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特許7208721無人水上ビークル用の燃料電池発電システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】無人水上ビークル用の燃料電池発電システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20230112BHJP
   H01M 8/04291 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04089 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04492 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04828 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20230112BHJP
   H01M 8/04029 20160101ALI20230112BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20230112BHJP
   B63C 11/48 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/04 J
H01M8/04291
H01M8/04014
H01M8/04089
H01M8/04701
H01M8/04492
H01M8/04828
H01M8/04537
H01M8/04746
H01M8/04029
B63B35/00 Z
B63C11/48 Z
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018122575
(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2019050181
(43)【公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】15/640,962
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518230393
【氏名又は名称】リキッド ロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カラレロ, マイケル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス, ジェフリー スコット
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0039169(US,A1)
【文献】特開2002-056871(JP,A)
【文献】実開昭49-003303(JP,U)
【文献】特開2006-221993(JP,A)
【文献】特開2008-189538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
B63B 35/00
B63C 11/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人水上ビークル(12)用の電力システム(10)であって、
燃料電池スタック(80)を含む燃料電池(20)であって、前記燃料電池スタック(80)が、燃料入口(42)、空気入口(60)、及び排気出口(50)を含む、燃料電池(20)、
前記燃料電池スタック(80)の前記燃料入口(42)に流体接続された少なくとも1つの燃料貯蔵モジュール(40)を含む燃料貯蔵部(34)であって、前記燃料貯蔵モジュール(40)が前記燃料電池(20)のためのエネルギー源である、燃料貯蔵部(34)
制御モジュール(92)と電気通信する波センサ(82)であって、波センサ(82)は海況を示し、制御モジュール(92)は少なくとも前記海況に基づいて電力システム(10)の動作を継続または停止する判断を行う、波センサ(82)、
前記燃料電池(20)の前記空気入口(60)及び前記排気出口(50)に流体接続された空気管理システム(30)、並びに
前記空気管理システム(30)の一部であり、且つ、前記無人水上ビークル(12)が水域内に配備されている間、前記燃料電池(20)を作動させるために空気を供給する空気シュノーケル(76)であって、
前記燃料電池スタック(80)に供給された周囲空気を受け入れるための空気取入口(70)と、
前記燃料電池スタック(80)によって生成された排出空気及び排出水蒸気を排出するための排気口(72)とを含む空気シュノーケル(76)
を備えている電力システム(10)。
【請求項2】
前記空気シュノーケル(76)が、導管(101)、第1の空気弁(104)、及び第2の空気弁(106)を含み、前記周囲空気が、前記空気取入口(70)を通して前記導管(101)に入り、前記排出空気及び排出水蒸気が、前記排気口(72)を通して前記導管(101)から排出され、前記第1の空気弁(104)が、前記空気取入口(70)に流体接続され、前記第2の空気弁(106)が、前記排気口(72)に流体接続されている、請求項1に記載の電力システム(10)。
【請求項3】
前記導管(101)が、水だめ(113、115)を画定し、前記空気シュノーケル(76)が、前記水だめ(113、115)に流体接続された水ポンプ(122)を含み、前記第1の空気弁(104)及び前記第2の空気弁(106)を閉じて、次いで、前記水ポンプ(122)を起動することによって、前記水だめ(113、115)内に集められた水が除去される、請求項2に記載の電力システム(10)。
【請求項4】
前記空気シュノーケル(76)が、導管(101)、送風機(132)、及び前記送風機(132)の下流に配置されたヒーター(134)を含み、前記送風機(132)が、起動時に、強制空気を前記導管(101)にわたって循環させ、前記ヒーター(134)が、前記送風機(132)によって循環させられた前記強制空気の温度を上昇させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力システム(10)。
【請求項5】
前記空気シュノーケル(76)が、再循環弁(108)及び導管(101)を含み、前記再循環弁(108)が、前記導管(101)に沿って配置された可変流量弁であり、且つ、前記空気取入口(70)に入る前記周囲空気を前記排気口(72)からの前記排出空気と混合する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電力システム(10)。
【請求項6】
前記導管(101)が、前記燃料電池スタック(80)に流体接続され、前記再循環弁(108)が、全開位置又は複数の可変位置のうちの1つの位置のいずれかに開かれ、前記周囲空気の温度を目標燃料電池作動温度まで上昇させる、請求項5に記載の電力システム(10)。
【請求項7】
前記制御モジュール(92)は湿度センサ(260)及び周囲湿度センサ(88)と通じ、前記湿度センサ(260)が、前記空気シュノーケル(76)の導管(101)内に位置付けされ、前記燃料電池スタック(80)から出る空気中の湿気を検出し、前記周囲湿度センサ(88)が、周囲空気湿度を示し、前記制御モジュール(92)が、凝縮器(130)及び送風機(132)と通じており、前記制御モジュール(92)は、前記周囲空気湿度が閾値相対湿度を越え、前記燃料電池スタック(80)が相当量の湿気を含むと判断したことに応答して、前記凝縮器(130)及び前記送風機(132)を起動させる、請求項1から6のいずれか一項に記載の電力システム(10)。
【請求項8】
前記制御モジュール(92)は送風機(132)と通じ、前記制御モジュール(92)が、前記送風機(132)を起動させ、空気を前記空気シュノーケル(76)の導管(101)にわたって再循環させ、前記制御モジュール(92)が、前記送風機(132)によって消費された電力を継続的にモニタリングし、前記送風機(132)によって消費された電、前記燃料電池スタック(80)を冷却するための熱交換器(180)の液体ポンプ(176)によって消費された電力量と比較し、前記制御モジュール(92)が、前記送風機(132)によって消費された電力量と前記液体ポンプ(176)によって消費された電力量の比較結果に基づいて前記送風機(132)の動作と前記液体ポンプ(176)の動作を制御する、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力システム(10)。
【請求項9】
前記制御モジュール(92)は、前記送風機(132)によって消費された電力が、前記液体ポンプ(176)による平均電力消費と等しいか又はそれより少ないと判断したことに応答して、前記送風機(132)の起動を保持し続け、前記燃料電池スタック(80)を目標スタック温度まで冷却する、請求項8に記載の電力システム(10)。
【請求項10】
前記制御モジュール(92)は、前記送風機(132)が、前記熱交換器(180)の前記液体ポンプ(176)によって消費された電力量より多くの電力を消費していると判断したことに応答して、前記送風機(132)を停止させ、且つ前記液体ポンプ(176)を起動させて、前記燃料電池スタックを目標スタック温度まで冷却する、請求項8に記載の電力システム(10)。
【請求項11】
無人水上ビークル(12)に電力供給するために使用される、請求項1から10のいずれか一項に記載の電力システム(10)の燃料電池(20)を作動させるために空気を供給する方法であって、前記空気は、前記無人水上ビークル(12)が水域内に配備されている間に供給され、前記方法が、
前記燃料電池(20)の燃料電池スタック(80)の燃料入口(42)に、少なくとも1つの燃料貯蔵モジュール(40)を含む燃料貯蔵部(34)を流体接続することであって、前記燃料貯蔵モジュール(40)が、前記燃料電池(20)のためのエネルギー源である、燃料貯蔵部(34)を流体接続することと、
空気管理システム(30)を前記燃料電池(20)の空気入口(60)及び排気出口(50)に流体接続することと、
空気管理システム(30)を前記燃料電池(20)の前記空気入口(60)及び前記排気出口(50)に流体接続することと、
前記燃料電池(20)を作動させるために、前記空気管理システムの一部である空気シュノーケル(76)によって、空気を供給することであって、前記空気シュノーケル(76)が、前記燃料電池スタック(80)に供給された周囲空気を受け入れるための空気取入口(70)、及び前記燃料電池スタック(80)によって生成された排出空気及び排出水蒸気を排出するための排気口(72)を含む、空気を供給することと
を含む方法。
【請求項12】
前記空気シュノーケル(76)に、導管(101)、第1の空気弁(104)、及び第2の空気弁(106)を設けることを含み、前記周囲空気が、前記空気取入口(70)を通して前記導管(101)に入り、前記排出空気及び排出水蒸気が、前記排気口(72)を通して前記導管(101)から排出され、前記第1の空気弁(104)が、前記空気取入口(70)に流体接続され、且つ前記第2の空気弁(106)が、前記排気口(72)に流体接続されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の空気弁(104)及び前記第2の空気弁(106)を閉じることによって、水だめ(113、115)内に集められた水を除去し、次いで、水ポンプ(122)を起動させることを含み、前記水だめ(113、115)が、前記導管(101)によって画定され、前記水ポンプ(122)が、前記水だめ(113、115)に流体接続されている、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示されたシステムは、無人水上ビークル用の電力システムに関し、より具体的には、燃料電池、及び燃料電池のエネルギー源である燃料貯蔵部を含む電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人水上ビークル(unmanned surface vehicle)は、自律型水上ビークルとも呼ばれ得るが、水域の表面で動作する。無人水上ビークルは、探査、長期的モニタリング、民間及び防衛安全用途、並びに監視及び偵察のために使用される場合があり、過酷な条件や海の遠隔領域で用いられることがある。したがって、無人水上ビークルは、長期間にわたる任務を支えることができる高エネルギー電源を必要とする。例えば、幾つかの種類の無人水上ビークルは、最大1年間、広大な海域にわたって調査を行うことがある。
【0003】
電池、太陽電力、又は内燃機関などのエネルギー装置は、典型的に、動作中に無人水上ビークルに電力を供給するエネルギー装置として使用される。しかしながら、こうしたエネルギー装置は、欠点を有する場合があり、又は、長期間にわたって無人水上ビークルを動作させるのに必要なエネルギーを供給することができない。電池には、長期任務に必要なエネルギーを供給するのに十分なエネルギー密度が不足する。さらに、冬の間、より高い緯度では日射量が減るので、燃料電池も同じように実行可能な選択肢ではないかもしれない。内燃機関は、燃料補給が容易であり、迅速な応答時間を有する。しかしながら、内燃機関は、定期的なメンテナンスを必要とする複雑な機構であり、長期の無人運転における実用性が制限されるという制約がある。さらに、内燃機関では、著しい騒音が生じてしまい、多くの無人水上ビークル任務において望ましくない状況をつくりだしてしまう。
【発明の概要】
【0004】
一実施例では、無人水上ビークル用の電力システムが開示される。電力システムは、燃料電池、燃料貯蔵部、及び空気管理システムを含む。燃料電池は、燃料電池スタックを含む。燃料電池スタックは、燃料入口、空気入口、及び排気出口を含む。燃料貯蔵部は、燃料電池スタックの燃料入口に流体接続された少なくとも1つの燃料貯蔵モジュールを含む。 燃料貯蔵モジュールは、燃料電池のためのエネルギー源である。空気管理システムは、燃料電池の空気入口及び排気出口に流体接続されている。空気シュノーケルは、空気管理システムの一部であり、無人水上ビークルが水域面に配備されている間、燃料電池を作動させるために空気を供給する。空気シュノーケルは、燃料電池スタックに供給された周囲空気を受け入れるための取入口、及び燃料電池スタックによって生成された排気空気及び排気水蒸気を排出するための排気口を含む。
【0005】
別の実施例では、無人水上ビークル用の電力システムが開示される。電力システムは、燃料電池、燃料貯蔵部、並びに燃料及び熱管理システムを含む。燃料電池は、燃料電池スタックを含む。燃料電池スタックは、燃料入口を含む。燃料貯蔵部は、燃料電池スタックの燃料入口に流体接続された少なくとも1つの燃料貯蔵モジュールを含む。燃料貯蔵モジュールは、燃料電池のためのエネルギー源である。燃料及び熱管理システムは、燃料電池スタックの燃料入口に流体接続されている。燃料及び熱管理システムは、熱交換器、流量弁、圧力調整器、及び導管を備えている。熱交換器は、作動中に燃料電池スタックによって生成された廃熱を除去するために、燃料電池スタックと熱的に連通している。導管は、燃料貯蔵部を燃料電池スタックに流体接続し、流量弁及び圧力調整器の両方が、導管に沿って配置されている。
【0006】
さらに別の実施例では、電力システムの燃料電池を作動させるために、空気を供給する方法が提供される。電力システムは、無人水上ビークルに電力供給するために使用される。空気は、無人水上ビークルが水域内に配備されている間に供給される。当該方法は、少なくとも1つの燃料貯蔵モジュールを含む燃料貯蔵部を燃料電池の燃料電池スタックの燃料入口に流体接続することを含む。燃料貯蔵モジュールは、燃料電池のためのエネルギー源である。当該方法は、空気管理システムを燃料電池の空気入口及び排気出口に流体接続することをさらに含む。当該方法は、空気管理システムを燃料電池の空気入口及び排気出口に流体接続することをさらに含む。当該方法は、空気管理システムの一部である空気シュノーケルによって、空気を供給し、燃料電池を作動させることをさらに含む。空気シュノーケルは、燃料電池スタックに供給された周囲空気を受け入れるための空気取入口、及び燃料電池スタックによって生成された排気空気及び排気水蒸気を排出するための排気口を含む。開示された方法及びシステムのその他の目的及び利点は、下記の説明、添付図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】無人水上ビークル用の開示された電力システムの例示的な概略ブロック図である。電力システムは、燃料電池及び燃料貯蔵部を含む。
図2A-2B】燃料電池の燃料電池スタック、空気シュノーケルサブシステムを有する空気管理システム、制御システム、並びに燃料及び熱管理システムを含む、図1に示す電力システムの詳細な概略ブロック図である。
図3A-3B】摂取水をパージする空気シュノーケルサブシステムを示す。
図4】摂取水をパージする、図3の空気シュノーケルサブシステムの処理フロー図である。
図5A-5B】冷温時に燃料電池スタックを予熱する空気シュノーケルサブシステムである。
図6】燃料電池スタックを予熱する、図5A及び図5Bの空気シュノーケルサブシステムの処理フロー図である。
図7A-7B】燃料電池スタックに酸素を供給する空気シュノーケルサブシステムを示す。
図8】燃料電池スタックに空気を供給する、図7A及び図7Bの空気シュノーケルサブシステムの処理フロー図である。
図9A-9B】燃料からの水をパージする空気シュノーケルサブシステムを示す。
図10】燃料電池スタックからの空気をパージする、図9A及び9Bの空気シュノーケルサブシステムの処理フロー図である。
図11A-11B】熱除去モードで作動する空気シュノーケルサブシステムを示す。
図12】熱除去モードで作動する、図11A及び図11Bの空気シュノーケルサブシステムの処理フロー図である。
図13A-13B】燃料貯蔵部内に貯蔵された水素燃料を予熱する燃料及び熱管理システムを示す。
図14】燃料貯蔵部内に貯蔵された水素燃料を予熱する、図13A及び図13Bの燃料及び熱管理システムの処理フロー図である。
図15A-15B】金属水素化物燃料の水素生成に触媒作用を及ぼすために、燃料電池スタックによって生成された廃熱を用いる燃料及び熱管理システムを示す。
図16】金属水素化物燃料の水素生成に触媒作用を及ぼすために廃熱を用いる、図15A及び図15Bの燃料及び熱管理システムの処理フロー図である。
図17A-17B】燃料電池スタックから廃熱を除去する燃料及び熱管理システムを示す。
図18】海洋水によって冷却された熱交換器を使用して、燃料電池スタックから廃熱を除去する、図17A及び図17Bの燃料及び熱管理システムの処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、無人水上ビークル12用の開示された電力システム10の例示的な概略ブロック図である。電力システム10は、燃料電池20、バッテリ22、電力調整器24、エネルギー管理制御システム26、燃料及び熱管理システム28、空気管理システム30、水蒸気管理システム32、並びに燃料貯蔵部34を含む。例示の実施例では、複数の燃料貯蔵モジュール40が、燃料電池20の燃料入口42に流体接続されている。燃料貯蔵部34は、諸要素を取り除いたり、電力システム10内に含まれるエンクロージャを開く必要なく、電力システム10の燃料補給に対応する。燃料貯蔵部34は、燃料電池20のためのエネルギー源であり、特に長期任務の間、電力システム10が無人水上ビークル12を作動させるのに必要なエネルギーを供給することを可能にする。一実施例では、長期間の任務は、最大1年に及ぶ。
【0009】
記載された実施例では、燃料貯蔵部34は、計量可能な金属水素化物燃料貯蔵部基板である。しかしながら、代替的な実施例では、燃料貯蔵部34は、気体水素、極低温液体水素、或いは、プロパン、メタノール、及びプロパノールなどのその他の水素高密ガス及び液体燃料を含む。事実上、燃料貯蔵部34は、メタノール、プロパノール、及びプロパンなど、分子量で高い割合の水素を有する任意の水素含有分子を含み得る。しかしながら、以下に記載され、図13A及び図13Bに示す、燃料貯蔵部基板を加熱することは、金属水素化物燃料にのみ適用可能である。燃料電池20は、無人水上ビークル12を作動させるのに必要なエネルギーを生成する。燃料電池20は、エネルギー以外に、副生成物として水蒸気及び熱も生成する。したがって、燃料電池20は、副生成物を除去するための熱出口48及び排気出口50を含む。図1に示すように、排気出口50及び熱出口48は、両方とも燃料及び熱管理システム28に流体接続されている。燃料電池20は、排気出口50を通して、排気ガスを燃料及び熱管理システム28に送る。同様に、燃料電池20は、熱出口48を通して、熱を燃料及び熱管理システム28に送る。燃料及び熱管理システム28は、排気を空気に放散し、熱を無人水上ビークル12を囲む水(図示せず)に直接放散する。例えば、無人水上ビークル12は、熱を周囲の海水中に放散し、水蒸気及び加熱空気を周囲の空気中に放散し得る。
【0010】
燃料電池20は、バッテリ22に接続された電力出力54を含む。バッテリ22は、燃料電池20の電力出力54によって供給されたエネルギーによって再充電される。バッテリ22は、複数回、充電及び放電され得る再充電可能なバッテリである。バッテリ22は、エネルギー管理制御システム26及び電力調整器24にも接続される。電力調整器24は、直流をある電圧レベルから別の電圧レベルに変換するDC-DC変換器である。
【0011】
空気管理システム30は、空気入口60を通して、空気を燃料電池20に供給する。燃料電池20は、排気出口50で水蒸気管理システム32に流体接続される。水は、燃料電池20から排出され、排気出口50を通り、水蒸気管理システム32に至る。水蒸気管理システム32は、燃料電池20の水バランス係数(water balance coefficient)を改善するために空気管理システム30を利用する。空気管理システム30のより詳細な図は、図2A及び図2Bに示される。これより図1及び図2の両方を参照すると、空気管理システム30は、空気取入口70、及び空気シュノーケル76の一部である排気口72を含む。空気取入口70は、周囲空気を受け入れ、排気口は、燃料電池20によって生成された空気及び排気水を排出する。図2A及び図2Bで示すように、空気管理システム30は、燃料電池20の一部である燃料電池スタック80に空気を供給する。特に、空気取入口70は、燃料電池スタック80に供給される空気を受け入れ、燃料電池スタック80によって生成された排気空気及び排気水蒸気は、排気口72を通して、電力システム10(図1)から排出される。図2A及び図2Bは、エネルギー管理制御システム26、並びに燃料及び熱管理システム28をさらに示す。
【0012】
引き続き図2A及び図2Bを参照すると、エネルギー管理制御システム26は、複数の環境条件センサをモニタリングする。図示の実施例では、環境条件センサは、海況を示す波センサ82、風速を示す風センサ84、降水を示す雨センサ86、周囲空気湿度を示す周囲湿度センサ88、及び周囲空気圧力を示す圧力センサ90を含む。一実施例では、海況には、限定しないが、波の高さ、波の周期、及び波の方向、並びに瞬間プラットフォーム姿勢角(ロール、ピッチ、及び/又はヨー)などのパラメータが含まれ得る。エネルギー管理制御システム26は、センサ82、84、86、88、90をモニタリングし、海況及び天候条件に基づいて、電力システム10の動作を継続又は停止する判断を行う。例えば、エネルギー管理制御システム26は、空気シュノーケル76が海水によって洗浄され過ぎないことを確実にするために、海況をモニタリングする。エネルギー管理制御システム26は、過剰な瞬間的波条件を示し得る極角状態に対して瞬間的プラットフォームもモニタリングする。一実施例では、空気シュノーケルの一次取込弁104及び排気口106は、一時的に閉じられ、無人水上ビークル12が波によって洗浄され過ぎる瞬間が稀にあるときに、水の侵入が実質的に防止される。図2A及び図2Bに示す実施例では、空気シュノーケル76は、空気シュノーケル76にわたって空気を搬送するための導管101を含む。具体的には、周囲空気は、空気取入口70を通して導管101に入り、空気及び水は、排気口72を通して、導管101から出る。
【0013】
センサ82、84、86、88、90は、それぞれ制御モジュール92と通じている。制御モジュール92は、海況を示す入力信号を波センサ82から、風速を示す入力信号を風センサ84から、降水を示す入力信号を雨センサ86から、空気湿度を示す入力信号を周囲湿度センサ88から、且つ空気圧力を示す入力信号を圧力センサ90から受信する。制御モジュール92は、システムオンチップなどにおける、コードを実行するハードウェア又はソフトウェアを含む、特殊用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、組合せ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ(共有、専用、又はグループ)、或いは以上の一部又は全ての組み合わせのことを表すか、又はその一部であってもよい。制御モジュール92は、海況及び天候条件のためにセンサ82、84、86、88、90をモニタリングする。
【0014】
海況及び天候条件をモニタリングすることに加えて、制御モジュール92は、さらに空気シュノーケル76、並びに燃料及び熱管理システム28をモニタリングし、制御する。制御モジュール92は、弁制御部94、ポンプ制御部96、送風機制御部98、ヒーター制御部100、及び空気シュノーケル76の空気シュノーケルセンサ102と通じているか、又はこれらを含む。制御モジュール92は、弁制御部94に信号を送信し、空気シュノーケル76の一部である複数の弁を制御する。特に、空気シュノーケル76は、空気取入口70に流体接続された空気シュノーケルの一次取込弁(第1の空気弁)104、排気口72に流体接続された排気弁(第2の空気弁)106、再循環弁108、空気弁110、112、水弁114、116、及び二方向弁118、120を含む。これらの二方向弁118、120は、「3ポート弁」118、120、並びに「2方向分流弁」118、120と呼ばれるときがある。水弁114、116は、それぞれの水だめ113、115に配置される。水だめ113、115は、それぞれ、空気取入口70及び排気口72を通して、導管101に入る水を集める。再循環弁108は、導管101に沿って配置された可変流量弁であり、空気取入口70に入る周囲空気を排気口72から排出される空気と混合するためのものである。再循環弁108は、全開位置、全閉位置、及び全開位置と全閉位置との間の複数の可変位置を含む。
【0015】
図2A及び図2Bで見るように、二方向弁118、120は、空気シュノーケル76を燃料電池スタック80に流体連通する。特に、二方向弁120は、空気シュノーケル76を入口導管123に、燃料電池スタック80に流体連通する。図1の燃料電池20の排気出口50に対応する入口導管123は、燃料電池スタック80によって生成された水蒸気及び排気が空気シュノーケル76に入ることを可能にする通路である。二方向弁118は、出口導管121に流体接続する。図1の空気入口60に対応する出口導管121は、流入又は周囲空気が燃料電池スタック80内に入る通路をつくる。空気シュノーケル76は、無人水上ビークル12(図1)が水域面に配備されている間、燃料電池20を作動させるために空気を供給するデバイスである。
【0016】
ポンプ制御部96は、空気シュノーケル76の一部である様々なポンプの制御のためのものである。図2Aから図2Bで示す実施例では、空気シュノーケル76は、導管101によって水弁114、116に流体接続された水ポンプ122を含む。水弁114、116が開き、水ポンプ122が起動されると、水だめ113、115内に集められた水がパージされ、海水に排水される。空気シュノーケル76は、凝縮器130に流体接続された水ポンプ124をさらに含む。以下で説明するように、凝縮器130は、導管101を通って移動する空気によって運ばれた任意の水蒸気を凝縮し、水ポンプ124は、空気シュノーケル76から凝縮器130によって集められた凝縮水をパージし、海水に戻す。
【0017】
送風機制御部98は、送風機132をモニタリングし、制御するために使用される。送風機132は、起動時に導管101にわたって強制空気を循環させる。送風機132は、凝縮器130の上流に位置する。送風機制御部98は、空気流センサ128をモニタリングし、目標空気流量を達成するために送風機132の速度を調節する。ヒーター制御部100は、ヒーター134をモニタリング且つ制御する。ヒーター134は、凝縮器130の上流に位置し、送風機132の下流に位置する。ヒーター134は、送風機132によって循環させられた強制空気の温度を上昇させる。図示の例示的な実施例では、ヒーター134は、空気を加熱するために導管101内に位置する加熱要素138を含む。しかしながら、導管101内で空気を加熱する他の種類の加熱要素も同様に使用してよい。凝縮器制御部105は、凝縮器130を制御するために湿度センサをモニタリングし、燃料電池水パージサイクルのために空気から水蒸気を除去する。
【0018】
最後に、空気シュノーケルセンサ制御部102は、空気シュノーケル76の空気導管101内に位置する様々なセンサをモニタリング且つ制御するためのものである。図2A及び図2Bに示す実施例では、空気シュノーケル76は、空気取入口70の下流の温度センサ140、排気口72の下流の温度センサ142、水だめ113をモニタリングするための水センサ144、及び水だめ115をモニタリングするための水センサ146を含む。空気シュノーケル76は、塩フィルター152及び微粒子フィルター154をさらに含み、両方とも送風機132の上流にある。塩フィルター152は、塩を取り除き、微粒子フィルター154は、導管101を通って移動する空気から汚染物を除去する。
【0019】
以下でより詳細に説明されるように、空気シュノーケル76は、燃料電池スタック80内に海水及び雨水が侵入することを実質的に防ぐ。空気シュノーケル76は、極寒条件下で始まる電力システム10(図1)に基づいて、燃料電池スタック80のための予熱機能をさらに提供する。一実施例では、極寒条件は、約5℃以下の周囲温度を含む。空気シュノーケル76は、さらに酸素(O)を燃料電池スタック80に供給する。空気シュノーケル76は、防除氷機能を提供する。特に、非使用時に燃料電池スタック80が寒条件を経験することに応答して、燃料電池スタック80は水蒸気が取り除かれ、それにより、燃料電池スタック80内の氷形成が実質的に防止される。最後に、空気シュノーケル76は、燃料電池スタック80の動作によって生成された廃熱も除去する。
【0020】
続けて図2A及び図2Bを参照すると、制御モジュール92は、弁制御部160、ポンプ制御部162、燃料ヒーター制御部164、並びに燃料及び熱管理システム28の燃料及び熱センサ制御部166と通じている。弁制御部160は、燃料及び熱管理システム28の一部である複数の弁をモニタリング且つ制御するためのものである。図2A及び図2Bに示す実施例では、燃料及び熱管理システム28は、流量弁168、圧力調整器170、及び燃料搬送用の導管172を含む。導管172は、燃料貯蔵部34を燃料電池スタック80に流体接続し、流量弁168及び圧力調整器170の両方が、導管172に沿って配置される。
【0021】
図2A及び図2Bに示すように、熱交換器180は、燃料電池スタック80に熱的に連通しており、作動中に燃料電池スタック80によって生成された廃熱を除去するためのものである。熱交換器180の1次液体ポンプ176(液体ポンプ176とも呼ばれる)は、燃料電池スタック80と熱交換器180との間の1次回路177を流れる冷却剤を循環させる。熱交換器180の2次ポンプ188は、燃料貯蔵部34と熱交換器180との間の2次回路189内で冷却剤を循環させる。2次ポンプ188は、熱交換器180と燃料貯蔵部34との間で冷却剤の流れを変動させる可変変異ポンプである。燃料及び熱管理システム28は、熱交換器180に流体接続された3方向弁182、及び燃料貯蔵部34に流体接続された3方向弁186を含む。温度センサ198は、燃料貯蔵部34と熱交換器180との間で流れる冷却剤の温度をモニタリングする。さらに液体弁190が分流導管192内に配置される。冷却剤が分流導管192を通って流れるように、弁190が開かれる。冷却剤は、次いで、水冷熱交換器195によって冷却される。水冷熱交換器195は、無人水上ビークル12(図1)が配備されている水域によって冷却される。例えば、水冷熱交換器は、海水によって冷却されてもよい。
【0022】
燃料ヒーター制御部164は、ヒーター202をモニタリング且つ制御するためのものである。ヒーター202は、燃料貯蔵部34と熱的に連通しており、燃料貯蔵部34内に含まれる燃料を加熱する。最後に、センサ制御部166は、燃料及び熱管理システム28の様々なセンサをモニタリング且つ制御するためのものである。特に、燃料及び熱管理システム28は、燃料貯蔵部34をモニタリングするための圧力センサ206及び温度センサ208を含む。燃料及び熱管理システム28は、燃料電池スタック80の温度をモニタリングする温度センサ210、及び熱交換器180の温度をモニタリングする温度センサ212をさらに含む。
【0023】
以下でより詳細に説明されているように、燃料及び熱管理システム28は、導管172を通して、燃料(H)を燃料電池スタック80に供給する。燃料貯蔵部34が金属水素化物を貯蔵した場合、燃料電池スタック80によって生成された廃熱が、水素の生成に触媒効果を及ぼすために使用される。燃料及び熱管理システム28は、さらに燃料電池スタック80から反応廃熱も実質的になくし、冷却をもたらす。
【0024】
図3A及び図3Bは、空気導管101の水だめ113、115内にある任意の水を除去するための水パージモードで作動する空気シュノーケル76を示す。図示の実施例では、「O」は、弁が開いていることを示し、「X」は、特定の弁が閉じたことを示す。図面で見るように、空気シュノーケル76の導管101は、空気取入口70に直接隣接する2つの屈曲部220、222を画定する屈曲部である。屈曲部220、222は、それぞれ反対方向に屈曲する。図示の実施例では、両方の屈曲部220、222が、実質的に90度の角度で屈曲する。導管101は、さらに排気口72に直接隣接する2つの屈曲部224、226を画定するために屈曲する。屈曲部224、226は、さらにそれぞれ反対方向に、実質的に90度で屈曲する。空気取入口70及び排気口72における導管101の屈曲構成は、第1及び第2の空気弁104、106が開いているとき、空気シュノーケル76内への雨及び海水の噴射の侵入を実質的に防ぐ。図3A及び図3Bは、屈曲を示すが、水の侵入を実質的に防ぐために、例えば、概してU形状屈曲(すなわち、2つの相対的に直線状の側部を有する弧状部分)などの他の構成及び形状が同様に使用されてもよい。
【0025】
導管101は海水の侵入を実質的に防ぐために屈曲構成を有するが、高波状態では、空気シュノーケル76が海水を摂取する可能性が依然としてある。制御モジュール92は、それぞれの水だめ113、115内に水又はその他の液体があるかどうかを判断するために、水センサ144、146をモニタリングする。水だめ113、115内に水又は他の液体があると判断したことに応答して、制御モジュール92は、空気シュノーケル76を水パージモードにする。水パージモードでは、水だめ113、115内に集められた水がパージされる。
【0026】
空気取入口弁104及び空気取入口70の下流に位置する空気弁110は、防水空気弁であり、弁制御部94によって閉位置に置かれ、それにより、空気パージモードの間、導管101の主回路178内に水が侵入することを実質的に防ぐ。特に、空気弁110は、空気取入口弁104を通過し、導管101の主枝232の入口側230を下る水の侵入を実質的に防ぐ。同様に、排気弁106及び排気口72の上流に位置する空気弁112は、さらに閉位置に置かれた防水空気弁であり、水パージモードの間、導管101の主回路178内に水が侵入することを実質的に防ぐ。特に、空気弁112は、排気弁106を通過し、導管101の主枝232の排気側234を下方移動する水の侵入を実質的に防ぐ。3ポート弁118は、2方向分流弁であり、3ポート弁118の各ポート240A、240B、240Cは閉じている。同様に、3ポート弁120も2方向分流弁であり、各ポート242A、242B、242Cも閉じている。最後に、水弁114、116に接続された水ポンプ122は、ポンプ制御部96によって起動され、水だめ113、115内に集められた水をパージする。
【0027】
図3A及び図3Bに見るように、導管101は、水を集めるための両方の水だめ113、115を画定する。水ポンプ122は、両方の水だめ113、115に流体接続されている。水パージモードの間、弁制御部94は、空気シュノーケル76を燃料電池スタック80に接続する両方の3ポート弁118、120を閉じる。空気取入口弁104及び排気空気弁106を開き、それから水ポンプ122を起動させることによって、水だめ113、115内に集められた水が除去される。水ポンプ122は、空気シュノーケル76の導管101内に吸引力をつくる。この吸引力により、周囲空気が空気取入口70と排気口72との両方に引き込まれる。
【0028】
これより水パージ操作を説明する。図4は、空気シュノーケル76の主導管101の水だめ113、115内に集められた水をパージする方法400を示す処理フロー図である。これより図3及び図4の両方を参照すると、方法400は、ブロック402で開始する。ブロック402では、空気取入口70に直接隣接する空気取入口弁104、及び排気口72に隣接する弁106が両方とも開かれる。一旦弁104、106が開かれると、方法400は、ブロック404に進む。ブロック404では、水ポンプ122が起動される。方法400は、次いで、判断ブロック406に進む。ブロック406では、水だめ内に水がもはや検出されなくなるまで、制御モジュール92は、水センサ144、146を継続的にモニタリングする。水だめ113、115内に水がもはや検出されなくなると、方法400は、ブロック408に進む。ブロック408では、水ポンプ122が停止される。方法は、次いで、ブロック410に進む。ブロック410では、空気取入口70に直接隣接する空気取入口弁104、及び排気口72に隣接する排気空気弁106が両方とも閉じられる。次いで、方法400は終了する。
【0029】
図5A及び図5Bは、燃料電池スタック80を閾値温度に予熱する空気シュノーケル76を示す。一実施例では、閾値温度は、約5℃以下である。空気シュノーケル76は、空気弁104、106を閉じ、再循環弁108を開き、空気弁110、112を開き、水弁114、116を閉じ、送風機132及びヒーター134の両方を起動することにより、燃料電池スタック80を余熱する。さらに、出口導管121に位置する2方向分流弁118のポート240A、及び空気弁112の上流に位置するポート240Bが開かれ、残りのポート240Cが閉位置にある。同様に、入口導管123に位置する2方向分流弁120のポート242A、及び凝縮器130の下流に位置するポート242Bが両方とも開位置にあり、残りのポート242Cが閉位置にある。
【0030】
送風機132を起動して、導管101にわたって強制空気を循環させ、さらにヒーター134を起動して、送風機132によって循環させられた強制空気の温度を上昇させる。導管101は、図1の燃料電池20の空気入口60に対応する入口導管123、及び図1に示す排気出口50に対応する出口導管121によって、燃料電池スタック80に流体接続する。したがって、強制空気は、空気入口60を通って、導管101から燃料電池スタック80へと移動する(図1)。強制空気は、燃料電池スタック80を暖気温度まで暖める。暖気温度は、燃料電池スタック80の最小開始温度を示す。
【0031】
図6は、燃料電池の温度が、作動する際に最小閾値より低い場合、燃料電池を起動させる前に燃料電池スタック80を余熱する方法600を示す処理フロー図である。一実施例では、以上で説明され、図3及び図4の両方で示すように、方法600は、水パージの後に行われる。これより図5及び図6の両方を参照すると、方法600は、判断ブロック602で開始する。判断ブロック602では、制御モジュール92は、温度センサ210をチェックして、燃料電池スタック80が、閾値温度まで低下したか否か、又は、閾値温度より低いか否かを判断する。燃料電池スタック80の温度が閾値温度を越えたことに応答して、方法600は終了する。燃料電池スタック80の温度が閾値温度と等しくなるか又はそれより低下することに応答して、方法600は、ブロック604に進む。ブロック604では、空気取入口70に直接隣接する空気取入口弁104、及び排気口72に直接隣接する排気空気弁106が両方とも閉じられる。方法600は、次いで、ブロック606に進む。ブロック606では、再循環弁108が開かれる。方法600は、次いで、ブロック608に進む。ブロック608では、空気シュノーケル76の導管101にわたって強制空気を再循環させるために、送風機132が起動される。方法は、次いで、ブロック610に進む。ブロック610では、熱を生成するためにヒーター134が起動される。それにより、空気シュノーケル76の導管101及び燃料電池スタック80の内部で再循環する強制空気の温度を上昇させる。方法は、次いで、判断ブロック612に進む。判断ブロック612では、燃料電池スタック80の温度が、暖気温度と等しくなるか、又はそれを越えるまで、制御モジュール92は、温度センサ210を継続的にモニタリングする。一旦、燃料電池スタック80が、暖気温度と等しくなるか、又はそれを越えると、方法600は終了する。
【0032】
図7A及び7Bは、燃料電池スタック80に酸素含有空気を供給する空気シュノーケル76を示す。空気シュノーケル76は、通常、燃料電池スタック80が、作動中にすべての酸素が消費されない比較的低い出力レベルで作動するときに、酸素含有空気を燃料電池スタック80に供給する。空気シュノーケル76は、塩フィルター152及び微粒子フィルター154の両方によってフィルタリングされた空気を燃料電池スタック80に供給する。図7A及び図7Bで見るように、弁制御部94は、空気弁104、106を開位置に開き、再循環弁108を閉位置に閉じ、空気弁110、112を開位置に開き、水弁114、116を閉位置に閉じる。出口導管121に位置する2方向分流弁118Aのポート240A、及び空気弁112の上流に位置するポート240Bが開かれ、残りのポート240Cが閉位置にある。同様に、入口導管123に位置する2方向分流弁120のポート242A、及び凝縮器130の下流に位置するポート242Bが両方とも開位置にあり、残りのポート242Cが閉位置にある。
【0033】
送風機132は、起動されて、空気シュノーケル76の導管101にわたって酸素含有空気が再循環され、燃料電池スタック80に送られる。制御モジュール92は、空気取入口70に隣接して位置する温度センサ140をモニタリングする。温度センサ140は、燃料電池スタック80に供給される周囲空気の温度を示す。制御モジュール92は、さらに温度センサ142をモニタリングする。温度センサ142は、排気空気の温度を示す。制御モジュール92は、周囲空気の温度を目標燃料電池作動温度(target fuel cell operating temperature)と比較する。目標燃料電池作動温度とは、燃料電池20が機能する目標温度である。
【0034】
制御モジュール92は、周囲温度が、目標燃料電池作動条件を越えるか、等しいか、又はそれより低いかのうちのいずれであるかを判断する。周囲温度が目標燃料電池作動条件と等しいか、又はそれより低いと制御モジュール92が判断したことに応答して、制御モジュール92は、次いで、温度センサ142によって排気空気の温度をモニタリングする。制御モジュール92は、排気空気の温度を混合温度と比較する。混合温度とは、取り入れた空気の温度を燃料電池作動温度まで上昇させるために、空気取入口70からの周囲空気と混合するのに十分な排気温度を示す。排気温度が混合温度と等しいか、又はそれより高いと制御モジュール92が判断したことに応答して、制御モジュール92は、弁制御部94に信号を送り、再循環弁108を開く。再循環弁108は、排気を周囲空気と混合し、取り入れた空気の温度を目標燃料電池作動温度まで上昇させるために開かれる。特に、再循環弁108は、周囲空気の温度に基づいて、全開位置又は複数の可変位置のうちの1つの位置のいずれかに開かれ、周囲空気を排気口72が排出した空気と混合させて、周囲空気の温度を目標燃料電池作動温度に上昇させる。制御モジュール92は、温度センサ140を継続的にモニタリングし、周囲空気が目標燃料電池作動条件の温度と等しくなるまで、周囲空気の温度に基づいて弁位置を調節する。
【0035】
代替的な実施例では、再循環弁108を開く代わりに、ヒーター134が起動させられる。ヒーター134の起動によっても、燃料電池スタック80に入る空気の温度が上昇する。特に、排気空気の温度が混合温度より低いと制御モジュール92が判断したことに応答して、制御モジュール92は、ヒーター134を起動するべきことを示す信号をヒーター制御部100に信号を送る。
【0036】
図8は、酸素含有空気を燃料電池スタック80に供給するための方法800を示す処理フロー図である。一実施例では、方法800は、以上で説明され、図3及び図4の両方で示す水パージの後に行われる。これより図7及び図8の両方を参照すると、方法800は、ブロック802で開始する。ブロック802では、空気取入口弁104及び排気弁106の両方が開かれる。方法800は、次いで、ブロック804に進む。ブロック804では、空気シュノーケル76の導管101にわたって酸素含有空気を再循環させるために、送風機制御部98によって送風機98が起動される。方法800は、次いで、判断ブロック806に進む。判断ブロック806では、制御モジュール92は、温度センサ140によって、空気取入口70における空気温度をモニタリングし、温度センサ142によって、排気口72における空気温度をモニタリングする。空気取入口70に入る周囲空気が目標燃料電池作動温度と等しいか、又はそれより高いことを温度センサ140が示したことに応答して、方法800は終了する。
【0037】
取入口に入る周囲空気が目標燃料電池作動温度より低いことを温度センサ140が示したことに応答して、方法800は、次いで、ブロック808に進む。ブロック810では、制御モジュール92は、周囲空気を目標燃料電池作動温度加熱するために再循環弁108を起動させるか、又は、導管101内で流れる空気を目標燃料電池作動温度まで暖めるためにヒーター134を起動させるかのいずれかを行う。上述のように、制御モジュール92は、排気ガスの温度が混合温度以上である場合のみ、再循環弁108を開き、さもなければヒーター134を起動させる。方法800は、次いで、終了する。
【0038】
図9A及び図9Bは、燃料電池スタック80が動作していないときに、燃料電池スタック80から湿気をパージする空気シュノーケル76を示す。燃料電池スタック80からの湿気をパージすることにより、燃料電池スタック80が、水の氷点以下の温度を経験する際に、氷の形成が実質的に防止される。図9A及び図9Bに見るように、弁制御部94は、空気弁104、106を閉じ、再循環弁108を開き、空気弁110、112を開き、水弁114、116を閉じる。出口導管121に位置する2方向分流弁118のポート240A、及び空気弁112の上流に位置するポート240Bが両方とも開かれ、残りのポート240Cが閉位置にある。同様に、入口導管123に位置する2方向分流弁120のポート242A、及び凝縮器130の下流に位置するポート242Bが両方とも開位置にあり、残りのポート242Cが閉位置にある。送風機制御部98は、送風機132を起動させて、空気シュノーケル76の導管101にわたって空気を再循環させる。制御モジュール92は、さらに凝縮器130を起動させて、導管101を通って移動する空気が含む水蒸気を凝縮する。水ポンプ124は、凝縮器130に流体接続される。それにより、水ポンプ124の起動時に、凝縮した水が水ポンプ124を通って流れ、海水に排水される。
【0039】
図9A及び図9Bに示す実施例では、空気シュノーケル76は、湿度センサ260も含む。湿度センサ260は、空気弁112の上流、且つ出口導管121と通じている二方向弁118の下流の位置で、導管101内で位置付けされる。湿度センサ260が含まれる場合、排気空気に加えられる水蒸気の量の示度は、湿度センサ107によって検出された空気の湿度を比較することによって判断することができる。湿度センサ260が含まれない場合、湿度を判断するため、代わりに湿度センサ107がモニタリングされる。湿度センサ260は、制御モジュール92とも通じている。制御モジュール92は、湿度センサ107、260をモニタリングし、湿度を判断する。特に、湿度の示度がごくわずかの量を下回らない限り、制御モジュール92は、燃料電池スタック80内の湿気の存在を判断する。図10に示す処理フロー図は、燃料電池スタック80の湿気をパージする方法を示す。
【0040】
燃料電池スタック80から湿気を取り除くプロセスがこれより説明される。図10は、水又は湿気のパージの方法1000を示す処理フロー図である。これより図9及び図10の両方を参照すると、方法1000は、ブロック1002で開始する。ブロック1002では、弁制御部94は、空気取入口70に直接隣接する第1の空気弁104、及び排気口72に隣接する弁106を閉じる。一旦、弁104、106が閉じると、方法1000は、ブロック1004に進む。ブロック1004では、再循環弁108が開位置に置かれる。方法1000は、次いで、ブロック1006に進む。ブロック1006では、送風機132が起動されて、導管101内で空気が再循環させられる。方法1000は、次いで、判断ブロック1008に進む。判断ブロック1008では、制御モジュール92は、湿度センサ260をモニタリングし、燃料電池スタック80内の湿気の存在を判断する。燃料電池スタック80が湿気を実質的な量含まないと制御モジュール92が判断したことに応答して、方法1000は終了し得る。
【0041】
燃料電池スタック80が湿気を含むと制御モジュール92が判断したことに応答して、方法1000は、判断ブロック1010に進む。ブロック1010では、制御モジュール92は、周囲湿度センサ88をモニタリングして、周囲空気湿度を判断する。周囲空気湿度が、燃料電池スタック80内の湿気の存在を示す閾値相対湿度を越えたと制御モジュール92が判断したことに応答して、方法1000は、ブロック1012に進む。ブロック1012では、凝縮器130が起動される。方法1000は、次いで、判断ブロック1014に進む。ブロック1014では、制御モジュール92は、燃料電池スタック80が実質的に湿気がなくなるまで、湿度センサ260を継続的にモニタリングし、方法1000は終了し得る。
【0042】
方法1000に対する代替的アプローチとして、周囲空気湿度が閾値相対湿度と等しくなるか、又はそれより低くなるかに応答して、方法1000は、ブロック1016に進む。ブロック1016では、空気シュノーケル76は、送風機132を用いて周囲空気を導管101にわたって循環させて、周囲空気を燃料電池スタック80に供給する。これは、空気弁104、106の両方を開けることによって達成される。周囲空気は、次いで、所定の時間(例えば、約5分間)、空気シュノーケル76及び燃料電池スタック80にわたって循環し得る。方法1000は、次いで、判断ブロック1018に進み得る。判断ブロック1018では、空気弁104、106が閉じられ、制御モジュール92は、湿度センサ260をモニタリングし、湿気の存在を判断する。制御モジュール92が湿気の存在を判断したことに応答して、方法1000は、判断ブロック1016に戻る。しかしながら、燃料電池スタック80が水を実質的に含まないと、制御モジュール92が判断したことに応答して、方法1000は、次に終了し得る。
【0043】
図11A及び11Bは、熱除去モードで作動する空気シュノーケル76を示す。熱除去モードの間、エネルギー管理制御システム26の熱交換器180を通して冷却剤を循環させる必要なく、作動中に燃料電池スタック80によって生成された廃熱が除去される。その代わりに、以下で説明するように、燃料電池スタック80にわたる空気流量が増大する。特に、送風機132が起動して、燃料電池スタック80にわたる空気流量が増大し、これにより燃料電池スタック80に冷却がもたらされる。特に、燃料電池スタック80は、目標スタック温度まで冷却される。目標スタック温度は、所与の電力出力設定に基づいた目標作動点を表す。
【0044】
燃料電池スタック80の冷却に必要とされる空気流は、取入口の隣に位置する温度センサ140によってモニタリングされた周囲温度、及び燃料電池20の電力出力設定(図1)に基づく。液体ポンプ176を起動させて、エネルギー管理制御システム26の熱交換器180を通して冷却剤を循環させることに比べた場合、流量がより高いと、非常に低い周囲温度が、燃料電池スタック80の空気に基づいた冷却をより効率良くする。非常に低い周囲温度は、所与の時間での燃料電池の電力出力設定の関数であり、固定した数値ではない。しかしながら、周囲温度の値が上昇するにつれて、何らかの切り替え周囲温度において、熱交換器180を通して冷却剤を循環させる方がより効率良くなる。したがって、制御モジュール92は、送風機132によって消費される電力を継続的にモニタリングする。送風機132によって消費された電力が、液体ポンプ176によって生じされた平均電力よりも大きいと、制御モジュール92が判断したことに応答して、制御モジュール92は、液体ポンプ176を起動して、燃料電池スタック80を通して冷却剤を循環させる。
【0045】
熱除去モードの間、弁制御部94は、空気弁104、106を開き、再循環弁108を閉じ、空気弁110、112を開き、水弁114、116を閉じる。出口導管121に位置する2方向分流弁118のポート240A、及び空気弁112の上流に位置するポート240Bが両方とも開かれ、残りのポート240Cが閉位置にある。同様に、入口導管123に位置する2方向分流弁120のポート242A、及び凝縮器130の下流に位置するポート242Bが両方とも開位置にあり、残りのポート242Cが閉位置にある。制御モジュール92は、送風機132を起動させて、空気シュノーケル76の導管101にわたって空気を再循環させる。
【0046】
空気に基づく熱除去モードがこれより説明される。このモードは、以上で説明され、図7A及び図7Bで示されるように、酸素含有空気を燃料電池スタック80に供給することと同時に用いられる。図12は、燃料電池スタック80を空冷するための方法1200を示す処理フロー図である。これより図10及び図11の両方を参照すると、方法1200は、ブロック1202で開始する。ブロック1202では、弁制御部94は、空気取入口70に直接隣接する第1の空気弁104、及び排気口72に隣接する弁106を開く。再循環弁108も閉じられ、空気弁110、112が開かれ、水弁114、116が閉じられる。方法1200は、次いで、ブロック1204に進む。ブロック1204では、送風機制御部98は、送風機132の速度を、酸素含有空気を燃料電池に供給するのに必要な最小速度を上回る速度に上昇させる。送風機の速度が上昇すると、空気流量が増大し、空気冷却能力が向上する。方法1200は、次いで、判断ブロック1206に進む。判断ブロック1206では、制御モジュール92は、送風機132によって消費された電力を継続的にモニタリングし、送風機132によって消費された電力を、燃料電池スタック80を冷却するために熱交換器180の液体ポンプ176によって消費された電力量と比較する。送風機132によって消費された電力が、液体ポンプ176によって消費された電力以下であると制御モジュール92が判断したことに応答して、方法は、ブロック1208に進む。ブロック1208では、制御モジュール92は、燃料電池スタック80を目標スタック温度まで冷却するために、送風機132を起動状態に保ち、方法1200は終了する。
【0047】
液体ポンプ176によって消費された電力より送風機132が多くの電力を消費すると、制御モジュール92が判断したことに応答して、方法は、ブロック1210に進む。ブロック1210では、制御モジュール92は、送風機132の速度を低下させ、所与の燃料電池出力設定に必要とされる空気流量を達成し、液体ポンプ176を起動させて、燃料電池スタック80を目標スタック温度まで冷却する。次いで、方法1200は終了する。
【0048】
図13A及び13Bは、気体水素燃料を放出するために、燃料貯蔵部34内の金属水素化物燃料貯蔵部基板を加熱する燃料及び熱管理システム28を示す。金属水素化物燃料貯蔵部基板は、目標温度まで加熱され、燃料が燃料電池スタック80に送られる前に目標気体水素燃料生成率を達成する。特に、金属水素化物燃料貯蔵部基板は、目標の気体水素放散率及び作動圧力を達成するために、目標温度まで加熱される。気体水素放散/消費率は、燃料電池スタック80の目標電力出力に基づく。
【0049】
気体水素燃料を放出するために金属水素化物燃料貯蔵部基板を加熱する間、制御モジュール92は、流量弁168を閉じて、気体水素燃料が燃料貯蔵部34から燃料電池スタック80に流れないように遮断する。制御モジュール92は、ヒーター202を起動させて、燃料貯蔵部基板を目標燃料圧力まで暖める。制御モジュール92は、圧力センサ206をモニタリングして、燃料貯蔵モジュール40の気体圧力を判断し、温度センサ208をモニタリングして、燃料貯蔵モジュール40の内部温度を判断する。気体圧力が所定の限度に達するか又は所定の限度を越えた、或いは、燃料貯蔵モジュール40の内部温度が目標温度にあると判断したことに応答して、ヒーター202が停止する。制御モジュール92は、オンオフサイクル又はデューティサイクルに基づいて、ヒーター202を起動する。一旦、燃料貯蔵モジュール40の内部温度が目標温度になると、ヒーター202が停止する。図13A及び13Bは、ヒーター202を用いて、金属水素化物燃料貯蔵部基板を加熱することを示しているが、別の実施例では、金属水素化物燃料貯蔵部基板は、燃料電池スタック80からの反応廃熱によって加熱される。特に、一実施例では、空気排気口(図示せず)が設けられる。この空気排気口は、燃料電池スタック80からの反応廃熱によって加熱される。加熱された空気は、燃料貯蔵部34にわたって循環し、燃料に加熱をもたらす。
【0050】
図14は、気体水素燃料を放出するために、燃料貯蔵部34内の金属水素化物燃料を加熱するための方法1400を示す処理フロー図である。これより図13及び図14の両方を参照すると、方法1400は、ブロック1402で開始する。ブロック1402では、弁制御部160は、流量弁168を閉じ、燃料貯蔵部34からの燃料の流れを遮断する。方法1400は、次いで、ブロック1404に進む。ブロック1404では、燃料ヒーター制御部164は、ヒーター202を起動する。方法1400は、次いで、判断ブロック1406に進む。ブロック1406では、制御モジュール92は、圧力センサ206及び温度センサ208を継続的にモニタリングし、ヒーター202は、燃料貯蔵部34内の燃料貯蔵部基板を継続的に加熱し、気体水素燃料を放出する。気体圧力が所定の限度に達するか又は所定の限度を越えた、或いは、燃料貯蔵モジュール40の内部温度が目標温度にあると判断したことに応答して、制御モジュール92は、ヒーター202を停止し、方法1400は終了する。
【0051】
図15A及び図15Bは、水素生成に触媒作用を及ぼすために、燃料電池スタック80によって生成された廃熱を用いることを示す。水素生成の間、空気シュノーケル76は、以上で説明され、図7A及び図7Bで示されるように、酸素を燃料電池スタック80に供給する。弁制御部160は、流量弁168を開き、水素が燃料電池スタック80に流れることを可能にする。燃料及び熱センサ制御部166は、燃料貯蔵部34の圧力センサ206及び温度センサ208をモニタリングする。ポンプ制御部162は、燃料電池スタック80の1次液体ポンプ176と燃料電池スタック80の2次ポンプ188との両方を起動する。熱交換器180の2次ポンプ188は、燃料貯蔵部34と熱交換器180との間の2次回路189内で冷却剤を循環させる。熱交換器180は、1次回路177を通して、燃料電池スタック80から廃熱を引き出す。燃料電池スタック80によって生成された廃熱は、熱交換器180を通って流れる冷却剤によって伝導され、冷却剤は、燃料貯蔵部34に循環して、金属水素化物を加熱する。したがって、燃料電池スタック80によって生成された廃熱は、燃料貯蔵部34内に貯蔵された金属水素化物の水素生成に触媒作用を及ぼすために用いられる。
【0052】
3方向弁186は、燃料貯蔵部34から熱交換器180へと2次回路189を通して冷却を搬送するために、3つのポート280を含む。1つのポート280は、燃料貯蔵部34の出口187に流体接続され、別のポート280は、熱交換器180の入口185に流体接続され、1つのポート280は、水冷熱交換器195に流体接続される。3方向弁182は、燃料貯蔵部180から離れるように熱交換器34へと2次回路189内で冷却を搬送するために、3つのポート282をさらに含む。ポート282のうちの1つは、熱交換器180の出口184に流体接続され、別のポート282は、燃料貯蔵部34の入口191に流体接続され、残りのポート282は、水冷熱交換器195に接続される。ポンプ制御部162は、燃料貯蔵部34の出口187に流体接続されたポート280と、熱交換器の入口185に流体接続されたポート280を開く。さらに、ポンプ制御部162は、出口184に流体接続されたポート282と、3方向弁182の燃料貯蔵部34の入口191に流体接続されたポート282とを開く。したがって、冷却剤は、2次回路189を通って流れ、熱交換器180によって吸収された燃料電池スタック80からの廃熱によって暖められる。冷却剤は、次に燃料貯蔵部34に搬送されて、その中に貯蔵された燃料を加熱する。
【0053】
続けて図15A及び図15Bを参照すると、制御モジュール92は、温度センサ208をモニタリングして、燃料貯蔵部34の内部温度が確実に目標温度に維持されるようにする。弁制御部160及びポンプ制御部162は、燃料を目標温度に維持するために、燃料貯蔵部34への冷却剤の流れを調節する。燃料貯蔵部34への冷却剤の流れを調節するために、3方向弁182の3つのポート282と3方向弁186の3つのポート280とが調節される。特に、3方向弁182の3つのポート282と3方向弁186の3つのポート280は、熱交換器180及び水冷熱交換器195を通る冷却剤の量を制御し、燃料を目標温度に維持する。
【0054】
図16は、水素生成に触媒作用を及ぼすために、燃料電池スタック80によって生成された廃熱を用いるための方法1600を示す処理フロー図である。これより図15及び図16の両方を参照すると、方法1600は、ブロック1602で開始する。ブロック1602では、弁制御部160は、流量弁168を開く。方法1600は、次いで、ブロック1604に進む。ブロック1604では、燃料及び熱センサ制御部166は、燃料貯蔵部34の圧力センサ206及び温度センサ208をモニタリングする。方法1600は、次いで、ブロック1606に進む。ブロック1606では、ポンプ制御部162は、燃料電池スタック80の1次液体ポンプ176と燃料電池スタック80の2次ポンプ188との両方を起動する。したがって、熱交換器180の2次ポンプ188は、燃料貯蔵部34と熱交換器180との間の2次回路189内で冷却剤を循環させる。熱交換器180は、1次回路177を通して、燃料電池スタック80から廃熱を引き出す。1次回路177は、燃料貯蔵部34内で燃料貯蔵部基板を標気体水素燃料生成率に対応する目標温度まで暖める。方法1600は、次いで、ブロック1608に進む。ブロック1608では、制御モジュール92は、温度センサ208をモニタリングして、燃料貯蔵モジュール40の内部温度が確実に目標温度に維持されるようにする。特に、弁制御部160及びポンプ制御部162は、3方向弁182の2つの開いたポート282と、3方向弁186の2つの開いたポート280を調節して、燃料貯蔵部34への冷却剤の流れを調節する。方法1600は、次いで、終了する。
【0055】
図17A及び17Bは、燃料電池スタック80から反応廃熱を除去する燃料及び熱管理システム28を示す。図15A及び図15Bに示す実施例と同じように、空気シュノーケル76は、以上で説明され、図7A及び図7Bで示されるように、酸素を燃料電池スタック80に供給する。弁制御部160は、流量弁168を開き、燃料が燃料電池スタック80に送られることを可能にする。1次液体ポンプ176及び2次ポンプ188の両方が起動する。燃料貯蔵部34の出口187に流体接続された3方向弁のポート280は閉じられ、熱交換器180の入口185に流体接続されたポート280、及び水冷熱交換器195に流体接続されたポート280は、冷却剤の流れを1次回路177と2次回路189との間で分岐又は分割させるために調節される。熱交換器180の出口184に流体接続された3方向弁182のポート282、及び水冷熱交換器195に流体接続されたポート282は、同様に両方とも調節され、燃料貯蔵部34の入口191に流体接続されたポート282が閉じられる。特に、3方向弁182の2つのポート282は、1次回路177と2次回路との間で冷却剤の流れを分岐又は分割させるために調節される。冷却剤は、2次回路189を通って流れ、冷却されるために水冷熱交換器195に流れ込む。言い換えると、燃料電池スタック80によって生成された反応廃熱は、熱交換器180を通して流れる冷却剤によって伝導され、冷却剤は、水冷熱交換器195に循環する。水冷熱交換器195は、無人水上ビークル12が配備されている水域によって冷却される。
【0056】
制御モジュール92は、温度センサ198をモニタリングし、2次回路189内の冷却剤の温度をモニタリングする。制御モジュール92は、さらに温度センサ210をモニタリングし、燃料電池スタック80の温度を判断する。1次回路177にわたる冷却剤の流れは、液体ポンプ176の流量を制御することによって調節され、2次回路189内の冷却剤の流れは、ポンプ188の流量を制御することによって調節される。特に、1次回路177及び2次回路189の冷却剤流量は、燃料電池スタック80を目標スタック温度に維持するために調節される。
【0057】
図18は、燃料電池スタック80から反応廃熱を除去するための方法1800を示す処理フロー図である。これより図17及び図18の両方を参照すると、方法1800は、ブロック1802で開始する。ブロック1802では、弁制御部160は、流量弁168を開く。方法1800は、次いで、ブロック1804に進む。ブロック1804では、制御モジュール92は、燃料電池スタック80の温度センサ210をモニタリングする。方法1800は、次いで、ブロック1806に進む。ブロック1806では、制御モジュール92は、1次液体ポンプ176及び2次ポンプ188の両方を起動する。図17A及び図17Bで見るように、水冷熱交換器195は、2次回路189を通って流れる冷却剤から反応廃熱を除去する。方法1800は、次いで、ブロック1808に進む。ブロック1808では、制御モジュール92は、温度センサ210をモニタリングして、燃料電池スタック80が確実に目標スタック温度に維持されるようにする。特に、ポンプ188は、燃料電池スタック80を目標スタック温度で維持するために、水冷熱交換器195に流れ込む冷却剤の量を調節する。方法1800は、次いで、終了する。
【0058】
概して図面を参照すると、本開示の技術効果及び利点は、特に長期任務の間、無人水上ビークルを作動させるのに必要とされる電力を供給する燃料電池を有する電力システムを含む。開示された電力システムは、燃料電池の比較的単純で簡単な燃料補給を可能にし、効率性が高く、さらにノイズシグネチャが比較的低い。電力システムは、追加的なエネルギーを供給する交換可能な燃料貯蔵モジュールを含み、それにより、無人水上ビークルが長期間の間、過酷な条件下で作動することを可能にする。空気シュノーケルは、無人水上ビークルが水域内に配備されている間、燃料電池を作動させるために空気を供給する。さらに、空気シュノーケルは、燃料電池スタックから水を除去し、寒冷周囲温度期に燃料電池スタックを余熱し、且つ燃料電池スタックから廃熱を除去するその他の機能を提供する。燃料及び熱管理システムは、燃料貯蔵部内の燃料貯蔵部基板を加熱して、水素生成に触媒作用を及ぼし、(燃料貯蔵部が金属水素化物を貯蔵する場合に)燃料電池スタックによって生成された廃熱を使用して、水素生成に触媒作用を及ぼし、さらに燃料電池スタックから廃熱を除去する。
【0059】
さらに、本開示は、下記の条項に係る実施例を含む。
【0060】
条項1
無人水上ビークル(12)用の電力システム(10)であって、
燃料電池スタック(80)を含む燃料電池(20)であって、前記燃料電池スタック(80)が、燃料入口(42)、空気入口(60)、及び排気出口(50)を含む、燃料電池(20)、
前記燃料電池スタック(80)の前記燃料入口(42)に流体接続された少なくとも1つの燃料貯蔵モジュール(40)を含む燃料貯蔵部(34)であって、前記燃料貯蔵モジュール(40)が、前記燃料電池(20)のためのエネルギー源である、燃料貯蔵モジュール(40)、
前記燃料電池(20)の前記空気入口(60)及び前記排気出口(50)に流体接続された空気管理システム(30)、並びに
前記空気管理システム(30)の一部であり、且つ、前記無人水上ビークル(12)が水域内に配備されている間、前記燃料電池(20)を作動させるために空気を供給する空気シュノーケル(76)であって、
前記燃料電池スタック(80)に供給された周囲空気を受け入れるための空気取入口(70)と、
前記燃料電池スタック(80)によって生成された排出空気及び排出水蒸気を排出するための排気口(72)とを含む空気シュノーケル(76)
を備えている電力システム(10)。
【0061】
条項2
前記空気シュノーケル(76)が、導管(101)、第1の空気弁(104)、及び第2の空気弁(106)を含み、前記周囲空気が、前記空気取入口(70)を通して前記導管(101)に入り、前記排気空気及び排気水蒸気が、前記排気口(72)を通して前記導管(101)から排出され、前記第1の空気弁(104)が、前記空気取入口(70)に流体接続され、前記第2の空気弁(106)が、前記排気口(72)に流体接続されている、条項1に記載の電力システム(10)。
【0062】
条項3
前記導管(101)が、水だめ(113、115)を画定し、前記空気シュノーケル(76)が、前記水だめ(113、115)に流体接続された水ポンプ(122)を含み、前記第1の空気弁(104)及び前記第2の空気弁(106)を閉じて、次いで、前記水ポンプ(122)を起動することによって、、前記水だめ(113、115)内に集められた水が除去される、条項2に記載の電力システム(10)。
【0063】
条項4
前記空気シュノーケル(76)が、導管(101)、送風機(132)、及び前記送風機(132)の下流に配置されたヒーター(134)を含み、前記送風機(132)が、起動時に、強制空気を前記導管(101)にわたって循環させ、前記ヒーター(134)が、前記送風機(132)によって循環させられた前記強制空気の温度を上昇させる、条項1に記載の電力システム(10)。
【0064】
条項5
前記導管(101)が、前記燃料電池スタック(80)に流体接続され、前記強制空気が、前記燃料電池スタック(80)を暖気温度まで暖めるために、前記導管(101)から前記燃料電池スタック(80)へと移動する、条項4に記載の電力システム(10)。
【0065】
条項6
前記空気シュノーケル(76)が、再循環弁(108)及び導管(101)を含み、前記再循環弁(108)が、前記導管(101)に沿って配置された可変流量弁であり、且つ、前記空気取入口(70)に入る前記周囲空気を前記排気口(72)からの前記排気空気と混合する、条項1に記載の電力システム(10)。
【0066】
条項7
前記導管(101)が、前記燃料電池スタック(80)に流体接続され、前記再循環弁(108)が、全開位置又は複数の可変位置のうちの1つの位置のいずれかに開かれ、前記周囲空気の温度を目標燃料電池作動温度まで上昇させる、条項6に記載の電力システム(10)。
【0067】
条項8
湿度センサ(260)及び周囲湿度センサ(88)と通じている制御モジュール(92)を備え、前記湿度センサ(260)が、前記燃料電池スタック(80)から出る空気中の湿気を検出するために、前記空気シュノーケル(76)の導管(101)内に位置付けされ、前記周囲湿度センサ(88)が、周囲空気湿度を示す、条項1に記載の電力システム(10)。
【0068】
条項9
前記制御モジュール(92)が、凝縮器(130)及び送風機(132)と通じており、前記制御モジュール(92)が、前記周囲空気湿度が閾値相対湿度を越え、前記燃料電池スタック(80)が相当量の湿気を含むと判断したことに応答して、前記凝縮器(130)及び前記送風機(132)を起動させる、条項8に記載の電力システム(10)。
【0069】
条項10
送風機(132)と通じている制御モジュール(92)を備え、前記制御モジュール(92)が、前記送風機(132)を起動させ、空気を前記空気シュノーケル(76)の導管(101)にわたって再循環させる、条項1に記載の電力システム(10)。
【0070】
条項11
前記制御モジュール(92)が、前記送風機(132)によって消費された電力を継続的にモニタリングし、前記燃料電池スタック(80)を冷却するために、前記送風機(132)によって消費された前記電力を熱交換器(180)の液体ポンプ(176)によって消費された電力量と比較する、条項10に記載の電力システム(10)。
【0071】
条項12
前記制御モジュール(92)は、前記送風機(132)によって消費された前記電力が、前記液体ポンプ(176)による平均電力消費と等しいか又はそれより少ないと判断したことに応答して、前記送風機(132)の起動を保持し続け、前記燃料電池スタック(80)を目標スタック温度まで冷却する、条項11に記載の電力システム(10)。
【0072】
条項13
前記制御モジュール(92)は、前記送風機(132)が、前記熱交換器(180)の前記液体ポンプ(176)によって消費された前記電力量より多くの電力を消費していると判断したことに応答して、前記送風機(132)を停止させ、且つ前記液体ポンプ(176)を起動させて、前記燃料電池スタックを目標スタック温度まで冷却する、条項11に記載の電力システム(10)。
【0073】
条項14
作動中に前記燃料電池スタック(80)によって生成された廃熱を除去するための熱交換器(180)、及び1次液体ポンプ(176)を備え、前記1次液体ポンプ(176)が、前記燃料電池スタック(80)と前記熱交換器(180)との間の1次回路(177)を流れる冷却剤を循環させる、条項1に記載の電力システム(10)。
【0074】
条項15
作動中に前記燃料電池スタック(80)によって生成された廃熱を除去するための熱交換器(180)、及び2次ポンプ(188)を備え、前記2次ポンプ(188)が、前記燃料貯蔵部(34)と前記熱交換器(180)との間の2次回路(189)で冷却剤を循環させる、条項1に記載の電力システム(10)。
【0075】
条項16
無人水上ビークル(12)用の電力システム(10)であって、
燃料入口(42)を含む燃料電池スタック(80)を含む燃料電池(20)、
前記燃料電池スタック(80)の前記燃料入口(42)に流体接続された少なくとも1つの燃料貯蔵モジュール(40)を含む燃料貯蔵部(34)であって、前記燃料貯蔵モジュール(40)が、前記燃料電池(20)のためのエネルギー源である、燃料貯蔵部(34)、
前記燃料電池スタック(80)の前記空気入口(42)に流体接続された燃料及び熱管理システム(28)であって、
作動中に前記燃料電池スタック(80)によって生成された廃熱を除去するために、前記燃料電池スタック(80)と熱的に連通している熱交換器(180)、
流量弁(168)、圧力調整器(170)、及び導管(172)を備え、前記導管(172)が、前記燃料貯蔵部(34)を前記燃料電池スタック(80)に流体接続し、前記流量弁(168)及び前記圧力調整器(170)の両方が、前記導管(172)に沿って配置されている、燃料及び熱管理システム(28)
を備えている電力システム(10)。
【0076】
条項17
前記流量弁(168)及びヒーター(202)の両方と通じている制御モジュール(92)を備え、燃料が前記燃料貯蔵部(34)から前記燃料電池スタック(80)に流れることを遮断するために、前記流量弁(168)が閉じられ、前記制御モジュール(92)が、前記ヒーター(202)を起動させて、燃料貯蔵基板を目標温度まで暖め、目標気体水素燃料生成率を達成する、条項16に記載の電力システム(10)。
【0077】
条項18
前記燃料貯蔵部(34)が、金属水素化物を貯蔵する、条項16に記載の電力システム(10)。
【0078】
条項19
前記燃料電池スタック(80)によって生成された前記廃熱が、前記熱交換器(180)を通って流動する冷却剤によって伝導され、前記冷却剤が前記燃料貯蔵部(34)へ循環させられて、前記金属水素化物を加熱する、条項18に記載の電力システム(10)。
【0079】
条項20
前記燃料電池スタック(80)によって生成された前記廃熱が、前記熱交換器(180)を通って流動する冷却剤によって伝導され、前記冷却剤が、水冷された熱交換器(195)へ循環させられる、条項16に記載の電力システム(10)。
【0080】
条項21
無人水上ビークル(12)に電力供給するために使用される電力システム(10)の燃料電池(20)を作動させるために空気を供給する方法であって、
前記空気は、前記無人水上ビークル(12)が水域内に配備されている間に供給され、前記方法が、
前記燃料電池(20)の燃料電池スタック(80)の燃料入口(42)に、少なくとも1つの燃料貯蔵モジュール(40)を含む燃料貯蔵部(34)を流体接続することであって、前記燃料貯蔵モジュール(40)が、前記燃料電池(20)のためのエネルギー源である、燃料貯蔵部(34)を流体接続することと、
空気管理システム(30)を前記燃料電池(20)の空気入口(60)及び排気出口(50)に流体接続することと、
空気管理システム(30)を前記燃料電池(20)の前記空気入口(60)及び前記排気出口(50)に流体接続することと、
前記空気管理システムの一部である空気シュノーケル(76)によって、前記燃料電池(20)を作動させるために空気を供給することであって、前記空気シュノーケル(76)が、前記燃料電池スタック(80)に供給された周囲空気を受け入れるための空気取入口(70)、及び前記燃料電池スタック(80)によって生成された排気空気及び排気水蒸気を排出するための排気口(72)を含む、空気を供給することと
を含む方法。
【0081】
条項22
前記空気シュノーケル(76)に、導管(101)、第1の空気弁(104)、及び第2の空気弁(106)を設けることを含み、前記周囲空気が、前記空気取入口(70)を通して前記導管(101)に入り、前記排気空気及び排気水蒸気が、前記排気口(72)を通して前記導管(101)から排出され、前記第1の空気弁(104)が、前記空気取入口(70)に流体接続され、且つ前記第2の空気弁(106)が、前記排気口(72)に流体接続されている、条項21に記載の方法。
【0082】
条項23
前記第1の空気弁(104)及び前記第2の空気弁(106)を閉じることによって、水だめ(113、115)内に集められた水を除去し、次いで、水ポンプ(122)を起動させることを含み、前記水だめ(113、115)が、前記導管(101)によって画定され、前記水ポンプ(122)が、前記水だめ(113、115)に流体接続されている、条項22に記載の方法。
【0083】
本明細書に記載の装置及び方法の形態は、本発明の好ましい実施例を構成しており、本発明は、装置及び方法のこれらの正確な形態に限定されず、それらに対する変更は、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18