(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-11
(45)【発行日】2023-01-19
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
F24F1/0007 401A
F24F1/0007 401D
F24F13/20
(21)【出願番号】P 2021528600
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2019024733
(87)【国際公開番号】W WO2020255380
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小澤 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 巽
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】実公平02-021713(JP,Y2)
【文献】特開2002-013800(JP,A)
【文献】実公昭61-018342(JP,Y2)
【文献】特開2011-106687(JP,A)
【文献】特開平07-208761(JP,A)
【文献】特開平10-141693(JP,A)
【文献】国際公開第2018/185842(WO,A1)
【文献】特開平09-324927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 1/0007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の壁面に固定される据付板と、
前記据付板に取り付けられる室内機ユニットと、
を備え、
前記据付板は、室内側に突出し、且つ、水平方向に沿って直線状に延びる直線状部を備え、
前記室内機ユニットは、前記直線状部を上下方向から挟持する挟持部
と、前記据付板に固定されるユニット本体部と、前記ユニット本体部の室内側の面を覆うユニットカバー部と、を備え
、
前記挟持部は、
前記ユニット本体部に設けられる第1挟持部と、
前記ユニットカバー部に設けられる第2挟持部と、
を備え、
前記第1挟持部および前記第2挟持部により前記直線状部が上下方向から挟持された状態を維持する挟持状態維持部を備える空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記直線状部は、少なくとも、前記据付板の左右方向の中央部に備えられている請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記直線状部は、さらに、前記据付板の左右方向の中央部の左側および右側に備えられている請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記据付板は、前記室内機ユニットをねじ止めするためのねじ止め部を備え、
前記ねじ止め部は、前記直線状部の中間部および前記直線状部の左右方向の端部に備えられている請求項1から3の何れか1項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記据付板は、前記直線状部の左右方向の端部に絞り形状部を備える請求項1から4の何れか1項に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、空気調和機の室内機は、室内の壁面に固定される据付板に、室内機の本体部を構成する室内機ユニットを取り付ける構成となっている。特許文献1に開示されているように、据付板の下辺には、室内側に突出し、且つ、水平方向に沿って直線状に延びる直線状部が形成されている。そして、この直線状部に、室内機ユニットのカバー部の下面を沿わせるようにして取り付けることにより、当該カバー部の下面の変形や波打つような歪みを抑制することができ、外観の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成によれば、据付板の直線状部に対し室内機ユニットのカバー部が下方からのみ接触した構成となっている。そのため、室内機ユニットのカバー部に上方向の力が作用する場合には、その力を直線状部により抑制することができる。従って、カバー部の下面の変形や波打つような歪みを十分に抑制することができる。しかしながら、例えば室内機ユニットの後部の下部に収容される配管などの影響により室内機ユニットのカバー部に下方向の力が作用する場合には、その力を直線状部により抑制することができない。従って、カバー部の下面の変形や波打つような歪みを十分に抑制することができない。
【0005】
そこで、本実施形態は、室内機ユニットに上方向の力が作用する場合だけでなく、室内機ユニットに下方向の力が作用する場合であっても変形や歪みを抑制することができ、外観の向上を図ることができる空気調和機の室内機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る空気調和機の室内機は、室内の壁面に固定される据付板と、前記据付板に取り付けられる室内機ユニットと、を備え、前記据付板は、室内側に突出し、且つ、水平方向に沿って直線状に延びる直線状部を備え、前記室内機ユニットは、前記直線状部を上下方向から挟持する挟持部と、前記据付板に固定されるユニット本体部と、前記ユニット本体部の室内側の面を覆うユニットカバー部と、を備え、前記挟持部は、前記ユニット本体部に設けられる第1挟持部と、前記ユニットカバー部に設けられる第2挟持部と、を備え、前記第1挟持部および前記第2挟持部により前記直線状部が上下方向から挟持された状態を維持する挟持状態維持部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る空気調和機の室内機の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図2】本実施形態に係る据付板の構成例を概略的に示す斜視図
【
図3】本実施形態に係る据付板の構成例を概略的に示す正面図
【
図4】本実施形態に係る挟持部およびその周辺部分の構成例を概略的に示す拡大図
【
図5】本実施形態に係る挟持状態維持部およびその周辺部分の構成例を概略的に示す拡大図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、空気調和機の室内機に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に例示する空気調和機の室内機10は、屋外に設けられる図示しない室外機とともに空気調和機を構成するものであって、据付板100および室内機ユニット200を備えている。据付板100は、金属製であり、例えばボルトなどによって室内の壁面に強固に固定される。室内機ユニット200は、室内の壁面に固定された据付板100の前面側、換言すれば、室内側に、例えばねじやボルトなどによって取り付けられる。
【0009】
次に、室内機ユニット200の構成例について説明する。室内機ユニット200は、ユニット本体部201およびユニットカバー部202を備えている。ユニット本体部201は、室内機ユニット200の本体部を構成するものであり、例えばねじやボルトなどによって据付板100の前面側に直接的に固定される。ユニットカバー部202は、据付板100の前面側に固定されたユニット本体部201の室内側の面、この場合、前面、上面、下面、左側面、右側面を覆うほぼ箱状のカバー部として構成されている。
【0010】
室内機ユニット200の上部には空気吸込口203が設けられており、室内機ユニット200の下部には空気吹出口204が設けられている。また、室内機ユニット200の内部には、空気吸込口203から空気吹出口204にわたって送風経路205が設けられている。送風経路205内には、空気吸込口203側となる上流側から空気吹出口204側となる下流側に向かって、エアフィルタ206、熱交換器207、横流ファン208、ルーバ209などが設けられている。
【0011】
エアフィルタ206は、空気吸込口203から吸い込まれた空気に含まれる異物を捕獲する。熱交換器207は、空気吸込口203から吸い込まれた空気を熱交換して空気を加熱あるいは冷却する。横流ファン208は、室内の空気を空気吸込口203から吸い込み、送風経路205を通して空気吹出口204から室内に吹き出す空気の流れを形成する。ルーバ209は、空気吹出口204から吹き出される空気の向きを調整する。
【0012】
次に、据付板100の構成例について説明する。
図2および
図3に例示するように、据付板100は、長尺なほぼ矩形の板状をなしている。この場合、据付板100は、室内の壁面に固定された状態で上下方向の寸法よりも左右方向の寸法が長くなる形状となっている。据付板100の左右の両端部の下部には、配管などを挿通可能な切欠部101が設けられている。そして、据付板100の下部には、左右両端の切欠部101の間に位置して、直線状部102が設けられている。直線状部102は、複数、この場合、2つのサブ直線状部102A,102Bを含んでいる。
【0013】
これらサブ直線状部102A,102Bは、何れも、室内側に突出し、且つ、水平方向つまり左右方向に沿って直線状に延びる形状となっている。また、サブ直線状部102A,102Bは、据付板100の下辺から室内側に向かって徐々に下降傾斜するように折り曲げられた形状となっている。また、サブ直線状部102A,102Bの先端部は、上方から後方に向かって折り返された形状となっている。
【0014】
また、サブ直線状部102Aの長さLAとサブ直線状部102Bの長さLBは、異なる長さとなっており、この場合、サブ直線状部102Aの長さLAは、サブ直線状部102Bの長さLBよりも短くなっている。なお、サブ直線状部102Aの長さLAとサブ直線状部102Bの長さLBは、同じ長さであってもよい。また、サブ直線状部102Aの長さLAとサブ直線状部102Bの長さLBとを合計した長さは、少なくとも、据付板100の左右方向の全長、あるいは、室内機10の左右方向の全長の少なくとも30パーセント以上の長さを確保するように構成するとよい。
【0015】
また、この場合、サブ直線状部102Aは、室内側である正面側から見て、その全体が据付板100の中央線CLよりも左側に位置している。一方、サブ直線状部102Bは、室内側である正面側から見て、左端側が据付板100の中央線CLよりも左側に位置し、左端側を除く中央部および右端側が据付板100の中央線CLよりも右側に位置している。よって、据付板100は、少なくとも、その左右方向の中央部に直線状部102の一部、この場合、サブ直線状部102Bの左端部分を備えた構成となっている。また、据付板100は、左右方向の中央部よりも左側にサブ直線状部102Aの全部およびサブ直線状部102Bの一部を備え、左右方向の中央部よりも右側にサブ直線状部102Bの他部を備えた構成となっている。
【0016】
また、据付板100は、複数、この場合、2つの貫通孔部103A,103Bを備えている。貫通孔部103A,103Bは、何れも、据付板100の長手方向に沿って延びる長尺なほぼ楕円形状をなしている。また、貫通孔部103Aの左右方向の長さは、貫通孔部103Bの左右方向の長さよりも短くなっている。なお、貫通孔部103Aの左右方向の長さと貫通孔部103Bの左右方向の長さは、同じ長さであってもよい。また、貫通孔部103Aの上下方向の長さと貫通孔部103Bの上下方向の長さは、同じ長さとなっている。なお、貫通孔部103Aの上下方向の長さと貫通孔部103Bの上下方向の長さは、異なる長さであってもよい。
【0017】
また、この場合、貫通孔部103Aの開口面積は、貫通孔部103Bの開口面積よりも小さくなっている。なお、貫通孔部103Aの開口面積と貫通孔部103Bの開口面積は、同じであってもよい。また、貫通孔部103Aは、サブ直線状部102Aの上方に位置している。この場合、貫通孔部103Aの左右方向の中央部は、サブ直線状部102Aの左右方向の中央部にほぼ或いは完全に一致している。また、貫通孔部103Bは、サブ直線状部102Bの上方に位置している。この場合、貫通孔部103Bの中央部は、サブ直線状部102Bの中央部よりも左側に所定量ずれており、貫通孔部103Aの左端部は、サブ直線状部102Bの左端部よりも左側に位置している。なお、貫通孔部103Bの中央部とサブ直線状部102Bの中央部とのずれ量は、適宜変更して実施することができる。
【0018】
また、据付板100は、複数、この場合、3つのねじ止め部104A,104B,104Cを備えている。ねじ止め部104A,104B,104Cは、その先端部が下方に折り曲げられ、且つ、その折り曲げられた先端部にねじ孔を備えた構成となっている。室内機ユニット200の本体部を構成するユニット本体部201は、このねじ止め部104A,104B,104Cを介して、図示しないねじにより強固に固定される。
【0019】
そして、据付板100の下部において、ねじ止め部104A,104B,104Cは、例えば次のように配置されている。即ち、ねじ止め部104A,104Bは、サブ直線状部102Aの左右方向の両端部に分かれて備えられている。また、ねじ止め部104B,104Cは、サブ直線状部102Bの左右方向の両端部に分かれて備えられている。また、直線状部102全体として見ると、ねじ止め部104A,104Cは、直線状部102の左右方向の両端部に分かれて備えられている。また、ねじ止め部104Bは、直線状部102の左右方向の中間部、この場合、サブ直線状部102Aとサブ直線状部102Bとの間に位置して備えられている。なお、ねじ止め部104Bは、直線状部102の左右方向の中間部であれば、例えば、直線状部102の左右方向の中央部に備えられていてもよいし、直線状部102の左右方向の中央部よりも左側あるいは右側に備えられていてもよい。
【0020】
また、据付板100は、複数、この場合、4つの絞り形状部105A,105B,105C,105Dを備えている。据付板100の下部において、絞り形状部105A,105B,105C,105Dは、例えば次のように配置されている。即ち、絞り形状部105A,105Bは、サブ直線状部102Aの左右方向の両端部に分かれて備えられている。また、絞り形状部105C,105Dは、サブ直線状部102Bの左右方向の両端部に分かれて備えられている。また、ねじ止め部104Aは、絞り形状部105Aよりも外側となる左側に備えられている。また、ねじ止め部104Bは、絞り形状部105Bと絞り形状部105Cとの間に位置して備えられている。また、ねじ止め部104Cは、絞り形状部105Dよりも外側となる右側に備えられている。
【0021】
以上のように構成される室内機ユニット200は、
図1に例示するように、さらに挟持部300を備えている。次に、この挟持部300の構成例について説明する。
図4に例示するように、挟持部300は、据付板100の直線状部102を上下方向から挟持するための構造を形成しており、この場合、上側挟持部301および下側挟持部302を備えている。挟持部300は、室内機ユニット200の後部の下部において、当該室内機ユニット200の左右方向に沿って複数備えられている。なお、挟持部300の数は、適宜変更して実施することができる。また、複数の挟持部300の間の間隔は、適宜変更して実施することができる。
【0022】
上側挟持部301は、第1挟持部の一例であり、この場合、ユニット本体部201の後部の下部において下方に突出するようにして設けられている。この場合、上側挟持部301は、室内機ユニット200のユニット本体部201において空気吹出口204の後壁面を構成する部材の後部に一体的に設けられている。また、上側挟持部301の後部の下部には、前側から後側に向かって徐々に上昇するように直線状に傾斜する傾斜部301aが設けられている。なお、傾斜部301aは、直線状に限られるものではなく、例えば湾曲状に傾斜するものであってもよい。
【0023】
下側挟持部302は、第2挟持部の一例であり、この場合、ユニットカバー部202の下面の後端部が下側挟持部302として機能するようになっている。下側挟持部302の上面および下面は、何れも、ほぼ水平な平面となっている。
【0024】
ユニット本体部201にユニットカバー部202が取り付けられた状態において、上側挟持部301および下側挟持部302は、上下方向において相互に対峙する。また、上側挟持部301と下側挟持部302との間には、傾斜部301aが設けられていることで隙間が形成される。そして、据付板100の前側に室内機ユニット200が取り付けられた状態において、据付板100の直線状部102は、上側挟持部301と下側挟持部302との間に挟み込まれる。即ち、据付板100の直線状部102は、室内機ユニット200の挟持部300によって上下方向から挟まれた状態となる。
【0025】
また、
図1に例示するように、室内機ユニット200は、さらに挟持状態維持部400を備えている。
図5に例示するように、この場合、挟持状態維持部400は、挟持部300よりも前側に備えられている。また、挟持状態維持部400は、室内機ユニット200の後部の下部において、当該室内機ユニット200の左右方向に沿って複数備えられている。なお、挟持状態維持部400の数は、例えば挟持部300の数に応じて適宜変更して実施することができる。また、複数の挟持状態維持部400の間の間隔は、例えば複数の挟持部300の間隔に応じて適宜変更して実施することができる。挟持状態維持部400は、挟持部300の近傍に設けるようにするとよい。また、挟持状態維持部400の数や間隔は、挟持部300の数や間隔と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
挟持状態維持部400は、ユニット本体部201側に設けられている爪孔部401、および、ユニットカバー部202側に設けられている爪部402を備えている。この場合、爪孔部401は、室内機ユニット200のユニット本体部201において空気吹出口204の後壁面を構成する部材の後部に一体的に設けられている。また、爪孔部401は、前後方向に沿って前側が開口した矩形状の孔部となっている。爪部402は、ユニットカバー部202の下面の後端部の上面に一体的に設けられている。また、爪部402は、前後方向に沿って後方に直線状に延出した爪部となっている。
【0027】
ユニット本体部201にユニットカバー部202が取り付けられた状態において、爪部402は、爪孔部401内に前側から後側に向かって挿入される。これにより、ユニット本体部201の後部の下部、つまり、上側挟持部301が設けられている部分に対し、ユニットカバー部202の下面の後端部、つまり、下側挟持部302が設けられている部分が強固に固定される。これにより、上側挟持部301および下側挟持部302が上下方向において相互に対峙した状態を安定的に維持することができ、ひいては、据付板100の直線状部102が上側挟持部301および下側挟持部302によって上下方向から挟持された状態を安定的に維持することができる。
【0028】
本実施形態に係る空気調和機の室内機10によれば、室内機ユニット200は、据付板100の直線状部102を、挟持部300の上側挟持部301および下側挟持部302によって上下方向から挟持する構成となっている。この構成によれば、室内機ユニット200に上方向の力が作用する場合には、直線状部102の下面に下側挟持部302が当接することで、その上方向の力を直線状部102によって押さえることができる。一方、室内機ユニット200に下方向の力が作用する場合には、直線状部102の上面に上側挟持部301が当接することで、その下方向の力を直線状部102によって押さえることができる。よって、室内機ユニット200に上方向の力が作用する場合だけでなく、室内機ユニット200に下方向の力が作用する場合であっても、ユニットカバー部202の下面の変形や歪みを十分に抑制することができ、外観の向上を図ることができる。
【0029】
また、室内機10によれば、少なくとも据付板100の左右方向の中央部に直線状部102を備えている。この構成によれば、ユニットカバー部202の下面の変形や歪みが発生しやすい室内機ユニット200の左右方向の中央部において、その変形や歪みの発生を十分に抑制することができる。
【0030】
また、室内機10によれば、さらに据付板100の左右方向の中央部の左側および右側にも直線状部102を備えている。この構成によれば、ユニットカバー部202の下面の左右方向の中央部のみならず、その左側および右側も含む広範囲にわたって、変形や歪みの発生を十分に抑制することができる。
【0031】
また、室内機10によれば、据付板100は、直線状部102の中間部および直線状部102の左右方向の端部にねじ止め部104A,104B,104Cを分散して備えている。この構成によれば、複数のねじ止め部104A,104B,104Cにおいてねじ止めを行うことにより、据付板100に対して室内機ユニット200を正確な位置に取り付けることができる。よって、据付板100に対するユニットカバー部202の位置を一層正確な位置にすることができ、ひいては、室内機10の外観の変形や歪みの発生を一層抑制することができる。
【0032】
また、室内機10によれば、据付板100は、直線状部102の左右方向の端部に絞り形状部105A,105B,105C,105Dを分散して備えている。この構成によれば、直線状部102およびその近傍部分の強度の向上を図ることができ、直線状部102の変形や歪みの発生、ひいては、室内機10の外観の変形や歪みの発生を十分に抑制することができる。
【0033】
また、室内機10によれば、上側挟持部301および下側挟持部302により直線状部102が上下方向から挟持された状態を維持する挟持状態維持部400を備えている。この構成によれば、据付板100の直線状部102が挟持部300によって上下方向から挟持された状態を安定的に維持することができ、室内機ユニット200の外観に変形や歪みが発生してしまうことを一層効果的に抑制することができる。
【0034】
また、上側挟持部301がユニット本体部201側に設けられ、下側挟持部302がユニットカバー部202側に設けられた構成、つまり、上側挟持部301および下側挟持部302がそれぞれ別の部材に設けられた構成であっても、上側挟持部301および下側挟持部302が上下方向において相互に対峙した状態、ひいては、据付板100の直線状部102が上側挟持部301および下側挟持部302により挟持された状態を、挟持状態維持部400によって安定的に維持することができる。従って、室内機ユニット200の外観に変形や歪みが発生してしまうことを一層効果的に抑制することができる。
【0035】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形または拡張を行うことができる。
【0036】
例えば、直線状部102を構成するサブ直線状部の数は、2つに限られるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上の複数であってもよい。また、据付板100の下辺からの直線状部102の突出長さや傾斜角度は、適宜変更して実施することができる。また、複数のサブ直線状部について、それぞれの突出長さや傾斜角度を、同じとしてもよいし、異ならせてもよい。
【0037】
また、直線状部102は、少なくとも据付板100の左右方向の中央部に備えることが好ましいが、室内機ユニット200は、据付板100の左右方向の中央部に直線状部102を備えない構成としてもよい。また、直線状部102は、据付板100の左右方向の中央部よりも左側部分および右側部分の何れか一方側に備える構成としてもよい。
【0038】
また、ねじ止め部の数は、3つに限られるものではなく、1つ、または、2つであってもよいし、4つ以上の複数であってもよい。また、据付板100の左側と右側とで、ねじ止め部の数を同じとしてもよいし、異ならせてもよい。また、複数のねじ止め部について、それぞれの形状や大きさを、同じとしてもよいし、異ならせてもよい。
【0039】
また、絞り形状部の数は、4つに限られるものではなく、1つ、2つ、或いは、3つであってもよいし、5つ以上の複数であってもよい。また、据付板100の左右方向の中央部よりも左側部分と右側部分とで、絞り形状部の数を同じとしてもよいし、異ならせてもよい。また、複数の絞り形状部について、それぞれの形状や大きさを、同じとしてもよいし、異ならせてもよい。また、絞り形状部は、直線状部102の左右方向の両端部に設けてもよいし、一端側のみに設けてもよい。
【0040】
また、挟持状態維持部400は、爪孔部401をユニットカバー部202側に設け、爪部402をユニット本体部201側に設けた構成としてもよい。また、挟持状態維持部は、爪孔部401および爪部402を備える構成に限られず、例えばピンとピン孔など、上側挟持部301および下側挟持部302により直線状部102が上下方向から挟持された状態を維持できる構成であれば種々の構成を適用することができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。