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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】植物苗の育成用容器
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20230112BHJP
   A01G 9/029 20180101ALI20230112BHJP
【FI】
A01G9/02 101U
A01G9/029 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018078411
(22)【出願日】2018-04-16
(65)【公開番号】P2019180356
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000170646
【氏名又は名称】国土防災技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 真一
(72)【発明者】
【氏名】兼光 修平
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 光晴
(72)【発明者】
【氏名】原 真司
(72)【発明者】
【氏名】竹田 康浩
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 裕太
(72)【発明者】
【氏名】田中 賢治
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-252836(JP,A)
【文献】特開2002-065073(JP,A)
【文献】特表2015-504663(JP,A)
【文献】特開2015-504663(JP,A)
【文献】特開昭56-055123(JP,A)
【文献】特開2012-115235(JP,A)
【文献】特開2004-216786(JP,A)
【文献】特開2003-023874(JP,A)
【文献】実公昭49-012010(JP,Y1)
【文献】特開2004-298053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/02
A01G 9/029
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙パルプであるパルプ及び
篩い目70mmを通過する木質チップの爆砕処理による処理物である、前記パルプ以外の木質繊維
により成形される樹木の挿し木苗の育成用ポットであって、前記パルプと前記木質繊維の総重量に対する木質繊維の重量の割合が10%~35%であり、全体に均一な、0.5mmより大きく5mm以下の厚みを有する、樹木の挿し木苗の育成用ポット。
【請求項2】
耐水剤及び/又は紙力増強剤をさらに含む請求項1に記載の育成用ポット。
【請求項3】
下方に先細りの円錐台の形状であり、下底面の直径の長さに対する上底面の直径の長さの割合が1.2倍~3倍であり、下底面の直径の長さに対する円錐台の高さの割合が3倍~7倍である請求項1又は2に記載の育成用ポット。
【請求項4】
2つ又は3つ以上の請求項1~3のいずれかに記載の育成用ポットが連結した植物苗の育成用トレイ。
【請求項5】
連結した育成用ポットを分離するための機構を備えた請求項4に記載の育成用トレイ。
【請求項6】
連結した育成用ポットを分離するための機構がミシン目又は線状の薄肉部である請求項5に記載の育成用トレイ。
【請求項7】
木質繊維が、フルボ酸を含む、請求項1~のいずれかに記載の育成用ポット。
【請求項8】
耐水剤をパルプ及び木質繊維に配合して含むか、又は育成用ポットの外面に塗布して含む、請求項1~7のいずれかに記載の育成用ポット。
【請求項9】
円錐台の母線と底面とがなす角の大きさが4°以上である請求項3に記載の育成用ポット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物苗の育成用容器、とくに山林樹苗育成用のポット及びトレイに関する。
【0002】
我が国における樹木その他の植物の苗の生産は、露地又は温室等の施設内において実生で行われるほか、挿し木によって行われる。
一方、海外の林業先進国では、苗木育成用のコンテナを用いるコンテナ育苗技術が確立され、近年、わが国でも国内林業向けのJFAコンテナ(マルチキャビティコンテナ)が開発され普及が拡大している。苗木育成用のコンテナには、個別のコンテナが分離したもののほか、多数の苗育成孔を有する硬質プラスチック製の育成用容器の形態のものが、樹種、育苗環境、作業性に応じて、容量、形状等様々なタイプがある。個別のコンテナがトレイと分離したタイプの場合、そのサイズは例えば上径約5cm、下径約1.5cm、高さ約15cmであり、先細りの形状である。
コンテナ育苗のメリットとして、(1)貯蔵や運搬などのハンドリングに優れること、(2)培地付き苗なので植栽適期の拡大が可能であること、植栽効率が高いこと等があげられる。
【0003】
なお、上記「コンテナ」の語とは別に、複数のコンテナを連結しトレイ状とした資材は「育苗トレイ」と称されることもあるが、本明細書においては「コンテナ」及び「育苗トレイ」を区別せずに用いる場合がある。
【0004】
実生育苗において育苗用のコンテナを用いる場合は、種子をコンテナに充填された培地に直接播種するか、あるいは露地、人工培地上で発芽させた幼植物を移植し、育苗する方法等が採られる。挿し木育苗において育苗用のコンテナを用いる場合は、台木(母樹)の穂を含む部分を切り取り(切り取られた部分を「挿し穂」という)、該挿し穂をコンテナに充填された挿し床に直接挿し木するか、あるいは露地、人工培地から床替えした穂を挿し木して発根させ、育苗する方法等が採られる。後者の方法による育苗(以下「挿し木育苗」という)においては、挿し穂を約200本/m以上の高い密度で生育せしめるといった面積当たり生産量を高め集約的な育苗管理が可能である(露地育苗では100本/m程度)。なお、挿し木(又は挿し付け)とは、挿し穂を植え付ける工程を意味する。
育苗用のコンテナは草本性の植物にも利用可能であり、この場合には当該コンテナは実生、挿し木の他、むかご、球根、地下茎、ランナー等の栄養繁殖器官を用いた育苗等が考えられる。
【0005】
コンテナを用いて実生苗及び挿し木苗等を製造する場合、基本的に以下の工程を経る:
(i)培地をコンテナに充填する工程
(ii)コンテナに充填した培地表面に播種、移植、挿し木用の穴を開ける工程。穴は通常、コンテナのほぼ中央部に開ける。ただし、播種の場合、植物の種類によっては穴開けを省略することがある。
(iii)該コンテナの培地の穴に、種子、幼植物、挿し穂を投入する工程。挿し木苗の場合、培地表面の穴に挿し穂の切り口を差し込み、該挿し穂の軸部(挿し付け部分)培地中に埋まるようにさらに挿し穂を培地中に埋め込む工程。挿し穂の軸部が培地中に埋まる長さは、挿し穂の大きさや、挿し木する植物種によって変わるが、通常1~15cm程度である。なお、培地に穴を開けずに播種を行う場合、種子は培地の表面に設置するのみである。
(iv)播種された種子、移植された幼植物、挿し木された挿し穂が育苗中に動かないようにする工程。(ii) の工程で開けた穴を埋める他、培地表面にさらに培地を追加、培地表面を上から押して培地を押し固めておく作業を伴うことがある。
上記工程(i)~(iv)の後のコンテナはトレイ等の容器に並べ、適宜運搬し、育苗に供される。挿し木育苗においては、工程(iv)での培地を押し固める工程は、培地と挿し穂の切り口をより緊密にし、挿し穂の切り口を通じた培地中からの水分吸収を効率的に行うことを可能にする効果もある。
【0006】
一方大量にかつ効率的に生産するためには機械化が不可欠であるところ、上記コンテナを用いて実生苗及び挿し木苗等を製造する場合の工程(i)~(iv)のうち、(i)及び(ii)の工程は例えば実生苗及び挿し木苗のいずれにおいても機械により行うことが容易であり、実際に機械化はなされている。例えば(i)については、コンテナ用培地充填機が開発され、用いられている。
【0007】
コンテナ以外の実生苗及び挿し木苗等を製造するための容器についても報告がなされており、材質が不織布で生分解性の素材等からなる軟質ポットを用いる育苗方法が、山林苗を中心に増えている。
例えば特許文献1及び2には、それぞれ生分解性の素材を用いた育苗用シート及びポットが、それぞれ記載されている。
特許文献3には、移植の際に地面に挿し込める強度のある素材筒状微多孔質焼成体(セラッミックの円筒)についての開示がある。
また非特許文献1には、シートを筒状にしてコンテナとして用いる技術が開示されている。
【0008】
生分解性の素材を用いた育成用ポットにおいてはコンテナ苗を生産する際に、根鉢形成が完全でない段階での出荷を可能にするほか、コンテナ容器からの抜取りを不要とする生分解性プラスチックの不織布によるポット形状のコンテナ(以下単に「ポット」ということがある)が注目を集めている。関連する技術として、培土充填板を用いる技術が報告されている(特許文献4)。
根鉢とは、鉢植えの植物がしっかりと根を張ったことにより土と根が固まりとなったものであり、苗を植えるまで根部の成型性を保つために必要なものである。
【0009】
生分解性の素材を用いた育成用ポットとして、特許文献5及び6には木質繊維とパルプが含まれる生分解性のポットについての記載があり、特許文献7には根巻き防止機能を備えた育成用容器と着脱可能なトレイで構成された器材についての記載がある。さらに天然素材を用いたポットとしてピートモスを用いたジフィーポットも知られている(特許文献8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2007-282538号公報
【文献】特開2011-55720号公報
【文献】特開2008-263822号公報
【文献】特開2011-244701号公報
【文献】特開2012-115235号公報
【文献】特開2002-65073号公報
【文献】特開2009-207389号公報
【文献】http://www.sakataseed.co.jp/product/search/id1952.html
【非特許文献】
【0011】
【文献】「Mスターコンテナを用いた挿木苗生産システムの開発と実用化」、宮崎林業技術センター、三樹陽一郎
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
実生苗及び挿し木苗等の苗を大量にかつ効率的に生産するためには機械化が不可欠であるところ、上記コンテナを用いて苗を製造する場合の工程(i)~(iv)のうち、前記のとおり(i)及び(ii)の工程は機械により行うことが容易であり実際に機械化はなされている。
一方、軟質ポットは自立せず、形状も不安定であるため、機械による培地・土壌充填作業がしづらく、基本的に個々のポットに手作業による培地充填が必要である。
軟質ポットを用いた育苗を行う場合、同ポットを予め硬質のプラスティックトレイに固定し、培地充填、苗を移植(樹木苗においては挿し木)した後に、ポットを取り外し通常のトレイに移し替える作業が行われる場合もある。かかる方法は個々のポットに手作業による培地充填が行われる上記方法に比べて作業効率は上がるが、作業工程が多く、また熟練が必要である。
かかる問題点に鑑み、容器を分割することで取り出しを容易にする製品が存在しているが(Stuewe&Sons社カタログ、12ページの"Open Book" )、当該容器においては通常のコンテナ容器のような土詰めが行えないという問題点がある。
このように軟質ポットを用いる育苗方法は、苗の効率的な大量生産には適用し難いのが現状である。
【0013】
木質繊維とパルプが含まれる生分解性のポットやピートモスを用いたポットによれば自立性は担保される。しかしながら生分解性ポットは一般的に、植栽後速やかに分解することを目的としているため耐久性に乏しく、長期間の育苗には適さない。
【0014】
上記背景の下、本発明者らは、植物の苗、とくに育苗に長期間(例えば8ヶ月~24ヶ月)を要する樹木の挿し木苗を大量にかつ効率的に生産するために、機械による培土の充填が従来の容器よりしやすく、かつ上記期間にわたり培地及び根系の維持がなされるとともに空気根切りが可能な育成用容器を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題に鑑み本発明者らが検討を行ったところ、従来の育成用容器の一部と同様な素材を用いた場合に、これまで検討さえされていなかった指標を調整することにより上記課題が解決される可能性を見出し、さらに鋭意研究を進めた結果本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくとも以下の発明に関する:
[1]
パルプ及び木質繊維を含む植物苗の育成用ポットであって、パルプと木質繊維の総重量に対する木質繊維の重量の割合が50%以下である育成用ポット。
[2]
耐水剤及び/又は紙力増強剤をさらに含む上記[1]の育成用ポット。
[3]
下方に先細りの円錐台の形状であり、下底面の直径の長さに対する上底面の直径の長さの割合が1.2倍~3倍であり、下底面の直径の長さに対する円錐台の高さの割合が3倍~7倍である上記[1]又は[2]の育成用ポット。
[4]
2つ又は3つ以上の上記[1]~[3]のいずれかの育成用ポットが連結した植物苗の育成用トレイ。
[5]
連結した育成用ポットを分離するための機構を備えた上記[4]の育成用トレイ。
[6]
連結した育成用ポットを分離するための機構がミシン目又は線状の薄肉部である上記[5]の育成用トレイ。
[7]
木質繊維が、篩い目70mmを通過する木質チップの爆砕処理による処理物である上記[1]~[3]のいずれかの育成用ポット。
[8]
木質繊維が、フルボ酸を含む、上記[1]~[3]及び上記[7]のいずれかの育成用ポット
[9]
耐水剤をパルプ及び木質繊維に配合して含むか、又は育成用ポットの外面に塗布して含む、上記[1]~[3]及び上記[7]~[8]のいずれかの育成用ポット。
[10]
円錐台の母線と底面とがなす角の大きさが4°以上である上記 [3]の育成用ポット。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、植物の苗、とくに育苗に長期間(例えば8ヶ月~24ヶ月)を要する樹木の挿し木苗を大量にかつ効率的に生産するために、機械化に馴染み培土の充填しやすく、かつ長期間の育苗を可能にする植物苗の育成用ポット及びトレイ育成用容器(植物苗の育成用ポット及びトレイを併せて「育成用容器」と記載することがある)が提供される。
より具体的には本発明の植物苗の育成用ポット又はトレイ(植物苗の育成用ポット及びトレイを併せて「育成用容器」と記載することがある)によれば、ポットの壁面に根が貫通し空気根切りされるため、植栽後も良好な成長が期待できる。また本発明の育成用容器は、従来の生分解性ポットの利点である抜き取り作業や使用後の回収・洗浄に付随する労力の低減、育苗期間の短縮といった特性も具備し、自動培地充填機による培地充填作業に対応可能である。したがって本発明の育成用容器によれば、良質な根系の山林苗の効率的な生産が可能である。
本発明の育成用容器のうち耐水剤及び/又は紙力増強剤をさらに含むものによれば、育成用容器の耐久性が増大するため、より確実に長期間の育苗が可能になる。
本発明の育成用ポットのうち下方に先細りの円錐台の形状であり、下底面の直径の長さに対する上底面の直径の長さの割合が1.2倍~3倍であり、下底面の直径の長さに対する円錐台の高さの割合が3倍~7倍である育成用容器によれば、育苗の際のスペースを有効に利用することができるため、苗を一層効率的に製造することができる。
木質繊維が、篩い目70mmを通過し、篩い目5mm以上に残る木質チップの爆砕処理による処理物である本発明の育成用ポットは、耐久性に一層優れるといった効果を奏する。
木質繊維がフルボ酸を含む本発明の育成用ポットは、育苗対象である植物の生育を促進するといった効果を奏する。
耐水剤をパルプ及び木質繊維に配合して含むか、又は育成用ポットの外面に塗布して含む本発明の育成用ポットによれば、生育過程における空気根切りの度合いを調節することができる。
本発明の育成用ポットのうち円錐台の母線と底面とがなす角の大きさが4°以上であるものは、製造がしやすく、製造効率の向上に資するという効果を奏する。
【0017】
本発明のトレイは1工程による本発明の育成用ポットの製造の効率を高めるものである。したがって本発明のトレイによれば、本発明の育成用ポットをより簡便に製造することができる。
本発明のトレイのうち連結した育成用ポットを分離するための機構を備え、とくに該機構がミシン目又は線状の薄肉部であるトレイによれば、苗の生育段階に応じてスペーシングを行いより効率的な育苗が可能になる。
【0018】
かかる構造及び機構ならびに効果は、特許文献1~8又は非特許文献1に開示されている技術と異なり、かつこれらの技術を従来の技術と組み合わせても到底想到し得ないものである。
また本発明の育成用ポット又はトレイにおいて、チップをメッシュ5~50mmで選別しさらに爆砕処理を施した木質繊維を用いるものにおいては、木質繊維が三次元構造で強度が出やすく、また製造時においてパルパーに混合しやすいため均質な育成用ポット又はトレイが製造できるといったメリットがある。
特許文献6にはパルプを主たる配合成分として含む原料をモールド成形して形成されたパルプモールド体によって構成され、土中での分解性を有するとともに、底壁と、その底壁の周縁から立ち上がる側壁とを備えた育苗ポットであって、前記側壁に薄肉部又は孔を設けたことを特徴とする育苗ポットが記載されている。しかしながら同文献にはかかる育苗ポットについての実際の製造例は記載されていない。
また特許文献6に記載の育苗ポットにおいては側壁に薄肉部が設けられているため、育苗ポットごと土中に埋設して定植を行った場合、その定植直後であっても、強度の弱い薄肉部を突き破って育苗ポットの外側へ苗の根を伸長させることが可能であり、そのため苗の生育を妨げるおそれを抑制することができるとされている。すなわち同育苗ポッにおける育苗は、育苗される植物の根がポットの内壁にまで伸長する前にポットごと植栽される使用が想定されており、空気根切りが必要になるような長期間にわたる育苗はそもそも想定されていない。したがって同文献の技術は耐久性を指向するものではなく、耐久性や耐久性を付与するための技術について、同文献には示唆さえするものではないのである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のトレイ型育成用容器の例を示す上部平面図(上側の図)及び側面図(下側の図)である。
図2】本発明の育成用ポットの上部平面図(上部左側の図)及び側面図(上部右側の図)、ならびに断面図(左下の図)である。長さはmm単位で示されている。
図3】本発明の育成用ポットの例(使用時の態様からはほぼ反転している)示す斜視図である。ポットは4連で1つのトレイ形態になっている。
図4】試験例1における結果を示す写真図である。同図下半分に写されている3つのサンプルに示されるとおり、いずれのポットでもポット表面から根が露出し根切り効果が見られ、また挿し木から10ヶ月後の時点においても初期の形状を保っていた。
図5】本発明の育成用ポットの側面図(台形)において、底辺に略垂直な線分と台形の脚とがなす角を特定して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の植物苗の育成用ポット及びトレイ(育成用容器)及び資材についてより詳細に説明する。
【0021】
本明細書において、「木質繊維」とは、樹木等の植物の幹又は枝を裁断、粉砕及び/又は蒸煮等を行い解繊して得られる繊維である。
【0022】
1.育成用ポット
上記のとおり本発明の育成用容器のうちポット型のものは、パルプ及び木質繊維を含む育成用ポットであって、パルプと木質繊維の総重量に対する木質繊維の重量の割合が50%以下である育成用ポットである。
【0023】
●パルプ
本発明の育成用ポットに用いられるパルプの種類は限定されず、本発明の目的を達成するものであれば天然パルプ及び合成パルプのいずれも用いることができる。
前記天然パルプは機械的処理又は化学的処理により産生されるものであり、以下のものが例示される:
・木材パルプ(N材、L材)
・非木材パルプ(ワラ、バガス、ケナフ、クワ)
・古紙パルプ。
また前記合成パルプとして以下のものが例示される:
・合成繊維
・熱可塑性樹脂繊維、
これらのパルプのうち天然パルプは入手しやすいため好ましく、古紙パルプはコストの面において好ましく用いられる。
【0024】
●木質繊維
本発明の育成用ポットに用いられる木質繊維の種類は限定されず、本発明の目的を達成するものであればいずれのものでも用いることができる。木質繊維の供給源として樹木が用いられる場合、樹木は針葉樹および広葉樹のいずれであってもよい。木質繊維の形状や大きさに制限はないところ、成形性の観点から例えば、繊維径は平均3mm以下であり、繊維長は平均20mm以下であってよい。
木質繊維の大きさや製法は限定されないところ、篩い目70mmを通過し、好ましくは50mmを通過する木質チップの爆砕処理による処理物を用いることは、育成用ポットに一層の耐久性を付与するため好ましい。
【0025】
●配合割合
パルプと木質繊維の総重量に対する木質繊維の重量の割合は上記のとおり50%以下である。かかる割合として0.1%~40%は好ましく、0.5%~40%はより好ましく、0.5%~35%は一層より好ましい。木質繊維の重量の割合が30%以下の場合には、育成用ポットの製造歩留まり及び成形性及び強度が優れるため最も好ましい。本発明の育成用ポットにおいては、木質繊維の重量の割合が10%以下又は10%未満であっても充分な歩留まり及び成形性・強度が奏される。
木質繊維を含む本発明の育成用ポットは、ポット自体の強度を高めるため好ましい。強度を高める観点からは、木質繊維の重量の割合として10%~30%は好ましい。
【0026】
耐水剤及び/又は紙力増強剤をさらに含む本発明の育成用ポットは好ましい。これらの剤を用いることにより育成用ポットの耐久性が増大するため、より確実に長期間の育苗が可能になるからである。
【0027】
耐水剤を用いることにより育成用ポットと水分との接触が減じられ、育成用ポットの耐水性が増す。また紙力増強剤を用いることにより育成用ポットが水分と接触した際の強度が増し、その結果育成用ポットの耐水性が増す。
なお本発明における紙力増強剤とは、育成用ポットの材料であるパルプや木質繊維各種化合物を意味する。また本発明における耐水剤とは、撥水作用等による耐水性を有する各種化合物を意味する。
耐水剤及び紙力増強剤を処理方法の例とともに以下に例示するが、本発明において用いられる耐水剤及び紙力増強剤はこれらに限定されない:
【表1】


【表2】
【0028】
耐水剤及び/又は紙力増強剤を用いる量は限定されず、仕込まれたパルプ及び木質繊維の重量に対してそれぞれ約1%~約5%の重量であってよい。
耐水剤及び紙力増強剤はパルプ及び木質繊維の混合物に混和して用いてよい。耐水剤については、ポットの内壁及び/又は外壁に塗布して用いてもよく、外壁のみに塗布することは、種類にもよるが、空気根切りがなされやすくなるため好ましい。
【0029】
また本発明の育成用ポットには、添加成分として育成用ポットに含有することができる成分を適宜添加してよい。かかる添加成分としてサイズ剤、防かび剤が例示される。
本発明の育成用ポットにおける木質繊維には、フルボ酸を含むことができる。フルボ酸を含む本発明の育成用ポットは、育苗対象である植物の生育を促進するため好ましい。
【0030】
本発明の育成用ポットは、形状や大きさは限定されない。
ポットの形状は、例えば長軸方向に垂直な方向における断面(横断面)の形状は多角形や円形であってよい。コンテナの形状は、典型的には細長の円錐台や四角錐台の形状である。ポットの大きさは、例えば上径約3.5cm~約7.0cm、下径約2.0cm~約4.0cm、高さ約10cm~約18cmであり、用いられる植物の種類等に応じて決定してよい。高さを約10cm以上にすることにより、苗木の生育を保持することができるため好ましい。
本発明のポットの厚みも限定されず、例えば約0.3mm~約5.0mmであってよく、約0.5mm~約4.0mmは好ましく、約0.5mm~約3.5mmはより好ましい。また本発明のポットのうち全体に均一な厚みであるものは、製造がしやすいため好ましい。
【0031】
また下方に先細りの円錐台の形状であり、下底面の直径の長さに対する上底面の直径の長さの割合が約1.2倍~約3倍であり、下底面の直径の長さに対する円錐台の高さの割合が約3倍~約7倍である。下底面の直径の長さに対する上底面の直径の長さの割合として約1.4倍~約2.5倍は好ましく、約1.5倍~約2.5倍はより好ましい。下底面の直径の長さに対する円錐台の高さの割合として約3倍~約7倍は好ましく、約4倍~約6倍はより好ましい。
本発明の育成用ポットにおいて下方に先細りの円錐台の形状を有するもののうち、該円錐台の母線と底面とがなす角の大きさが約4°以上であるものは、製造がしやすく、製造効率の向上に資するため好ましい。「円錐台の母線と底面とがなす角」とは、本発明の育成用ポットの側面図(台形)において、底辺7に略垂直な線分と台形の脚8とがなす角θを指す(図5)。角θとして約4°~約10°は好ましく、約4.5°~約8°はより好ましく、約5°~約7°は一層より好ましい。
さらに本発明の育成用ポットにおいて、上記のように円錐台の母線と底面とがなす角の大きさが4°以上であり、かつ高さが約10cm以上であるものは、製造効率が一層向上するためより好ましい。
【0032】
本発明のポットのうち、壁面にスリットを有するものは、培地の水分量の調節をしやすくするため好ましい。スリットの数として、2本又は4本は好ましい。スリットは壁面の下部に設けてよく、最下端はポットの底部に達してよく、スリットにつながる孔部が底面に設けられていてもよい。
本発明のポットのうち、ポット底面に排水用の穴を具備するものは、培地中の水分量の調節がより簡便に行えるため好ましい。
【0033】
2.トレイ型育成用容器
本発明のトレイ型育成用容器、すなわち植物育成用トレイは、2つ又は3つ以上の上記本発明の育成用ポットが天板を介して連結したトレイである。連結されるポットの個数は限定されず、例えば図1においては、開口部5を備える合計35個のポット2が天板3により開口部付近の位置で連結される形態で、トレイ1を構成している。天板の位置(開口部に対する高さ)は製造の効率等を考慮して上下させてよい。
【0034】
本発明の植物育成用トレイは各ポットを分離せず、そのまま一体として用いてよい。また本発明の植物育成用トレイのうち、連結した育成用ポットを分離するための機構を備えるもの、とくに該機構がミシン目4であるものによれば、苗の生育段階に応じてスペーシングを行うより効率的な育苗が可能になるため、好ましい。本発明の育成用容器により育成される植物苗の育成が長期間に及び、苗の水平方向への伸長が大きい場合はあるため、スペーシングを容易に行えることは、本発明の植物育成用トレイの利点である。
連結した育成用ポットを分離するための機構は限定されず、ミシン目のほか線上の薄肉部等の分離をしやすくするものであってよい。
【0035】
植物育成用トレイの材料や製造方法は、植物育成用ポットにおいて用い得るものがそのまま用いられる。
【0036】
3.本発明の植物苗の育成用容器の使用方法
(培地の充填)
本発明のポット型育成用容器への培地の充填は、従来の軟質性生分解性ポットとは異なり自立性を有するため、培地充填機を用いて行うことができる。
【0037】
本発明の育成用容器を挿し木育苗に用いる場合において挿し穂の栽植密度は、高密度であることは挿し木苗の生産効率の面から好ましく、約200本/m以上はより好ましく、約240本/m以上は一層好ましく、約300本/m以上はより一層より好ましい。
本発明の植物育成用トレイは各ポットに分離しないまま用いてもよいし、一部のポットのみを分離して用いてもよい。あるいは、苗木が一定以上の大きさに生長した時点で、密度を低くするために分離して用いてもよい。
【0038】
(植物)
本発明の育成用容器が適用される植物の種類は、コンテナでの育苗が可能な植物であればとくに限定されず、生育ステージもとくに限定されない。
前記植物の例としては木本性及び草本性の植物が挙げられる。
木本性の植物としてスギ、ヒノキ、クロマツ、カラマツ、エゾマツ等の針葉樹、ミズキ、サクラ、シイ、カシ、カエデ、コナラ、ハンノキ、ヤナギ、キョウチクトウ、バラ等の広葉樹、その他主として海外で植林される樹種であるアカシア、ユーカリ等が例示される。
草本性の植物としてベゴニア、ゼラニウム、カーネーション、キク等の花卉類、トマト、キュウリ、セイジ等の野菜類が例示される。本発明の育成用容器を草本性の植物に適用する場合、植物の増殖形態やステージは限定されず、むかご、球根、地下茎、ランナー等を用いることができる。
本発明の資材が好適に用いられる植物としてスギ、ヒノキ、クロマツ、カラマツ及びエゾマツが例示され、これらのうちスギ、ヒノキ及びカラマツにとくに好適である。
【0039】
(培地)
本発明において用いられる培地は限定されず、対象植物の育苗に適切に用いられるものであってよい。培地の例として、赤玉土、鹿沼土、ピートモス、ココピートといった資材が例示される。対象植物がスギ又はヒノキである場合、培地が、赤玉土主体の培土である本発明の資材は好ましい。また、培地として毛管力に優れた他の媒体(マット材、保水材等)を用いてもよい。したがって、本発明における「培地」には、上記したような毛管力に優れた培土以外の他の媒体も包含される。
培地の量は、ポットのほぼ内容積全体に培地が充填される量であればよい。このような量を用いることにより、例えば木本性の植物においては挿し木後の挿し穂を安定させることができる。
【0040】
(育苗方法及び植栽方法)
本発明の育成用容器を用いた場合の苗の育苗方法はとくに限定されず、対象植物のポット苗を育苗する際の通常の方法に従って行うことができる。
育苗された苗を植栽するに際しては、育苗された苗をポット又はトレイから抜き取らずそのまま山林に植栽できるため、植栽を簡便に行うことができる。本発明のトレイ型育成用容器としての植物育成用トレイにおいては、植栽の際に各ポットを分離して植栽が行われる。
【0041】
4.本発明の育成用容器の製造方法
本発明の育成用容器の製造方法は限定されず、従来の育成用容器として本発明の育成用容器と同様な大きさ・形状及び/又は素材からなるものの製造方法を用いることができる。
例えば本発明の育成用容器は、公知のパルプモールド体の製造方法により行ってよい。すなわち、パルプ及び木質繊維を主たる配合成分として含む原料を抄造して所定形状の湿潤成形体を形成し、該湿潤成形体を乾燥させることにより本発明の育成用ポットを製造することができる。
【0042】
また本発明の育成用容器は、以下の各工程を含む方法(原質)により製造することもできる:
(1)原質装置としてのパルパーへのパルプ及び木質繊維を含む材料(ならびに任意に耐水剤及び/又は紙力増強剤等の他の成分)の仕込み;
(2)原質調整機による異物除去及び濃度調整といった原質の調整;
(3)成形機による所望の形状への成形;及び
(4)乾燥機による乾燥。
原質とは、木材チップから繊維を取り出し所望のパルプに調製する工程であり、原質を行うために用いられる装置が原質装置である。
上記(1)~(3)の工程における材料と水との配合比は限定されない。原質の調整より得られるスラリーにおけるパルプ及び木質繊維の濃度として、約0.5%~約1.5%は好ましい。前記濃度は、スラリー全体の重量に対する、パルプと木質繊維とを併せた総重量の割合である。
本発明の育成用容器において下方に先細りの円錐台の形状を有するもののうち、該円錐台の母線と底面とがなす角の大きさが約4°以上であるものは、上記(2)~(3)の工程において、繊維の影響を受けることなく型枠から脱形することが容易であり、所定の形状に成形することができるため好ましい。
【実施例
【0043】
以下において本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例によりいかなる意味においても限定されるものではない。
[実施例1]本発明の植物苗の育成用容器の作製(1)(ポットタイプ)
以下の形状、容量を有するポットを、木質繊維及び古紙パルプを用いて作製した(図2)。
・形状:上面径60mmφ、下面径26mmφ、高さ155mm、厚み3mm(薄肉部なし)
・容量:200ml
原料として木質繊維(爆砕処理後のもの)と古紙パルプを、それぞれの合計重量に対して30%及び70%の割合で水に混和・配合して用いた。
なおポットの作製は4連を1つのトレイ形態にすることにより行い、ポットの壁面にはほぼ均等に配置された4箇所のスリット底部付近に設けた。
上記材料を用い、上記形状及び容量の育成用ポットを作製した(図3)。
【0044】
[実施例2]本発明の植物苗の育成用容器の作製(1)(ポットタイプの製造条件、製品の成形性・強度の評価)
以下の形状、容量を有するポットを、実施例と同様に木質繊維及び古紙パルプを用いて作製した。
・形状:上面径60mmφ、下面径26mmφ、高さ155mm、厚み3mm(薄肉部なし)
・容量:200ml
原料として木質繊維(爆砕処理後のもの)と古紙パルプを、それぞれの合計重量に対して木質繊維の割合を0%~100%(10%刻み)とし、水に混和・配合して用いた。水にパルプ及び木質繊維を混和した際のパルプ及び木質繊維の総濃度は1%であった。
なおポットの作製は4連を1つのトレイ形態にすることにより行い、ポットの壁面にはほぼ均等に配置された4箇所のスリット底部付近に設けた。
上記材料を用い、上記形状及び容量の育成用ポットを作製し、各木質繊維の割合に対する、製造されるポットの歩留まり、製品の成形性・強度についての評価を行った。木質繊維の混合割合につき、4つのポットにより評価を行った。
歩留まりについては、全製造個数における、ポットとして成形されたものの割合により特定した。
成形性は、すべての成形されたポットについて、木質繊維の混合割合が0%であるものを基準として、以下の指標により行った。
◎・・・木質繊維の混合割合が0%であるものと同等の成形性
○・・・木質繊維の混合割合が0%であるものとほぼ同等の成形性
△・・・木質繊維の混合割合が0%であるものよりやや劣る成形性
×・・・木質繊維の混合割合が0%であるものより明らかに劣る成形性
強度は、すべての成形されたポットについて、木質繊維の混合割合が0%であるものを基準として、以下の指標により行った。
◎・・・木質繊維の混合割合が0%であるものより優れる強度
○・・・木質繊維の混合割合が0%であるものと同等の強度
△・・・木質繊維の混合割合が0%であるものよりやや劣る強度
×・・・木質繊維の混合割合が0%であるものより明らかに劣る強度
【0045】
結果を表3に示す。
【表3】

木質繊維の混合割合が小さい方が歩留まり及び成形性は優れていた。実用的には、歩留まりは70%以上が望まれ、成形性・強度としては上記基準による△(木質繊維の混合割合が0%であるものよりやや劣る成形性・強度)が必要であると考えられた。すなわち、本試験における材料においては、木質繊維の混合割合は50%以下であれば製造上及び使用上の問題はないと考えられた。
なお、強度は木質繊維を添加することにより高まり、特定の範囲内においてとくに高まることが明らかになった。すなわち、ポットの強度は、木質繊維の混合割合が10%以上、40%以下の場合に優れ、10%以上、30%以下の場合にとくに優れていた。木質繊維の混合割合が10%以下又は10%未満の場合にも、ポットの強度は実用上の問題はないものであった。
【0046】
<試験例1>ポットの性能確認試験
本発明の育苗ポットについて、育苗期間中の耐久性及び安定性の確認を、実際に育苗を行うことにより行った。
また、育苗期間中の苗木の生育への影響、及び根の伸長具合(ポット外への伸長)についても併せて確認を行った。
【0047】
(供試サンプル)
表4の組成を有する本発明の育成用ポットを、実施例1に記載の方法と同様な方法により製造した。なお木質繊維としてDWファイバー(爆砕処理後の木質繊維)を用い、耐水剤及び紙力増強剤は古紙パルプ及びDWファイバーに配合して用いた。表3において%で示されている数値は仕込み時の重量%を示す。古紙パルプ含量とDWファイバー含量は、これらの重量を合わせた重量を基準(100%)とした表記である。耐水剤含量は、水及びその他の材料を配合する際の配合物全体の重量に対する耐水剤の重量の割合である。試験は4連制で行った。
【表4】

【0048】
(育苗準備操作、供試植物及び育苗管理)
育苗用の培地(ピートモスに赤玉を配合したもの)を各供試サンプルのポットに充填し、スギ(品種:タノアカ)を挿し木した(4月10日)。
その後温室内(茨城県)において通常の管理により育苗を行った。潅水は苗木の生長、天候に合わせて適宜行った。
【0049】
(結果)いずれのポットも挿し木から10ヶ月後の時点においても初期の形状を保っていた(図4)。また空気根切りがなされ、根巻きは生じなかった。
【0050】
[参考例1]本発明の植物苗の育成用容器の作製(2)(トレイタイプ)
実施例1に示したポットの同じ大きさ・形状(上面径60mmφ、下面径26mmφ、高さ155mm、厚み3mm(薄肉部なし)、容量:200ml)を天板により上端部において連結した形状の植物苗の育成用トレイを、木質繊維及び古紙パルプを用いて作製する。
原料及び配合割合は実施例1と同じとした。すなわち、木質繊維(爆砕処理後のもの)と古紙パルプを、それぞれの合計重量に対して30%及び70%の割合で配合して用いた。
既存のポットフォルダーを使用し、35個のポットが連結(7×5)したトレイ状に加工した。また、ポット分離のためのミシン目を入れる(図5)。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、実生苗及び挿し木苗等を大量にかつ効率的に生産するために、機械化に馴染む資材が提供される。したがって本発明は植物栽培業及びその関連産業の発展に寄与するところ大である。
【符号の説明】
【0052】
1 トレイ
2 ポット
3 天板
4 ミシン目
5 ポットの開口部
6 スリット
7 側面図における底辺
8 側面図における脚
図1
図2
図3
図4
図5