矢印3612によって示される方向における)一方向の流れを確実にすることができる。
【0055】
動作中、スロット3603内でチューブ3606を圧縮するためにプラテン3604が下降されると、バルブ3608がチューブ3606からの逆流を防止するため、チューブ3606内の流体および/または蒸気は、方向3612においてチューブ3606からバルブ3610を通じて出力チューブ3616へと押し出される。プラテン3604が上昇されてチューブ3606が解放されると、チューブ3606の弾性によってチューブ3606がその圧縮状態から非圧縮状態へと戻り得、チェックバルブ3610が出力チューブ3616からチューブ3606への逆流を防止するため、その復元によって、追加の流体および/または蒸気を入力チューブ3614からチューブ3606に引き込む圧力差が生じる。したがって、プラテン3604の往復直線運動が、チューブ3606の戻りおよびバルブ3608および3610の機能と共に、作動部材(プラテン3604)がチューブの幅と同様の距離を運動するだけのコンパクトなポンプを用いた流体および/または蒸気の方向3612における圧送を引き起こす。
【0056】
例えば、入力チューブ3614は、第1の端部において、受容器32の出力ポート36に流体結合され、第2の端部において、Texium(登録商標)コネクタ3618などのコネクタを介してバルブ3608に流体結合され得る。同じ例において、出力チューブ3616は、第1の端部においてバルブ3610に流体結合することができ、第2の端部において廃棄物容器44に流体結合することができる。このようにして、受容器32内に収容された生理食塩水などの流体を、容器32から廃棄物容器44内に迅速に圧送して、再構成された薬物が受容器へと圧送される余地を作り出すために、外部ポンプ2500を設けることができる。
【0057】
1つまたは複数の廃棄物容器44には、いくつかの実施形態では、チューブ3606ならびにバルブ3608および3610ならびにコネクタ3619を含むチューブセットを設けることができる。チューブ3606は、操作によって解放されると、バルブ3608および3610が、チューブ3606をスロット3603に保持する、ポンプハウジング3602に対する対向する圧力を提供するように、例えば、弾性チューブ3606を伸張することによって、操作者によってスロット3603に設置することができる。受容器32の出力ポート36に結合されたコネクタ3618は、コネクタ3619に結合されて、受容器32から廃棄物容器44への流体経路を形成することができる。図示のように、ポンプハウジング3602は、外部ポンプ2500を調合器10の外面に取り付けるための取り付け構造3622を含むことができる。
【0058】
外部ポンプ2500の分解斜視図が
図37に示されている。
図37に示すように、プラテン3604は、プラテンハウジング3700からの平面的な延長部から形成することができる。偏心駆動機構3702および偏心軸受3703が、プラテンハウジング3700に機械的に結合されて、モータ3620によって生成される回転運動をプラテン3604の直線往復運動に転換することができる。モータマウント3704を設けて、モータ3620をポンプハウジング3602に取り付けることができる。
図37に示すように、スロット3603は、チューブ3606の形状に対応する実質的に円筒形の形状を有することができ、それを通じてチューブセット3710内のチューブ3606が挿入される細長い開口を有してもよい。
【0059】
図38は、再構成および/または調合動作中に様々な流体および/または蒸気を移送するために調合器システム10に設けられ得る様々な流体経路を示すブロック図である。
図38に示すように、調合器システム10は、カートリッジ16と受容器32の入力ポート34との間の流体経路3800(例えば、再構成された薬物のための流体経路)を含むことができる。バイアル18とカートリッジ16との間に、カートリッジ16からバイアル18への希釈剤または空気の移送、および/またはバイアル18からカートリッジ16を通じて廃棄物容器44への(例えば、流体経路3808を通じた)もしくは受容器32への(例えば、流体経路3800を通じた)廃棄物蒸気または再構成された薬物の移送のために、経路3802のような1つまたは複数の流体経路を設けることができる。希釈剤容器42から流体経路3806、マニホールド2906、流体経路3804を通じてカートリッジ16に希釈剤を供給することができる。
【0060】
ポンプ駆動装置20は、
図38に示す様々な流体経路を通る流体および/または蒸気の流れを制御するために、ピストンポンプおよびカートリッジ16の1つまたは複数のバルブを動作させることができる。
図38の例では、外部ポンプ2500によって制御されるように、受容器32の出力ポート36から廃棄物容器44への流体経路3810が提供される。しかしながら、これは単なる例示である。他の実施形態では、流体経路3812が、ポンプ駆動装置20によって制御されるようにカートリッジ16を介して廃棄物容器44に代替的にまたは付加的に提供されてもよい。
図38に関連して上記で説明した流体経路の各々は、本明細書に記載のように、可撓性チューブ、バルブ、コネクタ、針アセンブリ、フィルタ、シール部材、または他の構成要素を含んでもよい。
【0061】
ここで、
図39を参照すると、カートリッジ16の別の実施形態を分解したものが、カートリッジ16の3つの主要部分、すなわちカートリッジフレーム160、カートリッジシール膜162、カートリッジベゼル164、ならびにピストンポンプ166、針ハウジング168および針アセンブリ170を含む。
図39の例では、カートリッジベゼル164は、圧力センサ4904(
図33参照)によってカートリッジ16の流体経路内の圧力を感知することができるように、膜162上に形成された圧力ドームへのアクセスを提供する追加の開口3022を含む。調合器内のエアインライン(AIL)センサ4906(
図33参照)と噛み合うように構成されたエアインラインセンサ取付具3000も設けられている。
【0062】
カートリッジ内の蒸気廃棄物および無菌空気のような気体の流れを制御するために、カートリッジ16には、空気フィルタ3006およびチェックバルブカバー3002によってフレーム160に取り付けられる1つまたは複数のチェックバルブディスク3004のような気体流制御構造を設けることができる。空気フィルタ3006、チェックバルブディスク3004、およびチェックバルブカバー3002は、協働して、蒸気廃棄物がバイアルから廃棄物ポートへの一方向のみに流れることを可能にし、無菌(ろ過された)空気が空気フィルタに隣接する通気口からバイアルへの一方向にのみ流れることを可能にすることができる。
【0063】
図39に示すように、ピストン166は、例えば、ピストン166が作動されたときにポンプチャンバの容積を制御するための可動シールを提供するピストンブーツ3007を含むことができる。
図39はまた、針アセンブリ170が、第1の針オーバーモールド317A、第2の針オーバーモールド317B、針ばね3014、および針膜3008を有する二重内腔針を含む針ハウジング168の別の実施形態の制御のための様々な構造を示す。以下にさらに詳細に説明するように、フレーム160の対応する開口3021と位置整合して、(例えば、ポンプ駆動アセンブリ28のセンサ4902によって)カートリッジ16を通じて、カートリッジ16に取り付けられたバックパック内を観察することを可能にする、ベゼル164の開口3020を設けることができる。カートリッジフレーム160の上側に形成される突起3016を、バックパックのための取り付け構造として提供することができる。
【0064】
図40Aおよび
図40Bは、ベゼル側およびフレーム側からの、
図39に示されたカートリッジの実施形態の組み立てられた図をそれぞれ示しており、そこでは、センサ4902によってカートリッジ16を完全に貫通して観察することを可能にする開口3120(
図30の開口3020および3021によって形成される)を見ることができる。
図40Aに示すように、いくつかの実施形態では、カートリッジ16は、4つの希釈剤および廃棄物ポート3100および圧力ドーム3101を含むことができる。カートリッジから受容器へ(例えば、バックパックアセンブリを介して)チューブを結合するための出力ポート180も示されている。
【0065】
図41は、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203を形成するようにバックパック3202が取り付けられている、組み立てられたカートリッジ16の断面斜視側面図である。
図41に示すように、突起3016は、バックパック3202の開口3201内に延伸して、バックパックをカートリッジ16の上側にラッチすることができる。底部側に追加のラッチ構造を設けることもできる。バックパック3202とカートリッジ16との間に追加の構造3200を配置することができる。構造3200は、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203をカルーセル14にラッチするような形状および位置にすることができる。例えば、バックパック3202の上部から延伸する突起3206は、カルーセルに対するカートリッジ・バックパックアセンブリの設置および取り外しを容易にするように作動可能であり得る。例えば、カルーセル上の傾斜構造は、突起3206がロック位置まで嵌合してカルーセル内にカートリッジ・バックパックアセンブリを固定するまで、カートリッジ・バックパックアセンブリ3203がカルーセル内に押し込まれるときに、突起3206を圧縮することができる。調合操作のためにカルーセルからカートリッジ・バックパックアセンブリ3203を取り外すために、開口210に延伸するバヨネット128を下側突起3206へと旋回して、カートリッジ・バックパックアセンブリをカルーセルから解放することができる。
【0066】
カートリッジ16を受容器32に流体結合するためのチューブ(例えば、
図38の流体経路3800の一部分を形成するチューブ)は、バックパック3202内に収容することができる。例えば、チューブは、出力ポートにおいてカートリッジ16に結合することができ、バックパック3202の内部空洞内でコイル状にすることができ、開口3210を通って延伸することができ、それによって、操作者が、受容器への結合のためにチューブを延伸させるように、チューブの端部を引くことができる。カートリッジ・バックパックアセンブリが使用されていないときに、チューブの端部に結合されたTexium(登録商標)コネクタのようなコネクタが内部に格納され得る追加の開口3204が設けられてもよい。指示されたとき(例えば、ディスプレイ86上の画面上の指示によって)、操作者は、コネクタを開口3204から取り外し、バックパック3202内からチューブを引き、受容器へのコネクタに接続することができる。調合器10は、コネクタが開口3204内に存在するか否かを(例えば、開口3120を通してコネクタを観察することによって)判定する光学センサなどのセンサ4902を含むことができる。
【0067】
調合器10は、コネクタが開口3204内にあるか否かに基づいて、ポンプヘッドアセンブリからカートリッジ・バックパックアセンブリを解放するか否か、およびいつ解放するかを決定することができる。例えば、調合操作の後、操作者に、コネクタを受容器から取り外し、コネクタを開口3204に戻すように指示することができる。バックパック3202は、チューブの保管および内部空洞内からの取り出しを容易にするための機構および構成要素を含むことができる。センサ4902によってコネクタが開口3204内で検出されると、ポンプ駆動アセンブリは、バックパック3202内の1つまたは複数の巻き取り機構を作動させて、延伸されたチューブをバックパックに引き戻すことができ、バヨネットを旋回させて突起3206を下げることができ、それによって、カートリッジ・バックパックアセンブリをカルーセルに戻すことができる。
【0068】
ここで
図42を参照すると、一実施形態による、明瞭にするために様々な部品が取り外されているポンプヘッドアセンブリ28が示されている。
図42に示すように、複数のマニホールド2906を、ポンプヘッドアセンブリのスロット60内に受け入れられるような形状および大きさのマガジン2706内に配置することができる。マガジン2706は、ユーザがスロット内でマガジンを取り外しおよび設置するために握ることができる1対の拡張ウイング4200を含むことができる。
図42の例では、複数の開口4291もポンプヘッドアセンブリ内に示されており、この開口を通じて、
図27の構成要素2708などの他の様々なポンプ制御構成要素が、調合器システム10の他の部分を動作させるように(例えば、カートリッジ16を通って流体を制御可能に圧送するように)延伸することができる。
【0069】
図43は、複数の針プッシュロッド3104(例えば、
図34の針プッシュロッド3401の実施態様)がポンプヘッドアセンブリ28からスロット60内に延伸することが分かる
図42のアセンブリの分解図である。各針プッシュロッド3104/3401は、対応するマニホールド2906内の針アセンブリを作動させるために、ポンプ駆動アセンブリによって延伸および/または引き込むことができる。マガジン2706は、マガジン2706をスロット内に案内し、(例えば、マガジンが逆の向きである場合には挿入に対する機械的障壁を提供することによって)スロット内のマガジンの誤った挿入を防止する、スロット60内の関連する位置整合機構4394に対応する形状、サイズ、および位置を各々有する1つまたは複数の位置整合機構4290を含むことができる。位置整合機構4290は、スロット60内の凹部4394に対応するマガジンの本体上の突起であってもよい。しかしながら、これは単なる例示に過ぎず、マガジン2706をスロット内に案内し、スロット内のマガジンの誤った挿入を防止するマガジン2706およびスロット60上の突起および/または凹部の任意の組み合わせを設けることができる。
【0070】
マガジン2706は、調合作業中にマガジン2706をスロット60内に固定するためにスロット60内の対応するスナップ機構4392と係合するように構成されたスナップ機構4391を含むことができる。図示されているように、スナップ機構4391は、スロット60内の凹部4392に対応するマガジンの本体上の突起として実装される。しかしながら、これは単なる例示である。他の実施形態では、スナップ機構4391および4392は、マガジン2706内の凹部に対応するスロット60内の突起を含むことができる。
図43に示すように、スロット60は、容易に清潔に拭き取ることができる比較的滑らかな表面を有することができる。マガジン2706がスロット60内に設置されると、プッシュロッド3104/3401は、以下にさらに詳細に説明するように、マニホールド2906の対応するスロット内に摺動することができる。
【0071】
マガジン2706およびマニホールド2906の拡大斜視図が
図44に示されており、マガジン2706は、一実施形態では、3つの希釈剤マニホールド2906および1つの廃棄物マニホールド2906Aを保持するように構成され得ることが理解され得る。示されているように、廃棄物マニホールド2906Aは、廃棄物マニホールドがマガジン内の特定の位置にのみ設置され得ることを保証するために、希釈剤マニホールドとは異なる形状を有してもよい。調合作業の間、針が、希釈剤マニホールドの選択された1つからポンプカートリッジ内のポートに延伸して、対応する容器42からの希釈剤がカートリッジを通してバイアル18または受容器32に圧送されることを可能にすることができる。針はまた、廃棄物マニホールド2906Aからポンプカートリッジ内の廃棄物ポートまで延伸して、カートリッジから廃棄物容器44への蒸気および/または液体廃棄物のシールされた流体経路を提供することもできる。
【0072】
図45の分解斜視図に示すように、各マニホールド2906は、マニホールドから対応する希釈剤または廃棄物容器42、44まで延伸するチューブを受けるように構成された開口4593を含むことができる。各マニホールド2906はまた、キャップ4591と、キャップ内の開口を通って延伸する圧縮可能な膜4590とを含むキャップアセンブリを含むことができる。圧縮可能な膜はカートリッジ内の対応するポートのカートリッジの膜に押し付けられ得、針は膜4590およびカートリッジの膜を通って延伸して、調合作業のために、容器42および44からカートリッジ内の適切なポートへのシールされた流体経路を提供することができる。
【0073】
各マニホールド2906は、キャップアセンブリ、マニホールドハウジング4592、および針ガイドアセンブリ4594などの複数の構成要素を含むことができる。針アセンブリが、以下でさらに詳細に説明するように、針ガイドアセンブリ4594およびハウジング4592内に配置されてもよい。各マニホールド2906は、マガジン2706上の対応する凹部4596内に配置することができる。
図45に示すように、マガジンハウジング4592は、マニホールド2906を適切なスロット4596内に案内する各凹部4596内の位置整合機構を含むことができる。例えば、各ハウジング4592は、マガジン2706の対応する凹部4596内の対応する位置整合構造上を摺動するレール4595を含むことができる。図示されているように、廃棄物マニホールド2906Aは、廃棄物マニホールドが誤った位置でマガジン内に設置されるのを防ぐために、希釈剤マニホールドのレール4595よりも比較的離れて配置されたレール4595Aを有することができる。
【0074】
図46は、複数のマニホールド2906が取り付けられたマガジン2706の底面斜視図である。
図46に示すように、各針プッシュロッド3104/3401は、対応するマニホールド2906のスロット4690内に係合するように構成された係合機構4600を含むことができる。ガイド開口4602もまた、マガジン2706の底面に形成することができ、ガイド開口は、マニホールドハウジング4592の突起4899(
図48参照)を受け入れて、マニホールド2906をマガジン2706の適切な凹部内の適切な位置へと案内するのを助け、また、マニホールドが凹部内に直立したままであることを確実にするのを助ける。
図47は、対応するマニホールドの針ハウジング4697に各々係合している、ポンプヘッドアセンブリ28の針プッシュロッド3104を示す。ポンプ駆動機構20は、1つまたは複数のプッシュロッド3104/3401を作動させて、対応するマニホールド内の対応する針を作動させるように構成されてもよい。
【0075】
各マニホールドの針は、膜4590を通って延伸することができ、または膜4590をシールするために引き込むことができるため、各マニホールド2906は、分離位置および係合位置を有することができる。分離位置では、針はマニホールド2906内に完全に収容され、流体がマニホールド2906を通って流れることが防止される。係合位置では、針は、膜4590を通って延伸し、膜4590の対向する両側の開口が、流体が針の中央ボア、したがってマニホールドを通って流れることを可能にする。このようにして、(例えば、希釈剤容器からポンプカートリッジへ、またはポンプカートリッジから廃棄物容器へ)流体を選択的に流すことを可能にするために、滴下のないマニホールドを提供することができる。
【0076】
図48は、分離位置にあるマニホールド2906の断面図である。
図48に示すように、分離位置では、針4893の開口4890および4891の両方が、マニホールドハウジング4592のボア4895内に配置され、膜4590がシールされる。したがって、分離位置では、チューブ4819(例えば、希釈剤容器の出口部分36に流体結合されたチューブ)からの流体がマニホールド2906を通って流れることが防止される。同様に、分離位置では、流体が、膜4590を通ってマニホールド2906内に流入することが防止される。
【0077】
図48に示すように、中央ボア4896およびともに位置整合されたボア4895の各々は、針アセンブリがマニホールド2906に挿入されたときの針4893の適切な位置決めを保証する針ガイド(それぞれ、針ガイド4806および4802参照)を形成する、前端部にある傾斜面を有することができる。図示されているように、マニホールドハウジング4592および膜4590は、流体または蒸気が前端部において膜4590の周りをマニホールド2906の内外に流れるのを防止するシール4804を形成することができる。同様に、マニホールドハウジング4592およびシール部材4897は、流体または蒸気が後端部において(例えば、ハウジング4592と内側ハウジング4898の内側ボア4896との間で部材4897の周りをマニホールド2906の内外に流れるのを防止するシール4812を形成することができる。ガイドリブ4810がまた、針ハウジング4697を内側ハウジング4898内に案内する針ガイドアセンブリ4594の内側ハウジング4898上に設けられてもよい。それぞれキャップ4591および内側ハウジング4898をマニホールドハウジング4592内に固定するスナップ機構4800および4808も
図48に示されている。
【0078】
図49は、係合位置にあるマニホールド2906の断面図である。
図49に示すように、係合位置において、プッシュロッド3104/3401は、針4893が膜4590を貫通し、針4893の開口4890および4891が膜4590の対向する両側に配置されるように、針アセンブリを前方に移動させている。この構成では、流体は、チューブ4819から(例えば、希釈剤容器から)開口4593に至り、ボア4895を通って、開口4891を通じて針4893に至り、そして開口4890から例えばポンプカートリッジ16へと流れることができる。別の例では、調合作業からの蒸気廃棄物または液体廃棄物などの廃棄物が、カートリッジ16から開口4890を通って針4893に至り、開口4891からボア4895に至って開口4593を通じてチューブ4819に至り、例えば、廃棄物容器へと流れることができる。
【0079】
図49に示すように、膜4590の前面は、カートリッジ16の希釈剤ポートまたは廃棄物ポートに対応する開口230内のカートリッジ16の適合する膜162に押し付けることができ、針4893は、プッシュロッド3104/3401を使用して、膜4590と膜162の両方を通って延伸して、マニホールド2906からカートリッジ16の流体経路4994へ閉鎖された流体経路を形成することができる。
【0080】
動作時、3つの希釈剤マニホールドおよび1つの廃棄物マニホールドなどの1つまたは複数のマニホールドを有するマガジンは、ポンプヘッドアセンブリ28によって回転されて、ポンプカートリッジ内の開口230によって形成される対応するポートと位置整合され得る。希釈剤マニホールドのうちの選択された1つからの針が、希釈剤容器からカートリッジ内への流体経路を提供するために、カートリッジ内に延伸することができる。次いで、ポンプ駆動アセンブリは、希釈剤を、例えば、粉末または濃縮液体薬物のバイアルへと圧送してバイアル内の薬物を再構成するために、ピストンおよび/またはカートリッジの1つまたは複数のバルブを動作させることができる。次いで、ポンプ駆動アセンブリは、再構成された薬物を受容器に圧送するように、ピストンおよびポンプカートリッジの1つまたは複数のバルブを動作させることができる。
【0081】
廃棄物マニホールド内の針がまた、カートリッジから蒸気廃棄物容器および/または液体廃棄物容器への流体経路を提供するためにカートリッジ内に延伸することができる。カートリッジの1つまたは複数のバルブおよびピストンがまた、蒸気および/または液体廃棄物をポンプカートリッジから、廃棄物マニホールドを通って廃棄物容器に圧送するように動作されてもよい。適切な量の薬物が受容器に供給された後、マニホールドの針は、プッシュロッドを使用してそれぞれのマニホールドに引き込まれ得る。針が引き込まれると、カートリッジおよびマニホールドの膜が、針から任意の液体を効果的に拭うことができ、それによって、カートリッジおよびマニホールドが分離されたときに、カートリッジのクローズドシステムまたはマニホールドのクローズドシステムの外側に液体廃棄物が形成されない。
【0082】
希釈剤および廃棄物容器のためのマニホールドは、対応する希釈剤および廃棄物容器と一体化したアセンブリにおいて提供されてもよい。マニホールド2906の膜4590は、針がマニホールド内に引き込まれたときに膜4590によって形成されるシールを損なうことなく、膜がマニホールド針によって複数回(例えば、50回まで)穿孔されることを可能にする弾性を有することができる。このようにして、複数のバイアルからの薬物を用いた、および/または複数の容器への調合のために、希釈剤容器または廃棄物容器を使用することができる。
【0083】
本発明の主題の技術は、例えば、上述した様々な態様に従って例示されている。これらの態様の様々な例は、便宜上、番号を付された概念または節(1、2、3など)として記載される。これらの概念または節は例として提供されており、本発明の主題の技術を限定するものではない。独立した概念を形成するために、従属する概念のいずれかが互いとのまたは1つまたは複数の他の独立した概念との任意の組み合わせで組み合わされてもよいことに留意されたい。以下は、本明細書に提示されたいくつかの概念の非限定的な概要である。
概念1.カルーセルから針アセンブリを有するポンプカートリッジを解放するように回転可能なバヨネットと、
バイアルトレイへと、および、バイアルトレイからバイアルを移送するための、薬物を収容するバイアルに取り付けられたバイアルパックを把持するように構成されたバイアルグリップと、
針アセンブリをバイアルへと延伸させるためにバイアルを持ち上げるように構成されたバイアルリフトと、
ポンプカートリッジのピストンを動作させるように構成されているポンプピストン駆動装置と、
ポンプカートリッジのバルブを動作させるように構成された少なくとも1つのバルブアクチュエータと、
マニホールド針をポンプカートリッジ内のポートへと延伸させるように構成された少なくとも1つの針プッシュロッドと
を備える、調合器システムのためのポンプ駆動装置。
概念2.ポンプカートリッジの圧力ドームに接触し、ポンプカートリッジ内の制御可能な流体経路内の圧力を検知するように構成された圧力センサをさらに備える、概念1または任意の他の概念のポンプ駆動装置。
概念3.ポンプカートリッジのエアインライン取付具を受け入れるように構成されたエアインラインセンサをさらに備える、概念1または任意の他の概念のポンプ駆動装置。
概念4.少なくとも1つのバルブアクチュエータは8つのバルブアクチュエータを含む、概念1または任意の他の概念のポンプ駆動装置。
概念5.バルブアクチュエータを作動させるように構成された複数のバルブフィンガカムをさらに備える、概念4または任意の他の概念のポンプ駆動装置。
概念6.少なくとも1つの針プッシュロッドが4つの針プッシュロッドを含み、各針プッシュロッドが、対応するマニホールドのマニホールド針の針ハウジング内の対応する凹部に係合するように構成された陥凹部分を備える、概念1または任意の他の概念のポンプ駆動装置。
概念7.マガジン凹部内の4つの針プッシュロッドを備えるポンプヘッドアセンブリをさらに備え、マガジン凹部は、マニホールドのうちの4つを含むマガジンを受け入れるように構成されている、概念6または任意の他の概念のポンプ駆動装置。
概念8.回転ハウジングをさらに備え、ポンプヘッドアセンブリは、回転ハウジングに対して回転可能である、概念7または任意の他の概念のポンプ駆動アセンブリ。
概念9.ポンプカートリッジを通して、ポンプカートリッジに取り付けられたバックパック内に配置されたコネクタを観察するように構成された光学センサをさらに備える、概念1または任意の他の概念のポンプ駆動アセンブリ。
概念10.ポンプカートリッジであって、針アセンブリ、ピストン、および複数のバルブを有する、ポンプカートリッジと、
ポンプ駆動装置であって、
カルーセルからポンプカートリッジを解放するように回転可能なバヨネット、
バイアルトレイへと、および、バイアルトレイからバイアルを移送するための、薬物を収容するバイアルに取り付けられたバイアルパックを把持するように構成されたバイアルグリップ、
針アセンブリをバイアルへと延伸させるためにバイアルを持ち上げるように構成されたバイアルリフト、
ポンプカートリッジのピストンを動作させるように構成されているピストンポンプ駆動装置、および
ポンプカートリッジの複数のバルブを動作させるように構成された複数のバルブ作動機構
を備える、ポンプ駆動装置と
を備える、調合器システム。
概念11.希釈剤容器に結合された希釈剤マニホールドをさらに備え、希釈剤マニホールドは針を備え、ポンプ駆動装置は、ポンプカートリッジ内のポートへと針を延伸させるように構成されている針プッシュロッドをさらに備える、概念10または任意の他の概念の調合器システム。
概念12.バイアルトレイをさらに備え、バイアルトレイは、バイアルパックおよびバイアルをバイアルグリップおよびバイアルリフトの適用範囲内に位置決めするように回転可能である、概念10または任意の他の概念の調合器システム。
概念13.カルーセルをさらに備え、カルーセルは、バヨネットに隣接してポンプカートリッジのバヨネット開口を位置決めするように回転可能である、概念10または任意の他の概念の調合器システム。
概念14.バヨネットはT字型のバヨネットであり、カートリッジは傾斜構造をさらに備え、ポンプ駆動装置は、傾斜構造に対してバヨネットを回転させて、カルーセルからカートリッジを持ち上げて引くように構成されている、概念13または任意の他の概念の調合器システム。
概念15.バヨネット、バイアルグリップ、バイアルリフト、ピストンポンプ駆動装置、および複数のバルブ作動機構が、回転可能なポンプヘッドアセンブリ内に配置されている、概念10または任意の他の概念の調合器システム。
概念16.ポンプヘッドアセンブリは回転ハウジングを介してプラットフォームに取り付けられ、プラットフォームは、ポンプヘッドアセンブリをカルーセルに向かって、および、カルーセルから外方に、摺動可能に移動させるように構成されている、概念15または任意の他の概念の調合器システム。
概念17.弾性チューブと、
弾性チューブの第1の端部にある第1の一方向バルブと、
弾性チューブの対向する第2の端部にある第2の一方向バルブと、
ここで、第1の一方向バルブおよび第2の一方向バルブは各々、流体が同じ一方向に流れることを可能にし、
第1の一方向バルブと第2の一方向バルブとの間で弾性チューブの一部分を圧縮して流体を一方向に圧送する往復平面プラテンと
を備える、ポンプ。
概念18.第1の方向においてプラテンを作動させて、弾性チューブを圧縮して、流体を弾性チューブから第1の一方向バルブを通じて一方向に圧送し、第2の反対の方向においてプラテンを作動させて、弾性チューブを解放するように構成されたモータをさらに備え、弾性チューブは、第2の一方向バルブを介して弾性チューブに追加の流体を引き込むために非圧縮状態に戻るように構成されている、概念17または任意の他の概念のポンプ。
概念19.モータの回転運動をプラテンの直線往復運動に転換するように構成された偏心駆動装置をさらに備える、概念18または任意の他の概念のポンプ。
概念20.弾性チューブを受け入れるように構成されたスロットを有するポンプハウジングをさらに備え、往復平面プラテンは、弾性チューブを圧縮して解放するためにスロット内で作動されるように構成されている、概念19または任意の他の概念のポンプ。
【0084】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実践することを可能にするために提供される。本開示は、本発明の主題の技術の様々な例を提供するものであり、本発明の主題の技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様にも適用され得る。
【0085】
本明細書に記載された主題の1つまたは複数の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。例えば、本明細書に開示された注入ポンプシステムは、1つまたは複数のプロセッサが埋め込まれているかまたは結合されている電子システムを含むことができる。そのような電子システムは、様々なタイプのコンピュータ可読媒体および様々な他のタイプのコンピュータ可読媒体のためのインターフェースを含むことができる。電子システムは、例えば、バス、処理装置(複数可)、システムメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、永久記憶装置、入力装置インターフェース、出力装置インターフェース、およびネットワークインターフェースを含むことができる。
【0086】
バスは、注入ポンプシステムの電子システムの多数の内部装置を通信可能に接続するすべてのシステムバス、周辺バスおよびチップセットバスを集合的に表すことができる。例えば、バスは、処理装置(複数可)をROM、システムメモリ、および永久記憶装置と通信可能に接続することができる。これらの様々なメモリユニットから、処理装置(複数可)は、様々なプロセスを実行するために、実行するための指示および処理するためのデータを取り出すことができる。処理装置(複数可)は、種々の実施態様において単一のプロセッサまたはマルチコアプロセッサであってもよい。
【0087】
単数形における要素への言及は、具体的に述べられていない限り「1つだけ」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味する。特記しない限り、「いくつか」という用語は1つまたは複数を指す。男性系(例えば、彼の)の代名詞には、女性および中性の性別(例えば、彼女のおよびその)が含まれ、逆も成り立つ。見出しおよび小見出しは、存在する場合、便宜的にのみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0088】
「例示的」という言葉は、本明細書においては「例または実例としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」と記載されている任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計に対して好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。一態様では、本明細書に記載される様々な代替の構成および動作は、少なくとも同等であると考えられ得る。
【0089】
本明細書で使用されるように、一連の項目に先行する「少なくとも1つの」という語句は、項目のいずれかを分離する「または」という用語を用いて、リストの各項目ではなく、リスト全体を修飾する。「少なくとも1つの」という語句は、少なくとも1つの項目の選択を必要としない。むしろ、この語句は、項目のいずれか1つ、および/または項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または項目の各々の少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、語句「A、B、またはCの少なくとも1つ」は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、またはA、B、およびCの任意の組み合わせを指すことができる。
【0090】
「態様」のような語句は、そのような態様が本発明の主題の技術にとって必須であること、またはそのような態様が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。態様に関する開示は、すべての構成または1つもしくは複数の構成に適用され得る。一態様は、1つまたは複数の例を提供することができる。態様などの語句は、1つまたは複数の態様を参照することができ、その逆もあり得る。「実施形態」のような語句は、そのような実施形態が本発明の主題の技術に必須であること、またはそのような実施形態が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。一実施形態に関連する開示は、すべての実施形態、または1つもしくは複数の実施形態に適用され得る。一実施形態は、1つまたは複数の例を提供することができる。一実施形態のような語句は、1つまたは複数の実施形態を指すことができ、逆もまた同様である。「構成」のような語句は、そのような構成が本発明の主題の技術にとって必須であること、またはそのような構成が本発明の主題の技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成または1つもしくは複数の構成に適用され得る。一構成は、1つまたは複数の例を提供することができる。構成のような語句は、1つまたは複数の構成を参照することができ、逆もまた同様である。
【0091】
1つの態様では、特に明記しない限り、添付の特許請求の範囲を含めて、本明細書に記載されているすべての測定値、値、格付け、位置、大きさ、サイズおよび他の仕様は正確ではなく、近似である。1つの態様において、それらは、それらが関連する機能およびそれらが関連する技術分野において慣習的であるものと一致する合理的な範囲を有することが意図される。
【0092】
開示されているプロセスまたは方法におけるステップまたは動作の特定の順序または階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。実施態様の選好またはシナリオに基づいて、ステップ、動作またはプロセスの特定の順序または階層を再構成することができることが理解される。ステップ、動作またはプロセスのいくつかは、同時に実行されてもよい。いくつかの実施態様の選好またはシナリオでは、特定の動作は実施される場合もあり、または、実施されない場合もある。ステップ、動作、またはプロセスの一部または全部は、ユーザの介入なしに自動的に実行されてもよい。添付の方法の請求項は、サンプル順序における様々なステップ、動作またはプロセスの要素を提示し、提示された特定の順序または階層に限定されるようには意図されていない。
【0093】
当業者に知られているかまたは後に知られる、本開示全体を通じて説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的同等物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図されている。さらに、本明細書に開示されたものは、そのような開示が請求項に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられるようには意図されていない。特許請求の範囲の要素は、要素が「~するための手段」という語句を用いて明示的に列挙されているか、または方法の請求項の場合は、要素が「~するためのステップ」という語句を使用して列挙されているのでない限り、米国特許法第112条(f)項の規定に基づいて解釈されるべきではない。さらに、用語「含む(include)」、「有する(have)」などが使用される限り、そのような用語は、特許請求の範囲において移行語として利用されるときに解釈されるような、用語「備える(comprise)」と同様の様式で包括的であるように意図されている。
【0094】
本開示の発明の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、および要約書は、本開示に組み込まれ、限定的な説明ではなく、本開示の例示的な例として提供される。本開示は、それらが特許請求項の範囲または意味を限定するために使用されないことを理解した上で提出される。さらに、詳細な説明では、説明は例示的な例を提供し、様々な特徴は、本開示を合理化する目的で様々な実施形態においてともにグループ化されることが理解され得る。この開示方法は、特許請求されている本発明の主題の技術が、各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成または動作のすべての特徴よりも少ないものである。添付の特許請求の範囲はこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個に特許請求される主題としてそれ自体で独立している。
【0095】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図されておらず、クレーム文言と一致する全範囲が与えられ、すべての法的等価物を包含するものとする。それにもかかわらず、特許請求項のいずれも米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たさない主題を包含するようには意図されておらず、そのように解釈されるべきでもない。