(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】食器乾燥機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/46 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
A47L15/46 Z
A47L15/46 J
(21)【出願番号】P 2018132810
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】菊川 智之
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 昌樹
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-234809(JP,A)
【文献】特開2012-024544(JP,A)
【文献】特開2011-062393(JP,A)
【文献】特開2010-029554(JP,A)
【文献】特開2013-048675(JP,A)
【文献】特開2011-217812(JP,A)
【文献】特開2004-351012(JP,A)
【文献】特開2008-237439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を収納する収納庫と、送風装置を含み前記被洗浄物を乾燥させる乾燥部と、帯電微粒子水またはイオンを発生させるイオン発生部と、
前記送風装置の送風により外気導入口から取り入れた外気とともに、前記イオン発生部によって発生する帯電微粒子水またはイオン
を前記収納庫内に供給するイオン導入装置と、乾燥工程およびイオン導入動作を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記イオン導入動作における風量を、前記乾燥工程における風量よりも少ない風量で実行し、前記乾燥工程終了時に前記送風装置を停止させ、前記乾燥工程終了後の前記イオン導入動作において、前記イオン発生部を動作
開始後、所定時間が経過してから前記送風装置を動作させる、
食器乾燥機。
【請求項2】
前記イオン導入装置の風量を検知する送風検知部を備え、
前記制御部は、前記送風検知部の検知結果により、少なくとも前記イオン導入装置および前記イオン発生部のいずれかを制御する、
請求項
1に記載の食器乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器乾燥機に関する。特に、被洗浄物および洗浄槽の内面に除菌作用を及ぼすデバイスを備えた食器乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
被洗浄物および洗浄槽内面の除菌や脱臭を行うイオン発生部を備え、乾燥機能を有する食器洗い機が、従来から提案されている。
【0003】
従来の食器洗い機の構成および動作について
図5および
図6を用いて説明する(例えば、特許文献1参照)。
図5は、従来のイオン発生部を備えた食器洗い機の側面断面図である。
図6は、従来のイオン発生部を備えた食器洗い機の静電霧化装置(イオン発生部)の詳細図である。
【0004】
図5に示されるように、食器洗い機本体101の内部に洗浄槽102が設けられている。食器等の被洗浄物108は、洗浄槽102の内部に収納されて、洗浄ノズル107から噴射される洗浄水によって洗浄される。この洗浄槽102内へ給水弁(図示せず)により水または湯が洗浄水として供給される。洗浄槽102の底部には排水孔104が設けられている。この排水孔104に連通させて、洗浄ポンプ105が取り付けられている。この洗浄ポンプ105により洗浄水を洗浄槽102の内部で循環させるよう構成されている。排水孔104には洗浄水に含まれる残さいを捕集する残さいフィルタ106が設けられている。
【0005】
上記構成において、洗浄ポンプ105が駆動されると、洗浄槽102内に供給された洗浄水は、残さいフィルタ106を通過して洗浄ポンプ105に吸い込まれ、洗浄ポンプ105により洗浄槽102の内底部に設けられた洗浄ノズル107に供給される。洗浄ノズル107から噴射された洗浄水は、被洗浄物108を洗浄した後、再び排水孔104に戻るという経路で循環する。この際、被洗浄物108から脱落した残さい等は、洗浄水とともに残さいフィルタ106に流入する。この残さいフィルタ106を通過できない大きさの残さいは残さいフィルタ106で捕集される。
【0006】
洗浄ノズル107と洗浄槽102の底部との間には、洗浄水加熱用のヒータ109が設けられている。洗浄ノズル107の上方には、被洗浄物108を整然と配置できるように構成された食器かご110が設けられている。また、排水ポンプ111は、洗浄槽102内の洗浄水を排水ホース112を通して機外に排出する。
【0007】
乾燥部が、食器洗い機本体101の内部に設けられている。乾燥部は、洗浄槽102に温風を送り込み、被洗浄物108を乾燥させる。乾燥部は、送風ファン113とヒータ116とが風路115内に設けられて構成されている。送風ファン113が駆動されると、洗浄槽102内の空気が乾燥用のヒータ116によって加熱された後、再び洗浄槽102内に送り込まれ、被洗浄物108の乾燥を速めている。
【0008】
制御部117が食器洗い機本体101の内部に備えられている。制御部117は、給水弁、洗浄ポンプ105、排水ポンプ111、ヒータ109、送風ファン113、ヒータ116等の電装部品を制御して、洗い工程、すすぎ工程、乾燥工程を実行する。また、操作部(図示せず)が、食器洗い機本体101の前面に設けられている。操作部により、使用者が運転コース等の選択を行う。
【0009】
さらに、イオン発生部118が、洗浄槽102の内部天面に備えられている。イオン発生部118は、イオン粒子を発生させて、被洗浄物108および洗浄槽102の内面の除菌や脱臭を行う。
【0010】
特許文献1に記載された食器洗浄機は、イオン発生部118として、静電霧化装置が備えられたものである。食器洗浄機は、洗浄工程の前に、静電霧化装置の運転を開始し、静電霧化装置で生成した帯電微粒子水を放出して洗浄前の被洗浄物108に付着させることで予備的な洗浄を行い、洗浄性能を向上させている。
【0011】
特許文献1における静電霧化装置(イオン発生部118)の構成と動作について
図6を用いて説明する。静電霧化装置(イオン発生部118)は、ペルチェユニット等よりなる冷却部118aにより空気中の水分を冷却して結露水を生成する。そして、生成された結露水を放電電極118bに供給する。放電電極118bに結露水が供給された状態で、放電電極118bと対向電極118cとの間に高電圧が印加されると、放電電極118bの先端部分の結露水が大きなエネルギー(高密度となった電荷の反発力)を受け、マイナスに帯電したナノメータサイズの帯電微粒子水が大量に生成され、静電霧化装置(イオン発生部118)の外部、すなわち洗浄槽102の内部に放出される。
【0012】
また、他の従来の食器洗い乾燥機のように、イオン発生部118として、イオン発生器を備えた構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。イオン発生器は、発生させたイオンを洗浄槽102に供給し、被洗浄物108および洗浄槽102の内面の除菌や脱臭を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開2008-237439号公報
【文献】特開2004-351012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載された食器洗い機は、静電霧化装置(イオン発生部118)が洗浄槽102の内部の天面に備えられるという単純な構成である。すなわち、静電霧化装置(イオン発生部118)で発生する帯電微粒子水を洗浄槽2内にくまなく行き渡らせる工夫は成されていない。したがって、洗浄槽102内に収納されたすべての被洗浄物108および洗浄槽102のすべての内面に帯電微粒子水が充分に行き渡らず、除菌および脱臭が不充分となるケースが発生するという課題を有する。また、帯電微粒子水の発生と洗浄槽102への供給において、洗浄槽102内の環境の影響を受けやすく、帯電微粒子水の発生量が安定せず、発生した帯電微粒子水の濃度のコントロールが困難であるという課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記従来の課題を解決するために、本発明に係る食器乾燥機は、被洗浄物を収納する収納庫と、送風装置を含み前記被洗浄物を乾燥させる乾燥部と、帯電微粒子水またはイオンを発生させるイオン発生部と、前記送風装置の送風により外気導入口から取り入れた外気とともに、前記イオン発生部によって発生する帯電微粒子水またはイオンを前記収納庫内に供給するイオン導入装置と、乾燥工程およびイオン導入動作を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記イオン導入動作における風量を、前記乾燥工程における風量よりも少ない風量で実行し、前記乾燥工程終了時に前記送風装置を停止させ、前記乾燥工程終了
後の前記イオン導入動作において、前記イオン発生部を動作開始後、所定時間が経過してから前記送風装置を動作させる。
【0016】
この構成によって、イオン導入動作および乾燥工程において、それぞれで異なる適切な風量で実行することにより、イオン導入動作においては、帯電微粒子水またはイオンを安
定した状態で発生させるとともに、洗浄槽内にくまなく供給し、臭いの緩和および除菌などができる。また、乾燥工程においては、短時間で被洗浄物を乾燥することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の食器乾燥機は、イオン導入動作においては、帯電微粒子水またはイオンを安定した状態で発生させるとともに、洗浄槽内にくまなく供給し、臭いの緩和および除菌などができ、乾燥工程においては、短時間で被洗浄物を乾燥することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1における食器洗い機の側面断面図
【
図2】本実施の形態における食器洗い機の導入風路の要部断面図
【
図3】本実施の形態における食器洗い機のまとめ洗いコース運転時のシーケンスを示す図
【
図4】本実施の形態における食器洗い機のイオン導入動作の運転を示すタイミングチャート
【
図5】従来のイオン発生部を備えた食器洗い機の側面断面図
【
図6】従来のイオン発生部を備えた食器洗い機の静電霧化装置(イオン発生部)の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1の発明の食器乾燥機は、被洗浄物を収納する収納庫と、送風装置を含み前記被洗浄物を乾燥させる乾燥部と、帯電微粒子水またはイオンを発生させるイオン発生部と、前記イオン発生部によって発生する帯電微粒子水またはイオンを送風により前記収納庫内に供給するイオン導入装置と、乾燥工程およびイオン導入動作を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記イオン導入動作における風量と、前記乾燥工程とにおける風量とを異ならせて実行する。
【0020】
この構成によって、イオン導入動作および乾燥工程において、それぞれで異なる適切な風量で実行することにより、イオン導入動作においては、帯電微粒子水またはイオンを安定した状態で発生させるとともに、洗浄槽内にくまなく供給し、臭いの緩和および除菌などができる。また、乾燥工程においては、短時間で被洗浄物を乾燥することができる。
【0021】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記イオン発生部は冷却部を備え、前記制御部は、前記イオン発生部を動作させた後、所定時間が経過してから前記イオン導入部を動作させるものである。この構成によって、イオン発生部は冷却部を急速に冷却して結露水の生成を早め、短時間で帯電微粒子水を発生させることができる。
【0022】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記制御部は、前記イオン導入動作において、前記イオン発生部を連続的あるいは間欠的に動作させるものである。この構成によって、イオン発生部のデバイスの動作における性能と寿命のバランスを取って、性能を維持して長寿命に動作させることができる。
【0023】
第4の発明は、特に、第1~第3のいずれかの発明において、前記イオン導入装置は、前記乾燥部に含まれる送風装置を兼用して備え、前記制御部は、前記イオン導入動作と前記乾燥工程とにおいて、前記送風装置の風量を異ならせて実行するものである。この構成によって、乾燥用の送風装置を兼用して利用し、帯電微粒子水またはイオンを洗浄槽内に供給することによりイオン発生部から洗浄槽までの専用の送風装置や風路を必要としないので安価な食器洗い機を提供することができる。
【0024】
また、イオン導入動作および乾燥工程において、それぞれで異なる適切な風量で実行す
ることにより、イオン導入動作においては、帯電微粒子水またはイオンを安定した状態で発生させ、洗浄槽内のすべての位置へ確実に供給し、臭いの緩和および除菌などができる。また、乾燥工程においては、短時間で被洗浄物を乾燥することができる。
【0025】
第5の発明は、特に、第1~第4のいずれかの発明において、前記イオン導入装置の風量を検知する送風検知部を備え、前記制御部は、前記送風検知部の検知結果により、少なくとも前記イオン導入装置および前記イオン発生部のいずれかを制御するものである。この構成によって、制御部は、洗浄槽内へ供給する帯電微粒子水の濃度を適正に制御し、臭いの緩和および除菌などができる。
【0026】
以下、本発明に係る食器乾燥機の一実施の形態として、乾燥機能を有する食器洗い機について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0027】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1の食器洗い機について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の側面断面図である。
図2は、本実施の形態における食器洗い機の導入風路の要部断面図である。
【0028】
図1に示されるように、食器洗い機の本体1の内部に洗浄槽2が設けられる。洗浄槽2は、食器乾燥機であれば収納庫に該当する。食器等の被洗浄物8は、洗浄槽2の内部に収納されて、洗浄部である洗浄ノズル7から噴射される洗浄水によって洗浄される。この洗浄槽2内へ給水部3から水または湯が洗浄水として供給される。洗浄槽2の底部には排水孔4が設けられる。この排水孔4に連通させて、洗浄ポンプ5が取り付けられる。この洗浄ポンプ5により洗浄水を洗浄槽2の内部で循環させるよう構成される。排水孔4には洗浄水に含まれる残さいを捕集する残さいフィルタ6が設けられる。
【0029】
洗浄ポンプ5が駆動されると、洗浄槽2内に供給された洗浄水は、残さいフィルタ6を通過して洗浄ポンプ5に吸い込まれる。そして、洗浄ポンプ5により洗浄槽2の内底部に設けられた洗浄ノズル7に供給される。洗浄ノズル7から噴射された洗浄水は、被洗浄物8を洗浄した後、再び排水孔4に戻るという経路で循環する。この際、被洗浄物8から脱落した残さい等は、洗浄水とともに残さいフィルタ6に流入する。この残さいフィルタ6を通過できない大きさの残さいは残さいフィルタ6で捕集される。
【0030】
洗浄ノズル7と洗浄槽2の底部との間には、洗浄水加熱用の洗浄水ヒータ9が設けられる。洗浄ノズル7の上方には、被洗浄物8を整然と配置できるように構成された食器かご10が設置される。排水ポンプ11は、洗浄槽2内の洗浄水を排水ホース12を通じて機外に排出する。
【0031】
乾燥部が、本体1の内部に設けられる。乾燥部は、洗浄槽2に温風を送り込み、被洗浄物8を乾燥させる。乾燥部は、送風装置である送風ファン13と、空気を加熱するヒータ16とが、風路20内に設けられて構成される。風路20は、一端が洗浄槽2に連通され、他端は外気吸込口14で本体1の外部に連通される。フィルタ15が外気吸込口14に配設される。フィルタ15は、外気に含まれる塵埃等を捕集し、外気吸込口14から風路20に取り込まれる空気をクリーンに維持する。
【0032】
送風ファン13が駆動されると、フィルタ15によって塵埃等が除去された空気が、外気吸込口14から風路20に取り込まれる。風路20に取り込まれた空気は、ヒータ16によって加熱された後、洗浄槽2内に送り込まれ、被洗浄物8および洗浄槽2の乾燥に供される。このようにして洗浄槽2内で水分を含んだ空気は、排気口(図示せず)から排出
される。なお、乾燥部は、除湿部を備え、乾燥用の空気が洗浄槽2と除湿部との間を循環するように構成されてもよい。
【0033】
制御部17が本体1の内部に備えられる。制御部17は、給水部3、洗浄ポンプ5、排水ポンプ11、洗浄水ヒータ9、送風ファン13、ヒータ16等の電装部品を制御して、予備洗い工程、本洗い工程、すすぎ工程、乾燥工程を実行する。また、操作部(図示せず)が、本体1の前面に備えられている。操作部により、使用者が運転コース等の設定を行う。
【0034】
さらに、イオン発生部として、静電霧化装置18が、風路20(導入風路)内に備えられる。静電霧化装置18は、マイナスに帯電したナノメータサイズの帯電微粒子水を生成する。生成された帯電微粒子水は、送風装置である送風ファン13によって、風路20を通じて洗浄槽2内に送り込まれる空気と混合されて洗浄槽2内に供給され、被洗浄物8および洗浄槽2の内面の除菌や脱臭を行う。本実施の形態において、イオン導入装置は、静電霧化装置18(イオン発生部)、乾燥部と兼用の送風ファン13および風路20を含んで構成される。この構成によって、乾燥用の送風ファン13を兼用して利用し、帯電微粒子水またはイオンを洗浄槽2内に供給することによりイオン発生部から洗浄槽2までの専用の送風装置や風路を必要としないので、安価な食器洗い機を提供することができる。
【0035】
なお、イオン導入装置と乾燥部とで、送風装置および風路が個別に構成されてもよい。この構成であれば、制御部17は、それぞれの送風装置を個別に、より精度よく制御できる。
【0036】
静電霧化装置18は、送風ファン13より下流側の風路20内に配設される。ヒータ16は、静電霧化装置18より下流側の風路20内に配設される。フィルタ15は、外気吸込口14に配設される。フィルタ15は、静電霧化装置18より上流側の風路20内であればいずれの位置に配設されてもよい。
【0037】
また、風量を検知する送風検知部23が、風路20内でヒータ16の下流側に配設されてもよい。なお、送風検知部23は、直接風量を検知する風量計に限るものではなく、風速を検知して風量を推定する構成、または、ヒータ16の下流側で温度を検知し、ヒータ16の発熱に対して冷却の割合から風量を推定する構成、などでもよい。
【0038】
次に、本発明の実施の形態1における食器洗い機の風路の構成および動作を図を参照して詳しく説明する。
【0039】
図2に示されるように、風路20は、メイン風路20aと、メイン風路20aの一部にメイン風路20aから分岐させて並列に設けられるサブ風路20bとによって構成される。静電霧化装置18は、サブ風路20bに配置される。サブ風路20bは、送風ファン13によって風路20に取り込まれる空気の一部がメイン風路20aからサブ風路20bに分岐し、静電霧化装置18を通過した後、メイン風路20aに合流するように構成される。
【0040】
サブ風路20bは、メイン風路20aに対して風路の断面積を所定の割合で小さく構成される。これによって、サブ風路20bを通過する風量が少なくなるとともに、静電霧化装置18を通過する風の流速が、メイン風路20aを通過する風の流速より小さくなる。
【0041】
サブ風路20bからメイン風路20aへ戻る合流部20cには、メイン風路20a内に突出させて壁面22が設けられる。この壁面22は、合流部20cの上流側で下流側に傾倒して形成される。すなわち、合流部20cの送風ファン13側が壁面22により覆われ
、洗浄槽2側が開放される。この壁面22により、メイン風路20aはこの部分で局部的に狭くなるように構成される。
【0042】
静電霧化装置18は、従来例に記載された静電霧化装置(イオン発生部118)と同様に構成される。したがって、
図6を援用して静電霧化装置18を説明する。静電霧化装置18(イオン発生部)は、ペルチェユニット等よりなる冷却部18aにより空気中の水分を冷却して結露水を生成する。そして、生成された結露水を放電電極18bに供給する。なお、放電電極18bが冷却され、放電電極18bに直接結露するように構成されてもよい。
【0043】
放電電極18bに結露水が供給された状態で、放電電極18bと対向電極18cとの間に高電圧が印加されると、先端部分の結露水が大きなエネルギー(高密度となった電荷の反発力)を受け、マイナスに帯電したナノメータサイズの帯電微粒子水が生成されて放出される。放出された帯電微粒子水は、サブ風路20bからメイン風路20aを通じて洗浄槽2の内部に導入される。
【0044】
以上のように構成された食器洗い機について、静電霧化装置18を動作させ、発生させた帯電微粒子水を用いて被洗浄物を洗浄する場合の動作および作用を説明する。
【0045】
送風ファン13が動作されると、外気が外気吸込口14から本体1内に取り込まれる。取り込まれた外気は、フィルタ15を通過して塵埃等が除去された後に、風路20を通過して洗浄槽2に導入される。この構成によって、塵埃等が静電霧化装置18の放電電極18bおよび対向電極18c等に付着することを防止し、帯電微粒子水またはイオンの発生を安定化させることができる。
【0046】
この時、メイン風路20aから分岐されたサブ風路20bは、断面積がメイン風路20aの断面積より小さい。したがって、メイン風路20aを流れる風に対してサブ風路20bには、少ない流量の風が流れる。そして、サブ風路20bを流れる風の流速は、メイン風路20aを流れる風の流速より小さい。このサブ風路20bを流れる風は、サブ風路20bに配置される静電霧化装置18を通過する。
【0047】
このように、静電霧化装置18を通過する空気の流速を小さくすることによって、静電霧化装置18を動作させた際に、ペルチェユニット等の冷却部18aによって生成される結露水が風の影響を受けて適切に生成されなくなることを防止できる。また、静電霧化装置18を通過する風の速度をメインとサブの風路の分岐構成により調節することにより、生成された結露水の放電電極18bへの供給を安定化できる。
【0048】
なお、洗浄槽2内にセットされたすべての被洗浄物8および洗浄槽2の内面全体に帯電微粒子水またはイオンを確実に付着させることにより、臭いの緩和や雑菌の繁殖抑制や除菌を行わせることができる。その効果を確実に発揮させるためには、所定量の帯電微粒子水またはイオンを発生させることが望ましい。
【0049】
次に、食器洗い機における被洗浄物の乾燥工程およびイオン導入動作について説明する。本説明部分においては、被洗浄物を食器と称する。
【0050】
食器の乾燥には、食器を乾かすために必要な熱量と、食器の表面を流れる風による効率的な水分の蒸発とが必要である。したがって、乾燥時は比較的大きな風量が必要となる。イオン導入動作は、本洗い工程の前または乾燥工程の後に、脱臭および除菌のために帯電微粒子水またはイオンを洗浄槽2に供給するものであり、乾燥工程ほどの風量は不要である。つまり、静電霧化装置18等のイオン発生部によるイオン導入動作に必要な比較的遅
い風速のために、全体風量を落とすことは、食器の乾燥にとって有益ではない。この対策として、静電霧化装置18のために専用のファンを設けることが考えられる。しかしながら、送風ファン13とは別に静電霧化装置18専用のファンを設けることは、洗浄槽2の内部容積が小さくなり、制御部17の動作が複雑になり、食器洗い機が高価なものになる等、得策ではない。
【0051】
このように、制御部17は、イオン導入動作と乾燥工程とにおいて、風量を異ならせて実行することが望ましい。本実施の形態における食器洗い機は、これらそれぞれの動作において適切な風量を使用するように風量を変化させて制御するように構成される。すなわち、制御部17は、イオン導入動作においては静電霧化装置18における帯電微粒子水の発生に適した風量に制御し、乾燥工程においては食器の乾燥性能を発揮するように制御する。これにより、イオン導入動作においては、帯電微粒子水またはイオンを安定した状態で発生させ、洗浄槽内のすべての位置へ確実に供給し、臭いの緩和および除菌などができる。また、乾燥工程においては、短時間で食器を乾燥することができる。
【0052】
本実施の形態における食器洗い機は、
図2に示されるように、風路20において、サブ風路20bが、メイン風路20aから分岐され、メイン風路20aと並列に設けられる。このサブ風路20bに、静電霧化装置18が配置される。制御部17は、静電霧化装置18によるイオン導入動作に適した風量となるように送風ファン13を制御する。この構成により、所定の風量が分岐してサブ風路20b内の静電霧化装置18を通過する。そして、帯電微粒子水を含んだ空気はメイン風路20aに合流し、メイン風路20aを流れる流速の早い空気に乗って洗浄槽2内に供給される。これによって、静電霧化装置18は帯電微粒子水を充分に発生させることができ、送風ファン13は、発生した帯電微粒子水を洗浄槽2内に確実に供給することができる。
【0053】
サブ風路20bからメイン風路20aへ戻る合流部20cには、送風ファン13側に閉じられていて、洗浄槽2側に向いて開放され、下流側に傾倒している壁面22が設けられる。これにより、メイン風路20aは、サブ風路20bからメイン風路20aへ戻る合流部20cにおいて、断面積が局部的に狭くなるよう構成される。この構成によって、洗浄槽2側への先のメイン風路20aに圧損が生じる場合でも、メイン風路20a内での流量が多く流速の早い空気の流れによりベンチュリ効果が発生することによってサブ風路20bの空気が吸引される。これにより、サブ風路20bの空気が静電霧化装置18の方向に逆流することを防ぐことができ、洗浄槽2内へ安定して帯電微粒子水を供給することができる。
【0054】
なお、静電霧化装置18によるイオン導入動作時には、サブ風路20bからメイン風路20aへ戻る合流部20cより下流側のメイン風路20a内で、静電霧化装置18より下流側に配設された乾燥用のヒータ16は動作させない。これによって、静電霧化装置18によって発生される帯電微粒子水の状態を安定に保つことができる。
【0055】
また、静電霧化装置18の下流側に、風量を検知するための送風検知部23が配設される。制御部17は、送風検知部23の検知結果により、風路20を通過する風量を測定する。制御部17は、特にイオン導入動作において所定の風量となるように、送風ファン13を制御する。あるいは、制御部17は、イオン導入動作において所定のイオン濃度となるように、静電霧化装置18を制御する。これにより、洗浄槽2内へ供給する帯電微粒子水の濃度を適正に制御し、臭いの緩和および除菌などができる。
【0056】
なお、洗浄槽2内へ供給される帯電微粒子水の濃度の調整方法は、送風ファン13の風量に対して静電霧化装置18の発生量を変化させてもよい。
【0057】
さらに、イオン導入動作時の風量の制御は、乾燥工程時の風量から推定して送風ファン13を制御する方法でもよい。すなわち、風量を測定するための送風検知部23として、乾燥工程時に通電するヒータ16の冷却状態を利用する方法である。具体的には、乾燥工程においてヒータ16を使用しているとき、ヒータ16を通過する空気の温度上昇を測定する。ヒータ16の投入熱量に対して空気の温度上昇が小さい場合、風量が多いために冷却効果が高い。逆に、空気の温度上昇が大きい場合、風量が少ないために冷却効果が低い。このように、ヒータ16の投入熱量と風量との関係により、乾燥工程における風量を推定することができる。
【0058】
送風ファン13は、その回転数検知を行えば、回転数と風量の特性から風量がわかる。制御部17は、この特性を利用してイオン導入動作時に適した風量に送風ファン13を制御することができる。さらに、外気吸込口14のフィルタ15が目詰まりすることにより送風ファン13の風量は減少する。したがって、乾燥工程のたびに風量を測定すれば、フィルタ15の目詰まりなどによる風量の変化まで把握することができる。そして、フィルタ15の目詰まりは突然に大きく変化することは少ないので、イオン導入動作時に、乾燥工程の風量状態を利用して送風ファン13を制御し、的確な風量で送風できる。
【0059】
次に、本実施の形態における食器洗い機のコース運転時の静電霧化装置18の動作および作用について、図を用いて説明する。
図3は、本実施の形態1の食器洗い機のまとめ洗いコース運転時のシーケンスを示す図である。
【0060】
図3に示されるように、使用者は、最初に食器等の被洗浄物8を食器かご10にセットし、洗浄槽2の内部に収納する(ステップS1)。使用者が、この後も被洗浄物8を追加し、追加セット後にまとめ洗いをする場合、または、都合により本洗いを先送りする場合など、操作部を操作してまとめ洗いコースを選択する(ステップS2)。制御部17は、まとめ洗いコースが選択されることにより、セットされた被洗浄物8に対して予備洗い工程を実行する。予備洗い工程は、洗浄ノズル7から噴射される洗浄水による予備洗い動作(ステップS3)と、静電霧化装置18を動作させ帯電微粒子水を洗浄槽2内に供給する帯電微粒子水導入動作(イオン導入動作、ステップS4)とを含む。
【0061】
制御部17は、予備洗い動作を所定時間行なう(ステップS3)。次に、制御部17は、帯電微粒子水導入動作を行う(ステップS4)。具体的には、制御部17は、静電霧化装置18および送風ファン13を動作させる。静電霧化装置18は、帯電微粒子水を発生させる。発生した帯電微粒子水は、送風ファン13により洗浄槽2内に供給され、洗浄槽2内に収納された被洗浄物8に付着した食品カスに起因する臭いの発生や雑菌の増殖を抑えることができる。
【0062】
帯電微粒子水の洗浄槽2内への供給は、連続的あるいは間欠的に静電霧化装置18を動作させることによって行われる。帯電微粒子水の供給は、所定時間だけ行われても、次の本洗い工程が開始されるまで連続的に行われてもよく、その動作時間は特に限定されない。イオン発生部である静電霧化装置18を連続的あるいは間欠的に動作させることについては、イオン発生部のデバイスの動作における性能と寿命のバランスを取って設定されればよい。これによって、イオン発生部は、性能を維持して長寿命に動作することができる。
【0063】
なお、まとめ洗いコースの場合、使用者は、本洗い工程が開始されるまでに、被洗浄物8を食器かご10に追加でセットし、洗浄槽2の内部に収納する(ステップ5のYes)。この場合、制御部17は、洗浄槽2内に被洗浄物8が収納され、セットが完了したことを検知する都度、あらためてステップS3~S4の予備洗い工程を実行する。この構成によって、本洗い工程の前に被洗浄物8が複数回洗浄槽2内にセットされる時、その都度、
予備洗い工程として予備洗い動作およびイオン導入動作が行われる。これにより、被洗浄物8が新たにセットされる都度、被洗浄物8および洗浄槽2内面の除菌および脱臭を行うことができる。そして、その後に行われる本洗い工程を効率的に行い、洗浄効果を高めることができる。
【0064】
次に、使用者は、最終の被洗浄物8のセットを終えたり、セット後に本洗い工程を実施できるタイミングになるなどしたりすると(ステップS5のNo)、操作部によりセット完了操作を行う(ステップS6)。この操作が次工程への移行指示となり、制御部17は、本洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程を実行する(ステップS7)。そして、まとめ洗いコースのすべての工程を完了すれば、洗浄運転を終了する。
【0065】
なお、乾燥工程を終了しても、被洗浄物8が洗浄槽2から取り出されるまで、短時間のイオン導入動作を所定時間ごとに繰り返してもよい(ステップ8)。これにより、帯電微粒子水またはイオンを洗浄槽2内に適宜供給し、臭いの緩和および除菌などを継続できる。
【0066】
以上のように、本実施の形態1の食器洗い機は、まとめ洗いコースの洗浄運転を実行する。
【0067】
ここで、静電霧化装置18の動作の詳細について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態の食器洗い機のイオン導入動作において、静電霧化装置18および送風ファン13の運転を示すタイミングチャートである。静電霧化装置18の構成は従来と同様の構成であり、
図6を援用する。
【0068】
図4に示されるように、制御部17は、静電霧化装置18の運転開始より時間Tだけ遅れて、送風ファン13を運転開始する。静電霧化装置18は、ペルチェユニット等よりなる冷却部18aにより空気を冷却して結露水を生成する。本実施の形態の静電霧化装置18においては、冷却部18aにより放電電極18bを冷却する。このようにして、放電電極18bに結露水を直接生成して供給するのであるが、この結露状態をより安定させるために静電霧化装置18の初期状態において、あえて送風ファン13を動作させない。
【0069】
このような制御により、冷却部18aは、放電電極18bを急速に冷却することができ、結露水の生成を早めることができる。すなわち、放電電極18b近傍の同じ空気を含めて連続的に冷却するほうが、送風することにより次々と新しい空気に入れ替わる空気を含めて冷却するよりも効率的に冷却することができる。一旦、放電電極18bが冷却され、結露水が生成され始めると、連続的かつ安定的に結露水が生成される。この段階になると、結露水は放電電極18bに十分に供給され、放電による帯電微粒子水の発生が始まる。
【0070】
制御部17は、このように連続的に結露水が生成され、帯電微粒子水が発生するようになったタイミング(例えば、時間T後)で送風ファン13の運転を開始し、帯電微粒子水を洗浄槽2内に供給する。これにより、静電霧化装置18は冷却部18aを急速に冷却して結露水の生成を早め、短時間で帯電微粒子水を発生させることができる。
【0071】
なお、静電霧化装置18が運転開始され、送風ファン13が運転開始されるまでの時間Tの長さは、特に限定されるものではない。例えば、静電霧化装置18が停止してから次の運転開始までの時間が短い場合、結露状態が維持されたままで、直ちに帯電微粒子水を安定して発生させることが可能な場合もあるので、動作停止の時間により時間Tを決定してもよい。また、冷却される空気の湿度によって結露水が発生する時間も異なるので、結露水の発生状況を検知して時間Tを決定してもよい。
【0072】
以上、本実施の形態における食器洗い機の洗浄運転について、まとめ洗いコースを例示して説明した。しかし、すすぎ工程の後や乾燥工程、または、運転終了後においてイオン導入動作を行うことも可能であり、上記説明は、静電霧化装置18を動作させる場合において有効である。
【0073】
以上のように、本実施の形態における食器洗い機は、被洗浄物8を収納する洗浄槽2と、送風ファン13を含み被洗浄物8を乾燥させる乾燥部と、帯電微粒子水またはイオンを発生させるイオン発生部である静電霧化装置18と、静電霧化装置18によって発生する帯電微粒子水またはイオンを送風により洗浄槽2内に供給するイオン導入装置と、乾燥工程およびイオン導入動作を実行する制御部17とを備え、制御部17は、イオン導入動作における風量と、乾燥工程とにおける風量とを異ならせて実行する。
【0074】
この構成によって、イオン導入動作および乾燥工程において、それぞれで異なる適切な風量で実行することにより、イオン導入動作においては、帯電微粒子水またはイオンを安定した状態で発生させ、洗浄槽2内のすべての位置へ確実に供給し、臭いの緩和および除菌などができる。また、乾燥工程においては、短時間で被洗浄物8を乾燥することができる。
【0075】
また、イオン発生部である静電霧化装置18は冷却部18aを備え、制御部17は、静電霧化装置18を動作させた後、所定時間Tが経過してから静電霧化装置18を動作させる。この構成によって、静電霧化装置18は冷却部18aを急速に冷却して結露水の生成を早め、短時間で帯電微粒子水を発生させることができる。
【0076】
また、帯電微粒子水を供給するイオン導入動作において、静電霧化装置18を連続的あるいは間欠的に動作させる。これによって、静電霧化装置18のデバイスの動作における性能と寿命のバランスを取って、性能を維持して長寿命に動作させることができる。
【0077】
また、イオン導入装置は、乾燥工程を行う乾燥部に含まれる送風ファン13を兼用して備え、制御部17は、イオン導入動作と乾燥工程とにおいて、送風ファン13の風量を異ならせて実行する。この構成によって、乾燥用の送風ファン13を兼用して利用し、帯電微粒子水またはイオンを洗浄槽2内に供給することにより静電霧化装置18から洗浄槽2までの専用の送風ファン13や風路20を必要としないので安価な食器洗い機を提供することができる。
【0078】
また、イオン導入動作および乾燥工程において、それぞれで異なる適切な風量で実行することにより、イオン導入動作においては、帯電微粒子水またはイオンを安定した状態で発生させ、洗浄槽2内のすべての位置へ確実に供給し、臭いの緩和および除菌などができる。また、乾燥工程においては、短時間で被洗浄物8を乾燥することができる。
【0079】
また、送風ファン13の風量を検知する送風検知部23を備え、制御部17は、送風検知部23の検知結果により、少なくとも送風ファン13および静電霧化装置18のいずれかを制御する。この構成によって、制御部17は、洗浄槽2内へ供給する帯電微粒子水の濃度を適正に制御し、臭いの緩和および除菌などができる。
【0080】
さらに、洗浄槽2から空気が流出する導出風路(図示せず)、および、洗浄槽2に空気が流入する導入風路(図示せず)が設けられ、導出風路と導入風路とが連結されて、風路20とは独立した循環風路(図示せず)が形成され、静電霧化装置18等のイオン発生部およびファンなどのイオン導入装置が循環風路に設けられてもよい。この構成によって、洗浄槽2内に供給された帯電微粒子水またはイオンが循環し、外部に放出されないので、洗浄槽2内へより多くの帯電微粒子水またはイオンを供給することができる。
【0081】
なお、上記まとめ洗いコースにおいて、静電霧化装置18は標準として自動的に動作されるとしたが、オプション機能として設定し、使用者の判断によって、必要に応じて動作させるように構成されてもよい。
【0082】
また、本実施の形態においては、イオン発生部を静電霧化装置としたが、イオンを発生させることによって被洗浄物および洗浄槽の内面の除菌および脱臭を行うイオン発生器とすることによっても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明に係る食器乾燥機は、イオン導入動作および乾燥工程において、それぞれで異なる適切な風量で実行することにより、イオン導入動作においては臭いの緩和および除菌などができ、乾燥工程においては短時間で被洗浄物を乾燥することができるので、家庭用の食器洗い乾燥機または食器乾燥機として有用である。
【符号の説明】
【0084】
1 本体
2 洗浄槽(収納庫)
7 洗浄ノズル(洗浄部)
13 送風ファン(送風装置、イオン導入装置)
14 外気吸込口
15 フィルタ
16 ヒータ
17 制御部
18 静電霧化装置(イオン発生部)
18a 冷却部
20 風路
20a メイン風路
20b サブ風路
22 壁面
23 送風検知部