(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】逆立ち独楽玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 1/04 20060101AFI20230113BHJP
A63H 1/00 20190101ALI20230113BHJP
【FI】
A63H1/04
A63H1/00 Z
(21)【出願番号】P 2018099307
(22)【出願日】2018-05-24
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】518183985
【氏名又は名称】特定非営利活動法人厚木つばきの会
(74)【代理人】
【識別番号】718003049
【氏名又は名称】横見 守明
(72)【発明者】
【氏名】葉玉 重幸
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】つたや物産,大きな独楽を早く回す 大名独楽,[online],2016年03月13日,https://www.webarchive.org/web/20160313131820/http://www.komav7.com:80/kiziganngu/ito/22/newpage19.html,検索日2022.05.18
【文献】つたや物産,スピードがでる大きな逆立ちこま 糸引き逆立ち独楽,2016年03月13日,https://www.webarchive.org/web/20160313131832/http://www.komav7.com/kiziganngu/ito/65/newpage20.html,検索日2022.05.18
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆立ち独楽玩具であって、逆立ち独楽と、この逆立ち独楽を取り付けて回転させ、回転した逆立ち独楽から取り外すようにされた回転具とを備え,前記逆立ち独楽は、上面に
円柱状のくぼみが形成された独楽本体と前記
円柱状のくぼみの底面の中央から立ち上がる芯棒とを有し、前記回転具は、前記芯棒を挿入する為の挿入孔が形成され、
円柱状の先端部が前記
円柱状のくぼみ内に収容される回転操作部と、この回転操作部に設けられた把持部を有していて、前記回転操作部の中間部には、糸通し孔が径方向に貫通して形成され、前記回転操作部の前記挿入孔は前記糸通し孔の両側で前記芯棒を回転可能に支える様に形成され、前記芯棒には、前記糸通し孔と対応する位置に糸差し込み孔が形成されていて、糸通し孔を通して糸差し込み孔に差し込まれた回転用糸(紐)を逆立ち独楽を回転させる事により、芯棒に巻き付けることが出来るように構成されてい
て、前記糸通し孔の下端は前記独楽本体の上面と同一の高さに位置していることを特徴とする逆立ち独楽玩具。
【請求項2】
前記把持部は、前記回転操作部の上側に形成されていることを特徴とする請求項1記載の逆立ち独楽玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
公知の逆立ち独楽は、独楽球面接地で回転させると、やがて芯棒が横向きから台の面に接するようになり、次に芯棒が真下になって逆立ち状態で回る玩具である。 この様に逆立ち回転までの回転運動が長いので、逆立ち独楽の逆立ち性能と最初に指で回す回転力が大切で、弱いと逆立ち回転が少ない、回転しない等の状態となる。よって逆立ち独楽回転性能性と独楽の最初の回転力を高めることに関する。
【0002】
逆立ち回転性能から独楽の芯棒の長さを、短くシンプル形状とし逆立ち回転性能性に優れた構成で、回転具や回転用糸を用い強い最初の回転力を、シンプル形状の逆立ち独楽にのみに伝達し、逆立ち回転させることに関する。
【背景技術】
【0003】
非特許文献2の逆立ち独楽は、回転操作部と回転用糸を芯棒に組み込み、逆立ち独楽本体と一体化した、逆立ち独楽、つまり回転操作部を分離しない独楽である、よって逆立ち回転運動は回転操作部、回転用糸の全てを逆立ち独楽として回転させる事となり、組み込んだ全てが逆立ち回転運動性能に影響する構成である。
【0004】
逆立ち独楽がスムースに逆立ちする為には、逆立ち独楽はシンプル形状が最善、よって芯棒を短くしないと良い逆立ち回転が得られない。芯棒が短い為芯棒に滑り止めスリットが施されていても非特許文献1の手回しでは、上手く逆立ち回転させられない人が多く、クレームが多かった、特に大型化した場合は,殆どの人が上手に回せなくクレームの山だった、誰でも(特に子供や女性)上手に回転力を発生、その回転操作部から分離し逆立ち独楽のみを強い回転させうることである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】”オストベルグのモデル図”、[online]、[平成30年5月19日検索]、インターネット(URL:http://www.geocities.jp/tippetop/zakki301.html)
【0006】
【文献】つたや物産、 “くるっとまわって逆立ち糸引き独楽”、[online]、 [平成30年5月19日検索]、 インターネット(URL:http://www.komav7.com/kiziganngu/ito/newpage2.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シンプル形状の逆立ち独楽のみを誰でも容易に逆立ち回転出来る、強い回転力を発生可能な構造が課題で、特に大型化の逆立ち独楽にも対応できる回転力方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
シンプル形状の逆立ち独楽1に安定した確実な回転力を付ける為に、逆立ち独楽1とこの逆立ち独楽1を取り付けて回転させ、回転した逆立ち独楽1から取り外すようにされた、回転具13とを備え,前記逆立ち独楽1は、上面にくぼみ11が形成された、独楽本体3と前記くぼみ11の底面の中央から立ち上がる芯棒7とを有し、前記回転具13は、前記芯棒7を挿入する為の挿入孔17が形成され、先端部が前記くぼみ11内に収容される回転操作部23と、この回転操作部23から軸方向に設けられた把持部25を有していて、前記回転操作部23の中間部には、糸通し孔15が径方向に貫通して形成され、前記回転操作部23の前記挿入孔17は前記糸通し孔15の両側で前記芯棒7を回転可能に支えるように形成され、前記芯棒7には、前記糸通し孔15と対応する位置に糸差し込み孔9が形成されていて、糸通し孔15を通して糸差し込み孔9に差し込まれた回転用糸(紐)27を逆立ち独楽1を回転させる事により芯棒7に巻き付ける事が出来る、回転具13の把持部25を持ち逆立ち独楽1の芯棒7に巻き付けた回転用糸27を回転具13の直角方向に引く事で、回転力を出せる構成にしている。
【発明の効果】
【0009】
逆立ち独楽1を回転操作部の回転用糸27を引っ張ることで、強く回転出来る機構にし、回転操作部から分離して、逆立ち独楽1のみを回す遊びが可能で効果を確認出来た。特に大型にした逆立ち独楽1も楽に独楽回しが出来、十分に効果が得られた。
【0010】
従来は指で回す技術が必要だった、発明の回転用糸27での独楽回しは容易で又、回転具13を静かに上に引き上げると、独楽の左右前後への変動が少なく、以前より狭い場所で逆立ち独楽1を回し遊べる、効果が得られた。
【0011】
逆立ち独楽1と回転具13をセットした、逆立ち独楽玩具は外観がこけしに似て置物としての評価も高く、付帯効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】逆立ち独楽1と回転具13の挿入前の斜視図である
【
図4】逆立ち独楽1を回転具13に挿入斜視図で、糸通し孔15から糸差し込み孔9へ回転用糸27を通した図と、独楽手回しで芯棒7に回転用糸27を巻き付けた回転具13部断面図とA-A断面図である
【
図5】逆立ち独楽1球面を接地面に回転具13の把持部25を持ち回転用糸27を引く平面図である。
【
図6】逆立ち独楽1を球面で回転させ、回転具13を上に引き抜きを示す斜視図である
【
図7】芯棒7を下に逆立ちした状態を示した、逆立ち独楽1平面図である
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1に示す,逆立ち独楽1は、球体の一部を切断面5で切断したような形態の独楽本体3を有している、独楽本体3は切断面5から設けられたくぼみ11を有し、くぼみ11の底面に芯棒圧入孔2を有している。逆立ち独楽1はこの芯棒圧入孔2に圧入された芯棒7を備え、芯棒7は切断面5又はくぼみ11より少し外側に突出する長さを有していて、芯棒7はくぼみ11から突出している部分に、芯棒7を径方向に貫通する糸差し込み孔9が設けられている。
図2に示す,回転具13は、把持部25と、この把持部25から延びる回転操作部23とを一体的に有して、回転操作部23は、逆立ち独楽1のくぼみ11内に収まる外径を有する円筒状体に形成され前記円筒状体内には逆立ち独楽1の芯棒7がクリアランスを持って挿入可能な、挿入孔17を有して、挿入孔17の深さは芯棒7の長さより深く 又 径方向には貫通する糸通し孔15があり、そして挿入孔17を分割貫通しており、糸通し孔15の両側で芯棒7が挿入された時に芯棒7を支える、支えA19と支えB21を形成している。
図3に示す,逆立ち独楽1を回転具13に挿入前の状態を示している。
図4に示す,回転具13の挿入孔17部に逆立ち独楽1の芯棒7を挿入、回転具13の回転操作部23の端面が逆立ち独楽1のくぼみ11の底面まで挿入、回転操作部23の糸通し孔15部に芯棒7の糸差し込み孔9が位置し、回転用糸(紐)27を糸通し孔15から糸差し込み孔9へ通す。その状態で逆立ち独楽1を手で回しながら、差し込んだ回転用糸27を糸差し込み孔9部の芯棒7に巻き付ける。
図5に示す,回転具13の把持部25を垂直方向に持って逆立ち独楽1の球面を接地し、回転用糸27を回転具13の直角方向に引く。回転用糸27の力の方向に挿入孔17側面に芯棒7が接触し糸通し孔15の両側、支えA19と支えB21で回転を均等に受け逆立ち独楽1の芯棒7が挿入孔17内で、逆立ち独楽1の球面接地で回転。
図6で示す、回転具13の挿入孔17で逆立ち独楽1の芯棒7が回転状態から、回転具13を垂直に静かに引き上げる。回転用糸27の強い引き力で回転された逆立ち独楽1は独楽球面で回転する。
図7に示す、逆立ち独楽1は独楽球面接地回転からやがて芯棒7が横向き、そして台の面に接触するようになり、次に芯棒7が真下になって逆立ち回転する、つまり逆立ち独楽回転状態である。
【符号の説明】
【0014】
1 逆立ち独楽
2 芯棒圧入孔
3 独楽本体
5 球体切断面
7 芯棒
9 糸差し込み孔
11 くぼみ
13 回転具
15 糸通し孔
17 挿入孔
19 支えA
21 支えB
23 回転操作部
25 把持部
27 回転用糸(紐)