IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフトの特許一覧

特許7208996移動対象物上にある測定箇所を位置決めする方法
<>
  • 特許-移動対象物上にある測定箇所を位置決めする方法 図1
  • 特許-移動対象物上にある測定箇所を位置決めする方法 図2
  • 特許-移動対象物上にある測定箇所を位置決めする方法 図3
  • 特許-移動対象物上にある測定箇所を位置決めする方法 図4
  • 特許-移動対象物上にある測定箇所を位置決めする方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】移動対象物上にある測定箇所を位置決めする方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
G01B11/00 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020529470
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 AT2018060280
(87)【国際公開番号】W WO2019104363
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】A50991/2017
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514248880
【氏名又は名称】ヘン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン モースブルッガー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス グラツィアデイ
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-175866(JP,A)
【文献】特開平10-170228(JP,A)
【文献】特表2017-516036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(5)上で位置が定まった主要部(8)について、第1の測定装置(14)の少なくとも1つの第1の測定箇所(15)又は第1の測定窓を位置決めする方法であり、前記対象物(5)が位置の定まった主要部(8)と共に調整路に沿って移動する方法であって、
前記方法は、
少なくとも1つの第1の光学的な検出領域(10)を形成し、該少なくとも1つの第1の光学的な検出領域(10)の内部で、前記対象物(5)上で位置が定まった主要部(8)の実際の位置を前記少なくとも1つの第1の光学的な検出領域(10)で検出し、
前記対象物(5)上で位置が定まった前記主要部(8)の実際に求められた実際の位置について、所定の第1の間隔(16)で、前記少なくとも1つの第1の測定箇所(15)又は少なくとも1つの第1の測定窓を位置決めして配置し、
前もって位置決めされた少なくとも1つの第1の測定箇所(15)又は前もって位置決めされた少なくとも1つの第1の測定窓において、第1の測定装置(14)によって前記対象物(5)に少なくとも1つの測定工程を実施する、方法において、
少なくとも1つの第2の光学的な検出領域(11)が形成され、
前記少なくとも1つの第2の光学的な検出領域(11)が、前記対象物(5)の移動方向において少なくとも1つの第1の光学的な検出領域(10)の後方に配置され、
少なくとも1つの第1の光学的な検出領域(10)と少なくとも1つの第2の光学的な検出領域(11)が、互いに重なりあって配置され、かつそれらの間に重複部分(13)が形成され、
少なくとも1つの第2の測定箇所(18)又は少なくとも1つの第2の測定窓を有する第2の測定装置(17)が用意され、かつ少なくとも1つの第2の測定箇所(18)又は少なくとも1つの第2の測定窓が、前記対象物(5)上で位置が定まった前記主要部(8)についての所定の第2の間隔(19)で配置され、
前記少なくとも1つの第1の光学的な検出領域(10)と前記少なくとも1つの第2の光学的な検出領域(11)との間の重複部分(13)の内部で、前記対象物(5)上で位置が定まった主要部(8)の実際の位置を検出する際に、少なくとも1つの第1の測定箇所(15)又は少なくとも1つの第1の測定窓を有する前記第1の測定装置(14)が非能動化され、
前記方法は、更に、前もって位置決めされた少なくとも1つの第2の測定箇所(18)又は前もって位置決めされた少なくとも1つの第2の測定窓において、第2の測定装置(17)によって、前記対象物(5)上で少なくとも1つの他の測定工程を実施する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記所定の第1の間隔(16)及び前記所定の第2の間隔(19)は、検出工程の開始時に、前記対象物(5)上で位置が定まった前記主要部(8)について互いに等しく選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の測定箇所(15)又は少なくとも1つの第1の測定窓は、調整路に沿って調整移動する間、前記対象物(5)上で位置が定まった前記主要部(8)から前記所定の第1の間隔(16)で連続して動かされる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2の測定箇所(18)又は少なくとも1つの第2の測定窓は、調整路に沿って調整移動する間、前記対象物(5)上で位置が定まった前記主要部(8)から前記所定の第2の間隔(19)で連続して動かされる、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
複数の第1の測定箇所(15)又は複数の第1の測定窓は、前記第1の測定装置(14)によって形成され、かつ互いに離間して配置される、ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
複数の第2の測定箇所(18)又は複数の第2の測定窓は、前記第2の測定装置(17)によって形成され、かつ互いに離間して配置される、ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記対象物(5)の前記主要部(8)が、前記第1の光学的な検出領域(10)の内部で、かつ前記重複部分(13)の外部にある場合に、複数の測定工程が前記第1の測定装置(14)によって実施される、ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記対象物(5)上の前記主要部(8)が、前記重複部分(13)の内部、又は前記第2の光学的な検出領域(11)の内部にある場合に、複数の測定工程が前記第2の測定装置(17)によって実施される、ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記調整路に沿った調整移動は直線的に実施される、ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記対象物(5)はプラグアッセンブリ(2)によって形成され、該プラグアッセンブリが、特に液状又はガス状の媒体用のパイプ(7)と、該パイプ(7)と接続するプラグコネクタ(6)とを有している、ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物上で位置が定まった主要部についての測定装置及び測定箇所、又は測定窓を位置決めする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同じ出願人の特許文献1は、パイプをプラグコネクタに結合する方法を開示しており、パイプは第1の外被部分と第2の外被部分との間で挟持される。その場合に、プラグコネクタの第1の外被部分がプレス工具によって変形される。制御するために、プレス工程の間プレス工具に加わるプレス力が検出されて、プレス工具の調整距離とプレス力から単位距離あたりのプレス力上昇が計算される。計算されたプレス力上昇が、単位距離あたり少なくとも必要なプレス力上昇と比較される。単位あたり少なくとも必要なプレス力上昇を下回った場合には、プラグコネクタは欠陥があると認識されて、排除することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】オーストリア国特許出願公開第516707(A4)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ユーザーが、前もって定められた主要部の近傍領域内に複数の干渉輪郭を有する移動物体又は移動対象物において、それを確実に認識することができ、かつそれから離間して配置された少なくとも1つの測定箇所又は測定窓において、位置決めされて方向づけされた、確実かつ秩序どおりの測定工程を実施することができる、方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項に記載された方法によって解決される。
【0006】
本発明に係る方法は、対象物上で位置が定まった主要部についての第1の測定装置の少なくとも1つの第1の測定箇所又は第1の測定窓を位置決めするために用いられる。その場合に対象物は、それに配置され又は形成されている主要部と共に固定されているのではなく、調整路に沿って移動する。この方法において、少なくとも以下のステップが実施される。すなわち、
少なくとも1つの第1の光学的な検出領域を形成し、その少なくとも1つの第1の光学的な検出領域を用いて、少なくとも1つの第1の光学的な検出領域の内部で、対象物上で位置が定まった主要部のその時の実際の位置が検出され、
対象物上で位置が定まった主要部の実際に求められた実際の位置に関して、所定の第1の間隔において、少なくとも1つの第1の測定箇所又は少なくとも1つの第1の測定窓を位置決めし、
前もって位置決めされた少なくとも1つの第1の測定箇所又は前もって位置決めされた少なくとも1つの第1の測定窓において、第1の測定装置を用いて、対象物において少なくとも1つの測定工程を実施し、かつその場合に
少なくとも1つの第2の光学的な検出領域が形成され、
少なくとも1つの第2の光学的な検出領域が、対象物の移動方向において、少なくとも1つの第1の光学的な検出領域の後方に配置され、
少なくとも1つの第1の光学的な検出領域と少なくとも1つの第2の光学的な検出領域が、互いに重なり合って配置され、その場合にそれらの間に重複部分が形成され、
少なくとも1つの第2の測定箇所又は少なくとも1つの第2の測定窓を有する第2の測定装置が用意され、少なくとも1つの第2の測定箇所又は少なくとも1つの第2の測定窓が、対象物上で位置が定まった主要部に関して所定の第2の間隔において配置され、
少なくとも1つの第1の光学的な検出領域と少なくとも1つの第2の光学的な検出領域の間の重複部分の内部で、対象物上で位置が定まった主要部の実際の位置の検出中に、第1の測定装置の少なくとも1つの第1の測定箇所又は少なくとも1つの第1の測定窓が非能動化され、
第2の測定装置を用いて、前もって位置決めされた少なくとも1つの第2の測定箇所又は前もって位置決めされた少なくとも1つの第2の測定窓で、対象物において少なくとも1つの他の測定工程を実施する。
【0007】
このやり方において好ましくは、さらに小さい光学的な検出領域、すなわち重複部分内で、第1の測定箇所を有する第1の測定装置から他の測定箇所を有する他の測定装置へ切り替えることによって、高い精度で測定を実施することができる。対象物において選択され、かつあらかじめ定められた主要部の実際の位置を定めるために、検出領域又は検出部分をカバーし、かつ重ねることによって、主要部に隣接して配置された、場合によっては存在する干渉輪郭を衰退させることができる。したがって、対象物における小さい、又ははっきりとしない主要部を測定窓の位置決め用に検出すべき参照点として選択することも可能である。さらにそれによって、それぞれの主要部の位置も、実時間で追従することができる。さらにそれによって、主要部を検出することにより、いつでも蓋然性チェックも可能である。
【0008】
さらに好ましいやり方において、所定の第1の間隔も、所定の第2の間隔も、検出工程の開始時に、対象物上で位置が定まった主要部に関して互いに対して等しく選択される。それによって重複部分内で主要部を検出する場合に、第1と第2の測定窓の間の切替え工程を迅速に実施することができる。
【0009】
他の好ましいやり方は、調整路に沿って調整移動する間に、少なくとも1つの第1の測定箇所又は少なくとも1つの第1の測定窓が、対象物上で位置が定まった主要部から所定の第1の間隔で連続的に移動することを特徴としている。すなわち連続的に移動することによって、それぞれの測定対象物が第1の測定箇所又は第1の測定窓によって検出され、かつ測定工程を実施することができる。
【0010】
ある方法の変形例も効果的であって、それにおいて調整路に沿って調整移動する間、少なくとも1つの第2の測定箇所又は少なくとも1つの第2の測定窓が、対象物上で位置が定まった主要部から所定の第2の間隔で連続的に移動する。したがって、主要部が調整移動する間に、重複領域の内部及び次の第2の光学的な検出領域内で、少なくとも1つの第2の測定箇所において、恒常的な一連の測定を実施することもできる。
【0011】
他のやり方は、複数の第1の測定箇所又は複数の第1の測定窓が第1の測定装置によって形成され、かつそれら第1の測定箇所又はそれら第1の測定窓が互いに離間して配置されていることを、特徴としている。したがって第1の測定箇所又は第1の測定窓の多重配置によって、対象物において複数の好ましくは異なる位置で、測定工程を実施することができる。
【0012】
さらにあるやり方も効果的であって、それにおいて第1の測定装置によって複数の第2の測定箇所又は複数の第2の測定窓が形成され、それら第2の測定箇所又はそれら第2の測定窓が互いに離間して配置されている。すなわち主要部が第2の光学的な検出領域内にある場合でも、対象物において複数の第2の測定箇所又は複数の第2の測定窓で、好ましくは同時に複数の測定を実施することができる。好ましくは複数の第2の測定箇所は、それぞれの対象物において第1の測定箇所又は第1の測定領域と同じ1つ又は複数の場所にある。
【0013】
他の好ましいやり方は、対象物の主要部が第1の光学的な検出領域の内部かつ重複部分の外部にある場合に、第1の測定装置によって複数の測定工程が実施することを特徴としている。したがって複数の測定工程によって、対象物の恒常的な監視と管理を行うことができる。
【0014】
ある方法の変形例も効果的であって、それにおいて対象物の主要部が重複部分の内部、あるいは第2の光学的な検出領域の内部にある場合に、第2の測定装置によって複数の測定工程が実施される。したがって対象物における主要部が第2の光学的な検出領域内にある場合に、対象物のさらなる追跡も実施することができる。
【0015】
他のやり方は、調整移動が調整路に沿って直線的に実施されることを特徴としている。すなわち直線的に形成された調整路を選択することによって、測定箇所又は測定窓の調整された単純な連動を実施することもできる。
【0016】
さらに、効果的なやり方において、対象物がプラグアッセンブリによって形成され、そのプラグアッセンブリが、特に液状又はガス状の媒体用の、パイプ及びパイプと接続すべき、あるいはすでに結合されているプラグコネクタを有している。したがって特に、プラグアッセンブリにおいては、プレス工程の間その正しい実施及びコンポーネントの互いに対する正しい配置を管理し、かつ監視することができる。
【0017】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて本発明を詳細に説明する。
図は、それぞれ著しく簡略化された、図式的な表示である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】プラグアッセンブリとして形成された対象物を内部に有する車両を部分的に切断して示す。
図2】プラグアッセンブリとして形成された対象物を4分の1の断面で示す。
図3図1と2に示す、プラグアッセンブリとして形成された対象物を軸断面かつ第1の検出領域の内部の主要部の第1の位置において示す。
図4図3に示す対象物を、軸断面及び第1と第2の検出領域の間の重複部分の主要部の第2の位置において示す。
図5図3図4に示す対象物を、軸断面かつ第2の検出領域内部の主要部の第3の位置において示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。
【0020】
その場合に「特に」という表現は、以下においては、対象物又は方法ステップの可能な特殊な形態又はより詳細な特殊化と考えることができるが、必ずしもその必然的な好ましい実施形態又は必然的なやり方を示す必要はない。
【0021】
図1には、車両1がその中に組み込まれたプラグアッセンブリ2と共に図式的な表示で示されている。車両1は、特に、内燃機関を有する道路輸送車両である。プラグアッセンブリ2は、たとえば内燃機関への新鮮空気供給の種々のコンポーネントを結合するために使用することができる。たとえば、ターボチャージャ4の吸気領域内の2つの部分を結合するための、それに適したしかるべき対応して係合するプラグコネクタ3を有するプラグアッセンブリ2を設けることができる。さらに、この種のプラグアッセンブリ2によるプラグ接続を、ターボチャージャ4から分岐する圧力側で2つのコンポーネントを接続するために使用することもできる。
【0022】
この種のプラグアッセンブリ2においては、高い品質要請と駆動安全性に基づいて大体において個別の品質管理が実施される。
【0023】
図2において、プラグアッセンブリ2は4分の1が取り除かれた状態で示されており、以下においては一般的に対象物5と称される。プラグアッセンブリ2は、ここではプラグコネクタ6及びそれと接続すべきパイプ7を有している。相互の結合は、大体においてプラグコネクタ6の部分区域の弾性変形によって行われ、プラグコネクタは、たとえば金属の材料から深絞り工程によって形成することができる。これは、好ましくは平面的なシートから行われる。
【0024】
対象物5の、特にそのプラグコネクタ6の、変形及び結合工程の前、及び/又はその間、及び/又はその後に、様々な測定工程を実施することができるようにするために、対象物5、特にプラグコネクタ6に対して1つ又は複数の測定箇所の位置決めされた方向づけが実施される。これは、以下で詳細に説明され、かつ特に、対象物5があらかじめ定められた主要部の近傍領域内に複数のいわゆる干渉輪郭を有する場合に実施される。検出すべき、あるいは認識すべき特徴は、特にはっきりと目立つものとして選択すべきであるが、たとえば隣接する干渉輪郭によって良好に認識できないことがあり、それによって光学的な検出と検出されたものに欠陥が伴うことがあり得る。以下で説明する方法は、プラグアッセンブリ2を形成しない他の対象物5においても適用することができるので、プラグアッセンブリ2は、可能な具体的適用を記述することができるようにするために、単なる例として利用されており、本方法は必ずしもこのコンポーネントに限定されるものではない。少なくとも1つの主要部の認識と検出及び次にそれと結びついた測定工程は、位置訂正として参照されることもできる。
【0025】
図3~5には、可能な方法手順が示されており、それにおいて対象物5、ここではプラグアッセンブリ2において、個々の方法ステップが示され、かつ記述されている。
【0026】
この方法においては、対象物5が少なくとも1つの主要部8を有しており、その主要部が光学的な測定技術によって検出されて、画像処理するシステム内でそれとして認識されるものとする。このテクノロジーは、以前から知られており、したがってそれについて詳細には触れない。主要部8の永続的な追従と安定した認識を保証するために、以下で説明する方法手順及びそれと結びついたステップが選択される。
【0027】
対象物5は、矢印によって記入された調整方向9を有する調整路に沿って移動し、その場合にこの移動は、たとえばパイプ7とのプラグコネクタ6のプレス工程によって、あるいは他のように、行うことができる。その場合に調整移動は、調整路に沿って直線的に行うことができる。対象物5の調整方向9は、好ましくは記入された矢印方向で行われる。
【0028】
対象物5において、ここではプラグアッセンブリ2のプラグコネクタ6において、前もって決定され、又はあらかじめ定められた位置の主要部8を検出して、認識するために、少なくとも1つの第1の光学的な検出領域10と少なくとも1つの第2の光学的な検出領域11が形成される。2つの検出領域10、11は、それぞれ両側に限定線を有するストライプとして示されている。検出領域10、11は、対象物5の長手軸12又は記入されている調整方向9に関して垂直の方向づけで延びるように配置することができる。検出領域10、11を形成し、あるいは定めるそれぞれの測定ユニットの表示は、見やすくするために省かれている。
【0029】
少なくとも1つの第2の光学的な測定領域11は、記入されている調整方向9に基づく対象物5の移動方向において、少なくとも1つの第1の光学的な検出領域10の後方に配置されている。この場合において移動方向は、調整方向9と同一視される。少なくとも1つの第1の光学的な検出領域10と少なくとも1つの第2の光学的な検出領域11は、互いに領域的に重なり合って配置されている。したがってそれらの間には、重複部分13が形成される。重複部分13は、クロスハッチングによって示されており、かつ2つの光学的な検出領域10と11の構成部分である。光学的な検出領域10、11及びそれらの間に形成される重複部分13は、対象物5において定められた主要部8のそのときの実際の位置を検出し、かつ求めるために用いられる。
【0030】
この例においては、左から右へ向かう調整方向9が選択されている。検出すべき主要部8は、対象物5の調整移動の間にまず第1の光学的な検出領域10内へ達する。それによって主要部8の実際の位置は、上述した測定ユニットによって、たとえば座標システム内で一義的に定めることができる。
【0031】
第1の測定装置14によって、測定窓と称することもできる、少なくとも1つの第1の測定箇所15が形成され、あるいは定められる。少なくとも1つの第1の測定箇所15の配置と位置決めは、対象物5上で位置が定まった主要部8の実際に求められた実際位置からの、所定の第1の間隔16において行われる。したがって少なくとも1つの第1の測定箇所15は、実際に検出された主要部8からあらかじめ定められた第1の間隔16で離間して配置されている。すなわち、対象物5における正しい測定場所を求め、かつ見いだすことができる。第1の測定箇所15の位置決めがすでに行われている場合に、第1の測定装置14によって少なくとも1つの測定工程を実施することができる。図3においては、主要部8がまだ第1の光学的な検出領域10の内部にあることが、見られる。
【0032】
図4には、対象物5が選択された主要部8と共に調整路に沿ってさらに調整方向9に移動していることを示している。いまや主要部8は、2つの光学的な検出領域10と11の間の重複部分13内、又はその内部に位置している。
【0033】
対象物5における測定をさらに実施するために、少なくとも1つの第2の測定装置17が設けられており、その測定装置によって少なくとも1つの第2の測定箇所18が形成され、あるいは定められる。第2の測定箇所18は、第2の測定窓と称することもできる。ここでも、少なくとも1つの第2の測定箇所18は、対象物5上で位置が定まった主要部8に関して所定の第2の間隔19で配置される。少なくとも1つの第2の測定箇所18において正確な測定を実施することができるようにするために、第1の測定装置14及びそれに伴って少なくとも1つの第1の測定箇所15も非能動化される。少なくとも1つの他の測定工程の実施は、その少なくとも1つの第2の測定箇所18において第2の測定装置17によって行われる。
【0034】
測定箇所15、18は、対象物5においてそれぞれ正確に位置決めされて方向づけされた測定場所である。すなわち、たとえば1つ又は複数の測定箇所15、18においてコンポーネントの寸法、存在あるいは2つのコンポーネントの間の間隔などを求めることができる。その場合に様々な測定方法及び/又は測定手段を使用することができる。好ましくは、たとえば2Dレーザースキャナ、3Dレーザースキャナ、ヴィジョンセンサ又はカメラシステムのような、非接触の測定手段が使用される。ヴィジョンセンサは、たとえばコンポーネントの方向づけ、コンポーネントの主要部又は特性を、画像比較によって検査することができる。
【0035】
図5にはさらに、主要部8が第2の光学的な検出領域11の内部のみに存在し、かつ第2の測定装置17によって、少なくとも1つの正確に位置決めされて方向づけされた第2の測定箇所18において測定が実施されることが、示されている。
【0036】
主要部8が、光学的な検出領域10、11のいずれにもない場合には、2つの測定装置14、17は非能動化することができる。それによって測定工程も、もはや実施することはできない。主要部8についての参照が存在しないからである。
【0037】
光学的な検出領域10、11を形成し、あるいは定める測定ユニットは、場合によっては制御装置を介在させて、測定装置14、17と通信接続されている。
【0038】
さらに、所定の第1の間隔16も、所定の第2の間隔19も、検出工程の開始時に、対象物5上で位置が定まった主要部8に関して互いに等しく選択することができる。したがって2つの測定装置14、17は、等しく連続して移動することができ、その場合にその能動化及び/又は非能動化は、主要部8のそのときの実際位置に従って行われる。
【0039】
少なくとも1つの第1の測定箇所15又は少なくとも1つの第1の測定窓は、好ましくは調整路に沿った調整移動の間、対象物5において定められた主要部8から所定の第1の間隔16で連続的に移動する。したがっていつでもそれぞれの能動化状態で測定を実施することができる。そしてまた同じことは、少なくとも1つの第2の測定箇所18又は少なくとも1つの第2の測定窓についても言える。
【0040】
対象物5において複数の場所又は箇所においても測定を実施することができるようにするために、複数の第1の測定箇所15又は複数の第1の測定窓を第1の測定装置14によって形成し、あるいは定めることができる。好ましくはそれら第1の測定箇所15又はそれら第1の測定窓は、互いに離間して配置される。これが図3に示唆されている。
【0041】
しかしまた、複数の第2の測定箇所18又は複数の第2の測定窓が第2の測定装置17によって形成され、あるいは定められて、それらが好ましくは互いに離間して配置できることも可能である。これが図4と5に示唆されている。
【0042】
対象物5が少なくともあらかじめ定められた調整路に沿って前進する間、対象物5の主要部8がまだ第1の光学的な検出領域の内部にあるが、まだ重複部分13の外部にある場合に、第1の測定装置14によって複数の測定工程を実施することができる。
【0043】
主要部8がすでに重複部分13の内部に、あるいは第2の光学的な重複部分13内にある場合には、第2の測定装置17によって複数の測定工程を実施することもできる。
【0044】
測定工程においてそれぞれ求められた測定結果は、開ループ制御装置及び/又は閉ループ制御装置へ伝達し、あるいはさらに案内することができる。それぞれの対象物5に従って、メモリ媒体内に1つ又は複数のそれに属する測定結果を記憶することができる。
【0045】
さらに、複数の検出領域を設けて、それらを互いに連結することが可能である。
【0046】
実施例は、可能な実施変形例を示しており、その場合にここに記録しておくが、本発明は具体的に示された実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であり、これらの変形可能性はこの発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。
【0047】
保護領域は、請求項によって定められる。しかし明細書と図面は、請求項を解釈するために利用されるべきである。図示され、かつ説明された様々な実施例からなる個別主要部及び主要部の組合せは、それ自体自立した進歩的解決を表すことができる。自立した進歩的解決の基礎となる課題は、明細書から読み取ることができる。
【0048】
説明中の数値範囲についてのすべての記載は、その任意の部分範囲とすべての部分範囲を共に含むものであって、たとえば記載1から10は、下限の1と上限の10から始まるすべての部分範囲、すなわち下限の1またはそれ以上で始まり、上限の10またはそれ以下で終了する、たとえば1から1.7、または3.2から8.1、あるいは5.5から10のすべての部分範囲を一緒に含んでいるものとする。
【0049】
最後に形式的に指摘しておくが、構造を理解しやすくするために部材は一部縮尺どおりではなく、拡大及び/又は縮小して示されている。
【符号の説明】
【0050】
1 車両
2 プラグアッセンブリ
3 対応して係合するプラグコネクタ
4 ターボチャージャ
5 対象物
6 プラグコネクタ
7 パイプ
8 主要部
9 調整方向
10 第1の検出領域
11 第2の検出領域
12 長手軸
13 重複部分
14 第1の測定装置
15 第1の測定箇所
16 第1の間隔
17 第2の測定装置
18 第2の測定箇所
19 第2の間隔
図1
図2
図3
図4
図5