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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法、および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230112BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230112BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20230112BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20230112BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20230112BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/00 348Z
G09F9/30 338
G09F9/30 330
G06F3/041 412
G06F3/044 129
G06F3/041 400
G02F1/1368
G02F1/1343
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019100132
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020194101
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】川崎 達也
(72)【発明者】
【氏名】大東 徹
(72)【発明者】
【氏名】今井 元
(72)【発明者】
【氏名】北川 英樹
(72)【発明者】
【氏名】原 義仁
(72)【発明者】
【氏名】前田 昌紀
(72)【発明者】
【氏名】平田 義晴
(72)【発明者】
【氏名】上田 輝幸
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102455(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0162570(US,A1)
【文献】特開2015-106411(JP,A)
【文献】特開2005-352354(JP,A)
【文献】特開2004-205551(JP,A)
【文献】特開2014-142456(JP,A)
【文献】特開2018-045590(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0091014(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0176798(US,A1)
【文献】特開2004-310027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G06F 3/041
G06F 3/044
G02F 1/1368
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配線を形成し、
前記第1配線を覆う第1絶縁膜を形成し、
前記第1絶縁膜のうち露出している部分を覆う第2絶縁膜を形成し、
前記第1配線の一部が露出するように、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜それぞれを貫通する第1コンタクトホールを一括で形成し、
前記第1コンタクトホールを介して、前記露出した一部の前記第1配線と接続される第1導電層を形成し、
前記第1の絶縁膜上に第2の配線を形成し、
前記第2の配線の露出部分を覆う第2の導電層を形成し、
前記第1の配線は、前記第1のコンタクトホール内に露出しており、
前記第1のコンタクトホールは、前記第1のコンタクトホールの底面において前記第2の導電層が形成されていない領域において、前記第2の絶縁膜および前記第1の絶縁膜の一部を貫通して一括して形成されており、
前記第1の導電層は、前記第1のコンタクトホールの底面で前記第1の配線と接触し、前記第2の導電層を介して、前記第2の配線と電気的に接続される、表示装置の製造方法。
【請求項2】
記第2配線を覆う第3絶縁膜を形成し、
前記第3絶縁膜を覆う第4絶縁膜を形成し、
前記第2配線の一部が露出するように、前記第3絶縁膜および前記第4絶縁膜それぞれの一部を除去し、
前記露出した前記第2配線を覆う第2導電層を形成する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1導電層を、前記第2導電層と接触するように形成することで、前記第1導電層および前記第2導電層を介して、前記第1配線と前記第2配線とを接続する、請求項2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1コンタクトホールを介して接続された前記第1導電層および前記第1配線は、TFTがアレイ状に形成される基板であるアレイ基板のうち、回路が実装される端子部に形成される端子である、請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項5】
導電材料からなる端子パッドを、前記第2導電層の一部を覆うように形成し、
前記端子パッドと、前記第2導電層と、前記第2配線とは、TFTがアレイ状に形成される基板であるアレイ基板のうち、回路が実装される端子部に形成される端子である、請求項2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
記第2導電層を、透明な導電材料からなる透明導電層と、前記透明導電層上に積層する導電層とにより形成し、
前記第2導電層のうち、一部の前記導電層を除去し、前記透明導電層からなる画素電極を形成する、請求項2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1コンタクトホールの内壁のうち、前記第1絶縁膜における内壁である第1内壁と、前記第2絶縁膜における内壁である第2内壁とを、連続する同一の面として形成する、請求項1~6の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記第3絶縁膜および前記第4絶縁膜それぞれの一部を除去した後、前記第4絶縁膜の表面を平坦化する、請求項2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】
第1配線と、
前記第1配線を覆う第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の少なくとも一部を覆う第2絶縁膜と、
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜それぞれを貫通するように形成された第1コンタクトホールを介して、前記第1コンタクトホール内における前記第1配線と接続されている第1導電層とを備え、
前記第1コンタクトホールの内壁のうち、前記第1絶縁膜における内壁である第1内壁と、前記第2絶縁膜における内壁である第2内壁とは、連続する同一の面に含まれており、
前記前記第1の絶縁膜上に形成された第2の配線と、
前記第2の配線の露出部分を覆う第2の導電層と、をさらに備え、
前記第1の配線は、前記第1のコンタクトホール内に露出しており、
前記第1のコンタクトホールは、前記第1のコンタクトホールの底面において前記第2の導電層が形成されていない領域において、前記第2の絶縁膜および前記第1の絶縁膜の一部を貫通して一括して形成されており、
前記第1の導電層は、前記第1のコンタクトホールの底面で前記第1の配線と接触し、前記第2の導電層を介して、前記第2の配線と電気的に接続される、表示装置。
【請求項10】
記第2配線を覆う第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜を覆う第4絶縁膜と、
前記第3絶縁膜および前記第4絶縁膜それぞれが形成されていない領域において、前記第2配線を覆う前記第2導電層とを備える、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1導電層と前記第2導電層とが接触していることで、前記第1導電層および前記第2導電層を介して、前記第1配線と前記第2配線とが接続されている、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1コンタクトホールを介して接続された前記第1導電層および前記第1配線は、TFTがアレイ状に形成されている基板であるアレイ基板のうち、回路が実装される端子部に形成された端子である、請求項9又は10に記載の表示装置。
【請求項13】
さらに、前記第2導電層の一部を覆う、導電材料からなる端子パッドを備え、
前記端子パッドと、前記第2導電層と、前記第2配線とは、TFTがアレイ状に形成される基板であるアレイ基板のうち、回路が実装される端子部に形成された端子である、請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2電極は、アレイ状に形成されるTFTにおけるドレイン電極であり、
前記第2導電層は、透明な導電材料からなる透明導電層と、前記透明導電層上に積層された導電層とを有し、
前記第2導電層のうち一部は、透明導電層が露出した画素電極である、請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置の製造方法、および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すタッチセンサ一体型表示装置では、第1-2ルーティング配線(TW12)上に、第2保護膜(PAS2)および第3保護膜(PAS3)が積層されており、第3保護膜(PAS3)上に、第1-2タッチ及び共通電極(Tx12)が形成されている。第1-2タッチ及び共通電極(Tx12)は、ディスプレイ駆動時には、共通電極として機能し、タッチ駆動時にはタッチ電極として機能する。そして、第1-2タッチ及び共通電極(Tx12)は、第2保護膜(PAS2)及び第3保護膜(PAS3)を貫通する第3コンタクトホール(CH12)を介して、第1-2ルーティング配線(TW12)と接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-126778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、第2保護膜(PAS2)及び第3保護膜(PAS3)を貫通する第3コンタクトホール(CH12)を形成する方法について記載されておらず、第3コンタクトホール(CH12)を形成するために、マスクを用いて第2保護膜(PAS2)を貫通するコンタクトホールを形成し、別のマスクを用いて第3保護膜(PAS3)を貫通するコンタクトホールを形成すると、必要なマスクの枚数が多くなり、製造コストを上昇させる原因となる。本発明の一態様は、必要なマスクの枚数を抑制して、製造コストを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る表示装置の製造方法は、第1配線を形成し、前記第1配線を覆う第1絶縁膜を形成し、前記第1絶縁膜のうち露出している部分を覆う第2絶縁膜を形成し、前記第1配線の一部が露出するように、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜それぞれを貫通する第1コンタクトホールを一括で形成し、前記第1コンタクトホールを介して、前記露出した一部の前記第1配線と接続される第1導電層を形成する。
【0006】
本発明の一態様に係る表示装置は、第1配線と、前記第1配線を覆う第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の少なくとも一部を覆う第2絶縁膜と、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜それぞれを貫通するように形成された第1コンタクトホールを介して、前記第1コンタクトホール内における前記第1配線と接続されている第1導電層とを備え、前記第1コンタクトホールの内壁のうち、前記第1絶縁膜における内壁である第1内壁と、前記第2絶縁膜における内壁である第2内壁とは、連続する同一の面に含まれている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数積層された絶縁膜表面の荒れを抑えて、当該複数の絶縁膜を貫通するコンタクトホールを一括で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。
図2】本実施形態に係るアレイ基板の配線構成を概略的に示す表示装置の上面図である。
図3】実施形態に係るアレイ基板の表示領域の一部を拡大した上面図である。
図4】実施形態に係るアレイ基板の切り替えコンタクト部の上面図である。
図5】実施形態のアレイ基板における端子部に形成される入力端子部の上面図である。
図6】実施形態に係るアレイ基板における端子部に形成される出力端子部の上面図である。
図7】実施形態に係るアレイ基板の製造工程の流れを表す図である。
図8】実施形態に係るアレイ基板の表示領域の形成領域における図7の工程S11~S18を説明する図である。
図9】実施形態に係るアレイ基板の引き回し配線の形成領域における図7の工程S11~S18を説明する図である。
図10】実施形態に係るアレイ基板の入力端子部の形成領域および出力端子部の形成領域おける図7の工程S11~S18を説明する図である。
図11】実施形態に係るアレイ基板の表示領域の形成領域における図7の工程S19~S23を説明する図である。
図12】実施形態に係るアレイ基板の引き回し配線の形成領域における図7の工程S19~S23を説明する図である。
図13】実施形態に係るアレイ基板の入力端子部の形成領域および出力端子部の形成領域おける図7の工程S19~S23を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上下方向については、図1を基準とし、図1の上側を上方とし、図1の下側を下方とする。ただし、これらの方向の定義は、あくまでも説明の便宜上のものであり、本発明に係る表示装置の製造時や使用時の向きを限定する意図はない。また、各図面において、同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る表示装置1の概略構成を示す断面図である。表示装置1は、例えば、表示機能に加えてタッチパネル機能を有する液晶パネルである。表示装置1は、バックライト装置(図示せず)から照射される光を利用して画像を表示する。なお、表示装置1は、液晶パネルに限定されず、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネル、QLED(Quantum Dot Light Emitting Diode)パネル等、画像を表示可能な他のパネルであってもよい。
【0012】
本実施形態において、表示装置1は、アレイ基板2、対向基板3、液晶層4、シール部5、ドライバ6および回路基板7を有する。
【0013】
アレイ基板2は、バックライト装置の上方に配置されている。アレイ基板2は、液晶層4を介して、対向基板3と対向して配置されている。アレイ基板2は、対向基板3よりも大型である。アレイ基板2は、対向基板3と対向する側の面に、後述するTFT、後述する各種配線が形成されている。また、アレイ基板2における対向基板3と対向する側の面のうち、対向基板3と重ならない領域であって、一端部に沿って端子部Tが形成されている。
【0014】
対向基板3は、例えば、アレイ基板2と対向する側の面に、カラーフィルタ(図示せず)およびブラックマトリクス(図示せず)等が形成されている。アレイ基板2および対向基板3は、例えば、透光性のガラス基板を用いて形成される。なお、アレイ基板2における対向基板3と対向する側の面とは反対側の面に、第1偏光板(図示せず)が設けられている。また、対向基板3におけるアレイ基板2と対向する側の面とは反対側の面には、第2偏光板(図示せず)が設けられている。そして、第1偏光板および第2偏光板は、互いに偏光軸が直交するクロスニコルな配置関係となっている。
【0015】
液晶層4は、アレイ基板2および対向基板3の間に設けられている。液晶層4は、電界印加により光学特性が変化する液晶分子を含む。シール部5は、アレイ基板2および対向基板3の間であり、かつ液晶層4の周囲に設けられており、アレイ基板2および対向基板3それぞれの端部を枠状に接着する。シール部5は、例えば、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂からなる。
【0016】
ドライバ6および回路基板7は、それぞれ、アレイ基板2における端子部Tに配置されている。ドライバ6および回路基板7は、それぞれ、アレイ基板2における端子部Tに、例えば、COG(Chip On Glass)実装されるなどにより、端子部Tに形成された後述する複数の端子と接続されている。ドライバ6は、例えば、内部に駆動回路を有するLSIチップからなる。ドライバ6は、例えば、回路基板7により伝送される各種信号を処理する。
【0017】
回路基板7は、例えば、絶縁性および可撓性を有する合成樹脂材料(例えば、ポリイミド系樹脂など)からなる基材上に多数の配線パターン(図示せず)が形成された構成である。回路基板7の一端は、アレイ基板2における端子部Tに接続されており、回路基板7における他端は、信号供給源であるコントロール基板(図示せず)と接続されている。コントロール基板から供給される各種信号は、回路基板7を介してアレイ基板2に伝送され、ドライバ6による処理を経て、画像が表示される表示領域DA(図2参照)へ向けて出力される。
【0018】
図2は、本実施形態に係るアレイ基板2の配線構成を概略的に示す表示装置1の上面図である。図2に示すように、アレイ基板2の中央部分は、表示装置1において画像が表示される、表示領域DAである。また、アレイ基板2のうち、表示領域DAを取り囲む外周側の領域は、表示装置1において画像が表示されない、非表示領域(額縁領域NA)である。そして、アレイ基板2の額縁領域NAのうち、平面視で対向基板3より外側の領域(すなわち、対向基板3と重ならない領域)に、複数の引き回し配線Wが形成されている。複数の引き回し配線Wは、それぞれの一方の端部が、表示領域DAに形成された複数の配線それぞれと接続されており、それぞれの他方の端部が、端子部Tに形成された複数の端子それぞれと接続されている。各引き回し配線Wは、互いに異なる層に形成された第1配線21Wおよび第2配線24Wと、コンタクトホールを介して第1配線21Wおよび第2配線24Wを接続する切り替えコンタクト部9とを有する(詳細は後述する)。
【0019】
図3は、アレイ基板2における表示領域DAの一部を拡大した上面図である。アレイ基板2における表示領域DA内の表面には、複数のゲート配線21GW(走査線)および複数のソース配線24SW(信号線、データ線)が、互いに交差するように形成されている。また、アレイ基板2における表示領域DAには、複数のタッチパネル配線27TPWが形成されている。例えば、複数のゲート配線21GWは、表示領域DAを横断するように、図3における左右方向に延設されている。複数のタッチパネル配線27TPWは、複数のゲート配線21GWまたは複数のソース配線24SWと平行に形成されている。例えば、複数のソース配線24SWおよび複数のタッチパネル配線27TPWは、表示領域DAを縦断するように、図3における上下方向に延設されている。図3に示す例では、各タッチパネル配線27TPWは、各ソース配線24SWと重なって形成されている。
【0020】
複数のゲート配線21GWの一端は、図示しないゲートドライバと接続されており、複数のソース配線24SWの一端は、図示しないソースドライバと接続されている。なお、ゲートドライバは、複数のゲート配線21GWにゲート信号を出力するドライバである。ソースドライバは、複数のソース配線24SWにソース信号を出力するドライバである。ゲートドライバおよびソースドライバは、アレイ基板2の上面において、表示領域DAの外側の端部に沿って設けられている。なお、ゲートドライバおよびソースドライバは、ドライバ6(図1参照)に含まれていてもよい。複数のタッチパネル配線27TPWの一端は、端子部Tに形成された複数の端子とそれぞれ接続されている。なお、複数のゲート配線GW、複数のソース配線SWおよび複数のタッチパネル配線TPWは、それぞれ、引き回し配線W(図2参照)を介して、端子部Tに形成された複数の端子それぞれと接続されてもよい。
【0021】
アレイ基板2における表示領域DAには、複数の画素となるアレイ基板2上の領域である複数の画素領域Pixがマトリクス状に形成されている。例えば、画素領域Pixは、複数のゲート配線21GWと、複数のソース配線24SWとに囲まれた領域である。
【0022】
各画素領域Pix内には、TFT40、画素電極27Pおよび第1接続部27C1が形成されている。TFT40は、ゲート配線21GWおよびソース配線24SWの交差部の近傍に形成されており、画素電極27Pの駆動を制御するスイッチング素子である。TFT40は、ゲート電極21GEと、ソース電極24SEと、ドレイン電極24DEとを有する。ゲート電極21GEはゲート配線21GWと接続されており、ソース電極24SEはソース配線24SWと接続されている。ドレイン電極24DEは、コンタクトホールCH1を介して第1接続部27C1と接続されており、第1接続部27C1を介して画素電極27Pと接続されている。
【0023】
画素電極27Pの上層には、複数のスリット(開口)が設けられたタッチパネル電極部(第1導電層)29TPが形成されている。タッチパネル電極部29TPは、複数の画素領域Pixに跨って形成されている。タッチパネル電極部29TPは、表示装置1がディスプレイとして駆動する際には共通電極として機能し、表示装置1がタッチパネルとして駆動する際にはタッチを検出するタッチ電極として機能する。タッチパネル電極部29TPのうち、各タッチパネル配線TPWと重なっている一部の領域には、コンタクトホールCH3が形成されている。そして、タッチパネル電極部29TPは、コンタクトホールCH3を介して、タッチパネル配線(第2導電層)27TPWと接続されている。なお、図3においては、タッチパネル電極部29TPは一部の画素領域Pixを覆っておらず、タッチパネル配線TPWは一部のソース配線24SWを覆っていない例を表しているが、図3の例に限定されず、タッチパネル電極部29TPは全ての画素領域Pixを覆って設けられていてもよいし、タッチパネル配線TPWは全てのソース配線24SWを覆って設けられていてもよい。
【0024】
画素電極27Pは第1接続部(第2導電層)27C1と接続されている。第1接続部27C1は、コンタクトホールCH1を介して、第1接続部27C1より下層に形成されているドレイン電極24DEと接続されている。すなわち、画素電極27Pは、第1接続部27C1およびコンタクトホールCH1を介してドレイン電極24DEと接続されている。
【0025】
画素電極27Pは透明な電極である。画素電極27Pは、同じ画素領域Pix内に形成されたTFT40を介して供給されるデータ信号に応じた電位に設定されることで、画素電極27Pと、共通電極との間で電位差を生じさせる。これにより、液晶層4における液晶分子が配向し、液晶層4における、光の透過および不透過が制御される。表示装置1における液晶パネルの駆動モードは、FFS(Fringe Field Switching)モードまたはIPS(In Plane Switching)モード等、種々のモードを用いることができる。
【0026】
なお、後述するように、ゲート電極21GEとゲート配線21GWは、同一工程により同一の金属材料により、第1マスクを用いて形成される。ゲート電極21GEとゲート配線21GWと同一工程および同一の金属材料により、第1マスクを用いて形成される電極および配線等の金属層を第1金属層と称する場合がある。また、ソース電極24SE、ドレイン電極24DEおよびソース配線24SWは、同一工程により同一の金属材料により、第3マスクを用いて形成される。ソース電極24SE、ドレイン電極24DEおよびソース配線24SWと同一工程および同一の金属材料により、第3マスクを用いて形成される電極および配線等の金属層を第2金属層と称する場合がある。第1接続部27C1は異なる種類の金属材料からなる金属膜が複数積層されて構成されている。画素電極27Pは第1接続部27C1を構成する多層化された複数の金属膜のうち一部の金属膜によって形成されている。複数の第1接続部27C1は、第5マスクを用いて形成される。第1接続部27C1と同一工程および同一の金属材料により、第5マスクを用いて形成される配線等の金属層を第3金属層(第2導電層)と称する場合がある。
【0027】
図4は、実施形態のアレイ基板2における切り替えコンタクト部9の上面図である。切り替えコンタクト部9は、引き回し配線Wの経路において、表示領域DAから端子部Tへ至る間に形成されている。引き回し配線Wにおける、第1配線21Wおよび第2配線24Wそれぞれの端部同士が重なって形成されている。また、切り替えコンタクト部9には、第1保護膜25(図12(d)等参照)および平坦化膜26(図12(d)等参照)に形成されたコンタクトホールCH2と、ゲート絶縁膜22および第2保護膜28に形成されたコンタクトホールCH4とが形成されている。そして、切り替えコンタクト部9では、コンタクトホールCH2およびコンタクトホールCH4に跨って第2接続部29C2が形成されており、コンタクトホールCH2に金属カバー27C2が形成されている。そして、第1配線21Wの端部と、第2配線24Wの端部とは、切り替えコンタクト部9において、第2接続部29C2および金属カバー27C2を介して接続されている。
【0028】
第1配線21W、第2配線24W、第2接続部29C2および金属カバー27C2は、それぞれ層が異なる金属層である。切り替えコンタクト部9の断面構造については、図9(a)~図9(e)および図12(a)~図12(d)を用いて、製造方法と共に後述する。
【0029】
図5は、実施形態のアレイ基板2における端子部Tに形成される入力端子部T1の上面図である。入力端子部T1には、例えば、ドライバ6または回路基板7等、入力端子部T1に実装される回路部品からの各種の信号の入力を受ける複数の入力端子TINが並んで形成されている。入力端子TINは、入力端子パッド29T1と、入力端子配線21T1とを備える。入力端子パッド29T1は、ドライバ6または回路基板7等、入力端子部T1に実装される回路部品の端子と電気的に接続される。入力端子配線21T1は、入力端子パッド29T1に入力された各種の信号を出力する。入力端子配線21T1は、一端が入力端子パッド29T1と接続されており、他端は、引き回し配線Wと接続されていてもよいし、他の配線を介して表示領域DAに形成された各種配線と接続されてもよい。
【0030】
図6は、実施形態のアレイ基板2における端子部Tに形成される出力端子部T2の上面図である。出力端子部T2には、例えば、回路基板7等、出力端子部T2に実装される回路部品へ各種の信号を出力する複数の出力端子TOUTが並んで形成されている。出力端子TOUTは、出力端子パッド29T2と、出力端子配線24T2とを備える。出力端子パッド29T2は、回路基板7等、出力端子部T2に実装される回路部品の端子と電気的に接続される。出力端子配線24T2は、出力端子パッド29T2から入力された各種の信号を出力する。出力端子配線24T2は、一端が出力端子パッド29T2と接続されており、他端は、引き回し配線Wと接続されていてもよいし、他の配線を介して表示領域DAに形成された各種配線と接続されてもよい。
【0031】
次に、図7図13(a)~(d)を用いて、表示装置1の製造方法の一例について説明する。図7は、実施形態のアレイ基板2の製造工程の流れを表す図である。図8(a)~図8(e)、および、図11(a)~図11(d)は、実施形態のアレイ基板2における表示領域DAの製造工程を説明する図である。図8(a)~図8(e)、および、図11(a)~図11(d)では、図3におけるABCDEを切った断面における製造過程を表している。
【0032】
図9(a)~図9(e)、および、図12(a)~図12(d)は、実施形態のアレイ基板2における引き回し配線Wの製造工程を説明する図である。特に、図9(a)~図9(e)、および、図12(a)~図12(d)では、引き回し配線Wにおける切り替えコンタクト部9の近傍における製造過程を表している。図9(a)~図9(e)、および、図12(a)~図12(d)では、図4におけるF‐F‘に示す断面における製造過程を表している。
【0033】
図10(a)~図10(e)、および、図13(a)~図13(d)は、実施形態のアレイ基板2における入力端子部T1および出力端子部T2の製造工程を説明する図である。なお、図10(a)~図10(e)、および、図13(a)~図13(d)それぞれにおいて、左側は入力端子部T1の製造過程を表しており、右側は出力端子部T2の製造過程を表している。図10(a)~図10(e)、および、図13(a)~図13(d)において、左側の入力端子部T1の製造過程では、図5に示すG‐G‘に示す断面における製造過程を表している。図10(a)~図10(e)、および、図13(a)~図13(d)において、右側の出力端子部T2の製造過程では、図6に示すH‐H‘に示す断面における製造過程を表している。
【0034】
具体的には、図8(a)~図8(e)は、実施形態に係るアレイ基板の表示領域の形成領域における図7の工程S11~S18を説明する図である。図8(a)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S11を説明する図である。図8(b)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S12・S13を説明する図である。図8(c)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S14を説明する図である。図8(d)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S15・S16を説明する図である。図8(e)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S17・S18を説明する図である。
【0035】
図9(a)~図9(e)は、実施形態に係るアレイ基板の引き回し配線の形成領域における図7の工程S11~S18を説明する図である。図9(a)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S11を説明する図である。図9(b)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S12・S13を説明する図である。図9(c)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S14を説明する図である。図9(d)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S15・S16を説明する図である。図9(e)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S17・S18を説明する図である。
【0036】
図10(a)~図10(e)は、実施形態に係るアレイ基板の入力端子部の形成領域および出力端子部の形成領域おける図7の工程S11~S18を説明する図である。図10(a)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S11を説明する図である。図10(b)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S12・S13を説明する図である。図10(c)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S14を説明する図である。図10(d)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S15・S16を説明する図である。図10(e)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S17・S18を説明する図である。
【0037】
図11(a)~図11(d)は、実施形態に係るアレイ基板の表示領域の形成領域における図7の工程S19~S23を説明する図である。図11(a)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S19を説明する図である。図11(b)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S20を説明する図である。図11(c)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S21・S22を説明する図である。図11(d)は、表示領域DAの形成領域における図7の工程S23を説明する図である。
【0038】
図12(a)~図12(d)は、実施形態に係るアレイ基板の引き回し配線の形成領域における図7の工程S19~S23を説明する図である。図12(a)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S19を説明する図である。図12(b)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S20を説明する図である。図12(c)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S21・S22を説明する図である。図12(d)は、引き回し配線Wの形成領域における図7の工程S23を説明する図である。
【0039】
図13(a)~図13(d)は、実施形態に係るアレイ基板の入力端子部の形成領域および出力端子部の形成領域おける図7の工程S19~S23を説明する図である。図13(a)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S19を説明する図である。図13(b)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S20を説明する図である。図13(c)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S21・S22を説明する図である。図13(d)は、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域おける図7の工程S23を説明する図である。
【0040】
図7の工程S11において、例えば、第1金属層に含まれる電極および配線である、ゲート電極(第1電極)21GE、ゲート配線(第1配線)21GW、引き回し配線Wにおける第1配線21W、入力端子部T1における入力端子配線(第1配線)21T1それぞれを、同一工程および同一の金属材料により、第1マスクを用いて形成する。第1マスクは、ゲート電極21GE、ゲート配線21GW、引き回し配線Wにおける第1配線21W、入力端子部T1における入力端子配線21T1それぞれのパターンが形成されたマスクである。工程S11において、ゲート電極21GE、ゲート配線21GW、引き回し配線Wにおける第1配線21W、入力端子部T1における入力端子配線21T1それぞれは、例えば、タンタル、モリブデン、アルミニウムまたはそれらの合金の何れかを含む金属材料により、例えば、スパッタリング法によって、ガラス基板20上にパターンが形成される。
【0041】
すなわち、図8(a)に示すように、表示領域DAの形成領域において、ガラス基板20上に、TFT40となるゲート電極21GEを形成する。また、表示領域DAの形成領域において、ガラス基板20上に、ゲート電極21GEと同一の工程および同一の金属材料により、ゲート配線21GW(図3参照)を、第1マスクを用いて形成する。
【0042】
また、図9(a)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、ガラス基板20上に、ゲート電極21GEと同一の工程および同一の金属材料により、引き回し配線Wのうち第1配線21Wを、第1マスクを用いて形成する。
【0043】
また、図10(a)に示すように、各入力端子部T1の形成領域において、ガラス基板20上に、ゲート電極21GEと同一の工程および同一の金属材料により、入力端子配線21T1を、第1マスクを用いて形成する。なお、工程S11においては、図10(a)に示すように、出力端子部T2の形成領域においは、ガラス基板20上に、ゲート電極21GEと同一の工程および同一の金属材料による電極または配線を形成しない。
【0044】
そして、図7に示す工程S12において、例えば、ガラス基板20の全面に、ゲート絶縁膜(第1絶縁膜)22を形成する。ゲート絶縁膜22は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコン等の無機絶縁材料により、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって形成される。なお、工程S12においては、ゲート絶縁膜22をガラス基板20の全面に形成するため、マスクを用いなくてよい。
【0045】
すなわち、図8(b)に示すように、表示領域DAの形成領域において、ガラス基板20上に、ゲート電極21GEおよびゲート配線GW(図3)を覆って、ゲート絶縁膜22を形成する。また、図9(b)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、ガラス基板20上に、第1配線21Wを覆ってゲート絶縁膜22を形成する。また、図10(b)に示すように、入力端子部T1の形成領域においては、ガラス基板20上に、入力端子配線21T1を覆ってゲート絶縁膜22を形成する。また、図10(b)に示すように、出力端子部T2の形成領域においては、ガラス基板20上にゲート絶縁膜22を形成する。
【0046】
そして、図7および図8(b)に示すように、工程S13において、例えば、表示領域DAの形成領域におけるゲート絶縁膜22上に、TFT40となる半導体層23を、第2マスクを用いて形成する。第2マスクは、半導体層23のパターンが形成されたマスクである。工程S13において、半導体層23は、酸化物半導体、アモルファスシリコン、ポリシリコン等の半導体材料により、スパッタリング法等によって、ゲート絶縁膜22上にパターンが形成される。そして、半導体層23のうち、一部の領域にソース領域を形成し、他の一部の領域にドレイン領域を形成する。なお、図9(b)に引き回し配線Wの形成領域と、図10(b)に示す入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域には、半導体層23は形成しない。
【0047】
ここで、従来の製造方法では、半導体層を形成すると、次に、ゲート絶縁膜の下層に形成された第1配線等(第1金属層)とコンタクトを取るために、マスクを用いてゲート絶縁膜にコンタクトホールを形成していた。しかし、本実施形態では、後述するように、工程S22(図7図12(c)、図13(c))において、ゲート絶縁膜22と第2保護膜28とのそれぞれを貫通するコンタクトホールCH4・CH5を、一括で形成することで、第1配線21W及び入力端子配線21T1(第1金属層)を露出させる。このため、従来の製造方法と比べて、本実施形態では、ゲート絶縁膜22にコンタクトホールを形成するためのマスクは不要である。
【0048】
そして、図7の工程S14において、例えば、第2金属層に含まれる電極および配線である、ソース電極(第2電極)24SE、ドレイン電極(第2電極)24DE、ソース配線(第2配線)24SW、引き回し配線Wにおける第2配線24W、出力端子部T2における出力端子配線(第2配線)24T2それぞれを、同一工程および同一の金属材料により、第3マスクを用いて形成する。第3マスクは、ソース電極24SE、ドレイン電極24DE、ソース配線SW、第2配線24W、出力端子配線24T2それぞれのパターンが形成されたマスクである。工程S14において、ソース電極24SE、ドレイン電極24DE、ソース配線SW、引き回し配線Wにおける第2配線24W、出力端子部T2それぞれは、例えば、タンタル、モリブデン、アルミニウムまたはそれらの合金の何れかを含む金属材料により、スパッタリング法等によって、ゲート絶縁膜22上にパターンが形成される。ソース電極24SEは一部が半導体層23のソース領域と接触するように形成され、ドレイン電極24DEは半導体層23のドレイン領域と接触するように形成される。
【0049】
すなわち、図8(c)に示すように、表示領域DAの形成領域においては、ゲート絶縁膜22上および半導体層23のソース領域上に跨って、TFT40となるソース電極24SEを形成し、ゲート絶縁膜22上および半導体層23のドレイン領域上に跨って、TFT40となるドレイン電極24DEを形成する。これにより、ゲート電極21GE、半導体層23、ソース電極24SEおよびドレイン電極24DEを含むTFT40が形成される。また、表示領域DAにおいて、ゲート絶縁膜22上に、ソース電極24SEおよびドレイン電極24DEと同一の工程および同一の金属材料により、第3マスクを用いてソース配線24SW(図3参照)を形成する。
【0050】
また、図9(c)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、ゲート絶縁膜22を介して第1配線21Wの端部と重なるように、ゲート絶縁膜22上に、ソース電極24SEおよびドレイン電極24DEと同一の工程および同一の金属材料により、第3マスクを用いて、引き回し配線Wのうち第2配線24Wを形成する。これにより、ゲート絶縁膜22を介して、第1配線21Wと第2配線24Wとのそれぞれの端部同士が重なる。
【0051】
図10(c)に示すように、入力端子部T1の形成領域おいては、ゲート絶縁膜22上に、ソース電極24SEおよびドレイン電極24DEと同一の工程および同一の金属材料による電極および配線は形成しない。一方、図10(c)に示すように、出力端子部T2の形成領域おいて、ゲート絶縁膜22上に、ソース電極24SEおよびドレイン電極24DEと同一の工程および同一の金属材料により、出力端子配線24T2を形成する。
【0052】
そして、図7に示す工程S15において、例えば、ゲート絶縁膜22上であってガラス基板20の全面に、第1保護膜(第3絶縁膜)25を形成する。第1保護膜25は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコン等の無機絶縁材料により、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって形成される。工程S15においては、第1保護膜25をゲート絶縁膜22上であってガラス基板20の全面に形成するため、マスクを用いなくてよい。
【0053】
すなわち、図8(d)に示すように、表示領域DAの形成領域において、ゲート絶縁膜22上に、ソース電極SE、ドレイン電極24DE、半導体層23における露出部、ソース配線SW(図3)を覆って、第1保護膜25を形成する。これによりTFT40は第1保護膜25に覆われる。また、図9(d)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、ゲート絶縁膜22上に、第2配線24Wを覆って第1保護膜25を形成する。また、図10(d)に示すように、入力端子部T1の形成領域においては、ゲート絶縁膜22上に第1保護膜25を形成する。また、図10(d)に示すように、出力端子部T2の形成領域においては、出力端子配線24T2を覆ってゲート絶縁膜22上に第1保護膜25を形成する。
【0054】
そして、図7に示す工程S16において、例えば、第1保護膜25上に、平坦化膜(第4絶縁膜)26を、第4マスクを用いて形成する。第4マスクは、平坦化膜26に形成するコンタクトホール等を含む、平坦化膜26のパターンが形成されたマスクである。平坦化膜26は、表示領域DAの形成領域と周辺の額縁領域NAの形成領域の一部とに形成し、端子部Tの形成領域には形成しない。平坦化膜26は、例えば、アクリル系の有機樹脂材料が、塗布およびベークされた後、第4マスクを用いたフォトリソグラフィ等によって形成される。
【0055】
すなわち、図8(d)に示すように、表示領域DAの形成領域において、第1保護膜25を覆うように、第4マスクを用いて、平坦化膜26を形成する。これにより、TFT40は、第1保護膜25および平坦化膜26に覆われる。また、ドレイン電極24DEの一部の領域上の平坦化膜26に、第1保護膜25を露出させるコンタクトホールCH1aが形成される。
【0056】
また、図9(d)に示す各引き回し配線Wの形成領域において、第1保護膜25を覆うように、第4マスクを用いて、平坦化膜26を形成する。これにより、引き回し配線Wの形成領域において、第2配線24Wの一部の領域である端部上、および、第2配線24Wの端部と重ならない一部領域の第1配線21Wにおける上層の第1保護膜25を露出させるコンタクトホールCH2aが形成される。
【0057】
なお、図10(d)に示す入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域においては、第4マスクを用いることで、第1保護膜25を覆う平坦化膜26は形成されない。
【0058】
そして、図7の工程S17において、例えば、平坦化膜26をマスクとして、第1保護膜25の不要部分を一括で、エッチングにより除去する。これにより、第1保護膜25および平坦化膜26それぞれの一部を貫通するコンタクトホール(第2コンタクトホール)を形成する。工程S17において、例えば、ガラス基板20を搬入したチャンバー内を真空にし、フッ素系のガスをチャンバー内に流入させて、電源に所定値の電力を供給することで、チャンバー内にプラズマ放電を発生させる。これにより、平坦化膜26をマスクとして、第1保護膜25の不要部分をドライエッチングにより除去して、第1保護膜25および平坦化膜26それぞれを貫通するコンタクトホール(第2コンタクトホール)CH1およびコンタクトホール(第2コンタクトホール)CH2を形成する。
【0059】
すなわち、図8(e)に示すように、表示領域DAの形成領域において、コンタクトホールCH1a内に露出している第1保護膜25を、平坦化膜26の表面26aを露出させた状態で、平坦化膜26の表面26a側からドライエッチングにより除去する。これにより、第1保護膜25および平坦化膜26を貫通するコンタクトホールCH1を形成する。この結果、コンタクトホールCH1内において、ドレイン電極24DEの一部の領域が露出する。
【0060】
また、図9(e)に示すように、コンタクトホールCH2a内に露出している第1保護膜25を、平坦化膜26の表面26aを露出させた状態で、平坦化膜26の表面26a側からドライエッチングにより除去する。これにより、第1保護膜25および平坦化膜26を貫通するコンタクトホールCH2を形成する。この結果、コンタクトホールCH2内において、第2配線24Wの一部の領域である端部、および、第2配線24Wの端部と重ならない一部領域の第1配線21W上のゲート絶縁膜22が露出する。
【0061】
また、図10(e)に示すように、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域において、第1保護膜25を除去する。これにより、入力端子部T1の形成領域においては、入力端子配線21T1および入力端子配線21T1の周辺におけるゲート絶縁膜22が露出する。また、出力端子部T2の形成領域においては、出力端子配線24T2および出力端子配線24T2の周辺のゲート絶縁膜22が露出する。
【0062】
ここで、従来の製造方法では、第1保護膜を形成すると、第1保護膜に積層される平坦化膜を形成する前に、第1保護膜の下層に形成された第1配線等(第1金属層)又は第2配線等(第2金属層)とコンタクトを取るために、マスクを用いて第1保護膜にコンタクトホールを形成していた。しかし、本実施形態では、工程S17において、平坦化膜26をマスクにし、平坦化膜26の下層の第1保護膜25にコンタクトホールを形成している。このため、従来の製造方法と比べて、本実施形態では、第1保護膜25にコンタクトホールを形成するためのマスクを別途設ける必要はない。
【0063】
また、このように、平坦化膜26をマスクとして、平坦化膜26の下層の第1保護膜25における不要部分をエッチングにより除去することで、コンタクトホールCH1・CH2を形成している。これにより、コンタクトホールCH1内における平坦化膜26のコンタクトホールと第1保護膜25のコンタクトホール同士の位置ずれを防ぐことができる。また、コンタクトホールCH2内における平坦化膜26のコンタクトホールと第1保護膜25のコンタクトホール同士の位置ずれを防ぐことができる。
【0064】
このため、図8(e)に示すように、コンタクトホールCH1の内壁において、第1保護膜25の内壁25b1と、平坦化膜26の内壁26b1との間に段差が生じることを抑えることができる。換言すると、コンタクトホールCH1の内壁である、第1保護膜25の内壁25b1と、平坦化膜26の内壁26b1とは、連続する同一の面に含まれるように形成される。また、図9(e)に示すように、コンタクトホールCH2の内壁においても、第1保護膜25の内壁25b2と、平坦化膜26の内壁26b2との間に段差が生じることを抑えることができる。換言すると、コンタクトホールCH2の内壁である、第1保護膜25の内壁25b2と、平坦化膜26の内壁26b2とは、連続する同一の面に含まれるように形成される。
【0065】
ここで、本実施形態に係る表示装置1の製造方法によると、コンタクトホールCH1およびコンタクトホールCH2を形成する際、平坦化膜26の表面26aを露出させた状態で平坦化膜26をマスクとして第1保護膜25にコンタクトホールを形成しているため、平坦化膜26の表面26aが荒れて凹凸が形成されてしまう場合がある。このため、このまま、コンタクトホールCH1およびコンタクトホールCH2を形成した直後に、平坦化膜26の表面26a上に、各種の配線(第3金属層等)を形成すると、正確に所望のパターンを形成することができず、平坦化膜26の表面26aから剥がれてしまう場合がある。
【0066】
そこで、次に、図7の工程S18において、平坦化膜26の表面26aに形成された凹凸を平坦化する処理を行う。工程S18において、例えば、ガラス基板20を搬入したチャンバー内を真空にし、フッ素系のガスをチャンバー内に流入させて、電源に所定値の電力を供給することで、チャンバー内にプラズマ放電をさせる。このときにプラズマ放電をさせるために電源に供給する電力は、工程S17時にてプラズマ放電を発生させるために電源に供給した電力よりも小さく、約半分程度の電力である。これにより、工程S17の時に形成された平坦化膜26の表面26aの凹凸をドライエッチングにより平坦化する。
【0067】
すなわち、図8(e)に示すように、表示領域DAの形成領域において、コンタクトホールCH1の周囲における平坦化膜26の表面26aの凹凸がドライエッチングにより平坦化される。また、図9(e)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、コンタクトホールCH2の周囲における平坦化膜26の表面26aの凹凸がドライエッチングにより平坦化される。また、図10(e)に図示しないが、入力端子部T1の形成領域および出力端子部T2の形成領域それぞれの周囲における平坦化膜26の表面26aの凹凸がドライエッチングにより平坦化される。
【0068】
そして、図7の工程S19において、例えば、第3金属層に含まれる電極および配線である、画素電極27Pおよび第1接続部(第2導電層)27C1となる複数の画素領域内金属パターン(第2導電層)27、タッチパネル配線(第2導電層)27TPW、金属カバー(第2導電層)27C2・27T2それぞれを、同一工程および同一の金属材料により、第5マスクを用いて形成する。第5マスクは、画素領域内金属パターン27、タッチパネル配線27TPW、金属カバー27C2・27T2のパターンが形成されたマスクである。工程S19では、画素領域内金属パターン27、タッチパネル配線27TPW、金属カバー27C2・27T2それぞれは、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)等の透明な導電材料からなる透明導電層と、タンタル、モリブデン、アルミニウムまたはそれらの合金の何れかを含む金属材料からなる金属層とを含む2層構造として、スパッタリング法等によって、それぞれの各層を含むパターンが形成される。なお、画素領域内金属パターン27、複数のタッチパネル配線27TPW、複数の金属カバー27C2・27T2それぞれは、2層構造に限定されず、3層以上の多層構造であってもよい。
【0069】
すなわち、図11(a)に示すように、表示領域DAの形成領域においては、平坦化膜26の表面26aから、コンタクトホールCH1を介して、コンタクトホールCH1内で一部が露出したドレイン電極24DEと接続されるように、画素領域内金属パターン27を、第5マスクを用いて形成する。また、画素領域内金属パターン27と同一工程および同一の金属材料により、第5マスクを用いて、タッチパネル配線27TPWを、平坦化膜26の表面26aに形成する。また、コンタクトホールCH1の内壁においては、画素領域内金属パターン27は、連続する同一の面として形成された、第1保護膜25の内壁25b1および平坦化膜26の内壁26b1の一部を覆って形成される。
【0070】
また、図12(a)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、平坦化膜26の表面26aから、コンタクトホールCH2を介して、コンタクトホールCH2内で一部が露出した第2配線24Wと接続されるように、金属カバー27C2を、画素領域内金属パターン27と同一工程および同一の金属材料により、第5マスクを用いて形成する。コンタクトホールCH2の底面においては、金属カバー27C2は、露出していた第2配線24Wの表面および側面を覆う。これにより、コンタクトホールCH2内において、金属カバー27C2は、工程S19以降のエッチング処理にて、コンタクトホールCH2内にて露出していた第2配線24Wがエッチングされてしまうことを防止するエッチングストッパとして機能する。すなわち、コンタクトホールCH2内において、第2配線24Wを覆うように、金属カバー27C2を形成することで、第2配線24Wがエッチングされてしまうことを防止することができる。
【0071】
また、図13(a)に示すように、出力端子部T2の形成領域において、金属カバー27T2を、ゲート絶縁膜22上に露出していた出力端子配線24T2を覆うように、第5マスクを用いて形成する。これにより、出力端子部T2の形成領域において、金属カバー27T2は、工程S19以降のエッチング処理にて、出力端子部T2の形成領域にて露出していた出力端子配線24T2がエッチングされてしまうことを防止するエッチングストッパ(保護膜)として機能する。すなわち、出力端子部T2の形成領域において、出力端子配線24T2を覆うように金属カバー27T2を形成することで、出力端子配線24T2がエッチングされてしまうことを防止することができる。
【0072】
上述の工程S18において、平坦化膜26の表面26aに形成されていた凹凸を平坦化しているため、工程S19にて平坦化膜26の表面26aに形成した、画素領域内金属パターン27およびタッチパネル配線27TPW(図11(a))と、金属カバー27C2(図12(a))とを、平坦化膜26の表面26aから剥がれずに所望のパターンにて形成することができる。
【0073】
ここで、図8(e)に示したように、本実施形態に係る表示装置1の製造方法では、第1保護膜25を、平坦化膜26をマスクとして、第1保護膜25および平坦化膜26の両方を貫通するコンタクトホールCH1・CH2を形成している。このため、コンタクトホールCH1を構成する、第1保護膜25のコンタクトホールと平坦化膜26のコンタクトホールとは、位置ずれが防止されて互いに重なっている。同様に、コンタクトホールCH2を構成する、第1保護膜25のコンタクトホールと平坦化膜26のコンタクトホールとは、位置ずれが防止されて互いに重なっている。このため、第1保護膜にコンタクトホールを形成した後、平坦化膜にコンタクトホールを形成することで、第1保護膜及び平坦化膜を貫通するコンタクトホールを形成する場合と比べて、コンタクトホールCH1(図11(a))の内壁である、第1保護膜25の内壁25b1と、平坦化膜26の内壁26b1との間に段差が生じることを抑えることができる。換言すると、コンタクトホールCH1の内壁である、第1保護膜25の内壁25b1と、平坦化膜26の内壁26b1とは、連続する同一の平面に含まれるように形成される。このため、コンタクトホールCH1を平面視したときのコンタクトホールCH1内に露出しているドレイン電極24DEの面積が小さくなることを防止することができる。これにより、コンタクトホールCH1内の底面において、ドレイン電極24DEと画素領域内金属パターン27とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、ドレイン電極24DEと画素領域内金属パターン27との間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0074】
同様に、コンタクトホールCH2(図12(a))の内壁である、第1保護膜25の内壁25b2と、平坦化膜26の内壁26b2との間に段差が生じることを抑えることができる。換言すると、コンタクトホールCH2の内壁である、第1保護膜25の内壁25b2と、平坦化膜26の内壁26b2とは、連続する同一の平面に含まれるように形成される。このため、コンタクトホールCH2を平面視したときのコンタクトホールCH2内に露出している第2配線24Wの面積が小さくなることを防止することができる。これにより、コンタクトホールCH2内の底面において、第2配線24Wと金属カバー27C2とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、第2配線24Wと金属カバー27C2との間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0075】
そして、図7の工程S20において、画素領域内金属パターン27のうち、画素電極27Pとなる透明な導電材料からなる透明導電層上の金属材料からなる金属層を、例えば、第6マスクを用いて、ウエットエッチング等によって除去する。第6マスクは画素電極27Pのパターンが形成されたマスクである。これにより、図11(b)に示すように、画素電極27Pと、第1接続部27C1とが形成される。なお、図12(b)に示す引き回し配線Wの形成領域における金属カバー27C2、および、図13(b)に示す、出力端子部T2の形成領域における金属カバー27T2はエッチングしない。図12(b)に示す各引き回し配線Wの形成領域において、コンタクトホールCH2内の第2配線24Wは、金属カバー27C2に覆われているため、エッチングされない。また、図13(b)に示す出力端子部T2の形成領域において、出力端子配線24T2は、金属カバー27T2に覆われているため、エッチングされない。
【0076】
そして、図7の工程S21において、例えば、平坦化膜26上であってガラス基板20の全面に、第2保護膜(第2絶縁膜)28を形成する。第2保護膜28は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコン等の無機絶縁材料により、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって形成される。工程S21においては、第2保護膜28を平坦化膜26上であってガラス基板20の全面に形成するため、マスクを用いなくてよい。
【0077】
すなわち、図11(c)に示すように、表示領域DAの形成領域において、平坦化膜26上に、第1接続部27C1、画素電極27P、タッチパネル配線27TPWを覆って、第2保護膜28を形成する。また、図12(c)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、平坦化膜26およびコンタクトホールCH2を覆って第2保護膜28を形成する。第2保護膜28は、コンタクトホールCH2内の底面においては、一部が露出しているゲート絶縁膜22および一部が露出している金属カバー27C2を覆う。また、図13(c)に示すように、入力端子部T1の形成領域においては、入力端子配線21T1上のゲート絶縁膜22を覆って、第2保護膜28が形成される。また、図13(c)に示すように、出力端子部T2の形成領域においては、金属カバー27T2を覆って、第2保護膜28が形成される。
【0078】
そして、図7の工程S22において、例えば、コンタクトホールCH3、コンタクトホール(第1コンタクトホール)CH4、コンタクトホール(第1コンタクトホール)CH5およびコンタクトホールCH6を、例えば、ドライエッチング等により、同一工程にて第7マスクを用いて形成する。第7マスクは、コンタクトホールCH3、コンタクトホールCH4、コンタクトホールCH5およびコンタクトホールCH6のパターンが形成されたマスクである。工程S22にて、コンタクトホールCH3~CH6を形成するには、例えば、まず、マスクとなるレジストを塗布し、第7マスクを用いて、ドライエッチングすることで、コンタクトホールCH3~CH6を形成し、その後、レジストをはく離する。この工程S22にてドライエッチングを行う際の各種の条件は、工程S17にてドライエッチングを行った際の各種の条件と同じであってもよい。
【0079】
すなわち、図11(c)に示すように、表示領域DAの形成領域において、各タッチパネル配線27TPWの一部の領域上の第2保護膜28を、第7マスクを用いてドライエッチングにより除去することで、第2保護膜28に、コンタクトホールCH3を形成する。これにより、コンタクトホールCH3内において、タッチパネル配線27TPWの一部の領域が露出する。
【0080】
また、図12(c)に示すように、引き回し配線Wの形成領域においては、金属カバー27C2上の第2保護膜28と、コンタクトホールCH2の底面のうち金属カバー27C2が形成されていない領域の第2保護膜28およびゲート絶縁膜22とを、第7マスクを用いてドライエッチングにより除去する。これにより、コンタクトホールCH2内において金属カバー27C2が露出すると共に、コンタクトホールCH2の底面のうち金属カバー27C2が形成されていない領域の第2保護膜28およびゲート絶縁膜22それぞれを貫通するコンタクトホールCH4を一括で形成する。コンタクトホールCH4は、コンタクトホールCH2の底面の一部の領域(金属カバー27C2が形成されていない領域)に形成される。コンタクトホールCH4内の底面では、第2配線24Wの一部が露出する。
【0081】
また、図13(c)に示すように、入力端子部T1の形成領域においては、入力端子配線21T1上のゲート絶縁膜22および第2保護膜28を、第2保護膜28の表面28a側から、第7マスクを用いてドライエッチングにより除去する。これにより、ゲート絶縁膜22および第2保護膜28それぞれを貫通するコンタクトホールCH5を一括で形成する。コンタクトホールCH5内の底面において、入力端子配線21T1が露出する。なお、入力端子配線21T1の端部はゲート絶縁膜22および第2保護膜28に覆われている。また、図13(c)に示すように、出力端子部T2の形成領域において、金属カバー27T2上の第2保護膜28を、第2保護膜28の表面28a側から、第7マスクを用いてドライエッチングにより除去することで、第2保護膜28に、コンタクトホールCH6を形成する。これにより、コンタクトホールCH6内において、金属カバー27T2が露出する。なお、金属カバー27T2の端部は第2保護膜28に覆われている。
【0082】
このように、工程S22では、第1配線21Wの一部上の第2保護膜28およびゲート絶縁膜22を一括で除去することでコンタクトホールCH4・CH5を形成している。このため、2層の無機絶縁膜それぞれ別々にコンタクトホールを形成することで2層の無機絶縁膜を貫通するコンタクトホールを形成する場合とは異なり、第2保護膜28およびゲート絶縁膜22にコンタクトホールCH4・CH5を形成するためのマスクは1種類で済む。このため、高価なマスクの枚数を抑えて、表示装置1を製造することができる。これにより、表示装置1の製造コストを下げることができる。
【0083】
また、本実施形態に係る表示装置1の製造方法では、第2保護膜28およびゲート絶縁膜22をドライエッチングにより一括で除去することで、コンタクトホールCH4・CH5を形成している。このため、図12(c)に示すように、コンタクトホールCH4内の内壁である、ゲート絶縁膜22の内壁22b4と、第2保護膜28の内壁28b4との間に段差が生じることを抑えることができる。換言すると、コンタクトホールCH4内の内壁である、ゲート絶縁膜22の内壁22b4と、第2保護膜28の内壁28b4とは連続する同一の面に含まれるように形成されている。また、図13(c)に示すように、コンタクトホールCH5内の内壁である、ゲート絶縁膜22の内壁22b5と、第2保護膜28の内壁28b5との間に段差が生じることを抑えることができる。換言すると、コンタクトホールCH5内の内壁である、ゲート絶縁膜22の内壁22b5と、第2保護膜28の内壁28b5とは連続する同一の面に含まれるように形成されている。
【0084】
そして、図7の工程S23において、例えば、タッチパネル電極部(第1導電層)29TP、第2接続部(第1導電層)29C2、入力端子パッド(第1導電層)29T1および出力端子パッド(第1導電層)29T2それぞれを、同一工程および同一の金属材料により、第8マスクを用いて形成する。第8マスクは、タッチパネル電極部29TP、第2接続部29C2、入力端子パッド29T1および出力端子パッド29T2それぞれのパターンが形成されたマスクである。工程S23において、タッチパネル電極部29TP、第2接続部(第1導電層)29C2、入力端子パッド(第1導電層)29T1および出力端子パッド29T2それぞれは、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)等の透明な導電材料により、例えば、第8マスクを用いたスパッタリング法等によって形成される。
【0085】
すなわち、図11(d)に示すように、表示領域DAの形成領域においては、画素領域Pixに跨るようにタッチパネル電極部29TPを、第8マスクを用いて形成することで、コンタクトホールCH3を介して、タッチパネル電極部29TPはタッチパネル配線27TPWと接続される。すなわち、第3コンタクトホールの底面において、タッチパネル電極部29TPは、露出していたタッチパネル配線27TPWと接触する。これにより、表示領域DAにおいて、画素領域Pixが完成する。
【0086】
また、図12(d)に示すように、引き回し配線Wの形成領域において、第2接続部29C2を、コンタクトホールCH2の周囲、コンタクトホールCH2内およびコンタクトホールCH4内に、第8マスクを用いて形成する。例えば、第2接続部29C2を、コンタクトホールCH2の面積より大きく形成する(図4)。これにより、第2接続部29C2は、コンタクトホールCH2内の底面において金属カバー27C2と接触することで金属カバー27C2を介して第2配線24Wと電気的に接続され、コンタクトホールCH4内の底面において第2配線24Wと接触する。これにより、切り替えコンタクト部9および引き回し配線Wが完成する。引き回し配線Wは、切り替えコンタクト部9を介して、互いに異なる層である第1配線21Wと第2配線24Wとが電気的に接続される。具体的には、第2配線24Wは、切り替えコンタクト部9において、第2接続部29C2、金属カバー27C2を介して第1配線21Wと接続される。
【0087】
上述のように、コンタクトホールCH4の内壁のうち、ゲート絶縁膜22における内壁22b4と、第2保護膜28における内壁28b4とは、連続する同一の面として形成さている。このため、コンタクトホールCH4内の底面において、第1配線21Wと第2接続部29C2とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、第1配線21Wと第2接続部29C2との間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0088】
また、図13(d)に示すように、入力端子部T1の形成領域において、入力端子パッド29T1を、コンタクトホールCH5の周囲の第2保護膜28上およびコンタクトホールCH5内に、第8マスクを用いて形成する。これにより、入力端子パッド29T1は、コンタクトホールCH5内の底面において、露出していた入力端子配線21T1と接触する。これにより、入力端子部T1が完成する。また、図13(d)に示すように、出力端子部T2の形成領域において、出力端子パッド29T2を、コンタクトホールCH6の周囲の第2保護膜28上およびコンタクトホールCH6内に形成する。これにより、出力端子パッド29T2は、コンタクトホールCH6を介して、コンタクトホールCH6内の底面において露出していた金属カバー27T2と接触する。これにより、出力端子パッド29T2は、金属カバー27T2を介して出力端子配線24T2と電気的に接続される。そして、これにより、出力端子部T2が完成する。
【0089】
上述のように、コンタクトホールCH5の内壁のうち、ゲート絶縁膜22における内壁22b5と、第2保護膜28における内壁28b5とは、連続する同一の面として形成さている。このため、コンタクトホールCH5内の底面において、入力端子配線21T1と入力端子パッド29T1とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、入力端子配線21T1と入力端子パッド29T1との間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0090】
このように本実施形態に係る表示装置1によると、コンタクトホールCH1(図11(d))の内壁である、第1保護膜25の内壁25b1と、平坦化膜26の内壁26b1とは、連続する同一の平面に含まれる。このため、コンタクトホールCH1内の底面において、ドレイン電極24DEと画素領域内金属パターン27とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、ドレイン電極24DEと画素領域内金属パターン27との間の電気的な特性の低下を防止することができる。すなわち、ドレイン電極24DEと、第1接続部27C1を介して接続される画素電極27Pとの間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0091】
また、コンタクトホールCH2(図12(d))の内壁である、第1保護膜25の内壁25b2と、平坦化膜26の内壁26b2とは、連続する同一の面に含まれる。このため、コンタクトホールCH2内の底面において、第2配線24Wと金属カバー27C2とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、第2配線24Wと金属カバー27C2との間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0092】
また、コンタクトホールCH4(図12(d))の内壁である、ゲート絶縁膜22における内壁22b4と、第2保護膜28における内壁28b4とは、連続する同一の面として形成さている。このため、コンタクトホールCH4内の底面において、第1配線21Wと第2接続部29C2とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、第1配線21Wと第2接続部29C2との間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0093】
また、コンタクトホールCH5(図13(d))の内壁である、ゲート絶縁膜22における内壁22b5と、第2保護膜28における内壁28b5とは、連続する同一の面として形成さている。このため、コンタクトホールCH5内の底面において、入力端子配線21T1と入力端子パッド29T1とが接触する面積が小さくなることを防止することができ、入力端子配線21T1と入力端子パッド29T1との間の電気的な特性の低下を防止することができる。
【0094】
加えて、本実施形態に係る表示装置1によると、工程S18において平坦化膜26の表面26aに形成された凹凸を、工程S19にて平坦化している。これにより、平坦化膜26の表面26aに形成した、図11(d)に示す、第1接続部27C1、画素電極27Pおよびタッチパネル配線27TPW、図12(d)に示す金属カバー27C2等、平坦化膜26の表面26a上の各種電極および配線を、平坦化膜26の表面26aの表面から剥がれずに所望のパターンにて形成することができる。
【0095】
上述のように、本実施形態に係る表示装置1によると、工程S22において、ゲート絶縁膜22および第2保護膜28を一括で除去することでコンタクトホールCH4・CH5(図12(c)・13(c))を形成しているため、ゲート絶縁膜22および第2保護膜28のうち、ゲート絶縁膜22だけをパターニングするためのマスクを減らすことができる。
【0096】
また、本実施形態に係る表示装置1によると、工程S17において、平坦化膜26をマスクとして、第1保護膜25にコンタクトホールを形成し、この結果、平坦化膜26および第1保護膜25を貫通するコンタクトホールCH1・CH2(図8(e)・図9(e))を形成している。このため、平坦化膜26および第1保護膜25のうち、第1保護膜25だけをパターニングするためのマスクを減らすことができる。
【0097】
これにより、従来の表示装置の製造方法と比べて、製造コストを抑えることができる。例えば、従来の表示装置の製造方法は10枚のマスクが必要であったところ、本実施形態に係る表示装置1の製造方法によると、8枚のマスクを用いればよい。
【0098】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13