(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】オーディオ装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
H02M3/28 A
H02M3/28 Z
(21)【出願番号】P 2018026853
(22)【出願日】2018-02-19
【審査請求日】2020-09-24
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中西 孔文
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 隆義
(72)【発明者】
【氏名】田澤 岳史
【合議体】
【審判長】林 毅
【審判官】山崎 慎一
【審判官】山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-207775(JP,A)
【文献】特開2015-220975(JP,A)
【文献】特開2017-223409(JP,A)
【文献】特開2014-099369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧が入力される入力端子と、
前記入力端子に入力された前記交流電圧を整流して出力する第1整流回路と、
前記第1整流回路から出力された電圧を変調して出力する変調回路と、
前記変調回路から出力された電圧を伝達するトランスと、
前記トランスから出力された電圧を平滑化する平滑回路と、
前記平滑回路にて平滑化された電圧を出力する電源出力端子と、
前記トランスの1次側における前記交流電圧の入力の有無を検出する検出回路と、
前記検出回路から前記交流電圧の入力の有無に関する信号を受け取って出力する信号出力端子と、を備える電源装置と、
前記電源出力端子から出力された電圧を受け取る、および、前記信号出力端子から出力された信号を受け取る、ならびに、外部通信端末との無線通信で受信した信号に基づいてスピーカに音を出力させる通信オーディオ制御回路と、
を備え
、
前記検出回路は、前記入力端子に接続されたスイッチの切り入りに伴って発生する前記交流電圧の入力有無を検出し、
前記通信オーディオ制御回路は、所定時間以内の間隔で連続して前記スイッチの切り入り操作がなされた回数を検出し、当該回数によって異なる動作を行
い、
前記異なる動作は、第1の動作および第2の動作を含み、
前記第1の動作は、前記通信オーディオ制御回路が、前記外部通信端末と無線通信を行うための接続動作であり、
前記第2の動作は、前記第1の動作と異なる動作である
オーディオ装置。
【請求項2】
前記検出回路は、前記入力端子と前記トランスの1次側とを結ぶ1次側配線経路上の分岐点と、前記信号出力端子とを結ぶ分岐配線経路上に配置されている
請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項3】
前記分岐点は、前記1次側配線経路のうちの前記入力端子と前記第1整流回路との間の配線経路上に設けられ、
前記検出回路は、前記入力端子に入力された前記交流電圧を整流して出力する第2整流回路と、前記第2整流回路から出力される電圧の供給遮断を検出するフォトカプラとを備えている
請求項2に記載のオーディオ装置。
【請求項4】
前記通信オーディオ制御回路は、前記接続動作として、前記外部通信端末とのペアリングを行うための動作を行う
請求項1~3のいずれか1項に記載のオーディオ装置。
【請求項5】
さらに、
前記入力端子を介して前記交流電圧が入力される照明用電源装置と、
前記照明用電源装置に接続される点灯制御回路と、
前記点灯制御回路に接続される発光部と
を備える請求項1~4のいずれか1項に記載のオーディオ装置。
【請求項6】
前記入力端子に接続されたスイッチは、前記照明用電源装置を切り入りするスイッチと共用されている
請求項5に記載のオーディオ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交流電圧を直流電圧に変換して出力する電源装置を備えるオーディオ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、スイッチング型の電源装置を開示している(特許文献1の
図3参照)。この電源装置は、入力された交流電圧を整流する整流回路と、整流回路から出力された電圧を変調する変調回路と、変調回路から出力された電圧を伝達するトランスと、トランスから出力された電圧を平滑化する平滑回路とを備えている。また、特許文献1の電源装置は、電源装置内における過電圧を検知する電圧検知回路を備えている。この電源装置では、過電圧を検知した場合に、変調回路からトランスへの電圧出力を停止し、電源装置の各回路および電源装置に接続された負荷を保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、交流電圧の入力有無を検出して外部へ信号出力する電源装置を備えるオーディオ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示におけるオーディオ装置は、交流電圧が入力される入力端子と、前記入力端子に入力された前記交流電圧を整流して出力する第1整流回路と、前記第1整流回路から出力された電圧を変調して出力する変調回路と、前記変調回路から出力された電圧を伝達するトランスと、前記トランスから出力された電圧を平滑化する平滑回路と、前記平滑回路にて平滑化された電圧を出力する電源出力端子と、前記トランスの1次側における前記交流電圧の入力の有無を検出する検出回路と、前記検出回路から前記交流電圧の入力の有無に関する信号を受け取って出力する信号出力端子と、を備える電源装置と、前記電源出力端子から出力された電圧を受け取る、および、前記信号出力端子から出力された信号を受け取る、ならびに、外部通信端末との無線通信で受信した信号に基づいてスピーカに音を出力させる通信オーディオ制御回路と、を備え、前記検出回路は、前記入力端子に接続されたスイッチの切り入りに伴って発生する前記交流電圧の入力有無を検出し、前記通信オーディオ制御回路は、所定時間以内の間隔で連続して前記スイッチの切り入り操作がなされた回数を検出し、当該回数によって異なる動作を行い、前記異なる動作は、第1の動作および第2の動作を含み、前記第1の動作は、前記通信オーディオ制御回路が、前記外部通信端末と無線通信を行うための接続動作であり、前記第2の動作は、前記第1の動作と異なる動作である。
【発明の効果】
【0007】
本開示のオーディオ装置は、交流電圧の入力有無に関する信号に基づいて無線通信の接続動作を行うのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係るオーディオ装置を示す概略図である。
【
図2】実施の形態に係る電源装置を備えるオーディオ装置を示すブロック構成図である。
【
図3】実施の形態に係る電源装置の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態)
本実施の形態に係るオーディオ装置9は、例えば、ダウンライトなどの照明器具を含むオーディオ装置である。照明装置としてはダウンライトに限られず、シーリングライト等であってもよい。
【0010】
図1は、本実施の形態のオーディオ装置9を示す概略図である。
図2は、本実施の形態の電源装置1を備えるオーディオ装置9を示すブロック構成図である。なお
図1には、オーディオ装置9のみではなく、オーディオ装置9、スイッチ3および外部通信端末5で構成されるオーディオシステムが示されている。
【0011】
図1に示すように、オーディオ装置9は、開口部8aを有する筐体8と、音を出すスピーカ42と、光を出射する発光部62とを備えている。筐体8は、例えば、造営材の一例である天井に設置されている。発光部62は、例えばLED(Light Emitting Diode)を有する発光モジュールであり、筐体8の開口部8aに設けられている。スピーカ42は、筐体8の内部に設けられ、具体的には、発光部62の光の出射側とは反対側に配置されている。筐体8は、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの樹脂材料によって形成されている。
【0012】
また、オーディオ装置9は、スピーカ42に接続されるオーディオ用回路A1と、発光部62に接続される照明用回路L1とを備えている。オーディオ用回路A1および照明用回路L1のそれぞれは、箱型の筐体内に設けられている。オーディオ用回路A1は、オーディオ用の電源装置1を有し、照明用回路L1は、照明用電源装置50を有している(
図2参照)。オーディオ用回路A1および照明用回路L1は、配線を介して、壁に設置されたスイッチ3に接続されている。スイッチ3は例えば単投式であり、オーディオ用回路A1と照明用回路L1とで共用されている。
【0013】
オーディオ用回路A1は、無線通信r1によって、スマートフォンまたはタブレット端末などの外部通信端末5と通信可能である。無線通信r1は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信である。オーディオ用回路A1は、外部通信端末5から音楽データなどのデジタル信号を受信し、受信した信号をアナログ信号に変換して、スピーカ42へ出力する。無線通信r1は、ブルートゥース(登録商標)に限られず、WiFi(登録商標)またはZigBee(登録商標)であってもよい。
【0014】
このオーディオ装置9において、無線通信r1している外部通信端末5を他の外部通信端末に切り替え、すなわちペアリング相手(接続相手)を切り替えて、現在かけている音楽と異なる音楽をかけたい場合がある。その場合、例えばスイッチ3の切り入り操作を行うことによって、具体的にはオーディオ装置9への電力供給を一旦遮断し再び供給するという操作を行うことによって、ペアリング相手の再設定を行うことが可能となる。例えば、照明器具を含むオーディオ装置9では、スイッチ3の切り入り操作を短時間で行うことで、無線通信r1する外部通信端末5を切り替え、他の外部通信端末から送信された音楽をかけることが可能である。
【0015】
しかしながら、オーディオ用回路A1の電源装置1は、コンデンサを含む平滑回路を有しており、スイッチ3の切り入り操作の時間が短すぎると(例えば30ms以上100ms以下)、電力供給が遮断されたことを検出することが困難となる。そのため、短時間のスイッチ3の切り入り操作では、オーディオ装置9にてペアリング相手の再設定を行うことができないことがある。
【0016】
本実施の形態の電源装置1では、交流電圧の入力有無を検出し外部へ信号出力することができる構成を有している。これにより、オーディオ装置9におけるペアリング再設定等の接続動作を可能としている。
【0017】
以下、適宜図面を参照しながら、電源装置1およびオーディオ装置9の実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0018】
なお、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0019】
[1.オーディオ装置の構成]
次に、
図2を参照しながらオーディオ装置9の構成について説明する。前述したように、オーディオ装置9は、オーディオ用回路A1とスピーカ42とを備えている。また、オーディオ装置9は、照明機能を有しており、照明用回路L1と発光部62とを備えている。
【0020】
オーディオ用回路A1は、オーディオ用の電源装置1と、電源装置1に接続された通信オーディオ制御回路41とを備えている。通信オーディオ制御回路41には、スピーカ42が接続されている。
【0021】
電源装置1は、外部に設けられたスイッチ3に接続されている。スイッチ3が切り入りされることで、電源装置1への商業用の交流電圧の入力有無が切り替えられる。電源装置1は、入力された交流電圧を直流電圧に変換して通信オーディオ制御回路41に出力する。
【0022】
通信オーディオ制御回路41は、例えば、ブルートゥース(登録商標)オーディオモジュールを含む。通信オーディオ制御回路41は、電源装置1の電源出力端子t21、t22から出力された電圧を受け取る、また、外部通信端末5との無線通信r1で受信した信号に基づいてスピーカ42に音を出力させる回路である。
【0023】
また、通信オーディオ制御回路41は、電源装置1の信号出力端子t31、t32から出力された交流電圧の入力有無に関する信号を受け取って、予め決められた動作を行う。具体的には、通信オーディオ制御回路41は、信号出力端子t31、t32を介して交流電圧の入力有無に関する切り替え信号を受け付けた場合に、外部通信端末5との無線通信r1の接続動作を行う。
【0024】
ここで、交流電圧の入力有無に関する切り替え信号とは、交流電圧が入力無から入力有に変化したことを示す信号である。また、接続動作とは、外部通信端末5と通信オーディオ制御回路41との間で行われるペアリングである。なお、ペアリングとは、通信相手の識別情報等を互いに保存しあうことである。外部通信端末5と通信オーディオ制御回路41とがペアリングすることで、通信オーディオ制御回路41は、外部通信端末5から送信されたデジタル信号を受け付け、受け付けたデジタル信号の信号処理をすることができる。
【0025】
照明用回路L1は、照明用電源装置50と、照明用電源装置50に接続された点灯制御回路61とを備えている。照明用電源装置50は、スイッチ3に接続されている。スイッチ3は、オーディオ用の電源装置1と照明用電源装置50との両方を同時に切り入りするスイッチとして共用されている。
【0026】
照明用電源装置50は、交流電圧を直流電圧に変換して点灯制御回路61に出力する。点灯制御回路61は、発光部62の発光を制御する。具体的には、点灯制御回路61は、発光部62に出力する電圧のパルス幅または電圧を制御することで、発光部62を調光制御する。なお、発光部62は、LEDを有する発光モジュールに限られず、白熱電球または蛍光灯であってもよい。
【0027】
[2.電源装置の構成]
次に、
図3を参照しながらオーディオ用の電源装置1について説明する。
図3は、電源装置1の回路構成図である。
【0028】
電源装置1は、入力された交流電圧を直流電圧に変換して出力する装置である。電源装置1は、第1整流回路21、変調回路22、トランス23および平滑回路24を含む電源回路20と、検出回路30とを備えている。また、電源装置1は、入力端子t11、t12と、電源出力端子t21、t22と、信号出力端子t31、t32とを備えている。
【0029】
入力端子t11、t12は、商業用の交流電圧(例えばAC100V)が入力される端子である。一方の入力端子t11は、スイッチ3を介して交流電圧源に接続され、他方の入力端子t12は、上記交流電圧源に接続されている。
【0030】
入力端子t11、t12とトランス23の1次側とを結ぶ1次側配線経路11上には、入力された交流電圧を分岐する分岐点12、13が設けられている。分岐点12で分岐された交流電圧は、照明用回路L1に入力され、分岐点13で分岐された交流電圧は、検出回路30に入力される。
【0031】
第1整流回路21は、入力端子t11、t12に入力された交流電圧を整流して出力する回路である。第1整流回路21は、1次側配線経路11のうち、分岐点13とトランス23との間の配線経路上に設けられている。第1整流回路21は、例えば、ダイオードブリッジによって構成される全波整流回路である。
【0032】
1次側配線経路11のうち第1整流回路21とトランス23との間には、コンデンサc1が設けられている。コンデンサc1は、第1整流回路21から出力された脈流電圧を平滑化する。
【0033】
変調回路22は、第1整流回路21から出力され、かつ、コンデンサc1にて平滑化された電圧をPWM(Pulse Width Modulation)変調して出力する回路である。変調回路22は、スイッチング素子Tr1を高速でスイッチングする(オンおよびオフを繰り返す)回路である。スイッチング素子Tr1は、例えば、電界効果トランジスタである。
【0034】
トランス23は、1次側巻線および2次側巻線を有する変圧器である。トランス23は、変調回路22から出力されて1次側巻線に入力した電圧を、電気的に絶縁した状態で2次側巻線に伝達する。
【0035】
平滑回路24は、トランス23から出力された電圧を平滑化する回路である。平滑回路24は、トランス23の2次側と電源出力端子t21、t22とを結ぶ2次側配線経路16上に設けられている。トランス23から出力された電圧は、ダイオードd1によって整流され、また、コンデンサc2によって平滑化される。コンデンサc2は、例えば電解コンデンサであり、コンデンサc1よりも容量が大きく、短時間では放電を終了しにくいコンデンサである。
【0036】
電源出力端子t21、t22は、平滑回路24にて平滑化された電圧を出力する端子である。電源出力端子t21、t22からは、例えば、12Vの直流電圧(電源電圧)が出力される。電源出力端子t21、t22から出力された直流電圧は、通信オーディオ制御回路41に入力される。
【0037】
なお、平滑回路24と電源出力端子t21、t22との間の配線経路には、2次側配線経路16の電圧を検出するモニタ回路25が設けられている。モニタ回路25にて検出された電圧は、フォトカプラ26を介して変調回路22にフィードバックされる。そして変調回路22にて、モニタ回路25にて検出する電圧が一定となるように、スイッチング素子Tr1のスイッチングが制御される。なお、モニタ回路25にて検出された電圧がフィードバックされる際、フォトカプラ26は、検出した電圧を電気的に絶縁した状態で変調回路22に出力する。
【0038】
検出回路30は、トランス23の1次側における交流電圧の入力の有無を検出する回路である。具体的には、検出回路30は、入力端子t11に接続されたスイッチ3の切り入りに伴って発生する交流電圧の入力有無を検出する。
【0039】
検出回路30は、1次側配線経路11上の分岐点13と、信号出力端子t31、t32とを結ぶ分岐配線経路14上に配置されている。分岐点13は、1次側配線経路11のうち、入力端子t11、t12と第1整流回路21とを結ぶ配線経路上に設けられている。
【0040】
検出回路30は、入力端子t11、t12から分岐点13を介して入力された交流電圧を整流して出力する第2整流回路32と、第2整流回路32から出力される電圧の供給遮断を検出するフォトカプラ33とを有している。第2整流回路32は、分岐点13に接続されている。フォトカプラ33は、分岐配線経路14のうち、第2整流回路32と信号出力端子t31、t32との間の配線経路上に配置されている。フォトカプラ33は、交流電圧の入力有無に関する信号を、電気的に絶縁した状態で信号出力端子t31、t32へ出力する。本実施の形態では、分岐配線経路14上に平滑回路が設けられていない。
【0041】
信号出力端子t31、t32は、検出回路30で検出した交流電圧の有無に関する信号を、検出回路30から受け取って出力する端子である。信号出力端子t31、t32からは、電源出力端子t21、t22から出力される電圧よりも低い電圧(例えば3V)が出力される。なお、信号出力端子t31、t32、および、前述した電源出力端子t21、t22は、同じ1つのコネクタを介して、通信オーディオ制御回路41のコネクタに接続される。
【0042】
このように電源装置1は、トランス23の1次側における交流電圧の入力の有無を検出回路30で検出し、検出した交流電圧の有無に関する信号を信号出力端子t31、t32を介して通信オーディオ制御回路41に伝達する回路構成を有している。そのため、トランス23の2次側における電圧の出力の有無を検出することが困難な場合であっても、検出回路30および信号出力端子t31、t32を用いて電圧の入力の有無に関する信号を通信オーディオ制御回路41に伝達することができる。これにより、例えば、オーディオ装置9と外部通信端末5との接続動作(ペアリング)を行うきっかけをつくることができる。
【0043】
なお、通信オーディオ制御回路41は、信号出力端子t31、t32を介して電圧の入力の有無に関する信号を受け取ると、無線通信r1を用いて自身とペアリング可能な外部の機器を探し出す。オーディオ装置9は、探し出した機器からペアリングの要求があった場合に、その機器とペアリングする。
【0044】
[3.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る電源装置1は、交流電圧が入力される入力端子t11、t12と、入力端子t11、t12に入力された交流電圧を整流して出力する第1整流回路21と、第1整流回路21から出力された電圧を変調して出力する変調回路22と、変調回路22から出力された電圧を伝達するトランス23と、トランス23から出力された電圧を平滑化する平滑回路24と、平滑回路24にて平滑化された電圧を出力する電源出力端子t21、t22と、トランス23の1次側における交流電圧の入力の有無を検出する検出回路30と、検出回路30から交流電圧の入力の有無に関する信号を受け取って出力する信号出力端子t31、t32とを備える。
【0045】
これによれば、トランス23の1次側における交流電圧の入力の有無を検出回路30で検出し、検出した交流電圧の有無に関する信号を信号出力端子t31、t32を介して外部の機器に伝達することができる。そのため、外部の機器にてトランス23の2次側における電圧の出力の有無を検出することが困難な場合であっても、電圧の入力の有無に関する信号を外部の機器に伝達することができる。
【0046】
また、電源装置1の検出回路30は、入力端子t11、t12とトランス23の1次側とを結ぶ1次側配線経路11上の分岐点13と、信号出力端子t31、t32とを結ぶ分岐配線経路14上に配置されていてもよい。
【0047】
これによれば、1次側配線経路11から分岐した分岐配線経路14上の検出回路30によって、交流電圧の入力の有無を安定して検出することができる。これにより、電圧の入力の有無に関する信号を外部の機器に伝達することができる。
【0048】
また、上記分岐点13は、1次側配線経路11のうちの入力端子t11、t12と第1整流回路21との間の配線経路上に設けられ、検出回路30は、入力端子t11、t12に入力された交流電圧を整流して出力する第2整流回路32と、第2整流回路32から出力される電圧の供給遮断を検出するフォトカプラ33とを備えていてもよい。
【0049】
このように、検出回路30がフォトカプラ33を備えることで、入力電圧と絶縁した状態で、すなわち安全な状態で電圧の供給遮断に関する信号を信号出力端子t31、t32に出力することができる。これにより、電圧の入力の有無に関する信号を外部の機器に伝達することができる。
【0050】
なお、電源装置1では、トランス23にて1次側と2次側とが絶縁され、フォトカプラ26にてモニタ回路25と変調回路22とが絶縁され、および、フォトカプラ33にて第2整流回路32と信号出力端子t31、t32とが絶縁された回路構成を有している。これにより、電源出力端子t21、t22および信号出力端子t31、t32が、交流電圧源に対して絶縁され、通信オーディオ制御回路41およびスピーカ42を保護することができる。
【0051】
本実施の形態に係るオーディオ装置9は、上記電源装置1と、電源出力端子t21、t22から出力された電圧を受け取る、および、信号出力端子t31、t32から出力された信号を受け取る、ならびに、外部通信端末5との無線通信r1によって受信した信号に基づいてスピーカ42に音を出力させる通信オーディオ制御回路41とを備え、通信オーディオ制御回路41は、信号出力端子t31、t32を介して交流電圧の入力有無に関する切り替え信号を受け付けた場合に、外部通信端末5との無線通信r1の接続動作を行う。
【0052】
これによれば、通信オーディオ制御回路41が、電源装置1で検出した交流電圧の有無に関する信号を信号出力端子t31、t32を介して取得することができる。そのため、トランス23の2次側における電圧の出力の有無を検出することが困難である場合であっても、1次側において電圧の入力の有無に関する信号を取得し、外部通信端末5との接続動作を行うことができる。
【0053】
また、通信オーディオ制御回路41は、上記切り替え信号として、入力無から入力有への切り替え信号を受け付けた場合に、上記接続動作を行ってもよい。
【0054】
これによれば、通信オーディオ制御回路41が、入力無から入力有への切り替え信号を信号出力端子t31、t32を介して取得することができる。そのため、トランス23の2次側における電圧の出力の有無を検出することが困難な場合であっても、1次側における電圧の入力の有無に関する信号を取得し、外部通信端末5との接続動作を行うことができる。
【0055】
また、通信オーディオ制御回路41は、上記接続動作として、外部通信端末5とのペアリングを行うための動作を行ってもよい。
【0056】
これによれば、オーディオ装置9と外部通信端末5とのペアリングを容易に切り替えることができる。
【0057】
また、検出回路30は、入力端子t11、t12に接続されたスイッチ3の切り入りに伴って発生する交流電圧の入力有無を検出してもよい。
【0058】
これによれば、スイッチ3の切り入りをきっかけとして、オーディオ装置9と外部通信端末5との接続動作の切り替えを行うことができる。
【0059】
またオーディオ装置9は、さらに、入力端子t11、t12を介して交流電圧が入力される照明用電源装置50と、照明用電源装置50に接続される点灯制御回路61と、点灯制御回路61に接続される発光部62とを備えていてもよい。
【0060】
これによれば、照明機能を有するオーディオ装置9を提供することができる。
【0061】
また、入力端子t11、t12に接続されたスイッチ3は、照明用電源装置50を切り入りするスイッチと共用されていてもよい。
【0062】
これによれば、スイッチ3の数を減らし、オーディオ装置9の操作を簡略化することができる。
【0063】
(他の実施の形態)
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0064】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0065】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0066】
例えば、商業用の交流電圧はAC100Vに限られず、AC200Vであってもよい。電源装置1から出力される直流電圧は、12Vに限られず、24Vまたは5Vであってもよい。
【0067】
例えば、入力端子t11、t12と分岐点13との間に、コモンモードノイズ除去用のフィルタ回路が設けられていてもよい。
【0068】
例えば、スイッチ3は、必ずしもオーディオ用の電源装置1と照明用電源装置50とで共用されていなくてもよく、電源装置1および照明用電源装置50のそれぞれが、異なるスイッチに接続されていてもよい。また、スイッチ3の切り入り操作の検出回数によって、オーディを装置9に異なる動作をさせるようにしてもよい。
【0069】
より具体的には、所定時間以内(例えば300msec以内)の間隔で連続して切り入り操作がなされた回数(交流電圧の入力有無に関する切り替え信号を受け付けた回数)を検出し、その回数によって異なる動作をさせるようにしてもよい。例えば、切り入り回数が1回の場合は、外部通信端末5との無線通信r1の接続動作を行い、切り入り回数が3回の場合は、通信オーディオ制御回路41に含まれるアンプの特性の切り換え動作を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示は、例えば、オーディオ装置などに用いられる電源装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 電源装置
3 スイッチ
5 外部通信端末
8 筐体
8a 開口部
9 オーディオ装置
11 1次側配線経路
12、13 分岐点
14 分岐配線経路
16 2次側配線経路
20 電源回路
21 第1整流回路
22 変調回路
23 トランス
24 平滑回路
25 モニタ回路
26 フォトカプラ
30 検出回路
32 第2整流回路
33 フォトカプラ
41 通信オーディオ制御回路
42 スピーカ
50 照明用電源装置
61 点灯制御回路
62 発光部
A1 オーディオ用回路
c1、c2 コンデンサ
d1 ダイオード
L1 照明用回路
r1 無線通信
Tr1 スイッチング素子
t11、t12 入力端子
t21、t22 電源出力端子
t31、t32 信号出力端子