(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】はんだ付け装置
(51)【国際特許分類】
B23K 3/03 20060101AFI20230113BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20230113BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
B23K3/03 A
B23K1/00 A
H05K3/34 507N
(21)【出願番号】P 2018003663
(22)【出願日】2018-01-12
【審査請求日】2020-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390014834
【氏名又は名称】株式会社ジャパンユニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100072453
【氏名又は名称】林 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】北間 雅夫
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-021326(JP,A)
【文献】実開昭62-056272(JP,U)
【文献】特開2007-044737(JP,A)
【文献】実開平02-065478(JP,U)
【文献】特開昭60-024468(JP,A)
【文献】特開2006-142470(JP,A)
【文献】特開2013-123773(JP,A)
【文献】特開2007-222903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00 - 3/08、31/02、33/00
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ鏝、及び、はんだ供給ノズルを有するはんだ付けヘッドと、該はんだ付けヘッドが取り付けられてはんだ付けのために変位するはんだ付けアームと、
前記はんだ鏝に内蔵されて該はんだ鏝の鏝先を加熱するヒーターと、前記はんだ鏝に内蔵されて前記鏝先の温度を検出する温度センサーと、はんだ付け装置全体を制御するコントローラとを有し、
前記ヒーターは、はんだ鏝の外部に配設された前記コントローラに給電線を介して接続され、
前記温度センサーは、前記コントローラに信号伝送機構を介して接続され、
前記信号伝送機構は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を有する信号中継器と、前記温度センサーと該信号中継器とを結ぶアナログ線と、該信号中継器と前記コントローラとを結ぶデジタル線とを有し、前記信号中継器は、前記はんだ鏝の外部のはんだ付け時に該はんだ鏝と一体となって変位する位置に配置されていて、前記アナログ線の長さは前記デジタル線の長さよりも短い、
ことを特徴とするはんだ付け装置。
【請求項2】
前記信号中継器は、前記はんだ付けアームに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け装置。
【請求項3】
前記給電線は、前記信号中継器を介して前記ヒーターと前記コントローラとを結んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のはんだ付け装置。
【請求項4】
前記信号中継器には、前記給電線の一部をなす中継給電線が設けられ、
前記コントローラにそれぞれ一端を接続された一次側給電線及びデジタル線の他端が、共通の一次側電気コネクタを介して前記中継給電線の一次側端子及び前記A/D変換部のデジタル端子に接続され、
前記ヒーターに一端を接続された二次側給電線の他端及び前記温度センサーに一端を接続されたアナログ線の他端が、共通の二次側電気コネクタを介して前記中継給電線の二次側端子及び前記A/D変換部のアナログ端子に接続されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のはんだ付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動はんだ付け装置(ロボット)を使用して各種電子部品をプリント配線基板等に自動的にはんだ付けするはんだ付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ICやLSIといった各種電子部品をプリント配線基板等に自動的にはんだ付けするはんだ付け装置が知られている。特許文献1には、はんだ鏝を備えたはんだ付けヘッドと、はんだ付けヘッドを制御する制御装置(はんだ付けコントローラ)とを有するはんだ付け装置が開示されている。このはんだ付け装置は、前記はんだ鏝に、鏝先を加熱するヒーターと、温度センサーとが内蔵されており、この温度センサーで取得された鏝先温度に関する信号が前記はんだ付けコントローラへと伝送され、該信号に基づき、該コントローラで前記ヒーターを制御するように構成されている。
【0003】
ところで、この種のはんだ付け装置の温度センサーとしては、例えば特許文献2に示すはんだ鏝のように、アナログ信号形式の温度信号を出力する熱電対が用いられているが、アナログ信号は外乱の影響を受けやすく、温度センサーからコントローラまでの配線距離が長いと、温度ドリフト(取得温度のバラつき)や電磁ノイズの影響が大きくなる。そのため、コントローラで読み取られる鏝先の温度と実際の鏝先温度との間で誤差が生じ、鏝先の温度制御を精度良く行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-021326号公報
【文献】特開2012-121043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
はんだ鏝の鏝先の温度を測定する温度センサーと、鏝先の温度を制御するコントローラとを備えたはんだ付け装置において、温度センサーで取得される温度信号を正確にコントローラへと伝送することで、鏝先の温度制御を精度良く行うことができるはんだ付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明によれば、 はんだ鏝、及び、はんだ供給ノズルを有するはんだ付けヘッドと、該はんだ付けヘッドが取り付けられてはんだ付けのために変位するはんだ付けアームと、前記はんだ鏝に内蔵されて該はんだ鏝の鏝先を加熱するヒーターと、前記はんだ鏝に内蔵されて前記鏝先の温度を検出する温度センサーと、はんだ付け装置全体を制御するコントローラとを有し、前記ヒーターは、はんだ鏝の外部に配設された前記コントローラに給電線を介して接続され、前記温度センサーは、前記コントローラに信号伝送機構を介して接続され、前記信号伝送機構は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を有する信号中継器と、前記温度センサーと該信号中継器とを結ぶアナログ線と、該信号中継器と前記コントローラとを結ぶデジタル線とを有し、前記信号中継器は、前記はんだ鏝の外部のはんだ付け時に該はんだ鏝と一体となって変位する位置に配置されていて、前記アナログ線の長さは前記デジタル線の長さよりも短いことを特徴とするはんだ付け装置が提供される。
【0007】
本発明において好ましくは、前記信号中継器が、前記はんだ付けアームに取り付けられていることである。
【0008】
また、前記給電線は、前記信号中継器を介して前記ヒーターと前記コントローラとを結んでいることが好ましく、この場合、前記信号中継器には、前記給電線の一部をなす中継給電線が設けられ、前記コントローラにそれぞれ一端を接続された一次側給電線及びデジタル線の他端が、共通の一次側電気コネクタを介して前記中継給電線の一次側端子及び前記A/D変換部のデジタル端子に接続され、前記ヒーターに一端を接続された二次側給電線の他端及び前記温度センサーに一端を接続されたアナログ線の他端が、共通の二次側電気コネクタを介して前記中継給電線の二次側端子及び前記A/D変換部のアナログ端子に接続されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のはんだ付け装置は、鏝先温度測定用の温度センサーと、鏝先の温度を制御するコントローラとの間に信号伝送機構が設けられていて、この信号伝送機構は、A/D変換部を備えた信号中継器と、温度センサーと信号中継器との間を結ぶアナログ線と、信号中継器とコントローラとの間をデジタル線とから成り、アナログ線の長さがデジタル線の長さよりも短い。よって、該はんだ付け装置によれば、外乱の影響を受けやすいアナログ信号形式の温度信号が短いアナログ線を通じて信号中継器に送られると共に、該信号中継器でデジタル信号に変換されてコントローラへと伝送されることから、温度センサーからコントローラまでの距離が遠い場合でも、該温度センサーから出力される温度信号が正確にコントローラに送られ、鏝先の温度制御を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るはんだ付け装置の一実施形態を示す斜視図である。
【
図3】信号伝送機構の信号中継器を示す拡大図である。
【
図4】前記信号伝送機構を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1-
図4は本発明に係るはんだ付け装置の一実施形態を示すものである。このはんだ付け装置1は、はんだ鏝2及び該はんだ鏝2の鏝先2aに線状はんだを供給するはんだ供給ノズル3を備えたはんだ付けヘッド4と、該はんだ付けヘッド4が取り付けられたはんだ付けアーム8と、プリント配線基板等のはんだ付け対象物を載置するテーブル5と、前記はんだ付けアーム8とテーブル5とを、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸方向の3軸方向と前記はんだ付けアーム8の回転軸であるR軸回りとに相対的に変移自在なるように支持する機体6と、はんだ付けの合間に前記鏝先2aに付着した残存はんだを除去する鏝先クリーナー20と、はんだ付け装置1全体を制御するコントローラ7とを備えている。
【0012】
前記機体6は、基台11と、該基台11の後端部から立ち上がった左右の支柱12,12と、該左右の支柱12,12の上端間を水平方向(X軸方向)に延びるアームガイド13と、このアームガイド13に沿ってX軸方向に移動自在のアームホルダー14と、このアームホルダー14に、鉛直方向(Z軸方向)に移動自在かつR軸の回りに回転自在なるように支持された前記はんだ付けアーム8とを有している。また、前記基台11の上面には前後方向(Y軸方向)に延びるガイドレール15が設けられていて、該ガイドレール15上に、前記テーブル5がY軸方向に移動自在に支持されている。
【0013】
前記はんだ鏝2は、鏝取付部19に、前記はんだ付けアーム8の回転軸線であるR軸に対して傾斜した姿勢で取り付けられ、該鏝取付部19、及び該鏝取付部19が取り付けられた中継ボックス16を介して、前記はんだ付けアーム8に取り付けられており、該はんだ鏝2の先端に前記鏝先2aが形成されている。
【0014】
前記鏝取付部19は、前記はんだ鏝2を、傾斜角度を調整可能なるように支持すると共に、複数のはんだ付け部位を順次はんだ付けする際に、該鏝取付部19に組み込まれた不図示のエアシリンダによって前記はんだ鏝2を小ストロークで昇降させるもので、複数の部品を組み合わせて形成されているが、その構成自体は公知であるので、その具体的な説明は省略する。
【0015】
一方、前記中継ボックス16は、前記はんだ付けヘッド4を前記コントローラ7及び圧縮空気源に不図示の配線及び配管により接続するため、中継端子や電磁弁あるいはエアシリンダ等の電気機器及び流体圧機器を内部に収容したもので、前記はんだ付けアーム8に、該はんだ付けアーム8と一体となって変位するように固定されている。
【0016】
また、前記はんだ鏝2には、前記鏝先2aを加熱するためのヒーター9と、該鏝先2aの温度を測定するための温度センサー10とが内蔵され、前記ヒーター9とコントローラ7とが、電力供給用の給電線W(
図4参照)を介して接続され、前記温度センサー10とコントローラ7とが、信号電送機構30を介して接続されている。
前記温度センサー10としては、2つの異種金属線の先端同士を接合してその接合点を測温接点とした熱電対が使用され、この熱電対によりアナログ信号として測定された温度信号が、前記信号電送機構30でデジタル信号に変換されて前記コントローラ7に送られるように構成されているが、その詳細については後で述べることとする。
【0017】
前記はんだ供給ノズル3は、前記中継ボックス16に取り付けられたはんだ供給装置25にチューブ17を介して接続されている。このはんだ供給装置25は、プーリー18に巻いた線状はんだを所要量ずつ鏝先2aに向けて送るためのもので、前記コントローラ7からはんだの供給タイミングや供給量等の制御指令を受けると、その制御指令に応じて、該プーリー18に巻かれた線状はんだが、前記チューブ17を通じてはんだ供給ノズル3から前記鏝先2aに供給されるようになっている。
【0018】
前記鏝先クリーナー20は、前記基台11の上面に設けられていて、前記Y軸方向に移動するテーブル5に接触しない位置に配置されている。鏝先クリーナー20は、矩形箱状のケーシング21と、先端の噴射口から圧縮エアを噴射するエアノズル23とを有し、このエアノズル23の噴射口がケーシング21に設けられた開口22を通じて該ケーシング21内に配されている。鏝先2aに付着した残存はんだを除去する場合には、鏝先2aがケーシング21の上方に位置するようにはんだ付けヘッド4が駆動され、それからはんだ付けアーム8が伸長することで該鏝先2aが開口22に挿入されて、ケーシング21内に配された該鏝先2aに向けて圧縮エアが噴射される。
【0019】
前記コントローラ7は、前記鏝先2aの温度制御を含む前記はんだ付け装置1全体の制御を行うもので、前記基台11の内部に格納されている。このコントローラ7には、自動はんだ付けに必要な作業のプログラムや計算式等が予め記憶されている。はんだ付けを行うときは、コントローラ7に対して、前記鏝先2aの加熱目標温度、複数のはんだ付け部位に対するはんだ付けを行う順番等の条件を設定する。この場合、基台11の前面に設けられた操作パネル11aを操作して前記条件を設定するか、LANポート11bやCOMポート11cにPC等の外部端末を接続しこの外部端末を通じて設定することができる。そして、動作開始スイッチを押すことで、前記ヒーター9により鏝先2aが加熱されると共に、はんだ付けアーム8に取り付けられた前記はんだ鏝2がはんだ付け部位に向かって移動してはんだ付けが自動的に行われる。はんだ付け作業中、前記コントローラ7により、温度センサー10によって測定された温度信号に基づいて、鏝先2aが前記加熱目標温度となるようにヒーター9が制御されるように構成されている。
【0020】
図4に示すように、前記信号伝送機構30は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部32を有する矩形箱状の信号中継器31と、温度センサー10とこのA/D変換部32とを接続する2本のアナログ線37a,37bと、前記コントローラ7と前記A/D変換部32とを接続する2本のデジタル線38a,38bとを有している。前記アナログ線37a,37bは、温度センサー10から延びるリード線と同様の材質、例えば一方がクロメル線、他方がアルメル線で形成されている。また、前記デジタル線38a,38bは、一方のデジタル線38aがデータ通信用の信号線であり、他方のデジタル線38bが接地用の信号線である。
【0021】
また、前記ヒーター9とコントローラ7とは、前記給電線Wにより前記信号中継器31を介して電気的に接続されている。
具体的に、前記信号中継器31には、前記給電線Wの一部をなす第1中継給電線33a及び第2中継給電線33bが設けられていて、前記コントローラ7に接続された非接地側(電圧側)の一次側給電線42a及び接地側の一次側給電線42bと、前記ヒーター9に接続された非接地側の二次側給電線43a及び接地側の二次側給電線43bとが、前記第1中継給電線33a及び第2中継給電線33bを介して相互に接続されている。
【0022】
これにより、ヒーター9を発熱させるために必要な電力は、前記コントローラ7から一次側給電線42a,42bを通じて信号中継器31へと伝送され、該信号中継器31の第1及び第2中継給電線33a,33bを経由したのち、二次側給電線43a,43bを通じて前記ヒーター9へと供給される。
【0023】
前記コントローラ7、ヒーター9、及び温度センサー10と、前記信号中継器31との電気接続を容易にするため、前記信号中継器31の側面には、凹形をした一次側電気コネクタ34及び二次側電気コネクタ35が設けられている。
【0024】
前記一次側電気コネクタ34は、前記第1及び第2中継給電線33a,33bの一次側端子34a,34b、及び、前記A/D変換部32のデジタル端子34c,34dを有しており、前記二次側電気コネクタ35は、前記第1及び第2中継給電線33a,33bの二次側端子35a,35b、及び、前記A/D変換部32のアナログ端子35c,35dを有している。
【0025】
一方、前記デジタル線38a,38bと一次側給電線42a,42bとは、一本の一次側伝送ケーブル40に纏めて収容され、該一次側伝送ケーブル40の先端に、前記デジタル線38a,38b及び一次側給電線42a,42bに導通する端子を備えた凸形の一次側電気コネクタ50が設けられており、また、前記アナログ線37a,37bと二次側給電線43a,43bとは、二次側伝送ケーブル41に纏めて収容され、該二次側伝送ケーブル41の先端に、前記アナログ線37a,37b及び二次側給電線43a,43bに導通する端子を備えた凸形の二次側電気コネクタ51が設けられている。
【0026】
そして、前記一次側伝送ケーブル40の先端の一次側電気コネクタ50を前記信号中継器31の一次側電気コネクタ34に接続すると共に、前記二次側伝送ケーブル41の先端の二次側電気コネクタ51を前記信号中継器31の二次側電気コネクタ35に接続することにより、前記デジタル線38a,38b及び一次側給電線42a,42bが、共通の一次側電気コネクタ34,50を介して前記第1及び第2中継給電線33a,33bの一次側端子34a,34b及び前記A/D変換部32のデジタル端子34c,34dに接続されると共に、前記アナログ線37a,37b及び二次側給電線43a,43bが、共通の二次側電気コネクタ35,51を介して前記第1及び第2中継給電線33a,33bの二次側端子35a,35b及び前記A/D変換部32のアナログ端子35c,35dに接続されている。
【0027】
前記一次側伝送ケーブル40の他端(基端)は、前記アームホルダー14に設けられた不図示の接続端子に接続されることにより、該接続端子から配線ダクト52を通じて前記コントローラ7まで延びるケーブルを介して該コントローラ7に接続されている。
また、前記二次側伝送ケーブル41の他端(基端)は、前記はんだ鏝2を支持する鏝取付部19に設けられた接続端子19aに接続され、該接続端子19aを介して、前記アナログ線37a,37bは前記温度センサー10に接続され、前記二次側給電線43a,43bは前記ヒーター9に接続されている。
【0028】
前記アナログ線37a,37bは、温度信号にノイズを含ませないようにするという観点からできるだけ短くすることが好ましく、これに対して前記デジタル線38a,38bは、デジタル信号を伝送することによってノイズが含まれる心配がないため、前記アナログ線37a,37bより長くても構わない。このため、前記信号中継器31は、できるだけ前記はんだ鏝2に近い位置に配置することが望ましい。
【0029】
そこで、本実施形態においては、前記信号中継器31を、はんだ付けアーム8に固定された前記中継ボックス16の上面に取り付けており、これにより、該信号中継器31と前記はんだ鏝2とが、はんだ付け時に互いに近接した位置で相互に一体となって変位できるように構成されている。
【0030】
このように、前記信号中継器31がはんだ鏝2に近い位置に取り付けられていることにより、前記アナログ線37a,37bの長さは短くて足り、また、前記はんだ付けアーム8がX軸方向及びZ軸方向に移動したり、R軸周りに回転した場合でも、該信号中継器31とはんだ鏝2との距離が変わらず一定である。
この結果、前記はんだ鏝2に内蔵された温度センサー10からの温度信号は、短いアナログ線37a,37bを通じて前記信号中継器31に送られたあと、デジタル信号に変換されて前記コントローラ7に伝送されるため、温度ドリフトや電磁ノイズ等の影響を受けにくく、正確な温度測定を行うことができる。
【0031】
なお、複数のはんだ付け部位を順次はんだ付けする際、はんだ鏝2が小ストロークで昇降するが、そのストローク分の変化を吸収し得る程度の余裕を前記アナログ線37a,37bに持たせてあることは当然である。また、上記はんだ鏝2の昇降による僅かな測定誤差が生じる場合には、前記コントローラ7でその誤差を補正することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、前記信号中継器31が、はんだ付けアーム8に固定された前記中継ボックス16の上面に取り付けられているが、該信号中継器31は、はんだ付けアーム8に直接取り付けても良く、あるいは、前記はんだ鏝2と一体に変位するその他の部位に取り付けても良い。
また、前記コントローラ7は、基台11の内部に格納されているが、機体6の外部に配置されていても良い。
【0033】
さらに、前記実施形態のはんだ付け装置は、門型フレーム状を成す卓上型のはんだ付け装置1であるが、本発明は、多軸型のはんだ付け装置にも適用することができる。この場合にも、前記信号中継器31は、はんだ鏝が取り付けられているはんだ付けアームに取り付けて、該信号中継器31とはんだ鏝とを一体に変位させるように構成される。
【符号の説明】
【0034】
1 はんだ付け装置
2 はんだ鏝
2a 鏝先
7 コントローラ
8 はんだ付けアーム
9 ヒーター
10 温度センサー
30 信号伝送機構
31 信号中継器
32 A/D変換部
33a,33b 中継給電線
34 凹形の一次側電気コネクタ
34a,34b 一次側端子
34c,34d デジタル端子
35 凹形の二次側電気コネクタ
35a,35b 二次側端子
35c,35d アナログ端子
37a,37b アナログ線
38a,38b デジタル線
42a,42b 一次側給電線
43a,43b 二次側給電線
50 凸形の一次側電気コネクタ
51 凸形の二次側電気コネクタ
W 給電線