IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 間宮 大輔の特許一覧

<>
  • 特許-ナンバープレート表示器及びトレーラー 図1
  • 特許-ナンバープレート表示器及びトレーラー 図2
  • 特許-ナンバープレート表示器及びトレーラー 図3
  • 特許-ナンバープレート表示器及びトレーラー 図4
  • 特許-ナンバープレート表示器及びトレーラー 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】ナンバープレート表示器及びトレーラー
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/10 20060101AFI20230112BHJP
   B60P 1/04 20060101ALI20230112BHJP
   B60Q 1/56 20060101ALN20230112BHJP
【FI】
B60R13/10
B60P1/04 A
B60Q1/56
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019095455
(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公開番号】P2020189559
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-03-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成30年11月30日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(2)平成31年1月2日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(3)平成31年1月19日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(4)平成31年1月27日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(5)平成31年1月30日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(6)平成31年2月2日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(7)平成31年2月28日に、群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを貸出しのため引き渡した。(8)平成31年3月7日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(9)平成31年3月20日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(10)平成31年3月21日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(11)平成31年4月22日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(12)平成31年4月21日群馬県前橋市富士見町小暮2445-1にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを販売した。(13)平成30年11月25日アメマガミーティングZ2018東京都お台場青海地区P区画にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを公開した。(14)令和元年5月11日サンダーお兄さん群サイ走行会群馬県利根郡みなかみ町新巻大峰山にてナンバープレート表示器を備えたトレーラーを公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】319004892
【氏名又は名称】間宮 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】間宮 大輔
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-093238(JP,U)
【文献】実開昭48-018997(JP,U)
【文献】実開平04-110646(JP,U)
【文献】実公昭42-017371(JP,Y1)
【文献】特開平11-192899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/10
B60P 1/04
B60Q 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後部が下降可能な荷台を有するトレーラーの後部側方に設置された屈曲部材と、
前記屈曲部材によって内側が上方に回動し外側に傾斜する回動部と、
前記回動部から上方に延びたアーム部と、
前記アーム部の上部に設けられナンバープレートを設置するプレート固定部と、
前記荷台に対して上下方向にスライド可能に設置され上端が前記回動部に当接する押圧バーと、
前記アーム部を屹立状態に付勢する弾性部材と、を有し、
前記荷台の後部が下降すると前記押圧バーの下端が接地して前記回動部を押し上げ、前記回動部が外側に傾斜して前記プレート固定部が外側に傾き前記ナンバープレートが前記荷台側から退避することを特徴とするナンバープレート表示器。
【請求項2】
屈曲部材を荷台のサイドランプ取付ステーに設置したことを特徴とする請求項1記載のナンバープレート表示器。
【請求項3】
サイドランプ取付ステーの上方に設置された三角反射器の裏側に弾性部材が位置することを特徴とする請求項2記載のナンバープレート表示器。
【請求項4】
車両と接続可能な連結器と、
前記連結器と固定した荷台と、
前記荷台の両側に設けられた車輪と、
前記荷台の後部を下方に傾斜させる傾斜機構と、
前記荷台に設置された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナンバープレート表示器と、を有すことを特徴とするトレーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台後部の下降時に荷台の後部側方に設けられたナンバープレートが傾いて自動的に荷台側から退避するナンバープレート表示器及びこれを備えたトレーラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
個人が競技用車両やオートバイ、スノーモービル等の輸送を行う際には、道路を走行可能な車両に連結器を介してトレーラーを接続し、このトレーラーに積載して行う事が一般的である。尚、このようなトレーラーに対しても後部の見やすい位置にナンバープレートの設置が義務付けられている。そして、このようなトレーラーの内、特に車両等の輸送を目的とするものでは、荷台の後方が傾斜してスロープとなり、直接輸送車両の積み下ろしが可能なものが商品化されている。ここで、下記[特許文献1]には荷台が傾斜する際にナンバープレートが自動的に回動して地面との接触を回避する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-192899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の[特許文献1]に記載の発明はナンバープレートを荷台の下面に設置するものであるが、このような荷台位置の高いトレーラーは荷台をスロープとしたときの傾斜角度がきつく、安全性に問題が有る他、車高の低い競技用車両では底を擦るなどして積み下ろし自体が出来ない場合がある。このため、荷台位置の低い(最低地上高の低い)低床のトレーラーが商品化されている。このような低床のトレーラーは荷台の下面にナンバープレートを設置する隙間がなく、また後面は車両積み下ろしのスロープとなるから、図5に示すように、荷台22の後部側方にナンバープレート10を設置する必要がある。しかしながら、日本における普通車の全幅W1は250cm以下と法律上定められているのに対し、例えば競技用車両の輸送を目的とした(海外の)トレーラー20では荷台22の幅W2が185cm~200cmのものが存在する。このようなトレーラー20では両サイドの余裕が32.5cm(荷台幅185cm)~25cm(荷台幅200cm)となる。これに対してナンバープレート10の横寸法は33cmであり、また平成28年度の法改正によりナンバープレート10の縦方向の設置が禁止となったため、トレーラー20の全幅W1(250cm)の制限を満たすためには、図5中の寸法Lに示すように、ナンバープレート10が荷台幅185cmのもので0.5cm、荷台幅200cmのもので8cm 荷台22側にはみ出すこととなる。そして、この数cmのはみ出しが車両積み下ろしの際に大きな邪魔となり、ユーザに多大なるストレスを与える。これらの事は荷台幅を可能な限り大きくとりたい小型車規格(全幅W1=170cm以下)、軽自動車規格(全幅W1=148cm以下)のトレーラー20にも想定されることである。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、荷台後部が下降する際に後部側方に設置されたナンバープレートが自動的に側方に傾いて荷台側から退避するナンバープレート表示器及びこれを備えたトレーラーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
(1)後部が下降可能な荷台22を有するトレーラーの後部側方に設置された屈曲部材40と、前記屈曲部材40によって内側が上方に回動し外側に傾斜する回動部42と、前記回動部42から上方に延びたアーム部44と、前記アーム部44の上部に設けられナンバープレート10を設置するプレート固定部46と、前記荷台22に対して上下方向にスライド可能に設置され上端が前記回動部42に当接する押圧バー48と、前記アーム部44を屹立状態に付勢する弾性部材49と、を有し、
前記荷台22の後部が下降すると前記押圧バー48の下端が接地して前記回動部42を押し上げ、前記回動部42が外側に傾斜して前記プレート固定部46が外側に傾き前記ナンバープレート10が前記荷台22側から退避することを特徴とするナンバープレート表示器80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)屈曲部材40を荷台22のサイドランプ取付ステー24に設置したことを特徴とする上記(1)記載のナンバープレート表示器80を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)サイドランプ取付ステー24の上方に設置された三角反射器26の裏側に弾性部材49が位置することを特徴とする上記(2)記載のナンバープレート表示器80を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)車両1と接続可能な連結器5と、前記連結器5と固定した荷台22と、前記荷台22の両側に設けられた車輪7と、前記荷台22の後部を下方に傾斜させる傾斜機構9と、
前記荷台22に設置された上記(1)乃至上記(3)のいずれかに記載のナンバープレート表示器80と、を有すことを特徴とするトレーラー100を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るナンバープレート表示器及びこれを備えたトレーラーは、荷台の後部が下降すると自動的にナンバープレートが外側に傾いて荷台上から退避する。このため、ナンバープレートが荷物の積み下ろし時に邪魔にならず、ユーザは余計なストレスを覚えることなく荷物の積み下ろしを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るトレーラーを側面方向から見た図である。
図2】本発明に係るトレーラーを後方から見た図である。
図3】走行位置における本発明に係るナンバープレート表示器を示す図である。
図4】積み下ろし位置における本発明に係るナンバープレート表示器を示す図である。
図5】従来のトレーラーにおけるナンバープレートの設置状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るナンバープレート表示器80及びトレーラー100について図面に基づいて説明する。ここで、図1(a)は走行位置における本発明に係るトレーラー100を側面方向から見た図である。また、図1(b)は積み下ろし位置におけるトレーラー100を側面方向から見た図である。また、図2(a)は走行位置における本発明に係るトレーラー100を後方から見た図である。また、図2(b)は積み下ろし位置におけるトレーラー100を後方から見た図である。
【0010】
本発明に係るトレーラー100は、動力を有する車両1と接続可能な連結器5と、この連結器5と固定した荷台22と、この荷台22の両側に設けられた車輪7と、荷台22の後部を下方に傾斜させる傾斜機構9と、荷台22の後部側方に設置された本発明に係るナンバープレート表示器80と、を有している。
【0011】
尚、トレーラー100及び連結器5、荷台22、車輪7に関しては特に限定は無く、如何なる形状、デザインのものを用いても良い。また、車輪7は2輪のみならず、4輪以上としても良い。尚、本発明はトレーラー100の荷台22が低床のものに好適であるが、高床のものに適用しても良い。また、傾斜機構9に関しても特に限定は無く如何なる機構のものを用いても良い。傾斜機構9の具体例としては、例えば荷台22を車輪7に対して上下動させる機構が挙げられる。この傾斜機構9は連結器5によって荷台22の前方が固定されることで、荷台22の降下によって荷台22の後方が降下する。これにより、荷台22全体が傾斜して荷台22の後端が接地しスロープを形成する。
【0012】
次に、本発明の特徴的な構成であるナンバープレート表示器80に関して説明を行う。ここで、図3は走行位置におけるナンバープレート表示器80を示す概略構成図であり、図4は積み下ろし位置におけるナンバープレート表示器80を示す概略構成図である。
【0013】
本発明に係るナンバープレート表示器80は、後部が傾斜可能な荷台22を有するトレーラー100の後方(後面を含む)の側方に設置されるものであり、図3に示すように、荷台22の後部側方に設置された屈曲部材40と、この屈曲部材40によって内側(荷台22側)が上方に回動し外側に傾斜する回動部42と、この回動部42から上方に延びたアーム部44と、このアーム部44の上部に設けられナンバープレート10を設置するプレート固定部46と、荷台22に対して上下方向にスライド可能に設置され上端が回動部42に当接する押圧バー48と、アーム部44を屹立状態に付勢する弾性部材49と、を有している。尚、ここではナンバープレート表示器80をトレーラー100の右側(後方から見た図2では左側)に設置した例を図示しているが、ナンバープレート表示器80はトレーラー100の左側に設けても構わない。また、ここでは、壁や屋根の無いオープン型のトレーラー100を図示しているが、本発明はオープン型のトレーラー100に限定されるものではなく、壁や屋根等の車体を備えたカーゴ型のトレーラー100に適用しても良い。
【0014】
また、屈曲部材40としては周知のヒンジ機構を用いることが好ましいが、バネ等の弾性部材を用いても良い。尚、屈曲部材40の取付方法、取付け部材に関しては特に限定は無く、トレーラー100のアオリや車枠(主フレームやサブフレーム、補助フレームを含む)、トレーラー100が車体を有する場合には車体(外装パネルや扉、内装パネルを含む)、車両の積み下ろしを阻害しないバンパー、トレーラー100のサイドランプ取付ステー及びテールランプ取り付け台座、サスペンション機構、トレーラー100を操作するための取っ手やレバー、スイッチ、パネル等を含む操作部分の台座、トレーラー100に固定した棚や収納箱、歩み板、その他の部品、また、これらの部材を構成もしくは取り付けるための台座、また、トレーラー100に何らかの部品を取り付けるために利用もしくは利用可能な既存もしくは後付けの台座や金具、ネジ、穴等が挙げられる。そして、屈曲部材40はこれらの部材に直接もしくは別途、取付部材等を介して設置する。中でもブレーキランプや方向指示灯等のサイドランプ28が固定するサイドランプ取付ステー24はトレーラー100の後部側方に存在するため、これに屈曲部材40を固定してナンバープレート表示器80を設置することが特に好ましい。
【0015】
また、回動部42は所定の長さを有する板材、棒材、丸パイプ、角パイプ等の管体、その他の部材を利用可能で、基本的に外側に屈曲部(支点)が位置し、内側(荷台22側)に押圧バー48が当接する作用点を有する。また、アーム部44は回動部42から上方に延びていれば、そのデザインに特に限定は無く、如何なる形状としても良い。また、部材に関しても板材、棒材、丸パイプ、角パイプ等の管体、その他の部材を利用可能である。さらに、回動部42とアーム部44とは別々の部材で構成しても良いし、一体的に形成しても良い。
【0016】
また、プレート固定部46は規定のナンバープレート10を固定可能であればプレート状、フレーム状等、如何なるものを用いても良い。尚、プレート固定部46には夜間等にナンバープレート10を照らすナンバー灯50を設ける。このナンバー灯50に関しても特に限定は無く法令に準拠した周知の部材を用いることができる。尚、回動部42及びアーム部44に管体を用いる構成では、ナンバー灯50への電気配線を回動部42及びアーム部44の内部を通して接続することが好ましい。この構成では、ナンバー灯50への電気配線が必要以上に露出せずトレーラー100の美観を損なう事も無い。
【0017】
尚、ナンバープレート10は容易に取外しが出来ない手法で固定することが義務付けられている。従って、ナンバープレート表示器80の各構成部材、即ち、屈曲部材40、回動部42、アーム部44、プレート固定部46の各部材間の固定及び屈曲部材40とトレーラー100との固定は少なくとも一部で溶接やリベット等の恒久的な固定手法を用いる。
【0018】
また、押圧バー48は所定の長さを有し、ナンバープレート表示器80(屈曲部材40)を固定するトレーラー100側の部材に対し上下方向にスライド可能に設置する。例えば、サイドランプ取付ステー24にナンバープレート表示器80を取付ける場合、サイドランプ取付ステー24の所定の位置に押圧バー48がスライド可能な径の貫通孔を穿孔し、これに押圧バー48を挿入する。また、押圧バー48の上部にはストッパ48aが設けられ、押圧バー48の脱落を防止するとともに、荷台22が上昇した走行位置において押圧バー48の下端が接地しないよう保持する。また、弾性部材49はアーム部44を屹立状態に付勢(屹立方向に常に弾性力が働く状態)可能であれば特に限定は無く、スプリングや板バネ、弾性ゴム等、如何なるものを用いても良い。
【0019】
尚、トレーラー100には三角反射器26を取付けることが要求されており、この三角反射器26はサイドランプ取付ステー24の上に設置することが一般的である。従って、ナンバープレート表示器80をサイドランプ取付ステー24に設ける場合には、弾性部材49を三角反射器26の裏側に位置させることが好ましい。この構成では、弾性部材49の一部もしくは全部が三角反射器26によって隠されて目立たず、トレーラー100の美観を損なう事も無い。
【0020】
次に、本発明に係るナンバープレート表示器80及びトレーラー100の動作を説明する。先ず、トレーラー100の荷台22が走行位置にあるときナンバープレート表示器80の押圧バー48は図3に示すように地面から浮いた状態にある。このとき、アーム部44及び回動部42は弾性部材49の弾性力によって荷台22の側に引っ張られ、回動部42は閉じた状態に、またアーム部44及びプレート固定部46は屹立した状態に維持される。そして、この状態においてナンバープレート10は略水平な状態に保持される。またこのときナンバープレート10は荷台22側に数cm突出する。
【0021】
次に、荷台22上に車両等の荷物を積み下ろしする場合、ユーザは図示しない操作部を操作して傾斜機構9を下降動作させる。これにより荷台22の後部が下降して荷台22が後方に傾斜する。このときナンバープレート表示器80も荷台22とともに下降し、先ず押圧バー48の下端が接地する。そしてさらに荷台22が下降すると、押圧バー48の上端が回動部42に当接してこれを押し上げる。このとき回動部42の外側は屈曲部材40と接続しているから、押圧バー48の押圧により回動部42は図4に示すように屈曲部材40の屈曲点を軸に内側(荷台22側)が上方に回動し、回動部42全体として外側に傾斜する。これにより、アーム部44及びプレート固定部46が外側に傾く。これにより、プレート固定部46に固定したナンバープレート10も外側に傾き、ナンバープレート10が荷台22上から徐々に退避する。そして、荷台22の後端がほぼ接地した図2(b)に示す積み下ろし位置において、ナンバープレート10は荷台22上から外れた状態となる。そして、この積み下ろし位置で傾斜機構9を停止させる。これにより荷台22の後端がスロープを形成する。尚、傾斜機構9は積み下ろし位置で自動的に停止するようにしても良い。
【0022】
次に、ユーザは荷台22の後端のスロープを用いて荷物を積み下ろしする。特に車両を積み下ろしする際には車両をスロープを用いて直接積み下ろすことができる。この際、ナンバープレート10は荷台22上から退避しているから、積み下ろしの邪魔にはならず、積み下ろし時のストレスを軽減することができる。
【0023】
上記のようにして、荷物の積み下ろしが完了すると、ユーザは操作部を操作して傾斜機構9を上昇動作させる。これにより荷台22の後部が上昇し、これに伴ってナンバープレート表示器80も上昇する。これにより、押圧バー48の押し上げ量が減少するとともに弾性部材49がアーム部44を荷台22の側に引っ張る。これにより、回動部42は屈曲点を軸に下方に回動するとともにアーム部44は屹立状態に移動し、これによりナンバープレート10は徐々に水平な状態に移動する。そして、押圧バー48による回動部42の押圧が無くなった時点でアーム部44及びプレート固定部46は屹立状態となりナンバープレート10は略水平な状態に保持される。そして、荷台22が走行位置となったところで傾斜機構9は停止する。
【0024】
以上のように、本発明に係るナンバープレート表示器80及びこれを備えたトレーラー100は、荷台22の後部が下降すると自動的にナンバープレート10が外側に傾いて荷台22上から退避する。このため、ナンバープレート10が荷物の積み下ろし時に邪魔にならず、ユーザは余計なストレスを覚えることなく荷物の積み下ろしを行うことができる。また、本発明に係るナンバープレート表示器80及びトレーラー100は、荷台22の後部が上昇するとナンバープレート10が略水平状態に自動的に復帰する。即ち、本発明に係るナンバープレート表示器80は荷台22の後部の上下動と連動して退避動作、復帰動作を行う。このため、ユーザはナンバープレート表示器80に対する特別な操作を行うことなく、傾斜機構9の操作のみでナンバープレート表示器80を動作させることができる。
【0025】
尚、本例で示したナンバープレート表示器80の各部の構成、機構、形状、デザイン、寸法、動作等は一例であるから、特に本例に限定される訳ではなく、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 車両
5 連結器
7 車輪
9 傾斜機構
10 ナンバープレート
22 荷台
24 サイドランプ取付ステー
26 三角反射器
40 屈曲部材
42 回動部
44 アーム部
46 プレート固定部
48 押圧バー
49 弾性部材
80 ナンバープレート表示器
100 トレーラー
図1
図2
図3
図4
図5