(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】スライドレール機構及びスライドレールキット
(51)【国際特許分類】
A47B 88/40 20170101AFI20230111BHJP
【FI】
A47B88/40
(21)【出願番号】P 2021145102
(22)【出願日】2021-09-07
【審査請求日】2021-09-07
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】方 將學
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-039847(JP,A)
【文献】特開2018-114263(JP,A)
【文献】特開2019-051292(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101669731(CN,A)
【文献】米国特許第09328769(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/40-88/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二柱式ラックに取り付けられるように構成されているスライドレール機構であり、前記二柱式ラックは、第1ポストと第2ポストとを含み、横方向空間が前記第1ポストと前記第2ポストとの間に画定されている、スライドレール機構であって、
前記第1ポストに取り付けられるように構成されている第1スライドレールキットであり、第1固定レールと、前記第1固定レールに対して長手方向に可動な第1可動レールとを含む第1スライドレールキットと、
前記第2ポストに取り付けられるように構成されている第2スライドレールキットであり、第2固定レールと、前記第2固定レールに対して前記長手方向に可動な第2可動レールとを含む第2スライドレールキットとを備え、
前記第1スライドレールキットの前記第1固定レールは、前記第1ポストに接続され、前記横方向空間の外側に配置され、
前記第2スライドレールキットの前記第2固定レールは、前記第2ポストに接続され、前記横方向空間の外側に配置され、
前記第1固定レールと前記第2固定レールとのそれぞれが通路を伴って形成され、前記通路は前記横方向空間の内側に対応し、
前記第1可動レールは、前記第1固定レールの前記通路に可動に取り付けられるように構成され、前記第2可動レールは、前記第2固定レールの前記通路に可動に取り付けられるように構成されている、スライドレール機構。
【請求項2】
前記第1可動レールと前記第2可動レールとは、それぞれ、載せる物品の第1側面と第2側面とに接続されるように構成され、前記載せる物品と、前記第1可動レールと、前記第2可動レールとによって規定される横断方向幅は、前記横方向空間の空間幅よりも
小さい、請求項1記載のスライドレール機構。
【請求項3】
前記第1ポストと前記第2ポストとのそれぞれが、第1ポスト部と、前記第1ポスト部に対向して位置する第2ポスト部とを含み、
前記第1スライドレールキット及び前記第2スライドレールキットはさらに、それぞれ第1ベースと第2ベースとを含み、
前記第1固定レールは、前記第1ベースによって前記第1ポストの前記第1ポスト部に接続され、前記第2固定レールは、前記第2ベースによって前記第2ポストの前記第1ポスト部に接続され、
前記第1ベースと前記第2ベースとは、
同じ構造的構成を有し、前記第1及び第2ベースのそれぞれが、ベース部と、前記ベース部に
垂直に接続された第1接続部とを含み、前記第1接続部は、前記第1ポスト部に接続されるように構成され、
前記第1スライドレールキットの前記第1固定レールは、前記第1ベースの前記ベース部に配置され、前記第2スライドレールキットの前記第2固定レールは、前記第2ベースの前記ベース部に配置されている、請求項1記載のスライドレール機構。
【請求項4】
前記第1及び第2固定レールのそれぞれが、第1壁と、第1支持区間と、第2支持区間と、第2壁と、第3支持区間と、第4支持区間と、長手方向壁とを含み、前記長手方向壁は、前記第1壁と前記第2壁との間に接続され、前記第1壁には、前記第1支持区間と前記第2支持区間が配置され、前記第2壁には、前記第3支持区間と前記第4支持区間が配置され、
前記通路は、前記第1壁の一部と、前記第1支持区間と、前記第2支持区間と、前記第2壁の一部と、前記第3支持区間と、前記第4支持区間とによって画定され、
前記第1可動レールと前記第2可動レールとは、
同じ構造的構成を有し、前記第1及び第2可動レールのそれぞれが、第1部分と、第2部分と、前記第1部分及び前記第2部分の間に接続された長手方向部分とを含み、
前記第1及び第2固定レールのそれぞれの前記第1壁の一部と、前記第1支持区間と、前記第2支持区間とは、対応する可動レールの前記第1部分を支持するように構成され、
前記第1及び第2固定レールのそれぞれの前記第2壁の一部と、前記第3支持区間と、前記第4支持区間とは、対応する可動レールの前記第2部分を支持するように構成され、
前記第1支持区間及び前記第2支持区間は、前記第1壁に
垂直に接続され、前記第3支持区間及び前記第4支持区間は、前記第2壁に
垂直に接続されている、請求項3記載のスライドレール機構。
【請求項5】
前記第1及び第2ベースのそれぞれが、前記第1接続部に
垂直に接続された延長部をさらに含み、前記ベース部と前記延長部とはそれぞれ、前記第1接続部に対して、第1所定方向と、前記第1所定方向に対して反対の第2所定方向とに延び、
前記第1及び第2ベースのそれぞれの前記延長部は、対応する可動レールの前記第1部分を支持するように構成された第1支持部を含み、
スライドレール機構はさらに、前記第1及び第2ベースの前記延長部にそれぞれ接続された嵌合部材を備え、前記嵌合部材は、対応する可動レールの前記第2部分を支持するように構成された第2支持部を含み、
さらに前記嵌合部材は、前記第2ポスト部に接続されるように構成された第2接続部を含む、請求項4記載のスライドレール機構。
【請求項6】
前記第1及び第2ベースのそれぞれの前記延長部はさらに、補助部材を伴って配置され、前記補助部材は、対応する可動レールの前記第1部分と、前記第2部分と、前記長手方向部分とのうちの少なくとも1つを支持するように構成されている、請求項5記載のスライドレール機構。
【請求項7】
前記第1スライドレールキットは、ベース部と、前記ベース部に
垂直に接続されている接続部とを含むベース
を含み、前記接続部は、前記ベース部を物品に接続するように構成され
、
前記第1固定レールは、前記ベースの前記ベース部に配置され
、
前記
第1固定レールは、第1壁と、第1支持区間と、第2支持区間と、第2壁と、第3支持区間と、第4支持区間と、長手方向壁とを含み、前記長手方向壁は、前記第1壁と前記第2壁との間に接続され、前記第1支持区間及び前記第2支持区間は、前記第1壁に配置され、前記第3支持区間及び前記第4支持区間は、前記第2壁に配置され、
前記通路は、前記第1壁の一部と、前記第1支持区間と、前記第2支持区間と、前記第2壁の一部と、前記第3支持区間と、前記第4支持区間とによって画定される、
請求項1記載のスライドレール機構。
【請求項8】
前記
第1可動レールは、第1部分と、第2部分と、前記第1部分及び前記第2部分の間に接続された長手方向部分とを含み、
前記
第1固定レールの前記第1壁の一部と、前記第1支持区間と、前記第2支持区間とは、前記
第1可動レールの前記第1部分を支持するように構成され、
前記
第1固定レールの前記第2壁の一部と、前記第3支持区間と、前記第4支持区間とは、前記
第1可動レールの前記第2部分を支持するように構成されている、請求項7記載の
スライドレール機構。
【請求項9】
前記ベースは、前記接続部に
垂直に接続された延長部をさらに含み、前記ベース部と前記延長部とはそれぞれ、前記接続部に対して、第1所定方向と、前記第1所定方向に対して反対の第2所定方向とに延び、
前記ベースの前記延長部は、前記
第1可動レールの前記第1部分を支持するように構成された第1支持部を含み、
嵌合部材が、前記ベースの前記延長部に接続され、前記嵌合部材は、前記
第1可動レールの前記第2部分を支持するように構成された第2支持部を含み、
前記ベースの前記延長部はさらに、前記嵌合部材を伴って設けられ、前記嵌合部材は、前記
第1可動レールの前記第1部分と、前記第2部分と、前記長手方向部分とのうち少なくとも1つを支持するように構成されている、請求項8記載の
スライドレール機構。
【請求項10】
さらに、前記
第1固定レールと前記
第1可動レールとのうちの1つに配置された第1ブロッキング特徴部と、前記
第1固定レールと前記
第1可動レールとのうちの他の1つに配置された第2ブロッキング特徴部とを備え、
前記
第1可動レールが、前記
第1固定レールに対して、開放方向に、後退位置から伸長位置に移動された場合に、前記
第1可動レールが、前記伸長位置から前記開放方向に移動することを防止するために、前記第1ブロッキング特徴部と前記第2ブロッキング特徴部とが互いにブロックするように構成されている、請求項7記載の
スライドレール機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレール構造に関し、より詳細には、二柱式ラックに適用可能なスライドレール機構と、そのスライドレールキットとに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、ラックシステムでは、載せる物品100の2つの側面は、一対のスライドレールアセンブリ102によって、第1ポスト104aと第2ポスト104bとに取り付けられる。スライドレールアセンブリ102はそれぞれ通常、第1レール106と、第2レール108と、第1レール106及び第2レール108の間に可動に取り付けられた第3レール110とを備えている。さらに、所定空間の標準化された幅W1は、通常、第1ポスト104aと第2ポスト104bとの間に規定される。従って、第1ポスト104aと第2ポスト104bとの間に載せる物品100を取り付けるために、載せる物品100と一対のスライドレールアセンブリ102との全幅が、所定空間の標準化された幅W1に対応する必要がある。言い換えれば、載せる物品100の幅W2を要求により増加させる必要がある場合には、所定空間W1を占有する一対のスライドレールアセンブリ102のスライドレールの数を減少させるなど、所定空間を占有する一対のスライドレールアセンブリ102のレールの幅を小さくしなければならない。これにより、第1ポスト104aと第2ポスト104bとの間に、さらに広幅な載せる物品をスムーズに取り付けることが可能にされる。
【0003】
従って、様々な市場要求に応じた様々なスライドレール製品を開発することが重要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、二柱式ラックに適用可能なスライドレール機構と、そのスライドレールキットとを提供する。
【0005】
本発明の一実施形態によれば、スライドレール機構は、二柱式ラックに取り付けられるように構成されている。二柱式ラックは、第1ポストと第2ポストとを含む。第1ポストと第2ポストとの間には横方向空間が画定される。スライドレール機構は、第1スライドレールキット及び第2スライドレールキットを備えている。第1スライドレールキットは、第1ポストに取り付けられるように構成され、第1固定レールと、第1固定レールに対して長手方向に可動な第1可動レールとを含む。第2スライドレールキットは、第2ポストに取り付けられるように構成され、第2固定レールと、第2固定レールに対して長手方向に可動な第2可動レールとを含む。第1スライドレールキットの第1固定レールは、第1ポストに接続され、横方向空間の外側に配置され、第2スライドレールキットの第2固定レールは、第2ポストに接続され、横方向空間の外側に配置され、第1固定レールと第2固定レールとのそれぞれが通路を伴って形成され、通路は横方向空間の内側に対応し、第1可動レールは、第1固定レールの通路に可動に取り付けられるように構成され、第2可動レールは、第2固定レールの通路に可動に取り付けられるように構成されている。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールキットは、ベースと、固定レールと、可動レールとを備えている。ベースは、ベース部と、ベース部に実質的に垂直に接続されている接続部とを含むベースであり、接続部は、ベース部を物品に接続するように構成されている。固定レールは、ベースのベース部に配置され、通路を伴って形成されている。可動レールは、固定レールの通路に可動に取り付けられるように構成されている。固定レールは、第1壁と、第1支持区間と、第2支持区間と、第2壁と、第3支持区間と、第4支持区間と、長手方向壁とを含み、長手方向壁は、第1壁と第2壁との間に接続され、第1支持区間及び第2支持区間は、第1壁に配置され、第3支持区間及び第4支持区間は、第2壁に配置され、通路は、第1壁の一部と、第1支持区間と、第2支持区間と、第2壁の一部と、第3支持区間と、第4支持区間とによって画定される。
【0007】
本発明のこれら及び他の目的は、種々の図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】従来技術で、一対のスライドレールアセンブリによってラックに取り付けられた載せる物品を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係り、一対のスライドレールキットによってラックに取り付けられた載せる物品を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるスライドレールキットとラックのポストとの分解図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるスライドレールキットの分解図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係り、補助部材を含むスライドレールキットを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるスライドレールキットの横断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係り、一対のスライドレールキットによってラックに取り付けられた載せる物品を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係り、固定レールに対して後退されたスライドレールキットの可動レールを示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係り、固定レールに対して伸長位置に位置する可動レールと、互いにブロックするように構成されている第1ブロッキング特徴部と第2ブロッキング特徴部とを示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係り、固定レールに対して伸長位置に位置する可動レールと、互いにブロックしなくなった第1ブロッキング特徴部と第2ブロッキング特徴部とを示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係り、固定レールに対して分離されている可動レールを示す図である。
【
図12】本発明の別の実施形態に係り、スライドレールキットの補助部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図2に示すように、スライドレール機構は、本発明の一実施形態による二柱式ラックに取り付けられるように構成されている。二柱式ラックは、第1ポスト(柱)22と第2ポスト(柱)24とを備えている。第1ポスト22と第2ポスト24とは、実質的に同じ構造的構成を有し、互いに対称である。さらに、第1ポスト22と第2ポスト24とのそれぞれが、第1ポスト部K1と、第1ポスト部K1に対向して位置する第2ポスト部K2とを備えている。好ましくは、第1ポスト22と第2ポストと24のそれぞれがさらに、第1ポスト部K1と第2ポスト部K2との間に配置された第3ポスト部K3を備え、第1ポスト部K1及び第2ポスト部K2は、第3ポスト部K3の両端(例えば、前端及び後端)に実質的に垂直に接続されている。第1ポスト22と第2ポスト24との間には、横方向空間が画定される。例えば、横方向空間の空間幅W1は、第1ポスト22の第1ポスト部K1の1つの縁と、第2ポスト24の第1ポスト部K1の1つの縁との間で、定義される。(又は、横方向空間の空間幅W1は、第1ポスト22の第2ポスト部K2の1つの縁と、第2ポスト24の第2ポスト部K2の1つの縁との間で、定義される。)
【0010】
スライドレール機構は、第1スライドレールキット26及び第2スライドレールキット28を含む。第1スライドレールキット26及び第2スライドレールキット28は、実質的に同じ構造的構成を有し、互いに対称である。さらに、第1スライドレールキット26は、第1ポスト22(又は物品)に取り付けられるように構成され、第1スライドレールキット26は、第1固定レール30と、第1固定レール30に対して長手方向に可動な第1可動レール32とを備えている。同様に、第2スライドレールキット28は、第2ポスト24に取り付けられるように構成され、第2スライドレールキット28は、第2固定レール34と、第2固定レール34に対して長手方向に可動な第2可動レール(見る角度により
図2には示されていない)とを備えている。また、本実施形態では、X軸方向を長手方向(又はスライドレールの長さ方向又は移動方向)、Y軸方向を横方向(又はスライドレールの横方向)、Z軸方向を垂直方向(又はスライドレールの高さ方向)と定義している。
【0011】
第1スライドレールキット26の第1固定レール30は、第1ポスト22に接続され、第1固定レール30は、第1ポスト22と第2ポスト24との間の横方向空間の外側に位置する。第2スライドレールキット28の第2固定レール34は、第2ポスト24に接続され、第2固定レール34は、第1ポスト22と第2ポスト24との間の横方向空間の外側に位置する。好ましくは、第1スライドレールキット26及び第2スライドレールキット28はさらに、それぞれ第1ベース36と第2ベース38とを備えている。第1ベース36と第2ベース38とは、実質的に同じ構造的構成を有し、互いに対称である。第1固定レール30は、第1ベース36によって第1ポスト22の第1ポスト部K1の表面Sに接続され、これにより第1固定レール30が横方向空間の外側に位置するようになる。第2固定レール34は、第2ベース38によって第2ポスト24の第1ポスト部K1の表面Sに接続され、これにより第2固定レール34が横方向空間の外側に位置するようになる。
【0012】
図3、
図4及び
図5に示すように、第1スライドレールキット26を第1ポスト22に取り付ける構成は、第2スライドレールキット28を第2ポスト24に取り付ける構成と、実質的に同一である。従って、第1スライドレールキット26を第1ポスト22に取り付ける構成を、図面に示してある。
【0013】
さらに、第1ポスト部22の第1ポスト部K1と第2ポスト部K2とは、実質的に同じ構造的構成を有する。第1ポスト22の第1ポスト部K1と第2ポスト部K2とのそれぞれが、複数の取り付け特徴部40(複数のネジ穴など、しかし本発明はこれに限定されない)を有する。複数の取り付け特徴部40は、第1ポスト22の高さ方向に互いに離間されている。一方、第1スライドレールキット26の第1ベース36は、ベース部42と、ベース部42に実質的に垂直に接続された第1接続部44とを備えている。第1接続部44は、第1ベース36を第1ポスト22の第1ポスト部K1に接続するように構成されている。例えば、第1接続部44は、複数の第1対応特徴部46(複数のネジ又はボルト等、しかし本発明はこれに限定されない)を備えて配置され、複数の第1対応特徴部46は、第1ポスト22の第1ポスト部K1の取り付け特徴部40に接続されるように構成されている。
【0014】
好ましくは、第1スライドレールキット26の第1ベース36は、(
図4に示すように)第1接続部44に実質的に垂直に接続された延長部48をさらに備えている。ベース部42と延長部48とはそれぞれ、第1接続部44に対して、第1所定方向と、第1所定方向に対して反対の第2所定方向とに延びている。第1所定方向及び第2所定方向は、例えば、それぞれ順方向及び逆方向であるが、本発明はこれに限定されない。このような構成によれば、第1ベース36は、第1可動レール32の長手方向の長さに対応できる。
【0015】
好ましくは、スライドレール機構はさらに、第1ベース36の延長部48に接続された嵌合部材50を備えている。本実施形態では、嵌合部材50と延長部48とはそれぞれ、互いに取り外し可能に接続された少なくとも1つの第1構造52及び少なくとも1つの第2構造54を備えている、第1構造52は、スナップ結合又は係合によって第2構造54に接続されてよい。又は、嵌合部材50を延長部48に接続(固定接続など)してよく、又は、これに一体化してよい。しかし、本発明は、これに限定されない。さらに嵌合部材50は、第1ポスト22の第2ポスト部K2に接続されるように構成された第2接続部56を備えている。例えば、第2接続部56は、複数の第2対応特徴部58(複数のネジ又はボルトなどであるが、本発明はこれに限定されない)を備えて構成され、複数の第2対応特徴部58は、嵌合部材50がさらに、第1ポスト22と第2ポスト24との間の横方向空間の外側に配置されるように、第1ポスト22の第2ポスト部K2の取り付け特徴部40に接続されるように構成されている。
【0016】
好ましくは、第1スライドレールキット26の第1固定レール30は、第1ベース36のベース部42上に配置されている。(同様に、第2スライドレールキット28の第2固定レール34は、
図2に示すように、第2ベース38のベース部に配置される)。
【0017】
図4、
図5及び
図6に示すように、第1スライドレールキット26の第1固定レール30は、通路60を伴って形成されている。第1スライドレールキット26の第1可動レール32は、第1固定レール30の通路60に可動に取り付けられるように構成されている。
【0018】
好ましくは、第1スライドレールキット26の第1固定レール30は、第1壁62と、第1支持区間X1と、第2支持区間X2と、第2壁64と、第3支持区間X3と、第4支持区間X4と、長手方向壁66とを備えている。長手方向壁66は、第1ベース36のベース部42に配置され、第1壁62と第2壁64との間に接続されている。第1壁62には、第1支持区間X1と第2支持区間X2が配置されている。第2壁64には、第3支持区間X3と第4支持区間X4が配置されている。通路60は、第1壁62の一部と、第1支持区間X1と、第2支持区間X2と、第2壁64の一部と、第3支持区間X3と、第4支持区間X4とによって画定され、第1スライドレールキット26の第1可動レール32を収容するように構成されている。
【0019】
第1可動レール32は、第1部分68と、第2部分70と、第1部分68及び第2部分70の間に接続された長手方向部分72とを備えている。第1固定レール30の第1壁62の一部と、第1支持区間X1と、第2支持区間X2とは、第1可動レール32の第1部分68を支持するように構成されている。第1固定レール30の第2壁64の一部と、第3支持区間X3と、第4支持区間X4とは、第1可動レール32の第2部分70を支持するように構成されている。このような構成によれば、第1固定レール30は、第1可動レール32を高さ方向及び横方向に支持するように構成され、通路60に取り付けられている第1可動レール32の信頼性及び安定性を高める。
【0020】
好ましくは、第1支持区間X1及び第2支持区間X2は、第1壁62に実質的に垂直に接続され、第3支持区間X3及び第4支持区間X4は、第2壁64に実質的に垂直に接続されている。
【0021】
好ましくは、第1支持区間X1と第2支持区間X2との間に通路幅Tが規定される。さらに、第3支持区間X3と第4支持区間X4との間にも通路幅Tが規定されてよい(
図6に示す)。
【0022】
好ましくは、第1支持区間X1と第3支持区間X3とが互いに対応し、第2支持区間X2と第4支持区間X4とが互いに対応する(
図6に示す)。
【0023】
好ましくは、第1ベース36の延長部48は、第1可動レール32の第1部分68を支持するように構成された第1支持部74を備えている。嵌合部材50は、第1可動レール32の第2部分70を支持するように構成された第2支持部76を備えている(
図4及び
図5に示す)。延長通路61は、第1支持部74と第2支持部76とによって画定され、対応して通路60と連通している。
【0024】
好ましくは、第1ベース36の延長部48は、さらに(
図4及び
図5に示すように)第1支持部74に隣接する補助部材78を伴って、配置されている。第1固定レール30の通路60に取り付けられた第1可動レール32の安定性を高めるように、補助部材78は、少なくとも、第1可動レール32の第1部分68と長手方向部分72とのうちの1つの側面を支持するように構成されている。また、第1接続部44と第2接続部56との間には、所定の距離Lが規定されている(所定の距離Lは、第1ポスト22の第1ポスト部K1と第2ポスト部K2との間の距離よりも実質的に少し大きい)。第1可動レール32が第1固定レール30の通路60に取り付けられると、所定の距離Lの範囲に対応する第1可動レール32のレール区間は、第1固定レール30に支持されない。従って、補助部材78を用いて、第1可動レール32の第1部分68と長手方向部分72とのうちの1つの側面を少なくとも支持することにより、第1可動レール32の構造強度又は支持強度を高めることができる。
【0025】
図7に示すように、第1スライドレールキット26は、第1ポスト22に取り付けられるように構成され、第2スライドレールキット28は、第2ポスト24に取り付けられるように構成されている。空間幅W1を有する横方向空間は、第1ポスト22と第2ポスト24との間で画定される。第1固定レール30と第2固定レール34とのそれぞれが、通路60を備えている。通路60は、(
図6に示すように)横方向空間の内側に対応する。第1可動レール32と第2可動レール35とは、実質的に同じ構造的構成を有する。第1可動レール32は、第1固定レール30の通路60に可動に取り付けられるように構成され、第2可動レール35は、第2固定レール34の通路60に可動に取り付けられるように構成されている。
【0026】
好ましくは、第1可動レール32と第2可動レール35とはそれぞれ、載せる物品80の第1側面及び第2側面(第1側面と反対側)に接続されるように構成されている。横断方向幅W2は、載せる物品80と、第1可動レール32と、第2可動レール35とによって規定され、横方向空間の空間幅W1よりも実質的に小さい。
【0027】
従って、第1固定レール30と第2固定レール34とは、横方向空間の外側に位置し、これにより第1固定レール30と第2固定レール34とが横方向空間を占有しないようにする。第1可動レール32と第2可動レール35とのみが、横方向空間を通って通過するように構成されている。従来技術とは対照的に、本発明の実施形態は、載せる物品80の一層広い幅W3の要件を満たすことができる。
【0028】
図8及び
図9に示すように、スライドレールキット26、28(例えば、第1スライドレールキット26)のそれぞれが、さらに、第1固定レール30と第1可動レール32とのうちの1つに配置された第1ブロッキング特徴部82と、第1固定レール30と第1可動レール32とのうちの他の1つに配置された第2ブロッキング特徴部84とを備えている。本実施形態では、第1ブロッキング特徴部82は、第1固定レール30上に配置され、第2ブロッキング特徴部84は、第1可動レール32上に配置されている。好ましくは、第1ブロッキング特徴部82は遮断する壁であり、第2ブロッキング特徴部84は弾性部材であるが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
第1可動レール32が、第1固定レール30に対して、開放方向D1に、後退位置R(
図8に示すように)から伸長位置E(
図9に示すように)に移動された場合に、第1状態S1における第2ブロッキング特徴部84のブロッキング部86は、第1可動レール32が、伸長位置Eから開放方向D1にさらに移動することを防止するために、第1ブロッキング特徴部82をブロックするように構成されている。
【0030】
図10及び
図11に示すように、第1可動レール32が、第1固定レール30に対して伸長位置Eに位置する場合(
図10に示すように)、ユーザは、第2ブロッキング特徴部84を押す力Fを加えて、第1状態S1から第2状態S2に切り替えるように第2ブロッキング特徴部84を移動させることができる。その結果、第2ブロッキング特徴部84のブロッキング部86は、第1ブロッキング特徴部82をもはやブロックしなくなり、第1可動レール32は、第1固定レール30の通路60から(
図11に示すように)分離されるために、開放方向D1に伸長位置Eからさらに移動できるようにされる。さらに、第1可動レール32は、第1固定レール30の通路60に、後退方向D2に再度挿入されてよい。
【0031】
図12は、補助部材の別の実施形態を示す図である。具体的には、第1実施形態の補助部材78とは異なり、本実施形態の補助部材200は、第1可動レール32の第2部分70の側面を少なくとも支持するように構成され、これにより、第1固定レール30の通路60に取り付けられた第1可動レール32の安定性もまた、高めることができる。本実施形態では、補助部材200は、本体部202と、第1壁部分204と、第2壁部分206とを備えている。第1壁部分204は、本体部202に対して実質的に垂直に曲げられ、第2壁部分206は、第1壁部分204に対して実質的に垂直に曲げられる。本体部202と、第1壁部分204と、第2壁部分206とによって支持空間が画定され、第1可動レール32の第2部分70を通過させる。これにより本体部202と、第1壁部分204と、第2壁部分206とは、第1可動レール32の第2部分70を支持するように構成されている。
【0032】
従って、本発明の実施形態に係るスライドレール機構及びそのスライドレールキットは、以下の技術的特徴を有する。
【0033】
1:スライドレール機構の第1スライドレールキット26と第2スライドレールキット28とは、二柱式ラックに適用可能である。
【0034】
2:第1固定レール30と第2固定レール34とは、第1ポスト22と第2ポスト24との間に画定される横方向空間の外側に配置され、第1可動レール32と第2可動レール35とのみが、横方向空間を通過するように構成されている。従って、従来技術とは対照的に、本発明の実施形態は、より大きな幅W3を有する載せる物品80の要件を満たすことができる。
【0035】
3:補助部材78、200は、第1可動レール32の第1部分68と、第2部分70と、長手方向部分72とのうち少なくとも1つを支持するように構成され、これにより、第1固定レール30の通路60に取り付けられた第1可動レール32の安定性を高めることができる。
【0036】
当業者は、本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多くの変形や改変が行われてよいことを容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の尺度及び範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。