(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】接合方法
(51)【国際特許分類】
B23K 20/10 20060101AFI20230112BHJP
C04B 37/02 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
B23K20/10
C04B37/02 Z
(21)【出願番号】P 2019031106
(22)【出願日】2019-02-23
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】594114019
【氏名又は名称】株式会社アルテクス
(74)【代理人】
【識別番号】100154195
【氏名又は名称】丸林 敬子
(74)【代理人】
【識別番号】100171826
【氏名又は名称】丸林 啓介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 茂
【審査官】後藤 泰輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-39169(JP,A)
【文献】特開2016-196043(JP,A)
【文献】特開2016-198780(JP,A)
【文献】特開2003-223880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
C04B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の金属部材の間に発泡金属を挟んでなる接合対象部材が上下方向で加圧された状態において共振器が共振器の一端部に取り付けられた振動子から伝達された音波振動又は超音波振動に共振して上記加圧される方向に直交する横方向に振動することにより前記複数個の金属部材を前記発泡金属で接合することを特徴とする接合方法。
【請求項2】
金属部材とセラミック部材との間に発泡金属を挟んでなる接合対象部材が上下方向で加圧された状態において共振器が共振器の一端部に取り付けられた振動子から伝達された音波振動又は超音波振動に共振して上記加圧される方向に直交する横方向に振動することにより前記金属部材とセラミック部材とを前記発泡金属で接合することを特徴とする接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個の金属部材を発泡金属で接合する接合方法、又は、金属部材とセラミック部材とを発泡金属で接合する接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示された接合方法は、複数個の金属部材の間に金属ナノペーストを挟んでなる接合対象部材が上下方向で加圧された状態において共振器が共振器の一端部に取り付けられた振動子から伝達された音波振動又は超音波振動に共振して上記加圧される方向に直交する横方向に振動することにより前記複数個の金属部材を前記金属ナノペーストで接合する方法である。
【0003】
しかしながら、特許文献1で開示された接合方法では、金、銀、銅、アルミニウム等の硬度の柔らかい複数個の金属部材を音波振動又は超音波振動で接合する場合は共振器やアンビルの摩耗が少ないが、鉄、ステンレス、ニッケル等の硬度の硬い複数個の金属部材を音波振動又は超音波振動で接合する接合する場合、又は、鉄、ステンレス、ニッケル等の硬度の硬い金属部材とセラミックス、ガラス、シリコン(Si)、炭化ケイ素SiC等の等の無機質部材とを音波振動又は超音波振動で接合する場合は、接合対象部材と共振器とが焼き付き、又は、接合対象部材とアンビルとが焼き付き、接合作業が滞るという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、複数個の金属部材の間に発泡金属を挟むか又金属部材と無機質部材との間に発泡金属を挟んで音波振動又は超音波振動で接合することにより、接合対象部材と共振器とが焼き付くことがなく、又は、接合対象部材とアンビルとが焼き付くことがなく、接合作業が捗る、接合方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数個の金属部材の間に発泡金属を挟んでなる接合対象部材が上下方向で加圧された状態において共振器が共振器の一端部に取り付けられた振動子から伝達された音波振動又は超音波振動に共振して上記加圧される方向に直交する横方向に振動することにより前記複数個の金属部材を前記発泡金属で接合することを特徴とするか、又は、金属部材とセラミック部材との間に発泡金属を挟んでなる接合対象部材が上下方向で加圧された状態において共振器が共振器の一端部に取り付けられた振動子から伝達された音波振動又は超音波振動に共振して上記加圧される方向に直交する横方向に振動することにより前記金属部材とセラミック部材とを前記発泡金属で接合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、複数個の金属部材の間に発泡金属を挟むか又金属部材と無機質部材との間に発泡金属を挟んで音波振動又は超音波振動で接合することにより、発泡金属が潰れながら水平方向に拡がり、接合対象部材と共振器とが焼き付くことがなく、又は、接合対象部材とアンビルとが焼き付くことがなく、接合作業が捗るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】発明を実施するための形態1に係る接合方法を示した模式図。
【
図2】発明を実施するための形態2に係る接合方法を示した模式図。
【
図3】発明を実施するための形態3に係る接合方法を示した模式図。
【
図4】発明を実施するための形態4に係る接合方法を示した模式図。
【
図5】発明を実施するための形態5に係る金属接合装置を示した正面図。
【
図6】発明を実施するための形態6に係る金属接合装置を示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示した発明を実施するための形態1に係る接合方法に用いられる接合対象部材1は、複数個の金属部材2及び3の間に接合材としての発泡金属4を挟んだ構造になっている。金属部材2及び3の両方が金、銀、銅、アルミニウム等の硬度の柔らかい金属部材である場合、金属部材2及び3の両方が、鉄、ステンレス、ニッケル等の硬度の硬い金属部材である場合、金属部材2及び3の一方が金、銀、銅、アルミニウム等の硬度の柔らかい金属部材で金属部材2及び3の他方が鉄、ステンレス、ニッケル等の硬度の硬い金属部材である場合が適用可能である。発泡金属4は小さな空間を多量に有する、アルミニウム或いは銅或いはニッケル等の金属からセル状に構成された構造物である。
【0010】
図1に示した発明を実施するための形態1に係る接合方法は、複数個の金属部材2及び3を発泡金属4で接合する接合方法を例示し、大気中の常温の状態において、接合対象部材1が加圧部11と共振器12の接合作業部13とで上下方向より加圧され、接合作業部13が共振器12の一端部に結合された振動子14から伝達された音波振動又は超音波振動に共振し矢印15で示した横方向に振動することよって、発泡金属4が潰れながら水平方向に拡がり、接合対象部材1と共振器の接合ルール部とが焼き付くことがなく、又は、接合対象部材1と加圧部11とが焼き付くことがなく、接合作業が捗る。
【0011】
そして、金属部材2及び3が発泡金属4で互いに接合された後、加圧部11による加圧が停止し、その停止状態が0.1から数秒程度保持される。その後、加圧部11と共振器12とによる上下方向からの加圧が解除され、金属接合構造体となった接合対象部材1とが加圧部11と共振器12との間から取り出され接合対象部材1に対する1回の接合作業が終了する。
【0012】
図2に示した発明を実施するための形態2に係る接合方法に用いられる接合対象部材1は、
図1に示した接合対象部材1と同じ構造で複数個の金属部材2及び3の間に接合材としての発泡金属4を挟んだ構造になっている。接合対象部材1を接合する際には、接合対象部材1の上下に補助部材16及び17が配置される場合を例示した。
【0013】
補助部材16及び17は、接合対象部材1に対する金属粒子励起焼結用部材と概念でき、接合時の熱に対する耐熱性を有するレジン、接合時の熱に対する耐熱性を有する弾性部材、接合時の熱に対する耐熱性を有するコットンやパラフィン紙等の天然素材が適用可能である。レジンとしては、テフロン(登録商標)やシリコン以外の合成樹脂又はエラストマー等でも適用可能である。天然素材の場合、コットンとパラフィン紙とを重ねた2層構造でも適用可能である。
【0014】
又、補助部材16及び17は互いに同じ材料により構成されても又は異なる材料により構成されても適用可能であり、補助部材16及び17は接合対象部材1の上下の一方に配置されても適用可能であり、補助部材16が接合対象部材1及び接合作業部13から分離された構成、補助部材16が接合対象部材1又は接合作業部13に固定された構成のいずれでも適用可能であり、補助部材17が接合対象部材1及び加圧部11から分離された構成、補助部材17が接合対象部材1又は加圧部11に固定された構成のいずれでも適用可能である
【0015】
図2に示した発明を実施するための形態2に係る接合方法は、接合対象部材1と接合対象部材1の上下に配置された補助部材16及び17とが加圧部11と共振器12の接合作業部13とで上下方向より加圧され、接合作業部13が共振器12の一端部に結合された振動子14から伝達された音波振動又は超音波振動に共振し矢印15で示した横方向に振動することよって、発泡金属4が潰れながら水平方向に拡がり、金属部材2と発泡金属4との界面部分並びに金属部材3と発泡金属4との界面部分のそれぞれが加圧と振動エネルギーとを受けて互いに拡散して合金になり、接合対象部材1と接合作業部13とが焼き付くことがなく、又は、接合対象部材1と加圧部11とが焼き付くことがなく、接合作業が捗り、金属部材3と無機質部材5とが大気中の常温で短時間に接合され、歪みや残留応力が無く品質が良くなる。
【0016】
そして、金属部材2及び3が発泡金属4で互いに接合された後、加圧部11による加圧が停止し、その停止状態が0.1から数秒程度保持される。その後、加圧部11と共振器12とによる上下方向からの加圧が解除され、金属接合構造体となった接合対象部材1と補助部材16及び17とが加圧部11と共振器12との間から取り出され、接合対象部材1と補助部材16及び17とが互いに分離され、接合対象部材1に対する1回の接合動作が終了する。尚、補助部材16及び17は、接合対象部材1の上下の一方に配置されても適用可能である。
【0017】
図3に示した発明を実施するための形態3に係る接合方法に用いられる接合対象部材1は、金属部材2と無機質部材5との間に接合材としての発泡金属4を挟んだ構造になっている。無機質部材5としては、Si
3N
4(窒化ケイ素)、Al
2O
3(酸化アルミニウム)、それら以外のセラミックス部材であっても適用可能である。セラミックス部材として、内部又は外部に電気回路を有するセラミックス回路基板を使用しても適用可能である。セラミックス回路基板として可撓性及び弾性を有する合成樹脂部材の表面に電線を有するFPC(Flexible printed circuit)を用いた場合には、FPCの合成樹脂部材が補助部材16及び17の一方として機能するので、当該補助部材16及び17の一方を省略することができる。
【0018】
図3に示した発明を実施するための形態1に係る接合方法は、金属部材3と無機質部材5とを発泡金属4で接合する接合方法を例示し、大気中の常温の状態において、接合対象部材1が加圧部11と共振器12の接合作業部13とで上下方向より加圧され、接合作業部13が共振器12の一端部に結合された振動子14から伝達された音波振動又は超音波振動に共振し矢印15で示した横方向に振動することよって、発泡金属4が潰れながら水平方向に拡がり、金属部材3と発泡金属4との界面部分並びに発泡金属4と無機質部材5との界面部分のそれぞれが加圧と振動エネルギーとを受けて互いに接合され、接合対象部材1と共振器の接合ルール部とが焼き付くことがなく、又は、接合対象部材1と加圧部11とが焼き付くことがなく、接合作業が捗り、金属部材3と無機質部材5とが大気中の常温で短時間に接合され、歪みや残留応力が無く品質が良くなる。
【0019】
そして、金属部材3と無機質部材5とが発泡金属4で互いに接合された後、加圧部11による加圧が停止し、その停止状態が0.1から数秒程度保持される。その後、加圧部11と共振器12とによる上下方向からの加圧が解除され、金属接合構造体となった接合対象部材1とが加圧部11と共振器12との間から取り出され接合対象部材1に対する1回の接合作業が終了する。
【0020】
図4に示した発明を実施するための形態4に係る接合方法に用いられる接合対象部材1は、図に示した接合対象部材1と同じ構造で金属部材3と無機質部材5の間に接合材としての発泡金属4を挟んだ構造になっている。接合対象部材1を接合する際には、接合対象部材1の上下に補助部材16及び17が配置された場合を例示した。
【0021】
図4に示した発明を実施するための形態4に係る接合方法は、接合対象部材1と接合対象部材1の上下に配置された補助部材16及び17とが加圧部11と共振器12の接合作業部13とで上下方向より加圧され、接合作業部13が共振器12の一端部に結合された振動子14から伝達された音波振動又は超音波振動に共振し矢印15で示した横方向に振動することよって、発泡金属4が潰れながら水平方向に拡がり、発泡金属4の原子に激しい自由運動が発生し、ついには発泡金属4の原子が励起状態となり、金属部材3と発泡金属4との界面部分並びに発泡金属4と無機質部材5との界面部分のそれぞれが加圧と振動エネルギーとを受けて互いに接合されるので、金属部材3と無機質部材5とが大気中の常温で短時間に接合され、歪みや残留応力が無く品質が良くなる。
【0022】
そして、金属部材3と無機質部材5とが発泡金属4で互いに接合された後、加圧部11による加圧が停止し、その停止状態が0.1から数秒程度保持される。その後、加圧部11と共振器12とによる上下方向からの加圧が解除され、金属接合構造体となった接合対象部材1と補助部材16及び17とが加圧部11と共振器12との間から取り出され、接合対象部材1と補助部材16及び17とが互いに分離され、接合対象部材1に対する1回の接合動作が終了する。尚、補助部材16及び17は、接合対象部材1の上下の一方に配置されても適用可能である。
【0023】
図1乃至4に示した金属接合方法において、接合に作用するエネルギーが発生する層(レイヤ)は、加圧部11と接合作業部13とによる加圧力と接合作業部13による振幅との相関関係で決まる。よって、
図1及び2に示した金属接合方法では、接合に作用するエネルギーが金属部材2と発泡金属4との界面部分、金属部材3と発泡金属4との界面部分のそれぞれに集中するように、
図3及び
図4に示した金属接合方法では、金属部材3と発泡金属4との界面部分、発泡金属4と無機質部材5との界面部のそれぞれに集中するように、加圧部11と接合作業部13とによる加圧力と接合作業部13による振幅とを制御することにより、金属部材2と発泡金属4との界面部分、金属部材3と発泡金属4との界面部分、金発泡金属4と無機質部材との界面部分のそれぞれが加圧と振動エネルギーとを受けて接合される。
【0024】
図1乃至4で示した接合方法を10kHzから20kHzの範囲中の或る1つの周波数に固定された音波振動で実験し、接合された接合対象部材1を調べたところ、接合対象部材1に、熱による反りや歪みが無いこと、残留応力及びウィスカも無いこと、ボイドも無いこと、発泡金属4の厚みは数μmであること、金属部材2及び3としてのアルミニウム、銅、金、銀、鉄、ステンレス、ニッケル等の接合が可能であること、接合時間は数秒の短時間であること、接合対象部材1への荷重も低くでき、発泡金属4の大気中での常温接合が数秒で可能になること等を確認できた。それは、音波振動による音エネルギーが、金属部材2と発泡金属4との界面部分、金属部材3と発泡金属4との界面部分、発泡金属4と無機質部材5との界面部分のそれぞれの狭い薄い領域で瞬間的に、原子が励起し熱を発生させながら何かの反応が促進されているからと考えられる。又、競合各社の仕上りは熱が全体に発生して焼けているが、上記音波振動による音エネルギーを利用した接合では焼けが発生せず、奇麗な仕上がりであった。又、超音波振動を利用した場合は、音波振動よりも接合時間が長くなるものの、金属部材2及び3アルミニウム、銅、金、銀、鉄、ステンレス、ニッケル等の接合の接合が可能であること、接合対象部材1への荷重も低くでき、その結果、残留応力の発生も防げることも確認できた。
【0025】
次に、
図5及び6を参照し、
図1乃至4に示した発明を実施するための形態1乃至4に係る金属接合方法に用いられる金属接合装置21について説明する。
【0026】
図5に示した発明を実施するための形態5としての金属接合装置21の装置躯体部22には、作業空間部23が設けられる。装置躯体部22の作業空間部23よりも下部には、支持具24が設けられる。支持具24は前後及び下方に貫通する支持空間部25の左右両側に支持部26を備える。支持具24には共振器27が設置される。共振器27は、接合作業部28と被支持部29とを備える。共振器27は、横方向の一端から他端までの長さが振動子30から伝達された音波振動又は超音波振動の共振周波数の少なくとも1波長を有する直線的な棒状になっている。共振器27の横方向の両端部及び中央部には、最大振動振幅点が位置する。共振器27の長さ方向の中央部おける最大振動振幅点の位置する外面部には、接合作業部28が設けられる。
【0027】
接合作業部28は、共振器27の外側面より突出して設けられた場合又は共振器27の外側面と同一面に設けられた場合又は共振器27の外側面より窪んで設けられた場合のいずれでも適用可能である。共振器27の接合作業部28より横方向の両側に存在する最小振動振幅点に位置する外面部には、被支持部29が設けられる。
【0028】
共振器27の一端部には、振動子30が取り付けられる。共振器27と振動子30との間には、図示のされていないブースターを設けることも適用可能である。支持具24には共振器27の長さ方向が矢印15で示した左右方向に向けられ、共振器27の被支持部29以外の部分が支持具24に接触しないように支持空間部25に配置され、被支持部29が支持部26に支持されることにより、共振器27が支持具24に設置される。
【0029】
装置躯体部22の作業空間部23よりも上部には、加圧機構31が設けられる。加圧機構31の出力部材32は、装置躯体部22の上部から作業空間部23に配置される。出力部材32の作業空間部23に配置された下部は、加圧機構31の駆動によって、作業空間部23の内部を直線的に昇降する。出力部材32の作業空間部23に配置された下部には、アンビルとしての受止部41が設けられる。
【0030】
図5に示した金属接合装置21では、加圧機構31と出力部材32と受止部41とが
図1乃至4に示した加圧部11に相当し、共振器27が
図1乃至4に示した共振器12に相当し、接合作業部28が
図1乃至4に示した接合作業部13に相当し、振動子30が
図1乃至4に示した振動子14に相当する。接合対象部材1を音波振動で接合する場合には、接合対象部材1を超音波振動で接合する場合よりも、共振器12が大型で重くなるが、
図5に示した金属接合装置21は、大型で重い共振器27を上下方向に移動しない構造になっているとともに、接合対象部材1を超音波振動で接合する場合よりも接合作業部28の上面の面積を広く形成することができ、接合作業部28の上面の面積を広く形成することにより、接合対象部材1を音波振動で接合する装置として好適である。
【0031】
図6に示した発明を実施するための形態6に係る金属接合装置21について説明する。
図6に示した金属接合装置21は、加圧機構31の作業空間部23に配置された下部に支持具34、支持空間部35、支持部36、共振器37、接合作業部38、被支持部39、振動子40が設けられ、装置躯体部22の作業空間部23よりも下部に受止部41が設けられる。
図7に示した金属接合装置21では、加圧機構31と出力部材32と受止部41とが
図1乃至4に示した加圧部11に相当し、共振器27が
図1,2に示した共振器12に相当し、接合作業部37が
図1乃至4に示した接合作業部13に相当し、振動子40が
図1乃至4に示した振動子14に相当する。又、接合対象部材1を超音波振動で接合する場合には、接合対象部材1を音波振動で接合する場合よりも、共振器12が小型で軽くなるが、
図7に示した金属接合装置21は、小型で軽い共振器36を上下方向に移動する構造になっているので、接合対象部材1を超音波振動で接合する装置に適している。
【0032】
尚、図示はしないが、
図5に示した支持具24、支持空間部25、支持部26、共振器27、接合作業部28、被支持部29、振動子30を、
図6に示した受止部41に代え
図6の装置躯体部22の作業空間部23よりも下部に設けて、下側の共振器27と上側の共振器37との一方を受止部41として使用し、下側の共振器27と上側の共振器37との他方を共振器として使用して良い。
【符号の説明】
【0033】
1 接合対象部材
2 金属部材
3 金属部材
4 発泡金属
5 無機質部材
11 加圧部
12 共振器
13 接合作業部
14 振動子
15 振動方向を示した矢印
16 補助部材
17 補助部材
21 接合装置
22 装置躯体部
23 作業空間部
24 支持具
25 支持空間部
26 支持部
27 共振器
28 接合作業部
29 被支持部
30 振動子
31 加圧機構
32 出力部材
34 支持具
35 支持空間部
36 支持部
37 共振器
38 接合作業部
39 被支持部
40 振動子
41 受止部