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特許7208410ガラス物品を成形するための機械用の個別の中空セクションを備えた支持ブロック、および製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ガラス物品を成形するための機械用の個別の中空セクションを備えた支持ブロック、および製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 9/34 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
C03B9/34 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021547029
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 MX2018000109
(87)【国際公開番号】W WO2020085891
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】516319474
【氏名又は名称】ビトロ、エセ.ア.ベ. デ セ.ウベ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー デル リオ、アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ティヘリナ ラモス、ビクトール
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0018255(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1491508(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1136453(EP,A1)
【文献】特開平11-199239(JP,A)
【文献】特開平11-199240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B9/00-9/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前壁、後壁および側壁によって形成された中空の単一ピースの支持体と、
前記前壁の全長に沿って整列した第1の複数の中空セクションと、前記後壁の全長に沿って整列した第2の複数の中空セクションとを形成する、前記支持体の内周内にグリッド関係で配置された少なくとも1つの中間壁および複数の交差壁であって、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションは、前後の関係に整列され配置される、少なくとも1つの中間壁および複数の交差壁と、
各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションのための支持セクションであって、前記支持セクションは、ガラス物品を形成するための機械の様々な機構を支持するために、各々の第1および第2の中空セクションを形成する前記壁の各々の底部近くに接続される、支持セクションと、
潤滑導管またはケーブルを導入するために、前記複数の交差壁の各々によって鉛直位置に配置された管状空洞であって、前記支持体の周囲内に配置された前記交差壁の各々の間に形成された管状空洞と、
定義された設置ゾーンに対して支持ブロック自体を位置合わせするための、前記支持体の下部に配置された位置合わせ手段と
を備えるタイプのガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項2】
各々の前壁および後壁は、各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションと位置合わせされた開放穴または窓を含む、請求項1に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項3】
各々の物品成形セクションの機構の修理または保守のために、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションを開閉するために、各々の前壁および後壁の側部で結合および分離する、各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションと位置合わせされた開放穴または窓の各々のためのカバー手段と、
個別のプレナムチャンバの構成のために、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションの上部および下部をそれぞれ覆う上部カバーセクションおよび下部カバーセクションであって、前記上部カバーセクションは、各々がガラス製品のパリソン成形ステーションまたは最終ブロー成形ステーションの機構を支持する、上部カバーセクションおよび下部カバーセクションと
をさらに備える、請求項2に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項4】
前記支持体は、単一ピースで、支持ベースを備える、請求項1に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項5】
前記支持ブロックは、前記支持ブロックの端部に配置された中空支持セクションと、前記中空支持セクションの上部を覆うためのカバー手段とを備える、請求項1に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項6】
前記位置合わせ手段は調整ボルトである、請求項1に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項7】
各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションの下部を覆うための下部カバーセクションは、前記個別のプレナムチャンバの各々に加圧空気を導入するためのダクトを接続するための中央穴を有する、請求項3に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項8】
前記支持ブロックは、ダクタイル鉄または延性鋳鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料からなる選択された材料で鋳造することによって製造される、請求項1に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項9】
前記支持体の前記前壁、前記後壁、前記側壁、前記中間壁、および前記複数の交差壁は、溶接接合された単一ピースの鋼板である、請求項1に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロック。
【請求項10】
ガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法であって、
支持ブロックを構築するステップであって、
間に中空の内部空間を形成する、支持ベース、前壁、後壁、および側壁を備えた支持体と
該支持体の周囲内に配置された少なくとも1つの中間壁および少なくとも1つの交差壁であって、前記中間壁および交差壁は、グリッド関係に配置され、前記前壁の全長に沿って整列された第1の複数の統合された中空セクションと、前記後壁の全長に沿って整列された第2の複数の中空セクションとを形成する、少なくとも1つの中間壁および少なくとも1つの交差壁と、
各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションのための支持セクションであって、前記支持セクションは、ガラス物品を成形するための機械の様々な機構を支持するために、各々の第1および第2の中空セクションを形成する各壁の底部近くに接続されている、支持セクション
を含む前記支持ブロックを一体的に構築することを含むステップと、
個別のプレナムチャンバの構成のため、または空気供給ダクトの統合のために、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションの上部および下部をカバーするために少なくとも1つのカバーを提供するステップであって、上部カバーセクションは、ガラス物品のパリソン成形ステーションまたは最終ブロー成形ステーションの機構の各々を支持するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記支持ブロックの構築は、鋳造によって行われる、請求項10に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法。
【請求項12】
鋳造材料は、延性鋳鉄またはダクタイル鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料である、請求項11に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法。
【請求項13】
前記支持体の前記前壁、前記後壁、前記中間壁、前記側壁、および前記交差壁は、溶接された単一ピースの鋼板である、請求項10に記載のガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法。
【請求項14】
各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションは、前後の関係に整列され配置されている、請求項10に記載のガラス物品を成形するための機械用の、単一ピースに個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法。
【請求項15】
潤滑導管またはケーブルを導入するために、前記交差壁のうちの各々1つに対して鉛直位置に配置された管状空洞を形成するステップであって、前記管状空洞は、前記支持ブロックの周囲内に配置された前記交差壁の各々の間に形成される、ステップを含む、請求項10に記載のガラス物品を成形するための機械用の、単一ピースに個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法。
【請求項16】
前記支持ブロックの各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションに位置合わせして、前記前壁および前記後壁に開放穴または窓を形成するステップと、
物品を成形する各々のセクションの機構の修理または保守のために、前記第1の中空セクションおよび第2の中空セクションを開閉するために、各々の前壁および後壁の側で係合および係合解除する、各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションの前記開放穴または窓の各々にカバー手段を提供するステップと
を含む、請求項10に記載のガラス物品を成形するための機械用の、単一ピースに個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法。
【請求項17】
前記カバー手段は、ダクタイル鉄または延性鋳鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料でできている、請求項16に記載のガラス物品を成形するための機械用の、単一ピースに個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス器具成形機に関するものであり、より具体的には、ガラス器具成形機用の単一ピースの中空の個別セクションの支持ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
狭口ガラス容器などのガラス物品は、通常、ブローブロープロセスによって、同様の個別の成形セクションを含む物品成形機で製造され、一方、広口ジャー、ガラス、および他のガラス物品は、いわゆる「ホットモールド」でのプレスブロープロセスによるシリーズ「E」および「F」として知られる成形機で製造される。
【0003】
最も初期の単一セクションガラス容器成形機のうちの1つは、特許文献1に記載されており、これは、パリソンまたはプリフォームの成形ステーションおよび最終物品のブロー成形または成形ステーションを含む。個別のステーションの各々は、個別のフレームに取り付けられている。そのため、ブローブロープロセスまたはブロープレスによる容器の製造プロセス中に、ゴブの形のガラスが、パリソン成形ステーション内のパリソンまたはプリフォーム型内に導入され、プロセスに応じて、ゴブは、ブロー成形または真空プロセスによって、パリソン型の下部に落ち着き、容器の冠部を成形する。次に、容器の冠部が成形されると、カウンターブローが行われて、容器のパリソンまたはプリフォームが成形される。続いて、容器のプリフォームは、反転機構によって、前記パリソン型の180度の動きを伴って、成形または最終ブロー成形ステーションの最終ブロー型に移され、そこで最終形態が容器に与えられる。最後に、新たに成形された容器は、押し出し機構によって機械の前面にあるデッドプレートに移され、その後、コンベヤーベルトによって焼き戻し炉に運ばれる。
【0004】
ガラス物品のパリソン成形および最終ブロー成形の両方について、パリソンまたはプリフォームの成形ステーションおよび最終物品のブロー成形または成形ステーションは、互いに対向する一連の半型を含む。これらの半型は、開位置と閉位置の間を移動する型オープナースピル機構によって保持され、物品成形プロセス中にパリソンまたは最終ブローの半型を開閉する。
【0005】
一般的に、パリソンまたは最終ブローステーションの機構が結合されるフレームは、長方形の中空支持ブロック(モジュラーセクションまたはフレーム)を形成する支持ベースおよび側壁と、最終的に中空支持ブロックの上部を覆うためのキャップを含む。カバーは、機構の各々が上に配置され、各々の成形ステーションの各々のモジュラーセクションにおいてねじ込まれる一連の穴を含む。
【0006】
個別のモジュールに基づく機械構築システムを考慮すると、8セクション、10セクション、および12セクションの機械を構築することが可能である。しかしながら、たとえこれがいくつかの個別セクションを備えた機械の構築に対して利点を示しているとしても、中空の長方形の支持ブロックを部品で製造する必要がある、つまり、機械加工され、溶接され、統合支持ベースにボルトで固定される必要のある鋼板または鉄板を基礎にしてそれらは組み立てられる。
【0007】
個別のモジュールの各々が形成されると、それらは、互いに整列するように並べて配置される支持構造上に配置される。支持ベースは、成形ステーションの他の機構を保持するために中間梁および上部梁を支持する鉛直柱を配置する前記支持ベースの端部に配置される横方向支持モジュールを含む。
【0008】
機械全体は、そのすべての機構を備えて、物品の製造のために工場に運ばれ、物品は、正しく整列されるように支持梁上に配置される。
【0009】
10セクションの単一セクションガラス器具成形機を構築するための構造の一例は、オーウェンズイリノイ(Owens-Illinois)に譲渡された特許文献2に示されており、これは、すべてのバルブを機械フレームに組み込んでおり、多くの異なる種類のプロセスのいずれかに従って機械のすべてのセクションを操作するために必要な配管を制御し、ある種類の成形プロセスから別の種類の成形プロセスに機械の操作が変更されるので、以前は機械に追加し、その後引き抜かれる必要があった配管とバルブの急増の大幅な減少をもたらしている。本発明の装置はさらに、個別の制御を適用して、機械の各々のマルチキャビティセクションの各々のパリソン型キャビティおよび各々のブロー型キャビティの冷却をもたらす。
【0010】
しかしながら、IS成形機の構築で検出された問題のいくつかは、同じ個別のモジュールの製造に関連している、つまり、各々のモジュールの長方形の中空支持ブロックの組み立てが個別であるため、部品の精緻化のためにより多くの機械加工を実行する必要があり、製造コストを増加させる。
【0011】
遭遇した別の問題は、個別のモジュールが製造され、機械のベース支持構造に個別に設置されると、物品を成形するプロセス中に、より大きな振動および曲げを示すことである。
【0012】
個別のモジュールのさらなる欠点は、機械支持構造に個別に設置されるため、各々のモジュールが互いに完全に位置合わせされる必要があることである。
【0013】
個別のモジュールまたはセクションは、ガラス器具の製造中の温度に起因して、より大きな熱線膨張を示すことも見出された。
【0014】
したがって、本発明は、機械ごとに2~12以上のセクションを統合的に構築できる、機械IS機械のすべての可能なセクションまたは個別のモジュールを単一の部品に統合する、ガラス物品成形機のための、個別の中空セクション(ベースのより統合された中空セクション)を備えた一体型支持ブロックに関するものである。
【0015】
中空支持一体型ブロックは、前壁、後壁、および側壁を有する単一ピースの、延性鋳鉄またはダクタイル鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料の支持体と、前壁の全長に沿って整列された第1の複数の統合された中空セクションと後壁の全長に沿って整列された第2の複数の中空セクションとを形成する、グリッド関係に配置された、支持体の周囲内に配置された少なくとも1つの中間壁および少なくとも1つの交差壁であって、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションは、前後の関係で整列され配置されており、前壁および後壁は、各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションと位置合わせされた開放穴または窓を含む、少なくとも1つの中間壁および少なくとも1つの交差壁と、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションのための支持セクションであって、前記支持セクションは、ガラス物品を成形するための機械の様々な機構を支持するために、各々の第1および第2の中空セクションを形成する壁の各々の底部近くに接続される、支持セクションと、潤滑導管またはケーブルを導入するために、複数の交差壁の各々1つによって鉛直位置に配置された管状空洞であって、支持体の周囲内に配置された交差壁の各々の間に形成された、管状空洞とからなる。
【0016】
個別の中空セクションを備えた一体型支持ブロックは、各々の物品成形セクションの機構の修理または保守のために、第1の中空セクションおよび第2の中空セクションを開閉するために、各々の前壁および(人の出入り用の)後壁の側で係合および係合解除する、各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションの開放隙間または窓の各々のためのカバー手段と、個別のプレナムチャンバの構成または空気供給ダクトの統合のために、各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションの上部および下部を覆うための少なくとも1つのカバーであって、前記上部カバーセクションは、ガラス物品のパリソン成形ステーションまたは最終ブロー成形ステーションの機構の各々を支持する、カバーとを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】米国特許第1,911,119号明細書
【文献】米国特許第4,362,544号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の目的の1つは、すべての部品と共に組み立てられると、パリソン側と型側に対して独立した冷却流を提供して、異なる圧力および異なる空気流(ft3/分)を操作し、ガラス物品の成形用の機械の様々な機構を支持することを可能にする、パリソンステーション用に1つと最終ブロー用に別の1つの2つのチャンバにセクションを分離する、ガラス器具成形機用の、単一ピースの中空の個別セクションの支持ブロックおよびその製造方法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、構造の構築が容易になり、個別のチャンバの部品の精緻化のための機械加工を低減する、ガラス物品成形機用の、単一ピースに中空の個別セクションを備えた支持ブロックおよびその製造方法を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、成形セクションの振動を低減する、ガラス物品成形機用の、単一ピースに中空の個別セクションを備えた支持ブロックおよびその製造方法を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、機械の原点からモジュールがすでに位置合わせされている、個別のセクションの各々の位置合わせをもはや必要としない、単一ピースの構造である、ガラス物品成形機用の、単一ピースに中空の個別セクションを備えた支持ブロックおよびその製造方法を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、熱応力の影響を低減し、負荷を支持するのにより耐性がある、ガラス物品成形機用の、単一ピースに中空の個別セクションを備えた支持ブロックおよびその製造方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、機械ガラス製品を形成するための機械およびその製造方法のために、中空の個別のセクションを備えた支持ブロックを提供することであり、これは、支持ベースおよびフレームを単一ピースに統合した、ガラス物品成形機用の、単一ピースに中空の個別セクションを備えた支持ブロックおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明のこれらおよび他の目的および利点は、添付の図面と組み合わせて提供される、本発明の特定の好ましい一実施形態の以下の説明から、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の単一ピースの中空の個別セクションの支持ブロックを含むガラス物品を成形するための機械の支持構造の従来の斜視図である。
図2】本発明の個別の中空セクションを備えた支持ブロックの上部を示す従来の斜視図である。
図3】本発明の個別の中空セクションを備えた支持ブロックの上部を示す平面図である。
図4】本発明の個別の中空セクションを備えた支持ブロックの下部を示す従来の斜視図である。
図5】本発明の個別の中空セクションを備えた支持ブロックの下部を示す平面図である。
図6】本発明の個別の中空セクションを備えた支持ブロックの型側およびパリソン側のチャンバを示す断面図である。
図7】本発明の個別の中空セクションを備えた支持ブロック内の部品の組み立てを詳細に示す従来の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、ガラス物品を成形するための機械用の支持構造10について説明する。しかしながら、ガラス物品の製造に関与する多くの機構、すなわち、パリソン成形ステーションおよび別の最終ブロー成形ステーションおよび他の多くの機構があるため、これらは図示されない。
【0027】
図1に見られるように、支持構造10は、統合されたベース14を有する単一ピースの個別の中空セクションSIHを備えた支持ブロック12を含み、これについては後で詳細に説明する。前記図1には、8つの個別セクションを備えた機械用に構成された支持構造10が示されている。一対の鉛直柱16、18は、前記支持ブロック12の端部に配置された支持ブロック12の中空支持セクション20、22に結合されており、一対の交差部材23、24は、成形機の様々な機構(図示せず)を保持するために、鉛直柱16、18の上部に固定されている。
【0028】
ここで、本発明の個別の中空セクションSIHを備えた支持ブロック12を詳細に参照して、図2図6に従って説明する。個別の中空セクションSIHを備えた前記支持ブロック12は、主に、中空の長方形の本体を形成する、前壁28、後壁30、および側壁32、34からなる単一ピースのダクタイル鉄または延性鋳鉄の支持体26からなる。中空の長方形の本体の両端に形成された中空の支持セクション20、22は、一対の鉛直柱16、18を支持するためのカバー36、38を含む。
【0029】
支持セクション20、22に対して垂直な位置に配置された中間壁40は、中央部分に配置され、前壁28および後壁30に対して平行な位置に配置され、交差壁42は、前壁28および後壁30に垂直に配置され、側壁32、34に平行に整列され間隔を置いて配置される。
【0030】
中間壁40および交差壁42の配置は、支持ブロック12の内周内にグリッド関係で構成され、ガラス物品の最終成形ステーションに対応する機構を配置する、前壁28の全長に沿って整列された第1の複数の中空セクション44と、パリソン成形ステーションに対応する機構が配置される、後壁30の全長に沿って整列された第2の複数の中空セクション46とを形成し、各々の中空セクション44および中空セクション46は、前後に整列されて配置され、交差壁42は、潤滑導管またはケーブルを導入するために、中空セクション44、46の各々によって鉛直に配置された管状空洞48を含み、前記管状空洞48は、交差壁42の各々の間に形成される。
【0031】
支持ブロック12の前壁28および後壁30は、第1の複数の中空セクション44および第2の複数の中空セクション46の各々と位置合わせされた開放側方穴52、54(図2図4、および図7)を含む。第1の複数の中空セクション44および第2の複数の中空セクション46の各々の開放側方穴52、54の各々のための鋳造材料のカバーキャップ56(図7)は、各々の物品成形セクションの機構の修理のために、中空セクション44、46を横方向に開閉するために、各々の前壁28および後壁30の部品側で結合および解放される。
【0032】
支持ブロックアセンブリ12は、高い圧縮強度、成形性、耐摩耗性、被削性、および耐疲労性を示すダクタイル鉄または延性鋳鉄で作られている。また、ねずみ鋳鉄、または構造材料または鋼板などの同様の材料で作ることもできる。
【0033】
ダクタイル鉄または延性鋳鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料の鋳造金属の上部カバー58(図6)および下部カバー60(図6)は、第1の複数の中空セクション44および第2の複数の中空セクション46の各々の上部および下部をそれぞれ覆い、密封し、それにより、各々の成形ステーション用の独立したプレナムチャンバを画定する。この配置により、型側とパリソン側に安定した圧力で独立した冷却流を提供し、異なる圧力と異なる空気流を操作できる。上部カバー58は、ガラス物品のパリソン成形ステーションまたは最終ブローの機構の各々を結合するための穿孔部および凹部の配置を有する(図7)。
【0034】
下部カバー60は、ダクト66、68を介して、第1の複数の中空セクション44および第2の複数の中空セクション46の各々に加圧空気を独立して導入するための中央穴62、64(図6)を含む。
【0035】
第1の複数の中空セクション44および第2の複数の中空セクション46の各々は、支持セクション70、72を有し、前記支持セクション70,72は、各々の前壁28、後壁30、中間壁40および交差壁42の結合によって形成された各々の中空セクション44および46の底部で、交差アーム74によって接続されている。各々の支持セクション70、72は、ピストン機構および底板機構(図示せず)を支持する。
【0036】
上記に加えて、個別の中空セクションSIHを備えた支持ブロック12の支持ベース14はまた、工場での設置中に完全な機械の位置合わせを促進するために、支持ベース14の角に配置されるボルトベースの位置合わせシステム76を含む。
【0037】
本発明の第2の実施形態では、支持ブロック12の前壁28および後壁30は、第1の複数の中空セクション44および第2の複数の中空セクション46の各々に位置合わせされた開放側方穴52、54(図2図4、および図7)を含むことが言及されたとしても、これらは完全に閉じることができ、必ずしもカバー56(図7)を必要としないので、各々の物品成形セクションの機構の修理を、上部カバー58および/または下部カバー60(図6)を取り外して、上部または下部から実施することができる。
【0038】
本発明の第3の実施形態では、支持ブロックアセンブリ12は、単一ピースの鋼板から形成することができ、すなわち、前壁28、後壁30、および中間壁は、支持体14のベース上に配置され、側壁32、34とそれらの端部で組み立てられ、2つの半分に分割された中空の長方形の本体を形成し、それらはすべて溶接によって接合されている。次に、交差壁42は、グリッド関係で支持ブロック12の内周内に配置され、前壁28の全長に沿って整列された第1の複数の中空セクション44と、後壁30の全長に沿って整列された第2の複数の中空セクション46とを形成し、各々の中空セクション44および中空セクション46は、前後の関係に整列され配置されている。
【0039】
上記のように、図1図5は、8セクションの機械用の個別の中空セクションSIHを備えた支持ブロック12の構造を示し、図7は、10セクションの機械用の配置を示す。
【0040】
しかしながら、支持ブロック構造は、上記のすべての利点を維持しながら、任意の数のセクションに対して製造することができる。
【0041】
したがって、ガラス物品を成形するための機械用の、個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法は、
間に中空の内部空間を形成する、ベースセクション、前壁、後壁、および側壁と、支持体の周囲内に配置された少なくとも1つの中間壁および少なくとも1つの交差壁であって、前記中間壁および交差壁は、グリッド関係に配置され、前壁の全長に沿って整列された第1の複数の統合された中空セクションと、後壁の全長に沿って整列された第2の複数の中空セクションとを形成する、少なくとも1つの中間壁および少なくとも1つの交差壁と、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションのための支持セクションであって、前記支持セクションは、ガラス製品成形機の様々な機構を支持するために、各々の第1および第2の中空セクションを形成する各壁の底部近くに接続されている、支持セクションとを含む、延性鋳鉄またはダクタイル鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料の支持体を鋳造によって一体的に構築することを含む支持ブロックを構築するステップと、
個別のプレナムチャンバの構成のため、または空気供給ダクトの統合のために、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションの上部および下部をカバーするために、延性鋳鉄またはダクタイル鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料の少なくとも1つのカバーを提供するステップであって、上部カバーセクションは、ガラス物品のパリソン成形ステーションまたは最終ブロー成形ステーションの機構の各々を支持するステップとを含む。
【0042】
ガラス物品を成形するための機械用の、単一ピースに中空の個別セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法では、各々の第1の中空セクションおよび各々の第2の中空セクションは、前後の関係に整列され配置されている。
【0043】
ガラス物品を成形するための機械用の、単一ピースに個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法は、
潤滑導管またはケーブルを導入するために、複数の交差壁の各々によって鉛直方向に配置された管状空洞を形成するステップであって、前記管状空洞は、前記支持ブロックの周囲内に配置された前記交差壁の各々の間に形成される、ステップを含む。
【0044】
ガラス物品を成形するための機械用の、単一ピースに個別の中空セクションを備えた支持ブロックを構築するための方法は、
前記支持体の各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションに位置合わせして、前記前壁および前記後壁に開放穴または窓を形成するステップと、
各々の物品成形セクションの機構の修理または保守のために、前記第1の中空セクションおよび第2の中空セクションを開閉するために、各々の前壁および後壁の側で結合および解放する、各々の第1の中空セクションおよび第2の中空セクションの前記開放穴または窓の各々に、延性鋳鉄またはダクタイル鉄、ねずみ鋳鉄、または同様の材料のカバー手段を提供するステップとを含む。
【0045】
図1図5に見られるように、説明されているのは、パリソンおよび最終ブロー成形ステーションに適合する様々な機構の配置に備えて、事前定義された個別のセクションを備えた単一ピースの支持ブロック12の構築である。
【0046】
したがって、各々の成形ステーションのための独立したプレナムチャンバの構成は、上部カバー58、下部カバー60、およびカバーキャップ56がそれぞれ支持ブロック12上に組み立てられるときに形成されることを理解すべきである。この配置により、型側とパリソン側に安定した圧力で独立した冷却流を提供し、異なる圧力および異なる空気流を取り扱うことを可能にする。
【0047】
上記から分かるように、ガラス物品成形機用の個別の中空セクションSIHを単一ピースで備えた構造支持体12が説明されており、これは、上記のすべての利点を保持しながら任意のセクション物品製造機用に製造することができる。したがって、以下の特許請求の範囲によって決定される範囲内であると見なすことができる、他の多くの構成または改善を行うことができることは当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7