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特許7208923改良された感触ポジショナを備えたトランスミッションシフター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】改良された感触ポジショナを備えたトランスミッションシフター
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
B60K20/02 A
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2019564014
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 US2018034123
(87)【国際公開番号】W WO2018217886
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】62/510,431
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】バグレイ, ジョン トーマス
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102011012105(DE,A1)
【文献】実開昭63-118621(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
複数のギア位置間を移動するために、前記ベース上に動作可能に支持されたセレクタと、
前記ベースと前記セレクタの間に協働して画定された位置決め機構であって、
前記複数のギア位置を協働して画定する第1および第2のシフト経路と、
係合位置に付勢され、それぞれ前記第1および第2のシフト経路に摺動可能に係合する第1および第2の戻り止めであって、
前記セレクタの動作が、前記第1および第2の戻り止めに対して前記対向する第1および第2のシフト経路を摺動可能に動作し、前記複数のギア位置の各ギア位置は、前記第1の戻り止めを第1の方向に付勢する前記第1のシフト経路と、前記第2の戻り止めを前記第1の方向に対向する第2の方向に付勢する前記第2のシフト経路とが単独ではなく協働によって画定される、第1および第2の戻り止めとを含む、
位置決め機構と、を含む、車両用セレクタ装置。
【請求項2】
前記第1および第2のシフト経路は、傾斜部を含む波状経路である、請求項1に記載のセレクタ装置。
【請求項3】
前記第1および第2のシフト経路の前記傾斜部が協働して、前記第1および第2の戻り止めを、対向する第1および第2の方向にそれぞれ付勢する、請求項2に記載のセレクタ装置。
【請求項4】
前記第1のシフト経路が前記セレクタ上に配置され、前記第1の戻り止めが前記ベース上に配置される、請求項2~3のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項5】
前記第1および第2のシフト経路は、前記第1および第2の戻り止めに対して回転動作可能である、請求項2~4のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項6】
前記第1および第2のシフト経路の前記傾斜部が、前記複数のギア位置を画定し、各シフト位置は、前記第1および第2のシフト経路の対応する傾斜部の中間セクション内に画定される、請求項2~5のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項7】
前記戻り止めが、前記ベース内に配置されたバネによって前記係合位置に付勢される、請求項1~6のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項8】
前記セレクタが、ラジアルシフターである、請求項1~7のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項9】
前記セレクタが、線形に動作可能なシフターである、請求項1~8のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項10】
前記セレクタがノブである、請求項1~9のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項11】
ベースと、
複数のギア位置間を移動するために、前記ベース上に動作可能に支持されたセレクタと、
前記ベースと前記セレクタの間に協働して画定された位置決め機構であって、
前記複数のギア位置を協働して画定する第1および第2の波状経路を有する波状部分と、
前記第1および第2の波状経路にそれぞれ摺動可能に係合する第1および第2の戻り止めであって、前記複数のギア位置の各ギア位置は、前記第1の戻り止めを第1の方向に付勢する前記第1の波状経路と、前記第2の戻り止めを前記第1の方向に対向する第2の方向に付勢する前記第2の波状経路とが単独ではなく協働によって画定される、第1および第2の戻り止めとを含む、
位置決め機構と、を含む、車両用セレクタ装置。
【請求項12】
前記第1および第2の波状経路が協働して、前記第1および第2の戻り止めをそれぞれ対向する第1および第2の方向に付勢する、請求項11に記載のセレクタ装置。
【請求項13】
前記第1および第2の戻り止めは、それぞれの平行な長手方向軸に沿って、前記波状部分と接触する係合位置に向かって付勢される、請求項11~12のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項14】
前記第1および第2の戻り止めが、通常、それぞれの平行な長手方向軸に垂直に延びる平面に対して固定される、請求項11~13のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項15】
前記第1の波状経路が前記セレクタ上に配置され、前記第1の戻り止めが前記ベース上に配置される、請求項11~14のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項16】
前記第1および第2の波状経路は、前記第1および第2の戻り止めに対して回転動作可能である、請求項11~15のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項17】
前記第1および第2の波状経路の傾斜部が、前記複数のギア位置を画定し、各シフト位置が前記第1および第2の波状経路の対応する傾斜部の中間セクション内に画定される、請求項11~16のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項18】
前記セレクタがラジアルシフターである、請求項11~17のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項19】
前記セレクタが、線形に動作可能なシフターである、請求項11~18のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項20】
ベースと、
駐車、リバース、ニュートラル、ドライブを含むギア位置間を移動するために、前記ベースに動作可能に支持されたシフターと、
前記シフター上で動作し、前記ギア位置を画定する少なくとも1つの共通中心点を画定するが、前記共通中心点に向かって傾斜する対向する傾斜を画定する第1および第2の波形を含む、感触ポジショナ機構と、を含み、
前記感触ポジショナ機構は、前記第1および第2の波形に対してそれぞれ付勢された第1および第2の戻り止めをさらに含み、前記第1の戻り止めは、前記関連する傾斜に係合することを含んで前記第1の波形に動作可能に係合し、前記シフターを第1のセンタリング力で、第1の方向から前記共通中心点に向かって付勢し、前記第2の戻り止めは、前記関連する傾斜に係合することを含んで第2の波形に動作可能に係合し、前記シフターを第2のセンタリング力で、第2の方向から前記共通中心点に向かって付勢し、前記ギア位置の選択されたギア位置にあるとき、第1および第2のセンタリング力が、前記シフターからのラッシュを除去するために組み合わされる、車両用セレクタ装置。
【請求項21】
前記第1および第2の波形が単独ではなく協働して、前記選択されたギア位置の前記共通中心点を画定する、請求項20に記載のセレクタ装置。
【請求項22】
前記シフターは、軸を中心として前記ベース上で回転するように取り付けられ、前記第1および第2の波形は、前記軸の周りのオフセット位置に配置される、請求項20~21のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項23】
前記第1および第2の波形を含み、追加の波形をさらに含む第1および第2の表面をさらに含み、前記第1、第2、および追加の波形は、前記ギア位置、駐車、リバース、ニュートラル、およびドライブを画定する、請求項20~22のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項24】
前記シフターは、軸を中心に前記ベース上で回転するように取り付けられ、前記第1および第2の戻り止めは、前記軸に平行な方向に沿って前記第1および第2の波形と係合する、請求項20~23のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項25】
前記シフターは、軸を中心に前記ベース上で回転するように取り付けられ、前記第1および第2の戻り止めは、前記軸に垂直な方向に沿って前記第1および第2の波形に向かって延び、
前記第1および第2の戻り止めは、バネ付勢されており、前記第1および第2の波形と摺動的に係合する戻り止め部材を含む、請求項20~24のいずれか1項以上に記載のセレクタ装置。
【請求項26】
ギア位置間の移動のためにベース上で動作可能に支持されたレバーシフターと、
オフセット戻り止め部材を備えた感触ポジショナ機構であって、前記オフセットおよび分離された戻り止め部材は、第1の付勢力で前記レバーシフターを、選択されたギア位置を画定する共通中心点に向かって、第1の方向から付勢するための第1の波形と係合する第1の戻り止めと、第2の付勢力で前記レバーシフターを、前記選択されたギア位置の前記共通中心点に向かって、共通中心点に対して異なる第2の方向から付勢するための第2の波形と係合する第2の戻り止めとを含み、前記第1および第2の波形は、前記第1および第2の付勢力の間にラッシュ許容ゾーンなしに、前記第1および第2の両方向から、前記共通中心点に向かって、所望のレベルの付勢力を提供する、前記共通中心点に向かう対向する角度の傾斜を画定する、感触ポジショナ機構と、を含む、車両用セレクタ装置。
【請求項27】
ベースと、駐車、リバース、ニュートラル、ドライブを含むギア位置間を移動するために前記ベース上で動作可能に支持されているセレクタと、前記セレクタ上で動作する感触ポジショナ機構とを備える、セレクタ装置において、
前記ギア位置を画定する少なくとも1つの共通中心点と、前記共通中心点に向かって傾斜する対向する傾斜を画定する第1および第2の波形を含む、感触ポジショナ機構と、
前記第1および第2の波形に対してそれぞれ付勢された第1および第2の戻り止めをさらに含み、前記第1の戻り止めは、前記関連する傾斜に係合することを含んで前記第1の波形に動作可能に係合し、前記セレクタを第1のセンタリング力で、第1の方向から前記共通中心点に向かって付勢し、前記第2の戻り止めは、前記関連する傾斜に係合することを含んで第2の波形に動作可能に係合し、前記セレクタを第2のセンタリング力で、第2の方向から前記共通中心点に向かって付勢し、前記ギア位置の選択されたギア位置にあるとき、第1および第2のセンタリング力が、前記セレクタからのラッシュを除去するために組み合わされる、前記感触ポジショナ機構と、を含むセレクタ装置。
【請求項28】
独立して動作可能な第1および第2のフォロワ部を有する戻り止めアセンブリと、
前記戻り止めアセンブリと協働して複数のギア位置を画定するカム表面であって、各ギア位置は、カム表面が前記第1および第2のフォロワ部を、対向しおよび個々の第1および第2の方向に付勢することによって特徴付けられる、カム表面とを含む、車両用セレクタ装置。
【請求項29】
前記第1および第2のフォロワ部は、互いに遠位に配置された第1および第2の戻り止めを含む、請求項28に記載のセレクタ装置。
【請求項30】
前記カム表面が複数の傾斜部を含む、請求項28に記載のセレクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セレクタ位置およびその間のノイズおよびラッシュを低減または除去するように構成された感触ポジショナを備えた車両トランスミッション位置セレクタに関する。
【背景技術】
【0002】
車両トランスミッションシフターには、通常、車両の運転者に、トランスミッションシフターが駐車、リバース、ニュートラル、またはドライブなどの選択されたギアシフト位置に到達したことを「感じ」させる感触ポジショナ機構が含まれる。従来の感触ポジショナ機構は、ギアシフト位置の中心点に一致する波形のくぼみを備えた、波状の表面を乗り越える戻り止めを提供することによりこれを行ってきた。ただし、問題は、シフターが各ギアシフト位置におよびそこを通過して移動するとき、ノイズ、ゆるみ(「ラッシュ」と呼ばれることが多い)、およびスムーズなシフトに関する相反するシフター要件をもたらすことである。例えば、くぼみはそれぞれ、選択されたシフト位置の中心点におよびそこからスライドするときに、感触ポジショナの戻り止めの出入りを容易にする上向きに開いた弧を含むので、戻り止めが、関連する波状の表面の傾斜をのぼり、選択された波形の底部(つまり、その中心点)を出始めるとき、選択されたシフト位置のいずれかの側にすぐ隣接すると、シフターの自然なラッシュがある。従来のシフターでは、ノイズを低減する動機により、シフター内のラッシュが増加した。感触ポジショナ機構に力を加えると、スムーズなシフターの動きに望ましくなく悪影響を及ぼし、シフトレバーが戻り止め位置に移動するとき、感触ポジショナが、「スナップ」する(またはカチッと音を立てる)ので、ノイズの過度のおよび望ましくないレベルをもたらしえるので、このラッシュを除去することは難しかった。また、ラッシュおよび/またはノイズは、シフターの構成部品の摩耗とシフトにより、時間とともに増加する傾向がある。
【0003】
車両トランスミッションシフターのラッシュを克服またはより良く制御する感触ポジショナ機構を提供し、設計が柔軟でありながら、部品が比較的少なく、部品のコストが低く、アセンブリのコストが低く、および既知の技術を利用する、感触ポジショナ機構を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様では、セレクタ装置は、ベースと、駐車、リバース、ニュートラル、ドライブを含むギア位置間を移動するためにベースで動作可能に支持されているセレクタと、セレクタで動作する感触ポジショナ機構とを備える。感触ポジショナ機構は、ギア位置の少なくとも1つについて共通中心点を画定するが、共通中心点に向かって傾斜した対向する傾斜を画定する第1および第2の波形を含む。感触ポジショナ機構はさらに、それぞれ第1および第2の波形に対して付勢された第1および第2の戻り止めを含む。第1の戻り止めは、関連する傾斜に係合することを含む、第1の波形に動作可能に係合し、第1のセンタリング力で第1の方向から共通中心点に向かってセレクタを付勢する。第2の戻り止めは、関連する傾斜に係合することを含む、第2の波形に動作可能に係合し、第2のセンタリング力で第2の方向から共通中心点に向かってセレクタを付勢する。選択された1つのギア位置にある場合、セレクタからのラッシュを除去するために、第1および第2のセンタリング力が組み合わされる。
【0005】
本発明の別の態様では、セレクタ装置は、ギア位置間を移動するためにベース上に動作可能に支持されたシフトレバーと、オフセット戻り止め部材を備えた感触ポジショナ機構とを備える。オフセットおよび分離された戻り止め部材は、第1の付勢力で、シフトレバーを第1の方向から、選択されたギア位置の中心に向かって付勢するための第1の波形と係合する第1の戻り止めと、セレクタレバーを、第2の付勢力で、共通中心点に対して異なる第2の方向から、選択されたギア位置の中心に向かって付勢するための第2の波形と係合する第2の戻り止めとを含む。第1および第2の波形は、第1および第2の付勢力の間にラッシュ許容ゾーンがなく、第1および第2の方向の両方から中心点に向かって望ましいレベルの付勢力を提供する共通中心点に向かって対向する角度の傾斜を画定する。
【0006】
本発明の別の態様では、セレクタ装置はベースを含む。複数のギア位置間を移動するために、セレクタがベースに動作可能に支持されている。位置決め機構は、ベースとセレクタの間で協働して画定される。位置決め機構は、複数のギア位置を協働して画定する第1および第2のシフト経路を含む。第1および第2の戻り止めは、係合位置に付勢され、第1および第2の戻り止めは、それぞれ第1および第2のシフト経路に摺動可能に係合する。セレクタの動作は、第1および第2の戻り止めに対して対向する第1および第2のシフト経路を摺動可能に動作させる。複数のギア位置の各ギア位置は、第1の戻り止めを第1の方向に付勢する第1のシフト経路と、第2の戻り止めを第1の方向に対向する第2の方向に付勢する第2のシフト経路とによって画定される。
【0007】
本発明の別の態様では、セレクタ装置はベースを含む。複数のギア位置間を移動するために、セレクタがベースに動作可能に支持されている。位置決め機構は、ベースとセレクタの間で協働して画定される。位置決め機構は、複数のギア位置を協働して画定する第1および第2の波状経路を有する波状部分を含む。第1および第2の戻り止めは、それぞれ第1および第2の波状経路に摺動可能に係合する。複数のギア位置の各ギア位置は、第1の戻り止めを第1の方向に付勢する第1の波状経路と、第2の戻り止めを第1の方向に対向する第2の方向に付勢する第2の波状経路とによって画定される。
【0008】
本発明の別の態様では、車両用のセレクタ装置は、独立して動作可能な第1および第2のフォロワ部を有する戻り止めアセンブリを含む。カム表面は、戻り止めアセンブリと協働して、複数のギア位置を画定する。各ギア位置は、カム表面が第1および第2のフォロワ部を対向する個々の第1および第2の方向に付勢することによって特徴付けられる。
【0009】
本発明の目的は、選択されたギア位置に出入りする際に、セレクタ内のラッシュを増加させることなくノイズを低減するが、部品をほとんど使用せず、低コストの部品を使用し、低コストのアセンブリを提供し、および、シフトレバーの感触位置決めための一般的に知られているまたは同様の技術を使用する、柔軟な設計を提供することである。
【0010】
本発明のこれらおよび他の態様、目的および特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲および添付の図面を検討することにより、当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、シフター位置決め機構の一態様を組み込んだシフター装置の分解斜視図である。
図2図2は、図1のシフト経路の概略断面図である。
図3図3は、シフト位置決め機構の一態様を組み込んだシフター装置の分解斜視図である。
図4図4は、シフター経路の一態様を示す図3のシフターの立面図である。
図5図5は、シフト位置決め機構の第1のギア位置を示す概略図である。
図6図6は、シフト位置決め機構の第2のギア位置を示す概略図である。
図7図7は、シフト位置決め機構の第3のギア位置である。
図8図8は、シフト位置決め機構の第4のギア位置。
図9図9は、シフターのギア位置を協働して画定するためのシフト位置決め機構の第1および第2のシフト経路のオーバーレイを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本書での説明の目的で、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」といった用語、およびそこから派生したものは、図1で方向付けられたように本発明に関連するものとする。ただし、当然のことながら、それに反して明示的に特定された場合を除き、本発明は、これと代わるさまざまな向きをとってもよい。また、当然のことながら、添付した図面に図示し、以下の明細書で説明した特定の装置およびプロセスは、添付した特許請求の範囲に規定された発明の概念の単なる例示的実施形態にすぎない。よって、特許請求の範囲でそうでないことが明示的に述べられていない限り、本明細書で開示された実施形態に関連する具体的な寸法およびその他の物理的特性は、限定とはみなされない。
【0013】
図1図9に例示されるように、参照番号10は一般に、車両のさまざまなセレクタ位置またはギア位置14の間を滑らかに移行するための感触ポジショナ機構12を組み込んだセレクタ位置決め機構を指す。装置のさまざまな態様によれば、セレクタ位置決め機構10は、ベース16と、複数のギア位置14の間を移動するためにベース16上で回転するように動作可能に支持または取り付けられるセレクタ18とを含むことができる。セレクタ位置決め機構10は、ベース16とセレクタ18との間に協働して画定される。セレクタ位置決め機構10は、複数のギア位置14を協働して画定する第1および第2のシフト経路20、22を有するカム表面を含む。セレクタ位置決め機構10はまた、第1および第2のシフト経路20、22に摺動可能に係合する係合位置32に付勢される、通常、第1および第2の戻り止め24、26、または他の同様のフォロワの形態の少なくとも1つの戻り止めアセンブリを含む。第1および第2の戻り止め24、26は、それぞれ第1および第2のシフト経路20、22と摺動可能に係合する。セレクタ18の動作は、第1および第2の戻り止め24、26に対して対向する第1および第2のシフト経路20、22を摺動可能に動作させる。このように、複数のギア位置14の各ギア位置は14、第1の戻り止め24を第1の方向28に付勢する第1のシフト経路20と、第2の戻り止め26を第1の方向28に対向する第2の方向30に付勢する第2のシフト経路22とによって画定される。第1および第2のシフト経路20、22および第1および第2の戻り止め24、26を使用して、各ギア位置14は、セレクタ18をベース16に対して特定の位置に配置する対向する付勢力によって画定される。
【0014】
図1~7に例示されるように、第1および第2のシフト経路20、22は、さまざまな傾斜部42を含む波状経路40を含むことができる。第1および第2のシフト経路20、22の傾斜部42は、協働して、第1および第2の戻り止め24、26の形態のフォロワ部を、それぞれ対向する第1および第2の方向28、30に付勢する。したがって、特定のギア位置14では、第1の戻り止め24は、第1のシフト経路20の対応する傾斜部42によって第1の方向28に向かって付勢される。同時に、第2の戻り止め26は、第2のシフト経路22の傾斜部42によって第2の方向30に向かって付勢される。対向する第1および第2の方向28、30に加えられ、第1および第2のシフト経路20、22の傾斜部42によって生成されるこれらの対向する付勢力64は、ベース16に対し、セレクタ18の正確に配置されたギア位置14を効果的に作成する。これらの正確かつ精度のあるギア位置14は、通常、第1および第2の戻り止め24、26の厚さ46を大きく超える周期数44で離間する、傾斜部42を含む第1および第2のシフト経路20、22の波状経路40を使用することによって生成されうる。この周期数44の間隔および第1および第2の戻り止め24、26の厚さ46は、第1の戻り止め24と第1のシフト経路20との間の単一の接触点と、第2の戻り止め26と第2のシフト経路22別個の単一の接触点とを生成する。
【0015】
図3~6に例示されるように、第1および第2のシフト経路20、22の波状経路40によって形成される傾斜部42は、第1および第2のシフト経路20、22が、傾斜部42の交互の波形を作り出すように協働して配置される。第1および第2のシフト経路20、22の波形および傾斜部42を交互にすることにより、第1および第2のシフト経路20、22は、間隔を空けて、協働してセレクタ18の正確なギア位置14を形成する。
【0016】
図7に例示されるように、デバイスのさまざまな態様によれば、第1および第2のシフト経路20、22の協働は、第1および第2のシフト経路20、22の対向する傾斜部42によって画定される半くぼみ60を形成することができる。半くぼみ60のそれぞれは、共通中心点62または対応するギア位置14に向かって角度が付けられた第1のシフト経路20の傾斜部42によって画定される。それぞれのギア位置14に対応する他の対向する傾斜部42は、第2のシフト経路22上に位置する。第1および第2のシフト経路20、22のこの構成により、第1および第2のシフト経路20、22にわたって画定される対向する傾斜部42は、セレクタ18を特定のギア位置14に正確に位置決めする対向する付勢力64を生成する役割を果たす。この構成はまた、複数のギア位置14のうちの選択されたギア位置14にあるときにセレクタ18からのラッシュおよび過剰なノイズを除去または実質的に除去するために組み合わされる。
【0017】
装置のさまざまな態様によれば、第1および第2のシフト経路20、22ならびに第1および第2の戻り止め24、26は、ベース16およびセレクタ18上に配置される。第1および第2のシフト経路20、22および第1および第2の戻り止め24、26の正確な位置決めは、特定のセレクタ18の正確な構成に応じて変えることができる。限定ではなく例として、第1および第2の戻り止め24、26をベース16に配置し、第1および第2のシフト経路20、22をセレクタ18の一部に配置することができる。この構成は逆にすることもできる。セレクタ18が第1の戻り止め24および第2のシフト経路22を含むことができ、ベース16が第2の戻り止め26および第1のシフト経路20を含むことができることも考えられる。
【0018】
デバイスのさまざまな態様によれば、第1の戻り止め24は、通常、単一の触点または接触領域で第1のシフト経路20に係合するように構成されることが考えられる。同様に、第2の戻り止め26は、通常別個の単一の接触点または接触領域で、第2のシフト経路22に係合するように構成される。第1および第2の戻り止め24、26は、通常、それぞれの平行な長手方向軸70に沿って付勢される。第1および第2の戻り止め24、26は、バネ、弾性部材、ベース16および/またはセレクタ18の弾性部分、ならびに第1および第2の戻り止め24、26を、第1および第2のシフト経路20、22を有する係合位置32に配置するのに役立つ他の同様の付勢機構72によって付勢されることができる。
【0019】
図1および図2に例示されるように、セレクタ18は、図1に例示されるように、レバー82を有するラジアルまたはロータリーシフター80の形態または、図2に例示されるように、回転ノブ84の形態でありうる。これらの構成では、第1および第2のシフト経路20、22は、セレクタ18に対して同心円状に湾曲するように配置することができる。
【0020】
装置のさまざまな態様によれば、本明細書に記載のセレクタ位置決め機構10は、線形に動作可能なセレクタ18内でも使用することができる。このような実施形態では、第1および第2のシフト経路20、22は、線形に動作可能なセレクタ18の両側に配置することができ、第1および第2の戻り止め24、26は、第1および第2のシフト経路20、22に係合するように鉛直または横方向に配置することができる。第1および第2の戻り止め24、26は、セレクタ18の回転軸に実質的に垂直な方向に沿って第1および第2のシフト経路20、22に向かって延びている。セレクタ18の線形動作は、セレクタ18の特定のギア位置14の位置を特定するための対向する付勢力64を生成する働きをすることができる。
【0021】
図1図7に例示されるように、第1および第2の戻り止め24、26は通常、第1および第2の戻り止め24、26が、それぞれの平行な長手方向軸70に沿って、第1および第2のシフト経路20、22を含む波状部分110と接触している係合位置32に向かって付勢されうるように互いに対して回転可能に固定される。さらに、第1および第2の戻り止め24、26は、通常、それぞれの平行な長手方向軸70に垂直に延びる平面90に対して固定されている。このように、ベース16は通常、第1および第2の戻り止め24、26と、第1および第2の戻り止め24、26を係合位置32に向かって付勢する付勢機構72の両方を含む単一部材である。このようにして、ベース16は、第2の戻り止め26に対して第1の戻り止め24を回転可能に固定することができる棒、ディスク、プレート、または他の部材とすることができる。
【0022】
再び、図1~7を参照して、第1および第2のシフト経路20、22の傾斜部42は、複数のギア位置14を画定する役割を果たす。各ギア位置14は、第1および第2のシフト経路20、22の傾斜部42のさまざまなセクション内に画定することができる。限定ではなく例として、第1および第2のシフト経路20、22の対応する傾斜部42の中間セクション100は、特定のシフト位置またはギア位置14を画定することができる。ギア位置14を、第1および第2のシフト経路20、22の対向する傾斜部42の中間セクション100内に配置することにより、特定のギア位置14への、および特定のギア位置14からの第1および第2の戻り止め24、26の移動は、第1および第2の戻り止め24、26が、第1および第2のシフト経路20、22のほぼ平坦な傾斜部42に沿って摺動可能に動作する概して滑らかな動作の形態であり得る。第1および第2のシフト経路20、22に対する第1および第2の戻り止め24、26のこの構成された移動は、セレクタ18がセレクタ18のさまざまなギア位置14に出入りする際のラッシュおよびノイズを最小限に抑えるのに役立つ。
【0023】
再び、図1~7を参照して、車両セレクタ18は、ベース16と、複数のギア位置14の間を移動するためにベース16上に動作可能に支持されるセレクタ18とを含むことができる。セレクタ位置決め機構10は、ベース16とセレクタ18との間に協働して形成され、波状の第1および第2のシフト経路20、22を含む波状部分110を含む。前述のように、波状の第1および第2のシフト経路20、22は、複数のギア位置14を協働して画定する。第1および第2の戻り止め24、26は、それぞれ波状の第1および第2のシフト経路20、22と摺動可能に係合する。複数のギア位置14の各ギア位置14は、第1の戻り止め24を、第1の方向28に付勢する波状の第1のシフト経路20と、第2の戻り止め26を、第1の方向28に対向する第2の方向30に付勢する波状の第2のシフト経路22とによって画定される。対向する第1および第2の方向28、30に加えられる付勢力64は、セレクタ18を特定のギア位置14内に正確かつ実質的に正確に配置する。
【0024】
再び、図1~7を参照して、第1および第2の戻り止め24、26の付勢機構72は、第1および第2のシフト経路20、22に向かって線形の付勢力64を加える。特定のギア位置14では、第1および第2の戻り止め24、26によって加えられるこれらの付勢力64は、互いに実質的に等しい。セレクタ18が特定のギア位置14から出ると、一方の戻り止めがベース16内に圧縮され、第1および第2の戻り止め24、26の他方の戻り止めがベース16からさらに外側に延びる。ベース16に圧縮される戻り止めは、位置エネルギーを蓄積し、第1および第2のシフト経路20、22の対応する傾斜部42に対してより大きな付勢力64を加える。必然的に、対応する第1の方向28(または第2の方向30)における付勢力64の大きさも大きくなる。ベース16からさらに遠くに移動した第1および第2の戻り止め24、26の他方は、減少した位置エネルギーを有し、第1および第2のシフト経路20、22のそれぞれの傾斜部42に対してより小さな付勢力64を加える。対応する第2の方向30(または第1の方向28)の付勢力64の大きさも減少する。したがって、セレクタ18が特定のギア位置14から出ると、第1および第2の戻り止め24、26によって第1および第2の方向28、30に加えられる付勢力64は等しくなくなる。第1および第2の戻り止め24、26によって加えられるこれらの不均一な付勢力64は、セレクタ18を特定のギア位置14に向けて戻す傾向がある。同様に、セレクタ18が複数のギア位置14のうちの別のギア位置14に向かって移動するとき、セレクタ18が特定のギア位置14に移動するまで、第1および第2の戻り止め24、26によって加えられる付勢力64は等しくないままである。再び、特定のギア位置14において、第1および第2の戻り止め24、26は、傾斜部42で、それぞれの第1および第2のシフト経路20、22に対して同様の付勢力64を加える。
【0025】
装置のさまざまな態様によれば、本明細書で説明するセレクタ位置決め機構10のさまざまな態様を利用するセレクタ18は、駐車、リバース、ニュートラル、ドライブ、ローギア、マニュアルシフト位置、およびその他の同様のトランスミッション設定などの従来の車両トランスミッションギアに対応するさまざまなギア位置14の間を移動するギアセレクタ18を含むことができる。さらに、本明細書で説明するセレクタ位置決め機構10を利用するセレクタ18は、さまざまなドライブ設定間で車両を移行させるセレクタ18を含むことができる。このような設定には、冬季運転設定、砂運転設定、上り坂または下り坂運転設定、および車両を取り巻く特定の運転条件または運転環境に関連する他の同様の設定が含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
したがって、本発明の概念から逸脱することなく、前述の構造に対して変更および修正を行うことができることを理解されたい。さらに、そのような概念は、言語によるこれらの請求項が明示的に別段の記載をしない限り、以下の請求項によってカバーされることを意図していることを理解されたい。
図1
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図9