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特許7209042予圧調整装置を有するサイクロイド減速機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】予圧調整装置を有するサイクロイド減速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20230112BHJP
   F16C 25/08 20060101ALI20230112BHJP
   F16C 19/16 20060101ALI20230112BHJP
   F16C 19/54 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
F16H1/32 A
F16C25/08 Z
F16C19/16
F16C19/54
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021086131
(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公開番号】P2022093235
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】109143909
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】鄭旭▲ミン▼
(72)【発明者】
【氏名】彭▲ソウ▼文
(72)【発明者】
【氏名】李文嘉
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-115720(JP,A)
【文献】特開平01-112019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/32
F16C 25/08
F16C 19/16
F16C 19/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、回転軸、入力フランジ、第一ベアリング、出力フランジ、第二ベアリング、減速装置および予圧調整装置を備え、
前記回転軸は前記ハウジング内に回転可能に装着され、入力端および出力端を有し、前記入力端は第一肩部を有し、前記出力端は第二肩部を有し、
前記入力フランジは前記回転軸の前記入力端を覆うように前記ハウジングの一端に配置され、
前記第一ベアリングは第一内輪および第一外輪を有し、前記第一内輪は前記回転軸の前記入力端を覆って前記回転軸の前記第一肩部に当接し、前記第一外輪は外側環状面が前記入力フランジに接触し、
前記出力フランジは前記回転軸の出力端を覆うように前記ハウジングの別の一端に配置され、出力フランジの中央には格納溝に繋がる調整ねじ孔を有し、
前記第二ベアリングは第二内輪および第二外輪を有し、前記第二内輪は前記回転軸の出力端を覆って前記回転軸の前記第二肩部に当接し、前記第二外輪は外側環状面が前記出力フランジに接触し、
前記減速装置は一つ以上のサイクロイドホイールおよび一つ以上のオルダム継手を有し、前記サイクロイドホイールは中心点からずれる方向に沿って前記回転軸を覆って接続され、前記前記オルダム継手は前記サイクロイドホイールおよび前記入力フランジまたは前記出力フランジの間に配置され、
前記予圧調整装置は予圧プレートおよび調整ねじを有し、前記予圧プレートは前記回転軸の出力端に隣接し、かつ前記第二ベアリングの前記第二外輪に当接するように配置され、前記調整ねじは当接端部を有し、前記出力フランジの前記調整ねじ孔に締め付けられ、当接端部が前記予圧プレートに点接触の状態で当接し、前記予圧プレートは前記調整ねじによって動かされ、前記第二ベアリングの前記第二外輪を押して前記第二ベアリングに予圧を与えることを特徴とする、
サイクロイド減速機。
【請求項2】
前記予圧調整装置はさらに回転抑制ナットを有し、前記回転抑制ナットは前記調整ねじに締め付けられ、前記出力フランジの外側面に当接することを特徴とする請求項1に記載のサイクロイド減速機。
【請求項3】
前記予圧プレートは前記回転軸に相対する側面に環状突出縁部を有し、前記予圧プレートは前記環状突出縁部によって前記第二ベアリングの前記第二外輪に当接することを特徴とする請求項1に記載のサイクロイド減速機。
【請求項4】
前記出力フランジはさらに皿ねじ用穴を有し、前記予圧プレートは前記出力フランジに相対する側面にスリットを有し、前記予圧調整装置はさらに回転抑制ねじを有し、前記回転抑制ねじは前記皿ねじ用穴に締め付けられ、一端が前記スリット内に差し込まれることを特徴とする請求項1に記載のサイクロイド減速機。
【請求項5】
前記調整ねじは円錐状の当接端部を有し、前記調整ねじは前記当接端部によって前記予圧プレートに当接することを特徴とする請求項1に記載のサイクロイド減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクロイド減速機に関し、詳しくは予圧調整装置を有するサイクロイド減速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サイクロイド減速機の運動原理は偏心軸によって動力を入力し、ギア同士の歯数差によって動力の回転速度を減らすことである。隙間を解消し、剛性を増大させるには、偏心軸と相互に対応するベアリングに予圧を与え、動力を偏心軸で伝動する際の精度を一定に保つことが一般的である。
【0003】
特許文献1および特許文献2は隙間に一つ以上のパッドを配置し、隙間の大きさに応じてパッドの数またはサイズを調整することによってベアリングに予圧調整を行うことを開示している。しかし、パッドによってベアリングに予圧調整を行う方式は組立作業の難易度を高め、軸方向の体積を増大させるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】JP201714915A号公報
【文献】JP5009232B2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は軸方向の体積を増大させることなく、組立作業を簡単化し、ベアリングに予圧調整を行う際の利便性をはかることができるサイクロイド減速機を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するためのサイクロイド減速機は、ハウジング、回転軸、入力フランジ、第一ベアリング、出力フランジ、第二ベアリング、減速装置および予圧調整装置を備える。回転軸はハウジング内に回転可能に装着され、入力端および出力端を有する。入力端は第一肩部を有する。出力端は第二肩部を有する。入力フランジは回転軸の入力端を覆うようにハウジングの一端に配置される。第一ベアリングは第一内輪および第一外輪を有する。第一内輪は回転軸の入力端を覆って回転軸の第一肩部に当接する。第一外輪は外側環状面が入力フランジに接触する。出力フランジは回転軸の出力端を覆うようにハウジングの別の一端に配置され、調整ねじ孔を有する。第二ベアリングは第二内輪および第二外輪を有する。第二内輪は回転軸の出力端を覆って回転軸の第二肩部に当接する。第二外輪は外側環状面が出力フランジに接触する。減速装置は一つ以上のサイクロイドホイールおよび一つ以上のオルダム継手を有する。サイクロイドホイールは中心点からずれる方向に沿って回転軸を覆って接続される。オルダム継手はサイクロイドホイールおよび入力フランジまたは出力フランジの間に配置される。予圧調整装置は予圧プレートおよび調整ねじを有する。予圧プレートは回転軸の出力端に隣接し、かつ第二ベアリングの第二外輪に当接するように配置される。調整ねじは出力フランジの調整ねじ孔に締め付けられ、当接端部が予圧プレートに当接する。調整ねじを回せば、予圧プレートは調整ねじによって動かされ、第二ベアリングの第二外輪を押して第二ベアリングに予圧を与える。
【0007】
上述した構造の特徴により、本発明によるサイクロイド減速機は軸方向の体積を増大させることなく、第二ベアリングに予圧調整を迅速かつ容易に行い、着脱作業および加工作業を簡単化することができる。
【0008】
比較的好ましい場合、予圧調整装置は回転抑制ナットを有する。回転抑制ナットは調整ねじに締め付けられ、出力フランジの外側面に当接するため、調整ねじが逆方向に回って緩くなることを防止することができる。
【0009】
比較的好ましい場合、出力フランジは内側面に格納溝を有する。回転軸の出力端、第二ベアリングおよび予圧プレートは格納溝に格納される。予圧プレートは外周縁部に密封部材を有する。密封部材は格納溝の壁面に当接して内部の潤滑油の漏洩を防止する。
【0010】
比較的好ましい場合、予圧プレートは回転軸に相対する側面に環状突出縁部を有する。予圧プレートは環状突出縁部によって第二ベアリングの第二外輪に当接する。
【0011】
比較的好ましい場合、出力フランジは皿ねじ用穴を有する。予圧プレートは出力フランジに相対する側面にスリットを有する。予圧調整装置はさらに回転抑制ねじを有する。回転抑制ねじは皿ねじ用穴に締め付けられ、一端がスリットに差し込まれて予圧プレートの自転を抑制する。
【0012】
比較的好ましい場合、出力フランジは皿穴を有する。予圧プレートは出力フランジに相対する側面に回転抑制ねじ孔を有する。予圧調整装置はさらに回転抑制ねじを有する。回転抑制ねじは皿穴に差し込まれ、一端が回転抑制ねじ孔に締め付けられて予圧プレートの自転を抑制する。
【0013】
比較的好ましい場合、出力フランジは内側面に凹状回転抑制溝を有する。予圧プレートは出力フランジに相対する側面に凸状回転抑制部を有する。出力フランジの凹状回転抑制溝と予圧プレートの凸状回転抑制部とは相互に嵌まり合って予圧プレートの自転を抑制する。
【0014】
比較的好ましい場合、調整ねじは当接端部によって予圧プレートを押す。当接端部は円錐状または平面状である。
【0015】
比較的好ましい場合、調整ねじ孔は出力フランジの中央に位置付けられて予圧プレートの耐えた力を均等化する。
【0016】
本発明による予圧調整装置を有するサイクロイド減速機の詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法について、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。なお、以下の詳細な説明および本発明により開示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある者ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態によるサイクロイド減速機を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態によるサイクロイド減速機の一部分を示す分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態によるサイクロイド減速機を別の角度から見た斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態によるサイクロイド減速機の一部分を別の角度から見た分解斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態によるサイクロイド減速機を示す断面図である。
図6】本発明の第1実施形態によるサイクロイド減速機において密封部材が増設された状態を示す断面図である。
図7】本発明の第2実施形態によるサイクロイド減速機を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態によるサイクロイド減速機の一部分を示す分解斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態によるサイクロイド減速機を示す断面図である。
図10】本発明の第3実施形態によるサイクロイド減速機の一部分を示す分解斜視図である。
図11】本発明の第3実施形態によるサイクロイド減速機を示す断面図である。
図12】本発明の第4実施形態によるサイクロイド減速機の一部分を示す分解斜視図である。
図13】本発明の第4実施形態によるサイクロイド減速機を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。なお、明細書および図面において、方向性用語は図面中の方向に基づいて表現される。同じ符号は同じ部品または類似した部品の構造の特徴を示す。
【0019】
(第1実施形態)
図1から図5に示すように、本発明の第1実施形態によるサイクロイド減速機10はハウジング20、回転軸30、入力フランジ40、第一ベアリング50、出力フランジ60、第二ベアリング70、減速装置80および予圧調整装置90を備える。
【0020】
回転軸30はハウジング20内に回転可能に装着され、モーター(図中未表示)の駆動力によって回転する。回転軸30は入力端32および出力端34を有する。図2および図4に示すように、入力端32は外周面に第一肩部36を有する。出力端34は外周面に第二肩部38を有する。
【0021】
入力フランジ40はハウジング20の一端に配置される。入力フランジ40は中央に軸孔42を有する。入力フランジ40は軸孔42によって回転軸30の入力端32を覆う。軸孔42は壁面に内側肩部44(図5参照)を有する。入力フランジ40は内側面かつ軸孔42の周りに四つの第一柱状連結部46を有する。
【0022】
第一ベアリング50は第一内輪51、第一外輪52および複数の第一内輪51と第一外輪52との間に配置されたボール53を有する。本実施形態において、第一ベアリング50はアンギュラボールベアリングであるが、これに限定されない。図5に示すように、第一内輪51は回転軸30の入力端32を覆って回転軸30の第一肩部36に当接する。第一外輪52は入力フランジ40の内側肩部44に当接し、外側環状面が軸孔42の壁面に接触する。上述した構造の特徴により、第一ベアリング50は回転軸30および入力フランジ40を相対的に回転させることができる。
【0023】
出力フランジ60はハウジング20の別の一端に配置され、内周面に格納溝61を有する。出力フランジ60は格納溝61によって回転軸30の出力端34に嵌合する。出力フランジ60は内周面かつ格納溝61の周りに四つの第二柱状連結部63を有する。入力フランジ40の四つの第一柱状連結部46と出力フランジ60の四つの第二柱状連結部63は四つのボルト12によってまとまって締結される。出力フランジ60は中央に格納溝61に繋がる調整ねじ孔62を有する。
【0024】
第二ベアリング70は格納溝61に格納され、第二内輪71、第二外輪72および複数の第二内輪71と第二外輪72との間に配置されたボール73を有する。本実施形態において、第二ベアリング70はアンギュラボールベアリングであるが、これに限定されない。第二内輪71は回転軸30の出力端34を覆って回転軸30の第二肩部38に当接する。第二外輪72は外側環状面によって格納溝61の壁面に接触する。上述した構造の特徴により、第二ベアリング70は回転軸30および出力フランジ60を相対的に回転させることができる。
【0025】
減速装置80は二つのサイクロイドホイール81、二つのオルダム継手82および複数のニードルローラー83を有する。二つのサイクロイドホイール81は並列に配置され、中心点からずれる方向に沿って回転軸30の中央を覆って接続される。出力フランジ60の四つの第二柱状連結部63は二つのサイクロイドホイール81に差し込まれて配置される。一つのオルダム継手82は一つのサイクロイドホイール81と入力フランジ40との間に配置される。別の一つのオルダム継手82は別の一つのサイクロイドホイール81と出力フランジ60の間に配置される。
複数のニードルローラー83はハウジング20の内周面と二つのサイクロイドホイール81の外周面との間に配置され、二つのサイクロイドホイール81の作動を安定させる。上述した構造の特徴により、二つのサイクロイドホイール81は回転軸30の駆動力によってハウジング20に回転し、サイクロイド曲線を生じることができる。二つのオルダム継手82は入力フランジ40および出力フランジ60を連動させ、入力フランジ40および出力フランジ60に回転速度低減効果を発揮させることができる。
【0026】
予圧調整装置90は予圧プレート91および調整ねじ92を有する。図5に示すように、予圧プレート91は回転軸30の出力端34に隣接するように出力フランジ60の格納溝61に格納される。予圧プレート91は第一表面911と、第一表面911に背を向けた第二表面912とを有する。第一表面911は環状突出縁部913を有する。予圧プレート91は環状突出縁部913によって第二ベアリング70の第二外輪72に当接する。調整ねじ92は出力フランジ60の調整ねじ孔62に締め付けられ、当接端部93が予圧プレート91の第二表面912に当接する。
上述した構造の特徴により、調整ねじ92を回せば、予圧プレート91は調整ねじ92によって動かされ、第二ベアリング70の第二外輪72を押して第二ベアリング70に予圧を与え、続いて第二ベアリング70の耐えた力は第二ボール73から第二内輪71、回転軸30の第二肩部38および第一肩部36を順に通って第一ベアリング50まで伝わるため、第一ベアリング50の耐える予圧は調整される。
【0027】
調整ねじ92が逆方向に回って緩くなることを防止するために、予圧調整装置90は回転抑制ナット94を有する。予圧調整が完了した後、回転抑制ナット94を調整ねじ92に締め付けて出力フランジ60の外側面に当接させれば、調整ねじ92を確実に固定することができる。
【0028】
図6に示すように、内部の潤滑油の漏洩を防止するために、予圧プレート91は外周縁部に密封部材96を有する。密封部材96は格納溝61の壁面に当接して密封効果を向上させる。
【0029】
予圧プレート91の自転が原因で第二ベアリング70の予圧に影響を与えることを防止するために、本発明は以下の実施形態に基づいて解決策を開示する。
【0030】
(第2実施形態)
図7から図9に示すように、第2実施形態において、予圧プレート91は第二表面912に二つのスリット914を有する。出力フランジ60は調整ねじ孔62の上方および下方に皿ねじ用穴64を別々に有する。二つの回転抑制ねじ95は二つの皿ねじ用穴64に締め付けられ、それぞれ一端がスリット914内に差し込まれることによって予圧プレート91の自転を抑制する。
【0031】
(第3実施形態)
図10および図11に示すように、第3実施形態において、予圧プレート91は第二表面912に二つの回転抑制ねじ穴915を有する。出力フランジ60は調整ねじ孔62の上方および下方に表面が平坦な皿穴65を別々に有する。二つの回転抑制ねじ95は二つの皿穴65に差し込まれ、それぞれ一端が回転抑制ねじ穴915内に締め付けられることによって予圧プレート91の自転を抑制する。
【0032】
(第4実施形態)
図12および図13に示すように、第4実施形態において、予圧プレート91は第二表面912に二つの凸状回転抑制部916を有する。出力フランジ60は調整ねじ孔62の上方および下方に凹状回転抑制溝66を別々に有する。予圧プレート91の二つの凸状回転抑制部916は出力フランジ60の二つの凹状回転抑制溝66に嵌まり込んで予圧プレート91の自転を抑制する。
【0033】
調整ねじ92の当接端部93は円錐状または平面状である。図5図6および図9に示すように、調整ねじ92の当接端部93が円錐状である場合、調整ねじ92と予圧プレート91との間は点で接触する状態である。図11および図13に示すように、調整ねじ92の当接端部93が平面状である場合、調整ねじ92と予圧プレート91との間は面で接触する状態である。つまり、調整ねじ92の作動によって動く予圧プレート91が安定し、第二ベアリング70に予圧を均等に与えることさえできればよい。
【0034】
上述した説明をまとめると、本発明によるサイクロイド減速機10は予圧プレート91と調整ねじ92によって第二ベアリング70に予圧調整を迅速かつ容易に行い、着脱作業および加工作業を簡単化することができる。本発明は、先行技術に対し、パッドを配置する必要がないため、構造全体の軸方向の体積を増大させることがない。
【符号の説明】
【0035】
10 サイクロイド減速機
12 ボルト
20 ハウジング
30 回転軸
32 入力端
34 出力端
36 第一肩部
38 第二形部
40 入力フランジ
42 軸孔
44 内側肩部
46 第一柱状連結部
50 第一ベアリング
51 第一内輪
52 第一外輪
53 第一ボール
60 出力フランジ
61 格納溝
62 調整ねじ孔
63 第二柱状連結部
64 皿ねじ用穴
65 皿穴
66 凹状回転抑制溝
70 第二ベアリング
71 第二内輪
72 第二外輪
73 第二ボール
80 減速装置
81 サイクロイドホイール
82 オルダム継手
83 ニードルローラー
90 予圧調整装置
91 予圧プレート
911 第一表面
912 第二表面
913 環状突出縁部
914 スリット
915 回転抑制ねじ穴
916 凸状回転抑制部
92 調整ねじ
93 当接端部
94 回転抑制ナット
95 回転抑制ねじ
96 密封部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13