(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A61M39/10 120
(21)【出願番号】P 2021178692
(22)【出願日】2021-11-01
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】513244144
【氏名又は名称】蔡 溪進
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 溪進
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-522736(JP,A)
【文献】特表2008-522729(JP,A)
【文献】特開2015-066048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続部品(1)と第2の接続部品(2)とを含む、分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器であって、
前記第1の接続部品(1)は、第1のスリーブ(10)と、結合部(20)と、第1のエラストマー(30)とを含み、
前記第1のスリーブ(10)は、第1の開口部(131)を有し、内部に少なくとも1つの支持リブ(132)を有する第1の導管(13)と、位置決め溝(14)とを含み、
前記結合部(20)は、前記第1のスリーブ(10)内に設けられた第1の端部(21)と、注射器(100)又は輸液チューブにねじ込まれるための第2の端部(22)と、前記第1の端部(21)の内部に設けられるストッパー部(23)とを有し、
前記第1のエラストマー(30)は、収容空間(311)及び少なくとも1つの吸引孔(313)を有し、前記位置決め溝(14)内に位置決めされ、前記第1の導管(13)の内部に延伸され、外側壁が前記少なくとも1つの支持リブ(132)に当接する環状周部(31)と、前記第1の導管(13)内に設けられ、前記第1の開口部(131)を密封する密封部(32)とを含み、
前記収容空間(311)は、前記環状周部(31)の頂端を貫通し、
前記少なくとも1つの吸引孔(313)は、前記収容空間(311)と前記第1の導管(13)の内部との間に連通し、
前記結合部(20)の前記第1の端部(21)は、前記第1のエラストマー(30)の前記環状周部(31)の頂端を押し、
前記ストッパー部(23)は、前記環状周部(31)の頂端に当接し、前記収容空間(311)の開口部(314)を密封し、
前記第2の接続部品(2)は、第2の開口部(423)を有し、薬瓶(200)又は人体端の導管に取り外し可能に接続される第2のスリーブ(40)と、少なくとも1つの貫通孔(512)を有し、前記第2のスリーブ(40)内に設けられ、頂端が密封端(511)である連通管(50)とを含み、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを突き合わせる過程において、前記連通管(50)が前記密封部(32)を押して圧縮し、前記密封部(32)が前記環状周部(31)を圧縮し、前記収容空間(311)内の空気が前記少なくとも1つの吸引孔(313)を通って前記第1の導管(13)の内部に入って、前記少なくとも1つの吸引孔(313)が変形して密封されることにより、前記収容空間(311)が真空状態になり、
前記連通管(50)が前記第1の開口部(131)を通り抜けて前記第1の導管(13)の内部に入れて、前記少なくとも1つの貫通孔(512)が前記第1の導管(13)の内部に位置するため、前記第1のスリーブ(10)の内部と前記第2のスリーブ(40)の内部とが連通し、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを分解する過程において、前記第1の導管(13)から前記連通管(50)を分離し、
前記第1の導管(13)から前記連通管(50)を分離する過程において、前記第1の導管(13)が前記連通管(50)の外表面に接触し、前記第1のエラストマー(30)がその弾性力によって元の形状に戻る過程において、前記環状周部(31)がその弾性力によって前記密封部(32)を押して元の位置に戻させることにより、前記第1の開口部(131)を密封し、前記少なくとも1つの吸引孔(313)が元の形状に戻して開く、前記第1の導管(13)の内部の空気が前記少なくとも1つの吸引孔(313)を通って前記収容空間(311)に入って負圧を生成し、前記連通管(50)の外表面にある薬液が前記第1の導管(13)のスクラッチ作用及び負圧の吸引作用によって前記第1の導管(13)の内部に入って、さらに、前記第1の導管(13)の内部の薬液が負圧の吸引作用によって前記少なくとも1つの吸引孔(313)を通って前記収容空間(311)内に集まれることを特徴とする、
密封接続器。
【請求項2】
前記第1の導管(13A)は、底端に係止部(133)が形成され、かつ、軟性材質で構成される密封リング部(134)をさらに有し、
前記密封リング部(134)は、前記第1の開口部(131A)を有し、かつ、外側に係止溝(135)が凹設され、
前記係止部(133)は、前記係止溝(135)に係止され、
前記密封部(32A)は、前記第1の導管(13A)及び前記密封リング部(134)内に設けられ、前記第1の開口部(131A)を密封し、
前記第1のエラストマー(30A)は、前記密封部(32A)に設けられた第1のクリップ部(34)を有し、
前記第1のクリップ部(34)は、前記密封部(32A)の内部に位置する凹孔(341)と、前記密封部(32A)の底端に位置するノッチ(342)とを含み、
前記ノッチ(342)の直径が前記凹孔(341)の最大直径より小さい、
前記連通管(50A)は、首部(541)と頭部(542)とを有する第2のクリップ部(54)を含み、
前記首部(541)は、前記密封端(511)に凸設され、
前記頭部(542)は、前記首部(541)の一端に設けられ、
前記首部(541)の直径が前記頭部(542)の最大直径より小さい、
前記頭部(542)のサイズ及び形状が前記凹孔(341)のサイズ及び形状に対応し、
前記首部(541)のサイズ及び形状が前記ノッチ(342)のサイズ及び形状に対応し、
前記第1の接続部品(1A)と前記第2の接続部品(2A)とを突き合わせる過程において、前記頭部(542)が前記凹孔(341)内に入れて、前記首部(541)が前記ノッチ(342)に位置することにより、前記第2のクリップ部(54)が前記第1のクリップ部(34)に係止され、前記連通管(50A)が前記密封部(32A)を押し、前記密封リング部(134)から前記密封部(32A)を分離し、前記連通管(50A)が順に前記第1の開口部(131A)及び前記密封リング部(134)を通り抜けて前記第1の導管(13A)の内部に入れて、
前記第1の接続部品(1A)と前記第2の接続部品(2A)とを分解する過程において、前記密封リング部(134)から前記連通管(50A)を分離し、最後、前記第1のクリップ部(34)内から前記第2のクリップ部(54)を抜き出し、前記第1のクリップ部(34)と前記第2のクリップ部(54)とを分解し、
前記密封リング部(134)から前記連通管(50A)を分離する過程において、前記密封リング部(134)が前記連通管(50A)の外表面に接触し、前記第1のエラストマー(30A)がその弾性力によって元の形状に戻る過程において、前記環状周部(31A)がその弾性力によって前記密封部(32A)を押して元の位置に戻させることにより、前記密封部(32A)が前記密封リング部(134)内に入れて前記第1の開口部(131A)を密封し、前記連通管(50A)の外表面にある薬液が前記密封リング部(134)のスクラッチ作用及び負圧の吸引作用によって前記第1の導管(13A)の内部に入って、さらに、前記第1の導管(13A)の内部の薬液が負圧の吸引作用によって前記少なくとも1つの吸引孔(313A)を通って前記収容空間(311A)内に集まれることを特徴とする、
請求項1に記載の密封接続器。
【請求項3】
前記第1のスリーブ(10)は、少なくとも1つの挟持部(12)を有し、
前記第2のスリーブ(40)は、突出部(43)を有し、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを突き合わせる過程において、前記少なくとも1つの挟持部(12)によって前記突出部(43)を挟持し、
前記突出部(43)が前記少なくとも1つの挟持部(12)に沿って第1の方向及び第2の方向に任意に回転することにより、前記第1の接続部品(1)が前記第2の接続部品(2)に対して第1の方向及び第2の方向に沿って任意に回転可能となり、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを分解する過程において、前記突出部(43)から前記少なくとも1つの挟持部(12)を分離することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の密封接続器。
【請求項4】
前記第1のスリーブ(10)は、スリーブ部(11)を有し、
前記スリーブ部(11)は、前記スリーブ部(11)の側壁に貫通され、前記スリーブ部(11)の内部と連通される少なくとも1つの穿孔(111)を有し、
前記少なくとも1つの挟持部(12)は、前記スリーブ部(11)の外側に凸設され、前記少なくとも1つの穿孔(111)の上方に位置する連結部(121)と、前記連結部(121)の外側にピン接続され、一端が柄部(123)であり、もう一端にフック部(125)が形成された挟持アーム(122)とを含み、
前記フック部(125)は、前記少なくとも1つの穿孔(111)内に位置し、
前記突出部(43)は、前記第2のスリーブ(40)の外側に環状に設けられ、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを突き合わせる過程において、前記突出部(43)が前記少なくとも1つの穿孔(111)内に移動し、前記フック部(125)が前記突出部(43)の底端を引っ掛けて、
前記突出部(43)が前記フック部(125)に沿って第1の方向及び第2の方向に任意に回転することにより、前記第1の接続部品(1)が前記第2の接続部品(2)に対して第1の方向及び第2の方向に沿って任意に回転可能となり、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを分解する過程において、前記柄部(123)を押すことにより、前記挟持アーム(122)のもう一端が外に向かってピン回転し、前記突出部(43)から前記フック部(125)を分離することを特徴とする、
請求項3に記載の密封接続器。
【請求項5】
前記柄部(123)と前記スリーブ部(11)との間に凹溝(110)が形成され、
前記密封接続器は、ジャケット部(81)と環状部(82)とを有する安全リング部(80)をさらに含み、
前記ジャケット部(81)は、前記スリーブ部(11)に移動可能に套設され、
前記環状部(82)は、前記ジャケット部(81)の頂端に設けられ、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを突き合わせた後、前記ジャケット部(81)が前記スリーブ部(11)に沿って前記凹溝(110)内に移動し、前記ジャケット部(81)が前記凹溝(110)内に係止され、前記柄部(123)が止められることにより、前記挟持アーム(122)のもう一端がピン回転することを防止し、
前記ジャケット部(81)が前記凹溝(110)に係止される時に、前記環状部(82)が前記柄部(123)の頂端に当接し、
前記第1の接続部品(1)と前記第2の接続部品(2)とを分解する過程において、使用者の指によって前記環状部(82)を把持して移動させることにより、前記ジャケット部(81)が前記スリーブ部(11)に沿って移動して前記凹溝(110)から分離し、前記柄部(123)が前記ジャケット部(81)のストップから解放され、押され得ることとなり、前記挟持アーム(122)のもう一端が自由にピン回転可能となることを特徴とする、
請求項4に記載の密封接続器。
【請求項6】
前記第2のスリーブ(40)は、前記突出部(43)の下方に位置する安定構造(44)を含み、
前記第2のスリーブ(40)が前記第1のスリーブ(10)に入れた後、前記安定構造(44)が前記第1のスリーブ(10)の内側壁に当接することを特徴とする、
請求項3に記載の密封接続器。
【請求項7】
前記第2のスリーブ(40)は、2つのねじ状接合部(411)、(422)を有し、
1つのねじ状接合部(422)は、前記第2の開口部(423)を有し、かつ、おねじ部を有し、注射器にねじ込まれることに用いられ、
もう1つのねじ状接合部(411)は、めねじ部を有し、前記薬瓶(200)又は前記人体端の導管にねじ込まれることに用いられることを特徴とする、
請求項1に記載の密封接続器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封接続器に関し、特に、分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器に関する。
【背景技術】
【0002】
無針注射器は、薬液を補充する時に、密封接続器を介して薬瓶に接続され、薬瓶内の薬液が吸引されて継手を通って注射器内に入る。
【0003】
従来の密封接続器は、第1の接続部品と第2の接続部品とを含む。第1の接続部品は、第1のスリーブと、エラストマーと、結合部とを含む。第2の接続部品は、第2のスリーブと、連通管と、第1の弾性バルブと、第2の弾性バルブとを含む。注射器又は輸液チューブは、結合部に取り外し可能に接続される。第2のスリーブは、薬瓶又は人体端の導管に取り外し可能に接続される。第1の接続部品と第2の接続部品とを突き合わせる過程において、第1のスリーブの第1の導管が第1の弾性バルブを圧縮し、第1の弾性バルブを曲げ変形させてスリットを開く。
【0004】
連通管は、順に第1の弾性バルブのスリット及び第1の導管の開口部を通り抜けて第1の導管の内部に入る。連通管は、エラストマーを押して曲げ変形させる。貫通孔は、第1の弾性バルブの外に露出し、第1の導管の内部に位置する。連通管は、第2の弾性バルブをさらに圧縮し、第2の弾性バルブを曲げ変形させてスリットを開く。そして、連通管が第2の弾性バルブのスリットを通り抜けて第2のスリーブの第2の導管に入るまで、第1の弾性バルブは連通管を押し続けて下方に移動させる。それにより、第1のスリーブの内部と第2のスリーブの内部とが連通する。
【0005】
薬液の調製をする時に、薬瓶中の薬液は、順に第2の導管、連通管、第1の導管、及び結合部を通って注射器内に入ることができる。薬液の注射又は輸送をする時に、注射器又は輸液チューブ内の薬液は、順に結合部、第1の導管、連通管、第2の導管、及び人体端の導管を通って人体に入ることができる。薬液の調製、又は薬液の注射や輸送が完成した後に、再び第1の接続部品と第2の接続部品とを分解し、連通管の外表面には薬液が残留している。
【0006】
第1の接続部品と第2の接続部品とを分解する過程において、連通管の外表面に残留している薬液の一部が第1の導管によってちょっと掻き落とされたが、完全に掻き落とされにくい。そのため、微量の薬液が連通管の外表面に残留している。細胞毒性がある薬液(例えば、化学療法薬)もあるため、残留薬液が患者又は医療従事者の皮膚に接触する又は肺に吸い込まれると、患者又は医療従事者の健康を危険にさらす。
【0007】
さらに、空間が足りない場所で輸液チューブを利用すると、輸液チューブがねじれて薬液をスムーズに輸送できないことがある。一般的には、下記のように処理する。まず、第1の接続部品を回転して輸液チューブから外れる。そして、ねじれた輸液チューブを直線状に戻す。最後、直線状の輸液チューブを第1の接続部品に取り外し可能に接続する。上記の方法によると、輸液チューブのねじれの問題を解決することができるが、操作が面倒で薬液漏れのリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器を提供する。本発明によれば、薬液が連通管の外表面に残留することを有効的に避けられ、残留薬液が患者又は医療従事者の皮膚に接触する又は肺に吸い込まれるリスクを下げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、第1の接続部品と第2の接続部品とを含む、分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器を提供する。
【0010】
第1の接続部品は、第1のスリーブと、結合部と、第1のエラストマーとを含む。第1のスリーブは、第1の開口部を有し、内部に少なくとも1つの支持リブを有する第1の導管と、位置決め溝とを含む。結合部は、第1のスリーブ内に設けられた第1の端部と、注射器又は輸液チューブにねじ込まれるための第2の端部と、結合部の第1の端部の内部に設けられるストッパー部とを有する。第1のエラストマーは、環状周部と密封部とを有する。環状周部は、収容空間及び少なくとも1つの吸引孔を有し、位置決め溝内に位置決めされ、且つ第1の導管の内部に延伸され、外側壁が少なくとも1つの支持リブに当接する。収容空間は、環状周部の頂端に貫通する。少なくとも1つの吸引孔は、収容空間と第1の導管の内部との間に連通する。結合部の第1の端部は、環状周部の頂端を押し、ストッパー部は、環状周部の頂端に当接し、収容空間の開口部を密封する。密封部は、第1の導管内に設けられ、第1の開口部を密封する。
【0011】
第2の接続部品は、第2のスリーブと連通管とを含む。第2のスリーブは、第2の開口部を有し、薬瓶又は人体端の導管に取り外し可能に接続される。連通管は、少なくとも1つの貫通孔を有し、第2のスリーブ内に設けられ、頂端が密封端である。
【0012】
第1の接続部品と第2の接続部品とを突き合わせる過程において、連通管が密封部を押して圧縮し、密封部が環状周部を圧縮し、収容空間内の空気が少なくとも1つの吸引孔を通って第1の導管の内部に入って、少なくとも1つの吸引孔が変形して密封されることにより、収容空間が真空状態になる。連通管が第1の開口部を通り抜けて第1の導管の内部に入れて、連通管の少なくとも1つの貫通孔が第1の導管の内部に位置するため、第1のスリーブの内部と第2のスリーブの内部とが連通する。
【0013】
第1の接続部品と第2の接続部品とを分解する過程において、第1の導管から連通管を分離する。
【0014】
第1の導管から連通管を分離する過程において、第1の導管が連通管の外表面に接触し、第1のエラストマーがその弾性力によって元の形状に戻る過程において、環状周部がその弾性力によって密封部を押して元の位置に戻させることにより、第1の開口部を密封する。少なくとも1つの吸引孔が元の形状に戻して開く、第1の導管の内部の空気が少なくとも1つの吸引孔を通って収容空間に入って負圧を生成し、連通管の外表面にある薬液が第1の導管のスクラッチ作用及び負圧の吸引作用によって第1の導管の内部に入って、さらに、第1の導管の内部の薬液が負圧の吸引作用によって少なくとも1つの吸引孔を通って収容空間内に集まれる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果としては、薬液が連通管の外表面に残留することを有効的に避けられ、残留薬液が患者又は医療従事者の皮膚に接触する又は肺に吸い込まれるリスクを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】本発明に係る実施例1の第1のスリーブの断面図である。
【
図4】本発明に係る実施例1の第1のエラストマーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び符号を開示しながら本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0018】
図1~
図4を参照しながら説明する。本発明は、第1の接続部品1と第2の接続部品2とを含む、分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器を提供する。
【0019】
第1の接続部品1は、第1のスリーブ10と、結合部20と、第1のエラストマー30とを含む。
【0020】
第1のスリーブ10は、スリーブ部11と、2つの挟持部12と、第1の導管13と、位置決め溝14とを含む。スリーブ部11は、2つの穿孔111を有する。前記2つの穿孔111は、それぞれスリーブ部11の対向両側に貫通し、スリーブ部11の内部と連通する。各挟持部12は、連結部121と挟持アーム122とを含む。前記連結部121は、それぞれスリーブ部11の対向両側に凸設され、前記穿孔111の上方に位置する。
【0021】
前記挟持アーム122は、それぞれ前記連結部121の外側にピン接続される。各挟持アーム122の一端は、柄部123である。各柄部123の外側面には、複数の滑り止め部124が設けられる。使用者が指で各柄部123を押す場合には、前記滑り止め部124によって優れた滑り止め効果を提供することができる。各挟持アーム122のもう一端には、フック部125が形成される。前記フック部125は、それぞれ前記穿孔111内に位置する。第1の導管13は、第1の開口部131を有する。第1の導管13の内部には、3つの支持リブ132を有する。
【0022】
結合部20は、第1の端部21と、第2の端部22と、ストッパー部23とを有する。第1の端部21は、スリーブ部11内に設けられる。第2の端部22は、注射器100(
図5参照)又は輸液チューブ(図示せず)にねじ込まれるためのものである。
図5に示すように、注射器100又は輸液チューブの導管101は、第2の端部22に挿入して結合部20の内部と連通する。ストッパー部23は、第1の端部21の内部に設けられる。
【0023】
第1のエラストマー30は、環状周部31と密封部32とを含む。環状周部31は、位置決め溝14内に位置決めされ、第1の導管13の内部に延伸され、外側壁が前記支持リブ132に当接する。また、環状周部31は、収容空間311と、複数の貫通孔312と、複数の吸引孔313とを有する。収容空間311は、環状周部31の頂端に貫通する。前記貫通孔312は、第1の端部21の内部と第1の導管13の内部との間に連通する。前記吸引孔313は、収容空間311と第1の導管13の内部との間に連通する。第1の端部21が環状周部31の頂端を押し、ストッパー部23が環状周部31の頂端に当接し、かつ収容空間311の開口部314を密封する。密封部32は、第1の導管13内に設けられ、第1の開口部131を密封する。
【0024】
第2の接続部品2は、第2のスリーブ40と、連通管50と、第1の弾性バルブ60と、第2の弾性バルブ70とを含む。
【0025】
第2のスリーブ40は、第1の筒体41と、第2の筒体42と、突出部43と、安定構造44とを含む。第1の筒体41は、ねじ状接合部411と、第2の導管412と、筒部413とを有する。ねじ状接合部411は、めねじ部を有する。第2の導管412は、ねじ状接合部411内に延伸される。筒部413は、ねじ状接合部411の上方に設けられる。第2の筒体42は、第1の端部421と第2の端部422とを有する。第1の端部421は、筒部413の内部に設けられる。第2の端部422は、筒部413の外に位置し、ねじ状接合部であり、おねじ部と第2の開口部423とを有する。
【0026】
突出部43は、筒部413の外側に環状に設けられる。安定構造44は、第1の筒体41の外側に環状に設けられ、かつ、突出部43の下方に位置する。
図5に示すように、薬瓶200又は人体端の導管(図示せず)の一端は、ねじ状接合部411にねじ込まれる。第2の導管412は、薬瓶200又は人体端の導管の一端の内部に挿入する。それにより、第2の導管412の内部と薬瓶200又は人体端の導管の内部とが連通している。
【0027】
連通管50は、第2の筒体42の内部に設けられ、かつ、上柱部51と、大径部52と、下柱部53とを有する。上柱部51は、大径部52の上方に設けられ、頂端が密封端511である。また、上柱部51は、2つの貫通孔512を有する。前記貫通孔512は、それぞれ上柱部51の側壁の対向両側に貫通し、上柱部51の密封端511の近傍に位置し、かつ、上柱部51の内部と連通する。下柱部53は、大径部52の下方に設けられ、底端が開放端531である。上柱部51の内部と、大径部52の内部と、下柱部53の内部とが連通している。
【0028】
第1の弾性バルブ60は、第2の筒体42の内部に設けられ、かつ、環状周部61と密封部62とを有する。環状周部61は、上柱部51の外側に環状に設けられ、底端が大径部52に当接する。密封部62は、環状周部61の頂端に設けられ、かつ、スリット621を有する。環状周部61がその弾性力によって密封部62を押し、第2の開口部423が密封部62によって密封される。
【0029】
第2の弾性バルブ70は、第2の筒体42の内部に設けられ、かつ、環状周部71と密封部72とを有する。環状周部71は、下柱部53の外側に環状に設けられ、頂端が大径部52に当接する。環状周部71がその弾性力によって大径部52を押し、大径部52がさらに上柱部51を押すことにより、上柱部51をスリット621内に位置させる。上柱部51の密封端511がスリット621の頂端に揃え、前記貫通孔512が密封部62によって密封される。
【0030】
密封部72は、環状周部71の底端に設けられ、かつ、筒部413の内側に当接する。第1の端部421の底端が密封部72の頂端を押す。密封部72は、スリット721を有する。スリット721は、第2の導管412の内部及び下柱部53の内部に位置合わせる。下柱部53の底端は、密封部72の頂端に当接する。密封部72は、その弾性力によってスリット721を閉じた状態に保ち、下柱部53の内部が密封部72によって密封される。
【0031】
薬液の調製をする前に、第1の接続部品1が注射器100に固定され、第2の接続部品2が薬瓶200に固定される。スリット721が閉じた状態に維持されるため、薬瓶200内の薬液は、第2の導管412のみに入って、連通管50の内部に入らない。
【0032】
薬液の注射又は輸送をする前に、第1の接続部品1が注射器100又は輸液チューブに固定され、第2の接続部品2が人体端の導管に固定される。第1の開口部131が密封部32によって密封されるため、注射器100又は輸液チューブの薬液が第1の開口部131を通って外に流出することができない。
【0033】
図5を参照しながら説明する。第1の接続部品1と第2の接続部品2とを突き合わせる過程において、上柱部51が密封部32を押し、密封部32が環状周部31を圧縮し、収容空間311内の空気が前記吸引孔313を通って第1の導管13の内部に入って、前記吸引孔313が変形して密封され、収容空間311が真空状態になる。上柱部51が第1の開口部131を通り抜けて第1の導管13の内部に入れて、第1の導管13が密封部62を押す。
【0034】
上柱部51の前記貫通孔512は、密封部62の外に露出し、第1の導管13の内部に位置する。環状周部61が大径部52を押し、大径部52が環状周部71を圧縮し、環状周部71を曲げ変形させる。その場合、環状周部71が連通管50を押して下方に移動する。下柱部53は、スリット721を拡張し、そして、スリット721を通り抜けて第2の導管412の内部に入る。第1の筒体41がスリーブ部11に入れた後、安定構造44がスリーブ部11の内側壁に当接する。
【0035】
それによって、結合部20の内部と、第1の導管13と、連通管50と、第2の導管412の内部とが連通している。突出部43が前記穿孔111内に移動し、前記フック部125は突出部43の底端を引っ掛ける。
【0036】
好ましくは、
図1に示すように、柄部123とスリーブ部11との間に凹溝110が形成される。
図5に示すように、密封接続器は、安全リング部80をさらに有する。安全リング部80は、ジャケット部81と環状部82とを含み。ジャケット部81は、スリーブ部11に移動可能に設けられる。環状部82は、ジャケット部81の頂端に設けられる。第1の接続部品1と第2の接続部品2とを突き合わせた後、ジャケット部81がスリーブ部11に沿って凹溝110内に移動することにより、ジャケット部81が凹溝110内に係止される。環状部82は、柄部123の頂端に当接する。
【0037】
万が一、患者が誤って前記柄部123を押す場合は、ジャケット部81が前記柄部123を止められ、前記挟持アーム122のもう一端がピン回転することを防止できる。前記フック部125が前記突出部43の底端を引っ掛け続けることが可能であるため、第1の接続部品1と第2の接続部品2は分解されずに突き合わせた状態に保つことができる。
【0038】
薬液の調製をする時に、薬瓶200内の薬液は、順に第2の導管412、連通管50、第1の導管13、及び結合部20の内部を通って注射器100内に流入することができる。
【0039】
薬液の注射又は輸送をする時に、注射器100又は輸液チューブ内の薬液は、順に結合部20の内部、第1の導管13、連通管50、第2の導管412、及び人体端の導管を通って人体に入ることができる。
【0040】
第2の端部22が輸液チューブに固定され、かつ輸液チューブが何らかの理由でひどくねじれ変形した場合、突出部43が前記フック部125に沿って第1の方向及び第2の方向に任意に回転することにより、第1の接続部品1が第2の接続部品2に対して第1の方向及び第2の方向に沿って任意に回転可能となる。よって、薬液が漏れないという前提において、輸液チューブを直線状にねじることにより、輸液チューブ内の薬液がスムーズに流れることができる。
【0041】
薬液の調製、又は薬液の注射や輸送が完成した後に、再び第1の接続部品1と第2の接続部品2とを分解する。第1の導管13の内部に位置する上柱部51の一部の外表面には、薬液が残留している。
【0042】
第1の接続部品1と第2の接続部品2とを分解する過程において、まず、使用者が指で環状部82を把持して上方に移動し、ジャケット部81がスリーブ部11に沿って移動して凹溝110から分離する。前記柄部123がジャケット部81のストップから解放され、押され得ることとなり、前記挟持アーム122のもう一端が自由にピン回転可能となる。前記柄部123を押すことにより、前記挟持アーム122のもう一端を外に向かってピン回転し、突出部43から前記フック部125を分離する。
【0043】
環状周部71がその弾性力によって大径部52を押し、連通管50及び第1の弾性バルブ60を上方に移動させ、下柱部53が上方に移動して第2の導管412から分離し、環状周部71の内部に戻る。密封部72がその弾性力によってスリット721を完全に閉じさせ、密封部72が下柱部53の内部を密封する。連通管50の内部と第2の導管412とがブロックされるため、第2の接続部品2の内部の密封性を向上させ、薬瓶200から連通管50への薬液の再流入を防止できる。
【0044】
環状周部61がその弾性力によって密封部62を押して上方に移動させ、さらに上柱部51の外側に沿って上方に移動させる。密封部62がその弾性力によって第1の導管13を押し、第1の接続部品1を移動させ、上柱部51が第1の導管13から分離して密封部62内に戻る。
【0045】
ここで重要なのは、上方に移動する過程において、密封部62が第1の導管13に当接し続けること、及び、上柱部51が開いたスリット621内と第1の導管13の内に維持し続けることである。それにより、第1の端部21の内部と第2の端部422の内部との間の距離は増えない。
【0046】
さらに、第1の接続部品1と第2の接続部品2とを分解する過程において、密封部62が上方に続けて移動し、前記貫通孔512を覆うことにより、第1の導管13の内部及び連通管50の内部との連通を遮断する。それにより、薬液が前記貫通孔512から第1の導管13の内部又は連通管50の内部に流入しない。その場合、上柱部51は、スリット621を拡張させた状態を維持し、前記貫通孔512は、密封部62によって密封される。
【0047】
最後に、第1の接続部品1と第2の接続部品2とを分解する過程において、上柱部51が徐々に第1の開口部131を通って第1の導管13から分離し、スリット621内に戻る。密封部62が前記貫通孔512を密封する。第1の導管13から上柱部51を分離する過程において、第1の導管13が上柱部51の外表面に接触する。第1のエラストマー30がその弾性力によって元の形状に戻る過程において、環状周部31がその弾性力によって密封部32を押して元の位置に戻させ、密封部32が第1の開口部131を密封する。そのため、薬液が第1の開口部131から第1の導管13の内部に回流しない。
【0048】
前記吸引孔313が元の形状に戻して開く、第1の導管13の内部の空気が前記吸引孔313を通って収容空間311に入って負圧を生成する。上柱部51の外表面にある薬液が第1の導管13のスクラッチ作用及び負圧の吸引作用によって第1の導管13の内部に入って、さらに、第1の導管13の内部の薬液が負圧の吸引作用によって前記吸引孔313を通って収容空間311内に集まれる。
【0049】
それにより、薬液は、上柱部51の外表面には一切残留しない。また、収容空間311内に集まれた薬液は、第1の開口部131から外に流出しない。そのため、残留薬液が患者又は医療従事者の皮膚に接触する又は肺に吸い込まれるリスクを下げることができる。
【0050】
さらに、第1の接続部品1を取り付ける過程において、環状周部31が位置決め溝14に位置決めされ、第1の端部21がスリーブ部11内に挿入して環状周部31の頂端を押す。そのため、取り付けが簡単であり、かつ、第1のスリーブ10からの第1のエラストマー30の分離を防止することができる。
【0051】
なお、安定構造44が環状でスリーブ部11の内側壁に当接するため、第2のスリーブ40がスリーブ部11内で揺れない。
【0052】
また、第1の接続部品1と第2の接続部品2とを突き合わせる過程において、前記支持リブ132により、密封部32の曲げ変形を防止することができる。それにより、密封部32が軸方向の運動を維持して環状周部31を圧縮し、収容空間311の空気の排出と前記吸引孔313の変形・密封とを確保することができる。
【0053】
なお、第1の接続部品1と第2の接続部品2とを突き合わせる過程において、ストッパー部23により、環状周部31の中間が上方に移動して変形することを防止でき、それにより、密封部32による環状周部31の圧縮がより確実になり、収容空間311内の空気が完全に排出され得る。そのため、収容空間311が真空状態になる。
【0054】
また、ストッパー部23により、薬液が開口部314を通って収容空間311内に流入することを防止でき、収容空間311の真空状態の維持を確保する。
【0055】
さらに、第2の端部422がおねじ部を有するため、使用者は第2の端部422を注射器(図示せず)にねじ込むことができる。言い換えると、第2の接続部品2は、第1の接続部品1に突き合わせることだけでなく、注射器に突き合わせることも可能である。
【0056】
なお、第2の端部22は、実質上従来のルアーテーパーのメス継手と同等である。第2の端部22と挟持部12との組み合わせにより、第1の接続部品1は、従来のルアーテーパーのメス継手の機能と挟持機能とを同時に有する。そのため、第1の接続部品1は、従来のルアーテーパーのオス継手を有する注射器100又は輸液チューブと、第2の接続部品2とを同時に結合することができる。
【0057】
図6を参照しながら説明する。実施例2について、実施例1との相違点は以下の通りである。
【0058】
1.第1の導管13Aは、底端に係止部133が形成され、かつ、軟性材質で構成される密封リング部134をさらに有する。密封リング部134は、第1の開口部131Aを有し、かつ、外側に係止溝135が凹設される。係止部133は、係止溝135に係止される。密封部32Aは、第1の導管13A及び密封リング部134内に設けられ、第1の開口部131Aを密封する。
【0059】
2.第1のエラストマー30Aは、密封部32Aに設けられた第1のクリップ部34を有する。第1のクリップ部34は、密封部32Aの内部に位置する凹孔341と、密封部32Aの底端に位置するノッチ342とを含む。ノッチ342の直径が凹孔341の最大直径より小さい。
【0060】
3.連通管50Aは、首部541と頭部542とを有する第2のクリップ部54を含む。首部541は、密封端511Aに凸設され、頭部542は、首部541の一端に設けられる。首部541の直径が頭部542の最大直径より小さい。頭部542のサイズ及び形状が凹孔341のサイズ及び形状に対応する。首部541ののサイズ及び形状がノッチ342のサイズ及び形状に対応する。
【0061】
上記3つの点以外、実施例2の構造は、実施例1の構造と同じである。
【0062】
薬液を注射又は輸送する前に、実施例2と実施例1との相違点は以下の通りである。実施例2は、密封部32Aによって第1の開口部131Aを密封するため、注射器100又は輸液チューブの薬液が第1の開口部131Aを通って外に流出できない。
【0063】
実施例2について、第1の接続部品1Aと第2の接続部品2Aとを突き合わせる過程において、実施例1との相違点は以下の通りである。
【0064】
1.頭部542が凹孔341内に入れて、首部541がノッチ342に位置することにより、第2のクリップ部54が第1のクリップ部34に係止される。
【0065】
2.上柱部51Aが密封部32Aを押すことにより、密封リング部134から密封部32Aを分離する。
【0066】
3.上柱部51Aが順に第1の開口部131A及び密封リング部134を通り抜けて第1の導管13Aの内部に入る。
【0067】
4.密封リング部134が密封部62を押す。
【0068】
上記4つの点以外、実施例2の突き合わせ過程は、実施例1の突き合わせ過程と同じである。
【0069】
実施例2について、第1の接続部品1Aと第2の接続部品2Aとを分解する過程において、実施例1との相違点は以下の通りである。
【0070】
1.密封部62がその弾性力によって密封リング部134を押し、第1の接続部品1Aを移動させ、上柱部51Aが密封リング部134から分離して密封部62内に戻る。
【0071】
2.最後、第1のクリップ部34内から第2のクリップ部54を抜き出し、第1のクリップ部34と第2のクリップ部54とを分解する。
【0072】
3.密封リング部134から上柱部51Aを分離する過程において、密封リング部134が上柱部51Aの外表面に接触する。
【0073】
4.第1のエラストマー30Aがその弾性力によって元の形状に戻る過程において、環状周部31Aがその弾性力によって密封部32Aを押して元の位置に戻させることにより、密封部32Aが密封リング部134に入れて第1の開口部131Aを密封する。
【0074】
5.上柱部51Aの外表面にある薬液が密封リング部134のスクラッチ作用及び負圧の吸引作用によって第1の導管13Aの内部に入って、さらに、第1の導管13Aの内部の薬液が負圧の吸引作用によって前記吸引孔313Aを通って収容空間311A内に集まれる。
【0075】
上記5つの点以外、実施例2の分解過程は、実施例1の分解過程と同じである。
【0076】
それにより、薬液は、上柱部51Aの外表面には一切残留しない。また、収容空間311A内に集まれた薬液は、第1の開口部131Aから外に流出しない。そのため、残留薬液が患者又は医療従事者の皮膚に接触する又は肺に吸い込まれるリスクを下げることができる。
【0077】
さらに、第2のクリップ部54が第1のクリップ部34に係止されるため、第1の接続部品1Aと第2の接続部品2Aとを突き合わせる及び分解する過程において、上柱部51Aと密封部32Aは互いに引っ張ることができる。
【0078】
なお、係止部133を係止溝135に係止することにより、密封リング部134が固定される。これにより、第1のスリーブ10Aからの密封リング部134の分離を防止することができる。
【0079】
また、密封リング部134は、係止部133によって密封部32Aの外表面にさらに密接することができる。よって、薬液が密封リング部134と密封部32Aとの間のスリットを通って外に流出することを防止することができる。
【0080】
なお、密封リング部134の底端が第1の導管13Aの外に露出するため、使用者が密封リング部134の底端の外表面を容易に消毒でき、使用の安全性を向上させる。
【0081】
図7を参照しながら説明する。実施例3について、実施例1との相違点は、第1のスリーブ10及び第2のスリーブ20の構造が異なることにある。それ以外、実施例3の他の技術的特徴が実施例1と同じである。
【0082】
上記の内容は、本発明を説明するための好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。よって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1、1A 第1の接続部品
2、2A 第2の接続部品
10、10A 第1のスリーブ
11 スリーブ部
110 凹溝
111 穿孔
12 挟持部
121 連結部
122 挟持アーム
123 柄部
124 滑り止め部
125 フック部
13、13A 第1の導管
131、131A 第1の開口部
132 支持リブ
133 係止部
134 密封リング部
135 係止溝
14 位置決め溝
20 結合部
21 第1の端部
22 第2の端部
23 ストッパー部
30 第1のエラストマー
31 環状周部
311 収容空間
312 貫通孔
313 吸引孔
314 開口部
32 密封部
34 第1のクリップ部
341 凹孔
342 ノッチ
40 第2のスリーブ
41 第1の筒体
411 ねじ状接合部
412 第2の導管
413 筒部
42 第2の筒体
421 第1の端部
422 第2の端部
423 第2の開口部
43 突出部
44 安定構造
50、50A 連通管
51、51A 上柱部
511、511A 密封端
512 貫通孔
52 大径部
53 下柱部
531 開放端
54 第2のクリップ部
541 首部
542 頭部
60 第1の弾性バルブ
61 環状周部
62 密封部
621 スリット
70 第2の弾性バルブ
71 環状周部
72 密封部
721 スリット
80 安全リング部
81 ジャケット部
82 環状部
100 注射器
101 導管
200 薬瓶
【要約】
【課題】分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器を提供する。
【解決手段】本発明に係る密封接続器、第1の接続部品と第2の接続部品とを含む、分解過程において残留薬液を吸引するための圧縮性突き合わせ継手を備えた密封接続器であって、第1の接続部品は、第1のスリーブと、結合部と、第1のエラストマーとを含み、第2の接続部品は、第2のスリーブと、上柱部を有する連通管とを含む、密封接続器を提供する。第1の導管から上柱部を分離する過程において、第1の導管が上柱部の外表面に接触し、また、第1のエラストマーがその弾性力によって元の形状に戻る過程において、第1のエラストマーが第1の開口部を密封して負圧を生成し、上柱部の外表面にある薬液が第1の導管のスクラッチ作用及び負圧の吸引作用によって第1の導管の内部に入って、さらに、第1の導管内部の薬液が負圧の吸引作用によって吸引孔を通って収容空間内に集まれる。
【選択図】
図1