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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20230112BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230112BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20230112BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/35
A63F13/795
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020170347
(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062378
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千原 崇史
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-074840(JP,A)
【文献】特開2020-058667(JP,A)
【文献】特開2017-042187(JP,A)
【文献】特許第6377289(JP,B1)
【文献】国際公開第2014/020971(WO,A1)
【文献】特許第6278150(JP,B1)
【文献】特開2016-140493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部および表示部をそれぞれ備え、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のコンピュータと、前記複数のコンピュータに、通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置とを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、
前記サーバ装置および前記複数のコンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部を、
複数のユーザ間のマッチングを行うマッチング手段、
各ユーザの操作入力に基づいてゲーム中の所定のゲーム課題を進行させるゲーム進行手段、および
各ユーザに関連付けられた、前記ゲーム課題を開始または再開するために必要なゲームパラメータを管理するパラメータ管理手段として機能させ、
前記ゲーム進行手段は、所定のタイミングで各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値が所定値以上である場合に、前記ゲーム課題の開始または再開を許容し、
前記パラメータ管理手段は、
前記ゲーム課題を開始または再開する場合に、各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値から前記所定値を減少させ、
前記複数のユーザが参加して互いに競い合うイベントを前記ゲーム中に実行し、
前記イベントの結果に応じて各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値を変更し、
前記イベントに敗北したユーザの前記ゲームパラメータの値を前記イベント終了時における前記ゲームパラメータの値から減少させ、
前記イベントに勝利したユーザの前記ゲームパラメータの値を前記イベント終了時における前記ゲームパラメータの値から回復させ、
前記イベントに勝利したユーザの前記ゲームパラメータの値の回復量が前記イベントに敗北したユーザの前記ゲームパラメータの値の減少量に関連付けられている、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記パラメータ管理手段は、前記イベントにおける所定の内容に応じて前記イベントに勝利したユーザの前記ゲームパラメータの回復量を異ならせる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームパラメータは、少なくとも前記ゲーム課題の非実行時に、時間経過に応じて回復する第1ゲームパラメータと、前記第1ゲームパラメータとは別に所定の条件に基づいて付与される第2ゲームパラメータとを含み、
前記パラメータ管理手段は、前記イベントに敗北したユーザの前記第1ゲームパラメータの値を減少させる、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲームパラメータは、予め定められた上限値を有する第1ゲームパラメータと、前記第1ゲームパラメータとは別に設定される第3ゲームパラメータと、を含み、
前記パラメータ管理手段は、
前記第1ゲームパラメータの前記上限値を超えて前記ゲームパラメータを回復させる際に、前記第3ゲームパラメータの値を増加させ、
前記イベントに勝利したユーザの前記ゲームパラメータの値の回復量を、前記イベントに敗北したユーザの前記第3ゲームパラメータの値に基づいて決定し、
前記イベントに敗北したユーザの前記第3ゲームパラメータの値を減少させる、請求項1から3の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えたゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームにおいて複数用意されるクエストの1つを開始する場合や、途中からクエストを再開する場合に、スタミナ値等の所定のゲームパラメータの消費が必要となるゲームプログラムが知られている(例えば下記特許文献1参照)。このようなゲームパラメータは、時間経過によって回復し、課金またはゲーム内で付与され得る所定のアイテムを使用することによっても回復し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-058668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなゲームパラメータの消費量は、開始または再開したいゲーム内のクエスト等によって予め定められている。すなわち、従来のゲームにおいて、複数のユーザにそれぞれ付与されたゲームパラメータは、複数のユーザがそれぞれ同じクエスト等を行う場合、それぞれ同じ量消費される。したがって、各ユーザのゲームにおける技量に関係なくゲームがプレイ可能な(継続可能な)時間が定められることになる。
【0005】
このように、従来のゲームパラメータの増減は、ゲームにおいてユーザの興趣を高める要素にはなっていない。
【0006】
そこで本発明は、ゲームパラメータを消費してゲーム課題を実行するゲームにおいて、ゲームパラメータを用いてユーザの興趣を高めることができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るゲームプログラムは、記憶部および表示部をそれぞれ備え、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のコンピュータと、前記複数のコンピュータに、通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置とを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、前記サーバ装置および前記複数のコンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部を、複数のユーザ間のマッチングを行うマッチング手段、各ユーザの操作入力に基づいてゲーム中の所定のゲーム課題を進行させるゲーム進行手段、および各ユーザに関連付けられた、前記ゲーム課題を開始または再開するために必要なゲームパラメータを管理するパラメータ管理手段として機能させ、前記ゲーム進行手段は、所定のタイミングで各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値が所定値以上である場合に、前記ゲーム課題の開始または再開を許容し、前記パラメータ管理手段は、前記ゲーム課題を開始または再開する場合に、各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値から前記所定値を減少させ、前記複数のユーザが参加して互いに競い合うイベントを前記ゲーム中に実行し、前記イベントの結果に応じて各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値を変更する。
【0008】
前記パラメータ管理手段は、前記イベントに勝利したユーザのゲームパラメータの値を敗北したユーザより多く回復させてもよい。
【0009】
前記パラメータ管理手段は、前記イベントにおける所定の内容に応じて前記イベントに勝利したユーザのゲームパラメータの回復量を異ならせてもよい。
【0010】
前記パラメータ管理手段は、前記イベントに敗北したユーザの前記ゲームパラメータの値を減少させてもよい。
【0011】
前記ゲームパラメータは、少なくとも前記ゲーム課題の非実行時に、時間経過に応じて回復する第1ゲームパラメータと、前記第1ゲームパラメータとは別に所定の条件に基づいて付与される第2ゲームパラメータとを含み、前記パラメータ管理手段は、前記イベントに敗北したユーザの前記第1ゲームパラメータの値を減少させてもよい。
【0012】
前記ゲームパラメータは、予め定められた上限値を有する第1ゲームパラメータと、前記第1ゲームパラメータとは別に設定される第3ゲームパラメータと、を含み、前記パラメータ管理手段は、前記第1ゲームパラメータの前記上限値を超えて前記ゲームパラメータを回復させる際に、前記第3ゲームパラメータの値を増加させ、前記イベントに勝利したユーザの前記ゲームパラメータの値の回復量を、前記イベントに敗北したユーザの前記第3ゲームパラメータの値に基づいて決定し、前記イベントに敗北したユーザの前記第3ゲームパラメータの値を減少させてもよい。
【0013】
本発明の他の態様に係るゲームプログラムは、記憶部および表示部をそれぞれ備え、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のコンピュータと、前記複数のコンピュータに、通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置とを備えたゲームシステムのためのゲームプログラムであって、前記サーバ装置および前記複数のコンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部を、複数のユーザ間のマッチングを行うマッチング手段、各ユーザの操作入力に基づいてゲーム中の所定のゲーム課題を進行させるゲーム進行手段、および各ユーザに関連付けられた、前記ゲーム課題を開始または再開するために必要なゲームパラメータを管理するパラメータ管理手段として機能させ、前記ゲーム進行手段は、所定のタイミングで各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値が所定値以上である場合に、前記ゲーム課題の開始または再開を許容し、前記パラメータ管理手段は、前記ゲーム課題を開始または再開する場合に、各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値から前記所定値を減少させ、前記複数のユーザが参加して互いに競い合うイベントを前記ゲーム中に実行し、前記イベントの実行中に他のユーザに対して行った所定の操作入力の成功回数に基づいて各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値を増加させる。
【0014】
前記パラメータ管理手段は、各ユーザに対して行われた他のユーザからの前記所定の操作入力の成功回数に基づいて各ユーザに関連付けられた前記ゲームパラメータの値を減少させてもよい。
【0015】
また、本発明の他の態様に係るゲームシステムは、上記のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ゲームパラメータを消費してゲーム課題を実行するゲームにおいて、ゲームパラメータを用いてユーザの興趣を高めることができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、本実施の形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
図3図3は、本実施の形態におけるゲームのクエスト選択画面を示す図である。
図4図4は、実施の形態1におけるクエスト実行時の表示画面(クエスト画面)を示す図である。
図5図5は、実施の形態1におけるクエスト実行時の表示画面(クエスト画面)を示す図である。
図6図6は、実施の形態1におけるクエスト実行時の表示画面(クエスト画面)を示す図である。
図7図7は、実施の形態1におけるクエスト実行時の表示画面(クエスト画面)を示す図である。
図8図8は、実施の形態2におけるクエスト実行時の表示画面(クエスト画面)を示す図である。
図9図9は、複数のゲームパラメータの一例を示す図である。
図10図10は、複数のゲームパラメータの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、コンピュータ装置として構成される複数のゲーム装置2と、サーバ装置3とが、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。このうちゲーム装置2は、その動作を制御するCPU(Central Processing Unit)10等のプロセッサを備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、記憶装置14、ROM(Read Only Memory)15、およびRAM(Random Access Memory)16が接続されている。
【0020】
ゲーム装置2は、表示部であるモニタ19が設けられた移動筐体をユーザが把持するように構成される。当該移動筐体には操作入力部12が設けられている。本実施の形態において、ゲーム装置2の各構成は、移動筐体内に収められている。
【0021】
ROM15は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラム等が記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAM等により構成され、CPU10が実行するべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要となるゲームデータ30b等を、ゲームのプレイ状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
【0022】
さらに、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、ネットワークインタフェイス25、および撮像部28が接続されている。
【0023】
このうち、グラフィック処理部17は、CPU10の指示に従って仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介してゲーム装置2に内蔵されたモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
【0024】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
【0025】
撮像部28は、移動筐体のモニタ19の表示面とは反対側および/または表示面側に設けられ、外部の風景(現実の画像)を撮像する。撮像された画像データは、記憶装置14に記憶される。
【0026】
操作入力部12は、モニタ19上に設けられたタッチパネルで構成され、モニタ19上に表示された操作ボタン等をユーザが触れることにより、対応する操作入力が行われる。
【0027】
一方、サーバ装置3は、その動作を制御する高性能のCPU40等のプロセッサを備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインタフェイス45が接続されている。
【0028】
サーバ装置3のROM43は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、サーバ装置3と他のゲーム装置2との間の通信を制御するプログラム等、サーバ装置3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。
【0029】
また、RAM44は、DRAMまたはSRAM等から構成され、CPU40が実行するべきプログラムや、その実行の際に必要になるデータ等を、記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
【0030】
本実施の形態において、ゲームシステム1は、いわゆるネイティブアプリとしてゲーム装置2にインストールされたゲーム(アプリ)を進行させ、サーバ装置3において(WEB上で)後述するスタミナ値のほか、仮想通貨、所有キャラクタ、キャラクタの付与抽選(ガチャ)の実行等のデータを管理する形式のいわゆるガワネイティブアプリによって動作する。
【0031】
サーバ装置3の記憶装置42は、サーバ装置3が内蔵する大容量記憶媒体である。サーバ装置3は、記憶装置42にゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを記憶している。CPU40は、各ゲーム装置2(アカウント)のセーブデータ42cを管理する。サーバ装置3と複数のゲーム装置2とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信を行う。
【0032】
ゲーム装置2は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行(プレイ)するために、ゲーム装置2を介してサーバ装置3の記憶装置42に記憶されたゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。さらに、ゲーム装置2は、サーバ装置3からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。
【0033】
ゲーム装置2は、インストールしたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいて、ゲーム装置2にてゲーム進行を行い、これらのゲーム進行に伴うゲーム演出(ゲーム画像、音声)を後述するモニタ19およびスピーカ22等に出力する。
【0034】
なお、各ゲーム装置2および各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報(固有の識別情報)が付与される。そして、アカウント情報ごとにID(識別符号)が付与される。
【0035】
サーバ装置3は、各ユーザのアカウント情報を管理し、各アカウントのゲーム進行状況に関するデータなどをゲーム装置2から受信して記憶装置42に記憶する。
【0036】
例えば、ゲーム装置2は、ユーザによってゲームを開始する操作が行われたとき、各ゲーム装置2が通信ネットワークNWを介してサーバ装置3と通信を行い、このゲーム装置2からアカウント情報が送信される。サーバ装置3は、送信されたアカウント情報に基づいて所定の認証を行い、ゲーム装置2にゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を送信する。
【0037】
ゲーム装置2は、このアカウントのゲーム進行状況に関するデータ等を受信して、ゲーム装置2にてゲーム進行を行う。また、ゲーム装置2は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費またはゲーム課題クリア等のデータ更新時)でサーバ装置3にゲーム進行状況に関するデータを送信する。このように、ガワネイティブアプリ型のゲームシステムは、所定のタイミングでサーバ装置3とゲーム装置2とで相互に通信を行い、サーバ装置3とゲーム装置2とで同期をとってゲームを進行させる。
【0038】
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、本実施の形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。ゲームシステム1を構成するゲーム装置2は、CPU10、記憶装置14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、オーディオ合成部20等を含む制御部5aを備えたコンピュータとして動作する。また、サーバ装置3は、CPU40、記憶装置42、ROM43、およびRAM44等を含む制御部5bを備えたコンピュータとして動作する。そして、図2に示すように、ゲーム装置2の制御部5aとサーバ装置3の制御部5bとが協動することにより構成されるゲームシステム1の制御部5は、ゲームプログラム30a,42aを実行することで、各プロセッサの制御により、ゲーム進行手段51、パラメータ管理手段52およびマッチング手段53等の機能を発揮する。
【0039】
このうち、ゲーム進行手段51は、ユーザの操作入力に基づいて仮想空間に生成されるプレイヤキャラクタを行動させてゲームを進行させる。ゲーム進行手段51は、ユーザが操作するプレイヤキャラクタが行動する二次元または三次元の仮想空間(ゲーム空間)を生成する。例えば、ゲーム進行手段51は、プレイヤキャラクタの移動に伴って、ゲームデータ30b,42bに含まれるオブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0040】
さらに、ゲーム進行手段51は、仮想空間内で動作する各オブジェクトも生成する。また、ゲーム進行手段51は、プレイヤキャラクタの位置に基づいて、仮想カメラを配置する。仮想空間に配置された仮想カメラにより撮像される二次元画像がゲーム進行画像としてモニタ19に表示される。ゲーム進行手段51は、プレイヤキャラクタおよび仮想カメラの動作を、ユーザによる操作入力部12への操作入力またはゲームの進行状況に応じて制御することによりゲーム中のゲーム課題(後述するクエスト、ミッション等)を進行させる。さらに、ゲーム進行手段51は、仮想空間にて行動するキャラクタ等のノンプレイヤキャラクタの動作を制御する。
【0041】
パラメータ管理手段52は、ユーザに付与され、ゲーム課題を開始または再開するために必要なゲームパラメータを管理する。以下では、ゲームパラメータをスタミナ値と称する。
【0042】
マッチング手段53は、複数のユーザがそれぞれのゲーム装置2を介して操作する複数のプレイヤキャラクタ同士を共通のゲームステージで行動させるために、複数のユーザ間のマッチングを行う。ゲーム進行手段51は、マッチングした複数のユーザがそれぞれ操作する複数のプレイヤキャラクタの動作を共通のゲームステージ上で制御する。
【0043】
図3は、本実施の形態におけるゲームのクエスト選択画面を示す図である。図3に示すように本実施の形態におけるゲームにおいては、複数のクエストが用意されており、ユーザは、複数のクエストの中から希望するクエストを選択可能である。クエスト選択画面G1には、ユーザのID、そのユーザ(のID)に関連付けられたスタミナ値(現在値)、およびユーザが選択可能なクエストが表示される。スタミナ値表示欄G8には、ユーザに関連付けられたスタミナ値の現在値が表示される。ユーザが選択可能なクエストを表示するクエスト表示欄G2には、一または複数のクエストの内容と、そのクエストを開始するのに必要なスタミナ値(初期消費量)が表示される。
【0044】
初期消費量は、クエストごとに設定される。すなわち、初期消費量は、複数のクエストの間で異なり得る。ユーザが選択可能なクエストの内容は、ユーザのゲーム進行状況(クエストクリア状況等)、現在のスタミナ値等によって変更され得る。
【0045】
スタミナ値は、ユーザ(のID)ごとに予め関連付けられる。例えば、ゲームを最初にプレイする際に、スタミナ値(の上限)が設定される。スタミナ値は、後述するようにクエストを実行することで消費され、ゲーム課題(クエスト)の非実行時に回復する。例えば、パラメータ管理手段52は、ゲーム課題の非実行時に、ユーザに関連付けられたスタミナ値を単位時間ごとに所定量(例えば1分ごとに10)回復させる。スタミナ値には上限値が設けられ、時間回復によるスタミナ値は上限値を超えては回復(増加)しない。
【0046】
スタミナ値はゲーム内アイテムの使用、レベルアップ(制限解除)、課金等によって増やすことが可能である。これらによる回復は、上限を超えて回復(増加)する。また、スタミナ値の上限は、ゲーム内アイテムの使用、ユーザランクまたはキャラクタランクのレベルアップ(制限解除)、課金等によって増やすことが可能である。なお、ゲーム課題の非実行時は、ゲーム課題の開始から終了までの期間以外の期間であればよく、例えば、クエストの実行開始前(クエスト選択画面G1表示状態)およびゲームアプリの非起動時等を含む。ユーザランクまたはキャラクタランクのレベルアップには経験値が必要となる。経験値は例えばゲーム課題(クエスト)をクリアしたりする毎に累積される。
【0047】
クエスト表示欄G2は、クエストごとに選択入力(タッチ入力)可能な仮想ボタンとして構成されている。ユーザは希望するクエストを選択入力することにより、そのクエストを開始することができる。ゲーム進行手段51は、クエストの選択入力を受け付け、選択入力があった場合に、クエスト開始処理を実行する。
【0048】
このとき、ゲーム進行手段51は、ユーザに関連付けられた現在のスタミナ値と選択入力があったクエストにおいて設定されるスタミナ値の初期消費量とを比較し、現在のスタミナ値が初期消費量以上である場合に、そのクエストの開始を許容する。パラメータ管理手段52は、現在のスタミナ値から対応する初期消費量を減少させる。ゲーム進行手段51は、減少後のスタミナ値をそのクエストにおけるスタミナ値の初期値としてそのクエストを実行する。
【0049】
本実施の形態におけるゲームにおいて、パラメータ管理手段52は、マッチングした複数のユーザが参加して互いに競い合うイベントをゲーム中に実行する。以下では、そのイベントが、ゲーム中に複数用意されるクエストの1つとして構成される例を示す。
【0050】
[実施の形態1]
図4から図7は、実施の形態1におけるクエスト実行時の表示画面(クエスト画面)を示す図である。図4から図7に示すクエスト画面G3は、目的表示欄G4、取得数表示欄G5、残り時間表示欄G6およびゲーム画面G7を含む。目的表示欄G4は、そのクエストの目的を表示する。図4図6の例では、クエストの目的として上から落ちてくる「おにぎり」を所定時間内により多く拾うことが示される。取得数表示欄G5は、取得した「おにぎり」の数を表示する。残り時間表示欄G6は、クエスト終了までの残り時間をバー表示する。
【0051】
ゲーム画面G7には、仮想空間(ゲーム空間)Sおよび仮想空間S内に配置されたプレイヤキャラクタPC1,PC2が表示される。プレイヤキャラクタPC1は、ユーザが操作可能なプレイヤキャラクタ(自キャラクタ)であり、プレイキャラクタPC2は、他のユーザによって操作されるプレイヤキャラクタ(他キャラクタ)である。
【0052】
クエスト1では、上方から「おにぎり」を模した標的オブジェクトOB1および「石」を模した妨害オブジェクトOB2が落ちてくる。プレイヤキャラクタPC1は、ユーザのタップ操作、左右方向のスワイプ操作またはドラッグ操作によって動作する。例えばプレイヤキャラクタPC1に対して左右方向に移動操作(スワイプ操作またはドラッグ操作)することにより、プレイヤキャラクタPC1が左右に移動する。
【0053】
プレイヤキャラクタPC1,PC2を標的オブジェクトOB1に接触させることにより、接触したプレイヤキャラクタPC1,PC2が「おにぎり」を取得することができる。「おにぎり」(標的オブジェクトOB1)を取得するごとに取得数表示欄G5の取得数が増加する。
【0054】
一方、妨害オブジェクトOB2がプレイヤキャラクタPC1,PC2に接触すると、プレイヤキャラクタPC1,PC2が一定時間硬直する。図5の例では、妨害オブジェクトOB2がプレイヤキャラクタPC2に接触することにより、プレイヤキャラクタPC2が転倒した状態(硬直状態)が示されている。硬直している間、対応するプレイヤキャラクタPC1,PC2は、ユーザの移動操作にかかわらず移動できなくなる。プレイヤキャラクタPC1,PC2は、硬直している間、標的オブジェクトOB1を取得することができない。
【0055】
さらに、図5に示すように、他のユーザが操作するプレイヤキャラクタPC2が硬直している間、プレイヤキャラクタPC1をそのプレイヤキャラクタPC2に近づける移動操作を行った上で(プレイヤキャラクタPC1をプレイヤキャラクタPC2から所定距離内に位置させた状態で)、プレイヤキャラクタPC2に対してタップ操作を行うことにより、プレイヤキャラクタPC1が硬直中のプレイヤキャラクタPC2に攻撃することができる(図6)。
【0056】
硬直中のプレイヤキャラクタPC2にプレイヤキャラクタPC1からの攻撃が命中すると、プレイヤキャラクタPC2の硬直時間が延長される。一方、ユーザが操作するプレイヤキャラクタPC1が硬直状態となった場合に、プレイヤキャラクタPC1を連続的にタップ操作することにより、硬直時間を短くする(早期復帰を図る)ことができる。
【0057】
このように、クエスト1は、複数のユーザが参加して所定時間内に「おにぎり」(標的オブジェクトOB1)をより多く取得することを競い合うイベントとして構成されている。すなわち、所定時間経過時点で、標的オブジェクトOB1を最も多く取得したユーザが勝者となる。図7の例では、プレイヤ1(プレイヤキャラクタPC1を操作するユーザ)が勝者となる。
【0058】
パラメータ管理手段52は、イベントの結果に応じて各ユーザに関連付けられたスタミナ値を変更する。より具体的には、パラメータ管理手段52は、イベントに勝利したユーザ(勝者)のスタミナ値を敗北したユーザ(敗者)より多く回復させる。例えば、パラメータ管理手段52は、勝者に関連付けられたスタミナ値を所定の第1固定値回復させ、敗者に関連付けられたスタミナ値を第1固定値より低い第2固定値回復させる。図7の例では、第1固定値は60、第2固定値は30に設定されている。イベントに基づくスタミナ値の回復は、イベント終了後に実行される。
【0059】
本実施の形態では、クエスト1を実行するために各ユーザがスタミナ値を20消費している。したがって、プレイヤ1は、クエスト1を開始する前のスタミナ値(図3の例では140)から40回復する。プレイヤ2は、クエスト2を開始する前のスタミナ値から10回復する。
【0060】
[発明の効果]
以上をまとめると、本実施の形態の一側面は、記憶部(記憶装置14)および表示部(モニタ19)をそれぞれ備え、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のコンピュータ(ゲーム装置2)と、複数のコンピュータに、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されたサーバ装置3とを備えたゲームシステム1のためのゲームプログラムであって、サーバ装置3および複数のコンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部5を、複数のユーザ間のマッチングを行うマッチング手段53、各ユーザの操作入力に基づいてゲーム中の所定のゲーム課題(クエスト)を進行させるゲーム進行手段51、各ユーザに関連付けられた、ゲーム課題を開始または再開するために必要なゲームパラメータ(スタミナ値)を管理するパラメータ管理手段52として機能させ、ゲーム進行手段51は、所定のタイミングで各ユーザに関連付けられたゲームパラメータの値が所定値以上である場合に、ゲーム課題の開始または再開を許容し、パラメータ管理手段52は、ゲーム課題を開始または再開する場合に、各ユーザに関連付けられたゲームパラメータの値から所定値を減少させ、複数のユーザが参加して互いに競い合うイベントをゲーム中に実行し、イベントの結果に応じて各ユーザに関連付けられたスタミナ値を変更する、ゲームプログラムである。
【0061】
本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、ゲームパラメータ(スタミナ値)を争奪するイベントがゲーム中に実行される。イベントの結果に応じてユーザに関連付けられたスタミナ値が変更される。例えば、イベントの勝者は、敗者よりゲームパラメータを多く回復させることができる。このように、ゲームパラメータを用いてより多くのゲーム課題(クエスト)を実行することができる。したがって、本実施の形態によれば、ゲームパラメータを争奪するイベントをゲーム中に実行することにより、ゲームパラメータを用いてユーザの興趣を高めることができる。
【0062】
[変形例]
上記実施の形態では、イベントの勝者に付与されるスタミナ値の回復量が固定値(第1固定値)である例を示したが、これに限られない。例えば、パラメータ管理手段52は、イベントにおける所定の内容に応じてイベントに勝利したユーザ(勝者)のゲームパラメータ(スタミナ値)の回復量を異ならせてもよい。例えば、勝者が操作するプレイヤキャラクタPC1における標的オブジェクトOB1の取得数に応じて勝者に関連付けられたスタミナ値の回復量が決定されてもよい。
【0063】
この場合、例えば、勝者が操作するプレイヤキャラクタPC1が取得した標的オブジェクトOB1の数が多いほどスタミナ値の回復量が多くなってもよい。また、例えば、勝者が操作するプレイヤキャラクタPC1が取得した標的オブジェクトOB1の数が所定値を超えた場合に、所定値以下であった場合に比べてスタミナ値の回復量が多くなってもよい。
【0064】
また、例えば、勝者が操作するプレイヤキャラクタPC1が取得した標的オブジェクトOB1の数と他のプレイヤキャラクタPC2が取得した標的オブジェクトOB1の数との差(取得数差)に応じて勝者に関連付けられたスタミナ値の回復量が異なってもよい。例えば、取得数差が10未満なら回復量の差が50であるのに対し、取得数差が10以上なら回復量の差が100であってもよい。この場合、例えば取得数差が10未満のとき勝者が100回復するとともに敗者は50回復し、取得数差が10以上のとき勝者が150回復するとともに敗者は50回復等となる。
【0065】
さらに、例えば、取得数差が大きいほど勝者に関連付けられたスタミナ値の回復量が多くなってもよい。例えば、回復量の差が取得数差の10倍となるようにスタミナ値の回復量を決定してもよい。この場合、例えば取得数差が1であれば勝者と敗者との間のスタミナ値の回復量の差は10(勝者が40回復なら敗者は30回復等)であるが、取得数差が10であればスタミナ値の回復量の差は100(勝者が100回復なら敗者は0(回復せず)等)となる。
【0066】
また、例えば、勝者または敗者がイベント時に所定のアイテムを使用したか否かで勝者に関連付けられたスタミナ値の回復量が異なってもよい。この場合、例えば、上記のイベント中に一定時間妨害オブジェクトOB2に接触してもプレイヤキャラクタPC1の硬直を防止することができる硬直防止アイテムを使用可能とし、勝者がその硬直防止アイテムを使用した回数が少ないほど、または、敗者が硬直防止アイテムを使用した回数が多いほど、スタミナ値の回復量を多くしてもよい。
【0067】
また、標的オブジェクトOB1の取得数、取得数差、または、所定のアイテム使用回数について勝者のスタミナ値を回復するための基準値を設けてもよい。すなわち、例えば標的オブジェクトOB1の取得数または取得数差が下限値未満の場合、そのイベントの勝者であってもスタミナ値が回復しない、または、スタミナ値の回復量が敗者と同じようにしてもよい。また、例えば、勝者における所定のアイテムの使用回数が上限値を超えた場合、そのイベントの勝者であってもスタミナ値が回復しない、または、スタミナ値の回復量が敗者と同じようにしてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、イベントの敗者もスタミナ値が回復する態様を例示したが、敗者はスタミナ値が回復しなくてもよい(回復量0でもよい)。また、イベントの敗者に関連付けられた現在のスタミナ値が減ってもよい。すなわち、パラメータ管理手段52は、イベントに敗北したユーザのスタミナ値を減少させてもよい。例えば、本実施の形態の例では、スタミナ値回復用のクエスト1を実行するためにスタミナ値が20消費される。したがって、敗者のスタミナ値の回復量が20であれば実質的な回復量は0となる。また、敗者のスタミナ値の回復量が20未満であれば実質的なスタミナ値の減少となる。
【0069】
また、本実施の形態では、イベントに参加するユーザが二人の場合を例示したが、三人以上が参加するイベントとしてもよい。この場合、イベントの勝者(一位のユーザ)に関連付けられたスタミナ値の回復量のみが増えてもよいし、順位(達成度順等)に応じてスタミナ値の回復量が決定されてもよい。
【0070】
また、スタミナ値回復用のクエスト1の実行にはスタミナ値の消費は不要としてもよい。この場合でも敗者のスタミナ値の回復量は0でもよいし、スタミナ値が現在値より減少してもよい。
【0071】
スタミナ値を減少させる際、イベントの勝者のスタミナ値の回復量が、敗者のスタミナ値の減少量に関連付けられていてもよい。例えば、勝者のスタミナ値の回復量が敗者のスタミナ値の減少量と同じであってもよい。また、例えば、勝者のスタミナ値の回復量が敗者のスタミナ値の減少量の係数k倍(k>0、kは1より小さくても大きくてもよい)であってもよい。イベントの勝者のスタミナ値が回復する際に、敗者のスタミナ値を奪って勝者のスタミナ値を付与するような演出表現が行われてもよい。
【0072】
なお、スタミナが減少する(勝者に奪われる)ことを所定のアイテムを使用する、または、課金等を行うことで防止可能としてもよい。
【0073】
イベントに参加するユーザが、そのユーザに関連付けられているスタミナ値をそのイベントの参加前に供出し、イベント結果に応じて、複数のユーザにより供出されたスタミナ値を分配するようにしてもよい。この場合、供出するスタミナ値は、固定値でもよいし、ユーザが指定可能としてもよい。また、供出するスタミナ値は、予め設定されている固定値に、ユーザが指定した倍率を掛けた値としてもよい。
【0074】
複数のユーザにより供出されたスタミナ値を分配する場合、すべてのユーザに対してスタミナ値を分配してもよいし、イベントの勝者(一位のユーザ)に関連付けられたスタミナ値にすべて充当(勝者の総取りに)してもよい。イベント後に各ユーザに分配されたスタミナ値の回復量が、各ユーザが供出したスタミナ値より少ない場合、そのユーザに関連付けられたスタミナ値(現在値)は、イベント開始前より減少することになる。
【0075】
供出値または倍率がユーザにより指定可能な場合、供出値または倍率をマッチング前に指定可能としてもよいし、マッチング後に指定可能としてもよい。供出値または倍率をマッチング後に指定可能とする場合、マッチング後に、マッチングされた複数のユーザの情報(レベル、使用キャラクタの種別または各種能力値、使用武器等)がイベント実行前に表示されてもよい。マッチングされた複数のユーザの情報の表示後に、供出値または倍率を設定可能としてもよい。これにより、各ユーザが競争相手となる他のユーザの情報を見た上でスタミナ値の供出量を指定することができる。
【0076】
また、本実施の形態では、ゲーム課題の達成順で勝敗を判定した(標的オブジェクトOB1の取得数の最も多いユーザを勝者とした)が、イベントの勝敗は、ゲーム課題の達成に直結する要素で判定することに限られず、ゲーム課題の中の部分的な要素で判定してもよい。すなわち、ゲーム課題の目的(主目的)とは別に、スタミナ値の回復量を決定するためのイベントの勝敗(副目的)が判定されてもよい。
【0077】
例えば、上記例において、妨害オブジェクトOB2に接触した回数(硬直した回数)が最も少ないユーザがイベントの勝者として判定されてもよい。あるいは、プレイヤキャラクタPC1が硬直中の他のプレイヤキャラクタPC2を攻撃した回数が最も多いユーザがイベントの勝者として判定されてもよい。また、例えば開始位置から所定の目的地に到達することを目的(主目的)とするゲーム課題において、プレイヤキャラクタPC1,PC2が移動可能な仮想空間に配置された所定のアイテムを取得した数が最も多いユーザがイベントの勝者として判定されてもよい。
【0078】
また、イベントの勝者および敗者を決めずにイベント終了後における各ユーザに関連付けられた所定の要素に応じてスタミナ値の回復量が決定されてもよい。例えば、各ユーザが操作するプレイヤキャラクタPC1が硬直中の他のプレイヤキャラクタPC2を攻撃した回数に応じて各ユーザに関連付けられたスタミナ値の回復量が決定されてもよい。
【0079】
また、イベントの内容は、上記実施の形態に限られず、対戦ゲーム等、複数のユーザ間で何らかの勝敗がつくものであればよい。例えば、イベントは、対戦カードゲーム、格闘ゲーム、スポーツゲーム、レースゲーム等、種々のゲームを適用することができる。また、上記実施の形態では、所定時間に取得した標的オブジェクトOB1の数を競うゲームとしたが、勝敗の決め方は、これに限られない。例えば、先に基準数の標的オブジェクトOB1を取得したプレイヤキャラクタPC1,PC2を操作するユーザを勝者としてもよい。また、各プレイヤキャラクタに体力値を設け、妨害オブジェクトOB2に接触した場合または他のプレイヤキャラクタからの攻撃を受けた場合に体力値が減るようにし、所定時間に達する前に体力値が0になった場合には、そのプレイヤキャラクタはそれ以上標的オブジェクトOB1を取得できない(他のプレイヤキャラクタは所定時間に達するまで取得可能)としてもよい。
【0080】
[実施の形態2]
上記実施の形態1では、複数のユーザが参加するイベントの結果に基づいてスタミナ値の回復量が決定される態様、より具体的には、イベントに勝利することによってより多くのスタミナ値の回復量が得られる態様を例示したが、これに限られない。図8は、実施の形態2におけるクエスト実行時の表示画面(クエスト画面)を示す図である。実施の形態2において実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0081】
図8に示すクエスト画面G3は、実施の形態1と同様に、目的表示欄G4、取得数表示欄G5、残り時間表示欄G6およびゲーム画面G7を含む。さらに、クエスト画面G3は、スタミナ値表示欄G9を含む。
【0082】
本実施の形態において、パラメータ管理手段52は、イベントの実行中に他のユーザに対する所定の操作入力の成功回数に基づいて各ユーザに関連付けられたスタミナ値を増加させる。すなわち、本実施の形態においては、イベントの結果(勝敗)にかかわらず、所定の操作入力の成功回数が多いほどスタミナ値が回復する。
【0083】
本実施の形態においても、イベントにおけるゲーム内容は、実施の形態1と同様である。すなわち、クエスト1は、複数のユーザが参加して所定時間内に「おにぎり」(標的オブジェクトOB1)をより多く取得することを競い合うイベントとして構成されている。妨害オブジェクトOB2がプレイヤキャラクタPC1,PC2に接触すると、プレイヤキャラクタPC1,PC2が一定時間硬直する。さらに、他のユーザが操作するプレイヤキャラクタPC2が硬直している間、プレイヤキャラクタPC1をそのプレイヤキャラクタPC2に近づける移動操作を行った上で(プレイヤキャラクタPC1をプレイヤキャラクタPC2から所定距離内に位置させた状態で)、プレイヤキャラクタPC2に対してタップ操作を行うことにより、プレイヤキャラクタPC1が硬直中のプレイヤキャラクタPC2に攻撃することができる。
【0084】
本実施の形態では、所定の操作入力が硬直中の他のプレイヤキャラクタPC2への攻撃操作に設定される。すなわち、パラメータ管理手段52は、イベントの実行中にプレイヤキャラクタPC1による他のプレイヤキャラクタPC2への攻撃操作の成功回数に基づいてプレイヤキャラクタPC1を操作するユーザ(プレイヤ1)に関連付けられたスタミナ値を増加させる。
【0085】
さらに、本実施の形態では、パラメータ管理手段52は、攻撃を受けたプレイヤキャラクタPC2を操作するユーザ(プレイヤ2)に関連付けられたスタミナ値を減少させる。言い換えると、パラメータ管理手段52は、各ユーザに対して行われた他のユーザからの所定の操作入力の成功回数に基づいて各ユーザに関連付けられたスタミナ値を減少させる。図8の例では、攻撃を行ったユーザに関連付けられたスタミナ値の回復量(増加量)と攻撃を受けたユーザに関連付けられたスタミナ値の減少量とは同じ量となっている。
【0086】
[発明の効果]
以上をまとめると、本実施の形態の一側面は、記憶部(記憶装置14)および表示部(モニタ19)をそれぞれ備え、複数のユーザがそれぞれ操作する複数のコンピュータ(ゲーム装置2)と、複数のコンピュータに、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されたサーバ装置3とを備えたゲームシステム1のためのゲームプログラムであって、サーバ装置3および複数のコンピュータの少なくとも1つにより構成される制御部5を、複数のユーザ間のマッチングを行うマッチング手段53、各ユーザの操作入力に基づいてゲーム中の所定のゲーム課題(クエスト)を進行させるゲーム進行手段51、各ユーザに関連付けられた、ゲーム課題を開始または再開するために必要なゲームパラメータ(スタミナ値)を管理するパラメータ管理手段52として機能させ、ゲーム進行手段51は、所定のタイミングで各ユーザに関連付けられたゲームパラメータの値が所定値以上である場合に、ゲーム課題の開始または再開を許容し、パラメータ管理手段52は、ゲーム課題を開始または再開する場合に、各ユーザに関連付けられたゲームパラメータの値から所定値を減少させ、複数のユーザが参加して互いに競い合うイベントをゲーム中に実行し、イベントの実行中に他のユーザに対して行った所定の操作入力の成功回数に基づいて各ユーザに関連付けられたゲームパラメータの値を増加させる、ゲームプログラムである。
【0087】
本実施の形態におけるゲームプログラムによれば、ゲームパラメータ(スタミナ値)を争奪するイベントがゲーム中に実行される。イベントの実行中に他のユーザに関与することでゲームパラメータを回復させることができるため、そのゲームパラメータを用いてより多くのゲーム課題(クエスト)を実行することができる。したがって、本実施の形態によれば、ゲームパラメータを争奪するイベントをゲーム中に実行することにより、ゲームパラメータを用いてユーザの興趣を高めることができる。
【0088】
[変形例]
本実施の形態においても、プレイヤキャラクタPC1が硬直中に他のユーザにスタミナ値が奪われることを防止できるアイテムまたは課金態様が存在してもよい。例えば、プレイヤキャラクタPC1が硬直中であるときまたは事前にそのアイテムを使用する操作入力が行われると、プレイヤキャラクタPC1の周囲にバリアが生成され、プレイヤキャラクタPC1が他のプレイヤキャラクタPC2からの攻撃を受けないようにすることができる。また、プレイヤキャラクタPC1が硬直中に所定の操作入力を行うことにより、他のプレイヤキャラクタの攻撃を防御可能としてもよい。すなわち、他のプレイヤキャラクタの攻撃に合わせた防御操作の入力が行われることにより、他のユーザにスタミナ値が奪われることを防止可能としてもよい。
【0089】
また、プレイヤキャラクタPC1が他のプレイヤキャラクタPC2に対して毒状態等の状態異常を付与する攻撃が可能なイベントにおいては、状態異常になったプレイヤキャラクタPC2から単位時間ごとに所定のスタミナ値を奪ってもよい。すなわち、状態異常を付与したプレイヤキャラクタPC1のスタミナ値が単位時間ごとに回復(増加)し、状態異常になったプレイヤキャラクタPC2のスタミナ値が単位時間ごとに減少してもよい。
【0090】
本実施の形態においても、イベントに参加するユーザは、三人以上でもよい。
【0091】
本実施の形態においては、スタミナ値を増加させる基準となる所定の操作入力として、イベントの実行中に他のユーザに関連付けられたプレイヤキャラクタPC2に対して影響を及ぼすようなプレイヤキャラクタPC1の所定の行動を実行するための操作入力を例示したが、これに限られない。例えば、他のプレイヤキャラクタPC2の行動を妨害する操作入力として、自分が操作するプレイヤキャラクタPC1の行動を伴わない操作入力を所定の操作入力としてもよい。例えば、自分が操作するプレイヤキャラクタPC1の行動を伴わない操作入力は、雷を落とす、地震を発生させる、または、サポートキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタ)が支援行動を開始する等のための操作入力であってもよい。
【0092】
また、所定の操作入力は、他のプレイヤキャラクタPC2に対して影響を及ぼすような操作入力に限られない。例えば、他のプレイヤキャラクタPC2とは独立して他のユーザに関連付けられたパラメータに対する弱体化(デバフ)効果を生じさせる操作入力であってもよい。例えば複数のプレイヤキャラクタの中から行動させるプレイヤキャラクタを選択して行動させるターン制のゲームにおいて、各ユーザに設定されたパラメータとして行動回数(1ターンに行動可能な回数)が含まれる場合に、他のユーザに関連付けられた行動回数を減らすアイテム等を使用する操作入力を、所定の操作入力としてもよい。
【0093】
本実施の形態において適用されるイベントの内容は、実施の形態1において適用される複数のユーザ間で何らかの勝敗がつくゲームに限られない。例えば、イベントは、所定の目的地に到達することを目的とする、または、所定の敵キャラクタを討伐することを目的とするゲーム課題(いわゆる協力プレイを行うゲーム課題)であってもよい。この場合、例えば、他のプレイヤキャラクタPC2に回復アイテムを使用するごとにプレイヤキャラクタPC1のスタミナ値が回復してもよい。
【0094】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0095】
例えば、マッチングには、互いにレベルが近いユーザ同士がマッチングされ、レベルが所定値以上離れているユーザ間でのマッチングは行われなくてもよい。また、レベルが所定値以上離れているユーザ間でのマッチングを許容した場合、イベントにおけるゲーム内容にハンデをつけてもよい。
【0096】
また、マッチングの際に、各ユーザが操作するゲーム装置2の位置情報を取得し、コンピュータ間の距離が所定距離以上のユーザ同士がマッチングされてもよい。近接するゲーム装置2同士のマッチングを禁止することにより、一のユーザが複数のコンピュータを同時に操作する(マッチングさせる)ことでスタミナ値を不正取得することを防止することができる。また、コンピュータ間の距離が所定距離未満のユーザ同士のマッチングを許容した上で、その場合にはイベントによるスタミナ値の回復が行われないようにしてもよい。
【0097】
また、敗者または攻撃を受けたプレイヤキャラクタを操作するユーザに関連付けられたスタミナ値を減少させる態様において、スタミナ値が上限値以上あるユーザとマッチングした場合にのみ、スタミナ値を減少可能としてもよい。この場合も勝者または攻撃を成功させたプレイヤキャラクタを操作するユーザのスタミナ値の回復量は、敗者または攻撃を受けたプレイヤキャラクタを操作するユーザに関連付けられたスタミナ値にかかわらず決定され得る。
【0098】
実施の形態1において、イベント実行中にそのイベントに参加している一部のユーザがそのイベントから離脱(ゲームを一時停止またはスリープ状態等にした場合)した場合、離脱したユーザは敗者として扱い、勝者および敗者のスタミナ値の回復および/または減少が行われてもよい。実施の形態2において、一部のユーザが離脱した場合には、離脱したユーザに所定の罰則(スタミナ値の減少等)を与え、残ったユーザに関連付けられたスタミナ値を所定の値回復させてもよい。あるいは、実施の形態1および2において、一部のユーザが離脱した場合にはイベントを不成立としていずれのユーザについてもスタミナ値の回復および/または減少が行われないようにしてもよい。
【0099】
マッチングは、ゲームを起動しているユーザ間のマッチングに限られず、ゲームを起動していないユーザとゲームを起動しているユーザとのマッチングや、ゲームを起動していないユーザ同士でのマッチングをも含み得る。この場合、サーバ装置3は、ユーザに関連付けられたプレイヤキャラクタの能力値(攻撃力、体力、スキル等のイベントにおける対戦に影響を与えるゲーム要素)のデータを記憶しておき、記憶されたデータを用いて非同期によりイベントを実行してもよい。なお、ゲームを起動していないユーザには、一時停止中、スリープ中のユーザを含み得る。
【0100】
なお、このような非同期によるマッチングを行い得るゲームにおいては、ゲームを起動していないユーザに関連付けられたスタミナ値は、回復または減少しないとしてもよい。あるいは、ゲームを起動していないユーザとマッチングした場合にのみ、ゲームを起動していないユーザのスタミナ値が減少し得る(ゲームを起動していないユーザが敗者となった場合に、勝者が敗者からスタミナ値を奪える)としてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態においては、スタミナ値には上限値が設けられ、時間回復によるスタミナ値は上限値を超えては回復(増加)しない例を示したが、スタミナ値が時間回復により上限値を超えて回復(増加)してもよい。
【0102】
また、ゲームパラメータ(スタミナ値)として、イベントの結果によって回復および減少するパラメータと、イベントの結果によって変動しないパラメータとが設けられてもよい。
【0103】
図9は、複数のゲームパラメータの一例を示す図である。図9の例では、ゲームパラメータは、第1ゲームパラメータGP1と、第2ゲームパラメータGP2とを含む。第1ゲームパラメータGP1は、少なくともゲーム課題の非実行時に、時間経過に応じて回復する。第2ゲームパラメータGP2は、例えば課金を行ったり、所定の有料アイテムを使用した場合等、第1ゲームパラメータGP1とは別に所定の条件に基づいて増加する。このように、第1ゲームパラメータGP1は、無料で回復するスタミナ値であり、第2ゲームパラメータGP2は、有料で回復(増加)するスタミナ値である。第1ゲームパラメータGP1および第2ゲームパラメータGP2は、クエスト選択画面G1のスタミナ値表示欄G8等において、互いに別のパラメータ(ゲージ、数値等)として表示される。
【0104】
図9の例を実施の形態1に適用した場合、パラメータ管理手段52は、イベントに敗北したユーザの第1ゲームパラメータGP1の値を減少させる。すなわち、ユーザがイベントに敗北した場合、無料分のスタミナ値が減少する。第1ゲームパラメータGP1のイベント開始時点でのスタミナ値がイベント敗北に基づくスタミナ値の減少量より少ない場合、第1ゲームパラメータGP1は0となるが、第2ゲームパラメータGP2は減少しない。
【0105】
この場合でも、勝者におけるスタミナ値の回復量は、敗者の第1ゲームパラメータGP1の残量に基づいて変化しなくてもよい。このように、無料分のスタミナ値のみを用いて複数のユーザ間でスタミナの争奪を行うことにより、スタミナ値への課金等を行っているユーザであっても課金した分のスタミナ値が奪われることがなくなる。したがって、スタミナ値への課金等を行っているユーザにも気軽にイベントに参加させることができる。これにより、イベントに参加するユーザの数を多くすることができる。
【0106】
また、図9の例を、実施の形態2に適用することも可能である。この場合、パラメータ管理手段52は、攻撃を受けたプレイヤキャラクタPC2を操作するユーザ(プレイヤ2)に関連付けられた第1ゲームパラメータGP1の値を減少させる。すなわち、ユーザの操作するプレイヤキャラクタが攻撃を受けた場合、無料分のスタミナ値が減少する。第1ゲームパラメータGP1のイベント開始時点またはイベント実行中のスタミナ値が攻撃を受けたことによる第1ゲームパラメータGP1の値の減少量より少ない場合、第1ゲームパラメータGP1は0となるが、第2ゲームパラメータGP2は減少しない。
【0107】
なお、勝者または攻撃を成功させたプレイヤキャラクタを操作するユーザに関連付けられたスタミナ値の回復は、第1ゲームパラメータGP1を回復させてもよいし、第2ゲームパラメータGP2を回復(増加)させてもよい。また、第1ゲームパラメータGP1は、プレイヤキャラクタPC1のレベルアップ時にも回復してもよい。
【0108】
また、イベントを含むゲーム課題実行時において消費されるスタミナ値は、第1ゲームパラメータGP1における消費を優先してもよいし、第2ゲームパラメータGP2における消費を優先してもよい。
【0109】
また、第2ゲームパラメータGP2も時間経過によって回復してもよい。この場合、第1ゲームパラメータGP1が上限値まで回復した後、第2ゲームパラメータGP2が時間経過によって回復してもよい。あるいは、第1ゲームパラメータGP1と並行して第2ゲームパラメータGP2も時間経過によって回復してもよい。
【0110】
図10は、複数のゲームパラメータの他の一例を示す図である。図10の例では、ゲームパラメータは、第1ゲームパラメータGP1と、第3ゲームパラメータGP3とを含む。図10においても、図9の例と同様に、第1ゲームパラメータGP1は、少なくともゲーム課題の非実行時に、時間経過に応じて回復する。第3ゲームパラメータGP3は、第1ゲームパラメータGP1が上限値まで回復した後、時間経過によって回復する。すなわち、パラメータ管理手段52は、第1ゲームパラメータGP1の上限値を超えてスタミナ値を回復させる際に、第3ゲームパラメータGP3の値を増加させる。第1ゲームパラメータGP1および第3ゲームパラメータGP3は、クエスト選択画面G1のスタミナ値表示欄G8等において、別のパラメータ(ゲージ、数値等)として表示される。
【0111】
図10の例を実施の形態1に適用した場合、パラメータ管理手段52は、イベントに勝利したユーザ(勝者)のスタミナ値の回復量を、イベントに敗北したユーザ(敗者)の第3ゲームパラメータGP3の値に基づいて決定する。より詳しくは、パラメータ管理手段52は、敗者の第3ゲームパラメータGP3の値を上限として勝者のスタミナ値の回復量を決定する。例えば、敗者の第3ゲームパラメータGP3の値が第1固定値以上の場合、パラメータ管理手段52は、勝者のスタミナ値の回復量を第1固定値に決定する。また、敗者の第3ゲームパラメータGP3の値が第1固定値未満の場合、パラメータ管理手段52は、勝者のスタミナ値の回復量を敗者の第3ゲームパラメータGP3の値以下の値に決定する。
【0112】
さらに、パラメータ管理手段52は、敗者の第3ゲームパラメータGP3の値を減少させる。より詳しくは、パラメータ管理手段52は、勝者のスタミナ値の回復量に応じて敗者の第3ゲームパラメータGP3の値を減少させる。例えば、パラメータ管理手段52は、敗者の第3ゲームパラメータGP3の値を、勝者のスタミナ値の回復量と同じ値減少させる。これに代えて、パラメータ管理手段52は、敗者の第3ゲームパラメータGP3の値を、勝者のスタミナ値の回復量に所定の係数を掛けた値減少させてもよい。
【0113】
このような態様によれば、各ユーザはスタミナ値にある程度余剰がある場合に、その余剰分をかけてスタミナ値の争奪イベントに参加することができる。したがって、イベントに敗北してその後他のゲーム課題を実行できなくなる心配をすることなく、ユーザに対して気軽にイベントに参加させることができる。これにより、イベントに参加するユーザの数を多くすることができる。
【0114】
なお、勝者に関連付けられたスタミナ値の回復は、第1ゲームパラメータGP1を回復させてもよいし、第3ゲームパラメータGP3を回復(増加)させてもよい。例えば、第1ゲームパラメータGP1の値が上限値以下かつ上限値との差が決定されたスタミナ値の回復量より少ない場合、パラメータ管理手段52は、第1ゲームパラメータGP1を上限値まで回復させ、残りの回復量を第3ゲームパラメータGP3の値として加えてもよい。
【0115】
また、図10の例を、実施の形態2に適用することも可能である。この場合、パラメータ管理手段52は、攻撃を受けたプレイヤキャラクタPC2を操作するユーザ(プレイヤ2)に関連付けられた第3ゲームパラメータGP3の値を上限として攻撃を成功させたプレイヤキャラクタPC1を操作するユーザ(プレイヤ1)に関連付けられたスタミナ値を回復させる。例えば、イベント実行中に、プレイヤキャラクタPC2を操作するユーザに関連付けられた第3ゲームパラメータGP3の値が0となった場合、パラメータ管理手段52は、以後、プレイヤキャラクタPC1がプレイヤキャラクタPC2に攻撃を成功させてもプレイヤキャラクタPC1を操作するユーザに関連付けられたスタミナ値を回復させないようにしてもよい。
【0116】
また、本実施の形態では、ゲームに設けられる複数のゲーム課題のうちの1つがスタミナ値の回復量を争奪するイベントとして設定されている(イベントが、ユーザにより任意に選択可能に設定されている)例を示したが、ゲーム中に実行されるイベントであればこれに限られない。例えば、イベントは、ゲーム課題実行中に、プレイヤキャラクタPC1が所定位置に位置したときに開始されるような、ゲーム課題内に設けられるミニゲームでもよいし、ゲーム課題とは別に設けられてもよい。イベントには単位時間あたりに実行できる回数が定められていてもよい(例えば1日あたり3回等)。
【0117】
ゲーム課題とは別にイベントが設けられる場合、例えば、所定のタイミング(単位時間(例えば1日)ごとの初ログイン時、または、ゲーム課題を所定回数実行した後等)に強制的にイベントが実行されてもよい。
【0118】
あるいは、所定のタイミングでイベントを実行するか否かをユーザに選択可能とし、イベントの実行をユーザが選択した場合に、そのイベントが実行されてもよい。その際、イベントの実行を選択しなかった場合にはその時点でのスタミナ値の回復が行われなくてもよい。一方、イベントの実行を選択しなかった場合でも、スタミナ値の回復が行われてもよい。実施の形態1に適用する場合、例えば、イベントの実行を選択しなかった場合のスタミナ値の回復量は、イベントの勝者の回復量(第1固定値)より少なくイベントの敗者の回復量(第2固定値)より多くてもよいし、イベントの敗者の回復量(第2固定値)以下でもよい。
【0119】
また、本実施の形態では、イベントを実行することによるスタミナ値とは別にスタミナ値が時間経過により回復する態様を例示したが、時間経過により回復する態様がなくてもよい。例えば、スタミナ値の回復の機会が上記イベントの実行だけでもよい。あるいは、上記イベントの実行に加えて、別のスタミナ値回復条件(アイテム使用、課金等)があってもよい。例えば、スタミナ値の回復は、所定の単位時間(例えば1日等)ごとに初めてゲームを開始(ログイン)したときに、所定のスタミナ値が付与される、または、スタミナ値が所定量回復し、そのスタミナ値以上にゲーム課題等を実行したい場合には、上記イベントの実行が必要としてもよい。
【0120】
イベントの結果(実施の形態1)または内容(実施の形態2)に応じてスタミナ値を回復させる際、スタミナ値の上限値を上限としてスタミナ値が回復してもよいし、スタミナ値の上限値を超えて回復(増加)してもよい。なお、イベントに基づくスタミナ値の回復がイベント終了後すぐに実行される代わりに、スタミナ回復アイテムとして対応するユーザに付与(関連付け)されてもよい。
【0121】
また、イベントは、複数のユーザと別の複数のユーザとの対戦(チーム戦)としてもよい。この場合、チーム用のスタミナ値がチームごとに設けられてもよい。チーム用のスタミナ値は、チームで参加するゲーム課題の実行時に消費される。この場合、チームで参加するゲーム課題の実行時において、チームに属する各ユーザのスタミナ値は消費されない。
【0122】
また、上記実施の形態では、ゲーム課題の非実行時においてスタミナ値を時間経過に応じて回復する態様を例示したが、これに加えて、ゲーム課題の進行時(クエスト実行時)における時間経過に応じてスタミナ値が回復してもよい。例えば、パラメータ管理手段52は、ゲーム課題の進行中にも、ユーザに関連付けられたゲームパラメータの値を時間経過に応じて回復してもよい。
【0123】
この場合、スタミナ値の回復量が、ゲーム課題の進行中とゲーム課題の非実行時とで異なってもよい。例えば、ゲーム課題の進行中の単位時間当たりのスタミナ値の回復量がゲーム課題の非実行時における単位時間当たりのスタミナ値の回復量より多くてもよいし、少なくてもよい。
【0124】
また、パラメータ管理手段52は、スタミナ値の回復量をゲーム課題の進行中の時間経過に応じて決定し、ゲーム課題の非実行時に、スタミナ値を決定された回復量回復させてもよい。例えば、スタミナ値が、クエスト終了(目的の達成)時またはクエスト中止(クエスト失敗)時に、クエスト実行中の時間経過に応じて決定された回復量回復してもよい。なお、クエストを終了(目的を達成)した場合またはクエストを中止した場合の何れか一方の場合のみにこのようなスタミナ値の回復が行われてもよい。
【0125】
ゲーム課題の非実行時の時間経過によるスタミナ値の回復量(例えば、3分で1回復)と、ゲーム課題の進行中における時間経過によるスタミナ値の回復量(例えば、5分で1回復または1分で1回復)とが互いに異なってもよい。また、ゲーム課題におけるプレイ内容に応じてゲーム課題の進行中における時間経過によるスタミナ値の回復量を変化させてもよい。例えば、ゲーム課題を達成した場合(クエスト成功時)、ゲーム課題を達成しなかった場合(クエスト失敗時)に比べて単位時間あたりのスタミナ値の回復量を多くしてもよい。また、例えば、ボスモンスターを討伐または捕獲することにより達成するゲーム課題がある場合、ゲーム課題の達成に直接影響しないサブクエスト(サブモンスターを倒したり、ゲーム空間に配置されたアイテムを10個集めたりするなど)があり、そのサブクエストを達成したか否かに基づいてスタミナ値の回復量を算出してもよい。また、ボスモンスターを討伐した場合と、捕獲した場合などクエストの達成の仕方に基づいて、スタミナ値の回復量を算出してもよい。
【0126】
また、上記実施の形態では、ゲーム課題(クエスト)の開始時に所定のスタミナ値(初期消費量)を消費する態様を例示したが、ゲーム課題の再開時に所定のスタミナ値(再開消費量)の消費が必要としてもよい。なお、ゲーム課題の再開時は、例えば、ゲーム課題の中止後(例えばクエスト失敗後)におけるコンティニュー時または時間延長時等を含む。すなわち、クエスト進行中にスタミナ値が所定値以下になった場合にゲーム進行手段51が行うゲーム課題の進行を中止する処理は、単にそのクエストを終了させるだけでなく、ゲーム課題を再開させるか否かについてのユーザの操作入力を待ち受ける時間を設けることを含む。また、ゲーム課題の開始時は、クエストの開始時だけでなく、複数のステージを連続してプレイするようなゲームにおいて、次のステージの開始時を含み得る。すなわち、ステージごとに所定のスタミナ値の消費が必要としてもよい。
【0127】
ゲーム課題の開始時および再開時の両方において所定のスタミナ値の消費が必要としてもよい。この場合、パラメータ管理手段52は、例えば以下のような流れでスタミナ値を消費する。まず、ゲーム課題の開始時にユーザに関連付けられたスタミナ値から初期消費量のスタミナ値を消費させる。ゲーム課題の進行中に体力値が0になる等により、ゲーム課題が中止される。ゲーム課題の中止後の所定期間(所定のタイミング)において、アイテムを使用する、または、課金を行う等により、スタミナ値が所定量(例えばゲーム開始前の値に)回復し、回復後のスタミナ値から再開消費量のスタミナ値が消費されて、ゲームが再開される。このとき、初期消費量と再開消費量とは同じ量でもよいし、異なる量でもよい。
【0128】
また、ゲーム課題の再開時のみに所定のスタミナ値の消費が必要としてもよい。この場合、パラメータ管理手段52は、以下のような流れでスタミナ値を消費する。まず、ゲーム課題の開始時にはユーザに関連付けられたスタミナ値を消費しない。ゲーム課題の進行中に体力値が0になる等により、ゲーム課題の進行が中止される。ゲーム課題の中止後の所定期間(所定のタイミング)において、アイテムを使用する、または、課金を行う等により、スタミナ値が所定量(例えばゲーム開始前の値に)回復し、回復後のスタミナ値から再開消費量のスタミナ値が消費されて、ゲーム課題が再開される。
【0129】
ゲーム課題を開始または再開するためのスタミナ値の消費量(初期消費量)は、ゲーム課題の難易度に応じて設定されてもよい。例えば、難易度がeasyに設定されているクエストは、初期消費量が40であり、難易度がhardに設定されているクエストは、初期消費量が120に設定されてもよい。
ことができる。
【0130】
また、上記実施の形態においては、ゲーム課題(クエスト)ごとにスタミナ値の初期消費量が異なる態様を例示したが、初期消費量は、ゲーム課題によらず一定としてもよい。また、イベントを含むゲーム課題の進行を中止する際、ゲーム課題の開始または再開時に減少したスタミナ値(初期消費量または再開消費量)がユーザに関連付けられたスタミナ値として返却(回復)されてもよい。
【0131】
また、キャラクタが記載されたカードを用いたカードゲームにおいても上記実施の形態を適用可能である。上記カードゲームにおいて、利用可能なキャラクタ(カード)には、それぞれパラメータが設定されている。例えば、キャラクタには、パラメータとして、攻撃力、防御力、スキル、コストが設定されている。例えば、ユーザに対応付けられた所有キャラクタカードの中から所定数(例えば5枚)のカードをデッキに設定(編成)する。なお、他のユーザに対応付けられたキャラクタカードをレンタルカードとして自分のデッキに含めることもできる。
【0132】
例えば、上記カードゲームに実施の形態2を適用した場合、他のユーザにダメージを与えるごとにそのユーザのスタミナ値が回復(増加)し、他のユーザからダメージを受けるごとにそのユーザのスタミナ値が減少する。なお、上記カードゲームにおいて、ダメージ量は、対戦相手が使用するカードの攻撃力および自分のデッキに編成されたキャラクタの防御力に応じて決定される。イベントの進行中に減少するスタミナ値の回復量および減少量はダメージ量に応じて異なってもよい。
【0133】
また、上記カードゲーム実行時に消費されるスタミナ値は、デッキに含まれるキャラクタ(カード)の総コストに応じて変化する。総コストが高いほどダメージを受けた場合により多くのスタミナ値が減少してもよい。さらに、総コストに応じて、他のユーザからの攻撃により受けたダメージ量に応じたスタミナ値の回復量および減少量が異なってもよい。例えば、総コストが高いほど同じダメージ量でもスタミナ値の回復量が小さくなり、減少量が大きくなる。
【0134】
これに加えて、または、これに代えて、攻撃時に使用するキャラクタ(カード)のコストに応じてスタミナ値の回復量または減少量が変化してもよい。
【0135】
また、上記実施の形態では、ゲーム課題を開始または再開するために必要なゲームパラメータをスタミナ値と呼称したが、ゲーム課題を開始または再開する際に消費されるゲームパラメータであれば、上記態様は適用し得る。
【0136】
また、上記実施の形態ではゲーム装置2として、スマートフォン、タブレットPC等の携帯型の情報端末や携帯型のゲーム専用機器を想定して説明したが、ゲーム装置2は、これらに限られず、据え置き型のゲーム装置やパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置についても、本発明を好適に適用することができる。
【0137】
また、ゲーム装置2は、ディスクドライブ、メモリカードスロットまたはHDD等を備えていてもよい。ディスクドライブを備えるゲーム装置においては、当該ディスクドライブにDVD-ROM等のディスク型記記憶体を装填することにより、ゲームプログラムおよびゲームデータをゲーム装置2が取得することとしてもよい。また、メモリカードスロットを備えるゲーム装置においては、カード型記憶媒体を装填することにより、当該カード型記憶媒体に、セーブデータを格納可能としてもよい。
【0138】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、上記実施の形態1,2、他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、ゲームパラメータを消費してゲーム課題を実行するゲームにおいて、ゲームパラメータを用いてユーザの興趣を高めることができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供するために有用である。
【符号の説明】
【0140】
1 ゲームシステム
2 ゲーム装置
3 サーバ装置(コンピュータ)
5,5a,5b 制御部
51 ゲーム進行手段
52 パラメータ管理手段
53 マッチング手段
NW 通信ネットワーク

図1
図2
図3
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図10