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  • 特許-容器方向判定装置および容器搬送装置 図1
  • 特許-容器方向判定装置および容器搬送装置 図2
  • 特許-容器方向判定装置および容器搬送装置 図3
  • 特許-容器方向判定装置および容器搬送装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】容器方向判定装置および容器搬送装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20230112BHJP
   B65G 47/84 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G01B11/26 H
B65G47/84 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018084566
(22)【出願日】2018-04-25
(65)【公開番号】P2019191014
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】木戸口 賢
(72)【発明者】
【氏名】中川 圭太郎
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0147360(US,A1)
【文献】特開昭62-127602(JP,A)
【文献】国際公開第2016/026035(WO,A1)
【文献】特開2012-220473(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102005041497(DE,A1)
【文献】国際公開第2011/121732(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299445(US,A1)
【文献】特開平05-294438(JP,A)
【文献】実開昭60-061215(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/26
B65G 47/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送する回転テーブルの搬送径路の外周に沿って設けられ、側面が複数の平面によって構成された多角形断面形状の胴部を有する容器の向きを判定する容器方向判定装置であって、
上記容器の胴部に対して上記回転テーブルの外方から略水平な直線状のライン光を照射するライン光照射手段と、上記容器の胴部に投射されたライン光を、上記ライン光の照射方向とは異なる方向から撮影する撮影手段と、上記容器の胴部の平面に投射されるライン光の傾斜角度と容器の向きとを関連付けて記憶する記憶手段と、上記撮影手段が撮影した上記容器の胴部の平面に投射されたライン光の傾斜角度に対応する容器の向きを上記記憶手段から読みだして判定する判定手段とを備えたことを特徴とする容器方向判定装置。
【請求項2】
側面が複数の平面によって構成された多角形断面形状の胴部を有する容器を載置する載置テーブルと、当該載置テーブルを回転させる駆動手段と、上記載置テーブルに載置された容器の向きを判定する容器方向判定装置とを備え、
上記容器方向判定装置が判定した容器の向きに応じて、上記駆動手段が載置テーブルを回転させて上記容器を所定の向きに向ける容器搬送装置において、
上記容器方向判定装置として、上記請求項1に記載の容器方向判定装置を備えたことを特徴とする容器搬送装置。
【請求項3】
上記載置テーブルは、回転可能に設けられた上記回転テーブルの外周に沿って等間隔に設けられ、また各載置テーブルの上方に、上記容器の上部を支持するトップロケータが設けられ、
上記撮影手段は、上記載置テーブルとトップロケータとによって上下から支持した状態で搬送される容器を撮影することを特徴とする請求項2に記載の容器搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器方向判定装置および容器搬送装置に関し、詳しくは側面が複数の平面によって構成された多角形断面形状の胴部を有する容器の方向を判定する容器方向判定装置と、当該容器方向判定装置を備えた容器搬送装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば側面が複数の平面によって構成された多角形断面形状を有する物品として、胴部が角柱状に形成された容器が知られ、このような容器にラベルを貼付する際には、当該ラベルに印刷された商品名等が上記平面に位置するようにしている。
上記角柱状の容器の所定の位置にラベルを貼付するためには、予め容器の向きを認識しなければならず、このため接触子を容器の側面に接触させ、当該接触子の移動量に基づいて容器の方向を判定する物品方向判定装置が用いられていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平7-6789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成の場合、上記接触子を物品の側面に接触させるため、上記接触子によって物品に傷がつく恐れがあり、また接触子の交換が必要になるなど、メンテナンスが煩雑であるという問題があった。
また上記接触子を接触させて物品の向きを判定する構成では、高速で移動する物品の向きを判定するのが困難であり、当該特許文献1に記載された構成を高速搬送を行う物品搬送装置に適用することはできなかった。
このような問題に鑑み、本発明は非接触により多角形断面形状の物品の向きを判定することが可能な物品方向判定装置を提供するとともに、高速に多角形断面形状の物品の向きを判定しながら搬送することが可能な物品搬送装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる容器方向判定装置は、容器を搬送する回転テーブルの搬送径路の外周に沿って設けられ、側面が複数の平面によって構成された多角形断面形状の胴部を有する容器の向きを判定する容器方向判定装置であって、
上記容器の胴部に対して上記回転テーブルの外方から略水平な直線状のライン光を照射するライン光照射手段と、上記容器の胴部に投射されたライン光を、上記ライン光の照射方向とは異なる方向から撮影する撮影手段と、上記容器の胴部の平面に投射されるライン光の傾斜角度と容器の向きとを関連付けて記憶する記憶手段と、上記撮影手段が撮影した上記容器の胴部の平面に投射されたライン光の傾斜角度に対応する容器の向きを上記記憶手段から読みだして判定する判定手段とを備えたことを特徴としている。
また請求項2の発明にかかる容器搬送装置は、側面が複数の平面によって構成された多角形断面形状の胴部を有する容器を載置する載置テーブルと、当該載置テーブルを回転させる駆動手段と、上記載置テーブルに載置された容器の向きを判定する容器方向判定装置とを備え、
上記容器方向判定装置が判定した容器の向きに応じて、上記駆動手段が載置テーブルを回転させて上記容器を所定の向きに向ける容器搬送装置において、
上記容器方向判定装置として、上記請求項1に記載の容器方向判定装置を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記請求項1の発明によれば、側面が複数の平面によって構成された多角形断面形状の胴部を有する容器の胴部(側面)にライン光を照射し、これと異なる方向から当該容器の側面を撮影すると、図3図4に示すように当該容器の向きに応じて当該容器の胴部の平面に投射されるライン光の傾斜角度が異なることから、当該ライン光の傾斜角度に基づいて容器の向きを判定することができる。その際、容器に接触子を接触させる必要はないので、容器の損傷が防止されるとともに接触子の交換が不要となる。また非接触であることから高速処理をすることができる。
また上記請求項2の発明によれば、容器の向きを請求項1の発明にかかる容器方向判定装置を用いて判定することで、容器の向きを判定しながら高速に搬送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施例にかかる容器検査装置の平面図
図2】ラベル検査装置の側面図
図3】物品方向判定装置の動作を説明する図
図4】物品方向判定装置の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、図1は物品としての容器1の検査を行う容器検査装置2の平面図を示し、具体的には上記容器1の胴部1aに貼付されたラベル3の検査を画像処理により行うものとなっている。
上記容器1の胴部1aは、図3図4に示すように側面が複数の平面Pによって構成された多角形断面形状の柱状を有しており、本実施例では4つ平面Pによって構成された略正方形断面形状を有している。なお上記断面形状としては5角形や6角形等の多角形であってもよく、また平面Pと平面Pとの境界部分にコーナーRや面取り形状が形成されていてもよい。
そして上記容器1には予め飲料等が充填されて上部にはキャップ1bが装着されており、また胴部1aにはシュリンクラベルなどのラベル3が貼付されている。上記ラベル3には、上記胴部1aを構成する平面Pに合わせて商品名や原材料表示が印刷されている。
そして本実施例の容器検査装置2では、上記容器1に対するラベル3の印刷位置のずれや印字内容、また貼付されたラベル3のしわやめくれを検査するようになっている。
【0009】
上記容器検査装置2は、上記容器1を搬送する物品搬送装置としての回転テーブル11と、当該回転テーブル11による容器1の搬送経路に沿って設けた物品方向判定装置12と、当該物品方向判定装置12よりも搬送方向下流側に設けられたラベル検査装置13と、これらを制御する制御手段14とを備えている。
図2に示すように、上記回転テーブル11の外周には、等間隔に上記容器1を載置する載置テーブル15と、各載置テーブル15の上方に設けられて上記容器1を上方から支持するトップロケータ16とを備えている。
上記回転テーブル11に隣接した位置には、上記回転テーブル11に容器1を供給する供給ホイール17と、回転テーブル11から容器1を取り出す排出ホイール18とが設けられ、これら供給ホイール17および排出ホイール18の外周には図示しないが等間隔にグリッパが設けられ、当該グリッパを介して容器1の供給や取り出しが行われるようになっている。
なお、上記供給ホイール17および排出ホイール18を用いた容器1の供給や取り出しについては従来公知であるため、詳細な説明については省略するものとする。
【0010】
図2は上記容器検査装置2における、上記物品方向判定装置12による方向判定位置(図1のB)での断面図を示している。
上記回転テーブル11は、図示しない駆動手段によって回転する上下に設けられた第1、第2プレート21、22を備え、上記載置テーブル15は下段の第1プレート21に、上記トップロケータ16は上段の第2プレート22にそれぞれ設けられている。
上記載置テーブル15は上記第1プレート21に固定された筒状の保持部材23に対して回転可能に設けられ、その上面に形成された載置面の中央に上記容器1が載置されるようになっている。
上記載置テーブル15には、上記保持部材23の内部を回転可能に設けられた駆動軸24が連結され、当該駆動軸24は上記第1プレート21の下面に突出するとともに、下端部にはプーリ24aが設けられている。
そして上記第1プレート21の下面には各載置テーブル15ごとにそれぞれサーボモータ25が設けられており、ベルト26を介して上記駆動軸24に設けられたプーリ24aに接続されている。
上記サーボモータ25は上記制御手段14によって制御されるようになっており、上記載置テーブル15を回転させて容器1を任意の向きに向けることが可能となっている。
【0011】
上記トップロケータ16は、上記第2プレート22に固定された筒状の保持部材31によって当該第2プレート22の下方に保持され、昇降手段32によって昇降可能に設けられている。
上記トップロケータ16の下面には上記容器1のキャップ1bと嵌合する凹部が形成されており、トップロケータ16を上記昇降手段32によって下降位置に位置させると、上記凹部がキャップ1bに嵌合して、容器1の中心軸をトップロケータ16の回転中心に一致させるようになっている。
上記昇降手段32は、上記トップロケータ16に連結されるとともに上記保持部材31の内部に回転可能に収容されたた昇降ロッド33と、上記昇降ロッド33の上端部に保持部材34を介して設けられたカムフォロア35と、上記カムフォロア35を上下に移動させるカム36とから構成されている。
上記昇降ロッド33は上記トップロケータ16に連結された第1管状部材33aと、上記カムフォロア35の保持部材34に連結された第2管状部材33bとによって構成され、上記第1管状部材33aと上記第2管状部材33bとの間には段差形状が形成されている。
そして上記第1、第2管状部材33a、33bに形成された段差形状と上記保持部材31の内部に形成された段差形状との間にはばね37が弾装され、当該ばね37によって上記昇降ロッド33を常時下方に向けて付勢するようになっている。
上記カムフォロア35は上記カム36に対して下方から当接するようになっており、上記ばね37の付勢力に抗してカムフォロア35がカム36によって下方に移動することで、上記トップロケータ16が下方に移動するようになっている。
また上記昇降ロッド33は保持部材31の内部で回転可能に設けられており、上記トップロケータ16が容器1のキャップ1bに嵌合した状態で、当該容器1の載置された載置テーブル15が回転すると、摩擦力によってトップロケータ16の回転が許容されるようになっている。
【0012】
上記物品方向判定装置12は、上記容器1の胴部1aの側面にライン状のライン光Lを照射するライン光照射手段41と、上記容器1の平面Pに投射されたライン光Lを撮影するCCDカメラ等からなる撮影手段42と、上記撮影手段42が撮影した画像から、上記容器1の平面Pに投射されたライン光Lの傾斜角度を認識して上記容器1の向きを判定する判定手段43とから構成されている。
上記ライン光照射手段41および撮影手段42は上記回転テーブル11の外周に設けられており、図1に示す平面視では、ライン光照射手段41の照射方向および撮影手段42の撮影方向はともに当該回転テーブル11の中心を向くように設けられている。
一方、図2に示す側面視では、上記ライン光照射手段41は載置テーブル15に載置された容器1に対して斜め45°上方からライン光Lを照射するように設定され、上記撮影手段42は上記容器1とほぼ同じ高さから水平方向に撮影するようになっている。
換言すると、上記ライン光照射手段41によるライン光Lの照射方向と、上記撮影手段42による撮影方向とは相互に異なっており、上記容器1の平面Pの近傍において交差するように設定されている。
【0013】
そして上記ライン光照射手段41は、水平方向を向いた直線状のライン光Lを斜め下方に位置する容器1の胴部1aに向けて照射することで、当該胴部1aを構成する平面Pに当該ライン光Lが投射されるようになっている。
このとき平面Pに投射されるライン光Lは、上記載置テーブル15上に載置された容器1の向きに応じて、上記撮影手段42によって異なる傾斜角度で投射されることとなる。
そして撮影手段42が撮影した画像は、上記判定手段43によって画像処理され、判定手段43では平面Pに投射されたライン光Lの傾斜角度から、上記容器1の向きを判定するようになっている。
そのために、予め容器1の向きを徐々に回転させながら、当該容器1にライン光Lを照射し、その際に容器1の平面Pに投射されたライン光Lの傾斜角度を測定して、容器1の向きと上記傾斜角度とを関連付けて記憶手段に記憶させておく。
これにより、判定手段43は、撮影手段42が撮影した画像からライン光Lの傾斜角度を認識すると、上記記憶手段からこれに対応する容器1の向きを読み出して、これを当該容器1の向きとして判定するようになっている。
【0014】
図3図4は、載置テーブル15に載置された容器1に対して上記ライン光照射手段41がライン光Lを照射した場合に、ライン光Lがどのように容器1の側面に投射され、その際の当該ライン光Lの傾斜角度がどのように変化するかを説明する図となっている。
図3図4において、(a)は撮影手段42が撮影した画像を、(b)は上記容器1を上方から見た図を、(c)は上記容器1を側方から見た図を示している。
図3は、容器1の側面を構成する一つの平面Pがライン光照射手段41に正対している状態を示している。この場合、図3(c)に示すようにこの容器1に対して斜め上方からライン光Lを照射すると、図3(b)に示すようにライン光Lは上記一つの平面Pにのみ投射される。
その結果、図3(a)に示すように、上記一つの平面Pに投射されるライン光Lは略水平方向を向いた一本の直線として上記撮影手段42によって撮影されることとなる。
そして上記判定手段43は、撮影手段42が撮影した画像を画像処理して当該ライン光Lの傾斜角度が0°であることを認識し、上記記憶手段からライン光Lの傾斜角度が0°であるときの容器1の向きが、当該容器1の平面Pがライン光照射手段41に正対した0°であると判定するようになっている。
【0015】
これに対し図4は、容器1が上記図3に対して水平に45°回転した状態を示しており、容器1の胴部1aの断面を構成する一つの頂点が撮影手段42を向いた状態を示している。
この容器1に対して斜め上方からライン光Lを照射すると、図4(b)に示すように2つの平面Pに対してライン光Lが投射され、また図4(c)に示すようにライン光照射手段41の照射方向と同じ斜め下方を向いた直線になって投射されることとなる。
これを撮影手段42によって撮影すると、図4(a)に示すように、ライン光Lは略への字形を有した2つの直線となって撮影され、判定手段43は、上記2つの直線状のライン光Lのうち、いずれか一方のライン光Lの傾斜角度を認識して、上記記憶手段からこれに対応する容器1の向きが45°であると判定する。
【0016】
上記ラベル検査装置13は、上記回転テーブル11における物品方向判定装置12よりも下流側となる位置に設けられた4台の第1~第4カメラ44A~44Dと、当該第1~第4カメラ44A~44Dに接続された判定手段45とによって構成されている。
図1において、上記第1~第4カメラ44A~44Dの設けられた検査範囲Dでは、それぞれ上記容器1の胴部1aを構成する4つの平面Pを順次撮影するようになっており、このため各平面Pが順次第1~第4カメラ44A~44Dに正対するよう、上記載置テーブル15を回転させるようになっている。
また、上記検査範囲Dの上流側に隣接した方向修正区間Cでは、容器1の一つの平面Pが上記第1カメラ44Aを正対するよう、上記物品方向判定装置12が判定した容器1の向きに応じて、当該容器1の平面Pが上記第1カメラ44Aに正対するよう、制御手段14が上記載置テーブル15を回転させるようになっている。
その後、容器1が第1カメラ44Aから第2カメラ44Bに移動する間に、制御手段14は載置テーブル15を90°回転させて別の平面Pを第2カメラ44Bに正対させ、その後順次載置テーブル15を90°ずつ回転させることで、その他の平面Pを第3、第4カメラ44C、44Dに正対させるようになっている。
そして第1~第4カメラ44A~44Dが撮影した容器1の画像は、上記判定手段45に送信され、判定手段45では従来公知の画像認識技術を用いることにより、容器1に装着されたラベル3の印字位置や、ラベル3のしわやまくれを検査するようになっている。
判定手段45は、上記4つの平面Pのうちのひとつでも異常が見つかった場合には、当該容器1が不良であると判断し、図示しない後工程において当該不良と判断された容器1をリジェクトするようになっている。
なお、上記回転テーブル11の搬送経路に沿って、上記ラベル検査装置13の他に、キャップ1bの装着状態や充填された飲料の内容量を検査する手段を設けてもよい。
また、本実施例では容器1の胴部1aを構成する4つの平面Pを撮影して検査を行うが、例えば120°ずつ容器1を回転させ、3台のカメラによって容器1の胴部1aを撮影することによっても、容器1の胴部1aの全周を検査することができる。
【0017】
上記構成を有するラベル検査装置13の動作について説明すると、最初に、上記容器1は供給ホイール17によって搬送されるが、この時当該供給ホイール17では容器1をランダムな向きで容器1を保持している。
そして上記回転テーブル11と供給ホイール17とが隣接した受取位置Aでは、上記供給ホイール17に保持された容器1が上記載置テーブル15に載置され、その後直ちに上記トップロケータ16が下降して当該容器1に上方から当接する。
上記容器1をトップロケータ16と載置テーブル15とによって上下から支持することで、上記回転テーブル11を高速で回転させても上記容器1を載置テーブル15上に保持することが可能となり、ラベル検査装置13における処理を高速に行うことができる。
また上記受取位置Aにおいて載置テーブル15に載置される容器1の向きもランダムとなっている。
【0018】
上記受取位置Aの下流側には物品方向判定装置12による方向判定位置Bが設定され、上記ライン光照射手段41が斜め上方より容器1に対してライン光Lを照射し、上記撮影手段42が上記容器1の胴部1aに投射されたライン光Lを撮影する。
すると、上記判定手段43は撮影手段42が撮影した画像から上記ライン光Lの傾斜角度を認識し、記憶手段に記憶されている当該傾斜角度に対応する容器1の向きを読み出して、これを上記載置テーブル15に載置された容器1の向きとして判定する。
【0019】
このようにして容器1の向きが判定されると、上記方向判定位置Bの下流側に位置する方向修正区間Cにおいて、判定した容器1の向きに応じて上記載置テーブル15を回転させ、上記容器1の側面を構成する4つの平面Pのうち、いずれか一つの平面Pを回転テーブル11の外周に向ける。
具体的には、上記物品方向判定装置12において判定した容器1の向きは0°から45°の範囲となっており、上記制御手段14は容器1の向きが0°となるように上記サーボモータ25を制御して載置テーブル15を回転させ、いずれかの平面Pが回転テーブル11の外方を向くようにする。
【0020】
上記方向修正区間Cにおいて容器1の一つの平面Pが外方を向くと、その後当該容器1は検査区間Dを通過し、上記ラベル検査装置13によって当該容器1に貼付されたラベル3の検査が行われる。
この検査区間Dでは、上記容器1はラベル検査装置13を構成する第1~第4カメラ44A~44Dを通過し、各カメラとカメラとの間では上記載置テーブル15が90°ずつ回転することで、容器1の胴部1aを構成する4つの平面Pが撮影される。
そして第1~第4カメラ44A~44Dに接続された判定手段45では、第1~第4カメラ44A~44Dが撮影した画像に基づいてラベル3の検査を行い、4つのすべての平面Pにおいてラベル3に異常が見つからなかった容器1だけを良品と判断する。
その後、上記容器1が上記回転テーブル11と排出ホイール18とが隣接した受渡位置Eに位置すると、上記トップロケータ16が上方に退避して、容器1が回転テーブル11の載置テーブル15から上記排出ホイール18へと受け渡されるようになっている。
【0021】
上記実施例にかかる上記物品方向判定装置12を用いることで、ランダムな向きで搬送される容器1の側面にライン光Lを照射すれば、当該容器1の向きを非接触で判定することができる。
このため、容器1に装着されたラベル3を損傷させることなく、また非接触であることから高速に処理することができ、接触子の交換といったメンテナンスも不要となる。
また本実施例では物品搬送装置として回転テーブル11を用いているため、容器1を高速に搬送しつつ、上記物品方向判定装置12による高速処理が可能となっている。具体的には、容器1を載置テーブル15とトップロケータ16とによって上下から支持することで、高速で容器1を搬送することができる。
ここで、物品の方向を判定する方法として、当該物品を真上から撮影する方法が考えられるが、このような構成では物品を十分に保持することができず、物品を高速に搬送することができないため、物品を高速に処理することができない。
【0022】
なお、上記実施例では物品として正方形断面形状の胴部1aを有した容器1に付したラベル3の検査を行っているが、側面が多角形断面形状の物品であれば、上述したようにその向きを判定することが可能である。
例えば、多角形断面形状の容器にノズルが付いたキャップを装着するキャッパに適用した場合、当該容器1の平面Pの向きと上記ノズルの向きとを一致させる際に、上記容器1の向きを判定する技術を適用することが考えられる。
【符号の説明】
【0023】
1 容器 1a 胴部
2 容器検査装置 11 回転テーブル(物品搬送装置)
12 物品方向判定装置 41 ライン光照射手段
42 撮影手段 43 判定手段
L ライン光 P 平面
図1
図2
図3
図4