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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】ヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/14 20060101AFI20230112BHJP
   A42B 3/10 20060101ALI20230112BHJP
   A42B 3/08 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A42B3/14
A42B3/10
A42B3/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018194039
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2020063521
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591200715
【氏名又は名称】加賀産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】須崎 元裕
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-088558(JP,A)
【文献】実開昭48-051523(JP,U)
【文献】実開平02-118724(JP,U)
【文献】実開昭50-040419(JP,U)
【文献】実開平05-046916(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 3/00-7/00
A44B 11/00-11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帽体と、
前記帽体の内部に取り付けられ、ハンモックを含む内装体と、
前記ハンモックに設けられる突起と、
前記突起が貫通する孔が形成された耳紐とを有し、
前記突起が前記耳紐の孔を貫通したヘルメットであって、
前記帽体は、
前記ハンモックの突起が前記耳紐の孔を貫通した状態で、当該耳紐を押さえ、
前記ハンモックの突起は、
当該ハンモックの外面から前記帽体の内面に向かって伸びる柱状の突起であり、
前記帽体の内面に突条が形成されており、
当該柱状の突起の先端には、前記突条と係合する溝が形成されているヘルメット。
【請求項2】
前記柱状の突起は、
前記ハンモックの外面の法線に対して上向きに傾斜している請求項記載のヘルメット。
【請求項3】
帽体と、
前記帽体の内部に取り付けられ、ハンモックを含む内装体と、
前記ハンモックに設けられる突起と、
前記突起が貫通する孔が形成された耳紐とを有し、
前記突起が前記耳紐の孔を貫通したヘルメットであって、
前記帽体は、
前記ハンモックの突起が前記耳紐の孔を貫通した状態で、当該耳紐を押さえ、
前記ハンモックには、
当該ハンモックの突起が前記耳紐の孔を貫通した状態で当該耳紐の先端が貫通可能な横孔がさらに形成されているヘルメット。
【請求項4】
帽体と、
前記帽体の内部に取り付けられ、ハンモックを含む内装体と、
前記ハンモックに設けられる突起と、
前記突起が貫通する孔が形成された耳紐とを有し、
前記突起が前記耳紐の孔を貫通したヘルメットであって、
前記帽体は、
前記ハンモックの突起が前記耳紐の孔を貫通した状態で、当該耳紐を押さえ、
前記ハンモックには、
当該ハンモックの突起に対応する位置に、開閉可能なパネルがヒンジを介して設けられており、
前記パネルには、
前記ハンモックの突起が貫通する第二の孔が形成され、
前記ヒンジには、
前記耳紐の先端が貫通可能なスリットが形成され、
前記パネルは、
前記耳紐の先端が前記ヒンジのスリットを貫通し、かつ前記ハンモックの突起が前記耳紐の孔を貫通した状態で閉じられるヘルメット。
【請求項5】
帽体と、
前記帽体の内部に取り付けられ、ハンモックを含む内装体と、
前記ハンモックに設けられる突起と、
前記突起が貫通する孔が形成された耳紐とを有し、
前記突起が前記耳紐の孔を貫通したヘルメットであって、
前記帽体は、
前記ハンモックの突起が前記耳紐の孔を貫通した状態で、当該耳紐を押さえ、
前記ハンモックの突起は、
当該ハンモックの外面に沿って上方に延びる板状の突起であり、
前記ハンモックには、
前記耳紐の孔を貫通した板状の突起の先端が当該ハンモックの内面側に貫通可能な矩形の孔がさらに形成されているヘルメット。
【請求項6】
帽体と、
前記帽体の内部に取り付けられ、ハンモックを含む内装体と、
前記帽体に設けられる突起と、
前記突起が貫通する孔が形成された耳紐とを有し、
前記突起が前記耳紐の孔を貫通したヘルメットであって、
前記ハンモックには、
前記帽体の突起が貫通する第二の孔が形成され、
前記ハンモックは、
前記帽体の突起が、前記耳紐の孔を貫通し、さらに当該ハンモックの第二の孔をも貫通した状態で、当該耳紐を押さえる、ヘルメット。
【請求項7】
前記耳紐は、
前記孔の近傍が補強されている請求項1から請求項いずれか一項に記載のヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、帽体と、ハンモックブラケットによって帽体内に取り付けられたハンモックと、耳紐ブラケットによってハンモックブラケットに取り付けられた耳紐とを有するヘルメットが存在した(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-81623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のヘルメットは、部品点数が多かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明のヘルメットは、帽体と、帽体の内部に取り付けられる内装体と、帽体または内装体に設けられる突起と、突起が貫通する孔が形成された耳紐とを有し、突起が耳紐の孔を貫通したヘルメットである。
【0006】
かかる構成により、耳紐を内装体または帽体に取り付けるための部材が不要なので、部品点数の少ないヘルメットを提供できる。
【0007】
また、本第二の発明のヘルメットは、第一の発明に対して、内装体は、ハンモックを含み、突起は、ハンモックに設けられ、帽体は、ハンモックの突起が耳紐の孔を貫通した状態で、耳紐を押さえるヘルメットである。
【0008】
かかる構成により、耳紐をハンモックに取り付けるための部材が不要なので、部品点数の少ないヘルメットを提供できる。
【0009】
また、本第三の発明のヘルメットは、第二の発明に対して、ハンモックの突起は、ハンモックの外面から帽体の内面に向かって伸びる柱状の突起であり、帽体の内面に突条が形成されており、柱状の突起の先端には、突条と係合する溝が形成されているヘルメットである。
【0010】
かかる構成により、突条と溝とが係合することで、耳紐の脱落を効果的に防止できる。また、ハンモックと帽体との結合も強まる。
【0011】
また、本第四の発明のヘルメットは、第三の発明に対して、柱状の突起は、ハンモックの外面の法線に対して上向きに傾斜しているヘルメットである。
【0012】
かかる構成により、ハンモックが帽体と結合される前に、耳紐が脱落することを防止できるので、ヘルメットの組み立てが容易になる。
【0013】
また、本第五の発明のヘルメットは、第二から第四いずれか1つの発明に対して、ハンモックには、ハンモックの突起が耳紐の孔を貫通した状態で耳紐の先端が貫通可能な横孔がさらに形成されているヘルメットである。
【0014】
かかる構成により、耳紐の先端を横孔に差し込んだ後、耳紐を下に曲げることで、耳紐の孔にハンモックの突起を容易に通すことができ、ヘルメットの組み立てが容易になる。
【0015】
また、本第六の発明のヘルメットは、第二の発明に対して、ハンモックには、ハンモックの突起に対応する位置に、開閉可能なパネルがヒンジを介して設けられており、パネルには、ハンモックの突起が貫通する第二の孔が形成され、ヒンジには、耳紐の先端が貫通可能なスリットが形成され、パネルは、耳紐の先端がヒンジのスリットを貫通し、かつハンモックの突起が耳紐の孔を貫通した状態で閉じられるヘルメットである。
【0016】
かかる構成により、ハンモックを帽体と結合する前に、パネルを閉じることで、耳紐が脱落することを防止できるので、ヘルメットの組み立てが容易になる。また、ハンモックが帽体と結合された後に、帽体からの押圧がパネルを介して耳紐に広範囲に伝わる結果、耳紐のダメージを抑えつつ耳紐の脱落を防止できる。
【0017】
また、本第七の発明のヘルメットは、第二の発明に対して、ハンモックの突起は、ハンモックの外面に沿って上方に延びる板状の突起であり、ハンモックには、耳紐の孔を貫通した板状の突起の先端がハンモックの内面側に貫通可能な矩形の孔がさらに形成されているヘルメットである。
【0018】
かかる構成により、突起に耳紐の孔を通した後、突起の先端を矩形の孔に押し込むことで、ハンモックが帽体と結合される前に、耳紐が脱落し難くなる結果、ヘルメットの組み立てが容易になる。また、ハンモックが帽体と結合された後には、帽体からの押圧が板状の突起を介して耳紐に伝わる結果、耳紐の脱落を防止できる。
【0019】
また、本第八の発明のヘルメットは、第一の発明に対して、内装体は、ハンモックを含み、突起は、帽体に設けられ、ハンモックは、帽体の突起が耳紐の孔を貫通した状態で、耳紐を押さえるヘルメットである。
【0020】
かかる構成により、耳紐を帽体に取り付けるための部材が不要なので、部品点数の少ないヘルメットを提供できる。
【0021】
また、本第九の発明のヘルメットは、第八の発明に対して、ハンモックには、帽体の突起が貫通する第二の孔が形成され、ハンモックは、帽体の突起が、耳紐の孔を貫通し、さらにハンモックの第二の孔をも貫通した状態で、耳紐を押さえるヘルメットである。
【0022】
かかる構成により、ハンモックを帽体に取り付けるための突起を、耳紐の取り付けにも利用することで、耳紐を帽体に取り付けるための専用の部材が不要となり、部品点数を削減できる。
【0023】
また、本第十の発明のヘルメットは、第一から第九いずれか1つの発明に対して、耳紐は、孔の近傍が補強されているヘルメットである。
【0024】
かかる構成により、耳紐に孔を開けたことによる耳紐の強度低下を補うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、部品点数の少ないヘルメットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施の形態におけるヘルメット1の概要図
図2】突起を有するハンモックの一例を示す図
図3】ハンモックの突起が耳紐の孔を貫通した状態で、帽体が耳紐を押さえている様子を示す図
図4】突起を有するハンモックの他の例を示す図
図5】突起を有するハンモックのその他の例を示す図
図6】突起を有するハンモックのさらにその他の例を示す図
図7】突起を有する帽体の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、ヘルメット等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0028】
本実施の形態において、帽体または内装体に突起が設けられ、耳紐に孔が形成され、突起が耳紐の孔を貫通したヘルメットについて説明する。
【0029】
また、上記のようなヘルメットの第一の態様として、内装体はハンモックを含み、突起はハンモックに設けられ、ハンモックの突起が耳紐の孔を貫通した状態で、帽体が耳紐を押さえるヘルメットについて説明する。
【0030】
また、上記のようなヘルメットの第二の態様として、内装体はハンモックを含み、突起は帽体に設けられ、帽体の突起が耳紐の孔を貫通した状態で、ハンモックが耳紐を押さえるヘルメットについて説明する。
【0031】
図1は、本実施の形態におけるヘルメット1の概要図である。このヘルメット1は、着用者の頭を覆う帽体11と、帽体11の内部に取り付けられる内装体12と、帽体11または内装体12に取り付けられる耳紐13とを備える。
【0032】
詳しくは、耳紐13は、例えば、左右の耳に対応する2本の紐で構成される。これら2本の紐のうち、左耳に対応する紐(以下、左紐と記す場合がある)の2つの端部が、帽体11または内装体12の左側に取り付けられ、また、右の耳に対応する紐(以下、右紐)の2つの端部が、帽体11または内装体12の右側に取り付けられる。
【0033】
また、図1では省略しているが、帽体11または内装体12に突起(1211,1211a~1211d)が設けられ、耳紐13には、突起が貫通する孔が形成されており、突起は、耳紐13の孔を貫通している。そして、突起が耳紐13の孔を貫通した状態で、帽体11と内装体12とが結合されている。
【0034】
詳しくは、例えば、帽体11または内装体12の左側の、前寄りおよび後ろ寄りに、2つの突起が設けられる一方、耳紐13を構成する左紐の2つの端部に、これら2つの突起が貫通する2つの孔が形成されている。帽体11または内装体12の左側の2つの突起は、左紐の2つの孔を貫通している。
【0035】
また、帽体11または内装体12の右側の、前寄りおよび後ろ寄りに、2つの突起が設けられる一方、耳紐13を構成する右紐の2つの端部に、これら2つの突起が貫通する2つの孔が形成されている。帽体11または内装体12の右側の2つの突起は、右紐の2つの孔を貫通している。
【0036】
なお、上記4つの突起は、通常、その全部が、内装体12または帽体11の一方に設けられる。ただし、上記4つの突起のうち、1または2以上が内装体12に設けられ、他の1または2以上が帽体11に設けられてもよい。
【0037】
または、耳紐13は、一の紐で構成されてもよい。この一の紐の、両端および中央に、3つの孔が形成され、これら3つの孔を貫通する3つの突起が、内装体12または帽体11の、左側、右側、および後ろ側に設けられ、当該3つの突起は、当該3つの孔を貫通していてもよい。
【0038】
ただし、耳紐13の構成は問わない。また、耳紐13に形成される孔の数および位置も問わない。さらに、内装体12または帽体11に設けられる突起の数および位置も問わない。
【0039】
なお、耳紐13に形成される孔の数と、内装体12または帽体11に設けられる突起の数とは、通常、同じであるが、異なっていてもよい。例えば、耳紐13に2以上の孔が形成されている場合において、当該2以上の孔のうち一部は、内装体12または帽体11のどの突起も貫通していなくてもよいし、内装体12または帽体11に2以上の突起が設けられている場合において、当該2以上の突起のうち一部は、耳紐13のどの孔も貫通していなくてもよい。
【0040】
例えば、後述する第一の態様のように、突起が内装体12に設けられている場合、帽体11は、内装体12の突起が耳紐13の孔131を貫通した状態で、耳紐13を押さえる。また、例えば、後述する第二の態様のように、突起が帽体11に設けられている場合、内装体12は、帽体11の突起が耳紐13の孔を貫通した状態で、耳紐13を押さえる。
【0041】
内装体12は、ハンモック121、およびヘッドバンド122を備える。ハンモック121は、例えば、それぞれの一方の端部が一の点で結合された3以上(図1では、4本)の吊りバンドで構成される。なお、結合は、例えば、環ひもやブラケット等の結合部材による結合でもよいし、一体成型でも構わない。
【0042】
3以上の各吊りバンドの他方の端部は、ヘッドバンド122および帽体11の各々に結合される。詳しくは、各吊りバンドの他方の端部は、例えば、図1に示されているように、ヘッドバンド122の外面に結合されると共に、帽体11の内面の外周の近傍にも結合される。ただし、各吊りバンドの他方の端部が、ヘッドバンド122および帽体11の各々の、どの面のどの位置に結合されるかは問わない。それによって、内装体12が構成され、かつ帽体11の内部に内装体12が取り付けられる結果となる。
【0043】
また、ハンモック121の3以上の各吊りバンドは、ヘッドバンド122等と結合される側の端部(以下、単に「端部」と記す場合がある)の近傍から分岐して伸びる枝部121bを有する。そして、これら3以上の各枝部121bの先端が、ヘッドバンド122に連結されている。各枝部121bの先端は、例えば、ヘッドバンド122の内面側に連結されるが、ヘッドバンド122の外面側に連結されていてもよい。ただし、枝部121bは必須ではなく、3以上の各吊りバンドは、枝部121bを有していなくても構わない。
【0044】
なお、帽体11と内装体12とを結合させるための結合機構は、例えば、ブラケットやねじ等の固定具でもよいし、接着剤でもよく、その種類は問わない。または、結合機構は、内装体12または帽体11のうち1以上が有する弾性体でもよい。つまり、帽体11と内装体12とが、その少なくとも一方が有する1以上の弾性体によって押し合う結果、結合してもよい。結合機構は、帽体11と内装体12とが、結果として結合するような機構であれば、何でもよい。
【0045】
本実施の形態の第一の態様において、突起(1211,1211a~1211c)は、通常、内装体12を構成するハンモック121に設けられる。ただし、突起は、内装体12を構成するヘッドバンド122に設けられてもよい。
【0046】
なお、内装体12は、例えば、ライナーをさらに備えていてもよい。ライナーとは、帽体11の内面に取り付けられる殻状の衝撃吸収部材である。突起は、例えば、内装体12を構成するライナーに設けられてもよいし、内装体12のどの構成要素に設けられてもよい。
【0047】
さらに、図1では省略しているが、帽体11の内面には、例えば、ハンモック121の3以上の各吊りバンドに対応する位置に、突条が形成されている。突条とは、細長い突起である。突条は、例えば、図3に参照番号111で示す縦方向のリブ(縦リブ)であるが、その長さや形状や方向は問わない。以下では、帽体11の内面に設けられた3以上(本実施の形態では、4本)の各突条を、突条111と記す。突条111は、帽体11の強度を高める作用を有すると共に、帽体11と内装体12とが結合された状態で、耳紐13をハンモック121側に押す作用をも有する。
【0048】
なお、後に説明する本実施の形態の第二の態様において、突起(1211d)は、帽体11に設けられる。上述したライナーは、帽体11の一部と考えることもできる。
【0049】
(第一の態様)
図2は、突起を有するハンモック121の一例を示す図である。図2には、ハンモック121を構成する3以上の吊りバンドのうち一の吊りバンドの端部が、耳紐13と共に示されている。なお、他の2以上の各吊りバンドにおいても、端部およびそれに取り付けられる耳紐13の構成は、以下の説明と同様であるが、異なる構成(例えば、後述する変形例1~3のいずれか)でもよい。
【0050】
本例における耳紐13は、細長い矩形(例えば、テープ状といってもよい)の紐である。耳紐13は、その端部の近傍に孔131が形成されている。なお、耳紐13の端部の近傍とは、例えば、端部から10mm~20mmの位置であるが、端部から10mm未満の位置でもよいし、端部から20mm超の位置でもよく、耳紐13の端部に対する孔131の位置は問わない。また、孔131は、例えば、円形であるが、楕円形でもよいし、矩形や六角形等の多角形でもよく、その形状は問わない。なお、円形や楕円形は、完全な円や楕円の形状でなくてもよいし、多角形は、例えば、角が丸みを帯びていても構わない。
【0051】
なお、孔131のサイズは、例えば、5mm~12mmであるが、5mm未満でも、12mm超でもよく、その数値は問わない。なお、最大径とは、例えば、直径、長径、対角線の長さ等である(以下同様)。
【0052】
ハンモック121には、突起1211、および横孔1212を備える。突起1211は、ハンモック121の外面から帽体11の内面に向かって伸びる柱状の突起である。柱状とは、例えば、円柱状であるが、楕円柱状でもよいし、四角柱や六角柱等の多角柱状でも構わない。
【0053】
なお、柱状の突起1211のサイズは、例えば、5mm~12mmの範囲であり、好ましくは、8mm~10mmの範囲であるが、5mm未満でも、12mm超でもよく、その数値は問わない。なお、ここでいうサイズとは、突起1211の上面の最大径である。
【0054】
つまり、突起1211は、通常、孔131の形状に対応する形状を有し、かつ孔131のサイズに対応するサイズを有する。ただし、突起1211が孔131を貫通可能であれば、形状またはサイズのうち1以上が異なっていてもよい。
【0055】
柱状の突起1211は、ハンモック121の外面の法線に対して上向きに傾斜していることは好適である。ただし、かかる傾斜は必須ではなく、柱状の突起1211は、ハンモック121の外面の法線に対して平行(言い換えると、外面に対して垂直)に伸びていてもよい。なお、柱状の突起1211の高さは、例えば、5mm~10mmの範囲であるが、5mm未満でも、10mm超でもよく、その数値は問わない。
【0056】
柱状の突起1211の先端には、帽体11の内面に形成された上述の突条111と係合する溝12111が形成されることは好適である。ただし、溝12111は必須ではなく、柱状の突起1211の先端は、平面でもよい。
【0057】
横孔1212は、横方向の細長い孔であり、突起1211の直ぐ上に設けられる。なお、横孔1212の幅は、耳紐13の幅と同じ又は耳紐13の幅よりもやや大きい。また、横孔1212の高さは、例えば、2mm~3mmの範囲であるが、耳紐13の厚みよりも大きければ、その数値は問わない。ハンモック121の突起1211が耳紐13の孔131を貫通した状態で、耳紐13の先端は、横孔1212を貫通し、ハンモック121の外面側に導かれる。
【0058】
ただし、横孔1212は必須ではない。例えば、端部の近くに孔131が形成されている耳紐13(例えば、後述する図4に示された耳紐13を参照)を用いる場合には、ハンモック121は、横孔1212を備えていなくてもよい。
【0059】
以上のように構成されたヘルメット1を組み立てる際、組み立て作業者は、まず、ハンモック121の横孔1212へ耳紐13の先端を通す。その際、組み立て作業者は、耳紐13の孔131が、ハンモック121の突起1211に対応する位置に来るまで、耳紐13を横孔1212へ送り込む。この状態で、組み立て作業者が耳紐13を下方に曲げると、耳紐13の孔131は、斜め上方を向いた突起1211を通る。これにより、耳紐13は、ハンモック121と結合される。
【0060】
次に、組み立て作業者は、耳紐13が結合されたハンモック121に、ヘッドバンド122をも結合する。そして、組み立て作業者は、ハンモック121およびヘッドバンド122を含む内装体12を、帽体11の内部に取り付ける。その際、組み立て作業者は、ハンモック121の突起1211の先端に形成された溝12111が、帽体11の内面に形成された突条111と係合するように、取り付けを行う。
【0061】
これにより、ハンモック121の突起1211が耳紐13の孔131を貫通した状態で、帽体11が耳紐13を押さえるように、帽体11と内装体12とが結合される。
【0062】
図3は、ハンモック121の突起1211が耳紐13の孔131を貫通した状態で、帽体11が耳紐13を押さえている様子を示す図である。この例では、帽体11の内面の突条111(縦リブ)が、突起1211の溝12111と噛み合うことで、帽体11からの押圧が突条111および突起1211を介して耳紐13に局所的に伝わる結果、ハンモック121からの耳紐13の脱落を効果的に防止できる。
【0063】
(第一の態様の変形例1)
図4は、突起を有するハンモック121の他の例を示す図である。図4には、ハンモック121を構成する3以上の吊りバンドのうち一の吊りバンドの端部が、耳紐13と共に示されている。
【0064】
本例における耳紐13は、端部の近くに孔131が形成されている。突起1211aは、ハンモック121の外面の法線に対して平行に伸びる柱状の突起である。この柱状の突起1211aは、その側面の上側に、凸部を有する。
【0065】
本例におけるハンモック121には、当該ハンモック121の突起1211aに対応する位置に、開閉可能なパネル1214が、ヒンジ1213を介して設けられている。ヒンジ1213には、耳紐13の先端が貫通するスリット1213aが形成されている。なお、スリット1213aは、耳紐13の先端が貫通可能であれば、その形状やサイズは問わない。
【0066】
パネル1214には、ハンモック121の突起1211aが貫通する第二の孔1214aが形成されている。なお、第二の孔1214aは、ハンモック121の突起1211aが貫通可能であれば、その形状やサイズは問わない。
【0067】
パネル1214は、耳紐13の先端がヒンジ1213のスリット1213aを貫通し、かつハンモック121の突起1211aが耳紐13の孔131を貫通した状態で閉じられる。パネル1214が閉じられると、突起1211aは、第二の孔1214aを貫通し、パネル1214は、突起1211aの凸部によって係止される。
【0068】
そして、上記のようなハンモック121を有する内装体12が、帽体11に取り付けられると、帽体11の突条111がパネル1214に当接し、耳紐13は、帽体11によって押される結果となる。従って、帽体11からの押圧が突条111およびパネル1214を介して耳紐13の広い範囲に伝わる結果、押圧による耳紐13のダメージを抑えつつ、ハンモック121からの耳紐13の脱落を防止できる。
【0069】
(第一の態様の変形例2)
図5は、突起を有するハンモック121のその他の例を示す図である。図5には、ハンモック121を構成する3以上の各吊りバンドから延びる枝部121bが、耳紐13と共に示されている。本例における耳紐13は、先端が折り返されて二重になっており、その二重になった部分に孔131が形成されている。つまり、耳紐13は、孔131の近傍が、折り返しによって二重構造となることで、補強されている。
【0070】
ただし、折り返しは必須ではなく、例えば、耳紐13と同じ素材の端切れを付加することによっても、耳紐13の孔131の近傍は、二重構造となり、補強される。または、耳紐13の孔131の近傍は、例えば、樹脂コーティング、またはテープ等の補強材の貼り付けなどで補強されてもよく、その補強構造は問わない。
【0071】
なお、かかる補強構造は、第一の態様の他の変形例における耳紐13や、後述する第二の態様における耳紐13にも用いることができる。
【0072】
本例におけるハンモック121は、3以上の各吊りバンドの枝部121bに、突起1211bが形成されている。枝部121bは、吊りバンドから分岐して斜め下に延びた後、下向きに曲がっている。つまり、枝部121bの先端の近傍は下方を向いており、突起1211bは、枝部121bの先端の近傍の下方を向いた部分から水平に伸びる脚部と、当該脚部の先端に垂直に設けられた縦長の部材とを有する。この縦長部材は、横幅が耳紐13の孔131とほぼ同じである一方、縦幅はそれよりも大きいため、耳紐13の孔131を貫通し得る。
【0073】
組み立て作業者が、このような突起1211bの縦長部材を耳紐13の孔131に通すことで、耳紐13は、枝部121bの突起1211bと結合する。
【0074】
そして、上記のようなハンモック121を有する内装体12が、帽体11に取り付けられると、突起1211bの縦長部材に帽体11の突条111が当接し、耳紐13は、帽体11によって押される結果となる。従って、帽体11からの押圧が、突条111、および突起1211bの縦長部材を介して耳紐13に伝わる結果、ハンモック121からの耳紐13の脱落を防止できる。
【0075】
(第一の態様の変形例3)
図6は、突起を有するハンモック121のさらにその他の例を示す図である。図6には、ハンモック121を構成する3以上の各吊りバンドの端部が、耳紐13と共に示されている。本例における耳紐13は、端部の近傍に孔131を有する。孔131は、例えば、矩形であるが、円形等でもよく、その形状は問わない。
【0076】
本例におけるハンモック121は、3以上の各吊りバンドの、ヘッドバンド122側の端部(以下、単に「端部」と記す場合がある)に、当該吊りバンドの外面に沿って上方に延びる板状の突起1211cが形成されている。
【0077】
ただし、板状の突起1211cの位置は、上記端部に限らず、例えば、吊りバンドの中央でもよいし、ハンモック121のどこでも構わない。板状の突起1211cは、ハンモック121の外面に沿って上方に延びていればよい。
【0078】
上記端部には、矩形の孔1212cが形成されており、板状の突起1211cは、この矩形の孔1212cの直ぐ下に設けられた薄い柱状の脚部と、当該脚部の先端に垂直に設けられた縦長の板部材とで構成される。この板部材は、その縦方向の長さが、矩形の孔1212cの縦方向の長さよりも長く、その幅が、矩形の孔1212cの横幅よりも狭い。従って、板状の突起1211cの先端は、矩形の孔1212cを貫通し、ハンモック121の内面側に突出し得る。
【0079】
なお、板部材は、図6に示されているように、上方ほど横幅が狭くなる先細り型であることは好適であるが、必ずしも先細り型でなくてもよい。
【0080】
また、突起1211cを構成する上記板部材の横幅は、耳紐13の孔131の横幅と同じ又はそれよりも狭い。さらに、突起1211cを構成する上記脚部の形状およびサイズは、耳紐13の孔131の形状およびサイズと同じ又は略同じである。このため、耳紐13の孔131は、突起1211cの板部材を通り、突起1211cの脚部と係合する。
【0081】
組み立て作業者は、まず、板状の突起1211cの先端に耳紐13の孔131を通し、耳紐13の孔131を板状の突起1211cの脚部と係合させる。次に、組み立て作業者は、板状の突起1211cの先端を、ハンモック121の矩形の孔1212cに押し込む。
【0082】
これによって、ハンモック121と耳紐13とが結合し、ハンモック121が帽体11と結合される前に、耳紐13がハンモック121から脱落し難くなる。その結果、ヘルメット1の組み立てが容易になる。
【0083】
次に、組み立て作業者は、こうして耳紐13が結合されたハンモック121に、ヘッドバンド122をも結合して内装体12を構成し、帽体11に当該内装体12を取り付ける。これによって、突起1211cの板部材に帽体11の突条111が当接し、耳紐13は、帽体11によって押される結果となる。従って、ハンモック121が帽体11と結合された後は、帽体11からの押圧が突条111および板状の突起1211cを介して耳紐13に伝わる結果、ハンモック121からの耳紐13の脱落を防止できる。
【0084】
(第二の態様)
図7は、突起を有する帽体11の一例を示す図である。図7には、帽体11の内面の下端部が、耳紐13、およびハンモック121の端部と共に示されている。
【0085】
本例における耳紐13には、端部の近傍に孔131が形成されている。ただし、耳紐13における孔131の位置は問わない。また、孔131は、例えば、楕円形であるが、円形等でもよく、その形状は問わない。
【0086】
本例におけるハンモック121は、端部に第二の孔1214dが形成されている。ただし、ハンモック121における第二の孔1214dの位置は問わない。また、第二の孔1214dは、例えば、矩形であるが、円形等でもよく、その形状は問わない。
【0087】
帽体11は、その内面の下端部に、突起1211dが形成されている。ただし、突起1211dは、帽体11の内面であれば、どこに形成されてもよい。突起1211dは、細長い柱状の脚部と、当該脚部の先端に垂直に設けられた矩形の板部材とで構成される。この板部材は、その縦方向の長さが、第二の孔1214dの縦方向の長さよりも短く、その幅が、第二の孔1214dの横幅よりも狭い。
【0088】
また、上記板部材の、縦方向の長さおよび横幅は、耳紐13の孔131の、長径および短径と、通常、同じ又は略同じである。ただし、上記板部材は、耳紐13の孔131を貫通可能であれば、そのサイズは問わない。
【0089】
従って、帽体11の突起1211dの先端は、耳紐13の孔131を貫通し、さらにハンモック121の第二の孔1214dをも貫通して、ハンモック121の内面側に突出し得る。
【0090】
なお、帽体11の内面の下端部には、帽体11をハンモック121と結合させるための結合部も設けられている。この結合部は、例えば、突起1211dに対して、左側、右側、および下側に配置される、3つの枠部材で構成される。これら3つの枠部材のうち、左側および右側の2つは、例えば、変形可能な金属や樹脂等の素材でできており、予め帽体11に取り付けられている。
【0091】
また、左右2つの各枠部材は、突起1211dの高さよりも低い。なお、ここでいう高さは、帽体11の内面に対する突起1211dの高さであり、例えば、突起1211d等の先端から、帽体11の内面に下した垂線の長さである。
【0092】
これに対して、下側の枠部材は、変形可能でも変形不能でもよく、耳紐13およびハンモック121が取り付けられた後、帽体11に取り付けられる。
【0093】
組み立て作業者は、まず、帽体11の突起1211dの先端に、耳紐13の孔131を通す。次に、組み立て作業者は、上記結合部を構成する左右2つの各枠部材の先端側を左右に広げて、突起1211dの先端を、ハンモック121の矩形の孔1212cに通す。そして、組み立て作業者は、左右2つの各枠部材の広がった先端側を元に戻した後、下側の枠部材を帽体11に取り付ける。
【0094】
これによって、ハンモック121および耳紐13が帽体11と結合し、耳紐13は、ハンモック121によって押される結果となり、帽体11からの耳紐13の脱落を防止できる。
【0095】
以上、本実施の形態によれば、ヘルメット1は、帽体11と、帽体11の内部に取り付けられる内装体12と、帽体11または内装体12に設けられる突起1211と、突起1211が貫通する孔131が形成された耳紐13とを有し、突起1211が耳紐13の孔131を貫通したヘルメットであることにより、耳紐13を内装体12または帽体11に取り付けるための部材が不要なので、部品点数の少ない、組み立てが容易なヘルメットを提供できる。
【0096】
また、ヘルメット1は、部品点数が少なく組み立てが容易であるため、例えば、装着者が、発汗等で濡れたり泥等で汚れたりした耳紐13を交換したい時、簡単に交換できる上、交換時のコストも低い。
【0097】
また、本実施の形態の第一の態様では、内装体12は、ハンモック121を含み、突起1211は、ハンモック121に設けられ、帽体11は、ハンモック121の突起1211が耳紐13の孔131を貫通した状態で、耳紐13を押さえることにより、耳紐13をハンモック121に取り付けるための部材が不要なので、部品点数の少ない、組み立てが容易なヘルメットを提供できる。
【0098】
また、第一の態様では、ハンモック121の突起1211は、ハンモック121の外面から帽体11の内面に向かって伸びる柱状の突起1211であり、帽体11の内面に突条111が形成されており、柱状の突起1211の先端には、突条111と係合する溝12111が形成されていることにより、突条111と溝12111とが係合することで、耳紐13の脱落を効果的に防止できる。また、ハンモック121と帽体11との結合も強まる。
【0099】
また、第一の態様では、柱状の突起1211は、ハンモック121の外面の法線に対して上向きに傾斜していることにより、ハンモック121が帽体11と結合される前に、耳紐13が脱落することを防止できるので、ヘルメット1の組み立てが容易になる。
【0100】
また、第一の態様では、ハンモック121には、当該ハンモック121の突起1211が耳紐13の孔131を貫通した状態で耳紐13の先端が貫通可能な横孔1212がさらに形成されている。従って、耳紐13の先端を横孔1212に差し込んだ後、耳紐13を下に曲げることで、耳紐13の孔131にハンモック121の突起1211を容易に通すことができ、ヘルメット1の組み立てが容易になる。
【0101】
また、第一の態様の変形例1では、ハンモック121には、当該ハンモック121の突起1211aに対応する位置に、開閉可能なパネル1214がヒンジ1213を介して設けられており、パネル1214には、ハンモック121の突起1211aが貫通する第二の孔1214aが形成され、ヒンジ1213には、耳紐13の先端が貫通可能なスリット1213aが形成され、パネル1214は、耳紐13の先端がヒンジ1213のスリット1213aを貫通し、かつハンモック121の突起1211aが耳紐13の孔131を貫通した状態で閉じられる。従って、ハンモック121を帽体11と結合する前に、パネル1214を閉じることで、耳紐13が脱落することを防止できるので、ヘルメット1の組み立てが容易になる。また、ハンモック121が帽体11と結合された後に、帽体11からの押圧がパネル1214を介して耳紐13に広範囲に伝わる結果、耳紐13のダメージを抑えつつ耳紐13の脱落を防止できる。
【0102】
また、第一の態様の変形例2では、耳紐13は、孔131の近傍が補強されていることより、耳紐13に孔131を開けたことによる耳紐13の強度低下を補うことができる。
【0103】
また、第一の態様の変形例3では、ハンモック121の突起1211cは、当該ハンモック121の外面に沿って上方に延びる板状の突起であり、ハンモック121には、耳紐13の孔131を貫通した板状の突起1211cの先端がハンモック121の内面側に貫通可能な矩形の孔1212cがさらに形成されている。従って、突起1211cに耳紐13の孔131を通した後、突起1211cの先端を矩形の孔1212cに押し込むことで、ハンモック121が帽体11と結合される前に、耳紐13が脱落し難くなる結果、ヘルメット1の組み立てが容易になる。また、ハンモック121が帽体11と結合された後には、帽体11からの押圧が板状の突起1211cを介して耳紐13に伝わる結果、耳紐13の脱落を防止できる。
【0104】
また、本実施の形態の第二の態様では、内装体12は、ハンモック121を含み、帽体11に突起1211dが設けられ、ハンモック121は、帽体11の突起1211dが耳紐13の孔131を貫通した状態で、耳紐13を押さえることにより、耳紐13を帽体11に取り付けるための部材が不要なので、部品点数の少ない、組み立てが容易なヘルメットを提供できる。
【0105】
また、第二の態様では、ハンモック121には、帽体11の突起1211dが貫通する第二の孔1214dが形成され、ハンモック121は、帽体11の突起1211dが、耳紐13の孔131を貫通し、さらにハンモック121の第二の孔1214dをも貫通した状態で、耳紐13を押さえる。こうして、ハンモック121を帽体11に取り付けるための突起1211dを、耳紐13の取り付けにも利用することで、耳紐13を帽体11に取り付けるための専用の部材が不要となり、部品点数を削減できる。
【0106】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明にかかるヘルメットは、部品点数が少なく、容易に組み立てることができるという効果を有し、ヘルメット等として有用である。
【符号の説明】
【0108】
1 ヘルメット
11 帽体
12 内装体
13 耳紐
111 突条
121 ハンモック
121b 枝部
122 ヘッドバンド
131 孔
1211、1211a~1211d 突起
1212 横孔
1212c 矩形の孔
1213 ヒンジ
1213a スリット
1214 パネル
1214a、1214d 第二の孔
12111 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7