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特許7209009圧入されるべき充填材料をタブレットプレスのキャビティに充填する充填ユニット及び方法並びにタブレットを製造するモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】圧入されるべき充填材料をタブレットプレスのキャビティに充填する充填ユニット及び方法並びにタブレットを製造するモジュール
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
B30B11/08 A
B30B11/08 F
B30B11/08 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020550846
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2019056585
(87)【国際公開番号】W WO2019179896
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】102018204440.6
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】595114931
【氏名又は名称】グラット マシーネン- ウント アパラーテバウ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Glatt Maschinen- und Apparatebau AG
【住所又は居所原語表記】Kraftwerkstrasse 6,CH-4133 Pratteln,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ノーヴァック・ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ティース・ヨッヘン
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-523717(JP,A)
【文献】国際公開第2013/051262(WO,A1)
【文献】米国特許第05088914(US,A)
【文献】特開平01-299795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填チャンバ(16)を備えた充填装置(13)によって、圧入されるべき充填材料(28)、特に粉体をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する充填ユニット(2)であって、充填チャンバ(16)は、取付状態において、キャビティ(27)を備えた型台(7)と、少なくとも1つの型(9,10)を備えた型支持部(8)との間に配置されており、充填チャンバ(16)は、原材料を充填チャンバ(16)に充填するための少なくとも1つの導入開口部(17)と、圧入されるべき充填材料(28)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填するための少なくとも1つの排出開口部(23)とを備えており、充填チャンバ(16)が、圧入されるべき充填材料(28)の原材料を混合する、充填チャンバ(16)内に配置された少なくとも1つの混合設備(14)と、圧入されるべき充填材料(28)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する少なくとも1つの搬送装置(24)とを備えている、充填ユニットにおいて、
圧入されるべき充填材料(28)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する搬送装置(24)と、原材料を混合する混合設備(14)とが、1つの水平な平面に配置されていることを特徴とする充填ユニット。
【請求項2】
充填設備(13)、特に充填チャンバ(16)が、分離剤及び/又は潤滑剤を供給する別の導入開口部(25)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の充填ユニット(2)。
【請求項3】
充填設備(13)、特に充填チャンバ(16)が、少なくとも1つのセンサ(30)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の充填ユニット(2)。
【請求項4】
少なくとも1つのセンサ(31)が、充填レベルセンサ(31a)として、並びに特に圧入されるべき充填材料(28)の組成及び/又は混合品質を測定する分析センサ(31b)として形成されていることを特徴とする請求項3に記載の充填ユニット(2)。
【請求項5】
混合装置(19)が混合設備(14)内に配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)。
【請求項6】
混合設備(14)の混合装置(19)がスクリュミキサとして、らせんミキサとして、又はパドルミキサとして形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)。
【請求項7】
混合装置(19)が、駆動ユニット(M1)、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)。
【請求項8】
搬送装置(24)が、別の駆動ユニット(M2)、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)。
【請求項9】
混合装置(19)及び搬送装置(24)が、共通の駆動ユニット(M)、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)。
【請求項10】
圧入されるべき充填材料(28)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する少なくとも1つの搬送装置(24)と、原材料を混合する少なくとも1つの混合設備(14)とが、構造的なユニットとして形成されていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)によって、圧入されるべき充填材料(28)、特に粉体をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する方法において、
まず、充填チャンバ(16)が原材料で充填され、原材料が、混合装置(19)を用いて、圧入されるべき充填材料(28)へと混合され、つづいて、タブレットプレス(3)の型台(7)のキャビティ(27)が、搬送装置(24)を用いて、圧入されるべき充填材料(28)で充填されることを特徴とする方法。
【請求項12】
充填チャンバ(16)への原材料の供給と共に、及び/又は当該供給後、かつ、型台(7)のキャビティ(27)の充填前に、分離剤及び/又は潤滑剤が追加配量されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
充填チャンバ(16)内に配置されたセンサ(30)が連続的に測定することを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
タブレットプレス(3)と、タブレットプレス(3)の下流に位置決めされた、タブレットプレス(3)において製造されるタブレットを分析するのに適したセンサ(33)と、制御ユニット(34)とを含む、タブレットを製造するためのモジュール(1)において、
モジュール(1)が、タブレットプレス(3)の上流に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素(32)を備えており、モジュール構成要素(32)が、請求項1~10のいずれか1項に記載の充填ユニット(2)として形成されており、制御ユニットは、信号の送受信のために少なくとも1つのモジュール構成要素(32)及びセンサ(33)に接続されており、制御ユニット(34)は、センサ(32)から得られた信号を用いて、タブレットプレス(3)の上流に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素(32)を開ループ制御及び/又は閉ループ制御するのに適していることを特徴とするモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填チャンバを備えた充填装置によって、圧入されるべき充填材料、特に粉体をタブレットプレスのキャビティに充填する充填ユニットであって、充填チャンバは、取付状態において、キャビティを備えた型台と、少なくとも1つの型を備えた型支持部との間に配置されており、充填チャンバは、原材料を充填チャンバに充填するための少なくとも1つの導入開口部と、圧入されるべき充填材料をタブレットプレスのキャビティに充填するための少なくとも1つの排出開口部とを備えている、充填ユニットに関するものである。
【0002】
さらに、本発明は、請求項1~11のいずれか1項に記載の充填ユニットによって、圧入されるべき充填材料、特に粉体をタブレットプレスのキャビティに充填する方法に関するものである。
【0003】
加えて、本発明は、タブレットプレスと、タブレットプレスの下流に位置決めされた、タブレットプレスにおいて製造されるタブレットを分析するのに適したセンサと、制御ユニットとを含む、タブレットを製造するためのモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0004】
タブレットは、薬学的な有効成分(API)についての最も一般的な投与形態である。通常、タブレットは、粉体として、好ましくは粉体混合物として存在する複数の原材料の混合物、すなわち有効成分及び補助剤、すなわちいわゆる賦形剤で構成されている。タブレットの製造においては、上述の粉体が最適に混合されることが決定的に重要である。なぜなら、このようにしてのみ、薬学的な有効成分(API)及び補助剤について設定された配量(服用量)が各タブレットにおいて存在することを保証することができるためである。
【0005】
従来技術によれば、タブレットの製造に必要な良好な混合は、造粒によって達成されることができ、造粒は、エネルギー及び時間がかかるため望ましくない。加えて、今日、タブレットの大部分は、顆粒ではなく、好ましくは粉体状の充填材料から直接製造される。
【0006】
ドイツの特許出願である特許文献1は、共通の軸を中心として旋回可能な、充填チャンバあるいはプレスチャンバとして機能する少なくとも2つのプレス容器と、充填装置と、プレスチャンバ内に埋入可能な圧縮ピストンと、当該圧縮ピストンに同軸に割り当てられた排出装置とを有する、粉体状又は繊維状の材料を真空下で圧縮する油圧式のブロックプレスに関するものである。ここで、充填装置は、軸方向において充填チャンバの手前に垂直に配置された、固定された充填チューブで形成されており、当該充填チューブには、押圧シリンダを用いてテレスコープ式に可動な充填チューブが割り当てられている。充填製品の注入は、プレス型を下降させることで充填製品が同時の重力作用の下で吸引されるように充填チャンバへ入れられることによって、気泡なしに行われる。
【0007】
油圧式のブロックプレスのプレスチャンバへの重力による充填製品の搬送における欠点は、これにより充填製品の分解及び分離があり得ることにある。
【0008】
さらに、欧州の特許出願である特許文献2には、充填材料リザーバと、充填材料リザーバと接続された、充填開口部であって当該充填開口部から充填材料がカルーセル型プレスのキャビティへ至ることが可能な充填開口部を有する充填チャンバとを含む、カルーセル型プレスのキャビティに充填する充填装置が開示されており、充填チャンバ内には、回転駆動される攪拌羽根を有する第1の攪拌羽根車と、回転駆動される攪拌羽根を有する第2の攪拌羽根車とが配置されており、第1及び第2の攪拌羽根車は、その幾何形状及び/又はその回転方向及び/又はその回転速度について異なっている。粉体状の材料は、充填材料リザーバから充填チャンバに接続された供給部を介して重力によって充填チャンバへ、そして当該充填チャンバから充填チャンバの下側に設けられた充填開口部を介してここでも重力によって型台のキャビティに充填される。
【0009】
上述の充填装置における欠点は、粉体状の材料では、特に粉体混合物では、重力によるカルーセル型タブレットプレスのキャビティへの充填材料の搬送によって、同様に、圧入されるべき充填材料の原材料の分解及び分離に至りかねないことである。カルーセル型タブレットプレスの型台のキャビティへの充填前に粉体状の充填材料をほぐすことも、圧入されるべき充填材料の最適な混合をもたらすものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】独国特許出願公開第2157465号明細書
【文献】欧州特許出願第3260286号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、充填材料をタブレットプレスのキャビティに充填する充填ユニット及び方法並びにタブレットを製造するモジュールを提供することにあり、例えば垂直な供給管路におけるタブレットプレスの型台のキャビティへの充填材料の重力での搬送による充填材料の原材料の分解及び分離が少なくとも低減され、好ましくは回避される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
当該課題は、冒頭に挙げた種類の充填ユニットにおいて、充填チャンバが、圧入されるべき充填材料の原材料を混合する、少なくとも部分的に充填チャンバ内に配置された少なくとも1つの混合設備と、圧入されるべき充填材料をタブレットプレスのキャビティに充填する少なくとも1つの搬送装置とを備えていることによって解決される。本発明による充填ユニットの利点は、圧入されるべき充填材料が常に最適に混ぜ合わされ、すなわち、圧入されるべき充填材料の分解及び/又は分離が少なくとも大幅に低減されるか、又は完全に防止され、タブレットプレスの型台のキャビティに充填するために設けられた搬送装置において提供される。さらに、充填ユニットのこのような構成により、一方では投資コストが低減され、他方では、充填ユニットをタブレットプレスの範囲に直接配置することが可能である。加えて、これにより、非常に省スペースなタブレットプレスのための充填ユニットが得られる。
【0013】
好ましくは、充填ユニット特に充填チャンバは、分離剤及び/又は潤滑剤を供給するための別の導入開口部を備えている。ほぼ全てのタブレット化可能な充填材料、特に粉体混合物は、バッチプロセス又は連続的なプロセスにおいて、例えばステアリン酸マグネシウムのような分離剤及び/又は潤滑剤についての少なくともわずかな割合を必要とする。分離剤及び/又は潤滑剤は、タブレットプレスの型台のキャビティに充填されるべき充填材料の0.5~1%の規模で存在している。分離剤及び/又は潤滑剤は、タブレットがプレス過程後に破壊されずにタブレットプレスから再び放出されることができることに寄与する。分離剤及び/又は潤滑剤は、好ましくは充填材料のための最後の原材料として添加混合されるべきである。加えて、分離剤及び/又は潤滑剤は、充填材料、特に粉体混合物において均等に分配されるべきである。分離剤及び/又は潤滑剤の過剰に集中的な、すなわち過剰に長い導入は回避されるべきである。なぜなら、分離剤及び/又は潤滑剤は、充填材料、特に粉体混合物の原材料を互いに分離し、したがってタブレット化を阻害するためである。したがって、好ましくは、分離剤及び/又は潤滑剤の添加のために、別の導入開口部が混合設備の範囲に、特に好ましくは混合装置の末端部に設けられるべきであり、その結果、分離剤及び/又は潤滑剤についての短い滞留時間が、充填材料の原材料との同時の混合時に混合設備の範囲において保証される。
【0014】
加えて、充填装置、特に充填チャンバは、好ましくは少なくとも1つのセンサを備えている。特に好ましくは、少なくとも1つのセンサは、充填レベルセンサとして、又は特に圧入されるべき充填材料の組成及び/又は混合品質を測定するための分析センサとして形成されているとともに、充填チャンバに配置されている。好ましい実施形態では、少なくとも1つのセンサが充填レベルセンサとして形成されており、その結果、圧入されるべき充填材料についていつでも一定の量が充填チャンバに存在している。充填チャンバに配置された充填レベルセンサを用いて、各原材料の必要量が、貯留容器からパイプ管路若しくはホース管路又はこれらに類するもののような供給管路を介して充填チャンバへ供給される。同様に好ましい実施形態では、少なくとも1つのセンサは、特に圧入されるべき充填材料の組成及び/又は混合品質を測定する分析センサとして形成されている。このようなセンサにより、タブレット化プロセスについて最適な、圧入されるべき充填材料の組成及び/又は混合品質が常に得られる。特に好ましい実施形態に対応して、充填装置、特に充填チャンバは、2つのセンサ、すなわち充填レベルセンサ及び分析センサを備えており、これにより、両個々のセンサの上述の利点が発揮される。
【0015】
本発明による充填ユニットの追加的な有利な構成によれば、混合装置は、1つの混合設備に配置されている。混合装置は、タブレットプレスの型台のキャビティに充填される圧入されるべき充填材料へ混合装置に供給される原材料を非常に良好に混合するのに寄与する。特に好ましくは、混合設備の混合装置は、スクリュミキサとして、らせんミキサとして、又はパドルミキサとして形成されている。スクリュミキサとして、らせんミキサとして、又はパドルミキサとしての混合装置の特に好ましい構成により、プロセス全体、特に混合過程のいかなる時間にも、圧入されるべき充填材料の原材料の最適な混合が保証されている。
【0016】
好ましくは、混合装置は、駆動ユニット、特にモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能である。さらに、好ましくは、搬送装置は、別の駆動ユニット、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能である。さらに、特に好ましくは、混合装置及び搬送装置は、共通の駆動ユニット、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能である。有利には、混合装置は、搬送装置としても完璧に互いに調和されることができ、その結果、タブレットプレスの型台の充填のために搬送装置によって最適に混合される、圧入されるべき充填材料の必要量のみが混合装置によって提供される。
【0017】
好ましくは、圧入されるべき充填材料をタブレットプレスのキャビティに充填する搬送装置と、原材料を混合する混合設備とが、1つの水平な平面に位置している。したがって、有利には、充填ユニットの充填装置の充填チャンバは、垂直な搬送区間を備えていない。したがって、圧入されるべき充填材料については、重力による搬送がなされない。
【0018】
加えて、好ましくは、充填ユニットの充填装置の充填チャンバを、その全体において、キャビティを備えた型台と少なくとも1つの型を備えた型支持部との間に配置可能である。これにより、充填チャンバの非常にコンパクトで小さな構造が得られる。
【0019】
本発明による充填ユニットの追加的な有利な構成によれば、圧入されるべき充填材料をタブレットプレスのキャビティに充填する少なくとも1つの搬送装置と、原材料を混合する少なくとも1つの混合設備とが、構造的なユニットとして形成されている。ここで、搬送装置及び混合設備の混合装置が1つの部材を形成していれば、構造的なユニットと呼ばれる。このような構成により、組み合わされた混合設備/搬送装置の非常にコンパクトで省スペースな設置スペースが達成される。さらに、このような組み合わされた混合設備/搬送装置により、投資コストが低減される。
【0020】
加えて、上記課題は、冒頭に挙げた種類の方法において、まず、充填チャンバが原材料で充填され、原材料が、混合装置を用いて、圧入されるべき充填材料へと混合され、つづいて、タブレットプレスの型台のキャビティが、搬送装置を用いて、圧入されるべき充填材料で充填されることによって解決される。本発明による方法は、タブレットプレスの型台のキャビティを充填する充填材料が常に最適に混合され、それにより、製造されるいずれのタブレットにおいても、薬学的な有効成分、補助剤並びに分離剤及び/又は潤滑剤についての常に正確な配量(服用量)が含まれるという利点を有している。正確な配量は、タブレットの製造にとって最も重要である。なぜなら、過剰に多い配量により、タブレットを服用する患者において例えば中毒症状又はこれに類するものが発生することがあり、過剰に少ない配量の場合には薬学的な有効成分がその実際の作用を発揮しないことがあるためである。
【0021】
特に有利な方法形態では、充填チャンバへの原材料の供給と共に、及び/又は当該供給後、かつ、型台のキャビティの充填前に、分離剤及び/又は潤滑剤が追加配量される。これにより、重要な分離剤及び/又は潤滑剤は、これらが分解作用を示すことなく、原材料に最適に混合される。
【0022】
特に好ましくは、充填チャンバに配置されたセンサは連続的に測定する。連続的な測定の利点は、本発明による充填ユニットの充填チャンバにおける充填材料の滞留時間のいかなる時点においてもプロセス条件を検出することができ、ひいては例えば最適な粉体混合に必要な原材料の添加によって、プロセスへの直接的な影響を与えることが可能である。
【0023】
上記課題は、冒頭に挙げた種類のモジュールにおいて、モジュールが、タブレットプレスの上流に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素を備えており、モジュール構成要素が、請求項1~11のいずれか1項に記載の充填ユニットとして形成されており、制御ユニットは、信号の送受信のために少なくとも1つのモジュール構成要素及びセンサに接続されており、制御ユニットは、センサから得られた信号を用いて、タブレットプレスの上流に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素を開ループ制御及び/又は閉ループ制御するのに適していることによって解決される。このようなモジュールは、タブレットプレスの後に配置されたセンサによるフィードバックによって、リードタイムを大幅に短縮することが可能であり、その結果、廃棄されるべきタブレットをなくすことが可能となるという利点を有している。
【0024】
以下に、本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術による従来のタブレットプレスにより連続的にタブレットを生産する充填ユニットを有するモジュールを概略的に示す図である。
図2】従来のタブレットプレスにより連続的にタブレットを生産する本発明による充填ユニットを有するモジュールを概略的に示す図である。
図3】キャビティを備えた型台と型支持部との間に配置された本発明による充填ユニットを概略的に示す図である。
図4】タブレットを製造するモジュールのブロックフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には、従来技術による従来のタブレットプレス3により連続的にタブレットを生産する充填ユニット2を有するモジュール1が大きく概略化して図示されている。
【0027】
タブレットプレス3は、下部構造部4及び構造部5を備えている。下部構造部4は、とりわけ例えばタブレットプレス3の制御ユニット全体と、タブレットプレス3の動作に必要な別の設備とを含んでいる。タブレットプレス3の構造部5は、とりわけ、内部に個々では不図示のキャビティを有する型台7を備えたロータ6を含んでいる。加えて、ロータ6は、下型9及び上型10を備えた、ガイド曲線を有する少なくとも1つの型支持部8を含んでおり、下型9及び上型10は、タブレットプレス3の型台のキャビティにそれぞれ割り当てられている。型台7及び少なくとも1つの型支持部8を備えたロータ6は軸線11を中心として回転可能に配置されており、ロータ6は、例えば下部構造部4に組み付けられた、ここでは不図示の駆動ユニットを介して回転する。加えて、ロータ6は、少なくとも部分的に図示された押圧ローラ12に更に割り当てられており、当該押圧ローラは、そのガイド曲線に従って下型9あるいは上型10を制御し、これにより、タブレットプレス3の型台7のキャビティに含まれる圧入されるべき充填材料をタブレットにプレスする。
【0028】
タブレットプレス3において、圧入されるべき充填材料からタブレットをプレスすることが可能であるためには、型台7のここでは不図示のキャビティが、圧入されるべき充填材料で満たされる必要がある。このために、モジュール1は充填ユニット2を備えている。
【0029】
充填ユニット2は、混合設備14と、垂直に配置された接続管路15と、充填チャンバ16とを有する充填装置13を含んでいる。
【0030】
混合設備14は、タブレットプレス3の上方、かつ、タブレットプレス3の外部に配置されている。加えて、混合設備14は、導入開口部17及び排出開口部18の近傍に、混合装置19を含む混合チャンバ20を備えている。混合チャンバ20内に配置された混合装置19は、第1の駆動ユニットM1を介して駆動される。混合されるべき原材料は、供給管路21を介して混合設備14の混合チャンバ20へ供給される。供給管路21を介して混合設備14へ供給される原材料は、混合チャンバ20において、混合装置19によって、圧入されるべき充填材料へ互いに混合され、混合設備14の排出開口部18を介して混合設備14の混合チャンバ20を離れる。
【0031】
混合設備14の排出開口部18を介して混合チャンバ20を離れた充填材料は、少なくとも部分的に垂直な接続管路15を介して充填チャンバ16へ供給される。これにより、圧入されるべき充填材料は、落下区間を介して充填チャンバ16へ至り、混合設備14の混合チャンバ20と充填チャンバ16の間の接続管路15における落下区間において分解及び分離されることとなる。
【0032】
充填チャンバ16は、充填チャンバ16を圧入されるべき充填材料で充填するための導入開口部22のほか、型台7のキャビティを圧入されるべき充填材料で充填するための少なくとも1つの排出開口部23を備えている。充填チャンバ16には搬送装置24が配置されており、当該搬送装置は、分解された、圧入されるべき充填材料をタブレットプレス3の型台7のキャビティへ均等に満たす。搬送装置24は、駆動ユニットM2を介して駆動される。
【0033】
図2には、従来のタブレットプレス3により連続的にタブレット製造する本発明による充填ユニット2を有するモジュール1が大きく概略化して示されている。ここで、モジュール1のタブレットプレス3は、図1において既に説明したタブレットプレス3と同一の構造を有している。
【0034】
充填ユニット2は、原材料を充填チャンバ16に充填する少なくとも1つの導入開口部17と、タブレットプレス3の型台7のキャビティを充填する少なくとも1つの排出開口部23とを有する充填チャンバ16を含む充填装置13を備えている。このとき、充填チャンバ16は、空間的に2つの部分、すなわち混合設備14と搬送装置24を備える部分とに分割されている。充填ユニット2の充填装置13の充填チャンバ16は、圧入されるべき充填材料の原材料を混合する混合装置19を有する、少なくとも部分的に充填チャンバ16に配置された混合設備14と、圧入されるべき充填材料をタブレットプレス3の型台7のキャビティに充填する少なくとも1つの搬送装置24とを更に含んでおり、搬送装置24は、充填チャンバ16の第2の部分に配置されている。
【0035】
図2に図示された本発明による充填ユニット2の混合設備14は混合装置19を備えており、当該混合装置は、混合設備14に供給される原材料を、タブレットプレスの型台のキャビティへ充填される圧入されるべき充填材料へ最適に混ぜ合わせ、又は混合するためのものである。特に好ましくは、混合設備14の混合装置19は、図2に示されているように、スクリュミキサとして、らせんミキサとして、又はパドルミキサとして形成されている。混合装置19、すなわちスクリュミキサ、らせんミキサ又はパドルミキサの好ましい実施形態は、プロセス全体、特に混合設備14における混合過程において常に圧入されるべき充填材料の原材料の最適な混合を保証する。図2では、混合装置19、特にミキサは、駆動ユニットM1、特にモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動される。
【0036】
最適に混ぜ合わされ、あるいは混合された充填材料をタブレットプレス3の型台7のキャビティに充填する、充填チャンバ16の第2の部分に配置された搬送装置24は、少なくとも1つの軸26を介して別の駆動ユニットM2、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータ又はトルクモータによって駆動される。
【0037】
駆動ユニットM2の少なくとも1つの軸によって駆動される、圧入されるべき充填材料をタブレットプレス3の型台7のキャビティに充填する搬送装置24と、原材料を混合する混合設備14とは、図2において1つの水平な平面に配置されている。しかし、他の実施形態も考えられ、搬送装置24及び混合設備14は、1つの水平な平面に位置していない。そのため、充填ユニット2の充填装置13の充填チャンバ16は垂直な搬送区間を有しておらず、圧入されるべき充填材料については、重力による搬送がなされない。したがって、本発明による充填ユニット2の充填材料における分解及び/又は分離の発生は、大幅に低減されるか、又は完全に防止される。
【0038】
本発明による充填ユニット2において圧入されるべき充填材料は、充填チャンバ16において常に最適に混ぜ合わされ、あるいは混合され、すなわち、圧入されるべき充填材料の分解及び/又は分離は、少なくとも大幅に低減されるか、又は完全に防止され、タブレットプレス3の型台のキャビティを充填するために設けられた搬送装置24における最適な混ぜ合わせあるいは混合の状態において提供される。本発明による充填ユニット2は、そのコンパクトで小さな構造により、投資コストを大幅に低減するものであるとともに、追加的な利点として、タブレットプレスに近いモジュール1への取付を可能とする。
【0039】
加えて、図2における充填ユニット2の充填設備13の充填チャンバ16は、その全体において、キャビティを有する型台7と少なくとも1つの型9,10を有する型支持部8との間に配置されている。これにより、充填チャンバ16の非常にコンパクトで小さな構造が達成される。
【0040】
さらに、充填ユニット2の充填装置13、特に充填チャンバ16は、原材料のための、特に分離剤及び/又は潤滑剤を供給するための別の導入開口部25を備えている。例えばステアリン酸マグネシウムのような分離剤及び/又は潤滑剤は、タブレット化可能なほぼ全ての充填材料、特に粉体混合物に混合される。なぜなら、充填材料は、少なくともバッチプロセス又は連続的なプロセスにおいて少なくともわずかな割合において必要なためである。このとき、分離剤及び/又は潤滑剤は、充填材料の0.5~1体積%の規模で存在する。
【0041】
分離剤及び/又は潤滑剤は、タブレットがプレス過程後に破壊されずにタブレットプレス3のプレス工具、特に型台7から再び放出されることができることに寄与する。分離剤及び/又は潤滑剤は、好ましくは充填材料のための最後の原材料として添加混合されるべきである。加えて、分離剤及び/又は潤滑剤は、充填材料、特に粉体混合物において均等に分配されるべきである。分離剤及び/又は潤滑剤の過剰に集中的な、すなわち過剰に長い導入は回避されるべきである。なぜなら、分離剤及び/又は潤滑剤は、充填材料、特に粉体混合物の原材料を互いに分離し、したがってタブレット化を阻害するためである。したがって、好ましくは、分離剤及び/又は潤滑剤の添加のために、別の導入開口部25が混合設備14の範囲に設けられるべきであり、その結果、分離剤及び/又は潤滑剤についての短い滞留時間が、充填材料の原材料との同時の混合時に混合設備14の範囲において保証される。
【0042】
図3には、キャビティ27を有する型台7と上型10を有する型支持部8との間に配置された本発明による充填ユニット2が概略的に示されている。充填装置13として形成された充填ユニットは、充填チャンバ16のための導入開口部17を備えており、充填チャンバ16には、充填材料28の原材料を最適に混ぜ合わせ、あるいは混合する混合設備14と、少なくとも1つの出口開口部23を介してタブレットプレス3の型台7のキャビティ27を充填する、充填チャンバ16の第2の部分に配置された搬送装置24とが含まれる。さらに、充填チャンバ16は、分離剤及び/又は潤滑剤のための導入開口部25を備えている。原材料も、また分離剤及び/又は潤滑剤も、管路29、特にパイプ管路又はホース管路を用いて、導入開口部17あるいは25を介してここでは不図示の貯留容器から充填チャンバ19へ搬送される。
【0043】
混合設備14は、らせんミキサとして形成された混合装置19を備えている。これにより、圧入されるべき充填材料28の原材料の最適な混ぜ合わせあるいは混合が達成される。らせんミキサとして形成された混合装置19は、ここでは不図示の駆動ユニットM1によって駆動される。充填チャンバ16の第2の部分30に配置された、タブレットプレス3の型台7のキャビティ27を充填する搬送装置24は、ここでは不図示の別の駆動ユニットM2を介して駆動される。図3では、混合装置19及び搬送装置24は、1つの水平な平面に位置している。このとき、混合設備14の排出開口部18及び充填チャンバ16の第2の部分の導入開口部22は互いに対応している。
【0044】
ここでは不図示の、本発明による充填ユニット2の特に好ましい実施形態では、混合装置19及び搬送装置24は、共通の駆動ユニットM、特にモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動される。したがって、有利には、混合設備14の混合装置19は、搬送装置24としても完璧に互いに調和されることができ、その結果、タブレットプレス3の型台7のキャビティ27の充填のために搬送装置24によって最適に混合される、圧入されるべき充填材料28の必要量のみが混合装置19によって提供される。
【0045】
加えて、混合装置19を備える混合設備14は、搬送装置24を含む充填チャンバ16の部分に対して角度αを有することが可能である。図3において正の角度αは、混合設備14がタブレットプレス3の型台7へ向けて傾斜するように負にも形成されることができる。
【0046】
さらに、図3に示された充填ユニット2の充填装置13、特に充填チャンバ16は、少なくとも1つのセンサ31を備えている。好ましくは、センサ31は、混合設備14に配置されているとともに、充填レベルセンサ31aとして、及び特に圧入されるべき充填材料28の組成及び/又は混合品質を測定する分析センサ31bとして形成されている。充填レベルセンサ31aは、混合設備14における充填レベルを検出するように好ましくは光学センサ又は超音波センサとして形成されており、したがって、圧入されるべき充填材料28の一定の量が充填チャンバ16に存在している。充填チャンバ16に配置された充填レベルセンサ31aを用いて、充填チャンバ16には、パイプ管路若しくはホース管路のような管路29又はこれに類するものを介して、不図示の貯留容器から各原材料、すなわち薬学的な有効成分、補助剤(賦形剤)又は分離剤及び/若しくは潤滑剤の必要量が供給される。原材料は、事前にあらかじめ混合して供給されることも可能である。同様に好ましい実施形態では、少なくとも1つのセンサ31は、特に圧入されるべき充填材料28の組成及び/又は混合品質を測定する分析センサ31bとして形成されている。このようなセンサ31bにより、タブレット化プロセスについて最適な、圧入されるべき充填材料28の組成及び/又は混合品質が常に得られる。例えば温度に敏感な充填材料における感熱素子のような別のセンサ31の使用も考えられる。このような連続的な測定の利点は、本発明による充填ユニット2の充填チャンバ16における充填材料28の滞留時間のいかなる時点においてもプロセス条件を検出することができ、ひいてはプロセスへの直接的な影響を与えることが可能である。
【0047】
本発明による充填ユニット2によって、圧入されるべき充填材料28、特に粉体をタブレットプレス3の型台7のキャビティ27に充填する本発明による方法では、まず、充填チャンバ16が供給管路28を介して原材料で充填される。原材料は、薬学的な有効成分(API)、補助剤(賦形剤)並びに分離剤及び/又は潤滑剤である。原材料は、充填チャンバ16において混合装置19を用いて圧入されるべき充填材料28へ混合され、原材料の供給と型台7のキャビティ27の充填の間には、場合によっては更に別の原材料、特に分離剤及び/又は潤滑剤が追加される。原材料と分離剤及び/又は潤滑剤を含む充填材料の良好な混合の後、当該充填材料は、つづいて、排出開口部23を介してタブレットプレス3の型台7のキャビティへ搬送装置24を用いて充填される。
【0048】
図4には、タブレットプレス3と、タブレットプレス3の上流に位置決めされたモジュール構成要素32と、タブレットプレス3において製造されるタブレットを分析するのに適した、タブレットプレス3の下流に位置決めされたセンサ33と、制御ユニット34とを含む、タブレットを製造するモジュール1が示されている。
【0049】
モジュール構成要素32のうち1つは、充填ユニット2として形成されている。別のモジュール構成要素32は、特に、有効成分、補助剤又は潤滑剤及び分離剤のための配量装置並びに流動層乾燥機のような乾燥装置又は造粒機である。当該実施例では、別のモジュールユニット32は、有効成分のための配量装置32a及び補助剤のための配量装置32bとして形成されている。
【0050】
配量装置32aは供給部35を介して有効成分で充填され、配量装置32bは供給部36を介して補助剤で充填される。配量装置32a,32bは、タブレットの製造に必要な適当な比率で充填ユニット2に有効成分及び補助剤を装入する。
【0051】
上述したように、タブレットプレス3のキャビティ27は、つづいて、充填ユニット2によって、圧入されるべき充填材料で充填される。タブレットプレス3は、圧入されるべき充填材料からタブレットを生成する。つづいて、当該タブレットはセンサ33によって分析される。これにつづき、タブレットは、モジュール1の出口37を介してモジュール1を離れる。
【0052】
図4の実施例では、モジュール1のモジュール構成要素32及びセンサ33は、信号を送受信する制御ユニット33、特にコンピュータ又はこれに類するものに接続されている。センサ装置33は、モジュール構成要素32のうち少なくとも1つに接続されている。センサ33によって検出される測定データは、信号として制御ユニット34へ伝達されてそこで評価され、信号は、タブレットプレス3の上流に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素32を開ループ制御及び/又は閉ループ制御するために、モジュール構成要素32のうち少なくとも1つへ伝達される。
【0053】
タブレットプレス3において製造されるタブレットの分析に適したセンサ32は、タブレットの製品品質についての品質管理実体として用いられる。特に、例えば統一的な混合(混合均一性(blend uniformity)/含量均一性(content uniformity))を測定する近赤外線分光法(NIR)センサのようなセンサ32、又は例えば原材料の粒径、製造されるタブレットの形態上の形状、大きさ及び破壊強度を測定する他のセンサである。
【0054】
このようなモジュール1は、タブレットプレス3の後に配置されたセンサ33によるフィードバックによって、リードタイムを大幅に短縮することが可能であり、その結果、廃棄されるべきタブレットをなくすことが可能となるという利点を有している。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.充填チャンバ(16)を備えた充填装置(13)によって、圧入されるべき充填材料(28)、特に粉体をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する充填ユニット(2)であって、充填チャンバ(16)は、取付状態において、キャビティ(27)を備えた型台(7)と、少なくとも1つの型(9,10)を備えた型支持部(8)との間に配置されており、充填チャンバ(16)は、原材料を充填チャンバ(16)に充填するための少なくとも1つの導入開口部(17)と、圧入されるべき充填材料(27)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填するための少なくとも1つの排出開口部(23)とを備えている、充填ユニットにおいて、
充填チャンバ(16)が、圧入されるべき充填材料(28)の原材料を混合する、少なくとも部分的に充填チャンバ(16)内に配置された少なくとも1つの混合設備(14)と、圧入されるべき充填材料(28)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する少なくとも1つの搬送装置(24)とを備えていることを特徴とする充填ユニット。
2.充填設備(13)、特に充填チャンバ(16)が、分離剤及び/又は潤滑剤を供給する別の導入開口部(25)を備えていることを特徴とする上記1.に記載の充填ユニット(2)。
3.充填設備(13)、特に充填チャンバ(16)が、少なくとも1つのセンサ(30)を備えていることを特徴とする上記1.又は2.に記載の充填ユニット(2)。
4.少なくとも1つのセンサ(31)が、充填レベルセンサ(31a)として、並びに特に圧入されるべき充填材料(28)の組成及び/又は混合品質を測定する分析センサ(31b)として形成されていることを特徴とする上記3.に記載の充填ユニット(2)。
5.混合装置(19)が混合設備(14)内に配置されていることを特徴とする上記1.~4.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)。
6.混合設備(14)の混合装置(19)がスクリュミキサとして、らせんミキサとして、又はパドルミキサとして形成されていることを特徴とする上記1.~5.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)。
7.混合装置(19)が、駆動ユニット(M1)、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能であることを特徴とする上記1.~6.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)。
8.搬送装置(24)が、別の駆動ユニット(M2)、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能であることを特徴とする上記1.~7.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)。
9.混合装置(19)及び搬送装置(24)が、共通の駆動ユニット(M)、好ましくはモータ、特に好ましくは電気モータ、更に好ましくはサーボモータあるいはトルクモータによって駆動されるか、又は駆動可能であることを特徴とする上記1.~8.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)。
10.圧入されるべき充填材料(28)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する搬送装置(24)と、原材料を混合する混合設備(14)とが、1つの水平な平面に配置されていることを特徴とする上記1.~9.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)。
11.圧入されるべき充填材料(28)をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する少なくとも1つの搬送装置(24)と、原材料を混合する少なくとも1つの混合設備(14)とが、構造的なユニットとして形成されていることを特徴とする上記1.~10.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)。
12.上記1.~11.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)によって、圧入されるべき充填材料(28)、特に粉体をタブレットプレス(3)のキャビティ(27)に充填する方法において、
まず、充填チャンバ(16)が原材料で充填され、原材料が、混合装置(19)を用いて、圧入されるべき充填材料(28)へと混合され、つづいて、タブレットプレス(3)の型台(7)のキャビティ(27)が、搬送装置(24)を用いて、圧入されるべき充填材料(28)で充填されることを特徴とする方法。
13.充填チャンバ(16)への原材料の供給と共に、及び/又は当該供給後、かつ、型台(7)のキャビティ(27)の充填前に、分離剤及び/又は潤滑剤が追加配量されることを特徴とする上記12.に記載の方法。
14.充填チャンバ(16)内に配置されたセンサ(30)が連続的に測定することを特徴とする上記12.又は13.に記載の方法。
15.タブレットプレス(3)と、タブレットプレス(3)の下流に位置決めされた、タブレットプレス(3)において製造されるタブレットを分析するのに適したセンサ(33)と、制御ユニット(34)とを含む、タブレットを製造するためのモジュール(1)において、
モジュール(1)が、タブレットプレス(3)の上流に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素(32)を備えており、モジュール構成要素(32)が、上記1.~11.のいずれか1つに記載の充填ユニット(2)として形成されており、制御ユニットは、信号の送受信のために少なくとも1つのモジュール構成要素(32)及びセンサ(33)に接続されており、制御ユニット(34)は、センサ(32)から得られた信号を用いて、タブレットプレス(3)の上流に配置された少なくとも1つのモジュール構成要素(32)を開ループ制御及び/又は閉ループ制御するのに適していることを特徴とするモジュール。
図1
図2
図3
図4