(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】クロスプレーンフィルタリングを使用する強化されたクロマコーディング
(51)【国際特許分類】
H04N 19/50 20140101AFI20230111BHJP
H04N 19/80 20140101ALI20230111BHJP
【FI】
H04N19/50
H04N19/80
(21)【出願番号】P 2021047297
(22)【出願日】2021-03-22
(62)【分割の表示】P 2018500441の分割
【原出願日】2016-07-08
【審査請求日】2021-04-21
(32)【優先日】2015-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318017925
【氏名又は名称】インターデイジタル マディソン パテント ホールディングス ソシエテ パー アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヘ
(72)【発明者】
【氏名】ユーウェン・ヘ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・イエ
(72)【発明者】
【氏名】シャオユ・シウ
【審査官】岩井 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-517270(JP,A)
【文献】国際公開第2014/204811(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/164939(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00 - 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ
デコーディングのための方法であって、
ビデオブロックのクロマサンプルが基準クロマサンプルの強化されたバージョンを使用して予測されることになることを示しているクロマ強化インジケータを取得するステップと、
前記クロマサンプルを予測することに関連付けられた
前記基準クロマサンプルに対応するルーマ領域を決定するステップであって、前記ルーマ領域は複数のルーマサンプルを含
んでいる、ステップと、
前記決定されたルーマ領域における前記複数のルーマサンプル
に適用される、クロスプレーンフィルタの出力であるオフセットを導き出すステップと、
前
記オフセット
によって前記基準クロマサンプルを調整することによって導き出された強化された基準サンプルを使用して、前記クロマサンプルを予測するステップと、
前記予測されたクロマサンプルに基づいて、前記ビデオブロックを再構成するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記ルーマ領域は、
前記ビデオブロックのイントラ予測モー
ドに基づいて、決定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ルーマ領域が、対応するクロマサンプルに隣接するルーマサンプル、または、前記対応するクロマサンプルと併置された前記ルーマサンプルの少なくとも1つを含むように、前記ルーマ領域が決定される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ビデオ
デコーディングのための装置であって、
ビデオブロックのクロマサンプルが基準クロマサンプルの強化されたバージョンを使用して予測されることになることを示しているクロマ強化インジケータを取得し、
前記クロマサンプルを予想することに関連付けられた
前記基準クロマサンプルに対応するルーマ領域を決定し、前記ルーマ領域は複数のルーマサンプルを含んでおり、
前記決定されたルーマ領域における前記複数のルーマサンプル
に適用される、クロスプレーンフィルタの出力であるオフセットを導き出し、
前
記オフセット
よって前記基準クロマサンプルを調整することによって導き出された強化された基準サンプルを使用して、前記クロマサンプルを予測し、
前記予測されたクロマサンプルに基づいて、前記ビデオブロックを再構成するよう構成されたプロセッサ
を備えた装置。
【請求項5】
前記ルーマ領域は、
前記ビデオブロックのイントラ予測モー
ドに基づいて、決定される請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記ルーマ領域が、前記ルーマ領域が対応するクロマサンプルに隣接するルーマサンプル、または、前記対応するクロマサンプルと併置された前記ルーマサンプルの少なくとも1つを含むように、前記ルーマ領域が決定される請求項
4に記載の装置。
【請求項7】
前記ビデオブロックは、前記クロマサンプルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ビデオブロックは、前記クロマサンプルを含む請求項4に記載の装置。
【請求項9】
プロセッサに、請求項1乃至3または7のいずれかの方法を実施させる、ビデオデコーディングのための命令をストアする非一時的コンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項10】
ビデオエンコーディングのための方法であって、
ビデオブロックのクロマサンプルを予測することに関連付けられた基準クロマサンプルに対応するルーマ領域を決定するステップであって、前記ルーマ領域は複数のルーマサンプルを含んでいる、ステップと、
前記決定されたルーマ領域における前記複数のルーマサンプルに適用される、クロスプレーンフィルタの出力であるオフセットを導き出すステップと、
前記クロマサンプルが前記基準クロマサンプルの強化されたバージョンを使用して予測されることになることを示しているクロマ強化インジケータを生成するステップと、
前記ビデオブロックを表しているビットストリームに、前記クロマ強化インジケータを含めるステップと
を備える方法。
【請求項11】
前記ルーマ領域は、前記ビデオブロックのイントラ予測モードに基づいて、決定される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ルーマ領域が、対応するクロマサンプルに隣接するルーマサンプル、または、前記対応するクロマサンプルと併置された前記ルーマサンプルの少なくとも1つを含むように、前記ルーマ領域が決定される請求項10に記載の方法。
【請求項13】
シグナリングされることになるクロスプレーンフィルタの数を示しているクロスプレーンフィルタ数インジケータを生成するステップと、
前記ビットストリームに、前記クロスプレーンフィルタ数インジケータを含めるステップと
をさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記クロマ強化インジケータは、スライスレベルに、または、ピクチャレベルに含まれる請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ビデオエンコーディングのための装置であって、
ビデオブロックのクロマサンプルを予測することに関連付けられた基準クロマサンプルに対応するルーマ領域を決定し、前記ルーマ領域は複数のルーマサンプルを含んでおり、
前記決定されたルーマ領域における前記複数のルーマサンプルに適用される、クロスプレーンフィルタの出力であるオフセットを導き出し、
前記クロマサンプルが前記基準クロマサンプルの強化されたバージョンを使用して予測されることになることを示しているクロマ強化インジケータを生成し、
前記ビデオブロックを表しているビットストリームに、前記クロマ強化インジケータを含めるよう構成されたプロセッサ
を備えた装置。
【請求項16】
前記ルーマ領域は、前記ビデオブロックのイントラ予測モードに基づいて、決定される請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ルーマ領域が、対応するクロマサンプルに隣接するルーマサンプル、または、前記対応するクロマサンプルと併置された前記ルーマサンプルの少なくとも1つを含むように、前記ルーマ領域が決定される請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
シグナリングされることになるクロスプレーンフィルタの数を示しているクロスプレーンフィルタ数インジケータを生成し、
前記ビットストリームに、前記クロスプレーンフィルタ数インジケータを含めるようさらに構成された請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記クロマ強化インジケータは、スライスレベルに、または、ピクチャレベルに含まれる請求項15に記載の装置。
【請求項20】
プロセッサに、請求項10乃至14のいずれかの方法を実施させる、ビデオデコーディングのための命令をストアする非一時的コンピュータ読取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスプレーンフィルタリングを使用する強化されたクロマコーディングに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2015年7月8日に出願された米国仮特許出願第62/190008号に基づく優先権を主張する。
【0003】
ビデオコーディングシステムが、デジタルビデオ信号を圧縮するために、使用されてよい。例えば、ビデオコーディングシステムは、消費される記憶空間を低減し得、および/またはビデオ信号に関連付けられた伝送帯域幅消費を低減し得る。例えば、ブロックベースのハイブリッドビデオコーディングシステムが、使用されてよい。
【0004】
デジタルビデオ信号は、3つのカラープレーンを含んでよい。3つのカラープレーンは、ルーマプレーンと、青色差クロマプレーンと、赤色差クロマプレーンとを含んでよい。クロマプレーンのピクセルは、ルーマプレーンのピクセルよりも小さいダイナミックレンジを有してよい。例えば、ビデオ画像のクロマプレーンは、ビデオ画像のルーマプレーンよりも平滑であってよく、および/またはより僅かなディテールを有してよい。ビデオ画像のクロマブロックは、予測するのが(例えば、正確に予測するのが)より容易であり得る。例えば、クロマブロックの予測は、より少ないリソースを消費し得、および/またはより僅かな予測誤りを生じ得る。
【0005】
高ダイナミックレンジ(HDR)ビデオは、標準ダイナミックレンジ(SDR)ビデオよりも広いダイナミックレンジを提供し得る。HDRビデオのダイナミックレンジは、人間の目の能力により近いものであり得る。HDRビデオにおけるクロマアーチファクトは、背景がより明るい場合、SDRビデオにおけるクロマアーチファクトよりも目立ち得る。HDRビデオコーディングは、前処理、コーディング、デコーディング、および/または後処理を含んでよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クロスプレーンフィルタリングを使用する強化されたクロマコーディングを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
クロスプレーンフィルタリングを使用する強化されたクロマコーディングのためのシステム、方法、および手段が、開示される。現在のピクチャに関連付けられたクロスプレーンフィルタのインジケーションが、受信されてよい。インジケーションは、クロスプレーンフィルタに関連付けられた1または複数のフィルタ係数を含んでよい。現在のピクチャは、イントラコーディングされたビデオブロックと、複数の基準サンプルとを含んでよい。複数の基準サンプルは、イントラコーディングされたビデオブロックを予測するために、使用されてよい。現在のピクチャ内において、ルーマサンプル領域が、決定されてよい。ルーマサンプル領域は、複数のルーマサンプルを含んでよい。例えば、ルーマサンプル領域は、ルーマサンプルからなる3×3ブロックであってよい。複数のルーマサンプルは、ルーマサンプルの再構成の前に、クロスプレーンフィルタが予測されたルーマサンプルに適用されるように、予測されたルーマサンプルを含んでよい。複数のルーマサンプルは、再構成の後に、クロスプレーンフィルタが再構成されたルーマサンプルに適用され得るように、再構成されたルーマサンプルを含んでよい。ルーマサンプル領域は、選択されたイントラ予測モードに基づいて、決定されてよい。
【0008】
ルーマサンプル領域は、現在のピクチャ内の対応するクロマサンプルを強化するために、決定されてよい。対応するクロマサンプルは、予測されたクロマサンプル、または再構成されたクロマサンプルであってよい。対応するクロマサンプルが、イントラコーディングされたビデオブロック内の予測されたクロマサンプルである場合、強化されたクロマサンプルが、予測のために使用されてよい。対応するクロマサンプルが、インループフィルタリング前の再構成されたクロマサンプルである場合、強化されたクロマサンプルが、インループフィルタリングが適用される前に、対応するクロマサンプルを置換するために、使用されてよい。対応するクロマサンプルは、イントラコーディングされたビデオブロック内の1または複数のクロマサンプルを予測するために使用される、基準クロマサンプルであってよい。クロスプレーンフィルタを適用するかどうかの決定は、受信されたクロマ強化インジケータに基づく。受信されたクロマ強化インジケータは、ブロックレベルで受信されてよい。オフセットを決定するために、クロスプレーンフィルタが、ルーマサンプル領域内の複数のルーマサンプルに適用されてよい。クロスプレーンフィルタは、ハイパスフィルタであってよい。強化されたクロマサンプルを決定するために、オフセットが、対応するクロマサンプルに適用されてよい。ルーマサンプル領域は、利用不可能なルーマサンプルを含んでよい。利用不可能なルーマサンプルは、例えば、クロスプレーンフィルタを複数のルーマサンプルに適用する前に、隣接する利用可能なルーマサンプルと置換されてよい。適用されるクロスプレーンフィルタは、選択されたイントラ予測モードに基づいて、決定されてよい。
【0009】
現在のピクチャに対して、複数のルーマサンプル領域が、決定されてよい。例えば、第1のルーマサンプル領域および第2のルーマサンプル領域が、決定されてよい。第1のルーマサンプル領域は、第1の複数のルーマサンプルを含んでよい。第2のルーマサンプル領域は、第2の複数のルーマサンプルを含んでよい。第1のルーマサンプル領域は、現在のピクチャ内において、第1の対応するクロマサンプルに隣接してよい。第2のルーマサンプル領域は、現在のピクチャ内において、第2の対応するクロマサンプルに隣接してよい。それぞれ第1のオフセットおよび第2のオフセットを決定するために、クロスプレーンフィルタが、第1の複数のルーマサンプルおよび第2の複数のルーマサンプルに適用されてよい。第1のオフセットは、第1の強化されたクロマサンプルを決定するために、第1の対応するクロマサンプルに適用されてよい。第2のオフセットは、第2の強化されたクロマサンプルを決定するために、第2の対応するクロマサンプルに適用されてよい。
【発明の効果】
【0010】
クロスプレーンフィルタリングを使用する強化されたクロマコーディングを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本特許または出願のファイルは、カラー作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を伴うこの特許または特許出願公開のコピーは、要求に応じて、必要な料金を支払うことで、特許局によって提供される。
【0012】
【
図1】ブロックベースのハイブリッドビデオエンコーダの例を示す図である。
【
図2】ブロックベースのハイブリッドビデオデコーダの例を示す図である。
【
図3】N×Nサンプルのブロックサイズのための予測されたサンプルP
x,yを獲得する予測のために使用される基準サンプルR
x,yの例を示す図である。
【
図4】イントラ予測単位についてのパーティショニングモードの例を示す図である。
【
図5】角度イントラ予測モードの例を示す図である。
【
図7】HEVCインター予測コーディングについての異なるパーティションの例を示す図である。
【
図8A】動きベクトルを使用した動き補償予測の例を示す図である。
【
図9】現在のブロックに属する再構成されたルーマサンプルを使用しないクロスプレーンフィルタリングを用いたクロマ基準サンプル強化の例を示す図である。
【
図10】現在のブロックに属する再構成されたルーマサンプルを使用するクロスプレーンフィルタリングを用いたクロマ基準サンプル強化の例を示す図である。
【
図11】予測クロマサンプル強化を用いたブロックベースのハイブリッドエンコーダの例を示す図である。
【
図12】クロスプレーンフィルタリングを用いて予測されたクロマサンプルを強化する例を示す図である。
【
図13】再構成されたクロマサンプルに対するクロマ強化を用いたブロックベースのハイブリッドエンコーダの例を示す図である。
【
図14】クロスプレーンフィルタリングを用いたクロマ再構成サンプル強化の例を示す図である。
【
図15A】1または複数の開示される実施形態が実行される例示的通信システムの図である。
【
図15B】
図15Aの通信システム内で使用される例示的無線送受信ユニット(WTRU)のシステム図である。
【
図15C】
図15Aの通信システム内で使用される例示的無線アクセスネットワークおよびコアネットワークのシステム図である。
【
図15D】
図15Aの通信システム内で使用される別の例示的無線アクセスネットワークおよびコアネットワークのシステム図である。
【
図15E】
図15Aの通信システム内で使用される別の例示的無線アクセスネットワークおよびコアネットワークのシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
説明的な実施形態についての詳細な説明が、様々な図を参照して、今から行われる。この説明は、可能な実行の詳細な例を提供するが、詳細は、例示的であることを意図しており、本出願の範囲を決して限定しないことに留意されたい。
【0014】
ビデオコーディングシステムは、例えば、デジタルビデオ信号の記憶域および/または送信帯域幅を低減するために、デジタルビデオ信号を圧縮してよい。ブロックベース、ウェーブレットベース、オブジェクトベースシステム、およびブロックベースのハイブリッドビデオコーディングシステムなど、様々なビデオコーディングシステムが、存在する。ブロックベースのビデオコーディングシステムの例は、H.261、(ムービングピクチャエキスパーツグループ)MPEG-1、MPEG-2、H.263、H.264/高度ビデオコーディング(AVC)、およびH.265/高効率ビデオコーディング(HEVC)である。
【0015】
図1は、ブロックベースのハイブリッドビデオエンコーダの例を示している。空間予測(例えば、イントラ予測)または時間予測(例えば、インター予測)が、例えば、ビデオブロック内の空間および時間冗長性を低減するために、例えば、(例えば、各)ビデオブロックに対して実行されてよい。イントラまたはインター予測から生成される予測ブロックは、現在のビデオブロックから減算されてよい。結果の予測残差は、変換および量子化されてよい。残差は、例えば、量子化された残差係数の逆量子化および逆変換によって、再構成されてよい。再構成された残差は、例えば、再構成ビデオブロックを形成するために、予測ブロックに加算されてよい。インループフィルタリングが、再構成されたビデオブロックに適用されてよい。フィルタリングされた再構成されたビデオブロックは、デコードされたピクチャ用のバッファ内に記憶されてよく、1または複数の次のビデオブロックをコーディングするために、使用されてよい。
【0016】
図2は、ブロックベースのハイブリッドビデオデコーダの例を示している。
図2のデコーダは、
図1のエンコーダに対応してよい。エンコードされたビデオビットストリームは、解析およびエントロピデコードされてよい。コーディングモードおよび関連する予測情報が、例えば、予測ブロックを形成するために、例えば、空間予測および動き補償予測に渡されてよい。残差変換係数が、例えば、残差ブロックを再構成するために、逆量子化および逆変換されてよい。予測ブロックおよび再構成された残差ブロックは、例えば、再構成されたブロックを形成するために、合算されてよい。インループフィルタリングが、再構成されたビデオブロックに適用されてよい。フィルタリングされた再構成されたビデオブロックは、基準ピクチャバッファ内に記憶されてよく、将来のビデオブロックを予測するために、使用されてよい。
【0017】
イントラコーディングは、ジョイントフォトグラフィックエキスパーツグループ(JPEG)、H.261、MPEG-1、MPEG-2、H.263、H.264/AVC、およびH.265/HEVCなど、いくつかの画像およびビデオコーディング技法において、例えば、空間相関性を除去するために、使用されてよい。方向性イントラ予測は、例えば、コーディング効率を向上させるために、例えば、H.264/AVCおよびH.265/HEVCにおいて使用されてよい。イントラ予測モードは、例えば、予測される現在のブロックの上から左までの、基準サンプルのセットを利用してよい。基準サンプルは、Rx,yと表記されることがある。例においては、位置(x,y)は、ブロック左上隅の1ピクセル上および1ピクセル左に、それの原点を有してよい。位置(x,y)における予測されたサンプル値は、Px,yと表記されることがある。
【0018】
図3は、N×Nサンプルのブロックサイズのための予測されたサンプルP
x,yを獲得する予測のために使用される基準サンプルR
x,yの例を示している。
【0019】
図4は、イントラ予測単位(PU)についてのパーティショニングモードの例を示している。HEVCイントラコーディングは、複数のタイプのPU分割、例えば、コーディング単位(CU)をそれぞれ1つまたは4つの等しいサイズのPUに分割し得る、PART_2N×2NおよびPART_N×Nをサポートし得る。PART_2N×2Nは、CUサイズが構成された最小CUサイズであるときに、利用可能であり得る。
【0020】
4つの4×4PUに分割される8×8CUは、例えば、4:2:0クロマフォーマットに対して、4つのルーマ予測ブロック(PB)を有してよい。例えば、2×2クロマイントラ予測ブロックによって引き起こされる高スループットを回避するために、イントラコーディングされたブロックに対して、クロマチャネル当たり1つの4×4PBが、存在してよい。
【0021】
CUは、複数の変換単位(TU)に分割されてよい。イントラ予測は、TUに順次適用されてよい。例えば、PUレベルにおいてイントラ予測を適用するのと比較して。順次イントラ予測は、イントラ予測において、現在のTUサンプルにより近い以前に再構成されたTUに属する隣接する基準サンプルを使用することを可能にし得る。
【0022】
図5は、角度イントラ予測モードの例を示している。HEVCは、1または複数(例えば、35)のイントラ予測モードをサポートし得る。1または複数のイントラ予測モードは、DCモード、平面モード、および/または33の方向性または「角度」イントラ予測モードを含んでよい。
【0023】
角度イントラ予測は、ビデオおよび画像コンテンツ内の異なる方向性構造を効率的にモデル化するために、使用されてよい。予測方向の数および角度は、エンコーディング複雑度とコーディング効率との間のトレードオフに基づいて、選択されてよい。
【0024】
予測されたサンプルP
x,yは、例えば、それのロケーションをピクセルの基準行または列に射影し、選択された予測方向を適用し、サンプルについての予測された値を1/32のピクセル精度で補間することによって、獲得されてよい。補間は、2つの最も近い基準サンプル、例えば、垂直予測(例えば、
図5に示されたモード18~34)のためのR
i,0およびR
i+1,0、ならびに水平予測(例えば、
図5に示されたモード2~17)のためのR
0,iおよびR
0,i+1を直線的に利用することによって、実行されてよい。
【0025】
HEVCは、様々な(例えば、すべての)PUサイズのためのルーマイントラ予測に対して、1または複数のイントラ予測モードをサポートし得る。HEVCは、例えば、1または複数の隣接するPUのモードに基づいて、(例えば、各)PUに対して、複数(例えば、3つ)の最も可能性の高いモード(MPM)を定義し得る。現在のイントラ予測モードは、MPMのセット内の要素の1つに等しくてよい。セットにおけるインデックスが、デコーダに送信されてよい。コード(例えば、5ビット固定長コード)が、MPMのセット外の選択されたモードを決定するために、使用されてよい。
【0026】
基準サンプルは、平滑化されてよい。例においては、3タップ平滑化フィルタが、1または複数の基準サンプルに適用されてよい。平滑化は、例えば、intra_smoothing_disabled_flagが0に設定されているとき、適用されてよい。フィルタリングは、例えば、与えられたイントラ予測モードおよび/または変換ブロックサイズによって、制御されてよい。例えば、32×32ブロックについての、例においては、角度モードは、例えば、水平および垂直角度モードを除いて、フィルタリングされた基準サンプルを使用してよい。例えば、16×16ブロックについての、別の例においては、フィルタリングされた基準サンプルを使用しないモードは、
図5に示された水平および垂直に最も近い4つのモード(例えば、9、11、25、27)に拡張されてよい。例えば、8×8ブロックについての、別の例においては、対角線モード(2、18、34)は、フィルタリングされた基準サンプルを使用してよい。
【0027】
イントラ予測は、クロマ成分に対して適用されてよい。例においては、イントラ予測モードは、例えば、クロマに関連付けられた1または複数の予測ブロック(PB)のために、例えば平面、DC、水平、垂直、「DM_CHROMA」モード、対角線モード(34)として指定されてよい。
【0028】
表1は、クロマのためのイントラ予測モードとイントラ予測方向との間の例示的なマッピングを示している。クロマカラーチャネルイントラ予測モードは、対応するルーマPBイントラ予測モードおよび/またはintra_chroma_pred_modeシンタックス要素に基づいてよい。
【0029】
【0030】
表2は、例えば、DM_CHROMAモードが選択され、4:2:2クロマフォーマットが使用されているときの、4:2:2クロマフォーマットに対して、イントラ予測モードの例示的な仕様を示している。クロマPBについてのイントラ予測モードは、例えば、表2において指定されるように、例えば、対応するルーマPBについてのイントラ予測モードから導出されてよい。
【0031】
【0032】
図6は、イントラ境界フィルタの例を示している。イントラ境界フィルタは、例えば、イントラ予測された変換ブロック(TB)を再構成するときに、使用されてよい。イントラ境界フィルタは、例えば、
図6に示されるように、例えば、水平、垂直、および/またはDCイントラ予測モードを使用して、PBのためのTBの左側および/または上側エッジに沿って、予測されたルーマサンプルをフィルタリングするために、使用されてよい。
【0033】
イントラ境界フィルタは、例えば、入力としての予測されたサンプルpのアレイ、および/または出力としてのpredSampleに基づいて、定義されてよい。
【0034】
式(1)によって提供されるイントラ境界フィルタリングは、例えば、32×32よりも小さいサイズ(nTbS)のルーマ変換ブロックに適用される水平イントラ予測、0に等しいdisableIntraBoundaryFilterに対して、出力としてのpredSampleを生成するために、使用されてよく、ここで、x=0...nTbS-1、y=0である。
predSamplex,y=CliplY(P-1,y+((Px,-1-P-1,-1)>>1)) (1)
【0035】
式(2)によって提供されるイントラ境界フィルタリングは、例えば、32×32よりも小さいサイズ(nTbS)のルーマ変換ブロックに適用される垂直イントラ予測、0に等しいdisableIntraBoundaryFilterに対して、出力としてのpredSampleを生成するために、使用されてよく、ここで、x=0...nTbS-1、y=0である。
predSamplex,y=CliplY(Px,-1+((P-1,y-P-1,-1)>>1)) (2)
【0036】
式(3)、式(4)、および式(5)によって提供されるイントラ境界フィルタリングは、例えば、32×32よりも小さいサイズ(nTbS)のルーマ変換ブロックに適用されるDCイントラ予測、およびDCプレディクタdcValに対して、出力としてのpredSampleを生成するために、使用されてよい。
predSample0,0=(P-1,0+2×dcVal+P0,-1+2)>>2 (3)
predSamplex,0=(Px,-1+3×dcVal+2)>>2、ここで、x=1...nTbS-1 (4)
predSample0,y=(P-1,y+3×dcVal+2)>>2、ここで、y=1...nTbS-1 (5)
【0037】
境界平滑化によって、改善、例えば、平均で0.4%の改善が、提供されてよい。イントラ境界フィルタは、ルーマ成分に適用されてよい。例えば、クロマ成分についての予測は、平滑である傾向にあるので、イントラ境界フィルタは、クロマ成分に適用されなくてよい。
【0038】
HEVCイントラモード残差コーディングは、イントラモード依存変換、および/または残差情報をコーディングするための係数スキャニングを利用してよい。4×4ルーマブロックに対して、離散サイン変換(DST)が、選択されてよい。他のタイプのブロックに対して、離散コサイン変換(DCT)が、選択/使用されてよい。
【0039】
線形モデル(LM)ベースのクロマイントラ予測モードが、例えば、式(6)に従って、例えば、併置された再構成されたルーマサンプルから線形モデル(LM)を使用してクロマサンプルを予測するために、使用されてよく、
PredC[x,y]=α・RecL[x,y]+β (6)
ここで、PredCは、ブロック内における予測されたクロマサンプルを示してよく、RecLは、ブロック内における対応する再構成されたルーマサンプルを示してよい。パラメータαおよびβは、現在のブロックの周囲の原因となる再構成されたルーマおよびクロマサンプルから導出されてよい。
【0040】
線形モデルクロマイントラ予測は、コーディング効率を改善し得る。例として、テスト構成における実験結果は、平均で、それぞれ1.3%、6.5%、5.5%からなる、Y、Cb、Cr成分のビョンテガード(Bjontegaard)デルタレート(BDレート)低減を示す。例においては、クロマ成分の同様のレベルのコーディング効率改善が、テスト構成において提供され得る。
【0041】
図7は、HEVCインター予測コーディングについての異なるパーティションの例を示している。インターコーディングは、例えば、時間冗長性を除去または低減するために、使用されてよい。HEVCインター予測コーディングは、イントラ予測コーディング(例えば、イントラコーディング)よりも多くのPBパーティション形状をサポートし得る。イントラ予測は、例えば、パーティションPART_2N×2N、PART_2N×N、PART_N×2N、PART_N×Nをサポートし得る。ピクチャ間予測は、例えば、パーティションPART_2N×2N、PART_2N×N、PART_N×2N、PART_N×N、ならびに非対称動きパーティションPART_2N×nU、PART_2N×nD、PART_nL×2N、およびPART_nR×2Nをサポートし得る。
【0042】
(例えば、各)インター予測されたPUは、1または複数の動きベクトル、および1または複数の基準ピクチャインデックスを含む、動きパラメータのセットを有してよい。Pスライスは、例えば、1つの基準ピクチャリストを使用してよく、Bスライスは、例えば、2つの基準ピクチャリストを使用してよい。PBのインター予測サンプルは、基準ピクチャインデックスによって識別される基準ピクチャ内の対応するブロック領域の1または複数のサンプルから決定されてよい。基準ピクチャインデックスは、動きベクトル(MV)の水平および垂直成分だけ変位させられた位置に対するものであってよい。
【0043】
図8Aは、動きベクトル(MV)を使用した動き補償予測の例を示している。水平および垂直動きベクトルは、それぞれd
xおよびd
yと表記されることがある。
【0044】
図8Bは、分数サンプル補間の例を示している。分数サンプル補間は、例えば、動きベクトルが分数値を有するときに、使用されてよい。分数サンプル補間は、非整数サンプル位置に対して予測サンプルを生成し得る。HEVCは、例えば、ルーマサンプル間の距離の1/4の単位を用いて、MVをサポートし得る。HEVCは、例えば、4:2:0フォーマットにおいては、クロマサンプル間の距離の1/8の単位を用いて、MVをサポートし得る。
【0045】
動きベクトル予測は、隣接するPUとの動きベクトルの空間-時間相関を利用してよい。マージモードが、例えば、動きベクトルシグナリングコストを低減するために、使用されてよい。マージモードのマージ候補リストは、隣接するPU位置(例えば、空間的ネイバおよび/もしくは時間的ネイバ)からの動きベクトル候補のリスト、ならびに/またはゼロベクトルを含んでよい。エンコーダは、マージ候補リストから(例えば、最良の)プレディクタを選択してよく、マージ候補リストから選択されたプレディクタを示す対応するインデックスを送信してよい。
【0046】
クロスプレーンフィルタリングは、例えば、クロマ品質を改善および強化するために、ルーマからの高周波数情報を使用してよい。高周波数情報は、例えば、ルーマ成分にハイパスフィルタを適用することによって、ルーマから抽出されてよい。
【0047】
ルーマおよびクロマ成分は、オブジェクト輪郭およびエッジエリアなど、いくつかの相関を有し得る。クロマ強化のためのクロスプレーンフィルタリングは、ルーマ成分にハイパスフィルタを適用することを含んでよい。ハイパスフィルタリングの出力は、強化されたクロマ成分を決定するために、クロマ成分に加算されてよい。ハイパスフィルタリングの出力は、オフセットであってよい。式7および式8は、クロマ強化の例を示しており、
【0048】
【0049】
Cenh=Crec+Yoffset (8)
ここで、Yは、ルーマであり、Cは、クロマであり、cross_plane_filterは、ルーマ信号に適用されるフィルタであり、Yrecは、再構成されたルーマ信号であり、Yoffsetは、フィルタリングの出力であり、Crecは、CbまたはCr成分であってよい、再構成されたクロマ信号であり、Cenhは、強化されたクロマ信号である。フィルタは、1Dまたは2Dフィルタであってよい。クロスプレーンフィルタは、例えば、最小2乗法を使用して、例えば、元のクロマおよびルーマ、ならびに/または再構成されたクロマおよびルーマに基づいて、導出されてよい。
【0050】
ルーマ予測モードは、例えば、クロマ予測モードのシグナリングオーバヘッドを低減するクロマ予測モードを導出するために、イントラ予測については、DM_CHROMAモードで利用されてよい。クロマ予測モードは、例えば、クロマ予測ブロック(PB)が、対応するルーマPBと同じ予測モードを利用するとき、DM_CHROMAとして伝達されてよい。線形モデル(LM)クロマ予測モードは、例えば、線形モデルによって、併置された再構成されたルーマサンプルから1または複数のクロマサンプルを予測してよい。
【0051】
基準クロマサンプル(Rx,y)、対応するクロマ予測サンプル(Px,y)、および再構成されたクロマサンプルは、それらの対応するルーマ成分とは独立して処理されてよい。例えば、インター予測については、クロマ予測サンプルおよびクロマ再構成サンプルは、それらの対応するルーマ成分とは独立して生成されてよい。クロスプレーンフィルタリングは、インターコーディングプロセスの異なるステージにおいて適用されてよい。
【0052】
クロスプレーンフィルタリングは、1または複数の隣接するクロマサンプルを強化するために、使用されてよい。1または複数の隣接するクロマサンプルは、現在のビデオブロックに隣接してよい。隣接するクロマサンプルは、基準クロマサンプル、再構成されたクロマサンプル、および/または予測されたクロマサンプルを含んでよい。例えば、予測されたクロマサンプルは、予測のために使用されてよい。隣接する基準クロマサンプルR
x,yは、例えば、
図3に示されるように、イントラコーディングのための予測されたクロマサンプルP
x,yを生成するために、使用されてよい。クロスプレーンクロマフィルタリングは、例えば、コーディング色空間におけるクロマを改善するために、1または複数の隣接するクロマサンプルのうちのクロマサンプルに対応する1または複数のルーマサンプルから高忠実度情報を導出してよい。
【0053】
クロスプレーンフィルタは、1または複数の隣接するルーマサンプルに適用されてよい。隣接するルーマサンプルは、基準ルーマサンプル、再構成されたルーマサンプル、および/または予測されたルーマサンプルを含んでよい。導出されたハイパス情報は、例えば、クロマ基準サンプルの品質を強化するために、使用されてよい。強化された基準クロマサンプルは、予測されたクロマサンプルを生成するために、使用されてよい。
【0054】
1または複数の強化されたクロマサンプルは、クロスプレーンフィルタリングを使用して、決定されてよい。例えば、クロスプレーンフィルタは、1または複数の隣接するルーマサンプルに適用されてよい。クロスプレーンフィルタは、ハイパスフィルタであってよい。1または複数の隣接するルーマサンプルは、強化されることになるクロマサンプルに対応してよい。クロスプレーンフィルタは、利用可能および/または利用不可能なルーマサンプルに適用されてよい。予測されたルーマサンプルおよび/または再構成されたルーマサンプル(例えば、ループフィルタリングの前または後)は、利用可能なルーマサンプルであってよい。再構成されていないルーマサンプルおよび/または予測されていないルーマサンプルは、利用不可能なルーマサンプルであってよい。
【0055】
図9は、現在のビデオブロックに属する再構成されたルーマサンプルを使用しないクロスプレーンフィルタリングを用いたクロマ基準サンプル強化900の例である。現在のビデオブロックは、例えば、
図9において実線によって画定されるような、サンプルからなる4×4ブロックを含んでよい。
【0056】
現在のピクチャに対して、902A、902Bなどの1または複数のルーマサンプル領域が、決定されてよい。示されるように、902A、902Bなどのルーマサンプル領域は、対応するクロマサンプルに隣接する複数のルーマサンプル、および/または対応するクロマサンプルと併置されたルーマサンプルを含んでよい。サンプルは、それが他のサンプルの上側、下側、左側、右側、および/または斜めに存在する場合、他のサンプルに隣接し得る。例えば、隣接するサンプルは、対応するサンプルの隣に存在してよい。併置されたサンプルは、クロマサンプルと同じロケーションにルーマサンプルを含んでよい。ルーマサンプル領域902Aは、1または複数の隣接するルーマサンプルおよび/または併置されたルーマサンプルを含むように決定されてよい。ルーマサンプル領域902Aは、強化対象のクロマサンプル(例えば、強化されたクロマサンプル912A)が、それぞれ1または複数のルーマサンプル領域902A、902Bの各々の中心に存在するように、決定されてよい。例えば、ルーマサンプル領域の中心に配置されるクロマサンプルは、クロスプレーンフィルタリングを使用して、強化されてよい。
【0057】
902Aなどのルーマサンプル領域内のルーマサンプルは、1または複数のルーマサンプル904A、基準ルーマサンプル906A、および/または予測されたルーマサンプル908Aを含んでよい。基準ルーマサンプル906Aは、予測されたルーマサンプル908Aを置換するために使用される再構成されたルーマサンプルであってよい。例えば、1または複数の予測されたルーマサンプル908A、908Bの各々は、1または複数の再構成されたルーマサンプル906であるそれぞれの隣接する再構成されたルーマサンプルによって置換されて(例えば、それらからパディングされて)よい。例えば、ルーマサンプル領域902A、902Bは、例えば、
図9において破線ボックスによって強調された3×3ウィンドウなど、ルーマサンプルのM×Nウィンドウであってよい。M×Nウィンドウ内のルーマサンプルは、クロマサンプルロケーションに対応してよい。クロスプレーンフィルタが、ルーマサンプル領域902A、902Bの複数のルーマサンプルに適用されてよい。オフセットが、ルーマサンプル領域902A、902Bの複数のルーマサンプルにクロスプレーンフィルタを適用した出力として、決定されてよい。オフセットは、例えば、912A、912Bなどの強化されたクロマサンプルを決定するために、対応するクロマサンプルへの適用910A、910B(例えば、加算)が行われてよい。クロスプレーンフィルタは、複数の強化されたクロマサンプル912A、912Bを決定するために、現在のピクチャにおいて、902A、902Bなどの複数のルーマサンプル領域に適用されてよい。強化されたクロマサンプル912A、912Bなどの強化されたクロマサンプルは、現在のビデオブロックのイントラ予測のための基準サンプルとして使用されてよい。
【0058】
例においては、M×Nルーマサンプル領域、例えば、3×3ウィンドウ内の複数のルーマサンプルは、インループフィルタリング前または後の、再構成されたルーマサンプルを(例えば、それだけを)含んでよい。例えば、M×Nルーマサンプル領域内の複数のルーマサンプルは、利用可能であってよい。別の例においては、M×Nルーマサンプル領域内の1または複数のルーマサンプルは、例えば、
図9に示されるように、再構成されていないことがある。再構成されていないルーマサンプルは、利用不可能なルーマサンプルであってよい。利用不可能なルーマサンプルは、隣接する利用可能な(例えば、再構成された)ルーマサンプルによって置換されて(例えば、それを使用してパディングされて)よい。現在のブロック内のルーマおよびクロマサンプルの予測および再構成は、並行して実行されてよい。
【0059】
図10は、現在のブロックに属する再構成されたルーマサンプルを使用するクロスプレーンフィルタリングを用いたクロマ基準サンプル強化1000の例である。例においては、現在のブロック内のルーマサンプルは、それぞれの対応するクロマサンプルの前に、例えば、異なる色チャネル間のより長い待ち時間が許容され得るときに、再構成されてよい。M×N(例えば、3×3)ルーマサンプル領域1002A、1002B内の再構成されたルーマサンプルは、クロスプレーンフィルタが適用されるとき、例えば、パディングを行わずに、利用可能であってよい。ルーマサンプル領域1002A、1002Bは、M×N(例えば、3×3)ウィンドウであってよい。
【0060】
例えば、現在のピクチャに対して、1002A、1002Bなどのルーマサンプル領域が、決定されてよい。1002A、1002Bなどのルーマサンプル領域は、対応するクロマサンプルに隣接する複数のルーマサンプル、および/または対応するクロマサンプルと併置されたルーマサンプルを含んでよい。ルーマサンプル領域1002A、1002Bの各々の中の複数のルーマサンプルは、現在のブロック外にある1もしくは複数の再構成されたルーマサンプル1004A、1004B、および/または現在のブロック内にある1もしくは複数の再構成されたルーマサンプル1008A、1008Bを含んでよい。
【0061】
クロスプレーンフィルタリングが、1または複数のルーマサンプル領域1002A、1002B内の複数のルーマサンプルに適用されてよい。1または複数のルーマサンプル領域1002A、1002B内のルーマサンプルは、(例えば、
図10に示されるように)現在のブロック内のいくつかのルーマサンプルを含んでよい。現在のブロック内のルーマサンプルは、例えば、ループフィルタリングの前または後の、1または複数の再構成されたルーマサンプルを含んでよい。
【0062】
1または複数の強化された基準クロマサンプル1012A、1012Bが、例えば、式9に従って、生成されてよく、
【0063】
【0064】
ここで、RC[x][y]は、強化前の再構成された基準クロマサンプルであってよく、RC_enh[x][y]は、強化された基準クロマサンプルであってよく、SL(xL,yL)は、位置(xL,yL)に中心を置く再構成されたルーマサンプルのアレイであってよい。1または複数の強化基準クロマサンプル1012A、1012Bは、1または複数のルーマサンプル領域1002A、1002Bの中心に対応してよい。
【0065】
クロマサンプル位置(x,y)に対応するルーマサンプル位置(x
L,y
L)は、例えば、式10に従って、クロマフォーマットに基づいて計算されてよく、
x
L=scaleX×x (10)
y
L=scaleY×y
ここで、scaleXおよびscaleYは、例えば、それぞれ、クロマフォーマット4:2:0、4:2:2、4:4:4に対して、(2,2)、(2,1)、(1,1)であってよい。強化されたクロマ基準サンプルRC
_enh[x][y]は、例えば、
図5に示されるような、例えば、方向性/DC/平面イントラ予測モードを使用する、イントラ予測プロセスにおいて使用されてよい。
【0066】
2次元(2-D)クロスプレーンフィルタが、ルーマサンプル領域(例えば、
図9および
図10に示されるような、ルーマサンプルからなるN×N領域)に適用されてよい。1次元(1-D)クロスプレーンフィルタが、1×NまたはN×1ルーマサンプル領域内の1または複数のルーマサンプルに適用されてよい。例として、現在のブロックの上側のN個の水平ルーマ基準サンプルは、例えば、クロスプレーンフィルタリングにおいてN×1ルーマサンプル領域が使用されるとき、フィルタリングされてよい。例として、現在のブロックの左側のN個の垂直ルーマ基準サンプルは、例えば、クロスプレーンフィルタリングにおいて1×Nルーマサンプル領域が使用されるとき、フィルタリングされてよい。
【0067】
例においては、ルーマサンプル領域は、例えば、イントラ予測モードに基づいて、適応的に選択されてよい。イントラ予測モードは、方向性(例えば、垂直、水平など)イントラ予測モード、DCイントラ予測モード、平面イントラ予測モード、または他の任意のイントラ予測モードであってよい。適用されるクロスプレーンフィルタは、どのイントラ予測モードが選択されるかに基づいて、決定されてよい。クロスプレーンフィルタの異なるセットが、例えば、様々な異なるモードのエッジおよび/または境界特性にマッチするように、選択されてよい。例として、垂直予測モードは、基準サンプルの最上行を使用してよい。垂直予測モードが、選択されたとき、現在のビデオブロックの上側の1または複数のクロマ基準サンプルが、強化されてよい。例えば、ルーマサンプル領域は、それが、現在のビデオブロックの上側の対応するクロマ基準サンプルに隣接する1または複数のルーマサンプルを含むように、選択されてよい。ルーマサンプル領域は、現在のビデオブロックの上側の対応するクロマ基準サンプルと併置されたルーマサンプルを含んでよい。別の例として、水平予測モードが、選択されたとき、現在のビデオブロックの左側または右側の1または複数のクロマ基準サンプルが、強化されてよい。ルーマサンプル領域は、それが、現在のビデオブロックの左側または右側の対応するクロマ基準サンプルに隣接する1または複数のルーマサンプルを含むように、選択されてよい。ルーマサンプル領域は、現在のビデオブロックの左側または右側の対応するクロマ基準サンプルと併置されたルーマサンプルを含んでよい。例えば、垂直予測モードが選択されたとき、エッジが、垂直に生じることがある。
【0068】
ルーマサンプル領域は、例えば、
図9および
図10に示された例において描かれた正方形2-Dルーマサンプル領域と比較して、横長の長方形の形状を有するように、選択されてよい。例えば、垂直選択モードについては、1-D水平ルーマサンプル領域が、選択および/または適用されてよい。(例えば、一番上の隣接するルーマサンプルを使用する)1-D水平フィルタリングが、例えば、垂直ハイパスエッジ情報をより効果的に取り出し、および/またはフィルタリング複雑度を低減するために、使用されてよい。水平予測モードのための適応フィルタリングの例においては、基準サンプルの左列が、使用されてよい。例えば、水平予測モードが選択されたとき、エッジが、水平に生じることがある。縦長の長方形の形状を有するルーマサンプル領域が、使用されてよい。例えば、1-D垂直ルーマサンプル領域が、選択および/または適用されてよい。(例えば、左の隣接するルーマサンプルを使用する)1-D垂直フィルタリングは、水平ハイパスエッジ情報をより効果的に取り出し、および/またはフィルタリング複雑度を低減し得る。
【0069】
ルーマサンプル領域は、ルーマサンプル領域が、現在のビデオブロック内のクロマサンプルに対応するように、「L」形状を有するように、選択されてよい。例えば、DCイントラ予測モードが選択されたとき、現在のビデオブロックの左側および上側の1または複数の基準サンプルの平均が、現在のビデオブロック内の1または複数のサンプルを予測するために、使用されてよい。別の例として、平面イントラ予測モードが選択されたとき、現在のビデオブロックの左側および上側の1または複数の基準サンプルの線形関数が、現在のビデオブロック内の1または複数のサンプルを予測するために、使用されてよい。DCイントラ予測および/または平面イントラ予測モードが選択されたとき、ルーマサンプル領域は、現在のビデオブロックの左側および上側の1または複数の基準クロマサンプルが強化されるように、選択されてよい。
【0070】
クロマ強化インジケータが、例えば、クロマ強化を有効にするか、それとも無効にするかを示すために、伝達されてよい。クロマ強化インジケータは、例えば、スライスレベル、ピクチャレベル、グループオブジェクトピクチャレベル、またはシーケンスレベルで、伝達されてよい。
【0071】
クロマ強化インジケータは、例えば、クロマ強化処理が現在のコーディングブロックに適用されるかどうかを示すために、ブロックレベルで、伝達されてよい。クロマ強化インジケータは、例えば、現在のブロックがイントラコーディングされたブロックであるとき、伝達されてよい。
【0072】
1または複数のクロスプレーンフィルタ係数が、エンコーダにおいて導出され、デコーダに送信されてよい。例えば、基準サンプルを改善するためにイントラコーディングされたブロックに適用される強化フィルタについての、フィルタ係数トレーニングは、イントラコーディングされたサンプルを使用してよい。1または複数のクロスプレーンフィルタ係数は、例えば、スライスレベル、ピクチャレベル、グループオブジェクトピクチャレベル、またはシーケンスレベルで、送信されてよい。1または複数のクロスプレーンフィルタ係数は、ブロックレベルで、送信されてよい。
【0073】
図11は、予測クロマサンプル強化を用いたブロックベースのハイブリッドビデオコーディングデバイス1100(例えば、エンコーダまたはデコーダ)の例である。予測(例えば、イントラ予測1104、および/またはインター予測1106)が、入力ビデオ1102に対して実行されてよい。予測残差1108が、例えば、入力ビデオ1102の元のブロックから予測ブロック1114を減算することによって、決定されてよい。予測残差1108は、1110において、例えば、DCTおよび/またはDSTブロック変換を使用して、変換され、および/または量子化されてよい。予測残差1108は、入力ビデオ1102のルーマおよび/またはクロマ成分について変換されてよい。予測されたクロマサンプルの精度の改善は、コーディング効率を改善することがある。クロマ強化1112が、例えば、クロスプレーン(例えば、ハイパス)フィルタを使用して、1または複数の予測されたクロマサンプルを強化することによって、実行されてよい。クロマサンプルは、例えば、オブジェクト輪郭および/またはエッジエリアについて、強化されてよい。
【0074】
クロスプレーンフィルタは、例えば、同じブロックおよび隣接するブロックの再構成されたルーマサンプルを使用して、現在のブロックの1または複数(例えば、すべて)の予測されたクロマサンプルに対して使用されてよい。例えば、現在のブロックの1または複数の予測されたクロマサンプルは、1または複数の予測されたクロマサンプルに対応する複数のルーマサンプルにクロスプレーンフィルタを適用することによって、強化されてよい。現在のブロックは、イントラコーディングされたビデオブロックであってよい。強化された予測されたクロマサンプルは、例えば、式11に示されるように、生成されてよく、
【0075】
【0076】
ここで、PC[x][y]は、クロマ位置(x,y)において生成された予測されたクロマサンプルであってよい。予測されたクロマサンプルPC[x][y]は、イントラ予測またはインター予測を使用して、予測されてよい。式(11)に示されていないが、クロマ強化において使用されるクロスプレーンフィルタは、例えば、現在のブロックについてのコーディングモード(例えば、イントラまたはインター)に応じて、変化してよい。例においては、クロスプレーンフィルタの複数(例えば、2つ)のセットが、別々にトレーニングされてよい。クロスプレーンフィルタの第1のセットは、1または複数のイントラ予測されたクロマサンプルに適用されてよい。クロスプレーンフィルタの第2のセットは、1または複数のインター予測されたクロマサンプルに適用されてよい。
【0077】
SL(xL,yL)は、位置(xL,yL)における再構成されたルーマサンプルであってよく、ここで、(xL,yL)は、例えば、式12に示されるように、クロマフォーマットに基づいて、計算されてよく、
xL=scaleX×x (12)
yL=scaleY×y
ここで、(scaleX,scaleY)は、それぞれ、クロマフォーマット4:2:0、4:2:2、4:4:4に対して、(2,2)、(2,1)および(1,1)であってよい。
【0078】
クロスプレーンフィルタは、例えば、1または複数の予測されたクロマサンプルの精度を改善するために、1または複数の隣接する対応する基準ルーマサンプルに適用されてよい。
【0079】
クロスプレーンフィルタは、1または複数の予測されたクロマサンプルの品質を強化し得る。強化された予測されたクロマサンプルが、予測残差を生成するために使用されるとき、予測残差情報は、より小さくなり得、改善されたコーディング性能をもたらす。
【0080】
クロスプレーンフィルタリングは、1または複数の強化されたクロマサンプルを導出するために、使用されてよい。例えば、クロスプレーンフィルタは、現在のクロマサンプルロケーションに対応するルーマサンプルからなる近傍(例えば、ルーマサンプル領域)に適用されてよい。
【0081】
図12は、クロスプレーンフィルタリングを用いて予測されたクロマサンプルを強化する例である。複数のルーマサンプル領域1202A、1202B、1202Cが、決定されてよい。複数のルーマサンプル領域1202A、1202B、1202Cの各々は、予測されたクロマサンプルに対応してよい。クロスプレーンフィルタは、ルーマサンプル領域1202A、1202B、1202C(例えば、
図12に示された破線ボックス内の3×3ウィンドウ)内の複数のルーマサンプルに適用されてよい。クロスプレーンフィルタは、(例えば、縦線の円によって示されるような)現在のブロックの再構成されたルーマサンプルに適用されてよい。現在のブロックは、イントラコーディングされたビデオブロックであってよい。出力が、決定されてよい。クロスプレーンフィルタを適用した出力は、例えば、式11によって与えられる、オフセットであってよい。例えば、強化されたクロマサンプル1206A、1206B、1206Cを決定するために、対応するクロマサンプルにオフセット1204A、1204B、1204Cを適用(例えば、加算)することによって、強化された予測されたクロマサンプル1206A、1206B、1206Cが、決定されてよい。予測されたクロマサンプルの強化において使用するためにフィルタリングされる現在のブロックの対応する再構成されたルーマサンプルの利用可能性は、特定のブロック上におけるルーマ成分とクロマ成分との間に、コーディング待ち時間を導入し得る。
【0082】
クロスプレーンフィルタは、まだ再構成されていないルーマサンプル1208に適用されてよい。まだ再構成されていないルーマサンプル1208は、例えば、まだ再構成されていないルーマサンプル1208に隣接する(例えば、左側または上側の)再構成されたルーマサンプルを使用して、パディングされてよい。例えば、利用不可能なルーマサンプルは、隣接する再構成されたルーマサンプルによって置換されてよい。
【0083】
別々の(例えば、異なる)フィルタが、例えば、予測モード(例えば、イントラまたはインター予測)に応じて、適用されてよい。他の技法(例えば、手順)が、異なるクロスプレーンフィルタを分類および適用するために、使用されてよい。例として、クロスプレーンフィルタは、例えば、整数ピクセル動きベクトルが使用されるか、それとも分数(例えば、2分の1または4分の1)ピクセル動きベクトルが使用されるかに応じて、適用可能性について、さらに分類または下位分類されてよい。クロスプレーンフィルタは、例えば、どの基準ピクチャがインター予測において使用されるかに応じて、適用可能性について、さらに分類および/または下位分類されてよい。クロスプレーンフィルタは、これらおよび他のコーディングパラメータに応じて、適応的に選択および/または適用されてよい。
【0084】
図13は、再構成されたクロマサンプルに対するクロマ強化を用いたブロックベースのハイブリッドビデオコーディングデバイス1300(例えば、エンコーダまたはデコーダ)の例である。例えば、クロマ強化は、予測および再構成の後に、適用されてよい。入力ビデオ1302の(例えば、インループフィルタリング前の)再構成ブロック1304は、例えば、逆量子化/逆変換1306からの再構成された残差ブロックを予測ブロック1308に加算することによって、生成されてよい。再構成されたクロマサンプルの強化は、全体的なピクチャ品質を改善し得、および/または以降のブロックもしくはピクチャのコーディング効率を改善し得る。クロマ強化1312は、例えば、クロスプレーンフィルタを適用することによって、実行されてよい。クロスプレーンフィルタの適用は、例えば、オブジェクト輪郭および/またはエッジエリアにおける、1または複数再構成されたクロマサンプルを強化してよい。1または複数の再構成されたクロマサンプルは、インループフィルタリング前または後に、強化されてよい。
【0085】
例においては、クロスプレーンフィルタは、例えば、現在のブロックの再構成されたクロマサンプルを強化するために、再構成されたルーマサンプルSL[x][y]に適用されてよい。強化された再構成されたクロマサンプルは、例えば、式13に従って、計算されてよい。
【0086】
【0087】
ここで、SC[x][y]は、再構成されたクロマサンプルであってよく、SC_enh[x][y]は、強化された再構成されたクロマサンプルであってよい。
【0088】
図14は、クロスプレーンフィルタリングを用いた1または複数のクロマ再構成サンプルの強化の例である。
【0089】
複数のルーマサンプル領域1402、1404が、決定されてよい。第1のルーマサンプル領域1402は、現在のブロック1410に属する複数の再構成されたルーマサンプルを含んでよい。第2のルーマサンプル領域1404は、現在のブロック1410に属する複数の再構成されたルーマサンプルと、1または複数の先行するブロックに属する複数の再構成されたルーマサンプルとを含んでよい。
【0090】
クロスプレーンフィルタは、1または複数の再構成されたルーマサンプルSL(xL,yL)に適用されてよい。現在のブロック1410の1または複数の再構成されたクロマサンプルSC[x][y]は、1または複数の強化された再構成されたクロマサンプルSC_enh[x][y]1412、1414を生成するために、選択および適用されたクロスプレーンフィルタの出力の、対応する再構成されたクロマサンプルへの適用1406、1408(例えば、加算)を行うことによって、強化されてよい。例えば、ルーマサンプル領域1402などのルーマサンプル領域は、現在のブロック1410からの1または複数の再構成されたルーマサンプルと、1または複数の先行するブロックからの1または複数の再構成されたルーマサンプルとを含んでよい。
【0091】
例えば、本明細書において説明されるような、クロスプレーンフィルタの分類、適応的選択、および適用は、再構成されたクロマサンプルの強化に適用可能であってよい。クロスプレーンフィルタの分類は、例えば、ブロック予測モード(例えば、イントラもしくはインター)、動きベクトル精度、および/または基準ピクチャなどに、依存してよい。
【0092】
フィルタリング係数の伝達は、例えば、本明細書において説明されるように、実行されてよい。クロスプレーンフィルタの1または複数のセットは、ビットストリームで、伝達されてよい。クロスプレーンフィルタの1または複数のセットは、利用されるフィルタ分類方法に基づいて、伝達されてよい。伝達されるフィルタセットの数は、Nと表記されることがある。クロスプレーンフィルタのN個のセットのフィルタ係数は、スライスレベル、ピクチャレベル、グループオブジェクトピクチャレベル、またはシーケンスレベルで、送信されてよい。デコーダは、現在のブロックのコーディングモード、動きベクトル精度、および/または基準ピクチャに基づいて、1または複数の適切なクロスプレーンフィルタを選択してよい。デコーダは、例えば、現在のブロックのコーディングモード、動きベクトル精度、および/または基準ピクチャに基づいて、1または複数の適切なクロスプレーンフィルタを適用してよい。
【0093】
図15Aは、1または複数の開示される実施形態が実行され得る例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージング、放送などのコンテンツを複数の無線ユーザに提供する、多元接続システムであってよい。通信システム100は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共用を通して、そのようなコンテンツにアクセスすることを可能してよい。例えば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、およびシングルキャリアFDMA(SC-FDMA)など、1または複数のチャネルアクセス方法を利用してよい。
【0094】
図15Aに示されるように、通信システム100は、(一般にまたは一括してWTRU102と呼ばれることがある)無線送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、および/または102d、無線アクセスネットワーク(RAN)103/104/105、コアネットワーク106/107/109、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、ならびに他のネットワーク112を含んでよいが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図していることが理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、無線環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスであってよい。例として、WTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信および/または受信するように構成されてよく、ユーザ機器(UE)、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、および家電製品などを含んでよい。
【0095】
通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bも含んでよい。基地局114a、114bの各々は、コアネットワーク106/107/109、インターネット110、および/またはネットワーク112などの1または複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dの少なくとも1つと無線でインターフェース接続するように構成された、任意のタイプのデバイスであってよい。例として、基地局114a、114bは、基地送受信機局(BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、および無線ルータなどであってよい。基地局114a、114bは、各々が、単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含んでよいことが理解されよう。
【0096】
基地局114aは、RAN103/104/105の部分であってよく、RAN103/104/105は、他の基地局、および/または基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどのネットワーク要素(図示されず)も含んでよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示されず)と呼ばれることがある特定の地理的領域内において無線信号を送信および/または受信するように構成されてよい。セルは、さらにセルセクタに分割されてよい。例えば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタに分割されてよい。したがって、一実施形態においては、基地局114aは、送受信機を3つ、例えば、セルのセクタ毎に1つずつ含んでよい。別の実施形態においては、基地局114aは、多入力多出力(MIMO)技術を利用してよく、したがって、セルのセクタ毎に複数の送受信機を利用してよい。
【0097】
基地局114a、114bは、エアインターフェース115/116/117上において、WTRU102a、102b、102c、102dの1または複数と通信してよく、エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)であってよい。エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立されてよい。
【0098】
より具体的には、上で言及されたように、通信システム100は、多元接続システムであってよく、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、およびSC-FDMAなどの、1または複数のチャネルアクセス方式を利用してよい。例えば、RAN103/104/105内の基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用してエアインターフェース115/116/117を確立し得る、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)地上無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実行してよい。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/またはEvolved HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含んでよい。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含んでよい。
【0099】
別の実施形態においては、基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE-A)を使用してエアインターフェース115/116/117を確立し得る、Evolved UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実行してよい。
【0100】
他の実施形態においては、基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(すなわち、マイクロ波アクセス用の世界的相互運用性(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定標準2000(IS-2000)、暫定標準95(IS-95)、暫定標準856(IS-856)、移動体通信用グローバルシステム(GSM)、GSMエボリューション用の高速データレート(EDGE)、およびGSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実行してよい。
【0101】
図15Aの基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントであってよく、職場、家庭、乗物、およびキャンパスなどの局所的エリアにおける無線接続性を容易にするために、任意の適切なRATを利用してよい。一実施形態においては、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、IEEE802.11などの無線技術を実行して、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立してよい。別の実施形態においては、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、IEEE802.15などの無線技術を実行して、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立してよい。また別の実施形態においては、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-Aなど)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立してよい。
図15Aに示されるように、基地局114bは、インターネット110への直接的な接続を有してよい。したがって、基地局114bは、コアネットワーク106/107/109を介してインターネット110にアクセスするために、使用されないことがある。
【0102】
RAN103/104/105は、コアネットワーク106/107/109と通信してよく、コアネットワーク106/107/109は、音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dの1または複数に提供するように構成された、任意のタイプのネットワークであってよい。例えば、コアネットワーク106/107/109は、呼制御、請求サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイド通話、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供してよく、および/またはユーザ認証など、高レベルのセキュリティ機能を実行してよい。
図15Aには示されていないが、RAN103/104/105および/またはコアネットワーク106/107/109は、RAN103/104/105と同じRATまたは異なるRATを利用する他のRANと直接的または間接的に通信してよいことが理解されよう。例えば、E-UTRA無線技術を利用し得るRAN103/104/105に接続するのに加えて、コアネットワーク106/107/109は、GSM無線技術を利用する別のRAN(図示されず)とも通信してよい。
【0103】
コアネットワーク106/107/109は、PSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするための、WTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとしての役割を果たしてもよい。PSTN108は、基本電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含んでよい。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイート内の伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、およびインターネットプロトコル(IP)など、共通の通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスからなるグローバルシステムを含んでよい。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される有線または無線通信ネットワークを含んでよい。例えば、ネットワーク112は、RAN103/104/105と同じRATまたは異なるRATを利用し得る1または複数のRANに接続された、別のコアネットワークを含んでよい。
【0104】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dの1または複数は、マルチモード機能を含んでよく、例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンク上で異なる無線ネットワークと通信するための複数の送受信機を含んでよい。例えば、
図15Aに示されるWTRU102cは、セルラベースの無線技術を利用し得る基地局114aと通信するように、またIEEE802無線技術を利用し得る基地局114bと通信するように構成されてよい。
【0105】
図15Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。
図15Bに示されるように、WTRU102は、プロセッサ118と、送受信機120と、送信/受信要素122と、スピーカ/マイクロフォン124と、キーパッド126と、ディスプレイ/タッチパッド128と、非リムーバブルメモリ130と、リムーバブルメモリ132と、電源134と、全地球測位システム(GPS)チップセット136と、他の周辺機器138とを含んでよい。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、上記の要素の任意のサブコンビネーションを含んでよいことが理解されよう。また、実施形態は、基地局114a、114b、ならびに/または基地局114a、114bが表し得る、とりわけ、送受信機局(BTS)、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ホームノードB、Evolved ホームノードB(eノードB)、ホームEvolved ノードB(HeNB)、ホームEvolved ノードBゲートウェイ、およびプロキシノードなどの、しかし、それらに限定されないノードが、
図15Bに示され、本明細書で説明される要素の1または複数を含んでよいことを企図している。
【0106】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他の任意のタイプの集積回路(IC)、および状態機械などであってよい。プロセッサ118は、信号コーディング、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作することを可能にする他の任意の機能性を実行してよい。プロセッサ118は、送受信機120に結合されてよく、送受信機120は、送信/受信要素122に結合されてよい。
図15Bは、プロセッサ118と送受信機120を別々の構成要素として示しているが、プロセッサ118と送受信機120は、電子パッケージまたはチップ内に一緒に統合されてよいことが理解されよう。
【0107】
送信/受信要素122は、エアインターフェース115/116/117上において、基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信し、または基地局から信号を受信するように構成されてよい。例えば、一実施形態においては、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナであってよい。別の実施形態においては、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように構成された放射器/検出器であってよい。また別の実施形態においては、送信/受信要素122は、RF信号と光信号の両方を送信および受信するように構成されてよい。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように構成されてよいことが理解されよう。
【0108】
加えて、
図15Bでは、送信/受信要素122は単一の要素として示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含んでよい。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を利用してよい。したがって、一実施形態においては、WTRU102は、エアインターフェース115/116/117上において無線信号を送信および受信するための2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含んでよい。
【0109】
送受信機120は、送信/受信要素122によって送信されることになる信号を変調し、送信/受信要素122によって受信された信号を復調するように構成されてよい。上で言及されたように、WTRU102は、マルチモード機能を有してよい。したがって、送受信機120は、WTRU102が、例えば、UTRAおよびIEEE802.11などの複数のRATを介して通信することを可能にするための、複数の送受信機を含んでよい。
【0110】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶表示(LCD)ディスプレイユニットもしくは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合されてよく、それらからユーザ入力データを受信してよい。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力してもよい。加えて、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130および/またはリムーバブルメモリ132など、任意のタイプの適切なメモリから情報を入手してよく、それらにデータを記憶してよい。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または他の任意のタイプのメモリ記憶デバイスを含んでよい。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、およびセキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含んでよい。他の実施形態においては、プロセッサ118は、サーバまたはホームコンピュータ(図示されず)上などにある、WTRU102上に物理的に配置されていないメモリから情報を入手してよく、それらにデータを記憶してよい。
【0111】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ってよく、WTRU102内の他の構成要素への電力の分配および/または制御を行うように構成されてよい。電源134は、WTRU102に給電するための任意の適切なデバイスであってよい。例えば、電源134は、1または複数の乾電池(例えば、ニッケル-カドミウム(NiCd)、ニッケル-亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)など)、太陽電池、および燃料電池などを含んでよい。
【0112】
プロセッサ118は、GPSチップセット136に結合されてもよく、GPSチップセット136は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成されてよい。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース115/116/117上において位置情報を受信してよく、および/または2つ以上の近くの基地局から受信された信号のタイミングに基づいて、自らの位置を決定してよい。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の適切な位置決定方法を用いて、位置情報を獲得してよいことが理解されよう。
【0113】
プロセッサ118は、他の周辺機器138にさらに結合されてよく、他の周辺機器138は、追加的な特徴、機能性、および/または有線もしくは無線接続性を提供する、1または複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含んでよい。例えば、周辺機器138は、加速度計、eコンパス、衛星送受信機、(写真またはビデオ用の)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、バイブレーションデバイス、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、およびインターネットブラウザなどを含んでよい。
【0114】
図15Cは、実施形態による、RAN103およびコアネットワーク106のシステム図である。上で言及されたように、RAN103は、UTRA無線技術を利用して、エアインターフェース115上においてWTRU102a、102b、102cと通信してよい。RAN103は、コアネットワーク106と通信してもよい。
図15Cに示されるように、RAN103は、ノードB140a、140b、140cを含んでよく、ノードB140a、140b、140cは、各々が、エアインターフェース115上においてWTRU102a、102b、102cと通信するための1または複数の送受信機を含んでよい。ノードB140a、140b、140cは、各々が、RAN103内の特定のセル(図示されず)に関連付けられてよい。RAN103は、RNC142a、142bを含んでもよい。RAN103は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のノードBおよびRNCを含んでよいことが理解されよう。
【0115】
図15Cに示されるように、ノードB140a、140bは、RNC142aと通信してよい。加えて、ノードB140cは、RNC142bと通信してよい。ノードB140a、140b、140cは、Iubインターフェースを介して、それぞれのRNC142a、142bと通信してよい。RNC142a、142bは、Iurインターフェースを介して、互いに通信してよい。RNC142a、142bの各々は、それが接続されたそれぞれのノードB140a、140b、140cを制御するように構成されてよい。加えて、RNC142a、142bの各々は、アウタループ電力制御、負荷制御、アドミッションコントロール、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、セキュリティ機能、およびデータ暗号化など、他の機能性を実施またはサポートするように構成されてよい。
【0116】
図15Cに示されるコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(MGW)144、モバイル交換センタ(MSC)146、サービングGPRSサポートノード(SGSN)148、および/またはゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)150を含んでよい。上記の要素の各々は、コアネットワーク106の部分として示されているが、これらの要素のうちのいずれの1つも、コアネットワークオペレータとは異なるエンティティによって所有および/または運営されてよいことが理解されよう。
【0117】
RAN103内のRNC142aは、IuCSインターフェースを介して、コアネットワーク106内のMSC146に接続されてよい。MSC146は、MGW144に接続されてよい。MSC146とMGW144は、WTRU102a、102b、102cと陸線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよい。
【0118】
RAN103内のRNC142aは、IuPSインターフェースを介して、コアネットワーク106内のSGSN148に接続されてもよい。SGSN148は、GGSN150に接続されてよい。SGSN148とGGSN150は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよい。
【0119】
上で言及されたように、コアネットワーク106は、ネットワーク112に接続されてもよく、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される他の有線または無線ネットワークを含んでよい。
【0120】
図15Dは、実施形態による、RAN104およびコアネットワーク107のシステム図である。上で言及されたように、RAN104は、エアインターフェース116上においてWTRU102a、102b、102cと通信するために、E-UTRA無線技術を利用してよい。RAN104は、コアネットワーク107と通信してもよい。
【0121】
RAN104は、eノードB160a、160b、160cを含んでよいが、RAN104は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のeノードBを含んでよいことが理解されよう。eノードB160a、160b、160cは、各々が、エアインターフェース116上においてWTRU102a、102b、102cと通信するための1または複数の送受信機を含んでよい。一実施形態においては、eノードB160a、160b、160cは、MIMO技術を実行してよい。したがって、eノードB160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信してよい。
【0122】
eノードB160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示されず)に関連付けられてよく、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ならびにアップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成されてよい。
図15Dに示されるように、eノードB160a、160b、160cは、X2インターフェース上において互いに通信してよい。
【0123】
図15Dに示されるコアネットワーク107は、モビリティ管理ゲートウェイ(MME)162と、サービングゲートウェイ164と、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ166とを含んでよい。上記の要素の各々は、コアネットワーク107の部分として示されているが、これらの要素のうちのいずれの1つも、コアネットワークオペレータとは異なるエンティティによって所有および/または運営されてよいことが理解されよう。
【0124】
MME162は、S1インターフェースを介して、RAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてよく、制御ノードとしての役割を果してよい。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期接続中における特定のサービングゲートウェイの選択などを担ってよい。MME162は、RAN104とGSMまたはWCDMAなどの他の無線技術を利用する他のRAN(図示されず)との間の交換のためのコントロールプレーン機能を提供してもよい。
【0125】
サービングゲートウェイ164は、S1インターフェースを介して、RAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてよい。サービングゲートウェイ164は、一般に、ユーザデータパケットのWTRU102a、102b、102cへの/からのルーティングおよび転送を行ってよい。サービングゲートウェイ164は、eノードB間ハンドオーバ中におけるユーザプレーンのアンカリング、ダウンリンクデータがWTRU102a、102b、102cに利用可能な場合のページングのトリガ、ならびにWTRU102a、102b、102cのコンテキストの管理および記憶など、他の機能を実行してもよい。
【0126】
サービングゲートウェイ164は、PDNゲートウェイ166に接続されてもよく、PDNゲートウェイ166は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよい。
【0127】
コアネットワーク107は、他のネットワークとの通信を容易にしてよい。例えば、コアネットワーク107は、WTRU102a、102b、102cと陸線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよい。例えば、コアネットワーク107は、コアネットワーク107とPSTN108との間のインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含んでよく、またはそれと通信してよい。加えて、コアネットワーク107は、ネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよく、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される他の有線または無線ネットワークを含んでよい。
【0128】
図15Eは、実施形態による、RAN105およびコアネットワーク109のシステム図である。RAN105は、IEEE802.16無線技術を利用して、エアインターフェース117上においてWTRU102a、102b、102cと通信する、アクセスサービスネットワーク(ASN)であってよい。以下でさらに説明されるように、WTRU102a、102b、102c、RAN105、およびコアネットワーク109の異なる機能エンティティ間の通信リンクは、参照点として定義されてよい。
【0129】
図15Eに示されるように、RAN105は、基地局180a、180b、180cと、ASNゲートウェイ182とを含んでよいが、RAN105は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数の基地局およびASNゲートウェイを含んでよいことが理解されよう。基地局180a、180b、180cは、各々が、RAN105内の特定のセル(図示されず)に関連付けられてよく、各々が、エアインターフェース117上においてWTRU102a、102b、102cと通信するための1または複数の送受信機を含んでよい。一実施形態においては、基地局180a、180b、180cは、MIMO技術を実行してよい。したがって、基地局180aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信してよい。基地局180a、180b、180cは、ハンドオフトリガリング、トンネル確立、無線リソース管理、トラフィック分類、およびサービス品質(QoS)方針実施などの、モビリティ管理機能を提供してもよい。ASNゲートウェイ182は、トラフィック集約ポイントとしての役割を果してよく、ページング、加入者プロファイルのキャッシング、およびコアネットワーク109へのルーティングなどを担ってよい。
【0130】
WTRU102a、102b、102cとRAN105との間のエアインターフェース117は、IEEE802.16仕様を実行する、R1参照点として定義されてよい。加えて、WTRU102a、102b、102cの各々は、コアネットワーク109との論理インターフェース(図示されず)を確立してよい。WTRU102a、102b、102cとコアネットワーク109との間の論理インターフェースは、R2参照点として定義されてよく、R2参照点は、認証、認可、IPホスト構成管理、および/またはモビリティ管理のために使用されてよい。
【0131】
基地局180a、180b、180cの各々の間の通信リンクは、WTRUハンドオーバおよび基地局間でのデータの転送を容易にするためのプロトコルを含む、R8参照点として定義されてよい。基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182との間の通信リンクは、R6参照点として定義されてよい。R6参照点は、WTRU102a、102b、102cの各々に関連付けられたモビリティイベントに基づいたモビリティ管理を容易にするためのプロトコルを含んでよい。
【0132】
図15Eに示されるように、RAN105は、コアネットワーク109に接続されてよい。RAN105とコアネットワーク109との間の通信リンクは、例えば、データ転送およびモビリティ管理機能を容易にするためのプロトコルを含む、R3参照点として定義されてよい。コアネットワーク109は、モバイルIPホームエージェント(MIP-HA)184と、認証認可課金(AAA)サーバ186と、ゲートウェイ188とを含んでよい。上記の要素の各々は、コアネットワーク109の部分として示されているが、これらの要素のうちのいずれの1つも、コアネットワークオペレータとは異なるエンティティによって所有および/または運営されてよいことが理解されよう。
【0133】
MIP-HAは、IPアドレス管理を担ってよく、WTRU102a、102b、102cが、異なるASNおよび/または異なるコアネットワークの間でローミングを行うことを可能にしてよい。MIP-HA184は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよい。AAAサーバ186は、ユーザ認証、およびユーザサービスのサポートを担ってよい。ゲートウェイ188は、他のネットワークとの網間接続を容易にしてよい。例えば、ゲートウェイ188は、WTRU102a、102b、102cと陸線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよい。加えて、ゲートウェイ188は、ネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供してよく、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される他の有線または無線ネットワークを含んでよい。
【0134】
図15Eには示されていないが、RAN105は、他のASNに接続されてよく、コアネットワーク109は、他のコアネットワークに接続されてよいことが理解されよう。RAN105と他のASNとの間の通信リンクは、R4参照点として定義されてよく、R4参照点は、WTRU102a、102b、102cのモビリティをRAN105と他のASNとの間で調整するためのプロトコルを含んでよい。コアネットワーク109と他のコアネットワークとの間の通信リンクは、R5参照として定義されてよく、R5参照は、ホームコアネットワークと在圏コアネットワークとの間の網間接続を容易にするためのプロトコルを含んでよい。
【0135】
クロスプレーンフィルタリングを使用する強化されたクロマコーディングのためのシステム、方法、および手段が、開示された。基準クロマサンプル、予測されたクロマサンプル、および/または再構成されたクロマサンプルは、例えば、基準クロマサンプル、予測されたクロマサンプル、または再構成されたクロマサンプルにそれぞれ対応するルーマサンプルからなる1-Dまたは2-D M×Nウィンドウ(フィルタサポート領域)のクロスプレーンフィルタリングから導出された情報を使用して、強化されてよい。ルーマサンプルは、再構成またはパディングされてよい。フィルタサポート領域は、例えば、方向性イントラ予測モードに基づいて、適応的に選択されてよい。クロスプレーンフィルタは、例えば、適用可能性について、分類されてよく、例えば、フィルタサポート領域、現在のブロックに対してイントラ予測モードが使用されるか、それともインター予測モードが使用されるか、整数ピクセル動きベクトルが使用されるか、それとも分数ピクセル動きベクトルが使用されるか、および/またはインター予測において基準ピクチャが使用されるかどうかに基づいて、適応的に選択されてよい。例えば、クロマ強化が有効にされているかどうか、クロマ強化が現在のブロックに対して適用されるかどうか、クロスプレーンフィルタタイプ、クロスプレーンフィルタ(例えばフィルタのセット)、および対応するクロスプレーンフィルタ係数のうちの少なくとも1つを示すために、シグナリングが、デコーダに提供されてよい。デコーダは、受信されたシグナリングに基づいて、フィルタサポート領域に適用されるクロスプレーンフィルタを選択してよい。
【0136】
上では特徴および要素が特定の組み合わせで説明されたが、各特徴または要素は、単独で使用されてよく、または他の特徴および要素との任意の組み合わせで使用されてよいことを当業者は理解されよう。加えて、本明細書において説明された方法は、コンピュータまたはプロセッサによって実行される、コンピュータ可読媒体内に包含された、コンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実行されてよい。コンピュータ可読媒体の例は、(有線または無線接続上で送信される)電子信号、およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含むが、それらに限定されない。WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波送受信機を実施するために、ソフトウェアと連携するプロセッサが、使用されてよい。
【符号の説明】
【0137】
102a~102d WTRU
104、105 RAN
106、107、109 コアネットワーク
108 PSTN
110 インターネット
112 他のネットワーク
180a、180b 基地局
118 プロセッサ
120 トランシーバ(送受信機)
122 アンテナ