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特許7209425口腔粘膜にアレルゲンを供給するための練り歯磨き
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  • 特許-口腔粘膜にアレルゲンを供給するための練り歯磨き 図1
  • 特許-口腔粘膜にアレルゲンを供給するための練り歯磨き 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】口腔粘膜にアレルゲンを供給するための練り歯磨き
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/35 20060101AFI20230113BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20230113BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230113BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230113BHJP
   A61K 8/96 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
A61K39/35
A61K47/10
A61K47/04
A61K9/06
A61P37/08
A61Q11/00
A61K8/34
A61K8/25
A61K8/02
A61K8/96
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021020351
(22)【出願日】2021-02-12
(62)【分割の表示】P 2019071775の分割
【原出願日】2014-09-19
(65)【公開番号】P2021098705
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】61/879,779
(32)【優先日】2013-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/879,801
(32)【優先日】2013-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513073430
【氏名又は名称】アロヴェイト・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バーグランド,エリック
【審査官】新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-527846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/00-39/44
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 37/00
A61K 8/00- 8/99
A61Q 11/00-11/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔粘膜療法練り歯磨きを処方するためのキットであって、当該キットは、
(a)約50容量%のグリセロール;
アクリル酸のポリマー、セルロース誘導体、およびシリカ基剤粘度調整剤を含む、約10%-22%(重量/重量)間の量の結合剤;
約1.0%-2.0%(重量/重量)の表面活性剤;
約5%-10%(重量/重量)の研磨剤;
約0.2%-0.4%(重量/重量)の甘味剤:
約1.5%-3%(重量/重量)の保存剤;
約0.1%-1.5%(重量/重量)の芳香剤;
約0.1%-0.2%(重量/重量)の乳白剤;
約0.2%-0.5%(重量/重量)の抗カリエス剤;および
約18%-25%(重量/重量)の水、
を含むプロ-練り歯磨きの少なくとも一つのバイアル、並びに、
(b)約50容量%のグリセロールを含む溶液中に懸濁されている少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物を含む溶液の少なくとも1つの別個のバイアル、ここにおいて、前記少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物は、植物アレルゲン、動物アレルゲン、真菌アレルゲン、昆虫の毒液アレルゲン、食物アレルゲン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、
を含み、
ここにおいて、前記アレルゲン又はアレルゲン抽出物の懸濁溶液中のグリセロールの濃度は、プロ-練り歯磨き中のグリセロールの濃度と実質的に同じになるように選択される、
前記キット。
【請求項2】
前記プロ-練り歯磨きが、約20%(重量/重量)のシリカ基剤粘度調整剤を含んでなる、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物が、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類、甲殻類、及びこれらの組合せからなる食物製品の群から選択されるアレルギー性タンパク質を含んでなり、そして、アレルゲン又はアレルゲン抽出物のバイアルの数に対応する数のプロ-練り歯磨きのバイアルを含む、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
口腔粘膜療法のために適した練り歯磨き組成物を処方する方法であって、請求項1に記載の、前記プロ-練り歯磨きと、前記アレルゲン又はアレルゲン抽出物の懸濁溶液とを混合することを含む、前記方法。
【請求項5】
前記アレルゲンが、植物アレルゲン、動物アレルゲン、真菌アレルゲン、及びこれらの組合せから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アレルゲンが、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類、甲殻類、及びこれらの組合せからなる食物製品の群から選択されるアレルギー性タンパク質を含んでなる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記練り歯磨き組成物と口腔粘膜の標的領域を接触させることによって、患者の口腔粘膜の標的領域に一定量の一つ又はそれより多いアレルゲンを、少なくとも毎日一回供給することを含んでなる、患者のアレルゲンに対する免疫反応を軽減するための方法、に使用するための練り歯磨き組成物の処方における使用のための、請求項1に記載のキット。
【請求項8】
前記口腔粘膜の標的領域が、前庭領域及び/又は頬側領域を含んでなる、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
少なくとも毎日一回前記練り歯磨き組成物と口腔粘膜の標的領域を接触させることが、前記練り歯磨き組成物で、少なくとも毎日2回歯磨きすることを含む、請求項7に記載のキット。
【請求項10】
前記患者が非ヒトの動物である、請求項7に記載のキット。
【請求項11】
前記アレルゲンが、動物アレルゲン、植物アレルゲン、真菌アレルゲン又はこれらの組合せから選択される、請求項7に記載のキット。
【請求項12】
前記アレルゲンが、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類、甲殻類、及びこれらの組合せからなる食物製品の群から選択されるアレルゲンタンパク質を含んでなり、そして、所望により、前記練り歯磨き組成物は、それぞれの食物製品からの一つのアレルゲンタンパク質を含んでなる、請求項7に記載のキット。
【請求項13】
患者のアレルゲンに対する免疫反応を軽減するための方法が、前記患者が4ヶ月ないし6歳間の年齢のヒトであり、そして、更に、前記練り歯磨き組成物を毎日、一定の時間枠間、標的領域に接触させる、ことを含む、食物導入治療計画を含む、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
(a)一つの食物製品からのアレルゲンタンパク質を含めるように、前記キットから練り歯磨きを処方し;
b)ヒトの口腔粘膜の領域を、前記練り歯磨きと毎日の治療計画の一定の時間枠で接触させ;
(c)時間枠中又はその後、口腔粘膜の免疫反応の症状をモニターし;
(d)それぞれの独立の食物製品に対して一つの、少なくとも2種の練り歯磨き組成物で実行するまで、工程(a)、(b)及び(c)を繰返し、そして(c)において免疫反応の症状が観察された食物製品に対するアレルギーを発症する傾向をモニターする、ことを含んでなる、4ヶ月ないし6歳間の年齢のヒトにおける食物アレルギーを発症する傾向をモニターするための方法、
における使用のための、請求項1に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
優先権
[0001]本出願は、2013年9月19日に出願された米国特許仮出願61/879779号及び2013年9月19日に出願された米国特許仮出願61/879779号に対する、米国特許法119条下の優先権を主張するものであり、これらの全ての開示は、その全てが参考文献として援用される。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、口腔粘膜を経由する免疫系へのアレルゲンの制御された導入を提供する、アレルゲン及び/又はアレルゲン抽出物を含んでなる練り歯磨き製剤、並びにアレルギーの発症を治療及び阻害するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]抗原特異的免疫療法(AIT)は、症状の回復に焦点を当てた治療、例えば抗ヒスタミン剤及びコルチコステロイド基剤治療法によって不十分に制御されたアトピー性アレルギーに罹ったアレルギー患者のための代替の治療法として開発された。アレルゲン免疫療法(別称、脱感作)の目的は、患者の免疫系へのアレルゲン投与の少なくとも3年の継続する期間にわたる規則的投与によって、免疫系を再教育し、これによって、これらのアレルゲンに対する特異的な長期の耐性を導入することである。皮下免疫療法(SCIT)は、注射によるこれらのアレルゲンの導入を指し、そして半世紀以上、アレルギー患者の治療の選択肢であった。更に最近になって、舌下免疫療法(SLIT)が、かなりの研究及び臨床的注目を受けている。一般的に、SLITは、これがSCITと同じアレルゲンの供給を指すことにおいてSCITに関連するが、しかしその供給が、皮下注射を経由せず、口腔経路を経由することにおいて区別される。典型的には、SLIT治療の患者は、一日一回アレルゲン製剤(通常5滴の、50容量/容量%のグリセリン中に通常保存されたアレルゲンを含有する水溶液)を舌下に置き、そして概略2分間保持してから飲み込むか又は吐き出すように指導される。SLITの他の出現する変種は、凍結乾燥されたアレルゲンタンパク質を含有する乾燥錠剤の製剤を含む。SLIT錠剤は、典型的には毎日の投与の治療計画で舌下に置かれ、そしてそこに概略2分間保持される。SLIT様式は、更にSCITより好都合な療法管理を提供し、そして全身性反応をもたらす僅かな機会を伴う強力な安全特性を保有する。
【0004】
[0004]幾つかの最近の大規模なSLITの研究は、有効性を確認し、そして支持する理論的モデルを認証するが、治療の結果は、予測と完全には釣り合っていない(例えば、Casale et al.J Allergy Clin Immunol.2009 Oct;124(4):665-70を参照されたい)。一般的に、SLITの予測される有効性は、口腔粘膜がアレルギー耐性の発生のために哺乳動物において特別に予備刺激されるように見受けられ、そしてこれを達成するために機能する特化された細胞を保有することの観察の基づく。然しながら、好結果のAITに対する鍵は、高いレベルのSCIT又はSLIT治療プロトコルの慣用的な投与スケジュールに対する患者の服薬遵守を達成することである。典型的な実験的プロトコルは、SLITに対して3-4年間の毎日の投与、及びSCITに対して3-4年間の毎週又は二週間ごとの医師による注射を含む。多くの研究は、実際に、有意な数の患者が、完全な治療過程のためのAIT治療計画に従うことに失敗していることを示している。非遵守の理由は、各種のSCIT及びSLIT治療計画間で異なるが、しかし全体的患者の利便性が、低い服薬遵守に対する共通の駆動源として最もしばしば引用される。結果は、これらの患者に対する不満足な又は不良な治療の結果の上昇した危険度である。
【0005】
[0005]更に、最近の研究は、口腔粘膜の一定の領域が、AITに対して他より更に受け入れられることを示唆し、そしてワクチン標的としての舌下領域の選択は、口腔粘膜の領域に関する差次的有効性に対するより、舌下供給形態の確立された存在に対して更に多く関係する。特に、最高の数のT細胞が、口腔の前庭/頬側領域(VBR)に位置し、そして有意に高いTGF-β1 mRNA発現が、舌下領域(SLR)と比較してVBRにおいて観察された。更に、toll様受容体(TLR)2及びTLR4の発現は、前庭粘膜における樹状細胞上の有意な発現を伴って、VBRにおいて最高であった(Allam JP et al.Tolerogenic T cells,Th1/Th17 cytokines and TLR2/TLR4 expressing dendritic cells predominate the microenvironment within distinct oral mucosal sites.Allergy 2011,66:532-539)。
【0006】
[0006]口腔粘膜を経由するAITを供給する他のモードは、更に好都合で、そして患者にやさしいものが意図され、そしてこれは、更に舌下領域に加えて、口腔粘膜の他の組織領域に到達する治療的利点を有する。アレルゲンを、普通に使用される口腔用製品(product)、例えば練り歯磨き、チューインガム、及び口腔洗浄剤と共に組合せることが、高い服薬遵守をもたらす供給のための手段、及び活性物質の標的組織との十分に継続する接触を提供することができることが最近示唆されている。更に“口腔粘膜免疫療法”(OMIT)として知られるこのAIT供給の比較的新しいモードは、アレルギー団体において増加する興味を受けつつある。SLITとは対照的に、OMITは、選択されたアレルゲンが、患者の通常の習慣/日課の一部として規則的に投与されることを可能にする。例えば、練り歯磨きと混合された場合、アレルゲンの曝露は、患者の既に確立された典型的な一日二回の歯磨きの日課中に、患者にとって殆ど無意識に起こる。従って、服薬遵守を大きく増加することができる。
【0007】
[0007]経口パーソナルケア製品によるOMITは、更に、アレルギー獲得及び制御の臨床科学における進歩を開拓し、アレルゲンを、舌下粘膜以外の口腔粘膜の領域と接触させることが、脱感作の利益を達成することにおいて、更に有効であることができることを示唆する。例えば、練り歯磨き/歯磨き領域を経由するOMITの達成において、アレルゲンは、毎日の歯磨き中に、曝露が舌下の領域に具体的に限定されるSLITによるより、口腔粘膜組織の更に広い表面と必然的に接触するものである。国際特許出願公開WO/2011/137420は、OMITの、そして特にOMIT歯磨きの概念及び利益を記載し、この開示は、本明細書中にその全てが参考文献として援用される。更に、特に“歯磨き”のこの機械的結果は、標的マスト細胞とのより早い所望の相互作用のために、口腔粘膜の外部細胞を刺激及び予備刺激することができる。
【0008】
[0008]消費者の満足のために、練り歯磨き製品は、一般的に消費者をこれに慣れさせるある種の感覚的及び物理的特性を保有するように処方される。これらの特性は、引き付ける味、満足な清浄効果、優れた口内感触、物理的安定性、及び十分な洗浄性を有する歯磨き製品を提供する。受容可能な物理的安定性を持つ練り歯磨き組成物は、保存中に容易に固化せず、そして水又は芳香の分離をもたらす相分離を示さない。これが分注容器から出たままのペーストの外観も、更に重要な特徴と考えられる。消費者研究は、練り歯磨きが滑らかに見え、そして好ましい光沢又は光沢のある外観を持たなければならないことを示唆している。
【0009】
[0009]OMIT練り歯磨き製剤の概念が仮定され、そして少なくとも伝統的なSLITを超える治療的利点が示唆されてきたが、所望の化粧品製品及び有効性の特性を提供する製剤は、達成することが困難であることが立証されている。所望のOMIT練り歯磨き製
剤は、消費者にとってなじみの深い非OMIT練り歯磨きと、可能な限り類似でなければならない。一般的に、OMIT練り歯磨きは、次の特性:(1)練り歯磨き中のアレルゲンの均一な分布、(2)練り歯磨きの製品寿命の期待値と妥当に釣り合った時間枠にわたって保存されるアレルゲンの免疫学的特性、及び(3)既知の製品と類似であり、そして毎日の使用を励ます、外観、芳香、稠度、質感、及び口内感触の、消費者の現象学的経験特性を持たなければならない。然しながら、アレルゲン又はアレルゲン抽出物を伴う適した練り歯磨きを処方する最初の試みは、稠度、外観、及び質感の、即時の又は2-3日内の重度の分解を経験した。従って、OMIT治療様式により各種のアレルゲンを効果的に提供するために適した、消費者が受容可能なOMIT練り歯磨き製剤に対する必要性が残ったままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際特許出願公開WO/2011/137420。
【非特許文献】
【0011】
【文献】Casale et al.J Allergy Clin Immunol.2009 Oct;124(4):665-70;
【文献】Allam JP et al.Tolerogenic T cells,Th1/Th17 cytokines and TLR2/TLR4 expressing dendritic cells predominate the microenvironment within distinct oral mucosal sites.Allergy 2011,66:532-539。
【発明の概要】
【0012】
[0010]従って、本発明は、当技術における欠点を克服するプロ-練り歯磨き製剤及びOMIT練り歯磨き製剤、並びに既存の消費者の口腔衛生習慣を活用することによって、アレルゲンに対する免疫反応を習慣化するための練り歯磨きを使用する方法を提供する。本発明は、消費者を引き付け、そして毎日の歯磨き治療計画中にOMITを提供する練り歯磨きを製造するための、規定された体積のアレルゲンとの混合物のために適したプロ-練り歯磨きの組成物を処方するための組成物及び方法を提供する。非常に特定の特定の態様において、OMIT練り歯磨きは、一般的に6歳未満の年齢の小児への食物アレルゲンの導入のために適合された食物導入技術(food introduction technology(FIT))練り歯磨きを含んでなる。
【0013】
[0011]一つの態様は、糖アルコールを含んでなる溶液中に懸濁されたアレルゲン又はアレルゲン抽出物と混合可能であるように処方されたプロ-練り歯磨きであって、前記懸濁溶液中に存在する糖アルコールに対応するように選択された糖アルコール及び粘度調整剤を含んでなる、前記プロ-練り歯磨き組成物を提供する。本発明によるプロ-練り歯磨きを、糖アルコール含んでなる溶液中に懸濁されたアレルゲン又はアレルゲン抽出物と混合することによって処方され、ここにおいて、練り歯磨き組成物が約25%ないし約75容量%間の糖アルコール及び約20重量%のシリカ基剤の粘度調整剤を含んでなる、練り歯磨き組成物の態様も、更に提供される。
【0014】
[0012]他の態様は、本発明の態様によるプロ-練り歯磨きの少なくとも一つのバイアル、及び少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物を含んでなる溶液の少なくとも一つのバイアルを含んでなる口腔粘膜療法キットに関する。幾つかの態様において、少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物は、食物導入技術の治療計画(food introduction technology regimen)に適合するために選択される。
【0015】
[0013]もう一つの態様によれば、口腔粘膜療法のために適した練り歯磨きを処方するための方法が提供される。この方法は:アレルゲン又はアレルゲン抽出物及び一定濃度の糖アルコールを含んでなる溶液の第1の体積を用意し;慣用的な練り歯磨きと比較した場合、減少された濃度のベヒクル及び増加された濃度の増粘剤を含んでなるプロ-練り歯磨きの第2の体積を処方し、前記ベヒクルは、第1の体積の糖アルコールに対応する糖アルコールを、第1の体積の糖アルコールの濃度に実質的に対応する濃度で含んでなり、第1及び第2の体積は、混合された体積中の糖アルコールの濃度が約45%ないし55容量%間であるような比で混合可能であり、そして第1の体積及び第2の体積をこの比で混合することを含んでなる。
【0016】
[0014]他の方法の態様は、患者のアレルゲンに対する免疫反応を減少するための方法を提供する。この方法は、一定量の一つ又はそれより多いアレルゲンを、患者の口腔粘膜の標的領域に、口腔粘膜の標的領域を、少なくとも毎日一回、本発明による練り歯磨き製剤と接触させることによって供給することを含んでなる。ある側面において、この方法は、食物導入技術の治療計画に適合され、ここにおいて、患者は、4ヶ月ないし6歳間の年齢のヒトである。
【0017】
[0015]もう一つの態様は、4ヶ月ないし6歳間の年齢のヒトにおける食物アレルギーを発症する傾向を診断するための方法を提供する。この方法は、(a)一つの食物製品からのアレルゲンタンパク質を含めるように、請求項29に記載の練り歯磨きを処方し、そして(b)ヒトの口腔粘膜の領域を、工程(a)で処方した練り歯磨きと毎日の治療計画の一定の時間枠で接触させ;(c)時間枠中又はその後、口腔粘膜の免疫反応の症状をモニターし;(d)それぞれの独立の食物製品に対して一つの、少なくとも1、2、3、8種まで、又はそれより多い練り歯磨き製剤で実行するまで、工程(a)、(b)及び(c)を繰返し、そして(c)において免疫反応の症状が観察された食物製品に対するアレルギーを発症する傾向を診断する、ことを含んでなる。
【0018】
[0016]これらの及び他の態様は、以下の図面及び詳細な説明を参照して更に完全に理解されるものであるが、図面及び実施例が例示の目的であり、そして本明細書に付属する特許請求の範囲によって定義される主題の完全な範囲を制約すると解釈されるべきではないことは注意すべきである。全ての参考文献(例えば、印刷された刊行物、例えば書籍、新聞、特許、特許出願、カタログ、データベース)は、参考文献として本明細書中に援用される。矛盾又は不一致の場合、本明細書が、本明細書に対するいずれかの補正によって変更されるとおりに支配する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】[0017]図1は、本発明による練り歯磨きに処方した場合のチリダニのアレルゲン抽出物Der 1 fの安定性を、180日にわたってグリセロール懸濁液中のDer 1 f抽出物に対して比較した棒グラフである。
図2】[0018]図2は、本発明による練り歯磨きに処方した場合のネコのアレルゲン抽出物Fer d 1の安定性を、180日にわたってグリセロール懸濁液中のFer d 1抽出物に対して比較した棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0019]以下の記載は、当業者が本発明を実行することを可能にするために十分に詳細に記載された態様を提供し、そして具体的に開示されていない他の態様を使用することができ、そして本発明の妥当に意図される範囲から逸脱することなく、変更を行うことができることは理解されるべきである。以下の例示的な開示は、付属する特許請求の範囲によって定義されるとおりの独占所有権のある範囲を制約すると解釈されるべきではない。
【0021】
[0020]文脈が他に示さない限り、本明細書及び特許請求の範囲において、用語、研磨剤、光沢剤、保水剤、結合剤、増粘剤、界面活性剤、表面活性剤、香料、芳香剤、甘味料、甘味剤、緩衝液、保存剤、アレルゲン、アレルゲン抽出物、抗原、及び類似の用語は、更に類似の物質の混合物を含む。他に規定しない限り、全てのパーセントは、重量パーセントである。これらの用語は、当技術におけるこれらの通常の意味に適合すると解釈されるべきである。“プロ-練り歯磨き(pro-toothpaste)”は、本明細書中で使用される場合、慣用的な練り歯磨き組成物と実質的に類似の成分特性を含んでなる練り歯磨きである;然しながら、所望の安定性、有効性を伴う最終製品の練り歯磨きを提供するために、一つ又はそれより多いアレルゲン及び/又はアレルゲン抽出物と混合された組成物を提供するために、ある種の成分を排除することができ、そしてベヒクルは減少され、そして混合において消費者プロフィールが達成される。
【0022】
[0021]しばしば歯磨き剤としても更に知られる練り歯磨きは、浄化し、そして美学及び健康を維持するための歯の装備品として歯ブラシと共に普通に使用される。練り歯磨きは、口腔の衛生を促進するために使用される:これは、歯から歯垢及び食物を除去し、口臭を抑制することを補助し、そして歯及び歯茎の疾病(歯肉炎)を予防することを援助する活性成分(主としてフッ化物)を供給することを援助する研磨剤として役立つ。本研究者等は、アレルゲンが歯磨き中に口腔粘膜と接触させられるように、適した消費者用練り歯磨き製品を形成するために、特定の溶液中に懸濁されたアレルゲンと混合することができるプロ-練り歯磨き組成物を開発している。従って、アレルギー症状を治療するためのAITの投与は、毎日の歯の手入れの儀式中に“口腔粘膜免疫療法”(OMIT)として行うことができる。国際特許出願公開WO/2011/137420は、AITの新規な供給様式として練り歯磨きを使用する概念を記載し、これの全ての開示は、本明細書中にその全てが本明細書中に援用される。
【0023】
[0022]消費者の満足のために、練り歯磨き組成物は、消費者がそれに慣れているある種の受容可能な物理的特性を保有しなければならない。これらの特性は、引き付ける味を有し、良好な清浄効果を有し、洗浄が容易であり、優れた口内感触を有し、そして物理的安定性を有する練り歯磨きを提供する。更に、練り歯磨き組成物は、これらが保存中容易に固化せず、そして水又は芳香剤の分離のような相分離を示さないように、受容可能な物理的安定特性を保有しなければならない。これが分注容器から出たままのペーストの外観も、更に重要な特徴と考えられる。研究は、消費者が、滑らかに見え、そして好ましい光沢又は光沢のある外観を有する練り歯磨きを好むことを示す。
【0024】
[0023]本発明の態様は、プロ-練り歯磨き組成物、及びこのような組成物を処方する方法を提供し、これは、好ましくは水溶液又は50容量/容量%のグリセリン中に懸濁されたアレルゲンと混合するために適している。他の態様は、本明細書中で“OMIT練り歯磨き”と呼ばれる、構成された練り歯磨き製品を提供し、これは、慣用的な練り歯磨きのそれと実質的に類似な安定性、有効性及び消費者特性を保有する。他の態様は、アレルゲン又はアレルゲン抽出物を含んでなる一つ又はそれより多い組成物とは別個に含有されたプロ-練り歯磨きを含んでなるキットに関する。更に特定の特定の態様によれば、キットは、一つ又はそれより多い所望によるアイテム(items)、例えば混合用容器、計量式分注容器、及び歯ブラシを含んでなることができる。非常に特定の特定の態様において、歯ブラシは、標的口腔粘膜のアレルゲンへの曝露を最適化するために、例えば歯茎マッサージ又は刺激用拡張部分で適合される。他の態様は、アレルギーの発症に感受性なヒト及び他の哺乳動物の両方におけるアレルギー症状を予防、治療、診断及び管理するための方法を提供する。
【0025】
[0024]プロ-練り歯磨きは、練り歯磨きの典型的な成分を含んでなる練り歯磨き製品の
一部であるが、然しながら、アレルゲン又はアレルゲン抽出物を含んでなる第2の部分を伴うプロ-練り歯磨きの混合物に適合するために、一つ又はそれより多い典型的な成分が、除去、置換、又は減少されている。例えば、典型的なベヒクルは、保水剤及び水を含んでなることができる。特定の特定の態様によれば、プロ-練り歯磨き組成物を処方することは、典型的な練り歯磨き組成物中の結合剤、表面活性剤、及び研磨剤の量を保持するが、一方、ベヒクル(水及び/又は保水剤)の合計パーセントを、プロ-OMIT練り歯磨きに加えられるアレルゲンの所定の体積に対応する量、プロ-練歯磨きが濃縮されるように減少することを含んでなる。一つの例示的な例において、水溶液又は50容量/容量%のグリセリン溶液中に懸濁されたアレルゲンが、練り歯磨きが、例えば、臨床医、薬剤師又は消費者によって、完成品のアレルゲン含有OMIT練り歯磨き製品として使用可能な形態に再構成することができるようにプロ-練り歯磨きと混合される。
【0026】
[0025]一つの態様は、糖アルコールを含んでなる溶液中に懸濁されたアレルゲン又はアレルゲン抽出物と組合せ可能なであるように処方されたプロ-練り歯磨き組成物に関し、プレ-練り歯磨き組成物は:懸濁溶液中に存在する糖アルコールに対応するために選択される糖アルコール、及び粘度調整剤を含んでなる。特定の特定の態様において、糖アルコールは、グリセロールを含んでなり、そして粘度調整剤は、シリカ基剤の粘度調整剤を約12%ないし約30重量%間の量で含んでなり、そして更に特定の特定の態様によれば、組成物は、約40%ないし約60重量%間のグリセロールを含んでなる。非常に特定の特定の態様において、プロ-練り歯磨き組成物は、約50容量%のグリセロール及び約20重量%のシリカ基剤の粘度調整剤を含んでなる。
【0027】
[0026]他の態様において、OMIT練り歯磨きの組成物を処方する方法は、典型的な練り歯磨き組成物中の結合剤、表面活性剤、研磨剤、及び保水剤の量/相対パーセントを保持し、一方、プロ-練り歯磨きに加えられるアレルゲンの所定の体積に対応する量の水のパーセントを減少することを含んでなる。
【0028】
[0027]他の態様において、OMIT練り歯磨きの組成物を処方することは、典型的な練り歯磨き組成物中のベヒクル(水及び/又は保水剤)の合計のパーセントを、約10%、又は約15%、又は約20%、或いは約25%、プロ-練り歯磨き部分を形成するために減少することを含んでなる。他の態様によれば、プロ-練り歯磨き組成物と混合されるアレルゲンの所定の体積は、約1部のアレルゲンに対して約2部のプロ-練り歯磨き、又は約1部のアレルゲンに対して約3部のプロ-練り歯磨き、又は約1部のアレルゲンに対して約4部のプロ-練り歯磨き、又は約1部のアレルゲンに対して約5部のプロ-練り歯磨き、或いは約1部のアレルゲンに対して約6部のプロ-練り歯磨きの体積比に対応することができる。
【0029】
[0028]更に特定の特定の態様において、プロ-練り歯磨きの組成物を処方することは、典型的な練り歯磨き組成物中の結合剤、表面活性剤、及び研磨剤、並びに他の成分の相対的な量を保持し、一方、ベヒクル(水及び/又は保水剤)のパーセントを20%減少することを含んでなり、ここにおいて、プロ-練り歯磨き組成物に加えられるアレルゲンの所定の体積は、約1部のアレルゲンに対して約4部のプロ-練り歯磨きの体積比である。
【0030】
[0029]プロ-練り歯磨きの組成物が提供される。一つの態様において、プロ-練り歯磨きは、結合剤;表面活性剤;研磨剤;保水剤;及び水を含んでなり;ここにおいて;
(1)結合剤は、約10%-22%(重量/重量)を構成し、
(2)表面活性剤は、約1.0%-2.0%(重量/重量)を構成し、
(3)研磨剤は、約5%-10%(重量/重量)を構成し、
(4)保水剤は、約40%-55%(重量/重量)を構成し、
(5)水は、約18%-25%(重量/重量)を構成し、
そしてこれは、甘味剤;保存剤;芳香剤;乳白剤及び/又は着色剤、並びに抗カリエス剤を所望により含んでなり;ここにおいて
(6)甘味剤は、約0.2%-0.4%(重量/重量)を構成し、
(7)保存剤は、約1.5%-3%(重量/重量)を構成し、
(8)芳香剤は、約0.5%-1.5%(重量/重量)を構成し、
(9)乳白剤及び/又は着色剤は、約0.1%-0.2%(重量/重量)を構成し、
(10)抗カリエス剤は、約0.2%-0.5%(重量/重量)を構成する。
【0031】
[0030]本発明の他の態様において、プロ-練り歯磨きの処方は、結合剤;表面活性剤;研磨剤;保水剤;水;甘味剤;保存剤;芳香剤;乳白剤又は着色剤、及び虫歯予防剤を含んでなり;ここにおいて;
(1)結合剤は、約0.35%-0.45%(重量/重量)のカルボマー940TM又は類似の結合剤;約0.75%-1.0%(重量/重量)のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)又は類似の結合剤;及び約10%-20%(重量/重量)のゼオデント153TM又は類似のシリカ増粘剤を含んでなり、
(2)表面活性剤は、約1.0%-2.0%(重量/重量)のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)又は他の類似の薬剤を含んでなり、
(3)研磨剤は、約5.0%-10.0%(重量/重量)ゼオデント113TM又は他の類似の研磨剤を含んでなり、
(4)保水剤は、約40%-55%(重量/重量)のポリオール、例えばグリセリン又はソルビトール(70重量/容量%の溶液)、又は他の保水剤を含んでなり、
(5)水は、約18%-25%(重量/重量)を構成し、
(6)甘味剤は、約0.2%-0.4%(重量/重量)のサッカリンナトリウム又は他の類似の甘味剤を含んでなり、
(7)保存剤は、約1.0%-2.0%(重量/重量)の三塩基性リン酸ナトリウム(Na3PO4)、及び約0.5%-1.0%(重量/重量)の一塩基性リン酸ナトリウム(NaH2PO4)、又は他の類似の保存剤を含んでなり、
(8)芳香剤は、約0.1%-1.5%(重量/重量)の天然のペパーミント油又は他の類似の芳香剤を含んでなり、
(9)乳白剤及び/又は着色剤は、約0.1%-0.2%(重量/重量)の二酸化チタン及び/又は他の乳白剤又は着色剤を含んでなり、そして
(10)虫歯予防剤は、約0.2%-0.5%(重量/重量)のフッ化ナトリウム(NaF)又は他の類似の虫歯予防剤を含んでなる。
【0032】
[0031]本発明の特定の特定の態様において、プロ-練り歯磨きの処方は、結合剤;表面活性剤;研磨剤;保水剤;水;甘味剤;保存剤;芳香剤;乳白剤、及び虫歯予防剤を含んでなり;ここにおいて;
(1)結合剤は、約0.43%(重量/重量)のカルボマー940TM;約0.935%(重量/重量)のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC);及び約12.3%(重量/重量)のゼオデント153TMを含んでなり、
(2)表面活性剤は、約1.41%(重量/重量)のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)又は他の類似の薬剤を含んでなり、
(3)研磨剤は、約6.15%(重量/重量)ゼオデント113TM又は他の類似の研磨剤を含んでなり、
(4)保水剤は、約53.1%(重量/重量)のグリセリンを含んでなり、
(5)水は、約22.9%(重量/重量)を構成し、
(6)甘味剤は、約0.246%(重量/重量)のサッカリンナトリウムを含んでなり、
(7)保存剤は、約1.23%(重量/重量)の三塩基性リン酸ナトリウム(NaPO)及び約0.614%(重量/重量)の一塩基性リン酸ナトリウム(NaHPO
)を含んでなり、
(8)芳香剤は、約0.254%(重量/重量)の天然のペパーミント油を含んでなり、
(9)乳白剤は、約0.123%(重量/重量)の二酸化チタンを含んでなり、そして
(10)虫歯予防剤は、約0.254%(重量/重量)のフッ化ナトリウム(NaF)を含んでなる。
【0033】
[0032]本発明の幾つかの態様によれば、プロ-練り歯磨き組成物は、減少したパーセントの特定の慣用的な練り歯磨き成分を含んでなる及び/又はそれを除去するように処方される。従って、増粘剤及び粘度及び/又はレオロジー調整剤の濃度は増加される。練り歯磨き組成物のベヒクルは、典型的には水及び/又は保水剤を含んでなる。本発明のOMIT練り歯磨き製品の組成物は、本明細書中でプロ-練り歯磨きと呼ばれる“基剤”練り歯磨き組成物から処方される。プロ-練り歯磨きの製造に続いて、一つ又はそれより多いアレルゲンを、プロ-練り歯磨きに加え、そしてそれと均一に混合することができる(即ち、適当な行為者、例えば薬物製造業者、配合薬剤師、アレルギーの臨床医、等によって、或いは他の態様によって、消費者又は使用を意図する場所における他の関係者によって)ことが意図されている。本発明の態様による混合は、一般的に、剪断要素の使用を含まず、そして温度の上昇をもたらす製剤に対するエネルギーの実質的な増加を与えることを伴わない、手動混合又は低速混合を含んでなる。
【0034】
[0033]特定の特定の態様によるアレルゲンは、溶液がプロ-練り歯磨きと混合された場合、アレルゲン溶液がベヒクル成分と容易に、そして均一に混合されて、OMIT練り歯磨き製品を提供するように、水及び/又はグリセリン溶液中に懸濁される。更に具体的には、規定された体積のアレルゲン溶液の添加は、OMIT練り歯磨き組成物を完成し、毎日の歯の手入れのために使用可能な既知の練り歯磨き製品のそれに匹敵する組成物の質感、稠度、口内感触、及び他の重要な特性をもたらすものである。
【0035】
[0034]本発明の具体的態様において、プロ-練り歯磨き組成物は、1部のアレルゲン溶液に対して4部のプロ-練り歯磨きの特定の体積比で水溶液及び/又はグリセリン溶液中に懸濁されたアレルゲンと混合されて、OMIT練り歯磨きを形成する。明白にするために、これは、2mlのアレルゲン溶液が、8mlのプロ-練り歯磨き毎に加えられて、概略10mlの完成されたOMIT練り歯磨きを得ることを意味する。8mlのプロ-練り歯磨きの製剤は、10mlの完成OMIT練り歯磨きを意図した重量パーセントの量の成分、例えば研磨剤又は光沢剤、結合剤、表面活性剤を、しかし約20%少ない体積の練り歯磨きのベヒクルを含んでなる。他の特定の特定の態様において、プロ-練り歯磨き及びアレルゲン溶液間の体積比は、約1部のアレルゲン溶液に対して約2部のプロ-練り歯磨き、又は約1部のアレルゲン溶液に対して約3部のプロ-練り歯磨き、又は約1部のアレルゲン溶液に対して約5部のプロ-練り歯磨き、或いは約1部のアレルゲン溶液に対して約6部のプロ-練り歯磨きであることができる。
【0036】
[0035]慣用的な練り歯磨きは、多くの公知の商品名、例えばColgate(登録商標)、Crest(登録商標)、AimTM、Oral B(登録商標)、Aqua-Fresh(登録商標)、及びClose-up(登録商標)で、店頭販売製品として消費者にとって広く入手可能である。市販の典型的な練り歯磨きの処方は異なるが、それにもかかわらず、これらは、類似の群の成分を含んでなる。典型的な市販の練り歯磨き成分は、一つ又はそれより多い研磨剤又は光沢剤、保水剤、結合剤、表面活性剤、水、及び、所望により、練り歯磨き組成物の典型的な成分である他の物質、例えば香料、着色剤、甘味料、保存剤、及び、所望により、カリエス、齲歯、及び歯周病を予防する薬剤を含む。保水剤及び水成分は、しばしば集合的に練り歯磨きの“ベヒクル”と呼ばれる。特定の特定の成分は、更に、成分の使用に対する国家の法律によって国家ごとにも変更され得る。
【0037】
[0036]本研究者等は、慣用的な練り歯磨き製品の成分の群の構成物は、非常に類似しているが、抽出物の懸濁物組成物の体積に適合するためのベヒクル体積中の減少においてさえ、幾つかの減少されたベヒクルの練り歯磨き製品は、アレルゲン又はアレルゲン抽出物と混合されて、適した製品を形成し、一方、他方は、混合されて、受容不可能な質感、稠度、安定性、及び口内感触を示す製品を形成することを驚くべきことに発見した。なお、更に驚くべきことに、非常に特別な処方の調節が、水又はグリセリン中に懸濁されたアレルゲンと容易に混合して、受容可能な安定性、最終稠度、質感、及び他の重要な特性を有する受容可能なOMIT練り歯磨き製品を提供することが可能である“プロ-練り歯磨き”を提供することができることが発見された。特に、アレルゲンの安定性は、アレルゲン抽出物の懸濁液の糖アルコールが、特定の特定の糖アルコール及びそれぞれの処方の重量パーセントの両方に関して、実施例5に例示するように、プロ-練り歯磨き製剤中に存在する糖アルコール保水剤に対応する場合に向上される。
【0038】
[0037]幾つかの態様において、本発明のOMIT練り歯磨き組成物は、アレルゲンとの組合せの後に、押出し可能な、クリーム状物質である製品を提供するために処方される。結合剤、又は増粘剤は、粘度を増加し、所望の稠度及び揺変性を提供し、そして貯蔵及び使用中の成分の分離を防止する。適した増粘剤は、セルロース誘導体(“セルロースガム”)例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの混合物;ポリビニルピロリドン;キサンタン;カラゲナン、例えばイオタ-カラゲナン、カッパ-カラゲナン、カッパ2-カラゲナン、ラムダ-カラゲナン、及びこれらの混合物;グアーガム;カラヤガム;アラビアゴム;トラガカントガム;及びこれらの混合物を含む。他の適した増粘剤は、カルボマー910、カルボマー934、カルボマー940、及びカルボマー980、並びにポリアルコールアリルエーテルと架橋したアクリル酸の類似のポリマーを含む。水和したシリカ及びコロイド状シリカは、増粘剤として使用することができる。本発明の態様のために適したシリカ増粘剤、例えばゼオデント153(登録商標)、ゼオデント163(登録商標)、及びゼオデント165(登録商標)(J.M.Huber Co.,Edison,N.J.USA)は、例えば、Niemiの米国特許第6,342,205号中に開示され、この全ての開示は、本明細書中に参考文献として援用される)。本研究者等は、一つ又はそれより多いシリカ増粘剤を含んでなるプロ-練り歯磨きの製剤が、グリセロールを含んでなる溶液中に懸濁されたアレルゲン抽出物と混合されて、向上した安定性の効果を提供することを驚くべきことに見出した。
【0039】
[0038]本発明の練り歯磨き組成物は、更に、時に光沢剤と呼ばれる研磨剤を含んでなることができる。適した研磨剤、又は光沢剤は、溶解しないか、又は非常に低い水溶解度を有する、典型的には、約1ないし40ミクロンの直径、更に典型的には約2ないし20ミクロンの直径の粒子サイズを有し、通常の粒子サイズ分布を持つ微細に分割された水不溶性の粉末物質を含む。これらの物質は、過剰に研磨性ではない艶出し活性を有する。典型的な研磨剤は:カルシウム基剤光沢剤、例えばリン酸二カルシウム二水和物(一般的にリン酸二カルシウムとして知られる)、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム(例えば石灰石、天然の白亜、又は沈殿白亜)、ピロリン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、及びアルミン酸カルシウム;炭酸マグネシウム;リン酸マグネシウム;メタリン酸ナトリウム;非晶質シリカ;結晶質シリカ;沈殿シリカ、例えばゼオデント113(登録商標)、ゼオデント115(登録商標)、ゼオデント124(登録商標)、又はゼオデント623(登録商標)(J.M.Huber Co.,Edison,N.J.USA);複合アルミノケイ酸;水酸化アルミニウム;アルミノケイ酸、ベントナイト、タルク、酸化アルミニウム、シリカキセロゲル、及びこれらの混合物を含む。更に典型的な研磨剤は、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、及びシリカである。
【0040】
[0039]ある側面によれば、ベヒクル成分は、水及び保水剤を含んでなる。プロ-練り歯磨きの[水+保水剤]の合計ベヒクル体積は、アレルゲンの添加に対して調節するために、その組成のパーセント(重量/重量)に関して、慣用的な練り歯磨き組成物に対して変化することができる。アレルゲンは、プロ-練り歯磨きのベヒクルの側面と容易に混合されるために処方された溶液中に懸濁することができる。特定の特定の態様において、アレルゲン溶液は、プロ-練り歯磨きのベヒクル成分に実質的に類似のパーセントの量で水及び/又はグリセリンを含んでなる。市販のアレルゲンは、規制計画及び他の法的関心事に基づき国家ごとに変化する。典型的な市販のアレルゲン抽出物溶液は、水溶液又はグリセリン溶液中に懸濁されたアレルゲンを含んでなる。非常に特定の特定の態様において、アレルゲン抽出物溶液は、少なくとも50容量/容量%のグリセリンを含んでなり、そして非常に特定の特定の態様において、アレルゲン抽出物は、約50容量/容量%のグリセリンを含んでなる。
【0041】
[0040]保水剤は、口内感触を提供し、そして更に、練り歯磨き組成物が乾燥することを防止する。練り歯磨きは、典型的には、それぞれの炭素がヒドロキシル化されている3から6個の炭素のポリオール、及びこれらの混合物を含んでなる保水剤と共に処方される。特定の非制約的例は、グリセリン(グリセロール)、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、マンニトール、キシリトール、及び他の糖アルコールを含む。グリセリン、ソルビトール、及びキシリトールが更に甘味特性を有するために、練り歯磨き組成物中のこれらの包含は、付加的甘味剤、例えばサッカリンナトリウムを含める必要性を制限することができることは認識されるべきである。本発明の態様によれば、プロ-練り歯磨きは、単独の、又は主要な糖アルコールとしてのグリセロールと処方される。
【0042】
[0041]本発明の練り歯磨き組成物は、更に、練り歯磨き成分を乳化し、又は他の場合均一に分散するために、しばしば界面活性剤の特性を伴う表面活性剤を含んでなることができる。表面活性剤は、典型的にはアニオン性又は非イオン性表面活性剤、或いはこれらの混合物である。適した表面活性剤の例は、高級脂肪酸モノグリセリドのモノ硫酸塩;高級アルキルの硫酸塩;高級アルキルアリールのスルホン酸塩;高級アルキルのスルホ酢酸塩;1,2ジヒドロキシプロパンスルホン酸の高級脂肪酸エステル;低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和の高級脂肪族アシルアミド、例えば脂肪酸、アルキル又はアシルラジカル中に12ないし16個の炭素原子を有するもの;高級オレフィンのスルホン酸塩、高級アルキルポリ-低級アルコキシ(3ないし100個のアルコキシ基の)の硫酸塩、及び脂肪酸の石鹸の水溶性塩を含む。これらのアニオン性表面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、水素化されたココナツ油脂肪酸モノグリセリドナトリウムの一硫酸塩、ドデシルベンゼンナトリウムのスルホン酸塩、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N-ラウリルサルコシンナトリウム、及びナトリウムコケート(cocate)を含む。非イオン性表面活性剤の適した種類は、低級アルキレン(alkyene)オキシドの鎖、例えばエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む。本発明の態様のために好ましい表面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)である。
【0043】
[0042]本発明の練り歯磨き組成物は、多くの他の成分を含んでなることができる。治療的又は美容的利益を提供する薬剤、例えばエナメル質硬化剤、歯石制御剤、白色剤、及び抗細菌剤が存在することができる。一つ又はそれより多い甘味料及び香料を、消費者の満足のために加えることができる。練り歯磨き組成物の慣用的な成分である他の物質、例えば乳白剤及び着色剤も更に存在することができる。
【0044】
[0043]香料(芳香料、芳香性物質、又は芳香剤)は:メントール;カルボン;アネトール;サリチル酸メチル;及びスペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、サッサフラス、クローブ、セージ、ユーカリ、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレー
プフルーツ、キンカン、タンジェリン及びオレンジの油を含む。好ましい芳香性油、例えばペパーミント油は、天然の供給源から抽出することができ、そして精製するか、又は合成することができる。
【0045】
[0044]甘味料(甘味剤)の例は、スクロース、ラクトース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、シクラミン酸ナトリウム、ペリラルチン(perillartine)、L-アスパルチル-L-フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、及びサッカリンを含む。特定の態様は、サッカリンを含んでなり、これは、サッカリンナトリウムとして含むことができる。本発明のある態様によれば、慣用的な練り歯磨き製剤中で典型的な人工甘味料の量は、保水剤としてのグリセロールに対する主要な、又な単独の依存によって減少することができる。
【0046】
[0045]抗歯石効力を有するピロリン酸塩、例えばジアルカル又はテトラアルカル金属ピロリン酸塩、例えばNa(TSPP)、K、Na、Na、及びK、長鎖ピロリン酸塩、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、及び環状リン酸塩、例えばトリメタリン酸ナトリウムは、練り歯磨き組成物中に存在することができる。
【0047】
[0046]硬化剤の例は、フッ化物塩、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化亜鉛、フッ化スズ、テトラフルオロ亜鉛酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、及びラウリルアミンフッ化水素酸塩である。
【0048】
[0047]保存剤又は安定剤も、更に本発明の練り歯磨き組成物中に含むことができる。特に有用なものは、フェノール又はビスフェノール化合物、ハロゲン化ジフェニルエーテル、安息香酸エステル及びカルバニリド、例えば安息香酸ナトリウムに基づく非カチオン性抗細菌剤;4-クロロフェノール、2,2’-トリクロロ-2-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル(トリクロサン);p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、特にメチル、エチル(エチルパラセプト(parasept))、プロピル(プロピルパラセプト)、ブチル(ブチルパラセプト)、及びベンジルエステル;3,4,4’-トリクロロカルバニリド及び3,3’,4-トリクロロカルバニリドである。好ましい抗微生物剤は、トリクロサンである。非イオン性抗微生物剤、例えばセスキテルペンアルコール、例えばネロリドール(merolidol)及びビサボドールも、更に有用である。本発明の好ましい保存剤は、一塩基性リン酸ナトリウム(NaHPO)及び三塩基性リン酸ナトリウム(NaPO)及び類似の薬剤であり、これらは、更に有用なpH緩衝特性を有する。
【0049】
[0048]白色剤は、練り歯磨き組成物中に存在することができる。有用な白色剤は、酸化剤、例えば、過酸化カルシウム、過酸化尿素、過酢酸、及び過炭酸ナトリウムである。
【0050】
[0049]練り歯磨き組成物は、更に、例えば、乳白剤、例えば二酸化チタンを含む練り歯磨き組成物の慣用的成分である他の成分を含んでなることができ、練り歯磨きを不透明にするか、又はその不透明性を増加するために加えることができる。他の成分は、ベータ-カロテン、クロロフィリン、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号、FD&C青色2号、FD&C赤色4号、FD&C緑色6号、FD&C黄色10号、FD&C赤色40号、D&C緑色5号、D&C赤色30号レーキ、及びFD&C青色1号レーキのような経口的に受容可能な着色剤;ヒーリング剤、例えばローズシードオイル;キレート化/封鎖剤、例えばクエン酸;ビタミン、例えばビタミンC及びビタミンE;アミノ酸;タンパク質;抗生物質;抗酵素剤;酵素;pH制御剤(緩衝剤);抗酸化剤;及び保存剤であることができる。
【0051】
[0050]本発明によるアレルゲンは、測定可能な免疫反応を誘発するいずれもの薬剤を含むことができる。例えば、アレルゲンは、アレルゲンに曝露された少なくとも数人の個体(例えば、少なくとも数人のアトピー性の個体)における測定可能なIgEの産生を誘発するいずれもの薬剤を含むことができる。多くの態様において、アレルゲンは、アレルゲンに曝露された少なくとも数人の個体(例えば、少なくとも数人のアトピー性の個体)においてアレルギー反応(I型過敏反応)を誘発する薬剤を含んでなる。本発明の幾つかの態様において、アレルゲンは、大気中のアレルゲンである。典型的には、患者がこのようなアレルゲンに曝露される主要な経路は、吸入による。本発明の幾つかの態様において、アレルゲンは、患者がアレルゲンとの皮膚接触によって主として曝露されるものである。本発明の幾つかの態様において、アレルゲンは、患者がアレルゲンを経口摂取することによって主として曝露されるものである。本発明の幾つかの態様において、アレルゲンは、患者が注射によって主として曝露されるものである。
【0052】
[0051]本発明による例示的なアレルゲンは、植物、動物又は真菌由来のアレルゲンを含む。植物アレルゲンは、花粉、樹液、葉及び植物毒素を含み、一方、真菌アレルゲンの例は、カビによって産生されるポリペプチド、アスペルギルス及び他のものを含む。動物アレルゲンは、昆虫によって産生されるポリペプチド、イエダニ及び哺乳動物、特にネコの糞便のアレルゲン、及び動物のケラチン性鱗屑を含む。特定の例は、ブタクサ花粉、イエダニ及びイエダニ排泄物、動物鱗屑並びにカビを含む。アレルゲンの他の例は、食物アレルギー、各種の昆虫の毒液、及び多くの工業用化学薬品及び医薬剤(例えば、ペニシリン、セファロスポリン、癌の化学療法薬物、等)を含む。“アレルゲン”は、本明細書中で使用する場合、一つ又はそれより多いアレルゲンを指すことができ、そして動物、植物、及び真菌/カビの主要な群内の及び/又はこれら間のアレルゲンのいずれもの組合せを指すことができる。特に“食物アレルゲン”は、いずれもの群から、又は群のいずれもの組合せからのものであることができる。
【0053】
[0052]植物の花粉は、世界の多くの地域中の大気中のアレルギーの主要な供給源である。本発明の幾つかの態様において、アレルゲンは、牧草の花粉を含んでなる。牧草は、本明細書中で使用する場合、多くのイネ科(時に“真のイネ科植物(true grasses)”と呼ばれる)、イグサ(イグサ科)及びカヤツリグサ(カヤツリグサ科)のメンバーを含む。牧草は、異なった地理的地域における各種の重要性を有する異なった種により、世界の多くの領域中に広く分布する。例えば、欧州及び/又は米国の少なくとも幾つかの領域において共通の牧草の種は、Dactylis glomerata(オーチャードグラス)、Poa pratensis(ケンタッキーブルーグラス)、Lolium perenne(ライグラス)、Anthoxantum odoratum(ハルガヤ)、Phleum pratense(オオアワガエリ)、Festuca eliator(ヒロハノウシノケグサ)、Agrostis alba(コヌカグサ)、及びCynodon dactylon(ギョウギシバ)を含む。牧草アレルゲンは、例えばPoa a1(UniProtTMacc.no.Q9ZP03)及びPoa p5(UniProtTMacc.no.Q9FPR0)を含む。本発明の幾つかの態様において、アレルゲンは、Dactylis、Poa、Lolium、Anthoxantum、Phleum、Festuca、Agrostisi又はCynodon属内の牧草からのもの、例えば前述の種のいずれかである。例えば、アレルゲンは、Poa a、Poa
p、又はPhi pタンパク質を含んでなることができる。
【0054】
[0053]本発明の幾つかの態様において、植物アレルゲンは、ヒノキ科のメンバーである樹木又は灌木の花粉(或いは抽出物又はその成分)である。ヒノキ科(イトスギ)が、その普通の名称が用語“シーダー(cedar)”を含む多くの種を含むことは注目すべきである。幾つかの態様において、アレルゲンは、ヒノキ亜科、例えばヒノキ又はビャクシン属(“ビャクシン”)のメンバーの種からの花粉である。幾つかの態様において、アレ
ルゲンは、普通にスギ又はニホンスギと呼ばれる、Cryptomeria japonica(ヒノキ科スギ亜科)からの花粉である。
【0055】
[0054]一般的に、アレルゲン中の特定のアレルギー性分子(例えば、特定のタンパク質)、例えば花粉、チリ、鱗屑、カビ、食物、等が、アレルギー反応を誘発する原因であることを、当業者は認識するものである。特定のアレルゲン分子(例えば、特定のタンパク質)及びその中で“アレルゲン”として見いだされた物質の両方を呼ぶことは普通であり、そしてこの習慣は本明細書中で使用される。従って、“アレルゲン”に対する言及は、天然の形態のアレルゲン、例えば花粉、チリ、鱗屑、カビ、食物、又は毒液、このような天然の形態のアレルゲンの抽出物、並びに少なくとも部分的に精製された又は実質的に精製された、或いは天然の供給源から単離された、或いは例えば、組換えDNA技術を使用して製造されたアレルゲン分子(例えば、特定のタンパク質)を包含する。
【0056】
[0055]食物アレルゲンの普通の供給源は、ピーナッツ、木の実、タマゴ、ミルク、甲殻類(shellfish)(例えば、エビ、カニ)、魚類、コムギ、ダイズ及びこれらの誘導体を含む。本発明の非常に特定の態様において、アレルゲン又はアレルゲン抽出物は、食物導入技術(FIT)治療計画の一部として、特に小児のために選択される。ある側面において、OMIT練り歯磨きは、FIT練り歯磨きを含んでなる。
【0057】
[0056]疾病管理予防センターは、米国の18歳以下の年齢の小児の食物アレルギー(FA)の罹患率を、概略4-8%と推定し、1997から2007までの18%の増加を推定している。これらの懸念は、更に成人にも関連し、食物アレルギーの4%の罹患率を推定している。食物に対する反応は、軽微な口腔空洞のかゆみから生命を脅かすアナフィラキシー反応までの範囲であることができ、これは、米国における年間概略200人の死亡の原因である。
【0058】
[0057]固体の食物の導入に対する従来の推奨は、ミルクを生命の最初の年に回避し、タマゴを2歳まで、そして木の実、ピーナッツ、魚類又は甲殻類を3歳までは導入しないことであった。然しながら、2008年に、米国小児科学会(AAP)は、その立場を補正して、いずれもの固体の食物を、4-6ヶ月の年齢を超えて控える理由はないことを述べた。2010年に、国立アレルギー感染病研究所(NIAID)は、“固体の食物の導入は、4-6ヶ月の年齢を超えて遅延するべきではない”[NIAID Food Allergy Guidelines 2010]と述べて、FAの診断及び管理に関する指針を公開した。更に、彼らは、妊娠又は授乳中の母親の食事の制限は、正常又はハイリスクの乳児のFAを予防する目的のために好結果ではなく、そして事実、貢献的であることができることを報告した。
【0059】
[0058]食物アレルギーは、恐らく遺伝的に感受性な個体において、生命の最初の数年中に起こる。食物アレルギーは、しばしば小児期の後期までに脱却するが、ある種の食物への曝露は、“アレルギーマーチ(atopic march)”として知られる炎症性症状のカスケードを開始し、典型的にはアトピー性皮膚炎(AD)及びアレルギー性鼻炎(AR)から始まり、次いで喘息及び他のアレルギー性合併症、例えば副鼻腔炎及び耳の疾病に導く。免疫反応を脱感作するために十分な曝露のための重大な時期としての初期の小児期に対する推論的証拠は多数存在する。固体の食物の遅れた導入に伴い、オーストラリアは、4歳以下の年齢の小児の食物アナフィラキシーの5倍の増加を観察した。英国及び北米におけるピーナッツの遅れた摂取に対する推奨は、過去10年間でピーナッツアレルギーの倍増をもたらしている。生命の最初の年中ピーナッツを控えさせられた英国のユダヤ人の小児は、生命の最初の年中にピーナッツを高い量で消費したイスラエルのユダヤ人の類似の小児より、10倍高いピーナッツアレルギーの罹患率を有する。現時点の証拠は、発育中の小児における、共生細菌による健康な腸のコロニー形成の確立と同時の、4な
いし6ヶ月における食物タンパク質への曝露に対する重要な“発育の機会”が存在することを示唆する。
【0060】
[0059]関連する科学団体のメンバー間で、口腔空洞粘膜に対する食物への規則的な曝露は、概略4ないし6ヶ月において開始するべきであることを受け入れることは明白であるが、実行には問題が残る。小児の食事は、非常に一貫性がない。従って、小児が彼らの固体食物の食事中で食物アレルゲンの完全な範囲を消費し、そしてこれらに対する曝露を得ることを確実にすることは、有意な挑戦である。
【0061】
[0060]本発明の特定の態様は、FITのために処方されたOMIT練り歯磨きを提供する。本発明によるFITに適したOMIT練り歯磨きは、少なくとも一つの食物アレルゲン、例えば、制約されるものではないが、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類及び甲殻類を含むヒト中で発症することができる普通の食物アレルギーである、一つ又はそれより多い食物種から調達したアレルゲンを含んでなる。更なる特定の態様において、OMIT練り歯磨きは、特に小児の患者を引き付けるために処方される。4ヶ月及び6歳の間の年齢の異なった年齢の小児の患者が、変化する嗜好性を有することができ、そして練り歯磨き製剤は、年齢の偏見/制限を反映するために設計することができることを、当業者は容易に認識するものである。例えば、少なくとも2歳の年齢まで、フッ化物を含有する練り歯磨きの使用を回避することが推奨される。
【0062】
[0061]本発明の幾つかの態様は、好ましくは、食物アレルギーを有することがまだ決定されていない、又は既知の臨床的に顕在化したアレルギーを持たない小児の患者における食物アレルギーの出現を診断又は検出するための方法を提供する。一つの態様において、アレルギー性の食物性過敏症を有することがまだ決定されていない患者は、規則的な口腔の手入れ中に患者の口腔粘膜にアレルゲンを導入する単一の食物アレルゲンを含有するOMIT練り歯磨きからの利益を得る。練り歯磨きの使用後にアレルギー症状が注目された場合、患者はそのアレルゲンに対するアレルギー性過敏症を有することが疑われる。患者は、その練り歯磨きの使用を停止し、そして健康管理専門家からの更なるカウンセリング及び診断を探索するものである。症状を誘発する原因である食物アレルゲンの確認の特定の知識は、アレルギー性過敏症が存在することの臨床的検証において有益である。
【0063】
[0062]4ヶ月ないし6歳間の年齢のヒトにおける食物アレルギーを発症する傾向を診断するための方法の態様も、更に提供される。この方法は、(a)一つの食物製品からのアレルゲンタンパク質を含めるように、請求項29に記載の練り歯磨きを処方し、そして(b)ヒトの口腔粘膜の領域を、工程(a)で処方した練り歯磨きと毎日の治療計画の一定の時間枠で接触させ;(c)時間枠中又はその後、口腔粘膜の免疫反応の症状をモニターし;(d)それぞれの独立の食物製品に対して一つの、少なくとも1、2、3、8種まで、又はそれより多い練り歯磨き製剤で実行するまで、工程(a)、(b)及び(c)を繰返し、そして(c)において免疫反応の症状が観察された食物製品に対するアレルギーを発症する傾向を診断する、ことを含んでなる。
【0064】
[0063]他の特定の態様は、現時点で臨床的食物アレルギーが決定されていない患者における食物アレルギーの出現を検出する方法の実施を行うために設計された物品及びキットを提供する。一つの態様によれば、キットは、一組の異なった練り歯磨きを含んでなり、それぞれの練り歯磨きは、単一の食物アレルゲンを含有し、そして一連のそれぞれの練り歯磨きは、1、2、3、又はそれより多い週の使用分を含有する。更なる特定の態様において、キットは、一連の8種の練り歯磨き含んでなり、それぞれは、8種の最も普通の食物アレルギー:ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類及び甲殻類に対応する8種のアレルゲンの群からの単一のアレルゲンを含有する。4ヶ月ないし6歳の間の年齢の異なった年齢の小児の患者が、変化する嗜好性を有することができ、そして
推奨される練り歯磨きの処方は、年齢に基づくことを、当業者は容易に認識するものである。
【0065】
[0064]本明細書中に記載されるような患者は、いずれもの特定の食物アレルギー又は食物性過敏症を有することが知られていないヒトであることができる。患者は、食物アレルギーを発症する危険に曝されていると考えることができる。食物アレルギーを発症する危険に曝されているヒトは、食物アレルギーを持つ兄弟、親、又は他の家族のメンバーを有し得る。他の非食物アレルギー、例えば枯草病、アトピー性皮膚炎、又は呼吸器アレルギーを示すヒトは、更に、食物アレルギーを発症する危険に曝されると考えることができる。特定の態様において、患者は、4ヶ月ないし6歳の年齢の小児の患者である。
【0066】
[0065]他の特定の態様によれば、約0.2-1ccのFIT練り歯磨きが小児の患者の歯及び歯茎に沿って、概略2分間、最適には歯ブラシで、前庭粘膜を約5、10、20、30又はそれより多いmgの単一の食物抗原供給源で浸し、或いは別の方法として8種ほどの数又はそれより多い食物抗原供給源と共にかき回される。より少ない投与量のそれぞれのアレルゲンが、4ヶ月ないし1歳の年齢の幼児に対して適当であることができ、例えば、約1mg、又は約5mg、又は約10mg、或いはそれより多くが、FIT練り歯磨きの最も若い使用者に対して適当であることができる。他の態様において、それぞれの食物アレルゲンの量は、体重に比例して決定される。例えば、異なった処方のFIT練り歯磨きが、異なった年齢期間の患者に対して適当であることができ、アレルゲンの投与量は、これらの年齢の患者の平均体重に対応する。
【0067】
[0066]FIT練り歯磨き又はゲルは、歯のない小児の歯茎をマッサージするか又は拭くか、或いは歯を磨くかのいずれかによって適用することができる。この日課は、患者が発育の重要な早期の段階で食物に対する耐性を獲得することを援助し、そして従って特異的な食物アレルギーを発症する危険性を回避又は減少することを援助することができる。
【0068】
[0067]食物アレルゲンは、食物源からのタンパク質を含んでなり、これは、アレルギー性の個体による接触又は摂取の現象において、アレルギー反応を誘発することができる。食物アレルゲンは、更に、食物源からの抽出及び精製によって製造し、そして本明細書中で及び他の場所で考察された各種のモードのAIT、例えばアレルギー注射、SLIT、及びOMITにおいても使用することができる。
【0069】
[0068]アレルゲンの加工、例えば、アレルゲン抽出物の製造、アレルゲン分子の精製、等のために適した方法は、当技術において公知である。非常に簡単に述べると、原料のアレルゲン物質(例えば、花粉、昆虫、鱗屑)を、最初に微粉砕、乾燥、脱脂肪(有機溶媒を使用する抽出による)、又は特定のアレルゲンに対して適当なような他の工程にかけることができる。例えば、固体又は微粒子状の物質を分離するために、遠心を使用することができる。得られた物質を、タンパク質を少なくとも部分的に可溶化するために適した時間、水性媒体(例えば、水又は適した緩衝された溶液、例えば、重炭酸アンモニウム、リン酸緩衝生理食塩水、等)中でインキュベートすることができる。粗製の抽出物は、例えば、透析、濾過、分画、クロマトグラフィー、等を使用して加工することができる。幾つかの態様において、一つ又はそれより多い工程が、低分子量成分を少なくとも部分的に除去し、抽出物を濃縮する、等のために行われる。抽出物は、例えば濾過及び/又は照射を使用して滅菌することができる。他の加工工程を、当技術において知られるように適用することができる。多くの特定のプロトコルが入手可能である。
【0070】
[0069]ヒトの免疫療法において安全に使用するための特別に加工されたアレルゲンの抽出物が市販されている。例えば、GREER Laboratories Inc.Allergy and Immunotherapy divisionは、会社のウェブ
サイト、http://www.greerlabs.com/files/catalogs/HumanAllergyCatalog.pdfで、現時点でオンラインで入手可能な“Human Allergy Products and Services”と題する小冊子を刊行している。GREERは、更に、会社のウェブサイト、http://www.greerlabs.com/files/catalogs/SourceMaterialsCatalog.pdfで、現時点でオンラインで入手可能な“Source Materials Products and Services”と題する小冊子を刊行し、これは、アレルゲン抽出物又は更に高度に精製されたアレルゲンタンパク質製剤の製造のための原料物質として使用することができる、入手可能なアレルゲンを詳述している。両方の刊行物は、参考文献として本明細書中に援用される。アレルゲン及び/又はアレルゲン抽出物の他の商業的な供給業者は、ALK Abello,Inc.、Allermed Labs、及びHollisterStierを含む。アレルゲン抽出物は、典型的には、複数のタンパク質、例えばアレルゲンの天然の形態で存在する複数のアレルゲン性タンパク質を含有する。抽出物は、例えば、花粉(例えば、樹木、灌木、牧草、他の植物、例えばしばしば“草”と呼ばれるものの)、動物の上皮、羽毛、真菌の菌糸体又はカビ、胞子、黒カビ、ダニ、昆虫、昆虫の毒液、食物、チリ、等から調製することができる。
【0071】
[0070]本発明によるアレルゲンは、一般的に、アレルギー患者のAITのために適しているいずれものアレルゲン製剤、又はアレルゲン製剤の組合せである。AITは、しばしば個々の患者の特異的アレルギーを治療するための、彼らの臨床的アレルギー特性による特異的な、個別化されたアレルゲンの混合物の開発を含む。この混合物は、しばしば特異的患者の“治療セット”と呼ばれる。治療セットは、単一のアレルゲン又は一緒に組合せられる複数の異なったアレルゲンを含んでなることができる。
【0072】
[0071]本開示における用語アレルゲンの使用は、複数のアレルゲン又はアレルゲン抽出物の治療セットを指すことができる。好ましい態様において、アレルゲン抽出物は、液体の形態、例えば水、グリセリン、又はこれらの混合物中で提供される。AITのために調製されたアレルゲン抽出物は、約50容量/容量%グリセリンとして普通に提供される。
【0073】
[0072]AIT型の治療を、現時点でアレルギー又はアレルギーの症状を持たない患者のアレルギー及びアトピー過敏症の潜在的な発症を予防するために使用することができる、新たに得られつつある証拠が存在する。一般的に、好ましくは生命の初期段階における幾つかの食物又は他のアレルゲンの導入は、幾人かの個体におけるアレルギー性過敏症を発症する危険度を低下することを示している。本明細書中に記載される方法及び発明が、治療的使用と同様に、予防的使用を意図することができることを、当業者は認識するものである。
【0074】
[0073]本明細書中に開示される技術の利益を得る患者は、アレルギー性過敏症を治療するためにAITを必要とする、又は免疫耐性の発生を確実にし、そしてアレルギーが発症する危険度を減少する方法として、その免疫系へのアレルゲンの導入を確実にすることを必要とすることができる成人又は小児のヒトであることができる。
【0075】
[0074]重要なことには、アトピー性過敏症及びアレルギーを治療するAIT様式によるアレルゲンの供給は、ヒトに制限されない。家畜、ウマ、家庭のペット、及び他の伴侶動物を含む動物も、更にアレルギー性過敏症を発症することができる。SCIT及びSLITの両方としてのAITは、動物、並びにヒトにおけるアレルギーを治療するための獣医学における有効なツールであることが示されている。AITの獣医学の使用の考察は、ここ、http://www.heska.com/Documents/Allergy/White-Paper,-Sublingual-Immunotherapy-f
or-Dogs.pdfで入手可能であり、そして本明細書中に参考文献として援用される。更に、特異的に処方されたSCIT及びSLIT製品、例えばALLERCEPT製品(Heska,Inc.,Loveland CO)は、動物のアレルギー及びアトピー性疾患のAIT治療のために入手可能であり、これは、ここ、http://www.heska.com/Products/ALLERCEPT/ALLERCEPT.aspxで精査可能であり、本明細書中に参考文献として援用される。従って、本明細書中で考察される態様から利益を享受することができる患者は、非ヒトの動物を含む。
【0076】
[0075]一つに態様によれば、動物を標的とした適用のためのプロ-練り歯磨き組成物は、約50容量%のグリセリンを含んでなる市販の動物用練り歯磨き製品の組成物を含んでなる。アレルゲン及びアレルゲン抽出物は、組成物に直接混合することができる。一般的に、動物は、ヒトの練り歯磨き消費者と同じような質感、洗浄性、外観 口腔感触の経験の特性を要求する。市販の動物用練り歯磨きは、ヒトのために設計された練り歯磨き組成物と共通な幾つかの要素、例えば研磨又は光沢剤、保水剤、結合剤、水、及び香料を含有する。一つの例は、PETRODEXTM製品(Sentry Pet Care Products,Inc.,Omaha,NE)であり、これは、9-16-2013の時点で、ここ:http://www.sentrypetcare.com/products/ProductCatalog.asp?one=1&two=171で精査することができ、これの開示は、本明細書中にこの参考文献として援用される。ペットの練り歯磨きのための典型的な成分のリストは:糖アルコール、精製水、リン酸二カルシウム、水和シリカ、人工ビーフ又はチキン芳香料、家禽ダイジェスト、デキストロース、キサンタンガム、及び安息香酸ナトリウムである。
【0077】
[0076]幾つかの態様によれば、動物におけるアレルギー症状を軽減するための方法が提供される。方法は、動物の症状の原因と疑われるアレルゲン又はアレルゲンの抽出物を含んでなるOMIT練り歯磨きを処方し、そして動物の口腔粘膜を治療計画により歯磨きすることを含んでなる。特定の態様において、治療計画は、アレルギーにより、毎週、毎日、一日二回、又は更に頻繁であることができる。他の特定の態様において、アレルゲン及び/又はアレルゲン抽出物は、当技術において既知の研磨性の“歯磨き”トイ又は食品に処方することができる。イヌ又はネコのための市販の“チュートイ”及び食品の非制約的例は、http://www.petcarerx.com/search/dental%20chews%20for%20dogsで見出すことができる。
【0078】
[0077]以下の実施例は、本発明の特定の態様の例示であることを意図し、そしてその範囲を制約すると解釈されるべきではない。
非限定的に、本発明は以下の態様を含む。
[態様1] 糖アルコールを含んでなる溶液中に懸濁されたアレルゲン又はアレルゲン抽出物と混合可能であるように処方されたプロ-練り歯磨きであって、前記懸濁溶液中に存在する糖アルコールに対応するように選択された糖アルコール及び粘度調整剤を含んでなる、前記プロ-練り歯磨き。
[態様2] 前記糖アルコールが、グリセロールを含んでなり、そして前記粘度調整剤が、シリカ基剤粘度調整剤を、約15%ないし約30重量%間の量で含んでなる、態様1に記載のプロ-練り歯磨き。
[態様3] 前記組成物が、約40%ないし約60容量%間のグリセロールを含んでなる、態様2に記載のプロ-練り歯磨き。
[態様4] 前記組成物が、約50容量%のグリセロール及び約20重量%のシリカ基剤粘度調整剤を含んでなる、態様3に記載のプロ-練り歯磨き。
[態様5] 態様1に記載のプロ-練り歯磨きを、糖アルコールを含んでなる溶液中に懸濁されたアレルゲン又はアレルゲン抽出物と混合することによって処方される練り歯磨き組成物であって、約25%ないし約75容量%間の糖アルコール及び約20重量%のシリカ基剤粘度調整剤を含んでなる、前記練り歯磨き組成物。
[態様6] 前記糖アルコールが、グリセロールを含んでなる、態様5に記載の練り歯磨き組成物。
[態様7] 約50容量%のグリセロールを含んでなる、態様6に記載の練り歯磨き組成物。
[態様8] 一つ又はそれより多い練り歯磨き、チュートイ又は食品により動物の口腔粘膜に、抗アレルギー治療の利益を供給するために適合された、アレルゲン及び/又はアレルゲン抽出物と共に処方される、グリセリン基剤組成物。
[態様9] 態様1に記載のプロ-練り歯磨きの少なくとも一つのバイアル、及び少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物を含んでなる溶液の少なくとも一つのバイアルを含んでなる口腔粘膜療法キット。
[態様10] 前記少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物が、動物、植物、又は真菌/カビアレルゲンを含んでなる、態様9に記載の口腔粘膜療法キット。
[態様11] 前記少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物が、食物導入技術の治療計画(food introduction technology regimen)に適合するように選択される、態様9に記載の口腔粘膜療法キット。
[態様12] 前記少なくとも一つのアレルゲン又はアレルゲン抽出物が、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類、甲殻類、及びこれらの組合せからなる食物製品の群から選択されるアレルギー性タンパク質を含んでなる、態様11に記載の口腔粘膜療法キット。
[態様13] それぞれのアレルゲン/抽出物が、別個のバイアル内に含有され、そしてアレルゲン/抽出物のバイアルの数に対応する数のプロ-練り歯磨きのバイアルを含んでなる、態様12に記載の口腔粘膜療法キット。
[態様14] 口腔粘膜療法のために適した練り歯磨きを処方する方法であって、アレルゲン又はアレルゲン抽出物及び一定濃度の糖アルコールを含んでなる溶液の第1の体積を用意し;慣用的な練り歯磨きと比較した場合、減少したベヒクルの濃度及び増粘剤の増加した濃度を含んでなるプロ-練り歯磨きの第2の体積を処方し、前記ベヒクルは、第1の体積の糖アルコールに対応する糖アルコールを、第1の体積の糖アルコールの濃度に実質的に対応する濃度で含んでなり、第1及び第2の体積は、混合した体積中の糖アルコールの濃度が約45%ないし55容量%間であるような比で混合可能であり、そして第1の体積及び第2の体積をその比で混合することを含んでなる、前記方法。
[態様15] 前記糖アルコールがグリセロールである、態様14に記載の方法。
[態様16] 前記増粘剤が、カルボマー及びシリカ基剤増粘剤から選択される、態様14に記載の方法。
[態様17] 前記アレルゲンが、植物アレルゲン、動物アレルゲン、真菌/カビアレルゲン、及びこれらの組合せから選択される、態様14に記載の方法。
[態様18] 混合した体積中のグリセロールの濃度が、約50容量%である、態様15に記載の方法。
[態様19] 前記アレルゲンが、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類、甲殻類、及びこれらの組合せからなる食物製品の群から選択されるアレルギー性タンパク質を含んでなる、態様14に記載の方法。
[態様20] 患者のアレルゲンに対する免疫反応を軽減するための方法であって、態様5に記載の練り歯磨き製剤と口腔粘膜の標的領域を接触させることによって、患者の口腔粘膜の標的領域に一定量の一つ又はそれより多いアレルゲンを、少なくとも毎日一回供給することを含んでなる、前記方法。
[態様21] 前記口腔粘膜の標的領域が、前庭頬側領域を含んでなる、態様20に記載の方法。
[態様22] 毎日の口腔手入れ計画が、前記歯磨き製剤で、少なくとも毎日2回歯磨きすることを含んでなる、態様20に記載の方法。
[態様23] 前記アレルゲンが、動物アレルゲン、植物アレルゲン、真菌/カビアレルゲン又はこれらの組合せから選択される、態様20に記載の方法。
[態様24] 前記アレルゲンが、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類、甲殻類、及びこれらの組合せからなる食物製品の群から選択されるアレルゲンタンパク質を含んでなる、態様20に記載の方法。
[態様25] 前記患者が4ヶ月ないし6歳間の年齢のヒトである、食物導入技術の治療計画を含んでなる態様24に記載の方法。
[態様26] それぞれのアレルゲンタンパク質に対して独特な練り歯磨き製剤を含んでなる、態様25に記載の方法であって、更に、それぞれの独特な練り歯磨き製剤を、時間枠の重複しない順序で一定の時間枠間、標的領域に接触させることを含んでなる、前記方法。
[態様27] 前記練り歯磨き製剤が、それぞれの食物製品からの一つのアレルゲンタンパク質を含んでなる、態様24に記載の方法。
[態様28] 前記患者が非ヒトの動物である、態様20に記載の方法。
[態様29] 前記アレルゲン及び/又はアレルゲン抽出物が、ミルク、タマゴ、ダイズ、コムギ、ピーナッツ、木の実、魚類、甲殻類、及びこれらの組合せからなる食物製品の群から選択されるアレルゲンタンパク質を含んでなる、態様5に記載の練り歯磨き。
[態様30] 4ヶ月ないし6歳間の年齢のヒトにおける食物アレルギーを発症する傾向を診断するための方法であって、(a)一つの食物製品からのアレルゲンタンパク質を含めるように、態様29に記載の練り歯磨きを処方し、そして(b)ヒトの口腔粘膜の領域を、工程(a)で処方した練り歯磨きと毎日の治療計画の一定の時間枠で接触させ;(c)時間枠中又はその後、口腔粘膜の免疫反応の症状をモニターし;(d)それぞれの独立の食物製品に対して一つの、少なくとも2種の練り歯磨き製剤で実行するまで、工程(a)、(b)及び(c)を繰返し、そして(c)において免疫反応の症状が観察された食物製品に対するアレルギーを発症する傾向を診断する、ことを含んでなる、前記方法。
【実施例
【0079】
[0078]実施例1.
以下の実施例は、慣用的な練り歯磨き製剤が、最終製品の特性を重度に損なうことなくアレルゲン抽出物溶液と混合することができないことを例示し、そして更に予備的な処方のガイダンスを得るために行った予備的な混合及び安定性を例示する。慣用的活性な処方を伴うが、しかしベヒクル及び水のパーセントが異なる幾つかの市販の練り歯磨きを、ホワイトオークのアレルゲン抽出物(Antigen Laboratories,Inc,Liberty,MO)と混合し、そして得られた混合物を、練り歯磨きとしての質感及び有用性を観察した。
【0080】
(1)製品1. 公知の非フッ素入り子供用練り歯磨き製品(製品1)を、50容量/容量%のグリセリン中に懸濁したホワイトオーク抽出物(Antigen Laboratories,Inc,Liberty,MO)を、30mlの練り歯磨き及び0.6mlのアレルゲン抽出物(2容量/容量%)の比で混合した。ラベルによれば、製品1は、
次の列挙される成分:精製水、ソルビトール、ポリエチレングリコール、グリセリン、セルロースガム、ポロキサマー407、芳香料、シメチコン、メチルパラベン、ソルビン酸カリウム、サッカリンナトリウム、プロピルパラベン、及びクエン酸を含んでいた。最初に、アレルゲンを製品1中に混合したが、組合せは、本来の製品1の質感及び稠度を喪失し、最終的に更にその色も喪失し、そして1週間で透明なシロップとなった。記載したようにアレルゲンと混合した製品1は、練り歯磨きとして不満足であった。
【0081】
(2)製品2:市販のフッ素入り練り歯磨き製品を、50容量/容量%のグリセリン中のホワイトオーク抽出物と、以前の製品1と同じ様式及び比(2容量/容量%)で混合した。ラベルによれば、製品2は、次の列挙する成分:モノフルオロリン酸ナトリウム、リン酸二カルシウム二水和物、水、グリセリン、SLS、セルロースガム、芳香料、ピロリン酸四ナトリウム、及びサッカリンナトリウムを含んでいた。アレルゲン溶液を最初に製品2と混合したが、組合せは、流れやすく、そして不安定であり、最終的に48時間で、白色の固体及び液相に分離した。アレルゲンと混合された製品2は、練り歯磨きとして不満足であった。
【0082】
(3)製品3:異なった市販の練り歯磨き製品を、50容量/容量%のグリセリン中のホワイトオーク抽出物と、以前の製品1及び製品2と同じ様式及び比(2容量/容量%)で混合した。ラベルによれば、製品3は、代表的なシリカ基剤組成物として選択され、そして次の列挙する成分:ソルビトール、水、水和シリカ、SLS、リン酸三ナトリウム、芳香料、リン酸ナトリウム、セルロースガム、カルボマー956、サッカリンナトリウム、二酸化チタン、及び“青色1号”着色料を含んでいた。ホワイトオークアレルゲンは、製品3と良好に混合したように見受けられ、そして製剤の安定性は、調査した他の製品より優れていた。従って、製品3の列挙された成分は、最初の処方のテンプレートを提供し、そしてそれぞれ変化するパーセントの成分及びベヒクルを伴うプロ-練り歯磨き製剤の幾つかの特異的な組成物を調製した(実施例2-4を参照されたい)。
【0083】
[0079]以下の実施例2-4は、幾つかの予備的プロ-練り歯磨き製剤に対する特徴的特性を例示する。
【0084】
[0080]実施例2.
PT-5の処方
25.0% 蒸留水
0.33% サッカリンナトリウム
0.58% カルボマー940
41.7% ソルビトール(70重量/容量%の溶液中)
0.83% カルボキシメチルセルロースナトリウム
1.67% 三塩基性リン酸ナトリウム
0.41% フッ化ナトリウム
0.83% 一塩基性リン酸ナトリウム
16.7% ゼオデント(登録商標)153
8.3% ゼオデント(登録商標)113
0.17% 二酸化チタン
1.92% ラウリル硫酸ナトリウム。
注記:パーセントは、実験助手の実験ノートに基づき、そして合計は、98.44合計%である;PT-5に香料は加えなかった。
【0085】
PT-5は、濃厚なペースト様の稠度を示した。4部のPT-5に対する1部のアレルゲン(50%のグリセリン中)の添加及び徹底した混合後、稠度は、典型的な練り歯磨きのそれと類似な質感及び稠度に変化した。
【0086】
[0081]実施例3.
PT-7の処方
18.2% 蒸留水
0.36% サッカリンナトリウム
0.64% カルボマーTM940
45.5% ソルビトール(70重量/容量%の溶液中)
0.91% カルボキシメチルセルロースナトリウム
1.82% 三塩基性リン酸ナトリウム
0.44% フッ化ナトリウム
0.91% 一塩基性リン酸ナトリウム
18.2% ゼオデント(登録商標)153
9.09% ゼオデント(登録商標)113
0.18% 二酸化チタン
2.09% ラウリル硫酸ナトリウム
0.2% ペパーミント油香料。
【0087】
PT-7は、濃厚なペースト様の稠度を示した。4部のPT-7に対する1部のアレルゲン(50%のグリセリン中)の添加及び徹底した混合後、稠度は、典型的な練り歯磨きのそれと類似な質感及び稠度に変化した。4人の志願者に、アレルゲンを含むPT-7を与え、そして彼らの歯を磨くよう求めた。全ての患者は、その練り歯磨きが、典型的な練り歯磨きと一致する稠度、質感、及び芳香を伴い、練り歯磨きとして適していると述べた。
【0088】
[0082]実施例4.
PT-16の処方
22.9% 蒸留水
0.25% サッカリンナトリウム
0.43% カルボマーTM940
53.1% グリセリン
0.94% カルボキシメチルセルロースナトリウム
1.23% 三塩基性リン酸ナトリウム
0.25% フッ化ナトリウム
0.61% 一塩基性リン酸ナトリウム
12.3% ゼオデント(登録商標)153
6.15% ゼオデント(登録商標)113
0.12% 二酸化チタン
1.41% ラウリル硫酸ナトリウム
0.25% ペパーミント油香料。
【0089】
PT-16は、濃厚なペースト様の稠度を示した。4部のPT-16に対する1部のアレルゲン(50%のグリセリン中)の添加及び徹底した混合後、質感及び稠度は、典型的な練り歯磨きと一致するそれに変化した。4人の志願者に、アレルゲンを含むPT-16を与え、そして彼らの歯を磨くよう求めた。全ての患者は、その練り歯磨きが、典型的な練り歯磨きと一致する稠度、質感、及び芳香を伴う練り歯磨きとして使用可能であると述べた。
【0090】
[0083]実施例5.
以下の実施例は、アレルゲン抽出物の懸濁液の糖アルコール側面(グリセロール)に対応していない糖アルコール(ソルビトール、例えば実施例3、PT-7を参照)を含んで
なるプロ-練り歯磨きと処方された練り歯磨きは、アレルゲン抽出物の懸濁液中に存在する糖アルコールに対応する糖アルコールを含んでなるプロ-練り歯磨きと処方された練り歯磨き(実施例4、PT-16)と比較した場合、1ヶ月の時間枠後の検出可能なアレルゲンに関して、不安定であったことを証明する。例示的なアレルゲン抽出物は、ウマダニ抽出物、Der f 1、及びネコ鱗屑抽出物、Fel d 1であった。それぞれ四つのアリコートのPT-7及びPT-16を、アレルゲン抽出物又はグリセリンと1:4の比(2mlのプレ-練り歯磨き中の0.5mlのアレルゲン抽出物)で混合した。予備的初期干渉試験の結果は、最良の分析法が、Multiplex Array for Indoor Allergens(MARIA(登録商標))であることを決定した。MARIA(登録商標)は、モノクローナル抗体とカップリングした蛍光微小球に基づくアレルゲン検出技術であり、これは、単一の試験で複数のアレルゲンの同時検出を可能にする。先に記載した抽出法の後、それぞれの試料を、Der f 1、Fel d 1及びPhl p 5含有量に対してMARIA(登録商標)を使用して測定した。全ての7種の試料を、1/10、1/100及び1/10,000の希釈でプレートに付加した。PT-16処方中の1ヶ月後のアレルゲン濃度の実質的な保持に対するPT-7中の1ヶ月後のアレルゲンの濃度の実質的減少を示す結果を、以下の表1及び2に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
[0084]実施例6.
以下の実施例は、本発明の態様によるアレルゲンと共に処方された練り歯磨きが、180日目まで安定なままであり、安定性がSLIT適用のために設計されたような単独のアレルゲン懸濁溶液(50容量/容量%グリセロール溶液中に処方された抽出されたアレルゲン)の安定性と釣り合っていることを例示する。アレルゲン濃度を測定し、そして実施例5に記載したような基本的プロトコルに従った。Der f 1と4:1で処方されたPT-16及びFel d 1と4:1で処方されたPT-16は、試験処方検体を提供
し、そして単独の抽出物安定性と比較された。結果を図1及び図2に示す。統計的な差は、本発明の側面によって処方された場合、SLIT適用のために使用可能なグリセロール中のアレルゲン抽出物の懸濁液中に存在する場合に対して、365日にわたるアレルゲンの安定性において観察されなかった。
【0094】
[0085]以下の実施例7-9は、アレルギー性鼻炎の症状の軽減における、実験的OMIT練り歯磨き製剤の有効性を試験するために設計された予備的臨床調査の結果を例示する。
【0095】
[0086]実施例7.
リンゴ又は生野菜を食した場合の通年性の口腔のかゆみと共に、春のくしゃみ、鼻のかゆみ、及び鼻漏の症状の特性を伴う25年のアレルギー性鼻炎の病歴を持つ42歳の女性の症例報告#1。
【0096】
経口の抗ヒスタミン剤の使用は、彼女の症状を部分的にのみ制御した。彼女は、樹木の花粉に対する皮膚プリックテスト(SPT)を受け(15分における疱疹の直径に基づきグレード0ないし4)、オーク(4)、ニレ(3)、ハコヤナギ(3)、カバノキ(4)、メープル(3)及びセイヨウトネリコ(4)に対する陽性の反応を伴った。彼女は、2012年2月に、0.02mLのオーク及び0.02mLのカバノキ抽出物(Antigen Laboratories,Liberty,Missouri)と混合された1mLのプロ-練り歯磨きで毎日一回2分間磨くことによって、一日当たり概略25マイクログラムのそれぞれの主要な抗原を供給して、OMITを始めた。治療の最初の3日中に、彼女は、口腔にピリピリ感を膨潤を伴わずに経験したが、残りの治療に対して不都合な反応を経験せず、これは、2012年6月1日まで継続した。中期(4月)及び6月のアレルギー予後調査は、基線で終了した。彼女は、治療期間中、症状の制御のためのいずれもの医薬を必要とせず、5月に間欠的な朝の鬱血及び皮膚のかゆみを報告したのみであった。彼女は、彼女がくしゃみをせずにジャガイモ及びニンジンの皮をむくことが可能であり、これは、彼女が以前には行うことが可能ではなく、そして彼女の季節性アレルギーが、約“全体的に95%”軽減したことを報告した。SPTは、2012年6月の終わりに繰返され、オーク(0)に対する皮膚反応性の欠如を証明したが、一方、カバノキ及び他の樹木の花粉に対する皮膚反応性は、不変のままであった。
【0097】
[0087]実施例8.
くしゃみ、鼻鬱血、鼻漏、並びに鼻及び目のかゆみをもたらす季節的悪化を伴う通年性のARの生まれてからの病歴を持つ39歳の女性の症例報告#2。
【0098】
彼女は、更に喘息の病歴並びにニンジン及びジャガイモの皮をむくときの彼女の手の腫れを報告した。彼女は、経口ステロイド、抗喘息剤、及びロイコトリエン受容体アンタゴニストを使用して限定的な利益を得て、そして小児期にSCITの4年のコースを受けて、彼女の症状を限定的に部分的に制御した。彼女は、樹木の花粉に対するSPTを2012年2月に受け、そしてオーク(4)、ニレ(2)、ハコヤナギ(3)、カバノキ(4)、メープル(3)及びセイヨウトネリコ(3)に対して陽性の結果が出た。彼女は、本発明によるOMIT練り歯磨き(プロ-練り歯磨き+オーク及びカバノキのアレルゲン抽出物の溶液)で治療された。彼女は、彼女の歯茎の軽度の痛みを報告し、これは、5分以内の歯磨きで解決した。2012年3月に、彼女は、初めて彼女が彼女の手に腫れを伴わずジャガイモの皮をむくことができたことを報告した。4月及び5月に、彼女は、軽度のかゆみ、くしゃみ、及び朝の鼻鬱血を報告し、これは、必要に応じた経口の抗ヒスタミン剤で制御された。彼女は、彼女のアレルギー症状が、これらが通常、年のこの時期におけるものより軽度であることを記載していた。SPTを2012年6月に繰返し、これは、オーク(3)に対する皮膚反応性の減少を証明し、一方、他の樹木の花粉に対する皮膚反応
性は不変のままであった。
【0099】
[0088]実施例9.
鼻鬱血、鼻漏及び目のかゆみを伴う季節性ARの病歴を持つ37歳の男性の症例報告#3。
【0100】
症状は、以前は経口の抗ヒスタミン剤で十分に制御されていたが、5年前に造園業としての仕事を始めてから、彼は、ステロイド及び抗ヒスタミン剤の両方を含有する点鼻剤の使用にも関わらず、彼は、春に彼の症状をもはや制御することができなかったことを報告している。2012年のSPTは、オーク(2)及びカバノキ(3)に対して陽性であったが、ニレ、ハコヤナギ、メープル及びセイヨウトネリコに対しては陰性(0)であった。彼は、オーク及びカバノキ抽出物を含んでなる本発明の特別な態様によるOMIT練り歯磨きで2012年2月から6月まで治療され、そしてAOSを最初、中間及び終点で得た。彼は、歯磨きをした場合に不都合な反応を報告しなかった。彼は、5月まで無症状のままであり、この間、経口の抗ヒスタミン剤及び局所の点眼剤を、軽度の症状を制御するために好結果で使用した。2012年6月のSPTは、オークに対する皮膚反応性の完全な非存在を明らかにしたが、カバノキに対しては持続的に反応性であった。
図1
図2