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特許7209371管理装置、管理方法、管理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20230113BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020201387
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089203
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-09-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518309460
【氏名又は名称】株式会社Kort Valuta
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀樹
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-269644(JP,A)
【文献】特開2007-272526(JP,A)
【文献】特開2020-004306(JP,A)
【文献】特開2016-099992(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0311222(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理装置であって、
前記構成員の構成員番号記憶する第1の記憶手段
前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶手段
を有しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶しており、
さらに、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶手段において前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶手段を有していることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記所属組織が民間組織である請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記所属組織が公的機関である請求項に記載の管理装置。
【請求項4】
前記所属組織が企業である請求項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記所属組織が学校である請求項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記構成員番号は、前記所属組織の構成員であることを示すカードのカード番号の一部又は全部を構成している請求項1~のいずれかに記載の管理装置。
【請求項7】
前記決済処理に付される支払方式が、前払い方式、後払い方式及び即時払い方式から選ばれる1種又は2種以上の方式である請求項1~のいずれかに記載の管理装置。
【請求項8】
所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理方法であって、
前記構成員の構成員番号を記憶する第1の記憶ステップ、
前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶ステップ、
を含み、
前記第2の記憶ステップでは、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶しており、
さらに、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶ステップにおいて前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶ステップを含むことを特徴とする管理方法
【請求項9】
少なくとも構成員の所属組織の管理サーバーと、前記構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理装置と、第1のポイント又はデジタル通貨の情報を管理する第1のポイント管理サーバーと、第2のポイント又はデジタル通貨の情報を管理する第2のポイント管理サーバーとが通信回線を介して通信可能に接続されている管理システムであって、
前記管理装置は、前記構成員の所属組織の管理サーバーから取得した前記構成員の構成員番号を記憶する第1の記憶手段と、前記構成員番号に紐付けて前記第1のポイント管理サーバーから取得した第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント管理サーバーから取得した前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶手段とを有しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶しており、
前記管理装置は、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶手段において前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶手段を有していることを特徴とする管理システム
【請求項10】
所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理装置を、
前記構成員の構成員番号を記憶する第1の記憶手段、
前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶手段、
として機能させ、
前記第2の記憶手段を、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶するように機能させ、
さらに前記管理装置を、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶手段において前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント又はデジタル通貨を決済処理に付す管理装置、管理方法、管理システム又はこれらに適用されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば社員食堂において、社員毎に割り当てられる固有の社員番号が磁気的に記録されている社員カードを利用したPOSシステムが一般的に採用されている。かかるシステムでは、オペレーターがPOS端末としてのレジスタを用いて、社員が選択、購入した商品の金額を打ち込み、打ち込まれた金額がセンター側のコンピュータで処理され、当該社員の給与から天引きされる。このようなシステムは、社員食堂に限らず、一つのグループを構成する構成員に対して固有の識別番号(ID)を付与することにより、他の利用、購入システムにも適用されており、社員番号を別途に記録する必要がなく、当該銀行の発行するキャッシュカードを所有する人であれば、誰でもが当該個人の属するグループ(会社)に設定した原資からの決済を可能とするキャッシュカード決済システムなども検討されている(特許文献1等)。
【0003】
一方、例えば多くの企業において、「社内通貨」と呼ばれる通貨ポイントが存在する。この「社内通貨」とは、企業が自社の従業員向けに社内限定の通貨を発行する制度のことであって、正規の給与とは別に、従業員のモチベーションを高めるインセンティブとして導入されるのが一般的であり、社内通貨を付与された従業員は企業が用意した商品や社内サービスなどの購入に利用できるものである。そして、最近では、このような通貨ポイントを新たな評価ツールとして活用することも検討されている(特許文献2)。
【0004】
しかしながら、前記通貨ポイントでは、汎用性に乏しく、社員カードを用いて決済できない等の使い勝手が悪いといった問題があり、また、最近では、ポイントや仮想通貨等の種類も増え、決済における管理上の問題も生じており、このような問題を解決し得る方策が待ち望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平8-297703号公報
【文献】特開2016-99992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、決済における複数のポイントやデジタル通貨の管理を産業上有利に行うことができ、複数のポイントやデジタル通貨の利活用を促進できる管理装置、管理方法及び管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理に付す管理装置であって、前記構成員の構成員番号と前記所属組織の所属組織識別情報とを記憶している第1の記憶手段を有しており、前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶している第2の記憶手段を有しており、前記決済処理に、前記構成員番号に基づき、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を付す手段を有している管理装置が、決済における複数のポイントやデジタル通貨の管理を産業上有利に行うことができ、複数のポイントやデジタル通貨の利活用を促進できることを知見し、このような管理装置が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理装置であって、
前記構成員の構成員番号記憶する第1の記憶手段
前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶手段
を有しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶しており、
さらに、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶手段において前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶手段を有していることを特徴とする管理装置
[2] 前記所属組織が民間組織である前記[1]記載の管理装置。
] 前記所組織が公的機関である前記[1]記載の管理装置。
] 前記所属組織が企業である前記[1]記載の管理装置。
] 前記所属組織が学校である前記[1]記載の管理装置。
] 前記構成員番号は、前記所属組織の構成員であることを示すカードのカード番号の一部又は全部を構成している前記[1]~[]のいずれかに記載の管理装置。
] 前記決済処理に付される支払方式が、前払い方式、後払い方式及び即時払い方式から選ばれる1種又は2種以上の方式である前記[1]~[]のいずれかに記載の管理装置
[8所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理方法であって、
前記構成員の構成員番号記憶する第1の記憶ステップ、
前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶ステップ、
を含み、
前記第2の記憶ステップでは、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶しており、
さらに、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶ステップにおいて前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶ステップを含むことを特徴とする管理方法
[9] 少なくとも構成員の所属組織の管理サーバーと、前記構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理装置と、第1のポイント又はデジタル通貨の情報を管理する第1のポイント管理サーバーと、第2のポイント又はデジタル通貨の情報を管理する第2のポイント管理サーバーとが通信回線を介して通信可能に接続されている管理システムであって、
前記管理装置は、前記構成員の所属組織の管理サーバーから取得した前記構成員の構成員番号記憶する第1の記憶手段と前記構成員番号に紐付けて前記第1のポイント管理サーバーから取得した第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント管理サーバーから取得した前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶手段を有しており、
前記第2の記憶手段は、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶しており、
前記管理装置は、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶手段において前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶手段を有していることを特徴とする管理システム
[10] 所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理における支払金額に割り当てる管理装置を、
前記構成員の構成員番号記憶する第1の記憶手段、
前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶手段、
として機能させ、
前記第2の記憶手段を、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ所定の変換レートで第3のポイント又はデジタル通貨に交換して記憶するように機能させ、
さらに前記管理装置を、前記構成員に対する支払要求を受信したときに、前記第2の記憶手段において前記第3のポイント又はデジタル通貨に変換して記憶された前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を支払金額に割り当て、当該第3のポイント又はデジタル通貨の分を前記支払金額から減算処理し、支払金額に割り当てた前記第1のポイント又はデジタル通貨と前記第2のポイント又はデジタル通貨も含め、前記構成員番号に対する決済情報として記憶する第3の記憶手段として機能させることを特徴とするプログラム
【発明の効果】
【0009】
本発明の管理装置、管理方法及び管理システムは、決済における複数のポイントやデジタル通貨の管理を産業上有利に行うことができ、複数のポイントやデジタル通貨の利活用を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の管理システムの好適な実施態様の一例を模式的に示す概略構成図である。
図2】本発明の管理システムの好適な別の実施態様の一例を模式的に示す概略構成図である。
図3】本発明の管理システムにおいて好適に実施される決済処理の情報処理フローの一例を模式的に示す図である。
図4】本発明の管理システムにおいて好適に実施される決済処理の情報処理フローの別の一例を模式的に示す図である。
図5】本発明の管理システムにおいて好適に実施される決済情報の情報処理フローの一例を模式的に示す図である。
図6】本発明の管理システムにおいて好適に実施される決済情報の情報処理フローの別の一例を模式的に示す図である。
図7】本発明の管理システムにおいて好適に実施される提出書類作成の情報処理フローの一例を模式的に示す図である。
図8】本発明において好適に用いられる、複数種のポイントをそれぞれ共通のポイントとして記憶する手法を説明する模式的ブロック構成図である。
図9】本発明において好適に用いられる、複数種のポイントをそれぞれ共通の法定通貨として記憶する手法を説明する模式的ブロック構成図である。
図10】本発明において好適に用いられる構成員情報データベースの一例を示す図である。
図11】本発明において好適に用いられる交換レート情報データベースの一例を示す図である。
図12】本発明において好適に用いられる交換レート情報データベースの別の一例を示す図である。
図13】本発明において好適に用いられるポイント情報データベースの一例を示す図である。
図14】本発明において好適に用いられるポイント情報データベースの別の一例を示す図である。
図15】本発明において好適に用いられるブロックチェーンの構成の一例を説明する図である。
図16】本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションの構成の一例を説明する図である。
図17】本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのデータ構造の一例を説明する図である。
図18】本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのスクリプトの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の管理装置は、所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理に付す管理装置であって、前記構成員の構成員番号と前記所属組織の所属組織識別情報とを記憶している第1の記憶手段を有しており、前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶している第2の記憶手段を有しており、前記決済処理に、前記構成員番号に基づき、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を付す手段を有していることを特長とする。
【0012】
前記第1のポイント又はデジタル通貨は、前記第2のポイント又はデジタル通貨とは異なるが、ポイント及びデジタル通貨の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。本発明においては、前記第1のポイント又はデジタル通貨、及び前記第2のポイント又はデジタル通貨が、それぞれポイントであるのが前記合計での決済処理がより効率的に行えるので好ましい。
【0013】
「ポイント」は、本発明の目的を阻害しない限り限定されず公知のポイントであってよい。前記ポイントとしては、例えば、商品またはサービスにおいて付与される公知の特典等が挙げられ、前記特典としては、例えば景品等との引換に用いる特典や、商品又はサービスへの支払いに用いる特典等が挙げられる。前記ポイントは、有効期限があってもよいし、有効期限がなくてもよい。
【0014】
「デジタル通貨」は、金融トランザクションを含むトランザクションに対する支払いの通貨として用いることが可能な価値の単位であれば特に限定されない。前記デジタル通貨は、通常、電子的に生成されてその中に格納される通貨であるが、政府が承認または発行した法定通貨等であってよいし、暗号通貨であってもよい。なお、前記デジタル通貨には、電子マネー、仮想通貨が含まれる。
【0015】
「所属組織」は、構成員が所属する組織であれば人数等も特に限定されない。前記所属組織としては、好適には、民間組織又は公的機関等が挙げられる。前記民間組織としては、例えば企業、金融機関、民間団体、サークル、同好会、親族、一族、家族等が挙げられる。前記公的機関としては、例えば、地方公共団体、公的金融機関、国家組織、国立機関、非営利組織、国際機関などが挙げられる。本発明においては、前記所属組織が企業であるのが、より前記管理装置の利活用に資するので好ましい。「所属組織識別情報」は、前記所属組織を識別するための英数字及び/又は記号から構成されるものであってよく、公知の所属組織ID、所属組織番号又は所属組織コード等であってよい。
【0016】
「構成員」は、前記所属組織を構成する人員であればそれでよく、身分や資格等は特に限定されない。本発明においては、前記所属組織が企業である場合には、前記構成員の好適な例として、従業員等が挙げられるが、株主等のステークホルダーを含んでもよく、雇用関係等は特に限定されない。「構成員番号」は、前記構成員を識別する番号であれば特に限定されず、数字のみに限らず、英字及び/又は記号等が含まれていてもよいが、本発明においては、数字からなる構成員番号であるのが好ましく、前記所属組織の構成員であることを示すカードのカード番号の一部又は全部を構成しているのがより好ましい。このような好ましい範囲によれば、決済処理のみならず、種々の事務処理等において、より利活用しやすくなる。
【0017】
本発明においては、前記管理装置が、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ第3のポイント又はデジタル通貨として記憶しているのが、異なるポイント又はデジタル通貨の合計による決済をより効率的かつより容易なものとすることができるので好ましい。また、本発明においては、前記決済処理に付された前記第3のポイント又はデジタル通貨が、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計と交換された取引情報を、前記構成員番号に紐付けて記憶する第3の記憶手段を前記管理装置がさらに有しているのが、異なるポイント又はデジタル通貨の合計による決済履歴をより効率的かつより容易に把握できるようになるので好ましい。
【0018】
本発明においては、前記決済処理に付される支払方式が、前払い方式、後払い方式及び即時払い方式から選ばれる1種又は2種以上の方式であるのが好ましく、前払い方式、後払い方式及び即時払い方式から選ばれる2種以上の方式であるのがより好ましい。
また、本発明においては、前記管理装置が、前記決済処理にかかる入出金情報を受け付けた後、消込処理に付し、ついで前記構成員番号に紐付けて前記消込処理の結果情報を記憶する手段をさらに有しているのが、前記所属組織の決済管理をより効率的なものとすることができるので好ましい。
【0019】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら具体的な態様に限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の管理システムの好適な実施態様の一例を示す。図1の管理システムは、構成員の所属組織の管理サーバー10と、前記構成員の構成員端末11と、前記構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理に付す管理装置12とが通信回線を介して通信可能に接続されている。
【0021】
管理サーバー10は、前記所属組織の管理サーバーであればそれでよく、公知の管理サーバーであってよい。本発明においては、前記管理サーバーが、前記構成員番号等の構成員情報を記憶し、管理しているのが好ましい。また、本発明においては、前記管理サーバーが、前記構成員端末11に対し、前記ポイント又は前記デジタル通貨を付与する手段を有しているのも管理上より有利に処理でき、さらに情報管理もより効果的にできるので好ましい。
【0022】
前記構成員端末11としては、例えば、記憶部、処理部、入力部、出力部、表示部及び通信部を含んで構成されるもの等が好適な例として挙げられる。すなわち、前記構成員端末11は、サーバーやコンピュータの基本構成を備えていれば特に限定されず、公知の端末であってよい。本発明においては、前記構成員端末11が、管理装置12等からブロックチェーンのデータを部分的に受信して処理を行うSPVクライアントとして機能してもよい。
【0023】
前記管理装置12は、例えば、記憶部、処理部、入力部、出力部、表示部及び通信部を含んで構成されるもの等が好適な例として挙げられ、前記構成員端末11と同様の基本構成であってよいが、前記管理装置12の記憶部には、構成員情報のデータベース、ポイント交換レート情報のデータベース及びポイント情報のデータベースが記憶されているのが好ましい。前記構成員情報のデータベースは、特に限定されないが、例えば図10に示すように、構成員番号、所属識別情報、役職、氏名、パスワード、生年月日、住所等が記憶されているデータベースが好適な例として挙げられる。また、前記交換レート情報のデータベースは、特に限定されないが、例えば図11に示すように、通貨又はポイント、交換レート(共通ポイント換算用)、更新日等が記憶されているデータベースが好適な例として挙げられる。また、前記交換レート情報のデータベースとして、例えば図12に示すように、通貨又はポイント、交換レート(共通通貨換算用)、更新日等が記憶されているデータベースも好適な例として挙げられる。前記ポイント情報のデータベースは、特に限定されないが、例えば図13に示すように、ポイントカード番号、構成員番号、数量、ポイント種別又は提携先(ポイント発行会社等)などが記憶されているデータベースが好適な例として挙げられる。なお、図14のように、各ポイントの数量を共通通貨や共通ポイントで合わせて記憶するのも好ましい。
【0024】
「通信回線」は、特に限定されず、通信可能であれば無線回線であっても、有線回線であってもよいが、電話網又はインターネット網を含むことが、双方向で通信が行えるので好ましい。また、前記通信回線は、通信制限が設けられた専用回線であってもよい。
なお、本発明においては、前記決済処理にかかる取引にブロックチェーンを用いてもよい。
【0025】
図2の管理システムは、さらに、構成員が商品又はサービスの提供を受ける店舗等の支払先の決済端末15が前記通信回線を介して通信可能に接続されている点で、図1の管理システムとは異なる。なお、決済端末15の端末における基本構成は、前記構成員端末の基本構成と同様であってよい。
【0026】
図3は、図2における管理システムにおいて好適に実施される決済処理の情報処理フローを模式的に示す図である。
【0027】
所属組織の管理サーバー10は、管理装置12に対し、構成員番号及び構成員アドレス等を含む構成員情報並びに構成員カードの発行要求を送信する(S101)。
【0028】
管理装置12は、所属組織の管理サーバー10から構成員情報並びに構成員カードの発行要求を受信すると、所属組織識別情報に紐付けて構成員情報を記憶する(S102)。
【0029】
管理装置12は、所属組織識別情報に紐付けて構成員情報を記憶した後、前記構成員情報に基づき、構成員番号に紐付けて構成員カードを発行する(S103)。
【0030】
管理装置12は、構成員カードを発行した後、構成員カード発行完了情報を所属組織の管理サーバー10に送信する(S104)。
【0031】
構成員カードが発行された構成員は、構成員端末11を用いて、ユーザー登録を行うこともできるし、また、図3に示すように、管理装置12から、構成員端末に対し、ユーザー登録要求が送信されてもよい(S105)。
【0032】
管理装置12は、構成員端末11等からユーザー登録情報を受け付けると(S106)、構成員番号に紐付けてユーザー登録情報を記憶する(S107)。
【0033】
構成員端末11から第1のポイント情報登録が管理装置12に送信されると(S108)、管理装置12は、第1のポイント管理サーバー(図示せず)に対して通信回線を介して、構成員の第1のポイント情報登録にかかる第1のポイントを、第3のポイントに交換するため、第1のポイントの所有者を構成員から管理装置12の管理者に移転する移転要求を送信する(S109)。
【0034】
第1のポイント管理サーバーは、移転処理結果を管理装置12に送信する(S110)。なお、第1のポイント管理サーバーでは、構成員の第1のポイントの減算処理と管理装置12の管理者の第1のポイントの加算処理とをあわせて行う。
【0035】
管理装置12は、第1のポイント管理サーバーから移転処理結果を受信すると、第3のポイントの加算処理を行う(S111)。なお、管理装置12では、第1のポイントの換金処理をあわせて行う。
管理装置12は、第3のポイントの加算処理を行った後、処理結果を構成員端末11に送信する(S112)。
また、管理装置12は、交換した第1のポイントを第3のポイントに紐付けて記憶する(S113)。
【0036】
構成員端末11から第2のポイント情報登録が管理装置12に送信されると(S114)、管理装置12は、第2のポイント管理サーバー(図示せず)に対して通信回線を介して、構成員の第2のポイント情報登録にかかる第2のポイントを、第3のポイントに交換するため、第2のポイントの所有者を構成員から管理装置12の管理者に移転する移転要求を送信する(S115)。
【0037】
第2のポイント管理サーバーは、移転処理結果を管理装置12に送信する(S116)。なお、第2のポイント管理サーバーでは、構成員の第2のポイントの減算処理と管理装置12の管理者の第2のポイントの加算処理とをあわせて行う。
【0038】
管理装置12は、第2のポイント管理サーバーから移転処理結果を受信すると、第3のポイントの加算処理を行う(S117)。なお、管理装置12では、第2のポイントの換金処理をあわせて行う。
管理装置12は、第3のポイントの加算処理を行った後、処理結果を構成員端末11に送信する(S118)。
また、管理装置12は、交換した第2のポイントを第3のポイントに紐付けて記憶する(S119)。
【0039】
構成員は、構成員端末11を用いて管理装置12に対して残高照会すると(S120)、管理装置12は、第3のポイントの残高を構成員端末11に送信する(S121)。ここで、管理装置12は、第3のポイントに紐づいている第1のポイント及びその量並びに第2のポイント及びその量をあわせて送信してもよい。
【0040】
構成員は、店舗等の商品又はサービスの提供を受ける目的で、支払情報とともに、第3のポイントによる代金の支払い要求を構成員端末11から支払先の決済端末15に対して送信する(S122)。
【0041】
決済端末15は、構成員端末11から代金の支払い要求を受信すると、代金分の第3のポイントの移転要求を管理装置12に対して送信する(S123)。
【0042】
管理装置12は、代金分の第3のポイントの移転要求を受信すると、例えば第3のポイントに紐づいている第1のポイントの全部と第2のポイントの一部との合計を支払金額に割り当て(S124)、第3のポイントの代金分を構成員から減算処理し、また、第3のポイントの代金分を支払先に加算処理し、割り当てた第1のポイント及び第2のポイントも含め、決済情報として記憶する(S125)。
【0043】
その後、管理装置12は、移転処理結果を支払先の決済端末に対して送信し(S126)、また、構成員端末11に対しても処理結果を送信する(S127)。
【0044】
図4は、本発明の管理システムにおいて好適に実施される決済処理の情報処理フローの、図3とはまた別の一例を模式的に示す図である。
【0045】
所属組織の管理サーバー10は、管理装置12に対し、構成員番号及び構成員アドレス等を含む構成員情報並びに構成員カードの発行要求を送信する(S201)。
【0046】
管理装置12は、所属組織の管理サーバー10から構成員情報並びに構成員カードの発行要求を受信すると、所属組織識別情報に紐付けて構成員情報を記憶する(S202)。
【0047】
管理装置12は、所属組織識別情報に紐付けて構成員情報を記憶した後、前記構成員情報に基づき、構成員番号に紐付けて構成員カードを発行する(S203)。
【0048】
管理装置12は、構成員カードを発行した後、構成員カード発行完了情報を所属組織の管理サーバー10に送信する(S204)。
【0049】
構成員カードが発行された構成員は、構成員端末11を用いて、ユーザー登録を行うこともできるし、また、図4に示すように、管理装置12から、構成員端末に対し、ユーザー登録要求が送信されてもよい(S205)。
【0050】
管理装置12は、構成員端末11等からユーザー登録情報を受け付けると(S206)、構成員番号に紐付けてユーザー登録情報を記憶する(S207)。
【0051】
構成員端末11から第1のポイント情報登録が管理装置12に送信されると(S208)、管理装置12は、第1のポイント管理サーバー(図示せず)に対して通信回線を介して、構成員の第1のポイント情報登録にかかる登録内容照会を送信する(S209)。
【0052】
第1のポイント管理サーバーは、照会結果を管理装置12に送信する(S210)。
【0053】
管理装置12は、第1のポイント管理サーバーから照会結果を受信すると、第1のポイント情報を第3のポイントに紐付けて記憶する(S211)。なお、第1のポイントは第3のポイントを共通ポイントとして換算可能に記憶され、本発明においては、換算された第3のポイントの量もあわせて記憶されるのが好ましい。
管理装置12は、処理結果を構成員端末11に送信する(S212)。
【0054】
構成員端末11から第2のポイント情報登録が管理装置12に送信されると(S213)、管理装置12は、第2のポイント管理サーバー(図示せず)に対して通信回線を介して、構成員の第2のポイント情報登録にかかる登録内容照会を送信する(S214)。
【0055】
第2のポイント管理サーバーは、照会結果を管理装置12に送信する(S215)。
【0056】
管理装置12は、第2のポイント管理サーバーから照会結果を受信すると、第2のポイント情報を第3のポイントに紐付けて記憶する(S216)。なお、第2のポイントは第3のポイントを共通ポイントとして換算可能に記憶され、本発明においては、換算された第3のポイントの量もあわせて記憶されるのが好ましい。
管理装置12は、処理結果を構成員端末11に送信する(S217)。
【0057】
構成員は、構成員端末11を用いて管理装置12に対して残高照会すると(S218)、管理装置12は、共通ポイントである第3のポイントの残高を構成員端末11に送信する(S219)。ここで、管理装置12は、第1のポイント及びその量並びに第2のポイント及びその量をあわせて送信してもよい。
【0058】
構成員は、店舗等の商品又はサービスの提供を受ける目的で、支払情報とともに、第3のポイントによる代金の支払い要求を構成員端末11から支払先の決済端末15に対して送信する(S220)。
【0059】
決済端末15は、構成員端末11から代金の支払い要求を受信すると、代金分の第3のポイントの移転要求を管理装置12に対して送信する(S221)。
【0060】
管理装置12は、代金分の第3のポイントの移転要求を受信すると、例えば第3のポイントに紐づいている第1のポイントの全部と第2のポイントの一部との合計を支払金額に割り当てる(S222)。
【0061】
管理装置12は、第1のポイント管理サーバーに対して、割り当てた分の第1のポイントの所有者を構成員から管理装置12の管理者に移転する移転要求を送信する(S223)。
【0062】
第1のポイント管理サーバーは、移転処理結果を管理装置12に送信する(S224)。なお、第1のポイント管理サーバーでは、構成員の第1のポイントの減算処理と管理装置12の管理者の第1のポイントの加算処理とをあわせて行う。
【0063】
管理装置12は、第1のポイント管理サーバーから移転処理結果を受信すると、第3のポイントの加算処理を行う(S225)。なお、管理装置12では、第1のポイントの換金処理をあわせて行う。
【0064】
管理装置12は、第2のポイント管理サーバーに対して、割り当てた分の第2のポイントの所有者を構成員から管理装置12の管理者に移転する移転要求を送信する(S226)。
【0065】
第2のポイント管理サーバーは、移転処理結果を管理装置12に送信する(S227)。なお、第2のポイント管理サーバーでは、構成員の第2のポイントの減算処理と管理装置12の管理者の第2のポイントの加算処理とをあわせて行う。
【0066】
管理装置12は、第2のポイント管理サーバーから移転処理結果を受信すると、第3のポイントの加算処理を行う(S228)。なお、管理装置12では、第2のポイントの換金処理をあわせて行う。
【0067】
管理装置12は、第3のポイントの代金分を構成員から減算処理し、また、第3のポイントの代金分を支払先に加算処理し、割り当てた第1のポイント及び第2のポイントも含め、決済情報として記憶する(S229)。
【0068】
その後、管理装置12は、移転処理結果を支払先の決済端末に対して送信し(S230)、また、構成員端末11に対しても処理結果を送信する(S231)。
【0069】
図5は、本発明の管理システムにおいて好適に実施される決済情報の情報処理フローの一例を模式的に示す。
所属組織の管理サーバー10は、管理装置12に対し、構成員番号とともに第1のポイントの任意の決済情報要求を送信すると(S301)、前記のように決済処理が行われるので、管理装置12は、構成員が使用した第1のポイントの任意の決済情報を容易に抽出することができ(S302)、任意の決済情報を所属組織の管理サーバー10に送信することができる(S303)。このようにして、所属組織の決済における管理上の負担を軽減し、管理効率よく、さらには、決済情報の利活用をより効果的に促進することができる。
【0070】
図6は、本発明の管理システムにおいて好適に実施される決済情報の情報処理フローの別の一例を模式的に示す。
所属組織の管理サーバー10は、管理装置12に対し、第1のポイントの任意の決済情報要求を送信すると(S401)、前記のように決済処理が行われるので、管理装置12は、第1のポイントの任意の決済情報を構成員番号とともに容易に抽出することができ(S402)、構成員番号を含む任意の決済情報一覧を所属組織の管理サーバー10に送信することができる(S403)。このようにして、所属組織の決済における管理上の負担を軽減し、管理効率よく、さらには、決済情報の利活用をより効果的に促進することができる。
【0071】
図7は、本発明の管理システムにおいて好適に実施される提出書類作成の情報処理フローの一例を模式的に示す。
管理装置12は、予め特定の所属組織の提出書類フォーマットを記憶し(S501)、構成員端末11から、所属組織提出書類要求(構成員番号とともに第1のポイントの決済情報要求)を受信すると(S502)、前記のように決済処理が行われるので、構成員番号から第1のポイントの決済情報を容易に抽出することができ(S503)、さらに、提出書類フォーマットに決済情報を反映させることで(S504)、容易に提出書類を作成して、構成員端末11に送信することができる(S505)。このようにして、所属組織に所属する構成員の事務負担等を軽減し、ミス等を削減することもできる。
【0072】
図8は、本発明において好適に用いられる、複数種のポイントをそれぞれ共通のポイントとして記憶する手法を説明する模式的ブロック構成図である。互いに異なるポイントA、ポイントB及びポイントCがあり、それぞれ1,500ポイント、7,500ポイント及び80ポイントの数量となっている(S601)。そして、それぞれのポイントA、B及びCを、共通ポイントKVに共通単位換算し、ポイントKV1,500ポイント、ポイントKV750ポイント及びポイントKV800ポイントとし(S602)、合計して、ポイントKV3,050ポイントとする(S603)。このようにすることにより、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ第3のポイントとしてより容易に記憶することができる。
【0073】
図9の模式的ブロック構成図は、図8とは、共通単位がポイントではなく、日本円である点において異なる。互いに異なるポイントA、ポイントB及びポイントCがあり、それぞれ1,500ポイント、7,500ポイント及び80ポイントの数量となっている(S701)。そして、それぞれのポイントA、B及びCを、共通通貨の日本円に共通単位換算し、1,500円、750円及び800円とし(S702)、合計して、3,050円とする(S703)。このようにすることにより、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ第3のデジタル通貨としてより容易に記憶することができる。
【0074】
なお、本発明においては、ブロックチェーンを好適に用いることができる。以下、好適に用いられるブロックチェーンについて説明する。本発明においては、ブロックは、決済に関する取引情報を含む取引データベースとして機能する。具体的には、各ブロックは、ダイジェストデータ及び取引に関する情報であるトランザクションのリストを含む。ダイジェストデータは、1つ前のブロックから算出された新たなハッシュ値を含む。すなわち、図15に示すように、ブロックが1つ前のブロックに含まれる情報から算出されたハッシュ値を含むことによって、各ブロックがチェーンのように繋がった状態で取引データベース(ブロックチェーン)として記憶される。取引履歴データベースは、サーバーのみにて管理されるのではなく、利用者端末11等においても検証及び追加される。
【0075】
トランザクションは、ポイントやデジタル通貨等の交換を記録するデータである。トランザクションは、インプット情報とアウトプット情報とを含む。インプット情報は、交換元となる利用者が取引対象となるポイントやデジタル通貨等の交換を受けたときのトランザクションのアウトプット情報(トランザクションを特定する識別情報(トランザクションのハッシュ値や配列番号等))と、利用者がそのポイントやデジタル通貨等を所有することを証明するための情報(当該アウトプットを使用する条件を満たすスクリプト等)を含む。アウトプット情報は、交換されたポイントやデジタル通貨等の種類及び数、交換先を特定するアドレスにおいて交換された貨幣やポイント等を使用するためのスクリプト等の情報を含む。
【0076】
図16は、本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションの構成の一例を示す。ポイントやデジタル通貨等は、取引履歴、すなわち、ポイントやデジタル通貨等が今まで経てきた取引のまとまりとして表現される。それぞれのトランザクション(ポイントやデジタル通貨等の取引)では、前のトランザクションのハッシュ値や、新たな所有者の公開鍵を含み、元の所有者の暗号鍵によってデジタル署名されている。全てのトランザクションに関する情報は、P2Pネットワーク全体で共有される。このようにトランザクションを表現することで、元の所有者の許可なく、通貨等を本人以外が勝手に譲渡することはできず、また、第三者は、通貨の譲渡を客観的に確認できるといった利点を有する。
【0077】
図17は、本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのデータ構造の一例を示す。トランザクションのデータ構造は、「出力(出金するポイントやデジタル通貨等)」と、「入力(入金に用いるポイントやデジタル通貨等)」とを有している。送金には、相手に渡すポイントやデジタル通貨等及び宛先(アドレス)が必要であるが、それらを表現したものが出力である。自分に宛てられたポイントやデジタル通貨等を使うか、又は誰かに送金するためには、過去のトランザクションの出力を参照しなければならず、それが今回のトランザクションにおける入力に相当する。一つのトランザクションにおいて、出力および入力はそれぞれ複数指定できる。任意の額の送金を行うためには、過去の自分宛のトランザクションの出力を集め、これから行う取引の入力として指定する必要がある。
【0078】
図18は、本発明において好適に用いられるブロックチェーンのトランザクションのスクリプトの一例を示す。図19のポイントやデジタル通貨等では、スクリプトによって、入力元のアドレス及び出力元のアドレスを含むトランザクションが記述される。同図に示したトランザクションは、過去に利用者から自分宛に送金されたポイントやデジタル通貨等を用いて、他の利用者宛てに所定の額面のポイントやデジタル通貨等を送金することを意味している。トランザクションには、そのトランザクション固有のトランザクション識別子が付されており、通常、トランザクションのハッシュ値が用いられる。「OutputScript」には複数の出力が指定できるところ、「出力2」は、入力のデジタル署名を検証する通常の記述であるのに対し、「出力1」は、バイト配列を付加するための記述である。スクリプトでは、「OP_RETURN」というコードが用意されており、これは、一般的なプログラミングのreturnと同様、そこに来るとスクリプトをストップし、その出力の参照を許さない、とするものである。そして、「OP_RETURN」に続き、「OP_PUSHDATA」を用いてバイト配列を付加すれば、デジタル署名に悪影響を及ぼすことなく、「出力1」をバイト配列の記述欄として利用することができる。なお、「OP_PUSHDATA」を用いて付加できるバイト配列のバイト数には上限がある関係上、ファイルについてはハッシュ値を用い、テキストメッセージについては上限値を超えないことが条件となる。
【0079】
上記のように構成することで、所属組織に属する構成員が利用可能なポイント又はデジタル通貨を決済処理に付す管理装置を、前記構成員の構成員番号と前記所属組織の所属組織識別情報とを記憶する第1の記憶手段、前記構成員番号に紐付けて、第1のポイント又はデジタル通貨と、前記第1のポイント又はデジタル通貨とは異なる第2のポイント又はデジタル通貨との少なくとも2種の前記ポイント又はデジタル通貨を記憶する第2の記憶手段、及び前記決済処理に、前記構成員番号に基づき、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計を付す手段として機能させることができ、好ましくは、前記管理装置を、さらに、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部とを、それぞれ第3のポイント又はデジタル通貨として記憶する手段として機能させることができ、より好ましくは、前記管理装置を、さらに、前記決済処理に付された前記第3のポイント又はデジタル通貨が、前記第1のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部と、前記第2のポイント又はデジタル通貨の全部又は一部との合計と交換された取引情報を、前記構成員番号に紐付けて記憶する第3の記憶手段として機能させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の管理装置、管理方法及び管理システムは、ポイント又はデジタル通貨の決済に有用である。
【符号の説明】
【0081】
10 所属組織の管理サーバー
11 構成員端末
12 管理装置
15 店舗等の支払先の決済端末
18 通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18