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特許7209312商談支援装置、方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】商談支援装置、方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20230113BHJP
   G06Q 30/01 20230101ALI20230113BHJP
【FI】
H04L67/00
G06Q30/00 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021144565
(22)【出願日】2021-09-06
(62)【分割の表示】P 2019175287の分割
【原出願日】2016-05-10
(65)【公開番号】P2022008330
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2015119486
(32)【優先日】2015-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515161043
【氏名又は名称】ベルフェイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(72)【発明者】
【氏名】中島 一明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 聡
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-323386(JP,A)
【文献】特開2002-108794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06Q 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用するユーザ端末、及び当該ユーザの顧客が利用する顧客端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
上記ユーザ端末と上記顧客端末間の商談を支援する装置であって、
上記ユーザ端末と上記顧客端末とを互いに関連付ける関連付け手段と、
商談の説明資料を記憶する文書データ記憶手段と、
上記ユーザ端末と上記顧客端末上に上記商談の説明資料に関する共有ウェブページを展開する展開手段と、
上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末のブラウザに実装されているJavaScriptを解析することにより、上記ユーザと顧客が共有する商談の説明資料に関するウェブページの遷移履歴を取得する遷移履歴取得手段と、
上記遷移履歴に基づき、上記互いに関連付けられたユーザ端末又は顧客端末の一方の端末において、上記共有ウェブページの遷移があった場合に、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして、上記ユーザ端末又は顧客端末の他方の端末上の共有ウェブページを同期させる同期処理手段と、
所定の共有ウェブページが上記ユーザ端末と上記顧客端末に展開されている場合に、上記ユーザ端末側のウェブページと、上記顧客端末側のウェブページの夫々にメモデータ表示欄を表示すると共に、当該ユーザ端末と当該顧客端末のいずれからも当該メモデータ表示欄を編集することを可能とし、更に夫々のメモデータ表示欄には同一のメモデータを表示させるメモデータ処理手段と、
上記ユーザと上記顧客との商談が終了した後、上記メモデータ表示欄において編集されたメモデータを保存するメモデータ保存手段と、を有する、
ことを特徴とする商談支援装置。
【請求項2】
上記メモデータ保存手段に保存されたメモデータは、商談終了後、参照可能である、
請求項1記載の商談支援装置。
【請求項3】
上記ユーザ端末側のウェブページと上記顧客端末側のウェブページには夫々映像表示欄が設けられ、
上記顧客端末から取得した顧客の映像をユーザ側の映像表示欄に表示すると共に、上記ユーザ端末から取得したユーザの映像を顧客側の映像表示欄に表示させるライブ情報処理手段、をさらに有し、
上記メモデータ処理手段は、上記ユーザ端末側と上記顧客端末側の夫々のウェブページにおいて、上記映像表示欄とは異なる位置に上記メモデータ表示欄を設ける、
請求項1又は2記載の商談支援装置。
【請求項4】
ユーザが利用するユーザ端末、及び当該ユーザの顧客が利用する顧客端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、商談の説明資料を記憶する文書データ記憶手段を有するコンピュータにより、
上記ユーザ端末と上記顧客端末間の商談を支援する方法であって、
上記コンピュータにより、
上記ユーザ端末と上記顧客端末とを互いに関連付ける処理と、
上記ユーザ端末と上記顧客端末上に上記商談の説明資料に関する共有ウェブページを展開する処理と、
上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末のブラウザに実装されているJavaScriptを解析することにより、上記ユーザと顧客が共有する商談の説明資料に関するウェブページの遷移履歴を取得する処理と、
上記遷移履歴に基づき、上記互いに関連付けられたユーザ端末又は顧客端末の一方の端末において、上記共有ウェブページの遷移があった場合に、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして、上記ユーザ端末又は顧客端末の他方の端末上の共有ウェブページを同期させる処理と、
所定の共有ウェブページが上記ユーザ端末と上記顧客端末に展開されている場合に、上記ユーザ端末側のウェブページと、上記顧客端末側のウェブページの夫々にメモデータ表示欄を表示すると共に、当該ユーザ端末と当該顧客端末のいずれからも当該メモデータ表示欄を編集することを可能とし、更に夫々のメモデータ表示欄には同一のメモデータを表示させる処理と、
上記ユーザと上記顧客との商談が終了した後、上記メモデータ表示欄において編集されたメモデータをメモデータ保存手段に保存する処理と、を実行する、
ことを特徴とする商談支援方法。
【請求項5】
ユーザが利用するユーザ端末、及び当該ユーザの顧客が利用する顧客端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、商談の説明資料を記憶する文書データ記憶手段を有するコンピュータを、
上記ユーザ端末と上記顧客端末間の商談を支援する商談支援装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
上記コンピュータに対し、
上記ユーザ端末と上記顧客端末とを互いに関連付ける処理と、
上記ユーザ端末と上記顧客端末上に上記商談の説明資料に関する共有ウェブページを展開する処理と、
上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末のブラウザに実装されているJavaScriptを解析することにより、上記ユーザと顧客が共有する商談の説明資料に関するウェブページの遷移履歴を取得する処理と、
上記遷移履歴に基づき、上記互いに関連付けられたユーザ端末又は顧客端末の一方の端末において、上記共有ウェブページの遷移があった場合に、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして、上記ユーザ端末又は顧客端末の他方の端末上の共有ウェブページを同期させる処理と、
所定の共有ウェブページが上記ユーザ端末と上記顧客端末に展開されている場合に、上記ユーザ端末側のウェブページと、上記顧客端末側のウェブページの夫々にメモデータ表示欄を表示すると共に、当該ユーザ端末と当該顧客端末のいずれからも当該メモデータ表示欄を編集することを可能とし、更に夫々のメモデータ表示欄には同一のメモデータを表示させる処理と、
上記ユーザと上記顧客との商談が終了した後、上記メモデータ表示欄において編集されたメモデータをメモデータ保存手段に保存する処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末同士を容易に関連付けると共に、関連付けられた端末間におけるウェブページを共有したコミュニケーションを可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
リアルタイムにウェブページやコンテンツを共有し、当該ウェブページやコンテンツに基づいて商談や会議を行うためのシステムが広く提供されている。しかしながら、これらのシステムの多くでは、専用のソフトウェアあるいはアプリケーションの導入を必要とするため、商談や会議を行う者すべてに、そのようなシステムの利用環境の導入を要求することになる。
【0003】
この点、特許文献1では、複数の端末装置間上で閲覧されているウェブページをリアルタイムに共有するシステムであって、ウェブページの更新を検出する検出スクリプトと、ウェブページを更新する更新スクリプトとを送信する手段と、所定の端末装置から送信されて来た、ウェブページの更新を通知する更新情報を、前記所定の端末装置と同一のウェブページを閲覧している他の端末装置に送信する手段とを有するサーバと、前記サーバから送信されて来る検出スクリプト及び更新スクリプトを受信する受信手段と、前記受信手段で受信した検出スクリプトに、閲覧しているウェブページの更新を検出させ、更新があった場合に更新結果を通知する更新情報を生成させて前記サーバに送信する手段と、前記受信手段で受信した更新情報に基づいて、更新スクリプトにウェブページを更新させる手段とを有する端末装置とを有することを特徴とするリアルタイムウェブ共有システムが提案されている。
また、特許文献2では、動画カタログ情報を蓄積した動画映像サーバおよび静止画カタログ情報を蓄積したファイルサーバとを備えたデータベースと、前記データベースにネットワーク結合された端末装置とを有し、前記端末装置は表示画面に動画表示部と静止画表示部を同時に表示させる手段を具備することを特徴とする電子カタログシステムが提案されている。
さらに、特許文献3では、情報を一時的に保持するテンポラリサーバにアップロードする手段と、前記情報のURLを通信相手端末に送信する手段と、該相手通話端末からのダウンロード完了通知を受信する手段と、前記相手端末からのダウンロード完了通知を受信すると前記テンポラリサーバの前記アップロードした情報を削除する指示を行う手段とを有することを特徴とする通信端末が提案されている。
【0004】
【文献】特開2004-178268号公報
【文献】特開2001-344279号公報
【文献】特開2007-174253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1~3記載のシステム等では、顧客とオペレータの間に通信を確立させるために、オペレータ側は、顧客から接続要求を受けるための専用のウェブページを用意しなくてはならない。また、これらのシステム等は、一の顧客に対して複数のオペレータのうちのいずれかのオペレータが応答するためのものであり、特定の顧客に対して特定のオペレータが応答するように設計されたものではなく、そのための手段を有していない。
【0006】
そこで、本発明は、所定のユーザと、当該所定のユーザの顧客とが簡易に関連付けられると共に、専用のソフトウェアやアプリケーションを組み込むことなく、ウェブページを共有したコミュニケーションをとることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るコミュニケーション支援装置は、ユーザが利用するユーザ端末、及び当該ユーザの顧客が利用する顧客端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、上記ユーザ端末と上記顧客端末において、ウェブページを共有したコミュニケーションを行うための装置であって、上記ユーザ端末と上記顧客端末とを互いに関連付けて記憶する設定情報記憶手段と、上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末上に展開されるウェブページであって、所定の表示領域内に、上記ユーザと顧客が共有する共有ウェブページが表示されたウェブページを生成する生成処理手段と、上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末から、上記ユーザ又は顧客の端末操作に基づく共有ウェブページの遷移履歴を取得する遷移履歴取得手段と、上記遷移履歴に基づき、上記互いに関連付けられたユーザ端末又は顧客端末の一方の端末において、上記共有ウェブページの遷移があった場合に、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして、上記ユーザ端末又は顧客端末の他方の端末上の共有ウェブページを同期させる同期処理手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記ユーザを識別するユーザ識別情報と、上記ユーザが登録した文書データを関連付けて記憶する文書データ記憶手段と、上記文書データを、上記共有ウェブページを構成するウェブページに変換する変換処理手段と、をさらに有し、上記生成処理手段は、上記文書データ記憶手段に記憶されている文書データのうち、上記ユーザの選択に係る文書データを変換して得られたウェブページを上記共有ウェブページとしたウェブページを生成するものとしてもよい。
【0009】
また、上記文書データ記憶手段を参照して、上記ユーザ端末において、上記ウェブページ上に上記ユーザのみが参照可能な参照用データを展開する参照用データ処理手段、をさらに有し、上記文書データ記憶手段は、上記ユーザを識別するユーザ識別情報、上記ユーザが登録した文書データ、及び上記ユーザのみが参照可能な参照用データを関連付けて記憶するものとしてもよい。
【0010】
また、上記文書データ記憶手段は、上記ユーザを識別するユーザ識別情報、上記ユーザが登録した文書データ、上記文書データを変換して得られたウェブページ、及び上記ウェブページごとに上記ユーザのみが参照可能な参照用データを関連付けて記憶し、上記参照用データ処理手段は、上記文書データ記憶手段を参照して、上記ユーザ端末において、上記ウェブページ上に、当該ウェブページ中の共有ウェブページと関連付けられている参照用データを展開するものとしてもよい。
【0011】
また、上記文書データ記憶手段は、上記ユーザを識別するユーザ識別情報、上記ユーザが属するグループを識別するグループ識別情報、及び上記ユーザが登録した文書データを関連付けて記憶し、上記生成処理手段は、上記文書データ記憶手段に記憶されている文書データであって、上記ユーザが登録した文書データと、上記ユーザが属するグループと同じグループに属する他のユーザが登録した文書データのうち、上記ユーザの選択に係る文書データを変換して得られたウェブページを上記共有ウェブページとしたウェブページを生成するものとしてもよい。
【0012】
また、上記文書データ記憶手段は、上記ユーザを識別するユーザ識別情報、上記ユーザが属するグループを識別するグループ識別情報、上記ユーザが登録した文書データ、及び当該文書データの共有可否を示す共有フラグを関連付けて記憶し、上記生成処理手段は、上記文書データ記憶手段に記憶されている文書データであって、上記ユーザが登録した文書データと、上記ユーザが属するグループと同じグループに属する他のユーザが登録した文書データであって共有が許可されている文書データのうち、上記ユーザの選択に係る文書データを変換して得られたウェブページを上記共有ウェブページとしたウェブページを生成するものとしてもよい。
【0013】
また、上記ユーザ端末及び上記顧客端末から、上記ユーザ及び上記顧客の端末操作情報を取得する端末操作情報取得手段と、上記端末操作情報に基づき、一方の端末におけるユーザ又は顧客による端末操作に基づく変化を他方の端末上に再現する再現処理手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0014】
また、上記再現処理手段は、上記端末操作情報に基づき、一方の端末におけるユーザ又は顧客による端末操作に基づく変化を、他方の端末における端末操作と識別可能な態様において、当該他方の端末上に再現するものとしてもよい。
【0015】
また、上記ユーザ端末及び顧客端末上に、上記ユーザ及び顧客の双方が編集可能なメモデータを展開するメモデータ処理手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0016】
また、上記ユーザ端末及び上記顧客端末の一方の端末から、上記ユーザ及び上記顧客のライブ情報を取得し、当該ライブ情報を他方の端末上に出力させるライブ情報処理手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0017】
また、本発明の別の観点に係るコミュニケーション支援方法は、ユーザが利用するユーザ端末、及び当該ユーザの顧客が利用する顧客端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、上記ユーザ端末と上記顧客端末とを互いに関連付けて記憶する設定情報記憶手段、を有するコンピュータにより、上記ユーザ端末と上記顧客端末において、ウェブページを共有したコミュニケーションを行うための方法であって、上記コンピュータにより、上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末上に展開されるウェブページであって、所定の表示領域内に、上記ユーザと顧客が共有する共有ウェブページが表示されたウェブページを生成する処理と、上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末から、上記ユーザ又は顧客の端末操作に基づく共有ウェブページの遷移履歴を取得する処理と、上記遷移履歴に基づき、上記互いに関連付けられたユーザ端末又は顧客端末の一方の端末において、上記共有ウェブページの遷移があった場合に、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして、上記ユーザ端末又は顧客端末の他方の端末上の共有ウェブページを同期させる処理と、を実行することを特徴とする。
【0018】
また、本発明のさらに別の観点に係るコンピュータプログラムは、ユーザが利用するユーザ端末、及び当該ユーザの顧客が利用する顧客端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、上記ユーザ端末と上記顧客端末とを互いに関連付けて記憶する設定情報記憶手段、を有するコンピュータを、上記ユーザ端末と上記顧客端末において、ウェブページを共有したコミュニケーションを行うためのコミュニケーション支援装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、上記コンピュータに対し、上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末上に展開されるウェブページであって、所定の表示領域内に、上記ユーザと顧客が共有する共有ウェブページが表示されたウェブページを生成する処理と、上記互いに関連付けられたユーザ端末と顧客端末から、上記ユーザ又は顧客の端末操作に基づく共有ウェブページの遷移履歴を取得する処理と、上記遷移履歴に基づき、上記互いに関連付けられたユーザ端末又は顧客端末の一方の端末において、上記共有ウェブページの遷移があった場合に、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして、上記ユーザ端末又は顧客端末の他方の端末上の共有ウェブページを同期させる処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、互いに関連付けられたユーザと顧客が、専用のソフトウェアやアプリケーションを組み込むことなく、ウェブページを共有したコミュニケーションをとることができる。
また、共有ウェブページは同期させられているため、常に同じウェブページを参照しながら、コミュニケーションをとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るコミュニケーション支援装置によって提供されるサービスの概要を説明する概要図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係るコミュニケーション支援装置が備える機能を示した機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置によって提供されるウェブページの一例を示した図であって、(a)ユーザ側ウェブページ、(b)顧客側ウェブページを示す。
図4】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、ユーザ情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図5】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、文書データ記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図6】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、設定情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図7】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、ユーザ端末と顧客端末の関連付け設定の処理の流れを示したシーケンス図である。
図8】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、ユーザ及び顧客に対し、共有ウェブページを備えたウェブページが提供される際の処理の流れを示したシーケンス図である。
図9】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、共有ウェブページの同期処理の流れを示したシーケンス図である。
図10】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置による共有ウェブページの同期処理において、ユーザ端末及び顧客端末上で展開される画面の一例を示した図であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図11】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置による共有ウェブページの同期処理において、ユーザ端末及び顧客端末上で展開される画面の一例を示した図であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図12】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置による共有ウェブページの同期処理において、ユーザ端末及び顧客端末上で展開される画面の一例を示した図であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図13】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、端末操作の再現処理の流れを示したシーケンス図である。
図14】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置による端末操作の再現処理において、ユーザ端末及び顧客端末上で展開される画面の一例を示した図であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図15】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置による端末操作の再現処理において、ユーザ端末及び顧客端末上で展開される画面の一例を示した図であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図16】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置による端末操作の再現処理において、ユーザ端末及び顧客端末上で展開される画面の一例を示した図であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図17】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置により、ユーザ端末及び顧客端末において、ライブ情報の配信及びメモデータの展開に係る付加機能が展開される際の画面の一例を示した図であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図18】本発明の第二の実施形態に係るコミュニケーション支援装置が備える機能を示した機能ブロック図である。
図19】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、文書データ記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図20】本実施形態に係るコミュニケーション支援装置による参照用データの展開例であって、(a)ユーザ端末における画面例、(b)顧客端末における画面例を示す。
図21】本発明の第三の実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、ユーザ情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図22】本発明の第三の実施形態に係るコミュニケーション支援装置において、文書データ記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係るコミュニケーション支援装置について、図を参照して説明する。
まず、本実施形態に係るコミュニケーション支援装置によって提供されるサービス(以下、「本サービス」と称することがある)の概要について、図1を参照して説明する。
【0022】
本サービスは、本サービスのユーザと当該ユーザの顧客に対し、ウェブページを共有したコミュニケーションの場を提供するものである。ユーザが自らの顧客に対して商品説明等のためのウェブページを夫々の端末で参照しながらコミュニケーションをとるといった場面が想定されている。
ユーザと顧客によって共有されるウェブページは、説明資料等の文書データをウェブページに変換したものであって、ユーザ端末と顧客端末上に展開されるウェブページの所定の表示領域に表示される(以下の説明において、このようにユーザと顧客が参照する同一のウェブページを「共有ウェブページ」と称する)。この共有ウェブページは、ユーザ側と顧客側夫々が利用する端末上において同期がとられており、共有ウェブページとして構成された説明資料を参照しながら商談や商品説明等が行われる。
【0023】
ここで、本サービスが開始される際の流れを説明すると、まず、顧客と電話機による通話によってコミュニケーションをとっていたユーザは、本サービスの利用について顧客から承諾を得る。承諾を得たユーザは顧客に対し、所定のウェブページから、他者間のコミュニケーションから当事者間のコミュニケーションを識別するコミュニケーションIDの取得を要求する。これに応じて顧客は、コミュニケーション支援装置にコミュニケーションIDを発行してもらい、これを取得する。このとき、コミュニケーション支援装置では、顧客端末を識別可能なIPアドレスとコミュニケーションIDとが相互に関連付けて記憶される。
【0024】
電話によって顧客からコミュニケーションIDを聞いたユーザは、ユーザ端末により、コミュニケーション支援装置に対し、当該コミュニケーションIDと関連付けられた顧客端末とのコミュニケーションの開始を要求する。これに応じてコミュニケーション支援装置は、コミュニケーションIDと関連付けられている顧客端末を特定した上、ユーザ端末と顧客端末を関連付ける。
ユーザ端末と顧客端末が関連付けられると、両端末には共有ウェブページを備えたウェブページが展開される。共有ウェブページは同期がとられており、ユーザと顧客は常に同一の共有ウェブページを参照しながら、商談や商品説明等を行うことができる。
【実施例1】
【0025】
続いて、図2を参照して、本発明の第一の実施形態に係るコミュニケーション支援装置1が備える機能について詳述する。
コミュニケーション支援装置1は、本サービスのユーザが利用するユーザ端末2と当該ユーザの顧客が利用する顧客端末3との間でウェブページを共有したコミュニケーションを可能とする装置であって、当該ユーザ端末2及び顧客端末3と、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に構成されている。
【0026】
このコミュニケーション支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の内部メモリ等を備え、設定処理部11、変換処理部12、生成処理部13、遷移履歴取得部14、同期処理部15、端末操作情報取得部16、再現処理部17、ライブ情報処理部18、メモデータ処理部19、通信処理部20、ユーザ情報記憶部1A、文書データ記憶部1B、及び設定情報記憶部1Cからなる機能ブロックを構成する。
【0027】
設定処理部11は、本サービスを利用してコミュニケーションをとるユーザ端末2顧客端末3との関連付けを設定する。
この設定処理部11は、ユーザから指定された顧客端末3を顧客端末3のIPアドレス等によって特定した上、当該特定された顧客端末3とユーザ端末2とを関連付け、関連付けに係る情報を設定情報記憶部1Cに記憶する。
【0028】
具体的な関連付けの処理の一例では、まず、新たに関連付けられる顧客とユーザに対して固有のコミュニケーションIDを発行し、当該顧客の顧客端末3から取得した顧客端末3のIPアドレスと当該コミュニケーションIDを関連付けて設定情報記憶部1Cに記憶しておく。ユーザ端末2から、所定のコミュニケーションIDと関連付けられた顧客端末3との間での本サービスの提供開始要求を受け付けると、設定情報記憶部1Cを参照して、当該ユーザ端末2と、当該所定のコミュニケーションIDと関連付けられた顧客端末3とを関連付ける。ユーザ端末2と顧客端末3とが関連付けられた後は、ソケット通信によって、両端末とデータ通信が実行される。
【0029】
変換処理部12は、ユーザが文書データ記憶部1Bに登録した文書データを、共有ウェブページを構成するウェブページに変換する処理を実行する。
ここで、ユーザが登録する際の文書データは、所定のドキュメント形式からなっており、変換処理部12はこれをブラウザによって参照可能なウェブページに変換する。本例では、文書データが複数頁によって構成される場合には、頁ごとに個別のURLが割り当てられた複数のウェブページに変換する。
【0030】
生成処理部13は、互いに関連付けられたユーザ端末2と顧客端末3上に展開されるウェブページであって、当該ウェブページの所定の表示領域内に、ユーザと顧客が共有する共有ウェブページが表示されたウェブページを生成する。
詳細には、生成処理部13は、ユーザ端末2と顧客端末3に送信するウェブページに対応するHTMLファイル内に、インラインフレームによる所定の表示領域を設け、当該表示領域に共有ウェブページのHTMLファイルを挿入する。これにより、所定の表示領域に共有ウェブページが表示されたウェブページが生成される。
【0031】
ここで、生成処理部13によって生成されるウェブページの一例を図3に示す。
ユーザ側ウェブページ101と顧客側ウェブページ201は夫々、ユニークなURLが割り当てられたウェブページであるが、このユーザ側ウェブページ101と顧客側ウェブページ201には、共有ウェブページ102a、202aを表示するための表示領域102、202が設けられている。
表示領域102、202に表示される共有ウェブページ102a、202aは、後述する同期処理部15によって同期させられており、ユーザと顧客は、同一のURLが割り当てられた同一の共有ウェブページを参照しながらコミュニケーションをとることができる。
【0032】
遷移履歴取得部14は、ユーザ端末2と顧客端末3から、ユーザ又は顧客の端末操作に基づく共有ウェブページの遷移履歴を取得する。
この遷移履歴取得部14は、定期的なポーリングを行い、ユーザ端末2と顧客端末3のブラウザに実装されているJavaScript(登録商標)を解析することにより、ユーザ端末2と顧客端末3から共有ウェブページの遷移履歴を取得する。
【0033】
同期処理部15は、互いに関連付けられたユーザ端末2と顧客端末3との間で展開される共有ウェブページを同期させ、ユーザと顧客が同一の共有ウェブページを参照できるようにする。
具体的には、遷移履歴取得部14によって取得された遷移履歴に基づき、ユーザ端末2又は顧客端末3の一方の端末において、共有ウェブページの遷移があった場合に、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして他方の端末上の共有ウェブページを同期させる。
【0034】
端末操作情報取得部16は、ユーザ端末2及び顧客端末3から、ユーザ及び顧客の端末操作情報を取得する。ここで、本例における端末操作情報とは、各端末におけるマウス等のポインティングデバイス等の操作に応じたマウス座標やスクロール位置等の情報である。
【0035】
再現処理部17は、端末操作情報取得部16によって取得された端末操作情報に基づき、ユーザ端末2又は顧客端末3の一方の端末において、端末操作に基づく変化が検知された場合に、当該検知された端末操作に基づく変化を他方の端末上に再現する。
【0036】
ここで、再現処理部17による処理について、図3を参照して説明すると、ユーザ側ウェブページ101には、ユーザが操作するマウスの位置を示すカーソル111と、顧客が操作するマウスの位置を示すカーソル112が表示されている。一方、顧客側ウェブページ201においても同様に、顧客が操作するマウスの位置を示すカーソル211と、ユーザが操作するマウスの位置を示すカーソル212が表示されている。
【0037】
なお、ユーザ側又は顧客側のいずれにおいても、自分のマウスの位置を示すカーソル111、211と相手方のマウスの位置を示すカーソル112、212が表示されているが、自分又は相手のいずれのマウス位置を示すカーソルであるかを識別できるようになっている。本例では、相手方のマウスの位置を示すカーソル112、212のみ、破線の円で囲われているが、識別可能な態様であれば、カーソルの色を変えるなど、各種の態様によることができる。
【0038】
例えば、ユーザによるマウス操作に応じてカーソル111が移動すると、端末操作情報取得部16によって取得された端末操作情報に基づき、再現処理部17によってこのカーソル111の移動に係る変化が検知される。再現処理部17は当該端末操作情報に基づき、顧客側ウェブページ201上においてユーザのマウスの位置を示すカーソル212を、ユーザ側ウェブページ101上においてカーソル111が動いた通りに動かし、カーソル111の動きを顧客側ウェブページ201上に再現する。
これにより、ユーザ又は顧客は、相手方の端末操作を把握しながらコミュニケーションを図ることができる。
【0039】
ライブ情報処理部18は、ユーザ端末2と顧客端末3がウェブカメラやマイクといった入力手段を備える場合に、一方の端末から当該ウェブカメラやマイクに入力された映像や音声に係るライブ情報を取得し、当該ライブ情報を他方の端末に送信する。他方の端末では、ディスプレイやスピーカ等の出力手段によって、映像や音声が出力される。
【0040】
メモデータ処理部19は、ユーザ端末2及び顧客端末3上に、ユーザ及び顧客の双方が編集可能なメモデータを展開する。メモデータは、ユーザ及び顧客によって自由に編集されるが、ユーザ側及び顧客側において、常に同一の内容を表示する。
なお、ユーザ及び顧客によって編集されたメモデータは、本サービスの終了後等に、所定のデータベース等に保存して、後から参照することができる。
【0041】
通信処理部20は、ユーザ端末2や顧客端末3との間で、インターネット等のネットワークNWを介したデータの送受信処理を実行する。
この通信処理部20により、コミュニケーション支援装置1はユーザ端末2及び顧客端末3との間でセッションを確立し、両端末における共有ウェブページを同期させるのに必要なデータの送受信等が可能となっている。
【0042】
ユーザ情報記憶部1Aは、本実施形態に係るコミュニケーション支援装置1によって提供されるサービスのユーザに関する情報を記憶した記憶部である。
このユーザ情報記憶部1Aには例えば、図4に示されるように、ユーザを識別するためのユーザIDに関連付けて、ユーザを認証するための認証情報、ユーザの名称や連絡先等に関するその他の詳細情報が記憶されている。
【0043】
文書データ記憶部1Bは、ユーザが用意した資料等の文書データを記憶する記憶部である。
この文書データ記憶部1Bには例えば、図5に示されるように、ユーザを識別するユーザIDに関連付けて、ユーザが登録した文書データ、所定のファイル形式からなる文書データを変換して得られたウェブページが記憶されている。
【0044】
文書データは、ユーザが顧客とのコミュニケーションにおいて利用する説明資料等のデータであって、所定のドキュメント形式からなる。
ウェブページは、共有ウェブページを構成するウェブページであって、変換処理部12によって、文書データを変換して得られたものである。このウェブページは、文書データが複数頁からなる場合には、頁ごとに固有のURLが割り当てられた複数のウェブページによって構成される。
【0045】
なお、本例では、ユーザによる文書データの登録時に、変換処理部12によって文書データがウェブページに変換され、文書データ記憶部1Bにおいて、文書データに関連付けて登録されるものとしている。一方で、別の例においては、生成処理部13によってウェブページが生成され、ユーザと顧客によって共有ウェブページが共有される際に、変換処理部12が対象となる文書データをウェブページに変換することもできる。
【0046】
設定情報記憶部1Cは、設定処理部11によって実行される処理に係る情報であって、ユーザ端末2と顧客端末3の関連付け設定に係る情報を記憶した記憶部である。
この設定情報記憶部1Cには例えば、図6に示されるように、コミュニケーションID、顧客端末情報、及びユーザ端末情報が互いに関連付けて記憶される。
【0047】
コミュニケーションIDは、所定のユーザと顧客に対して新たに提供される本サービスに固有な識別情報である。このコミュニケーションIDは、ユーザと顧客の関連付けを行う際、ユーザが関連付けを要求する顧客を特定するために用いられる。
顧客端末情報は、顧客端末3のIPアドレスやPort番号によって構成され、顧客端末3とセッションを確立し、ソケット通信を行うのに必要な情報が含まれる。
ユーザ端末情報には、ユーザのユーザIDと共に、ユーザ端末2のIPアドレスやPort番号といったソケット通信を行うのに必要な情報が含まれる。
この設定情報記憶部1Cを参照することによって、互いに関連付けられているユーザと顧客を特定することができると共に、セッションを確立してデータ通信を行うことができる。
【0048】
なお、本例において、設定処理部11によるユーザと顧客との関連付け設定の際に、ユーザ端末2や顧客端末3の利用環境に係る情報を取得し、これを設定情報記憶部1Cに記憶するものとしてもよい。ユーザ端末2や顧客端末3の利用環境とは、各端末のOS(Operation System)の種類、ウェブカメラやマイクといったデバイスやこれを動作させるドライバの有無等に係る情報であり、ユーザはこの情報を参照することにより、相手方の端末の利用環境に応じたコミュニケーションを図ることができる。
【0049】
ユーザ端末2は、本実施形態に係るコミュニケーション支援装置1によって提供されるサービスのユーザが利用する端末であって、当該ユーザが顧客とコミュニケーションを図るための端末である。
このユーザ端末2は、所謂パーソナルコンピュータやタブレット端末、データ通信が可能な携帯型電話機端末などによって構成され、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス、ヘッドセット等によって実現される入出力処理部、データの送受信を行うためのブラウザ等の通信処理部といった機能部を備える。
【0050】
顧客端末3は、ユーザの顧客が利用する端末である。
この顧客端末3もユーザ端末2と同様、所謂パーソナルコンピュータやタブレット端末、データ通信が可能な携帯型電話機端末などによって構成され、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス等によって実現される入出力処理部、データの送受信を行うためのブラウザ等の通信処理部といった機能部を備える。
【0051】
次に、本実施形態に係るコミュニケーション支援装置1によって実行される処理の流れについて説明する。
まず、図6を参照して、設定処理部11により、所定のユーザ端末2と顧客端末3とが関連付けられるまでの処理の一例について説明しておく。
なお、ユーザは予め、本サービスのユーザ向けに用意されたウェブサイトに所定の認証情報によってログインし、コミュニケーション支援装置1に対して所定の処理を要求できるように準備しておく。
【0052】
電話によって顧客とコミュニケーションをとっていた本サービスのユーザは、当該顧客と本サービスを利用したコミュニケーションを取るべく、そのまま電話によって、当該ユーザの顧客に対し、コミュニケーション支援装置1からコミュニケーションIDを取得することを要求する。
【0053】
顧客が所定のウェブページからコミュニケーション支援装置1にアクセスし、コミュニケーション支援装置1にコミュニケーションIDの発行を要求すると(S101)、顧客端末3からコミュニケーション支援装置1に対して、コミュニケーションIDの発行要求が送信される(S102)。
【0054】
顧客端末2からコミュニケーションIDの発行要求を受信したコミュニケーション支援装置1は、顧客端末3のIPアドレスを取得すると共に(S102)、四桁の数字等から構成されるコミュニケーションIDを発行する(S103)。
発行されたコミュニケーションIDは、顧客端末3のIPアドレスと関連付けられて設定情報記憶部1Bに記憶される(S104)。
【0055】
顧客は、コミュニケーション支援装置1からコミュニケーションIDの発行を受けると(S105)、ユーザに対し、電話によって口頭でコミュニケーションIDを通知する(S106)。
【0056】
ユーザはユーザ端末2によって、コミュニケーション支援装置1に対し、顧客から聞いたコミュニケーションIDと共に、当該コミュニケーションIDと関連付けられた顧客との間での本サービスの提供開始要求を送信する(S107)。
これに応じてコミュニケーション支援装置1は、当該コミュニケーションIDと関連付けられた顧客端末3を特定した上、ユーザ端末2と、当該特定した顧客端末3とを関連付け、関連付け情報を設定情報記憶部1Cに登録する(S108)。
【0057】
続いて、ユーザ端末2と顧客端末3の関連付け設定がなされた後、共有ウェブページを備えたウェブページがユーザ端末2と顧客端末3上に展開されるまでの処理について、図8を参照して説明する。
なお、ユーザは予め、顧客と共有したい文書データを文書データ記憶部1Bに登録しておく。登録された文書データは、コミュニケーション支援装置1の変換処理部12により、ウェブページに変換され、文書データ記憶部1Bに記憶される。
【0058】
ユーザは、予め文書データ記憶部1Bに登録しておいた文書データから、所望の文書データを選択する(S201)。
これに応じて生成処理部13は、所定の表示領域内に、ユーザが選択した文書データに対応したウェブページを共有ウェブページとして表示したウェブページを生成する(S202)。
生成されたウェブページはユーザ端末2及び顧客端末3に対して送信され、ユーザ端末2及び顧客端末3上に展開される(S203)。
【0059】
ユーザ端末2と顧客端末3上に共有ウェブページを備えたウェブページが展開されると、両端末における共有ウェブページの同期、及び端末操作の再現に係る処理が同時並行で実行される。
まず、共有ウェブページの同期処理について、図9を参照して説明する。
遷移履歴取得部14は、互いに関連付けられたユーザ端末2と顧客端末3から、ユーザ又は顧客の端末操作に基づく共有ウェブページの遷移履歴を取得する(S301)。
共有ウェブページの遷移履歴は、定期的なポーリングを行い、ユーザ端末2と顧客端末3のブラウザに実装されているJavaScript(登録商標)を解析することによって取得される。
【0060】
同期処理部15は、遷移履歴取得部14によって取得された遷移履歴に基づき、ユーザ端末2又は顧客端末3において、共有ウェブページの遷移があったか否かを判断する(S302)。
その結果、共有ウェブページの遷移が一方の端末において検知された場合には、遷移後のウェブページを新たな共有ウェブページとして他方の端末上の共有ウェブページを同期させる(S303)。
【0061】
ここで、共有ウェブページの同期処理において、ユーザ端末2及び顧客端末3における共有ウェブページの遷移の流れを図10から図12に示す。
まず、図10に示されるように、ユーザ端末2と顧客端末3には夫々、ウェブページ101、201が展開されており、このウェブページ101、201上には、夫々の表示領域102、202に、同一の共有ウェブページ102a、202bが表示されている。
【0062】
一例として、図11に示されるように、顧客の操作によって、顧客側の共有ウェブページ202aが従前のウェブページから新たなウェブページに遷移した場合、遷移履歴取得部14によって取得された遷移履歴に基づき、同期処理部15がこの共有ウェブページ202aの遷移を検知する。
【0063】
共有ウェブページ202aの遷移が検知されたことにより、図12に示されるように、同期処理部15は、遷移後の新たなウェブページを共有ウェブページとして、ユーザ側の表示領域102内の共有ウェブページ102aを同期させる。
【0064】
なお、ユーザ側において共有ウェブページ102aが遷移した場合も同様にして、顧客側の共有ウェブページ202aが同期させられる。
これにより、互いに関連付けられたユーザ端末2と顧客端末3との間で展開される共有ウェブページが同期させられ、ユーザと顧客は同一の共有ウェブページを参照しながら、商談等を行うことができる。
【0065】
次に、端末操作の再現に係る処理について、図13を参照して説明する。
端末操作情報取得部16は、ユーザ端末2及び顧客端末3から、ユーザ又は顧客による端末操作に係る情報を定期的に取得する(S401)。
【0066】
再現処理部17は、端末操作情報取得部16によって取得された端末操作情報に基づき、ユーザ端末2又は顧客端末3において、端末操作に基づく変化があったか否かを判断する(S402)。
その結果、端末操作に基づく変化がユーザ端末2又は顧客端末3の一方の端末において検知された場合には、当該検知された端末操作に基づく変化を他方の端末上に再現する(S403)。
【0067】
ここで、端末操作の再現処理において、ユーザ端末2及び顧客端末3上での端末操作に基づく変化の再現の流れを図14から図16に示す。
まず、図14に示されるように、ユーザ端末2のウェブページ101には、ユーザが操作するマウスの位置を示すカーソル111と、顧客が操作するマウスの位置を示すカーソル112が表示されている。一方、顧客側ウェブページ201においても同様に、顧客が操作するマウスの位置を示すカーソル211と、ユーザが操作するマウスの位置を示すカーソル212が表示されている。
なお、本例では、自分又は相手のいずれのマウス位置を示すカーソルであるかを識別できるよう、相手方のマウスの位置を示すカーソル112、212のみ、破線の円で囲われている。
【0068】
一例として、図15に示されるように、ユーザによるマウス操作に応じてカーソル111が移動した場合(図15において、破線で示したカーソルは、カーソル111が元いた位置を示しているが、これは説明の便宜のためであって、実際には表示されない)、端末操作情報取得部16によって取得された端末操作情報に基づき、再現処理部17は当該端末操作情報に基づくカーソル111の移動を検知する。
【0069】
ユーザの端末操作に基づく変化が検知されたことにより、図16に示されるように、再現処理部17は、当該端末操作情報に基づき、顧客側ウェブページ201上においてユーザのマウスの位置を示すカーソル212を、ユーザ側ウェブページ101上においてカーソル111が動いた通りに動かし、カーソル111の動きを顧客側ウェブページ201上に再現する(なお、図16において、破線で示したカーソルは、カーソル212が元いた位置を示しているが、これは説明の便宜のためであって、実際には表示されない)。
【0070】
なお、顧客側のウェブページ201においてカーソル211が移動した場合も同様にして、ユーザ側のウェブページ101に表示されている顧客のカーソル112の移動が再現される
これにより、ユーザ端末2又は顧客端末3の一方における端末操作が他方の端末上に忠実に再現されるため、ユーザ又は顧客は、相手方の端末操作を把握しながらコミュニケーションを図ることができる。
【0071】
続いて、ライブ情報処理部18及びメモデータ処理部19によって実現される機能であって、本サービスによるコミュニケーションをさらに便利なものとする機能について、図17を参照して説明する。
ライブ情報処理部18は、ユーザ端末2と顧客端末3がウェブカメラやマイクといった外部入力手段を備える場合に、一方の端末の外部入力手段に入力された映像や音声に係るライブ情報を取得し、当該ライブ情報を他方の端末に送信する。
【0072】
図17に示されるように、ライブ情報処理部18の機能実行によって、ユーザ側ウェブページ101と顧客側ウェブページ201には夫々、映像表示欄121、221が設けられる。ライブ情報処理部18は、顧客端末3から取得した顧客の映像をユーザ側の映像表示欄121に表示すると共に、ユーザ端末2から取得したユーザの映像を顧客側の映像表示欄221に表示する。また、相手側の端末から取得された音声情報は、各端末が備えるスピーカ等から出力することができる。
なお、ライブ情報として提供される映像は、ネットワークNWの不具合に応じて、予め登録しておいたプロフィール画像に切り替えられるようになっていてもよい。
【0073】
また、メモデータ処理部19の機能実行によって、ユーザ側ウェブページ101と顧客側ウェブページ201には夫々、メモデータ表示欄131、231が設けられ、メモデータ処理部19は、ユーザ及び顧客の入力操作に応じてメモデータを編集する。このメモデータ表示欄131、231はユーザ端末2と顧客端末3のいずれからも編集することができ、常に同じ内容で表示される。
なお、ユーザ及び顧客によって編集されたメモデータは、本サービスの終了後等に、所定のデータベース等に保存して、後から参照することができる。
【0074】
以上の本実施形態に係るコミュニケーション支援装置1によれば、互いに関連付けられたユーザと顧客が、専用のソフトウェアやアプリケーションを組み込むことなく、ウェブページを共有したコミュニケーションをとることができる。
また、共有ウェブページは同期させられているため、常に同じウェブページを参照しながら、コミュニケーションをとることができる。
【実施例2】
【0075】
次に、本発明の第二の実施形態に係るコミュニケーション支援装置について説明する。
本実施形態に係るコミュニケーション支援装置は、ユーザ側のウェブページに、ユーザのみが参照可能な参照用データを表示するものであり、ユーザは当該参照用データを参照しながら、顧客とコミュニケーションを図ることができる。
【0076】
図18に示されるように、本実施形態に係るコミュニケーション支援装置4は、第一の実施形態に係るコミュニケーション支援装置1と同様、ユーザ端末2及び顧客端末3と、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に構成されている。
また、コミュニケーション支援装置4は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の内部メモリ等により、第一の実施形態に係るコミュニケーション支援装置1が備えた設定処理部11、変換処理部12、生成処理部13、遷移履歴取得部14、同期処理部15、端末操作情報取得部16、再現処理部17、ライブ情報処理部18、メモデータ処理部19、通信処理部20、ユーザ情報記憶部1A、文書データ記憶部1B、及び設定情報記憶部1Cに加えて、参照用データ処理部21を構成する。
【0077】
本実施形態における文書データ記憶部1Bは、図19に示されるように、ユーザを識別するユーザIDに関連付けて、ユーザが登録した文書データ、所定のファイル形式からなる文書データを変換して得られたウェブページ、ウェブページごとの参照用データが記憶されている。
参照用データは、ユーザが任意に登録するデータであって、例えば、関連付けられているウェブページの説明マニュアル等である。
【0078】
参照用データ処理部21は、共有ウェブページがユーザ端末2及び顧客端末3上に展開されている場合に、当該共有ウェブページに関連付けられた参照用データをユーザ側のウェブページ上に表示する。
【0079】
参照用データ処理部21の機能実行により、参照用データがユーザのウェブページ上に表示された例を図20に示す。
ユーザ側ウェブページ101上には、共有ウェブページ102と共に、文書データ記憶部1Bにおいて当該共有ウェブページ102aと関連付けられていた参照用データ141が表示されている。参照用データ処理部21は、表示領域102に表示される共有ウェブページ102aの展開あるいは遷移に応じて、共有ウェブページ102aを構成するウェブページに関連付けられている参照用データを文書データ記憶部1Bから抽出し、ユーザ側ウェブページ101上に表示する。
【0080】
この参照用データ141は、ユーザ側ウェブページ101にのみ表示され、顧客側ウェブページ201には表示されない。そのため、ユーザは例えば、顧客に対する説明のマニュアル等を参照用データ141としてウェブページ101に表示しながら、共有ウェブページに基づいた商談や商品説明等を顧客と行うことができ、便利である。
【実施例3】
【0081】
次に、本発明の第三の実施形態に係るコミュニケーション支援装置について説明する。
本実施形態に係るコミュニケーション支援装置は、所定のユーザが登録した文書データを、ユーザが属する所定のグループ内の他のユーザと共有可能にさせるものであり、例えば、ユーザが属する会社内で文書データを共有することができる。
【0082】
本実施形態に係るコミュニケーション支援装置は、第一の実施形態に係るコミュニケーション支援装置1と同様、ユーザ端末2及び顧客端末3と、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に構成されると共に、設定処理部11、変換処理部12、生成処理部13、遷移履歴取得部14、同期処理部15、端末操作情報取得部16、再現処理部17、ライブ情報処理部18、メモデータ処理部19、通信処理部20、ユーザ情報記憶部1A、文書データ記憶部1B、及び設定情報記憶部1Cに係る機能ブロックを備える。
【0083】
一方、本実施形態におけるユーザ情報記憶部1Aには、図21に示されるように、ユーザを識別するためのユーザID、ユーザを認証するための認証情報、ユーザの名称や連絡先等に関するその他の詳細情報に加えて、ユーザが属するグループを識別するグループIDが相互に関連付けて記憶されている。
グループIDは例えば、ユーザが属する会社や部署ごとなど、適宜のグループごと発行することができる。
【0084】
また、本実施形態における文書データ記憶部1Bには、図22に示されるように、ユーザを識別するユーザIDに関連付けて、ユーザが登録した文書データ、所定のファイル形式からなる文書データを変換して得られたウェブページ、ウェブページごとの参照用データ、文書データの共有可否を示す共有フラグが記憶されている。
【0085】
共有可否フラグは、所定の文書データについて、ユーザが属するグループ内で共有を許可するか否かを示すフラグであり、文書データを登録したユーザによって設定される。共有が許可された文書データは、ユーザが属するグループの他のユーザが利用できる。
なお、本例では、共有フラグによって文書データの共有が許可される場合、文書データに関連付けられた参照用データについても共有が許可されるようになっているが、これに関わらず、参照用データについても別途の共有フラグを設け、共有の可否を設定できるようにすることもできる。
【0086】
本実施形態において、ユーザが共有ウェブページを参照しながら顧客とコミュニケーションをとる場合には、文書データ記憶部1Bに記憶されている文書データのうち、当該ユーザが登録した文書データに加え、当該ユーザが属するグループと同じグループに属する他のユーザが登録した文書データであって共有が許可されている文書データに対応したウェブページを共有ウェブページとして選択及び利用することができる。なお、この点に関して生成処理部13は、ユーザの選択に従い、共有が許可されている文書データに対応したウェブページを共有ウェブページとしたウェブページを生成する。
【0087】
本実施形態に係るコミュニケーション支援装置によれば、ユーザが属する企業や部署等の所定のグループごとに文書データを共有することができるので、例えば、企業あるいは部署ごとに統一した資料に基づく商品説明等を顧客に対して行うことができ、便利である。
【0088】
なお、以上の本実施形態に係るコミュニケーション支援装置においては、文書データや参照用データに編集権限を設定し、所定のユーザのみに編集可能とさせてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 コミュニケーション支援装置
11 設定処理部
12 変換処理部
13 生成処理部
14 遷移履歴取得部
15 同期処理部
16 端末操作情報取得部
17 再現処理部
18 ライブ情報処理部
19 メモデータ処理部
20 通信処理部
21 参照用データ処理部
1A ユーザ情報記憶部
1B 文書データ記憶部
1C 設定情報記憶部
2 ユーザ端末
3 顧客端末
4 コミュニケーション支援装置
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22