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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】電気コネクタおよび電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6471 20110101AFI20230112BHJP
   H01R 13/6476 20110101ALI20230112BHJP
   H01R 24/60 20110101ALI20230112BHJP
   H01R 43/24 20060101ALN20230112BHJP
【FI】
H01R13/6471
H01R13/6476
H01R24/60
H01R43/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019073416
(22)【出願日】2019-04-08
(62)【分割の表示】P 2018204119の分割
【原出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020072079
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173691
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 康久
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲也
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-098052(JP,A)
【文献】特開2003-036951(JP,A)
【文献】特開2016-018674(JP,A)
【文献】国際公開第2017/031970(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/56-13/72
H01R24/00-24/86
H01R43/027-43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側から挿入される相手側コネクタと嵌合可能な電気コネクタであって、
同一平面上に配列された複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトと対向し、かつ、前記複数のコンタクトが配列された前記平面と平行なグランド平面上に、前記相手側コネクタの挿入方向に沿って互いに離間して配置された第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートと、
前記複数のコンタクト、前記第1のグランドプレート、および前記第2のグランドプレートが互いに絶縁された状態で、前記複数のコンタクト、前記第1のグランドプレート、および前記第2のグランドプレートを保持するインシュレーターと、を含み、
前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートの双方は、前記グランド平面上において、一方から他方に向かって延伸する延伸部を備えており、
前記複数のコンタクトの少なくとも2本は、平面視において、前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの間に位置しており、さらに、前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本を互いに接続するための接続部を打ち抜くタイバーカットによって互いに分離されており、
前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの間には、前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートの前記延伸部によって、前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本に対して前記タイバーカットを施すための空間が規定されており、
前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本の前記接続部に対して前記タイバーカットを施すことにより形成された前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本のタイバーカット痕は、平面視において、前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの間で前記延伸部によって規定された前記空間内に位置しており、
前記第1のグランドプレートの前記延伸部および前記第2のグランドプレートの前記延伸部は、前記相手側コネクタの前記挿入方向において、少なくとも一部が重なっていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記第1のグランドプレートの前記延伸部は、前記グランド平面上において、前記第2のグランドプレートに向かって延伸しており、
前記第2のグランドプレートの前記延伸部は、前記グランド平面上において、前記第1のグランドプレートに向かって延伸している請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとが最接近する箇所での前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの離間距離は、前記第1のグランドプレートまたは前記第2のグランドプレートと前記複数のコンタクトのそれぞれとが最接近する箇所での前記第1のグランドプレートまたは前記第2のグランドプレートと前記複数のコンタクトのそれぞれとの離間距離以上である請求項1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートのそれぞれは、平板状の本体部を有し、
前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートは、前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートの前記本体部が、前記グランド平面上において、前記相手側コネクタの前記挿入方向に直交する前記電気コネクタの幅方向の前記電気コネクタの中心線を介して対称となるよう配置されている請求項に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートのそれぞれは、
前記複数のコンタクト、前記第1のグランドプレート、および前記第2のグランドプレートを保持するよう前記インシュレーターを成形する際に前記複数のコンタクトのそれぞれの位置決めを行う位置決めピンを挿通させるための位置決め孔と、
前記インシュレーターの成形時には接続部を介して互いに接続されている前記複数のコンタクトの接続部を打ち抜き、前記複数のコンタクトを互いに分離させるための前記タイバーカットを実行するためのタイバーカット孔と、
前記複数のコンタクトのインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整孔と、を備えている請求項1ないしのいずれかに記載の電気コネクタ。
【請求項6】
筐体と、
前記筐体内に設けられた回路基板と、
前記回路基板上に実装された、請求項1ないしのいずれかに記載の電気コネクタと、を含むことを特徴とする電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気コネクタおよび該電気コネクタを含む電子デバイスに関し、より具体的には、同一平面上に配列された二対の高周波信号コンタクトペア間のグランドプレートを介したクロストークを抑制するとともに、内部構造体の反りおよび曲げの発生を防止することが可能な電気コネクタおよび該電気コネクタを含む電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子デバイスと他の電子デバイスとを電気的に接続するために電気コネクタが用いられている。電子デバイスと他の電子デバイスとの間の電気的接続を得るために、電子デバイスの筐体内に設けられた回路基板上に実装され、電子デバイスの筐体に設けられた貫通孔から差込口が電子デバイスの外部に露出するレセプタクルコネクタと、レセプタクルコネクタの差込口に挿入されるプラグコネクタの2種類の電気コネクタが組み合わされて用いられる。
【0003】
また、近年の電子デバイスの小型化に伴い、電気コネクタに対する小型化要求が高まっている。そのような電気コネクタに対する小型化要求に応え、USB Type-Cの規格が提案されている。USB Type-Cの規格に従う電気コネクタは、上下対称なデザインを採用しており、コネクタの上下の向きに関わらず、プラグコネクタをレセプタクルコネクタに挿入することが可能となっている。
【0004】
USB Type-Cの規格に従うレセプタクルコネクタは、金属製のシェルと、シェルの内部に収納される内部構造体と、を含んでいる。内部構造体は、相手側コネクタ(プラグコネクタ)の複数のコネクタにそれぞれ接触する複数のコンタクトと、グランドプレートと、複数のコンタクトおよびグランドプレートを互いに絶縁された状態で保持するインシュレーターと、を備えている。
【0005】
図1は、USB Type-Cの規格に従うレセプタクルコネクタの内部構造体が備えるグランドプレート800および複数のコンタクト810の配置を示している。さらに、図2は、図1に示すグランドプレート800および複数のコンタクト810を正面(相手側コネクタの挿入方向側)から見た図である。
【0006】
図1および図2に示すように、金属材料から構成される平板状のグランドプレート800の上面側には、同一平面上に配列された複数のコンタクト810から構成される第1のグループ810Uが設けられており、グランドプレート800の下面側には、同一平面上に配列された複数のコンタクト810から構成される第2のグループ810Lが設けられている。
【0007】
第1のグループ810Uおよび第2のグループ810Lのそれぞれは、先端側から挿入される相手側コネクタとの間で高周波信号を伝送するための高周波信号用コネクタ810Aから構成される二対の高周波信号コンタクトペアCP1と、相手側コネクタとの間で通常の周波数の信号を伝送するための通常信号用コネクタ810Bから構成される通常信号コンタクトペアCP2と、グランドコンタクト、電源供給用コンタクト、識別用コンタクト等の非信号コンタクト810Cと、を含む。
【0008】
第1のグループ810Uおよび第2のグループ810Lのそれぞれにおいて、二対の高周波信号コンタクトペアCP1および通常信号コンタクトペアCP2のそれぞれの左右には非信号コンタクト810Cが配列されている。さらに、二対の高周波信号コンタクトペアCP1の間に通常信号コンタクトペアCP2が配列されている。さらに、図2に示すように、第1のグループ810Uおよび第2のグループ810Lは、グランドプレート800を介して上下対称となっている。
【0009】
USB Type-Cの規格に従うレセプタクルコネクタは非常に小型であり、第1のグループ810Uを構成するコンタクト810と第2のグループ810Lを構成するコンタクト810間の離間距離が短い。そのため、第1のグループ810Uの高周波信号コンタクトペアCP1と第2のグループ810Lの高周波信号コンタクトペアCP1との間で発生するクロストークが問題となる。USB Type-Cの規格に従うレセプタクルコネクタでは、このようなクロストークを抑制するために、第1のグループ810Uと第2のグループ810Lとの間にグランドプレート800が配置されている。
【0010】
しかしながら、グランドプレート800を第1のグループ810Uおよび第2のグループ810Lに近接して配置することによって、第1のグループ810Uの二対の高周波信号コンタクトペアCP1間のクロストーク、および、第2のグループ810Lの二対の高周波信号コンタクトペアCP1間のクロストークが発生してしまうことが分かっている。第1のグループ810Uまたは第2のグループ810Lの一方の高周波信号コンタクトペアCP1に高周波信号が流れると、グランドプレート800を介して、他方の高周波信号コンタクトペアCP1が一方の高周波信号コンタクトペアCP1を流れる高周波信号の影響を受け、他方の高周波信号コンタクトペアCP1にクロストークが発生してしまう。
【0011】
このような問題に対し、特許文献1は、図3に示すように、グランドプレート800を相手側コネクタの挿入方向に沿って、複数のグランドプレート片800A、800B、800Cに分割することを開示している。第1のグループ810Uおよび第2のグループ810Lの一方の高周波信号コンタクトペアCP1と対向するグランドプレート片800Aは、他方の高周波信号コンタクトペアCP1と対向するグランドプレート片800Cと離間している。そのため、グランドプレート800を介した第1のグループ810Uまたは第2のグループ810Lの二対の高周波信号コンタクトペアCP1間のクロストークの発生を抑制することができる。
【0012】
しかしながら、図3に示すように、グランドプレート800を相手側コネクタの挿入方向に沿って複数のグランドプレート片800A、800B、800Cに分割した場合、相手側コネクタの挿入方向において、グランドプレート片800Aとグランドプレート片800Bとの間、並びに、グランドプレート片800Cとグランドプレート片800Bとの間に、グランドプレート800が存在しない空間Sが生じてしまう。グランドプレート800は、内部構造体の面方向の曲げ応力を担っているので、空間Sが位置する部分において内部構造体の面方向の曲げ応力が著しく低下してしまう。その結果、空間Sが位置する部分において内部構造体の反りおよび曲げが発生しやすくなるという問題がある。
【0013】
また、このようなグランドプレート800が存在しない空間Sは、内部構造体の成形時にも悪影響を及ぼす。内部構造体のインシュレーターは、インシュレーターの形状に対応した形状を有する金型内に配置されたグランドプレート800および複数のコンタクト810の周りに絶縁性樹脂材料を注入することによりグランドプレート800および複数のコンタクト810と絶縁性樹脂材料とを一体化するインサート成形により得られる。このようなインサート成形では絶縁性樹脂材料を冷却させ固化させる際の絶縁性樹脂材料の冷却の不均一性(冷却ムラ)によって、インシュレーター内部に応力が生じ、内部構造体の反りや曲げが発生してしまうことがよく知られている。通常、グランドプレート800は、1枚の金属板から構成されているので、このような絶縁性樹脂材料の冷却および固化時における内部構造体の反りや曲げの発生は、グランドプレート800によって防止されている。しかしながら、上述のようにグランドプレート800が複数のグランドプレート片800A、800B、800Cに分割に分割されている場合、グランドプレート800が存在しない空間Sに対応する部分における内部構造体の反りや曲げを防止することができないという問題がある。
【0014】
また、インシュレーター内部における複数のコンタクト810の位置ズレや傾きを防止するために、複数のコンタクト810のそれぞれが互いに接続された状態で内部構造体を得るためのインサート成形を実行することが一般に行われている。この場合、インサート成形の終了後に、複数のコンタクト810のそれぞれを互いに接続している接続部を打ち抜き、複数のコンタクト810を互いに分離させるためのタイバーカットが実行される。インサート成形後に、このようなタイバーカットを実行するためには、グランドプレート800にタイバーカットを実行するためのタイバーカット孔を形成する必要がある。しかしながら、このようなタイバーカット孔をグランドプレート800に形成すると、タイバーカット孔に対応する部分において、前述したインサート成形時の絶縁性樹脂材料の冷却の不均一性に起因する応力によって、内部構造体の反りや曲げが発生しやすくなってしまう。
【0015】
内部構造体の反りおよび曲げが発生すると、相手側コネクタの複数のコンタクトとレセプタクルコネクタの複数のコンタクト810との間の接触不良が発生しやすくなってしまう。そのため、グランドプレート800を介した第1のグループ810Uまたは第2のグループ810Lの二対の高周波信号コンタクトペアCP1間のクロストークの発生を抑制すると共に、内部構造体の反りおよび曲げの発生を防止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】特開2016-18674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記従来の問題点を鑑みたものであり、その目的は、グランドプレートの上面側または下面側に配列された複数のコンタクトの二対の高周波信号コンタクトペア間のクロストークを抑制するとともに、内部構造体の反りおよび曲げの発生を防止することが可能な電気コネクタおよび該電気コネクタを含む電子デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような目的は、以下の(1)~()の本発明により達成される。
(1)先端側から挿入される相手側コネクタと嵌合可能な電気コネクタであって、
同一平面上に配列された複数のコンタクトと、
前記複数のコンタクトと対向し、かつ、前記複数のコンタクトが配列された前記平面と平行なグランド平面上に、前記相手側コネクタの挿入方向に沿って互いに離間して配置された第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートと、
前記複数のコンタクト、前記第1のグランドプレート、および前記第2のグランドプレートが互いに絶縁された状態で、前記複数のコンタクト、前記第1のグランドプレート、および前記第2のグランドプレートを保持するインシュレーターと、を含み、
前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートの双方は、前記グランド平面上において、一方から他方に向かって延伸する延伸部を備えており、
前記複数のコンタクトの少なくとも2本は、平面視において、前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの間に位置しており、さらに、前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本を互いに接続するための接続部を打ち抜くタイバーカットによって互いに分離されており、
前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの間には、前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートの前記延伸部によって、前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本に対して前記タイバーカットを施すための空間が規定されており、
前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本の前記接続部に対して前記タイバーカットを施すことにより形成された前記複数のコンタクトの前記少なくとも2本のタイバーカット痕は、平面視において、前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの間で前記延伸部によって規定された前記空間内に位置しており、
前記第1のグランドプレートの前記延伸部および前記第2のグランドプレートの前記延伸部は、前記相手側コネクタの前記挿入方向において、少なくとも一部が重なっていることを特徴とする電気コネクタ。
【0019】
(2)前記第1のグランドプレートの前記延伸部は、前記グランド平面上において、前記第2のグランドプレートに向かって延伸しており、
前記第2のグランドプレートの前記延伸部は、前記グランド平面上において、前記第1のグランドプレートに向かって延伸している上記(1)に記載の電気コネクタ。
【0020】
(3)前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとが最接近する箇所での前記第1のグランドプレートと前記第2のグランドプレートとの離間距離は、前記第1のグランドプレートまたは前記第2のグランドプレートと前記複数のコンタクトのそれぞれとが最接近する箇所での前記第1のグランドプレートまたは前記第2のグランドプレートと前記複数のコンタクトのそれぞれとの離間距離以上である上記(1)または(2)に記載の電気コネクタ。
【0022】
)前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートのそれぞれは、平板状の本体部を有し、
前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートは、前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートの前記本体部が、前記グランド平面上において、前記相手側コネクタの前記挿入方向に直交する前記電気コネクタの幅方向の前記電気コネクタの中心線を介して対称となるよう配置されている上記()に記載の電気コネクタ。
【0023】
)前記第1のグランドプレートおよび前記第2のグランドプレートのそれぞれは、
前記複数のコンタクト、前記第1のグランドプレート、および前記第2のグランドプレートを保持するよう前記インシュレーターを成形する際に前記複数のコンタクトのそれぞれの位置決めを行う位置決めピンを挿通させるための位置決め孔と、
前記インシュレーターの成形時には接続部を介して互いに接続されている前記複数のコンタクトの接続部を打ち抜き、前記複数のコンタクトを互いに分離させるための前記タイバーカットを実行するためのタイバーカット孔と、
前記複数のコンタクトのインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整孔と、を備えている上記(1)ないし()のいずれかに記載の電気コネクタ。
【0024】
)筐体と、
前記筐体内に設けられた回路基板と、
前記回路基板上に実装された、上記(1)ないし()のいずれかに記載の電気コネクタと、を含むことを特徴とする電子デバイス。
【発明の効果】
【0025】
本発明の電気コネクタは、複数のコンタクトが配列された平面と平行なグランド平面上に、互いに離間して配置された第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートを備えている。そのため、第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートの一方と対向するコンタクトの高周波信号コンタクトペアに高周波信号が流れた際の高周波信号コンタクトペア間のクロストークの発生を抑制することができる。
【0026】
さらに、第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートの双方は、グランド平面上において、一方から他方に向かって延伸する延伸部を備えている。そのため、グランド平面上に配置された第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートを相手側コネクタの挿入方向から見た際に、全ての領域において、第1のグランドプレートまたは第2のグランドプレートが存在している。この結果、複数のコンタクト、第1のグランドプレート、第2のグランドプレート、およびインシュレーターから構成される内部構造体の面方向の応力が低下することを防止することができ、内部構造体の反りおよび曲げの発生を防止することができる。
【0027】
また、第1のグランドプレートと第2のグランドプレートとの間の空間には、第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートの延伸部が存在している。そのため、インシュレーターのインサート成形時の絶縁性樹脂材料の冷却および固化時に発生する応力に起因する、第1のグランドプレートと第2のグランドプレートとの間の空間での内部構造体の反りおよび曲げの発生を抑制することができる。
【0028】
また、本発明の電気コネクタにおいては、第1のグランドプレートと第2のグランドプレートとの間であって、第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートの延伸部によって規定された空間が、複数のコンタクトの接続部を打ち抜き、複数のコンタクトを互いに分離させるためのタイバーカットを施すために利用される。そのため、本発明の電気コネクタでは、第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートに形成されるタイバーカット孔の数および大きさを低減することができる。この結果、インシュレーターのインサート成形時の絶縁性樹脂材料の冷却および固化時に発生する応力に起因する内部構造体の反りおよび曲げの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来の電気コネクタにおける複数のコンタクトおよびグランドプレートの配置を示す斜視図である。
図2図1に示す複数のコンタクトおよびグランドプレートを正面から見た図である。
図3】従来の電気コネクタにおけるグランドプレートを示す平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る電気コネクタを示す斜視図である。
図5図4に示す電気コネクタを別の角度から示す斜視図である。
図6図4に示す電気コネクタの分解斜視図である。
図7】別の角度から見た図4に示す電気コネクタの分解斜視図である。
図8図4に示す電気コネクタの内部構造体を示す斜視図である。
図9図8に示す内部構造体が備える複数のコンタクトの第1のグループを示す斜視図である。
図10図8に示す内部構造体が備える複数のコンタクトの第2のグループを示す斜視図である。
図11図8に示す内部構造体が備える第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートを示す平面図である。
図12図11に示す第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートと、複数のコンタクトとの位置関係を示す平面図である。
図13図8に示す内部構造体が備える第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートの変形例を示す平面図である。
図14図4に示す電気コネクタの縦断面図である。
図15図4に示す電気コネクタと相手側コネクタとが嵌合した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の電気コネクタおよび電子デバイスを、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて、説明する。なお、以下で参照する各図は、本発明の説明のために用意された模式的な図である。図面に示された各構成要素の寸法(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法を反映したものではない。また、各図において、同一または対応する要素には、同じ参照番号が付されている。以下の説明において、各図のZ軸の正方向を「先端側」といい、Z軸の負方向を「基端側」といい、Y軸の正方向を「上側」といい、Y軸の負方向を「下側」といい、X軸の正方向を「手前側」といい、X軸の負方向を「奥側」ということがある。
【0031】
最初に、図4図15を参照して、本発明の実施形態に係る電気コネクタを詳述する。図4は、本発明の実施形態に係る電気コネクタを示す斜視図である。図5は、図4に示す電気コネクタを別の角度から示す斜視図である。図6は、図4に示す電気コネクタの分解斜視図である。図7は、別の角度から見た図4に示す電気コネクタの分解斜視図である。図8は、図4に示す電気コネクタの内部構造体を示す斜視図である。図9は、図8に示す内部構造体が備える複数のコンタクトの第1のグループを示す斜視図である。図10は、図8に示す内部構造体が備える複数のコンタクトの第2のグループを示す斜視図である。図11は、図8に示す内部構造体が備える第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートを示す平面図である。図12は、図11に示す第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートと、複数のコンタクトとの位置関係を示す平面図である。図13は、図8に示す内部構造体が備える第1のグランドプレートおよび第2のグランドプレートの変形例を示す平面図である。図14は、図4に示す電気コネクタの縦断面図である。図15は、図4に示す電気コネクタと相手側コネクタとが嵌合した状態を示す縦断面図である。
【0032】
図4図15に示す本発明の実施形態に係る電気コネクタ1は、電子デバイスの筐体(図示せず)内に設けられた回路基板上に、レセプタクルコネクタとして実装される。図15に示すように、電気コネクタ1の先端側から相手側コネクタ100が挿入されると、相手側コネクタ100と電気コネクタ1との間の電気的接続が提供される。
【0033】
図4図7に示すように、電気コネクタ1は、金属製の円筒状のシェル2と、同一平面上に配列された複数のコンタクト31と、複数31のコンタクトと対向し、かつ、複数のコンタクト31が配列された平面と平行なグランド平面上に、互いに離間して配置された第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rが互いに絶縁された状態で、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rを保持するインシュレーター33とを備え、シェル2の内部に収納される内部構造体3と、を含む。
【0034】
シェル2は、金属材料から構成された筒状部材であり、内部構造体3を外側から覆うと共に、電気コネクタ1を電子デバイスの回路基板上に固定するために用いられる。シェル2は、電気コネクタ1の嵌合方向(各図のZ軸方向)の先端側および基端側を除き、内部構造体3を覆った状態で、内部構造体3を内部に収納する。図6および図7に示すように、シェル2は、筒状の本体部21と、先端側から電気コネクタ1に相手側コネクタ100が挿入された際に相手側コネクタ100のシェル110と接触するシェル接触部22と、先端側から電気コネクタ1に相手側コネクタ100が挿入された際に相手側コネクタ100のシェル110の先端と接触するシェルストッパー23と、内部構造体3のインシュレーター33を上側から抑える抑え部24と、本体部21の側面から下側に向かって延伸する二対のシェル脚部25と、を備えている。
【0035】
シェル2の本体部21は、図6および図7に示すような扁平な筒状形状を有している。本体部21の筒状形状の内面によって規定される空間内に内部構造体3が収納される。本体部21の先端側には、相手側コネクタを受け入れるための差込口211が形成されている。一方、本体部21の基端側には、シェル2の内部に収納された内部構造体3の複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rを、電子デバイスの回路基板に導くための基端側開口212が形成されている。
【0036】
電気コネクタ1が組み立てられた状態において、本体部21の内部に内部構造体3が収納される。本体部21の基端側開口212から内部構造体3の複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rが電子デバイスの回路基板に向かって延伸し、電子デバイスの回路基板に内部構造体3の複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rが基板接続部313、322(図9図11参照)を介して接続されることで、電気コネクタ1が電子デバイスの回路基板に実装される。
【0037】
シェル2のシェル接触部22は、相手側コネクタ100のシェル110と接触し、電気コネクタ1と相手側コネクタ100のグランド電位を等しくするために用いられる。シェル2のシェル接触部22は、シェル2の本体部21の上面から下方向に向かって延伸し、本体部21の上面に片持ち支持された一対の突起片である。シェル接触部22のそれぞれは、本体部21の上面に切り込み加工を施し、切り込まれた部分を下方向(本体部21の内側方向)に折り曲げることにより形成されている。相手側コネクタ100がシェル2の本体部21の差込口211を介して挿入されると、シェル接触部22が相手側コネクタ100のシェル110の外周に接触し、初期位置から押し上げられる。相手側コネクタ100がシェル2の本体部21の差込口211から引き抜かれると、シェル接触部22が弾性復元し、初期位置に戻る。
【0038】
電気コネクタ1が組み立てられた状態において先端側から相手側コネクタ100がシェル2の差込口211内に挿入されると、相手側コネクタ100の複数のコンタクト120が本体部21の内部に収納されている内部構造体3の複数のコンタクト31とそれぞれ接触することにより、先端側から挿入された相手側コネクタ100と電気コネクタ1との間の電気的接続が提供される。さらに、相手側コネクタ100のグランド端子が第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rに接触し、さらに、シェル接触部22が相手側コネクタ100のシェル110に接触することにより、相手側コネクタ100と電気コネクタ1のグランド電位が等しいものとされる。
【0039】
シェル2のシェルストッパー23は、相手側コネクタ100の挿入動作を規制する機能を有している。シェル2のシェルストッパー23は、本体部21の上面および下面のそれぞれに2つ形成されている。シェルストッパー23のそれぞれは、本体部21の上面または下面から本体部21の内側に向かって突出するU字形状の部材である。シェルストッパー23のそれぞれは、本体部21の上面または下面に切り込み加工を施し、切り込まれた部分を本体部21の内側方向に折り曲げることにより形成されている。
【0040】
シェルストッパー23のそれぞれのU字形状の基端側の面は、内部構造体3のインシュレーター33の基部331の先端側端面と接触している。これにより、内部構造体3のインシュレーター33の基部331を先端側から抑える。相手側コネクタ100がシェル2の本体部21の差込口211を介して挿入されたとき、相手側コネクタ100のシェル110の先端がシェルストッパー23に接触することにより、相手側コネクタ100の挿入動作が規制される。
【0041】
シェル2の抑え部24は、電気コネクタ1が組み立てられた状態において、内部構造体3のインシュレーター33の基部331を上側から抑え、内部構造体3がシェル2から離脱することを防止するために用いられる。抑え部24は、本体部21の上面に2つ形成されており、本体部21の上面から下方向(本体部21の内側)に向かって延伸する平板状の部材である。電気コネクタ1が組み立てられた状態において、抑え部24がシェル2の内部に収納された内部構造体3のインシュレーター33の基部331を基端側から抑える。抑え部24は、電気コネクタ1が組み立てられる前の段階においては、本体部21の上面から下方向(本体部21の内側)に向かって延伸していない。電気コネクタ1が組み立てられる際において、内部構造体3をシェル2の本体部21内の所定の位置に配置した後、シェル2の抑え部24が下方に折り曲げられ、内部構造体3のインシュレーター33の基部331を上側から抑える。
【0042】
シェル2のシェル脚部25は、電気コネクタ1を電子デバイスの回路基板上に固定するために用いられる。二対のシェル脚部25のうち一方の対は、シェル2の本体部21の両側面の基端側から下方に突出するよう形成されており、他方の対は、シェル2の本体部21の両側面の略中心部から下方に突出するよう形成されている。電気コネクタ1が組み立てられた状態において、シェル2の二対のシェル脚部25が電子デバイスの回路基板上に形成された係合孔に挿入され、電気コネクタ1が電子デバイスの回路基板上に固定される。
【0043】
図8に示すように、内部構造体3は、相手側コネクタ100の複数のコンタクト120とそれぞれ接触することにより、相手側コネクタ100と電気コネクタ1との間の電気的接続を提供する複数のコンタクト31と、複数のコンタクト31と対向し、かつ、複数のコンタクト31が配列された平面と平行なグランド平面上に、互いに離間して配置された第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rが互いに絶縁された状態で、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rを保持するインシュレーター33と、を備えている。
【0044】
インシュレーター33は、絶縁性樹脂材料から構成されており、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rが互いに絶縁された状態で、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを保持する機能を有している。インシュレーター33は、インシュレーター33の形状に対応した形状を有する金型内に、第1のグランドプレート32L、第2のグランドプレート32R、および複数のコンタクト31を配置した状態で、金型内に絶縁性樹脂材料を注入するインサート成形により得ることができる。インシュレーター33は、電気コネクタ1が組み立てられた状態において、先端側から相手側コネクタ100がシェル2の差込口211内に挿入されたときに、複数のコンタクト31が相手側コネクタ100の複数のコンタクト120とそれぞれ接触可能となり、さらに、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rが相手側コネクタ100のグランド端子に接触可能となるように複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを保持している。
【0045】
インシュレーター33は、内部構造体3をシェル2の本体部21に対して固定するためにシェル2の本体部21の基端側開口212に圧入される基部331と、基部331から先端側に向かって延伸する舌状部332と、を備えている。
【0046】
基部331は、XY平面においてシェル2の本体部21の基端側開口212に対応する形状を有する部材であり、基部331をシェル2の本体部21の基端側開口212内に圧入することにより、内部構造体3がシェル2の本体部21の内部に固定的に収納される。基部331の内部に複数のコンタクト31の固定部312(図9および図10参照)が埋め込まれ、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rが互いに絶縁した状態でインシュレーター33によって保持される。
【0047】
図8に示すように、基部331の先端側からは複数のコンタクト31のそれぞれの接点部311が先端側に向かって突出している。一方、図7に示すように、基部331の基端側からは、複数のコンタクト31のそれぞれの基板接続部313(図9および図10参照)、並びに、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基板接続部322(図12参照)が基端側に向かって突出している。
【0048】
インシュレーター33の舌状部332は、基部331から先端側に向かって延伸する平板状の部材であり、複数のコンタクト31を載置し、さらに、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを内部において保持するために用いられる。舌状部332の上面および下面上には、図9および図10に示す複数のコンタクト31のそれぞれを載置するための複数のコンタクト受け部333が形成されている。さらに、舌状部332の先端面および側面には、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを露出させるための開口334が形成されている。
【0049】
舌状部332の上面に形成された複数のコンタクト受け部333内に複数のコンタクト31がそれぞれ収納され、図9に示す複数のコンタクト31の第1のグループ31Uが構成される。さらに、舌状部332の下面に形成された複数のコンタクト受け部333内に複数のコンタクト31がそれぞれ収納され、図10に示す複数のコンタクト31の第2のグループ31Lが構成される。さらに、また、舌状部332には、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rが埋設されており、開口334を介し第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの一部分が外部に露出している。
【0050】
図9に示すように、複数のコンタクト31の第1のグループ31Uは、同一平面(上側コンタクト配列平面)上にX軸方向に沿って互いに平行に配列され、舌状部332の上面に形成された複数のコンタクト受け部333内にそれぞれ載置された複数のコンタクト31から構成される。同様に、図10に示すように、複数のコンタクト31の第2のグループ31Lは、同一平面(下側コンタクト配列平面)上にX軸方向に沿って互いに平行に配列され、舌状部332の下面に形成された複数のコンタクト受け部333内にそれぞれ載置された複数のコンタクト31から構成される。
【0051】
複数のコンタクト31のそれぞれは、Z軸方向に沿って直線状に延伸する棒状形状を有している。複数のコンタクト31のそれぞれは、相手側コネクタ100のコンタクト120と接触する先端側の接点部311と、インシュレーター33の基部331に埋め込まれる固定部312と、インシュレーター33の基部331から外部に向かって延伸し、電子デバイスの回路基板に接続される基板接続部313と、インシュレーター33のインサート成形時において複数のコンタクト31のそれぞれを接続している接続部をタイバーカットによって打ち抜くことにより形成されたタイバーカット痕314と、を有している。
【0052】
コンタクト31の接点部311は、電気コネクタ1が組み立てられた状態において、先端側からシェル2の本体部21の差込口211を介して相手側コネクタ100が挿入されたときに、相手側コネクタ100の対応するコンタクト120と接触する。この際、相手側コネクタ100と電気コネクタ1が嵌合状態となり、相手側コネクタ100と電気コネクタ1との間の電気的接続が提供される。
【0053】
コンタクト31の固定部312は、接点部311の延伸方向と同一方向に延伸している。固定部312がインシュレーター33の基部331に埋め込まれ、コンタクト31がインシュレーター33によって固定的に保持される。
【0054】
コンタクト31の基板接続部313は、固定部312の基端から固定部312の延伸方向と同一方向に延伸し、インシュレーター33の基部331から外部に向かって延伸する。基板接続部313は、電子デバイスの回路基板に接続される。
【0055】
コンタクト31のタイバーカット痕314は、インシュレーター33のインサート成形後に実行されるタイバーカットによって形成される。インシュレーター33のインサート成形時においては、インシュレーター33内における複数のコンタクト31の位置ズレや傾きを防止するため、複数のコンタクト31のそれぞれは接続部によって互いに接続されている。そのため、インシュレーター33のインサート成形後に、複数のコンタクト31のそれぞれを接続している接続部を打ち抜き、複数のコンタクト31を互いに分離させるためのタイバーカットが実行される。コンタクト31のタイバーカット痕314は、タイバーカットによって打ち抜かれた接続部の残存部分である。
【0056】
また、第1のグループ31Uを構成する複数のコンタクト31は、相手側コネクタ100との間で高周波信号を伝送するための2つの高周波信号コンタクト31Aから構成される二対の高周波信号コンタクトペアCP1と、相手側コネクタ100との間で通常の周波数の信号を伝送するための2つの通常信号コンタクト31Bから構成される一対の通常信号コンタクトペアCP2と、信号伝送以外の用途で用いられる複数の非信号コンタクト31Cと、を含む。
【0057】
二対の高周波信号コンタクトペアCP1のそれぞれは、隣り合う2つの高周波信号コンタクト31Aから構成されている。二対の高周波信号コンタクトペアCP1は、それぞれ、電気コネクタ1の幅方向(図中のX軸方向)の両側に位置している。さらに、二対の高周波信号コンタクトペアCP1の両側には、非信号コンタクト31Cが配列されている。図9において、二対の高周波信号コンタクトペアCP1のそれぞれの外側に配置されている非信号コンタクト31Cは、相手側コネクタ100のグランド端子と接触するグランド端子である。一方、二対の高周波信号コンタクトペアCP1のそれぞれの内側に配置されている非信号コンタクト31Cは、電気コネクタ1に電力を供給するための電力供給用端子である。少なくとも図9の奥側に配列されている高周波信号コンタクトペアCP1および該高周波信号コンタクトペアCP1の両側に位置する非信号コンタクト31Cは、第1のグランドプレート32Lの上方に位置している。一方、少なくとも図9の手前側に配列されている高周波信号コンタクトペアCP1および該高周波信号コンタクトペアCP1の両側に位置する非信号コンタクト31Cは、第2のグランドプレート32Rの上方に位置している。
【0058】
一対の通常信号コンタクトペアCP2は、相手側コネクタ100との間で通常の周波数の信号を伝送するための2つの通常信号コンタクト31Bから構成されており、二対の高周波信号コンタクトペアCP1の間に配列されている。さらに、一対の通常信号コンタクトペアCP2の両側には、非信号コンタクト31Cが配列されている。一対の通常信号コンタクトペアCP2の両側に配列されている非信号コンタクト31Cのそれぞれは、電気コネクタ1を識別するための信号の伝送に用いられる識別用コンタクトである。
【0059】
図10に示すように、第2のグループ31Lを構成する複数のコンタクト31は、上述した第1のグループ31Uを構成するコンタクト31と同様の構成を有しており、複数のコンタクト31から構成される第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lが、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを介して、対向するよう配置されている。第1のグループ31Uと第2のグループ31Lは、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを介して、上下対称に配置されている。すなわち、第2のグループ31Lの高周波信号コンタクト31Aは、第1のグループ31Uの高周波信号コンタクト31Aと対向しており、第2のグループ31Lの通常信号コンタクト31Bは、第1のグループ31Uの通常信号コンタクト31Bと対向しており、第2のグループ31Lの非信号コンタクト31Cは、第1のグループ31Uの非信号コンタクト31Cと対向している。
【0060】
第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lにおける複数の高周波信号コンタクト31Aと、複数の通常信号コンタクト31Bと、複数の非信号コンタクト31Cの数や配置は特に限定されず、電気コネクタ1は、電気コネクタの規格に応じて適宜設定される。
【0061】
第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rのそれぞれは、インシュレーター33の舌状部332に埋設される金属材料から構成される平板状部材である。第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rのそれぞれは、平板状の本体部321と、本体部321の基端から下方に向かって延伸し、インシュレーター33の外部に露出する基板接続部322と、を備えている。
【0062】
第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rは、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの本体部321が、グランド平面上に、相手側コネクタ100の挿入方向(Z軸方向)に直交する電気コネクタ1の幅方向(X軸方向)における電気コネクタ1の中心軸を介して左右対称となるよう配置されている。具体的には、図11に示すように、第1のグランドプレート32Lは、グランド平面上において、電気コネクタ1のX軸方向における電気コネクタ1の中心軸よりもX軸の正方向の領域に配置されており、第2のグランドプレート32Rは、グランド平面上において、電気コネクタ1のX軸方向における電気コネクタ1の中心軸よりもX軸の負方向の領域に配置されている。
【0063】
図11に示すように、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rは、グランド平面上に、互いに離間して配置されている。また、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の隙間は、絶縁材料から構成されるインシュレーター33により埋められる。そのため、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rは、互いに絶縁された状態で、インシュレーター33によって保持される。
【0064】
また、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rがインシュレーター33によって保持されている状態において、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの一部分が、インシュレーター33の舌状部332の開口334を介して外部に露出している。
【0065】
図12には、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31との位置関係が示されている。なお、図12では、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31との位置関係を明確に示すため、複数のコンタクト31から構成される第1のグループ31Uが省略されているが、上述のように、第1のグループ31Uは、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを介して、第2のグループ31Lと上下対称に配置されている。
【0066】
図12から明らかなように、第1のグランドプレート32Lの上側には、複数のコンタクト31の第1のグループ31Uの二対の高周波信号コンタクトペアCP1の一方と、該一方の高周波信号コンタクトペアCP1の左右に配置された非信号コンタクト31Cが位置する。一方、第2のグランドプレート32Rの上側には、複数のコンタクト31の第1のグループ31Uの二対の高周波信号コンタクトペアCP1の他方と、該他方の高周波信号コンタクトペアCP1の左右に配置された非信号コンタクト31Cが位置する。同様に、第1のグランドプレート32Lの下側には、複数のコンタクト31の第2のグループ31Lの二対の高周波信号コンタクトペアCP1の一方と、該一方の高周波信号コンタクトペアCP1の左右に配置された非信号コンタクト31Cが位置する。一方、第2のグランドプレート32Rの下側には、複数のコンタクト31の第2のグループ31Lの二対の高周波信号コンタクトペアCP1の他方と、該他方の高周波信号コンタクトペアCP1の左右に配置された非信号コンタクト31Cが位置する。
【0067】
このように、本発明の電気コネクタ1においては、第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lのそれぞれの二対の高周波信号コンタクトペアCP1の一方が対向する第1のグランドプレート32Lと、二対の高周波信号コンタクトペアCP1の他方が対向する第2のグランドプレート32Rとが互いに離間している。そのため、二対の高周波信号コンタクトペアCP1の一方に高周波信号が流れたときに、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを介して、二対の高周波信号コンタクトペアCP1の他方が、高周波信号が二対の高周波信号コンタクトペアCP1の一方を流れたことによる影響を受けない。そのため、第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lのそれぞれの高周波信号コンタクトペアCP1間のクロストークの発生を抑制することができる。
【0068】
なお、インシュレーター33によってグランド平面上で互いに離間して保持されたとき、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとが最接近する箇所での第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの離間距離は、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31のそれぞれとが最接近する箇所での第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31のそれぞれとの離間距離以上となっている。第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとが最接近する箇所での第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの離間距離が、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31のそれぞれとが最接近する箇所での第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31のそれぞれとの離間距離より短いと、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間で疑似的な電気回路が形成されてしまい、上述のクロストーク抑制効果を得られない場合がある。
【0069】
次に、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの具体的構成について詳述する。第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rのそれぞれの本体部321は、インシュレーター33の舌状部332に、複数のコンタクト31が配列されている平面(上側コンタクト配列平面および下側コンタクト配列平面)と平行となるように埋設されている。また、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rのそれぞれの本体部321には、複数のコンタクト31、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rを保持するようインシュレーター33をインサート成形する際に、複数のコンタクト31の位置決めを行うためのピンを挿通させるための複数の位置決め孔323と、インシュレーター33のインサート成形時には接続部を介して互いに接続されている複数のコンタクト31の接続部を打ち抜き、複数のコンタクト31を互いに分離させるためのタイバーカットを実行するためのタイバーカット孔324と、複数のコンタクト31のうち高周波信号コンタクト31Aのインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整孔325と、を備えている。
【0070】
位置決め孔323は、第1のグランドプレート32L、および第2のグランドプレート32Rを保持するようインシュレーター33をインサート成形し、内部構造体3を得る際に複数のコンタクト31のそれぞれの位置決めを行うための位置決めピンを挿通させるために本体部321に形成されている。なお、インシュレーター33をインサート成形する際に、複数のコンタクト31のそれぞれの位置決めを行うための位置決めピンは、位置決め孔323に加え、タイバーカット孔324、インピーダンス調整孔325、および第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の隙間に挿通される。例えば、複数のコンタクト31から構成される第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lの最も外側に位置する非信号コンタクト31Cを位置決めするためには、2つの位置決め孔323およびタイバーカット孔324のそれぞれに位置決めピンが挿通され、高周波信号コンタクト31Aを位置決めするためには、タイバーカット孔324およびインピーダンス調整孔325のそれぞれに位置決めピンが挿通され、通常信号コンタクト31Bを位置決めするためには、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の隙間に位置決めピンが挿通される。本体部321における位置決め孔323の数、位置および形状は特に限定されず、インシュレーター33をインサート成形する際の必要に応じて適宜設定される。
【0071】
タイバーカット孔324は、インシュレーター33をインサート成形する際には接続部を介して互いに接続されている複数のコンタクト31の接続部を打ち抜き、複数のコンタクト31を互いに分離させるためのタイバーカットを実行するために本体部321に形成されている。インシュレーター33をインサート成形する際には、上述のように位置決めピンによる複数のコンタクト31の位置決めが実行されるが、複数のコンタクト31の位置決めをより正確に実行するためには、複数のコンタクト31同士を根元部分において互いに接続された状態で保持することが好ましい。そのため、複数のコンタクト31は、インシュレーター33をインサート成形する時点では、根元部分に設けられた接続部によって互いに接続されている。図示の形態では、第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lを構成する複数のコンタクト31のうち、高周波信号コンタクトペアCP1を構成する2つの高周波信号コンタクト31Aと、高周波信号コンタクトペアCP1の左右に位置する2つの非信号コンタクト31Cが接続部により互いに接続されており、第1のコンタクト部品および第2のコンタクト部品がそれぞれ構成されている。図9および図10において、第1のコンタクト部品は、X軸の正方向側に位置する高周波信号コンタクトペアCP1を構成する2つの高周波信号コンタクト31Aと、高周波信号コンタクトペアCP1の左右に位置する2つの非信号コンタクト31Cとで、構成されている。一方、第2のコンタクト部品は、X軸の負方向側に位置する高周波信号コンタクトペアCP1を構成する2つの高周波信号コンタクト31Aと、高周波信号コンタクトペアCP1の左右に位置する2つの非信号コンタクト31Cとで、構成されている。さらに、通常信号コンタクトペアCP2を構成する2つの通常信号コンタクト31Bと、通常信号コンタクトペアCP2の左右に位置する2つの非信号コンタクト31Cが接続部により互いに接続されており、第3のコンタクト部品が構成されている。そのため、複数のコンタクト31は、インシュレーター33をインサート成形する時点では、4つのコンタクト31が互いに接続された3つのコンタクト部品、すなわち、第1のコンタクト部品、第2のコンタクト部品、および第3のコンタクト部品から構成されている。
【0072】
タイバーカットは、インシュレーター33をインサート成形した後に、第1のコンタクト部品、第2のコンタクト部品、および第3のコンタクト部品の互いに接続された4つのコンタクト31の接続部を打ち抜き、複数のコンタクト31を互いに分離させるために実行される。具体的には、第1のコンタクト部品を構成する4つのコンタクト31に対するタイバーカットは、第1のグランドプレート32Lに形成されたタイバーカット孔324を介して実行され、第2のコンタクト部品を構成する4つのコンタクト31に対するタイバーカットは、第2のグランドプレート32Rに形成されたタイバーカット孔324を介して実行される。一方、第3のコンタクト部品を構成する4つのコンタクト31に対するタイバーカットは、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレートとの間に形成された空間327(図11および図12参照)を介して実行される。第1のコンタクト部品、第2のコンタクト部品、および第3のコンタクト部品のそれぞれを構成する4つのコンタクト31に対するタイバーカットによって、複数のコンタクト31のそれぞれが互いに分離され、複数のコンタクト31のそれぞれにタイバーカット痕314が形成される。
【0073】
インピーダンス調整孔325は、高周波信号コンタクト31Aのそれぞれのインピーダンスを調整するため本体部321の高周波信号コンタクト31Aのそれぞれに対応する位置に形成されている。インピーダンス調整孔325の数、位置および形状は特に限定されず、必要とされる高周波信号コンタクト31Aのインピーダンス特性に応じて適宜設定される。
【0074】
図12に示すように、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rのそれぞれの本体部321の複数のコンタクト31のそれぞれに対応する位置に、位置決め孔323、タイバーカット孔324、およびインピーダンス調整孔325の少なくとも1つが形成されている。
【0075】
さらに、本発明の電気コネクタ1においては、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの少なくとも一方が、グランド平面上において、一方から他方に延伸する1つ以上の延伸部を備えている。第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの少なくとも一方が備える、グランド平面上において、一方から他方に延伸する1つ以上の延伸部によって、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)から見たときに、第1のグランドプレート32Lまたは第2のグランドプレート32Rが存在しない領域を小さくする、または、そのような領域が生じることを防止することができる。
【0076】
図11および図12に示す形態では、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの双方が、グランド平面上において、一方から他方に延伸する1つ以上の延伸部を備えている。具体的には、第1のグランドプレート32Lは、本体部321の先端側から第2のグランドプレート32Rに向かって延伸する先端延伸部326Aと、本体部321の相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)における中央部から第2のグランドプレート32Rに向かって延伸する中央延伸部326Bと、本体部321の基端側から第2のグランドプレート32Rに向かって延伸する基端延伸部326Cと、を備えている。同様に、第2のグランドプレート32Rは、本体部321の先端側から第1のグランドプレート32Lに向かって延伸する先端延伸部326Aと、本体部321の相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)における中央部から第1のグランドプレート32Lに向かって延伸する中央延伸部326Bと、本体部321の基端側から第1のグランドプレート32Lに向かって延伸する基端延伸部326Cと、を備えている。また、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間であって、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bと、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレートの基端延伸部326Cとの間に、上述した第3のコンタクト部品を構成する4つのコンタクト31に対するタイバーカットを実行するための空間327が規定されている。
【0077】
また、図12に示されているように、第1のグランドプレート32Lの本体部321は、第1のコンタクト部品を構成していた2つの高周波信号コンタクト31Aおよび高周波信号コンタクトペアCP1の左右に位置する2つの非信号コンタクト31Cと対向する。第2のグランドプレート32Rの本体部321は、第2のコンタクト部品を構成していた2つの高周波信号コンタクト31Aおよび高周波信号コンタクトペアCP1の左右に位置する2つの非信号コンタクト31Cと対向する。また、平面視において、第1のグランドプレート32Lの本体部321と第2のグランドプレート32Rの本体部321との間の空間内に、第3のコンタクト部品を構成していた2つの通常信号コンタクト31Bおよび通常信号コンタクトペアCP2の左右に位置する2つの非信号コンタクト31Cが位置する。
【0078】
第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bは、第3のコンタクト部品を形成していた通常信号コンタクトペアCP2を構成する2つの通常信号コンタクト31BおよびX軸の正方向側で通常信号コンタクトペアCP2に隣り合う非信号コンタクト31Cと対向している。第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bは、第3のコンタクト部品を形成していた通常信号コンタクトペアCP2を構成する2つの通常信号コンタクト31BおよびX軸の負方向側で通常信号コンタクトペアCP2に隣り合う非信号コンタクト31Cと対向している。また、第1のグランドプレート32Lの基端延伸部326Cは、第3のコンタクト部品を形成していた4つのコンタクト31のうち、X軸の正方向側の2つのコンタクト31と対向している。第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cは、第3のコンタクト部品を形成していた4つのコンタクト31のうち、X軸の負方向側の2つのコンタクト31と対向している。
【0079】
図12に示されているように、通常信号コンタクトペアCP2を構成する2つの通常信号コンタクト31Bは、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bおよび第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bの双方に対向している。
【0080】
また、平面視において、第1のコンタクト部品を構成していた4つのコンタクト31のそれぞれのタイバーカット痕314は、第1のグランドプレート32Lのタイバーカット孔324内に位置しており、第2のコンタクト部品を構成していた4つのコンタクト31のそれぞれのタイバーカット痕314は、第2のグランドプレート32Rのタイバーカット孔324内に位置している。さらに、平面視において、第3のコンタクト部品を構成していた4つのコンタクト31のそれぞれのタイバーカット痕314は、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の空間327内に位置している。
【0081】
また、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rは、インシュレーター33のインサート成形時においては、第1のグランドプレート32Lの基端延伸部326Cと第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間に形成されていた接続部によって互いに接続されている。インシュレーター33のインサート成形後、該接続部を打ち抜くことにより第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rが互いに分離された状態でインシュレーター33により保持される。第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rのそれぞれの基端延伸部326Cの先端には、打ち抜かれた接続部の残存部分である打ち抜き痕328が形成されている。
【0082】
図11および図12に示されているように、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの少なくとも一方に、グランド平面上において、一方から他方に向かって延伸する延伸部を設けることにより、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)から見たときに、第1のグランドプレート32Lまたは第2のグランドプレート32Rが存在しない領域を小さくする、または、そのような領域が生じることを防止することができる。第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rは、内部構造体3の面方向の応力を担っているので、このような構成により、内部構造体3の面方向の応力が著しく低下する領域を小さくする、または、そのような領域が生じることを防止することが可能となる。その結果、内部構造体3の反りや曲げの発生を抑制することができ、相手側コネクタ100が先端側から電気コネクタ1に挿入された際の、相手側コネクタ100と電気コネクタ1との接触不良の発生を抑制することができる。
【0083】
特に、図11および図12に示す形態では、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bと第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bは、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)において、少なくとも先端側の一部が重なっている。そのため、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)から見たときに、第1のグランドプレート32Lまたは第2のグランドプレート32Rが存在しない領域が存在しない。このような構成により、図示の電気コネクタ1では、内部構造体3の面方向の応力が著しく低下する領域が存在しない。そのため、内部構造体3の反りや曲げの発生をより確実に抑制することができる。
【0084】
相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)において、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bと第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bが重なっている領域の幅W(電気コネクタ1の幅方向(X軸方向)における長さ)は、0.25mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。幅Wが上記値未満であると、内部構造体3の面方向の応力の低下を防止する効果を十分に発揮することができない。
【0085】
また、図11および図12に示す形態では、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとが最接近する箇所は、第1のグランドプレート32Lの先端延伸部326Aと第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326Aとの間、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bと第2のグランドプレート32Rの本体部321との間、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bと第1のグランドプレート32Lの本体部321との間、または、第1のグランドプレート32Lの基端延伸部326Cと第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間である。第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとが最接近する箇所での第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rの離間距離は、上述のように、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31のそれぞれとが最接近する箇所での第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rと複数のコンタクト31のそれぞれとの離間距離以上となっている。
【0086】
なお、図11および図12に示す形態では、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの双方が、一方から他方に向かって延伸する延伸部を備えているが、本発明はこれに限られない。例えば、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの一方のみが、一方から他方に向かって延伸する延伸部を備えている場合も本発明の範囲内である。例えば、第1のグランドプレート32Lのみが、先端延伸部326A、中央延伸部326B、および基端延伸部326Cの少なくとも1つを備えているような場合も本発明の範囲内である。この場合、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)から見たときに、第1のグランドプレート32Lまたは第2のグランドプレート32Rが存在しない領域が生じることを完全に防止することはできないが、そのような領域を縮小させることができる。そのため、内部構造体3の面方向の応力が著しく低下する領域を小さくすることができ、内部構造体3の反りや曲げの発生を抑制することができる。
【0087】
第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間であって、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bと、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレートの基端延伸部326Cとの間に、上述した第3のコンタクト部品に対するタイバーカットを実行するための空間327が規定されている。本発明の電気コネクタ1においては、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の空間327が、第3のコンタクト部品を構成する4つのコンタクト31に対するタイバーカットを実行するために利用される。そのため、本発明の電気コネクタ1においては、第3のコンタクト部品を構成する4つのコンタクト31に対するタイバーカットを実行するための追加的なタイバーカット孔324を第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rに形成する必要がない。そのため、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rに形成されるタイバーカット孔324の数や大きさを低減することができる。従来技術の欄において述べたように、インシュレーター33のインサート成形時の絶縁性樹脂材料の冷却および固化時の冷却の不均一性(冷却ムラ)によって、インシュレーター33内部に応力が発生し、タイバーカット孔324が形成されている部分において内部構造体3の反りや曲げが発生してしまう。一方、本発明の電気コネクタ1においては、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rに形成されるタイバーカット孔324の数や大きさが少ないので、インシュレーター33のインサート成形時の内部構造体3の反りや曲げの発生が抑制されている。
【0088】
また、インシュレーター33のインサート成形時の第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の空間に対応する部分での内部構造体3の反りや曲げは、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A、中央延伸部326B、および基端延伸部326Cによっても抑制されている。
【0089】
第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの少なくとも一方が備える延伸部の数、位置および形状は、必要とされる内部構造体3の面方向の応力に応じて適宜設定することができる。例えば、図13には、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの複数の変形例が示されている。
【0090】
図13(a)には、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの1つの変形例が示されている。図11に示した構成と比較して、図13(a)に示されている変形例では、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bが省略され、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326BのZ軸方向における幅が増大している。この場合、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)において、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bと、第1のグランドプレート32Lの先端延伸部326Aおよび基端延伸部326Cとが、重なっている。図13(a)に示す変形例では、図11に示した構成と比較して、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間とを結ぶ直線状の領域において、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bが占める割合が増大している。そのため、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間とを結ぶ直線状の領域における内部構造体3の面方向の応力の低下をより効果的に防止することができる。
【0091】
図13(b)に示す変形例では、第2のグランドプレート32Rが、第1のグランドプレート32Lに向かって平行に延伸する2つの中央延伸部326Bを備え、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)において、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bと第2のグランドプレート32Rの2つの中央延伸部326Bが、交互に位置している。図13(b)に示す変形例においても、図11に示した構成と比較して、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間とを結ぶ直線状の領域において、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bが占める割合が増大している。
【0092】
図13(c)に示す変形例では、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bの先端部分が、Z軸の負方向に向かって折り曲がっており、第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bの先端部分が、Z軸の正方向に向かって折り曲がっている。そのため、図13(c)に示す変形例では、第1のグランドプレート32Lの中央延伸部326Bおよび第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bは、相手側コネクタ100の挿入方向(Z軸方向)だけでなく、相手側コネクタ100の挿入方向に直交する電気コネクタ1の幅方向(X軸方向)においても、重なっている。図13(c)に示す変形例においても、図11に示した構成と比較して、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間とを結ぶ直線状の領域において、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの中央延伸部326Bが占める割合が増大している。
【0093】
図13(d)に示す変形例では、第1のグランドプレート32Lの基端延伸部326CのX軸方向の幅が減少し、第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326CのX軸方向の幅が増大している。そのため、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間が同一直線状に位置しない。第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間が同一直線状に位置していると、その直線状の領域において内部構造体3の面方向の応力が低下してしまう。一方、図13(d)に示す変形例では、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間が同一直線状に位置しないため、内部構造体3の面方向の応力が低下する領域が生じることを防止することができる。
【0094】
図13(a)~図13(c)に示した変形例は、図11に示した構成に、第1のグランドプレート32Lの本体部321と第2のグランドプレート32Rの本体部321との間の領域において、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの延伸部が占める割合を増加させるための改良を施した構成である。図13(d)に示した変形例は、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの先端延伸部326A間の隙間と、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの基端延伸部326Cとの間の隙間とを結ぶ直線状の領域における内部構造体3の面方向の応力の低下をより効果的に防止するための改良を施した構成である。
【0095】
図13を参照して詳述した第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの変形例を用いた場合であっても、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)から見たときに、第1のグランドプレート32Lまたは第2のグランドプレート32Rが存在しない領域が生じることを防止することができる。そのため、内部構造体3の面方向の応力が著しく低下する領域が生じることを防止することができる。
【0096】
図14には、電気コネクタ1の縦断面図が示されている。図15には、相手側コネクタ100と電気コネクタ1が嵌合された状態の縦断面図が示されている。電気コネクタ1の先端側から相手側コネクタ100が電気コネクタ1のシェル2の差込口211に挿入されると、相手側コネクタ100の複数のコンタクト120のそれぞれと、電気コネクタ1の複数のコンタクト31のそれぞれとが接触し、相手側コネクタ100と電気コネクタ1との間の電気的接続が提供される。同時に、電気コネクタ1のシェル2のシェル接触部22が相手側コネクタ100のシェル110の外周に接触し、さらに、インシュレーター33の舌状部332の開口334を介して外部に露出している電気コネクタ1の第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの一部分が、相手側コネクタ100のグランド端子と接触することにより、相手側コネクタ100および電気コネクタ1のグランド電位が等しくなる。また、相手側コネクタ100のシェル110の先端が、電気コネクタ1のシェル2のシェルストッパー23に接触し、相手側コネクタ100の挿入動作が規制される。
【0097】
このように、本発明の電気コネクタ1では、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rが互いに分離された状態で配置され、さらに、インシュレーター33が第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを互いに絶縁した状態で保持する。そのため、本発明の電気コネクタ1では、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを介した、複数のコンタクト31から構成される第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lのそれぞれの二対の高周波信号コンタクトペアCP1間のクロストークの発生が抑制されている。
【0098】
さらに、本発明の電気コネクタ1では、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの双方が、グランド平面上において、一方から他方に向かって延伸する延伸部を備えている。そのため、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを分離することにより生じる第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rとの間において、相手側コネクタの挿入方向(Z軸方向)から見たときに、第1のグランドプレート32Lまたは第2のグランドプレート32Rが存在しない領域が生じることを防止することができる。そのため、従来技術のように、内部構造体3の面方向の応力が著しく低下する領域を小さくする、または、そのような領域が生じることを防止することができる。そのため、内部構造体3の反りや曲げの発生を抑制することができ、相手側コネクタ100が先端側から電気コネクタ1に挿入された際の、相手側コネクタ100と電気コネクタ1との接触不良の発生を抑制することができる。
【0099】
また、本発明の電気コネクタ1では、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の空間には、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの延伸部が存在している。そのため、インシュレーター33のインサート成形時の絶縁性樹脂材料の冷却および固化時に発生する応力に起因する、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間の空間での内部構造体3の反りおよび曲げの発生を抑制することができる。
【0100】
さらに、本発明の電気コネクタ1においては、第1のグランドプレート32Lと第2のグランドプレート32Rとの間であって、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rの延伸部によって規定された空間327が、複数のコンタクト31の接続部を打ち抜き、複数のコンタクト31を互いに分離させるためのタイバーカットを施すために利用される。そのため、本発明の電気コネクタ1では、第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rに形成されるタイバーカット孔324の数および大きさを低減することができる。この結果、インシュレーター33のインサート成形時の絶縁性樹脂材料の冷却および固化時に発生する応力に起因する内部構造体3の反りおよび曲げの発生を抑制することができる。
【0101】
以上、本発明の電気コネクタ1を図示の実施形態に基づいて説明したが、上述のような本発明の電気コネクタ1を備える電子デバイスもまた、本発明の範囲内である。本発明の電子デバイスは、筐体と、筐体内に設けられた回路基板と、回路基板上に実装された上述の電気コネクタ1と、を含む。
【0102】
以上、本発明の電気コネクタおよび電子デバイスを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、本発明の各構成に任意の構成のものを付加することができる。
【0103】
また、本発明の電気コネクタ1において、内部構造体3の複数のコンタクト31は、インシュレーター33の舌状部332および舌状部332に埋設された第1のグランドプレート32Lおよび第2のグランドプレート32Rを介して対向する第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lを形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、複数のコンタクト31が第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lの一方のみを形成しているような態様や、複数のコンタクト31が第1のグループ31Uおよび第2のグループ31Lに加え、1つ以上の追加的なグループを形成しているような態様も、本発明の範囲内である。
【0104】
本発明の属する分野および技術における当業者であれば、本発明の原理、考え方、および範囲から有意に逸脱することなく、記述された本発明の電気コネクタの構成の変更を実行可能であろうし、変更された構成を有する電気コネクタもまた、本発明の範囲内である。
【0105】
また、図4図15に示された電気コネクタの構成要素の数や種類は、説明のための例示にすぎず、本発明は必ずしもこれに限られない。本発明の原理および意図から逸脱しない範囲において、任意の構成要素が追加若しくは組み合わされ、または任意の構成要素が削除された態様も、本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0106】
1…電気コネクタ 2…シェル 21…本体部 211…差込口 212…基端側開口 22…シェル接触部 23…シェルストッパー 24…抑え部 25…シェル脚部 3…内部構造体 31…コンタクト 311…接点部 312…固定部 313…基板接続部 314…タイバーカット痕 31A…高周波信号コンタクト 31B…通常信号コンタクト 31C…非信号コンタクト 31L…第2のグループ 31U…第1のグループ 32L…第1のグランドプレート 32R…第2のグランドプレート 321…本体部 322…基板接続部 323…位置決め孔 324…タイバーカット孔 325…インピーダンス調整孔 326A…先端延伸部 326B…中央延伸部 326C…基端延伸部 327…空間 328…打ち抜き痕 33…インシュレーター 331…基部 332…舌状部 333…コンタクト受け部 334…開口 100…相手側コネクタ 110…シェル 120…コンタクト 800…グランドプレート 800A、800B、800C…グランドプレート片 810…コンタクト 810A…高周波信号用コネクタ 810B…通常信号用コネクタ 810C…非信号コンタクト 810L…第2のグループ 810U…第1のグループ CP1…高周波信号コンタクトペア CP2…通常信号コンタクトペア S…空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15