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特許7209039歯科イメージャ、及び写真印象の記録方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】歯科イメージャ、及び写真印象の記録方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/24 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
A61B1/24
【請求項の数】 47
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021081223
(22)【出願日】2021-05-12
(62)【分割の表示】P 2018559675の分割
【原出願日】2017-02-01
(65)【公開番号】P2021151484
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】62/289,504
(32)【優先日】2016-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/422,201
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518272418
【氏名又は名称】マーティン マルコ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】マーティン マルコ
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-050441(JP,A)
【文献】特開2007-229310(JP,A)
【文献】特開2009-090091(JP,A)
【文献】特開2012-147909(JP,A)
【文献】国際公開第2015/188286(WO,A1)
【文献】米国特許第06276933(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0071808(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0108980(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102006041020(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャであって、
前記口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有するヘッドに結合されたハンドルと、
互いに向かい合って前記ヘッドまたは前記ハンドルに結合された一対の側部スキャンアームであって、各々が、前記口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連する上部スキャナ及び底部スキャナを含む、一対の側部スキャンアームと、
撮像中に前記歯科イメージャが前記口腔内空洞に対して移動する際に、前記口腔内空洞に係合するサイズ及び形状を有すると同時に前記上部及び底部スキャナを前記口腔内空洞から付勢するガイドと、
を備えることを特徴とする歯科イメージャ。
【請求項2】
前記一対の側部スキャンアームの一方にエミッタを含んで前記一対の側部スキャンアームの他方に検出器を含む作動センサを含み、前記エミッタ及び前記検出器は、前記エミッタによって生成されたビームが、前記歯科イメージャの未使用時には前記検出器によって受け取られ、使用時には前記口腔内空洞によって遮られるように整列する、
請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項3】
前記ガイドは、前記口腔内空洞にわたる摺動を可能にする表面を有するパッドを含む、
請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項4】
前記ヘッドまたは前記ハンドルに取り付けられて前記パッドの高さよりも低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナを含む、
請求項3に記載の歯科イメージャ。
【請求項5】
前記ヘッドまたは前記ハンドルに結合された前部内側スキャンアームまたは後部内側スキャンアームを含む、請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項6】
前記ヘッドまたは前記ハンドルは、前部スキャナを保持する角度付き前部プラットフォームと、後部スキャナを保持する角度付き後部プラットフォームとを含む、
請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項7】
前記ガイドは、前記前部スキャナの上方で前記角度付き前部プラットフォームに結合された前部パッドと、前記後部スキャナの上方で前記角度付き後部プラットフォームに結合された後部パッドとを含む、
請求項6に記載の歯科イメージャ。
【請求項8】
前記ハンドルと一体化され、前記少なくとも1つのスキャナと通信して前記口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を含む、
請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項9】
前記通信回路は、無線送信機、USBコネクタ、又は光ファイバコネクタを含む、
請求項8に記載の歯科イメージャ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスキャナは、飛行時間(ToF)スキャナ、立体映像スキャナ、光場モーメント撮像スキャナ、固定構造光スキャナ、プログラマブル構造光(DLP)スキャナ、3D又は4D超音波スキャナ、デジタルカメラスキャナ、発光ダイオード(LED)スキャナ及びレーザスキャナから成る群から選択される、
請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項11】
前記ヘッドは、前記ハンドルから取り外し可能である、
請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項12】
前記ヘッドに取り付けられた前部パッド及び後部パッドを含み、前記一対の側部スキャンアームは、一対の静的スキャンアームであるとともに前記ヘッドまたは前記ハンドルに固定して結合される、
請求項1に記載の歯科イメージャ。
【請求項13】
口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャであって、
前記口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有するヘッドに結合されたハンドルと、
互いに向かい合って前記ヘッドまたは前記ハンドルに結合されて、それぞれが前記口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有する一対の側部弓形スキャンアームと、
前記一対の側部弓形スキャンアームの一方にエミッタを含んで前記一対の側部弓形スキャンアームの他方に検出器を含む作動センサであって、前記エミッタ及び前記検出器は、前記エミッタによって生成されたビームが、前記歯科イメージャの未使用時には前記検出器によって受け取られ、使用時には前記口腔内空洞によって遮られるように整列する、作動センサと、
撮像中に前記歯科イメージャが前記口腔内空洞に対して移動する際に、前記口腔内空洞に係合するサイズ及び形状を有すると同時に前記スキャナを前記口腔内空洞から付勢するガイドと、
を備えることを特徴とする歯科イメージャ。
【請求項14】
前記一対の側部弓形スキャンアームの各々に取り付けられた上部スキャナ及び底部スキャナを含む、
請求項13に記載の歯科イメージャ。
【請求項15】
前記ガイドは、前記口腔内空洞にわたる摺動を可能にする表面を有するパッドを含む、
請求項13に記載の歯科イメージャ。
【請求項16】
前記ヘッドに取り付けられて前記パッドの高さよりも低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナを含む、
請求項15に記載の歯科イメージャ。
【請求項17】
前記ヘッドは、前部スキャナを保持する角度付き前部プラットフォームと、後部スキャナを保持する角度付き後部プラットフォームとを含む、
請求項13に記載の歯科イメージャ。
【請求項18】
前記ヘッドまたは前記ハンドルと一体化され、前記少なくとも1つのスキャナと通信して前記口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を含む、
請求項13に記載の歯科イメージャ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのスキャナは、飛行時間(ToF)スキャナ、立体映像スキャナ、光場モーメント撮像スキャナ、固定構造光スキャナ、プログラマブル構造光(DLP)スキャナ、3D又は4D超音波スキャナ、デジタルカメラスキャナ、発光ダイオード(LED)スキャナ及びレーザスキャナから成る群から選択される、
請求項13に記載の歯科イメージャ。
【請求項20】
前記ヘッドまたは前記ハンドルに取り付けられた前部パッド及び後部パッドを含み、前記一対の側部弓形スキャンアームは、前記ヘッドに固定して結合される、
請求項13に記載の歯科イメージャ。
【請求項21】
口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャであって、
前記口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有するヘッドに結合されたハンドルと、
前記ヘッドまたは前記ハンドルに結合された前部内側スキャンアームまたは後部内側スキャンアームと、
前記ヘッドまたは前記ハンドルから外向きに突出するとともに、前記口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有する少なくとも一つの側部スキャンアームと、
撮像中に前記歯科イメージャが前記口腔内空洞に対して移動する際に、前記口腔内空洞に係合するサイズ及び形状を有すると同時に前記スキャナを前記口腔内空洞から付勢するガイドと、
を備えることを特徴とする歯科イメージャ。
【請求項22】
前記少なくとも一つの側部スキャンアームは、互いに向かい合って前記ヘッドまたは前記ハンドルに静的に結合された一対の側部弓形スキャンアームを含む、
請求項21に記載の歯科イメージャ。
【請求項23】
前記ヘッドに取り付けられて前記ガイドの高さよりも低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナを含む、
請求項21に記載の歯科イメージャ。
【請求項24】
前記ヘッドまたは前記ハンドルは、前部スキャナを保持する角度付き前部プラットフォームと、後部スキャナを保持する角度付き後部プラットフォームとを含む、
請求項21に記載の歯科イメージャ。
【請求項25】
前記ガイドは、前記前部スキャナの上方で前記角度付き前部プラットフォームに結合された前部パッドと、前記後部スキャナの上方で前記角度付き後部プラットフォームに結合された後部パッドとを含む、
請求項24に記載の歯科イメージャ。
【請求項26】
前記ヘッドまたは前記ハンドルと一体化され、前記スキャナと通信して前記口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を含む、
請求項21に記載の歯科イメージャ。
【請求項27】
前記少なくとも1つのスキャナは、飛行時間(ToF)スキャナ、立体映像スキャナ、光場モーメント撮像スキャナ、固定構造光スキャナ、プログラマブル構造光(DLP)スキャナ、3D又は4D超音波スキャナ、デジタルカメラスキャナ、発光ダイオード(LED)スキャナ及びレーザスキャナから成る群から選択される、
請求項21に記載の歯科イメージャ。
【請求項28】
口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャであって、
近位端及び遠位端を有するハンドルと、
前記ハンドルに結合して、前記口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有するヘッドと、
前記ヘッドまたは前記ハンドルに固定して結合され、それぞれが前記口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有する一対の静的スキャンアームと、
前記ヘッドまたは前記ハンドルに取り付けられた前部パッド及び後部パッドと、
撮像中に前記歯科イメージャが前記口腔内空洞に対して移動する際に、前記口腔内空洞に係合するサイズ及び形状を有すると同時に前記スキャナを前記口腔内空洞から付勢するガイドと、
を備えることを特徴とする歯科イメージャ。
【請求項29】
前記ヘッドまたは前記ハンドルに取り付けられて前記ガイドの高さよりも低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナを含む、
請求項28に記載の歯科イメージャ。
【請求項30】
前記ヘッドまたは前記ハンドルと一体化され、前記少なくとも1つのスキャナと通信して前記口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を含む、
請求項28に記載の歯科イメージャ。
【請求項31】
前記少なくとも1つのスキャナは、飛行時間(ToF)スキャナ、立体映像スキャナ、光場モーメント撮像スキャナ、固定構造光スキャナ、プログラマブル構造光(DLP)スキャナ、3D又は4D超音波スキャナ、デジタルカメラスキャナ、発光ダイオード(LED)スキャナ及びレーザスキャナから成る群から選択される、
請求項28に記載の歯科イメージャ。
【請求項32】
口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャであって、
近位端及び遠位端を有する細長いハンドルと、
前記細長いハンドルの前記遠位端に位置し、前記口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有するヘッドと、
前記細長いハンドルの前記ヘッドに対して固定して前記ヘッドから外向きに突出するとともに、前記口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有する少なくとも一つの静的側部スキャンアームと、
撮像中に前記歯科イメージャが前記口腔内空洞に対して移動する際に、前記口腔内空洞に係合するサイズ及び形状を有すると同時に前記スキャナを前記口腔内空洞から一定の距離に付勢するガイドと、を備え、
前記ガイドは、前記ヘッドに回転可能に結合されて前記口腔内空洞にわたる前記歯科イメージャの転がり支持を行うように構成されたローラ、又は前記口腔内空洞にわたる摺動を可能にする表面を有するパッドを含む、
ことを特徴とする歯科イメージャ。
【請求項33】
口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャであって、
近位端及び遠位端を有する細長いハンドルと、
前記細長いハンドルの前記遠位端に位置し、前記口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有するヘッドと、
前記ヘッドに対して固定して前記ヘッドから外向きに突出するとともに、前記口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有する少なくとも一つの静的側部スキャンアームと、
前記口腔内空洞に係合するサイズ及び形状を有すると同時に前記スキャナを前記口腔内空洞から一定の距離に付勢するガイドと、を備える、
ことを特徴とする歯科イメージャ。
【請求項34】
前記少なくとも1つの静的側部スキャンアームは、互いに向かい合って前記ヘッドに結合された一対の静的側部弓形スキャンアームを含む、
請求項33に記載の歯科イメージャ。
【請求項35】
前記一対の静的側部弓形スキャンアームの各々は、上部スキャナ及び底部スキャナを含む、
請求項34に記載の歯科イメージャ。
【請求項36】
前記上部スキャナ又は前記底部スキャナは、前記一対の静的側部弓形スキャンアームに30~60度の角度で取り付けられ、前記上部スキャナ又は前記底部スキャナの他方は、前記一対の静的側部弓形スキャンアームに120~180度の角度で取り付けられる、
請求項35に記載の歯科イメージャ。
【請求項37】
前記一対の静的側部弓形スキャンアームの一方にエミッタを含んで前記一対の静的側部弓形スキャンアームの他方に検出器を含む作動センサを含み、前記エミッタ及び前記検出器は、前記エミッタによって生成されたビームが、前記歯科イメージャの未使用時には前記検出器によって受け取られ、使用時には前記口腔内空洞によって遮られるようにする、
請求項34に記載の歯科イメージャ。
【請求項38】
前記ガイドは、前記ヘッドに回転可能に結合されて前記口腔内空洞にわたる前記歯科イメージャの転がり支持を行うように構成されたローラ、又は前記口腔内空洞にわたる摺動を可能にする表面を有するパッドを含む、
請求項33に記載の歯科イメージャ。
【請求項39】
前記ヘッドに取り付けられて前記ローラ又は前記パッドよりも低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナを含む、
請求項38に記載の歯科イメージャ。
【請求項40】
前記ガイドは、前記少なくとも1つの静的側部スキャンアームの一端に該少なくとも1つの静的側部スキャンアームに対して30~45度の角度で結合された側部ローラガイド又は側部パッドを含む、
請求項33に記載の歯科イメージャ。
【請求項41】
前記側部ローラガイドは、前記少なくとも1つの静的側部スキャンアームの内部に対して形成された軸を中心に結合される、
請求項40に記載の歯科イメージャ。
【請求項42】
前記ヘッドに結合された前部内側スキャンアームと後部内側スキャンアームとを含む、
請求項33に記載の歯科イメージャ。
【請求項43】
前記ヘッドは、前部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き前部プラットフォームと、後部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き後部プラットフォームとを含む、
請求項33に記載の歯科イメージャ。
【請求項44】
前記ガイドは、前記前部スキャナの上方で前記角度付き前部プラットフォームに結合された前部パッドと、前記後部スキャナの上方で前記角度付き後部プラットフォームに結合された後部パッドとを含む、
請求項43に記載の歯科イメージャ。
【請求項45】
前記細長いハンドルと一体化され、前記スキャナと通信して前記口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を含む、
請求項33に記載の歯科イメージャ。
【請求項46】
前記通信回路は、無線送信機、USBコネクタ、又は光ファイバコネクタを含む、
請求項45に記載の歯科イメージャ。
【請求項47】
前記スキャナは、飛行時間(ToF)スキャナ、立体映像スキャナ、光場モーメント撮像スキャナ、固定構造光スキャナ、プログラマブル構造光(DLP)ス
キャナ、3D又は4D超音波スキャナ、デジタルカメラスキャナ、発光ダイオード(LED)スキャナ及びレーザスキャナから成る群から選択される、
請求項33に記載の歯科イメージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に歯科イメージャと、関連するデジタル印象採得方法とに関する。具体的には、本発明は、歯から離れて付勢されて歯を通り越す際に口腔の輪郭及び表面の3次元画像をデジタル記録する手動操作式スキャナの形態の歯科イメージャに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科印象は、口腔の再現である。歯科医、矯正歯科医及び歯科開業医は、可撤性義歯の作製、歯冠の作製及び装着、歯科ブリッジの形成、装着した義歯の修復、マウスガード又はカスタマイズされたエナメルホワイトニングトレーの作製、診断検査モデルの形成、又はその他の口腔装置の加工及び装着などの様々な理由で歯科印象を採得する。
【0003】
現在、訓練を受けた開業医は、固体の口腔型を形成することによって歯科印象を採得することができる。この過程では、「U」字型のプラスチックトレーを硬化化学ペーストで満たした後に、これを患者の歯列弓全体の周囲に押し上げることが必要である。ペーストは、印象体へと硬化して患者の口のネガレリーフ(negative relief)を形成する。その後、印象体のネガ空間を用いて丈夫な型を形成することができる。この形態の歯科印象記録には数多くの制限及び不都合がある。
【0004】
例えば、印象を形成するために使用される化学ペーストは、患者の歯列弓への塗布時に凝固しなければならない。この凝固過程は、長時間(例えば、6~10分)にわたって口を開けたまま仰向けになっている患者にとって不快な体験となり得る。さらに、印象の硬化過程中に化学ペーストが過度の唾液分泌を引き起こし、特に患者が仰向けになっている時には正しい呼吸能力が制限される恐れもある。硬化した歯科印象の取り外しも、たとえ正しく行われた場合でも患者にとっては不快な体験となり得る。また、歯科印象を形成するために使用された化学ペーストのかすが歯の隙間に詰まるため、ペーストの取り外し後にも口内に嫌な味が残ることによって不快感が悪化する。
【0005】
さらに、物理的印象は、通常は口腔の全ての窪み、隙間又は隆起を表現できるわけではない。例えば、歯列矯正装置又は恒久的保定装置を含むアタッチメントが患者の歯の表面に存在する場合には過程全体が損なわれ、物理的歯科印象の形成が不可能な場合もある。この理由は、アタッチメントによって、印象の硬化及び取り外しステップ中にその精度及び完全性の低下が避けられなくなるからである。さらに、硬化した化学ペースト型の引っかき傷を防止できないため、歯科印象を採得し直す(すなわち、型取りをやり直す)必要性が生じてしまうこともある。
【0006】
口腔内の限られた領域のみを標的とした印象の採得も、物理的歯科印象体の性質、一貫性及び展性に起因して不可能ではないにしても極めて困難である。従って、優れた開業医は、たとえ患者が1本の歯又は単一の口腔領域の治療しか必要としない場合でも、通常は歯列弓全体の印象を作製する。また、印象及び型を用いた歯科印象の形成では、印象の硬化過程及び結果としての丈夫な型の形成の両方から過度の廃棄物も生じる。当然ながら、このことは、印象及び型を作製するために必要な消耗品を開業医が絶えず購入しなければならないことも意味する。
【0007】
物理的歯科印象の形成には、時間及び人手も掛かり得る。例えば、開業医は、化学ペーストを含む「U」字形プラスチックトレーを患者の歯列弓全体の周囲に押し上げた後に、化学ペーストが硬化するのを待たなければならない。その後、開業医は、硬化した化学ペーストによって形成された鋳型に流し込んだ歯科用石材が硬化又は凝固するのを数時間以上も待たなければならない。(a)化学ペーストの混合、(b)「U」字形トレーへの化学ペーストの塗布、(c)口内へのトレーの挿入、(d)歯科印象が硬化するまでの不十分な時間の待機、(e)印象が硬化した際のトレーの取り外し、又は(f)硬化した歯科印象からの型の形成は不適切に行なわれやすいので、職員も、現在の印象体と型による方法を用いて物理的歯科印象を採得するために高度な訓練を受けなければならない。訓練が不十分な、特に経験の浅い職員は、正しい型が生成されるまで一度に同じ患者の複数の歯科印象を採得することが否応なく必要になる。このことは、患者にとっても開業医にとっても望ましくない。
【0008】
過去13年にわたり、歯列弓をスキャンして3Dデジタルモデルを形成することなどによる、より良好な歯科印象採得方法の試行及び導入技術が複数生み出されてきた。先行技術に開示されるシステムには、光ベースのスキャンシステムを組み込んで3次元デジタル口腔表現を形成するものもある。この点、いくつかのシステムは、スキャナの形の「U」字形歯科トレーを再現するように設計されているが、これらのシステムには、広いスキャン領域及び収集データ量に関する制約もある。例えば、これらのスキャナは、歯のみを標的にするのではなく、かなりの歯茎部分、並びに口蓋及び口蓋底の一部も記録する。この結果、3Dスキャンしたデジタル印象は、歯科医が型の3D又は鋳込みを行える状態になるためにコンピュータソフトウェアを介した大量のデジタル作業及び調整を受けなければならない。さらに、「U」字形トレーが歯列弓全体をスキャンする必要があることを考えると、「U」字形歯科スキャナも1本の歯又は選択された口腔領域の印象を効率的に採得することはできず、従って化学ペーストを利用する「U」字形トレーに関する現在の方法と同じ制約が本質的に存在する。これらのシステムは、硬化化学ペーストに代えてデジタルスキャナを使用するように設計することもできるが、必ずしも大幅に効率性が高いわけではない。
【0009】
例えば、Schmittに付与された米国特許出願公開第2012/0064477号には、歯科印象を採得するための変形可能な印象化合物を含む歯科印象トレーが開示されており、この文献の内容はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。1又は2以上のセンサを配置して、口腔印象の採得時に変形可能な印象化合物の変化を識別することができる。これらのセンサは、異なる配置、形状及び/又は寸法を識別し、このような情報をプロセッサに中継してデジタル口腔表現を形成することができる。この例では、変形可能な印象化合物が、従来歯科印象型を形成するために使用されている化学硬化トレーに酷似する「U」字形トレー内に配置される。
【0010】
別の例では、Osterwalderに付与された米国特許第6,976,841号に、歯列弓印象体全体を作製するために使用される化学トレーと同様の「U」字形トレー内に配置された複数のスキャナを用いて内部の材料を硬化させる口腔内歯科照射イメージャが開示されており、この文献の内容はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。この装置は、歯科印象を作製する際に、物理的に硬化した歯科印象型を形成する従来の過程と同様の、「U」字形トレー内の材料を硬化させる触媒として機能するスペクトルの光を投影する。「U」字形トレー全体を通じてスキャナが配置され、患者の歯を覆って挿入された時に歯科印象材料を硬化させる。
【0011】
Durbinに付与された米国特許第6,386,867号には、固定「U」字形軌道に恒久的にカメラを取り付けた「U」字形マウスピースが開示されており、この文献の内容はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。カメラは、固定された曲線軌道に沿って複数の適所に摺動して口腔内の歯構造の画像を取り込む。撮像中に歯と歯茎との境界面に望ましくない食べかすが存在しないように、カメラには、「U」字形軌道に沿って移動可能に空気誘導ノズルが結合される。
【0012】
Osterwalderに付与された米国特許出願公開第2005/0202363号にも、従来の物理的歯科印象型を作製するために使用される化学トレーと同様の構造の、ただしその内面に複数のLEDライトが固定され、反対側の内面に複数の撮像センサが固定された「U」字形歯科トレーが開示されており、この文献の内容はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。LEDライト及び撮像センサは、移動不能である。この点、LEDから放出された光がLEDとセンサとの間に位置する歯によって屈折する。センサは、光が通過したことに基づいて歯の画像を取り込んで記録する。しかしながら、半透明の口内物体を照射して記録すると、光が物体にぶつかって跳ね返るのではなく物体を通過した後に記録されるので、表面マッピングを直ぐに利用することができない。従って、完全に不透明な物体を撮像することは不可能である。
【0013】
Tsujiに付与された米国特許出願公開第2015/0079534号には、パターン光投影装置と撮像センサとを含む「U」字形トレーが開示されており、この文献の内容はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。「U」字形トレーの内面内の光投影装置を作動させ、搭載センサを用いて光パターンの交点を記録することにより、トレーを使用して歯の3次元口内画像を採得する。センサ及び投影装置は、トレー内の固定位置に配置される。
【0014】
他の既知のデジタル印象システムでは、デジタル印象を採得するために口腔周囲で自由に操作できるハンドヘルドツールの一部として光ベースのスキャナが実装される。例えば、Duretに付与された米国特許第8,520,925号には、表面の3次元カラー印象を採得するハンドヘルド式センサワンド(hand-held sensor wand)が開示されており、この文献の内容はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。このセンサワンドは、少なくとも2つのCCD又はCMOSカラーセンサの組をワンド基部の固定位置に収容し、デジタル画像を採得する領域を覆って配置することができる。しかしながら、適切なガイドがなければ、正しい形状及び距離でのスキャンを行うことは難しい。さらに、このようなワンドでは、誤って舌及びその他の口内部分がスキャンされる可能性が高く、従ってスキャンの精度が低く、及び/又は正確な3次元モデルを確実に作成するためにユーザの訓練が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】米国特許出願公開第2012/0064477号
【文献】米国特許第6,976,841号
【文献】米国特許第6,386,867号
【文献】米国特許出願公開第2005/0202363号
【文献】米国特許出願公開第2015/0079534号
【文献】米国特許第8,520,925号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
既知のデジタル印象システムは、物理的歯科印象型に関連する問題の一部には対処しているにも関わらず欠点を含む。例えば、「U」字形スキャナアレイ、及び可動スキャナを含む「U」字形軌道はサイズによって制限され、必ずしも全ての口腔サイズに収まるわけではない。この結果、例えば大人の口内をスキャンするようなサイズの装置を用いて子供の口内をスキャンしようとした時に問題が生じ得る。開業医らは、全ての患者に対応するために様々な異なるサイズの装置を購入することが必要になる。このことは、初期設備費用が高くなり、従って物理的歯科印象体及び型を形成するために必要な上述した消耗品の潜在的コスト優位性を妨げることを意味する。
【0017】
現在のハンドヘルド式スキャンシステムの非制約的な性質は、とりわけガイドが存在しないことに起因して、開業医が正確な画像の取得方法を理解できるようにさらなる訓練を必要とし得る。さらに、開業医は、撮像対象によっては画像の精度を保証するために手を動かさないようにしなければならない。例えば、開業医は、スキャン中に正しい焦点距離が維持されるとともに、撮像センサが検査面に接触しないことを確実にしなければならない。これらの制約により、デジタル口腔表現が使用可能になる前に補正又は後処理が必要になり、従って歯科印象を作成する時間及びコストが増加する可能性がある。
【0018】
従って、当業では、扱いにくいトレー、高価な消耗品、又は訓練を受けた熟練ユーザを必要とすることなく詳細な3次元口腔面表現を記録できる適応性の高い低コストの歯科イメージャに対する大きなニーズが存在する。本発明は、これらのニーズを満たすとともに関連するさらなる利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本明細書に開示する、口腔内空洞(interoral cavity)を撮像するための歯科イメージャの1つの実施形態は、近位端及び遠位端を有する細長いハンドルを含む。細長いハンドルの遠位端におけるヘッドは、歯科イメージャの反対側の近位端を保持しながら口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有することができる。この点、細長いハンドルは、近位端にラバーグリップを含むことができ、約5~6インチの長さとすることができる。歯科イメージャは、細長いハンドルのヘッドから外向きに突出して、口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有する少なくとも1つの側部スキャンアームを含むこともできる。スキャナは、歯又はその他の口腔内特徴部を整列させて撮像するようにほぼ内向きに突出することができる。また、歯科イメージャは、撮像中に歯科イメージャが口腔内空洞に対して移動する際に、口腔内空洞に実質的に連続して係合すると同時にスキャナを実質的に口腔内空洞から比較的一定の距離に付勢するサイズ及び形状を有するガイドを含むこともできる。この点、ガイドは、歯の表面又は歯茎に対する好ましい位置にスキャナを配置して、歯又は口腔内空洞の他の撮像部分からの歯科イメージャの位置選択に関連するエラーを実質的に低減することによって画質を高めるのに役立つことができる。
【0020】
この実施形態の別の態様では、少なくとも1つの側部スキャンアームが、互いに向かい合ってヘッドに結合された一対の側部弓形スキャンアームを含むことができる。この場合、一対の側部弓形スキャンアームの各々は、上部スキャナ及び底部スキャナを含むことができる。上部スキャナ又は底部スキャナの一方は、一対の側部弓形スキャンアームに30~60度の角度で取り付け、上部スキャナ又は底部スキャナの他方は、一対の側部弓形スキャンアームに120~180度の角度で取り付けて、スキャンカバレッジを良好に最大化することができる。いくつかの態様では、上部及び底部スキャナのスキャンカバレッジが実質的に又は部分的に重なり合うことができる。この実施形態の別の態様では、歯科イメージャが、側部弓形スキャンアームの一方にエミッタを含んで一対の側部弓形スキャンアームの他方に検出器を含む作動センサを含むことができる。この場合、エミッタ及び検出器は、エミッタによって生成されたビームが、歯科イメージャの未使用時には検出器によって受け取られ、使用時には口腔内空洞によってほぼ遮られるようにほぼ整列することができる。この点、一対の側部弓形スキャンアームは、1又は2以上の歯にわたる歯科イメージャの摺動係合を可能にする距離だけ互いにオフセットすることができる。すなわち、側部弓形スキャンアームの各々が1又は2以上の歯の外側面をほぼ取り囲む一方で、ヘッドは歯の上面を取り囲む。また、ヘッドは、ハンドルベロー又は玉継手を介して細長いハンドルに対して枢動することもでき、そうでなければ、スキャン目的などで1つのヘッドが別のヘッドよりも好ましい場合に細長いハンドルと交換することができる。
【0021】
1つの実施形態では、ヘッドが、細長いハンドルの遠位端に玉継手によって結合された回転式ヘッドを含むことができる。このような接続は、細長いハンドルに対するヘッドの長手方向、横方向及び/又は垂直方向への360度の同時移動を可能にすることができる。この実施形態の別の態様では、回転式ヘッドが、少なくとも1つの側部スキャンアーム又は一対の側部スキャンアームが結合されたプラットフォームをさらに含むことができる。
【0022】
ガイドは、ヘッドに回転可能に結合されて口腔内空洞にわたる歯科イメージャの転がり支持を行うように構成されたローラを含むことができる。これとは別に、又はこれに加えて、ガイドは、口腔内空洞にわたる摺動を可能にする表面を有するパッドとすることもできる。これらの実施形態では、ガイドが直接ヘッドに結合されて、スキャン中にほぼ歯の上面を横切ることができる。この点、ヘッドは、内部に取り付けられた少なくとも1つの中央スキャナを含むことができ、この中央スキャナは、中央スキャナを歯の上面から上方に離して付勢してそのスキャンを向上させるローラ又はパッドよりも相対的に低い高さを有することができる。
【0023】
これらの実施形態の別の態様では、少なくとも1つの側部スキャンアーム又は一対の側部スキャンアームが、可撓性継手を介してヘッドに結合することができる。この場合、可撓性継手は、(単複の)側部スキャンアームがヘッド及び/又は細長いハンドルに対して動くと同時に、上述したガイドなどを介して歯の外面との接触を維持することを可能にすることができる。このことは、スキャン中にスキャナが歯の曲率にほぼ追従できるという点で有益となり得る。側部スキャンアームが可撓性継手を中心に動くと、(単複の)側部スキャンアーム内のコンパス又はその他の位置センサがそれぞれの側部スキャンアームの角度方向を追跡することができる。いくつかの実施形態では、可撓性継手が、各々がそれぞれの側部スキャンアームを歯に係合するようにほぼ内側に付勢するばね、ヒンジ、蛇腹状のベロー又は玉継手を含むことができる。この点、ガイドは、口腔内空洞に接触できるように(単複の)側部スキャンアームの各々の一端に約30~45度の角度で結合された側部ローラガイド又は側部パッドを含むことができる。具体的に言えば、側部ローラガイドは、側部スキャンアームの内部に対して形成された軸の周囲に結合することができる。
【0024】
別の態様では、これらの実施形態が、ヘッドに結合された前部内側スキャンアームと後部内側スキャンアームとを含むことができる。スキャンアームは、ヒンジ、ばね、弾力性のある弾性材料(resilient elastic material)、多軸ピボット又は玉継手によってヘッドに結合することができる。また、ヘッドは、前部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き前部プラットフォームと、後部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き後部プラットフォームとを含むことができる。この場合、ガイドは、前部スキャナの上方で角度付き前部プラットフォームに結合された前部パッドと、後部スキャナの上方で角度付き後部プラットフォームに結合された後部パッドとを含むことができる。上記のように、ガイドは、スキャン中に歯科スキャナのヘッドを、前部及び後部スキャナが歯の上部の撮像を良好に最大化できるように歯の上面から選択的に付勢することができる。
【0025】
歯科イメージャは、細長いハンドルと一体になった、少なくとも1つのスキャナと通信して口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を含むこともできる。通信回路は、無線送信機、USBコネクタ、又は光ファイバコネクタを含むことができる。スキャナは、飛行時間(ToF)スキャナ、立体映像スキャナ、光場モーメント撮像スキャナ、固定構造光スキャナ、プログラマブル構造光(DLP)スキャナ、3D又は4D超音波スキャナ、デジタルカメラスキャナ、発光ダイオード(LED)スキャナ、及びレーザスキャナから成る群から選択することができる。
【0026】
別の実施形態では、ヘッドに前部パッド及び後部パッドを取り付けることができ、少なくとも1つの側部スキャンアームは、ヘッドに固定して結合された一対の静的スキャンアームを含む。この場合、静的側部スキャンアームの各々は、口腔内空洞を撮像する1又は2以上のスキャナを含むことができる。
【0027】
本明細書に開示する別の実施形態では、口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャが、近位端及び遠位端を有する細長いハンドルと、細長いハンドルの遠位端に位置して、口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有するヘッドと、ヘッドに弾性的に結合されて互いに向かい合ってほぼ外向きに突出し、それぞれが口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有する一対の側部弓形スキャンアームとを含むことができる。ヘッドには、口腔内空洞にわたる歯科イメージャの転がり支持を行うように構成できる中央ローラを回転可能に結合することができる。また、一対の側部弓形スキャンアームの各々には、これらに対して約30~45度の角度で側部ローラガイドを結合することができる。この場合、中央ローラ及び側部ローラガイドの各々は、撮像中に歯科イメージャが口腔内空洞に対して移動する際に、口腔内空洞(例えば、歯)に実質的に連続して係合すると同時にスキャナを実質的に口腔内空洞から比較的一定の距離に付勢するサイズ及び形状を有することができる。
【0028】
各スキャナは、頂部スキャナ及び底部スキャナを含むことができ、スキャンカバレッジを向上させるために、頂部スキャナ又は底部スキャナの一方は、側部弓形スキャンアームに30~60度の角度で取り付けられ、頂部スキャナ又は底部スキャナの他方は、側部弓形スキャンアームに120~180度の角度で取り付けられる。また、歯科スキャナは、ヘッドに取り付けられて中央ローラよりも相対的に低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナを含むこともできる。
【0029】
これらの実施形態に開示する歯科スキャナは、一対の側部弓形スキャンアームの一方におけるエミッタ、及び一対の側部弓形スキャンアームの他方における検出器などの作動センサを含み、エミッタ及び検出器は、エミッタによって生成されたビームが、未使用時には検出器によって受け取られ、使用時には口腔内空洞によってほぼ遮られるようにほぼ整列する。この場合、ヘッドは、一対の側部弓形スキャンアームが結合されたプラットフォームを有する回転式ヘッドを含むことができる。また、ヘッドは、細長いハンドルに対する長手方向、横方向及び/又は垂直方向への360度の同時移動を可能にする玉継手によって細長いハンドルの遠位端に結合することができる。
【0030】
一対の側部弓形スキャンアームの各々は、側部弓形スキャンアームの角度方向を追跡するコンパスを含むことができるとともに、少なくとも1つの側部スキャンアームを口腔内空洞のスキャンされる表面近くに配置できるようにほぼ内側に付勢するばね、ヒンジ、蛇腹状のベロー又は玉継手を含むヘッドとの結合を介して動くことができる。
【0031】
細長いハンドルには、スキャナと通信して口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を一体化することができ、ヘッドは、スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き前部プラットフォームと、後部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き後部プラットフォームとを含むことができる。また、この実施形態における歯科スキャナは、ヘッドに結合された前部内側スキャンアームと後部内側スキャンアームとを含むこともできる。この場合、ヘッドは、ハンドルベロー又は玉継手を介して細長いハンドルに対して枢動することができる。側部ローラガイドの各々は、それぞれの側部弓形スキャンアームの内部に対して形成された軸の周囲に結合することができる。
【0032】
本明細書に開示する口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャの別の実施形態では、細長いハンドルが近位端と遠位端とを有し、遠位端には、ハンドルベロー又は玉継手を介して細長いハンドルに対して枢動可能なヘッドが位置することができる。ヘッドは、歯及び/又は歯茎をスキャンする目的で口腔内空洞に選択的に挿入できるサイズ及び形状を有することができる。この点、1又は2以上の歯の他の表面をほぼ覆うのに十分な距離だけ離れて互いにほぼ向かい合う一対の可撓性側部スキャンアームを配置することができる。可撓性側部スキャンアームは、細長いハンドルのヘッドに不随することができ、各々が口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連するスキャナを有することができる。各可撓性側部スキャンアームは、スキャン中に可撓性スキャンアームが口腔内空洞に対して(例えば、起伏のある歯の表面を覆って)移動又は屈曲した時にその角度方向を追跡するコンパスを含むこともできる。歯科イメージャは、ヘッドに取り付けられて内部の内側パッドよりも相対的に低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナを含むこともでき、一対の可撓性側部スキャンアームの各々は、スキャンカバレッジを最大化するように上部スキャナ及び底部スキャナを含む。また、側部パッドは、一対の可撓性側部スキャンアームの各々に、これらに対して約30~45度の角度で結合することができる。
【0033】
この実施形態の別の態様では、ヘッドに結合された内側パッドを、口腔内空洞にわたる歯科イメージャの摺動支持を行うように構成することができ、側部パッド及び内側パッドは、撮像中に歯科イメージャが口腔内空洞に対して移動する際に、口腔内空洞に実質的に連続して係合すると同時にスキャナを実質的に口腔内空洞から比較的一定の距離に付勢するサイズ及び形状を有することができる。この実施形態における歯科イメージャは、スキャンカバレッジを向上させるために、ヘッドに結合された前部内側スキャンアームと後部内側スキャンアームとを含むこともできる。可撓性側部スキャンアーム及び/又は前部内側スキャンアーム及び/又は後部内側スキャンアームは、ヒンジ、ばね、弾力性のある弾性材料、多軸ピボット又は玉継手によってヘッドに結合することができ、ヘッドは、前部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き前部プラットフォームと、後部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き後部プラットフォームとを含むことができる。
【0034】
また、これらの実施形態の別の態様では、歯科イメージャが、一対の側部弓形スキャンアームの一方にエミッタを含んで一対の側部弓形スキャンアームの他方に検出器を含む作動センサを含むことができる。エミッタ及び検出器は、エミッタによって生成されたビームが、未使用時、すなわち歯などの物体が送信を妨げない時には検出器によって受け取られ、使用時、すなわちスキャン中に歯科イメージャがほぼ1又は2以上の歯を覆った時には口腔内空洞又は歯によってほぼ遮られるようにほぼ整列することができる。上部スキャナ又は底部スキャナの一方は、一対の可撓性側部スキャンアームに30~60度の角度で取り付けることができ、上部スキャナ又は底部スキャナの他方は、一対の可撓性側部スキャンアームに120~180度の角度で取り付けることができる。また、前部パッドは、前部スキャナの上方で角度付き前部プラットフォームに結合することができ、後部パッドは、後部スキャナの上方で角度付き後部プラットフォームに結合することができ、ヘッドは、ハンドルベロー又は玉継手を介して細長いハンドルに対して枢動することができる。歯科イメージャは、細長いハンドルと一体になった無線送信機、USBコネクタ又は光ファイバコネクタを含んで少なくとも1つのスキャナと通信して口腔内空洞の撮像データを選択的に送信する通信回路を含むこともでき、ヘッドは、細長いハンドルと交換可能である。
【0035】
別の実施形態では、本明細書に開示する口腔内空洞を撮像するための歯科イメージャが、細長いハンドルと、細長いハンドルの一端に位置するヘッドと、細長いハンドルから外向きに突出し、各々が口腔内空洞の少なくとも一部を撮像するための関連する上部スキャナと底部スキャナとを有する一対の可撓性側部弓形スキャンアームと、可撓性側部弓形スキャンアームの各々に付随して可撓性側部弓形スキャンアームの角度方向を追跡するコンパスと、ヘッドに付随して前部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き前部プラットフォーム、及びヘッドに付随して後部スキャナを30~60度の角度で保持する角度付き後部プラットフォームと、撮像中に歯科イメージャが口腔内空洞に対して移動する際に、口腔内空洞に実質的に連続して係合すると同時にスキャナのうちの1つ又は2つ以上を実質的に口腔内空洞から比較的一定の距離に付勢するサイズ及び形状を有するガイドとを含むことができる。
【0036】
細長いハンドルと一体になってスキャナと通信する通信回路が、口腔内空洞の撮像データを処理のためにコンピュータシステムなどに選択的に送信することができ、一対の可撓性側部弓形スキャンアームは、可撓性継手を介してヘッドに結合される。この実施形態の別の態様では、歯科イメージャが、一対の側部弓形スキャンアームの一方にエミッタを含んで一対の側部弓形スキャンアームの他方にレセプタを含む作動センサを含むことができる。エミッタ及びレセプタは、エミッタによって生成されたビームが、未使用時にはレセプタによって受け取られ、使用時には口腔内空洞によってほぼ遮られるようにほぼ整列することができる。
【0037】
歯科イメージャは、ヘッドに結合された前部内側スキャンアーム及び後部内側スキャンアームを含むこともでき、ガイドは、一対の可撓性側部弓形スキャンアームの各々に、これらに対して約30~45度の角度で結合された側部ローラガイド又は側部パッドを含むことができ、ヘッドは、細長いハンドルと交換可能とすることができる。また、歯科イメージャは、ヘッドに取り付けられてローラ又はパッドよりも相対的に低い高さを有する少なくとも1つの中央スキャナと、ヘッドに結合された前部内側スキャンアーム及び後部内側スキャンアームとを含むことができる。さらに、ガイドは、前部スキャナの上方で角度付き前部プラットフォームに結合された前部パッドと、後部スキャナの上方で角度付き後部プラットフォームに結合された後部パッドとを含むことができる。別の態様では、ガイドが、ヘッドに回転可能に結合されて口腔内空洞にわたる歯科イメージャの転がり支持を行うように構成されたローラ、又は口腔内空洞にわたる摺動を可能にする表面を有するパッドを含むことができ、ヘッドは、ハンドルベロー又は玉継手を介して細長いハンドルに対して枢動することができる。
【0038】
別の実施形態では、本明細書に開示する歯科イメージャが細長いハンドルを含み、ハンドルの遠位端には、複数の弓形スキャンアームがヒンジによって枢動可能に結合された中央プラットフォームを有する回転式ヘッドが結合される。中央プラットフォームは、矩形の形状を有することができ、ハンドルに恒久的に接続することができる。回転式ヘッド、及びヘッドに接続された関連する中央プラットフォームは、ハンドルに対して360度回転することができる。1つの実施形態では、中央プラットフォームが、歯の上部をスキャン又は撮像するように設計された1又は2以上の中央スキャナを含むことができる。弓形スキャンアームは、ハンドルに対して下向きに展開し、歯の一部を少なくとも部分的に取り囲む形状及びサイズ(例えば、弓形)を有する。各弓形スキャンアームは、少なくとも1つのスキャナと、口腔内空洞の様々なスキャン又は画像撮影時に歯又は歯茎の表面に沿って快適に転がりながらスキャナを歯の表面から所望の距離に付勢して歯の撮像を支援するローラガイドとを含むことが好ましい。この実施形態の1つの態様では、歯科イメージャが、上側アームスキャナ及び下側アームスキャナを用いて歯の側面のスキャンデータ及び撮像データを収集する一対の側部弓形スキャンアームと、前部及び後部内側スキャナを用いて歯の上側及び後側のスキャンデータ又は撮像データを収集する前部及び後部弓形スキャンアームとを含むことができる。ローラガイドは、一般にスキャナが歯構造から比較的一定の距離で歯構造の詳細な画像を取得できるようにスキャンアームを付勢する。この点、このような歯科イメージャは、口腔内表面の輪郭をスキャンして記録する過程において使用することができ、そのデータを用いて、3Dプリンタなどによって印刷可能なデジタル3次元表面印象を形成することができる。
【0039】
本発明の原理を一例として示す添付図面と共に以下のさらに詳細な説明を読むことにより、本発明のその他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
【0040】
以下の添付図面に本発明を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本明細書に開示する、口腔内の歯の表面をスキャンする歯科イメージャの1つの実施形態の正面図である。
図2図1の歯科イメージャの複数の歯にわたる転がり配置をさらに示す側面図である。
図3】一連の人間の歯のスキャン又は撮像を行う歯科イメージャを示す概略的環境斜視図である。
図4】本明細書に開示する歯科イメージャを用いた口腔内表面のスキャン又は撮像過程を示すフローチャートである。
図5】側部弓形スキャンアームと一体になった一対の側部ローラガイドと、一対の中央円形ガイドと、角度付き固定前部及び後部スキャンプラットフォームとをヘッド内に含む歯科イメージャの別の実施形態の斜視図である。
図6】一対の側部ローラガイドの代わりの、側部弓形スキャンアームと一体になった一対の側部パッドと、中央円形ガイドの代わりの一対の中央パッドとを含む歯科イメージャの別のヘッドの斜視図である。
図7】細長いハンドルに対するヘッドの動きを可能にするハンドルベローを有する歯科イメージャの斜視図である。
図8】本明細書に開示する歯科イメージャと共に使用される、側部弓形スキャンアームの端部に一対の端部パッドを含むプラットフォームベースの回転式ヘッドの別の実施形態の斜視図である。
図9】一対の側部ローラガイドと一対の中央円形ガイドとを含む別のプラットフォームベースの枢動式ヘッドの斜視図である。
図10図9と同様の別のプラットフォームベースの枢動式ヘッドの拡大斜視図である。
図11】一対の静的側部弓形スキャンアームと前部パッド及び後部パッドとを示す歯科イメージャの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
例示的な図面に例示目的で示すように、図1図3及び図5図11では、本明細書に開示する歯科イメージャの実施形態を一般に参照番号10によって参照する。一般に、歯科イメージャ10は、素早い学習と「フリーサイズ」の解決策とを容易にすることによって正確な歯科印象採得のための職員の訓練時間を短縮する比較的単純な設計であり、歯などの口腔内表面の3次元特性の撮像、スキャン、検査及び/又はマッピングを行うために使用することができる。例えば、歯科イメージャ10は、1本の歯、1又は2以上の位置における複数の歯、歯列弓の一部、又は歯列弓全体の正確な形状を取り込んで診断を高速化するために使用することができる。また、歯科イメージャ10は、スキャンした表面が一様でない(例えば、歯が歯列矯正装置又は他の歯科固定具によって取り囲まれている)時には歯科印象形成の不正確さを排除し、観察モニタに静止画像又はリアルタイムビデオ出力を提供することもできる。歯科イメージャ10によって送信される画像又はリアルタイムビデオは、計画されたマッピング部位を良好に評価し、又は他の歯科処置を実行するように拡大することもできる。その後、撮像又はスキャンが完了すると、3Dプリンタなどを用いてスキャン領域のデジタルモデルを印刷して印象のモデル型を形成することができる。この点、本明細書に開示する歯科イメージャ10は、扱いにくく不快で不正確な可能性のある既知の処置に関連する問題点を解決する。もはや化学ペーストは不要になるので、歯科イメージャ10は、化学ペースト処置に関連する不正確性を大幅に低減し、好ましくは排除することもできる。
【0043】
図5で最も良く分かるように、歯科イメージャ10は、(例えば、ゴム製のグリップと曲線的な縁部とを有する約5~6インチの長さの)歯ブラシなどの構造と同様の構造を有することができる、プラスチック材料で形成できる細長いハンドル12を含むことができる。歯ブラシ様の細長いハンドル12は、例えばユーザが口腔内空洞18の外部で近位端20(図3及び図5)を快適に保持しながら、図3に概略的に示すような口腔内空洞18内の複数の歯16のうちの1本又は2本以上に沿った、又はこれらの歯にわたる遠位端14の位置選択を容易にする。この点、細長いハンドル12は、歯ブラシなどを用いた歯磨きと同様の、口腔内空洞18内における遠位端14の位置選択を可能にする。これにより、1又は2以上の歯16などの口腔内空洞18のいくつかの特徴部の3D画像を取得する過程が単純になる。
【0044】
1つの実施形態では、図1図2に示す歯科イメージャ10が、遠位端14に結合された回転式ヘッド22を含むことができ、この回転式ヘッド22は、本明細書に開示するような選択的口腔内撮像又はスキャンのために口腔内空洞18内の歯16にわたって細長いハンドル12の長さを挿入するための間隙をもたらす距離だけ遠位端14から下向きに突出する(図2で最も良く分かる)。回転式ヘッド22は、細長いハンドル12の遠位端14に対して最大360度回転できる点を除き、毛状突起のない歯ブラシヘッドと同様である。この実施形態では、中央プラットフォーム24が、回転式ヘッド22に固定関係で結合し、少なくとも1つの中央円形ガイド26を含み又は別様に支持し、或いは少なくとも1つの中央円形ガイド26に接続して、歯16にわたって歯科イメージャ10を動かした時に中央プラットフォーム24が歯16の輪郭をたどるのに役立つように、図2に示すような一対の中央円形ガイド26、26’を別様に支持することができる。図2では、両中央円形ガイド26、26’が中央プラットフォーム24に取り囲まれて中央プラットフォーム24に付着する。或いは、中央プラットフォーム24は、中央円形ガイド26、26’を完全に取り囲まなくてもよい。回転式ヘッド22が細長いハンドル12の遠位端14に取り付けられている場合、回転式ヘッド22及び中央プラットフォーム24、並びに中央プラットフォーム24に結合された中央円形ガイド26、26’は、全て少なくとも長手方向軸を中心に回転することができる。しかしながら、他の実施形態では、回転式ヘッド22(及び関連する中央プラットフォーム24及び中央円形ガイド26、26’)が、玉継手などを用いて遠位端14に取り付けられた状態で長手方向軸、横軸及び/又は垂直軸内で同時に自由回転することができる。回転式ヘッド22は、ほぼ矩形のプラスチック材料で形成できるとともに、デジタルコンピュータ3次元モデルにおいて歯列弓の正しい形状/開口部を定めるように回転式ヘッド22の位置及び角度を追跡する内部的に配置された電子コンパスを含むこともできる。
【0045】
また、中央プラットフォーム24は、中央プラットフォーム24の下部の図1及び図2に大まかに示す位置に取り付けられた少なくとも一対の中央スキャナ28、28’を含むことができる。他の実施形態では、中央スキャナ28、28’を中央プラットフォーム24の下部の同じ高さに取り付けてさらに多くの間隙をもたらすこともできる。中央プラットフォーム24は、回転式ヘッド22のほぼ中間の高さに取り付け、又はそこから別様に形成することができる。従って、中央スキャナ28、28’は、いずれの位置においても歯16の上部の上方のほぼ所定の距離に位置して、それぞれの中央スキャナ28、28’から歯16全体に放出されるそれぞれの中央ビーム30、30’の組で示すことによって図1及び図2に示すような歯16のカバレッジエリアを大まかに示すように、表面領域などの画像を取り込むことができる。
【0046】
さらに、中央プラットフォーム24は、それぞれの外側ヒンジ34、34’の対を介して中央プラットフォーム24の側面から外側に延びる一対の側部弓形スキャンアーム32、32’にさらに結合することができる。1つの実施形態では、外側ヒンジ34、34’をばね付勢して、側部スキャンアーム32、32’を歯科イメージャ10の内部に向けて歯16の内面及び/又は外面などの口腔内空洞18に別様に係合するようにほぼ付勢することができる。このばね付勢機構は、側部弓形スキャンアーム32、32’が外側ヒンジ34、34’を中心に内外に動いて歯列弓の形状(例えば、歯16の曲面)に追従できるようにすることができる。別の実施形態では、歯科イメージャ10が、側部弓形スキャンアーム32、32’の一方を含むことも、又は側部弓形スキャンアーム32、32’を全く含まないこともできる。この場合は、本明細書でさらに詳細に説明するように、側部弓形スキャンアーム32、32’に取り付けられたあらゆるスキャナの代わりに、中央プラットフォームに1又は2以上のスキャナを直接(例えば、隆起部上に、及び/又は30~60度の角度及び/又は120~150度の角度で)取り付けることができる。このような実施形態は、操作性を高めながらスキャン/撮像の範囲を維持することができる。
【0047】
また、側部弓形スキャンアーム32、32’の各々は、軸38(図2)を中心として、又は図5図9及び図10に関してさらに詳細に示すようにそれぞれの側部スキャンアーム32、32’と一体化された形で、側部弓形スキャンアーム32、32’に回転可能に結合されたそれぞれの側部ローラガイド36、36’を含むことができる。側部ローラガイド36、36’は、側部弓形スキャンアーム32、32’が歯16などに接触するのを防ぐために、軸38から内向きに突出して口腔内空洞18の一部に接触するように側部弓形スキャンアーム32、32’に対して一定の角度(例えば、30~45度)で位置することができる。側部弓形スキャンアーム32、32’の各々は、歯16の側面を撮像又はスキャンするための少なくとも1つのスキャナを含むことができるので、このことは特に有益となり得る。具体的に言えば、図1に示す実施形態では、側部弓形スキャンアーム32、32’の各々が、上側アームスキャナ40、40’と下側アームスキャナ42、42’とを含む。側部ローラガイド36、36’の内向きの突出部は、歯茎組織表面44に接触して、一般に側部弓形スキャンアーム32、32’を口腔内空洞18内のどこにも接触しないように付勢することができる。この目的のために、スキャンアーム32、32’の弓形形状は、湾曲した歯16の形状から離れて屈曲して歯16の側面に沿った間隙をもたらす。さらに、これによって上側アームスキャナ40、40’及び下側アームスキャナ42、42’の各々も歯16に接触しないように付勢される。従って、上側アームスキャナ40、40’の各々がそれぞれの上側ビーム46、46’を放出し、下側アームスキャナ42、42’の各々がそれぞれの下側ビーム48、48’を放出して、歯16の側面構造の取り込み又は記録を行うことができる。図1図3に開示する実施形態には、各側部弓形スキャンアーム32が2つのアームスキャナ40、42を有するように示しているが、別の実施形態は、スキャナの数を最小化するためにこれよりも少ない(例えば、1つの)スキャナを含むことも、或いはさらに包括的なカバレッジが必要及び/又は望ましい場合にはさらに多くの(例えば、2つよりも多くの)スキャナを含むこともできる。歯科イメージャ10は、できる限り正確なデジタル3D画像を形成する目的で実質的に歯16の側面全体を撮像できるべきであるが、全体未満の側面を撮像しながら使用可能なデジタル3D画像を取得することも可能である。1つの実施形態では、カバレッジを良好に最大化するために、上側アームスキャナ40、40’及び下側アームスキャナ42、42’が、それぞれの重なり合う上側ビーム46、46’及び下側ビーム48、48’を有して包括的カバレッジをより良好に保証することができる。この目的のために、コンピュータソフトウェアを、スキャン位置の較正に基づいて自動的に重なりを削除又は統合して、デジタル3D環境における歯16の正確な再現を高めるように構成することができる。
【0048】
図2に示すように、中央プラットフォーム24は、それぞれの前側ヒンジ54及びそれぞれの後側ヒンジ56によって中央プラットフォーム24に同様に結合された前部弓形スキャンアーム50及び後部弓形スキャンアーム52をさらに含むことができる。この実施形態では、歯科イメージャ10が、最大4つのスキャンアーム32、32’、50、52を含むことができる。この点、本明細書に開示する実施形態の各々は、たった1つの側部スキャンアームしか含まないことも、4又は5以上もの側部スキャンアームを含むこともできる。上記と同様に、前側ヒンジ及び後側ヒンジ54、56もばね付勢して、一般にそれぞれの前部及び後部弓形スキャンアーム50、52を歯科イメージャ10の内部に向けて歯16の外面58に別様に係合するように付勢することができる。このばね付勢機構は、前部及び後部弓形スキャンアーム50、52が前側及び後側ヒンジ54、56を中心に内外に動いて歯16の曲率などの歯列弓の形状に追従できるようにすることができる。ヒンジ34、54、56の各々は、一体部品設計(例えば、圧縮ばね又は引張ばね)、多部品設計、自由運動式、ばね付勢式とすることができ、又は弾性材料で形成することができる。さらに、本明細書ではヒンジ34、54、56を単一軸を中心に枢動可能として開示しているが、別の実施形態では、ヒンジ34、54、56が、x軸、y軸及び/又はz軸に沿った多軸枢動又は回転運動(例えば、玉継手)をもたらすこともできる。
【0049】
図2では、前部弓形スキャンアーム50を歯16の裏側の周囲の下降位置で示し、後部弓形スキャンアーム52を歯16’上で転がる上昇構成で示す。前部及び後部弓形スキャンアーム50、52の各々は、それぞれの軸64、66を中心にしてスキャンアーム50、52に回転可能に結合されたそれぞれの前部内側ローラガイド(medial front roller guide)60及び後部内側ローラガイド(medial rear roller guide)62を含むこともできる。前部及び後部内側ローラガイド60、62は、各ローラガイド60、62が各それぞれの軸64、66から内向きに突出して歯の表面58などの口腔内空洞18の一部に接触できるようにする直径を有する。これにより、前部及び後部弓形スキャンアーム50、52が歯16に接触するのを防ぐ。このことは、前部及び後部弓形スキャンアーム50、52の各々がそれぞれの前部内側スキャナ68及び後部内側スキャナ70の少なくとも一方を含む実施形態において有益となり得る。図示のように、スキャンアーム50、52’の弓形形状は、湾曲した歯16の輪郭に同様に従って(従って輪郭から離れて屈曲して)、歯16の内側及び上側に沿って間隙をもたらすことができる。これにより、前部及び後部内側スキャナ68、70の各々は、歯16に接触しないようにさらに付勢される。従って、前部及び後部内側センサ68、70の各々は、(中央スキャナ28、28’の代わりに又はその補完として)それぞれの前部ビーム72及び後部ビーム74を放出して歯16の内側及び上側の構造を取り込み又は記録することができる。別の実施形態では、歯科イメージャ10が、前部弓形スキャンアーム50及び/又は後部弓形スキャンアーム52の一方を含むことも、これらを全く含まないこともできる。或いは、図8及び図9に示すように、中央プラットフォーム24の角度付き固定前部プラットフォーム76上及び/又は角度付き固定後部プラットフォーム78上に1又は2以上のスキャナを直接取り付けることもできる。この場合は、プラットフォーム76、78の角度を30~60度及び/又は120~150度にして、前部弓形スキャンアーム50及び/又は後部弓形スキャンアーム52に取り付けられたスキャナの代わりにそれぞれの前部及び後部内側スキャナ68、70を支持することができる。図8及び図9に示す実施形態は、操作性を高めながらスキャン/撮像の範囲を維持することができる。
【0050】
さらに、前部弓形スキャンアーム50及び/又は後部弓形スキャンアーム52の各々は、必要及び/又は要望に応じてこれより多くの又はこれより少ないそれぞれの前部及び後部内側スキャナ68、70を含むこともできる。しかしながら、歯科イメージャ10は、できる限り正確なデジタル3D画像を形成する目的で実質的に歯16の内側面領域全体を撮像するのに十分なスキャナを含むべきである。例えば、カバレッジを向上させるために、前部ビーム72及び/又は後部ビーム74は、中央スキャナ28、28’の一方又は両方によって放出される中央ビーム30、30’と重なり合って包括的カバレッジを保証することができる。しかしながら、正確な3D画像を形成するために重複カバレッジを必要としないこともできる。この目的のために、コンピュータソフトウェアを、スキャナ28、68、70間の較正に基づいて間隙又は不要な重なりを自動的に削除して歯16の正確なデジタル3D再現を強化するように構成することができる。
【0051】
中央スキャナ28、28’、上側アームスキャナ40、40’、下側アームスキャナ42、42’、及び/又は前部及び後部内側スキャナ68、70は、これらに作動エネルギーを供給する電源に結合することができる。例えば、1つの実施形態では、近位端20が、要求時に歯科イメージャ10に電力を伝送する取り外し不可コード又はプラグインコード80を含むことができる。この実施形態では、コードがUSBコネクタ82を含んで、歯科イメージャ10がコンピュータシステムに接続した時にコンピュータシステムにデータも転送できるようにすることができる。或いは、コードは、情報の転送に使用される光ファイバコードとすることもできる。別の実施形態では、歯科イメージャ10が、ハンドル12内に取り外し可能な又は取り外し不可能な充電式電池を含むことができる。この実施形態では、近位端20を充電器ホルダー内に配置することにより、最新の電動歯ブラシと共に使用される技術を用いて歯科イメージャ10を充電することができる。別の実施形態では、ハンドル12が、必要に応じて選択的に取り外して交換できる取り外し可能なバッテリ(例えば、AAAバッテリ)を収容することができる。
【0052】
対応するコンピュータ装置は、スキャナ28、40、42、68、70のうちの1つ又は2つ以上によって取得されたデータを受け取り、記憶し、分析し、凝集性のあるデジタル3次元印象に再構成することができる。図1に示して上述したように、中央スキャナ28、28’、上側アームスキャナ40、40’、下側アームスキャナ42、42’、及び/又は前部及び後部内側スキャナ68、70は、上述した中央ビーム30、30’、上側及び下側ビーム46、48、並びに前部及び後部ビーム72、74を用いてスキャンされる歯の表面58を覆い、又は実質的に覆うことができる。この構成では、スキャナ28、40、42、68、70が、特に歯の表面58に対して斜めに配置された時に歯16の全ての窪み、隙間及び空間を取り込む可能性が高い。この点、配置角度は、それぞれの弓形スキャンアーム32、50、52に沿ってスキャナ間で異なることができる。ビーム30、46、48、72、74は、コンピュータソフトウェアシステムが記録して処理できる可視光に対応することができる。このような可視光の投影及び記録は、光学三角測量を介した3次元マッピングを可能にすることができる。或いは、中央スキャナ28、28’、上側アームスキャナ40、40’、下側アームスキャナ42、42’、及び/又は前部及び後部内側スキャナ68、70を、光を放出しない非接触受動スキャナとして形成することもできる。この実施形態では、スキャナ28、40、42、68、70が、スキャンされる歯の表面58からの、立体センサ又は測光センサと連動して検出された反射光に依拠して3次元デジタル表現を再現することができる。別の実施形態では、スキャナ28、40、42、68、70が、能動的又は受動的光学又は電気光学スキャン技術を用いて、検査中の表面を測定して記録することができる。スキャナ28、40、42、68、70は、CCD又はCMOS撮像センサなどの電子撮像センサを用いてスキャンされた歯の表面58の輪郭を電子的に測定して記録することもできる。別の実施形態では、スキャナ28、40、42、68、70を、歯16の表面構造を撮影又は別様に記録するカメラとすることができる。この実施形態では、コンピュータソフトウェアが、歯列弓に沿った異なる位置で撮影された写真/記録をデジタル3次元モデルに変換することができる。
【0053】
図3は、口腔内空洞18内に配置された歯科イメージャ10の1つの実施形態の環境斜視図であり、図4には、関連する歯科イメージャ10を用いた口腔内空洞18のスキャン過程(1000)を示す。例えば、スキャン及び撮像過程(1000)は、スキャン対象の口腔内表面18上に歯科イメージャ10を配置する(1002)ことによって開始する。図3に示すように、歯科イメージャ10の近位端20を保持して口腔内空洞18内に遠位端14を延ばし、下顎左側第3大臼歯84上に回転式ヘッド22を配置する。当然ながら、この位置は、ユーザが開始できる口腔内空洞18内の多くの位置のうちの一例にすぎない。従って、開始位置を下顎左側第3大臼歯84のみに限定すべきではない。次のステップ(1004)において、側部弓形スキャンアーム32、32’と前部及び後部弓形スキャンアーム50、52とがそれぞれの回転円弧(rotational arcs)全体を通じて自由に枢動することをチェックして確認する。次のステップ(1006)において、中央円形ガイド26、26’、側部ローラガイド36、36’、及び/又は前部及び後部内側ローラガイド60、62を、スキャン対象の口腔内表面(例えば、歯茎面44、又は図3の下顎左側第3大臼歯84などの歯16の表面58)を取り囲む領域に確実に接触させる。適所にくると、次のステップ(1008)において、中央スキャナ28、28’、上側アームスキャナ40、40’、下側アームスキャナ42、42’、及び/又は前部及び後部内側スキャナ68、70を作動させる。
【0054】
スキャナ28、40、42、68、70が未だ動作していない場合、ユーザは、歯科イメージャ10を「オン」位置に切り替えるスイッチ85(図5)を押してスキャン又は読み取りを開始する選択肢を有することができる。スキャンを停止するには、同じスイッチ85を用いて歯科イメージャ10を「オフ」の位置に切り替えることができる。図5に示す1つの実施形態では、スイッチ85をリング形状(すなわち、指のサイズ及び形状と同様の形状)とすることができる。スイッチ85を押圧すると、画像/形状の取り込みを有効にすることができ、スイッチ85を解除してもはや押圧されていないようにすると、この画像/形状の取り込みを停止することができる。当然ながら、スイッチ85は、歯科イメージャ10を要求に応じて作動及び/又は停止するように設計されたボタンなどとすることもできる。
【0055】
或いは、歯科イメージャ10は、歯科イメージャ10が適所に存在して作動及びスキャンの準備が整った時点を判断するセンサをさらに含むこともできる。この点、歯科イメージャ10は、いつ作動及び/又は停止すべきかを自動的及び/又は半自動的に感知することができる。1つの実施形態では、歯科イメージャ10が、側部弓形スキャンアーム32、32’間に物体(例えば、1本又は2本以上の歯16)が存在する時点を感知することによってスキャンを作動及び/又は停止させるセンサを含むことができる。1つの実施形態では、側部弓形スキャンアーム32の一方が(例えば、赤外線ビームなどを放出できる)エミッタを含むことができ、他方の側部弓形スキャンアーム32’が(例えば、放出された赤外線ビームなどの受光を検出できる)レセプタを含むことができる。未使用時には、エミッタがレセプタにビームを送信し、レセプタがこれを検出することができる。この状態では、歯科イメージャ10が、側部弓形スキャンアーム32、32’間に物体が配置されておらず、従って歯科イメージャ10は非作動状態を保つべきであると判断することができる。その後、例えばユーザが1本又は2本以上の歯16にわたって口腔内空洞18内に歯科イメージャ10を配置すると(図3)、エミッタからレセプタへのビームの送信が遮られる。この場合、歯科イメージャ10は、1本又は2本以上の歯16がエミッタからレセプタへのビームの送信を遮っており、従って歯科イメージャ10が作動してスキャンを開始すべきである状態を識別することができる。その後、口腔内空洞18から歯科イメージャ10が除去されてエミッタからレセプタへのビームの送信が再開されると、歯科イメージャ10は再び停止することができる。歯科イメージャ10が本明細書に開示したように作動すると、このような作動によってヘッド及び/又は側部弓形スキャンアーム32、32’の内側の位置追従装置も作動することができる。
【0056】
開始すると、図3に、そして図2にさらに具体的に示すように、前部弓形スキャンアーム50は、下顎左側第3大臼歯84の後部に張り出してその後側をスキャン又は撮像することができ、側部弓形スキャンアーム32、32’は、図2に大まかに示す位置に存在して歯16の側面をスキャン又は撮像する。この場合、後部弓形スキャンアーム52は全体的に上昇し、歯16’の上部をスキャンする位置に存在する。次のステップ(1010)において、所望の領域をスキャンする。例えば、ユーザは、中央円形ガイド26、26’が歯(例えば、図2の歯16~16’’)の上部全体にわたってゆっくりと進むように、細長いハンドル12を歯列弓の上部に沿って下顎左側第3大臼歯84から離して引き出すことができる。この点、後部内側ローラガイド62は、後軸66を中心とする回転動作を通じて、歯科イメージャ10の歯列弓に沿った後方への又は後退する転動を可能にする。同時に、側部弓形スキャンアーム32、32’は、それぞれの軸38、38’を中心とする側部ローラガイド36、36’、の転がり係合を通じて歯16に対して移動する。また、歯科イメージャ10を右から左(図2)に移動させると、前部弓形スキャンアーム50が下顎左側第3大臼歯84の後部から引き出されるようになる。この点、前部弓形スキャンアーム50は、前側ヒンジ54を中心に中央プラットフォーム24に対して枢動し、これによって図2に示すほぼ垂直位置から(例えば、図2の後部弓形スキャンアーム52に関して示すような)ほぼ水平位置に移行することができる。従って、ユーザは、口腔内空洞18内の1又は2以上の位置における所望の歯(又は複数の歯)にわたって歯科イメージャ10を配置することによって1本又は2本以上の歯16をスキャンすることができる。
【0057】
次のステップ(1012)において、スキャンした画像データを歯科イメージャ10から外部コンピュータシステムに送信する。このデータは、1本の歯、複数の歯、歯列弓の一部、又は歯列弓全体のスキャンを含むことができる。ステップ(1012)は、スキャンステップ(1010)の後に完了することも、或いはリアルタイムなどで同時に完了することもできる。例えば、スキャナ28、40、42、68、70によって収集された情報は、USBコネクタ82又は光ファイバ接続などの配線接続を介して外部コンピュータに送信することができる。或いは、歯科イメージャ10は、無線で(例えば、赤外線送信機、Wi-Fi送信機、Bluetooth(登録商標)などを介して)データを送信することもできる。無線送信の場合、ハンドルは、スキャナ28、40、42、68、70及び無線送信機の動作のための電力を供給するバッテリを含むことができる。配線接続(例えば、USBコネクタ82及び/又は光ファイバコネクタ)の場合には、コンピュータ又は他の電源に接続されたコード80を介して歯科イメージャ10に直接電力を供給することができる。歯科イメージャ10の細長いハンドル12は、スキャナ28、40、42、68、70のうちの1つ又は2つ以上を作動させる、及び/又はワンタッチ操作などでスキャンデータの送信を開始する1又は2以上のボタンなど(例えば、スイッチ85)を含むこともできる。その後、次のステップ(1014)において、コンピュータシステムソフトウェアは、スキャンした画像データを分析して、スキャンした歯の表面領域の詳細な3次元表現を形成する。その後、ステップ(1016)の一部としてユーザがスキャナ28、40、42、68、70を停止し、ステップ(1018)の一部として過程が終了する。
【0058】
図5図11に、本明細書に開示する歯科イメージャ10の別の実施形態を示す。例えば、図5には、遠位端20を有する歯科イメージャ10を示しており、遠位端20からは、コンピュータなどに結合するためのUSBコネクタ82を有するプラグインコード80が延びる。しかしながら、上述したように、プラグインコード80及び/又はUSBコネクタ82は、細長いハンドル12に一体化された光ファイバコネクタ又は無線送信機などの他の技術に置き換えることもできる。細長いハンドル12は、取り扱いを容易にするために一般に大き目の直径のラバーグリップ13を含む。そして、細長いハンドル12は、ラバーグリップ13を含む細長いハンドル12の部分から一般に下向きに離れて屈曲するネック領域86に移行することにより、歯科イメージャ10の遠位端14における本明細書に開示するような静的ヘッド88などが、一般にラバーグリップ13を含む部分よりも低くなった平面内に位置するようになる。これにより、スキャン中にユーザが一般に歯16などの上方に歯科イメージャ10を保持して歯16を覆って配置できるので、使い勝手の良さを促すことができる。当然ながら、この実施形態では、静的ヘッド88がネック領域86及びラバーグリップ13の曲率に対して固定される。
【0059】
この実施形態では、上記で大まかに開示したように、静的ヘッド88が、(例えば、30~60の度の角度の)一対の側部ローラガイド36、36’と、一対の上部スキャナ40、40’と、下部スキャナ42、42’とを有する一対の側部弓形スキャンアーム32、32’を含む。しかしながら、この実施形態では、側部ローラガイド36、36’が、側部弓形スキャンアーム32、32’の端部に結合されるのでも、或いはそこから外向きに延びるのでもなく、側部弓形スキャンアーム32、32’と一体に形成されることにより、軸38がそれぞれの側部弓形スキャンアーム32、32’のハウジングの内側に位置し、ハウジングによって全体的に外部から遮蔽されるようになっている。この場合も、側部ローラガイド36、36’は、口腔内空洞18に対して一般に約30~60度の角度で位置し、それぞれの軸38、38’を中心に回転して歯16に沿った歯科イメージャ10の転動をさらに容易にすることにより、上部スキャナ40、40’及び下部スキャナ42、42’を歯の表面58から離して付勢することができる。
【0060】
また、この実施形態には、上述したような中央プラットフォーム24の一部として形成されるのではなく静的ヘッド88の一部として形成された、前部内側スキャナ68を有する角度付き固定前部プラットフォーム76と、後部内側スキャナ70を有する角度付き固定後部プラットフォーム76とをさらに開示する。しかしながら、この場合も、前部及び後部内側スキャナ68、70を有する前部及び後部プラットフォーム76、78の傾斜性は、本明細書に開示したような、歯科イメージャ10が歯16を通り越す際の歯16の内側部分のさらなる視認及びスキャンを可能にする。
【0061】
また、図5には、側部弓形スキャンアーム32、32’がそれぞれの枢動式スキャンアームベローズ90、90’の対を中心にして静的ヘッド88に結合できることも示す。枢動式スキャンアームベローズ90、90’は、内部に隠れたばねを封入する図示のような柔軟な蛇腹状の外側ゴムベローを含むことができる。この封入されたばねは、側部弓形スキャンアーム32、32’に、スキャン中に歯科イメージャ10が歯列弓に沿って移動している間に歯列弓の形状に適合するように柔軟性を与える。しかしながら、本明細書に開示する実施形態には、柔軟な蛇腹状の外側ゴムベローを含む枢動式スキャンアームベローズ90、90’を示しているが、他の実施形態は、場合によっては衛生上の理由で、必ずしも蛇腹状の外側ゴムベローによって封入されるとは限らない同様のばね機構を含むこともできる。この場合、枢動式スキャンアームベローズ90、90’のばねが露出して長期メンテナンスを容易にすることができる。別の実施形態では、枢動式スキャンアームベローズ90、90’を十分に硬質でありながらも柔軟なものとして、ばねを使用しない付勢動作を可能にすることもできる。
【0062】
図5には、中央円形ガイド26、26が本明細書の他の実施形態に開示したような中央プラットフォーム24ではなく静的ヘッド88と一体に形成された別の実施形態も開示する。ここでは、中央円形ガイド26、26が軸92(図5では軸92’は隠れている)を中心に回転して、スキャン中における歯16の上部での歯科イメージャ10の転動を容易にする。
【0063】
図6には、スキャンアームベローズ90、90’を介して静的ヘッド88に結合され、上側アームスキャナ40、40’及び下側アームスキャナ42、42’と、角度付き固定前部プラットフォーム76上の前部内側スキャナ68と、角度付き固定後部プラットフォーム78上の後部内側スキャナ70とを有する側部弓形スキャンアーム32、32’に関して図5と同様の静的ヘッド88の別の実施形態を示す。しかしながら、図6では、側部ローラガイド36、36’が一対の側部パッド94、94’に置き換わり、中央円形ガイド26、26’が一対のそれぞれの中央パッド96、96’に置き換わっている。パッド94、96は、スキャン中に歯16にわたるパッド96、96の摺動を促すように、ガイド26、36と同様にテフロン材料(テフロンは登録商標)などで形成することができる。
【0064】
図7に示す別の実施形態では、歯科イメージャ10が、上記で開示したような回転式ヘッド22又は静的ヘッド88ではなく枢動式ヘッド98を含む。この場合、枢動式ヘッド98は、スキャンアームベローズ90、90’に関して上述したものと同様の柔軟な蛇腹状の外側ゴムベローを有するハンドルベロー100によってネック領域86に結合される。同様に、柔軟な蛇腹状の外側ゴムハンドルベロー100は、枢動式ヘッド98をネック領域86に対して上向き及び/又は下向きに最大180度移動又は枢動できる内部に隠れたばねを封入することができる。別の実施形態では、蛇腹状の外側ゴムベローが玉継手を封入することができ、この場合、枢動式ヘッド98は、ネック領域86に対して上/下及び/又は左/右に最大180度移動することができる。ヘッド98の枢動性は、スキャン中に歯科イメージャ10が歯列弓に沿って移動している間に歯列弓の形状に適合するように柔軟性を高める。しかしながら、本明細書に開示する実施形態には、柔軟な蛇腹状の外側ゴムベローを含むハンドルベロー100を示しているが、他の実施形態は、場合によっては衛生上の理由で、必ずしも蛇腹状の外側ゴムベローによって封入されるとは限らない同様のばね機構又は玉継手機構を含むこともできる。この場合は、ハンドルベロー100のばね機構又は玉継手機構が露出して長期メンテナンスを容易にすることができる。別の実施形態では、ハンドルベロー100を十分に硬質でありながらも柔軟なものとして、ばね又は玉継手を使用しない付勢動作を可能にすることもできる。
【0065】
しかしながら、一般に側部弓形スキャンアーム32、32’は、実施形態に応じてそれぞれの中央プラットフォーム24、静的ヘッド88、及び/又は枢動式ヘッド98に対して動くことができる。この側部弓形スキャンアーム32、32’の動きは、ばね、玉継手又は他のタイプの機械的付勢装置が内部に存在するか否かに関わらず、側部弓形スキャンアーム32、32’の少なくとも一部(例えば、底部又は屈曲が生じる場所の近く)を可撓性材料(例えば、ゴム)で形成することによって、側部弓形スキャンアーム32、32’全体をゴムなどの可撓性材料で形成することによって、或いは(例えば、図5図10に示すような)スキャンアームベローズ90、90’によって、(例えば、図1図2で最も良く分かるような)ばね付勢設計を通じて実現することができる。ばねを含まない実施形態では、ベローの弾性及び可撓性が、患者の歯列弓の生体構造に沿って歯科イメージャ10に追従するために必要とされる十分な動きをもたらすことができる。この目的のために、柔軟な又は移動可能な側部弓形スキャンアーム32、32’、及び/又は前部及び/又は後部弓形スキャンアーム50、52を有する本明細書に開示する歯科イメージャ10のあらゆるバージョンは、各アーム32、50、52が屈曲する角度を把握するように挿入された位置センサ(例えば、角度)を有することもできる。
【0066】
図7に示す枢動式ヘッド98は、他の点では、スキャンアームベローズ90、90’を介して枢動式ヘッド98に結合された、上側アームスキャナ40、40’及び下側アームスキャナ42、42’を有する側部弓形スキャンアーム32、32’と、角度付き固定前部プラットフォーム76上の前部内側スキャナ68と、角度付き固定後部プラットフォーム78上の後部内側スキャナ70と、側部パッド94、94’と、中央パッド96、96’とを含む、図6に関して図示し説明した静的ヘッド88と実質的に同様である。しかしながら、本明細書に開示する特徴のうちの1つ又は2つ以上を入れ換えて、例えば枢動式ヘッド98を側部パッド94、94’の代わりに側部ローラガイド36、36’と共に使用できるように、及び/又は枢動式ヘッド98を中央パッド96、96’の代わりに中央円形ガイド26、26’と共に使用できるようにすることも可能である。
【0067】
図8及び図9には、図1図3に関して上述した実施形態と同様の中央プラットフォーム24に関する歯科イメージャ10の別の実施形態を示す。図8には、回転式ヘッド22の中央プラットフォーム24が、スキャンアームベローズ90、90’を介して中央プラットフォーム24に結合された、上側アームスキャナ40、40’及び下側アームスキャナ42、42’を有する側部弓形スキャンアーム32、32’と、角度付き固定前部プラットフォーム76上の前部内側スキャナ68と、角度付き固定後部プラットフォーム78上の後部内側スキャナ70と、側部パッド94、94’と、中央パッド96、96’とを含むことができることを示す。しかしながら、本明細書に開示する特徴のうちの1つ又は2つ以上を入れ換えて、例えば回転式ヘッド22を側部パッド94、94’の代わりに側部ローラガイド36、36’と共に使用できるように、及び/又は回転式ヘッド22を中央パッド96、96’の代わりに中央円形ガイド26、26’と共に使用できるようにすることも可能である。この目的のために、図8には、側部弓形スキャンアーム32、32’が、使用中における歯科イメージャ10の誘導動作のためにテフロンなどで形成されたそれぞれの端部パッド102、102’の組を含むことができることをさらに示す。また、図9は、(図8に示す中央パッド96、96’ではなく)中央円形ガイド26、26’と、(図8に示す側部パッド94、94’ではなく)側部ローラガイド36、36’とを含むこともできる。
【0068】
図10は、側部弓形スキャンアーム32、32’を中央プラットフォーム24、静的ヘッド88及び/又は枢動式ヘッド98のいずれかに結合するスキャンアームベローズ90、90’の拡大斜視図である。
【0069】
最後に、図11に、歯科イメージャ10が、静的ヘッド88に対して固定された一対の静的側部弓形スキャンアーム104、104’を含むことができる別の実施形態を示す。この点、静的側部弓形スキャンアーム104、104’の一方又は両方は、静的ヘッド88に対して固定関係にあることができ、或いは本明細書に開示した他の実施形態に関連して使用する際には、中央プラットフォーム24又は枢動式ヘッド98に対して固定関係にあることができる。さらに、図11には、静的側部弓形スキャンアーム104、104’が単一の独立型スキャナ110、110’を含むことができ、従って図11の歯科イメージャ10が2つの独立型スキャナ110、110’を、すなわち静的側部弓形スキャンアーム104、104’の各々に1つずつを含むようになることも示す。この場合、静的側部弓形スキャンアーム104、104’は、歯16から舌及び頬を引き離すように機能することができ、従って独立型スキャナ110、110’は、より良好にきれいな口腔内空洞18の画像を取り込むことができる。また、静的側部弓形スキャンアーム104、104’の上縁部は、口腔内空洞18内をスキャンする際の快適性及び誘導を向上させるそれぞれの細長いパッド112、112’の組を含むことができる。この場合、細長いパッド112、112’は、他のパッド94、96、102、106、108と同様にテフロン材料などで形成することができる。図11には、歯科イメージャ10が静的ヘッド88を含む実施形態を示しているが、静的側部弓形スキャンアーム104、104’及び関連する独立型スキャナ110、110’は、回転式ヘッド22(及び関連する中央プラットフォーム24)又は枢動式ヘッド98との使用に適合することもできる。従って、静的側部弓形スキャンアーム104、104’と関連する独立型スキャナ110、110’とを有する歯科イメージャ10は、独立型スキャナ110、110’が静的ヘッド88に対して移動しないことによってさらに単純になるとともに、必要な計算能力を抑えることができる。従って、独立型スキャナ110、110’の相対的な位置又は静的ヘッド88に対する位置を後処理ソフトウェアが判断する必要性を無くすことができる。
【0070】
歯科イメージャ10が側部スキャンアーム32、32’の一方、又は静的側部弓形スキャンアーム104、104’の一方しか含まない例では、ユーザが、選択された側部弓形スキャンアーム32又は104を最初に歯列弓の内側に沿って通過させた後に歯列弓の外側に沿った2回目の通過(又はこの逆)を行って完全なスキャンを取得することが必要になり得る。
【0071】
一般に、歯列弓のデジタルコンピュータ3次元モデルは、以下に限定するわけではないが、飛行時間(ToF)、立体映像、光場モーメント撮像、固定構造光(fixed structured light)、プログラマブル構造光(programmable structured light)(DLP)、及び/又は3D及び/又は4D超音波(超音波検査法)を含む当業で周知の様々な技術を用いて作成することができる。また、スキャナ28、40、42、68、70、110のうちの1つ又は2つ以上は、以下に限定するわけではないが、レーザ技術、デジタルカメラ技術、超音波センサ技術及び/又は発光ダイオード(LED)技術などの当業で周知の画像/形状取り込み技術を使用することができる。
【0072】
具体的には、構造光3D撮像では、(例えば、中央スキャナ28、上側アームスキャナ40、下側アームスキャナ42、前部内側スキャナ68、後部内側スキャナ70及び/又は独立型スキャナ110のうちの1つ又は2つ以上における)スキャナ当たりに少なくとも1つの投影装置及び少なくとも1つのカメラを一体化することが必要になり得る。この場合、構造光3D撮像ソフトウェアは、1枚の3D画像当たり3~4枚のカメラ画像を取り込むことができる。このような技術は、表面高さ寸法の比較可能性を比較的容易に計算することができる。例えば、3D位置を単一画像で取り込むXBox Kinectシステムに類似する技術などの他の技術を用いて構造化照明を取得することもできる。また、レーザスキャンは、レーザビームの焦点位置及び側方位置を変調する必要がある共焦点法を使用することができる。この場合、レーザスキャナが歯の「スライス」を取り込み、プローブの平行移動に依拠して他のスキャン次元を形成する。或いは、レーザビーム及びイメージャを用いた三角測量を用いて3Dセンシングを行って、焦点位置を変調する必要性を回避することもできる。立体撮像は、(例えば、中央スキャナ28、上側アームスキャナ40、下側アームスキャナ42、前部内側スキャナ68、後部内側スキャナ70及び/又は独立型スキャナ110のうちの1つ又は2つ以上における)2つのカメラスキャナの使用を展開して、典型的には深さ情報を提供することができる。さらに、歯科イメージャ10は、干渉法を用いて3Dモデルを作成することもできる。この場合、光干渉断層撮影法と同様の干渉性を用いて歯の位置を測定することができる。別の実施形態では、歯科イメージャ10が、超音波と同様の音響法を用いて口腔内空洞18の3D画像を取得することができる。この場合、音響特性に基づく位置センサが、比較的硬い歯16の構造にぶつかって跳ね返るクリック音を放出することによって歯16の相対的サイズ及び形状を測定することができる。このような測定は、単点測定又は多点測定を可能にすることができる。例えば、複数の入力点と、スキャン過程中に歯16にぶつかって跳ね返る音波を測定する複数のマイクとを使用して、3Dプロファイルに入力を外挿することができる。
【0073】
また、本明細書に開示した様々な実施形態の特徴は、必要及び/又は要望に応じて混合及び/又は適合させることもできる。例えば、画像/形状取り込み要素(例えば、スキャナ、カメラ、超音波センサなど)と歯16とを離間させる異なる選択肢は、(例えば、図5及び図9図10に示すように)側部弓形スキャンアーム32、32’の内側上部に位置する、(例えば、図5に示すように)静的ヘッド88のほぼ中心に位置する、又は(例えば、図5及び図9図10に示すように)中央プラットフォーム24のほぼ中心に位置する中央円形ガイド26、26’及び/又は(例えば、ゴムなどで形成された)側部ローラガイド36、36’を含むことができる。いくつかの実施形態では、中央スキャナ28のうちの1つ又は2つ以上を図2に示すような中央円形ガイド26、26’間に配置することができる。他の実施形態は、前部内側スキャナ68及び/又は後部内側スキャナ70を前部弓形スキャンアーム50、後部弓形スキャンアーム52、及び/又はそれぞれの角度付き固定前部又は後部プラットフォーム76、78と共に使用することを含むことができる。また、(例えば、テフロン材料などで形成された)側部パッド94、94’及び/又は中央パッド96、96’は、(例えば、図6図8に示すような)側部弓形スキャンアーム32、32’及び/又は前部弓形スキャンアーム50及び/又は後部弓形スキャンアーム52の上側境界、静的ヘッド88(図6)の中心、枢動可能ヘッド98(図7)の中心、又は中央プラットフォーム24(図9)の中心に位置することもできる。この場合も、いくつかの実施形態では、1又は2以上の中央スキャナ28を、中央円形ガイド26、26’に関して図2に示す位置などの中央パッド96、96’間に配置することができる。また、前部パッド106及び後部パッド108は、(例えば、図5図9に示すような)角度付き固定前部プラットフォーム76及び角度付き固定後部プラットフォーム78の上部にそれぞれ取り付けることも、又は(例えば、図11に示すような)静的ヘッド88に直接取り付けることも、或いは中央プラットフォーム24に直接取り付けることもできる。
【0074】
また、各ヘッド、すなわち回転式ヘッド22、静的ヘッド88及び/又は枢動可能ヘッド98は交換可能とすることができる。この場合、それぞれのヘッド22、88、98は、ユーザがヘッド22、88、98を交換して単一の細長いハンドル12と共に使用できるように、ネック領域86に対して選択的に取り付け及び/又は取り外しが行われるように構成することができる。この特徴は、所望の使用又はタスクに応じて(壊れている場合には)ヘッドの交換又は異なるヘッドの使用を可能にするので潜在的に有利となり得る。この目的のために、異なる結果を取得するには異なるヘッドを使用することが望ましいと考えられ、すなわち患者によって異なり得る異なるスキャン状況では特定のスキャン技術(例えば、レーザスキャナ、カメラ、超音波など)を有するヘッドを使用することができる。例えば、1つのこのようなヘッドは、歯16の形状/輪郭を取り込んでこの情報を3次元モデルに変換するのに最も適したスキャン技術を有することができる。その後、このヘッドは、歯のカラー写真をさらに詳細に取り込むように設計された別のヘッドに交換することができる。この場合、関連するソフトウェアシステムを用いて写真を3次元モデルに変換することもできるが、単純にこのヘッドを用いて歯の詳細な拡大写真を取得して潜在的問題点を識別することもできる。従って、歯科イメージャ10は、一例として歯科及び/又は歯科矯正の両方で応用することができる。
【0075】
例示を目的として複数の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。従って、本明細書に開示した発明は、添付の特許請求の範囲以外によって限定すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11