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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】対基板作業機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20230113BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/04 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021536501
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2019029755
(87)【国際公開番号】W WO2021019664
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊彦
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-283992(JP,A)
【文献】特開平07-241977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースの上に配設され、前記ベースに対して水平方向に移動可能とされる対基板作業ユニットと、
前記ベースに取り付けられ、前記対基板作業ユニットの側面を覆うサイドカバーと
を備え、
前記対基板作業ユニットと前記サイドカバーとが、磁石により仮止めされ、
前記対基板作業ユニットが前記ベースに対して水平方向に移動したときに、前記サイドカバーが水平方向に移動しないことを特徴とする対基板作業機。
【請求項2】
前記磁石が、前記サイドカバーに配設される請求項1に記載の対基板作業機。
【請求項3】
前記対基板作業ユニットが、
前記ベースの上から水平方向での一方の方向に引き出し可能に配設されており、
前記磁石が、
前記サイドカバーの前記一方の方向側に配設される請求項2に記載の対基板作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対基板作業ユニットと、その対基板作業ユニットの側面を覆うサイドカバーとを備える対基板作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の装置は、サイドカバー等のカバーによって覆われている。下記特許文献には、サイドカバー等のカバーにより覆われた制御ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭48-91447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、サイドカバーにより側面が覆われた対基板作業ユニットを備える対基板作業機の実用性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、ベースと、前記ベースの上に配設され、前記ベースに対して水平方向に移動可能とされる対基板作業ユニットと、前記ベースに取り付けられ、前記対基板作業ユニットの側面を覆うサイドカバーとを備え、前記対基板作業ユニットと前記サイドカバーとが、磁石により仮止めされ、前記対基板作業ユニットが前記ベースに対して水平方向に移動したときに、前記サイドカバーが水平方向に移動しないことを特徴とする対基板作業機を開示する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の対基板作業機は、ベースと、ベースに対して水平方向に移動可能に配設される対基板作業ユニットと、その対基板作業ユニットの側面を覆うサイドカバーとを備えている。そして、サイドカバーが、ベースに取り付けられており、対基板作業ユニットが、ベースに対して水平方向に移動したときに、サイドカバーは水平方向に移動しない。このため、対基板作業ユニットを移動させることで、対基板作業ユニットの側面が開放される。これにより、対基板作業ユニットの内部を確認することが可能となり、対基板作業機の実用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】対基板作業システムを示す斜視図である。
図2】対基板作業機を示す斜視図である。
図3】対基板作業機を示す斜視図である。
図4】サイドカバーが取り外された状態の対基板作業機を示す斜視図である。
図5】対基板作業ユニットが取り外された状態の対基板作業機を示す斜視図である。
図6】従来の対基板作業機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
図1に、対基板作業システム10を示す。図1に示すシステム10は、回路基板に電子部品を実装するためのシステムである。対基板作業システム10は、3台の対基板作業機12と、検査装置14とから構成されている。3台の対基板作業機12は、隣接した状態で1列に配設されており、検査装置14は、3台の対基板作業機12のうちの最も下流側に配設された対基板作業機12の下流側に隣接した状態で配設されている。なお、以下の説明では、3台の対基板作業機12及び検査装置14の並ぶ方向をX軸方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY軸方向と称する。
【0010】
3台の対基板作業機12は、互いに略同じ構成である。このため、3台の対基板作業機12のうちの1台を代表して説明する。対基板作業機12は、図2に示すように、1台のシステムベース15と、そのシステムベース15の上に配設された1台の対基板作業ユニット16と、対基板作業ユニット16の両側面を覆う1対のサイドカバー18とを有している。システムベース15の上面には、前後方向、つまり、Y軸方向に延びるように、1対のレール19が配設されている。そして、対基板作業ユニット16が、1対のレール19の上に配設され、システムベース15に対してレール19の延びる方向にスライド可能とされている。つまり、対基板作業ユニット16は、システムベース15の上に、水平方向にスライド可能に配設されている。
【0011】
ただし、対基板作業ユニット16は、システムベース15の真上に位置した状態から、Y方向での一方の方向にのみスライド可能とされているが、Y方向での他方の方向へはストッパ(図示省略)によりスライド不能とされている。なお、Y方向での一方の方向を前方と記載し、Y方向での他方の方向を後方と記載する。つまり、対基板作業ユニット16は、システムベース15の真上に位置した状態から、図3に示すように、前方に向って引き出すことが可能とされている。そして、対基板作業ユニット16は、システムベース15の上から引き出された位置(以下、「引出位置」と記載する)(図3参照)と、システムベース15の上に押し込まれた位置(以下、「押込位置」と記載する)(図2参照)との間でスライド可能とされている。
【0012】
なお、対基板作業ユニット16を、引出位置を超えて、さらに前方に向って引き出すことも可能とされており、対基板作業ユニット16を、引出位置を超えて、さらに引き出すことで、システムベース15から取り外すことも可能とされている。そして、対基板作業ユニット16を取り外したシステムベース15に、対基板作業ユニット16と異なる対基板作業ユニットを取り付けることができる。つまり、対基板作業機12では、作業の種類に応じたユニットをシステムベース15に取り付けることで、種々の作業を行うことが可能とされている。
【0013】
また、対基板作業ユニット16は、図4に示すように、ユニット本体20、搬送装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)24、装着ヘッド26、供給装置28を備えている。なお、図4には、対基板作業ユニット16の内部を説明するべく、サイドカバー18を取り外した状態の対基板作業機12が図示されている。ユニット本体20は、フレーム32と、そのフレーム32に上架されたビーム34と、ビーム34の前端部を支える1対の前方側支持脚36と、ビーム34の後端部を支える1対の後方側支持脚(図では、一方のみが図示されている)38とによって構成されている。
【0014】
搬送装置22は、2つのコンベア装置40,42を備えている。それら2つのコンベア装置40,42は、互いに平行、かつ、X軸方向に延びるようにフレーム32に配設されている。2つのコンベア装置40,42の各々は、電磁モータ(図示省略)によって各コンベア装置40,42に支持される回路基板をX軸方向に搬送する。また、回路基板は、所定の位置において、基板保持装置(図示省略)によって固定的に保持される。
【0015】
移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ50をX軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)と、Y軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)とを備えている。スライダ50には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータの作動によって、フレーム32上の任意の位置に移動させられる。
【0016】
装着ヘッド26は、回路基板に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26は、下端面に設けられた吸着ノズル60を有している。吸着ノズル60は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図示省略)に通じている。吸着ノズル60は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド26は、吸着ノズル60を昇降させるノズル昇降装置(図示省略)を有している。そのノズル昇降装置によって、装着ヘッド26は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
【0017】
供給装置28は、フィーダ型の供給装置であり、複数のテープフィーダ72を有している。テープフィーダ72は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ72は、送り装置(図示省略)によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置28は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
【0018】
また、図2に示すように、サイドカバー18は、比較的薄い平板により形成されており、対基板作業ユニット16の側面と略同形状とされている。サイドカバー18は、システムベース15のY方向に延びる縁部に立設されており、下端部において、システムベース15に複数のボルト80により締結されている。また、サイドカバー18の後方側の縁部が、図3に示すように、対基板作業機12の側に向って直角に屈曲されたリブ82とされており、そのリブ82の下端部においても、ボルト(図示省略)によりシステムベース15に締結されている。このように、サイドカバー18が、システムベース15のY方向に延びる縁部に立設された状態で、システムベース15にボルト締結されることで、押込位置に押し込まれた状態の対基板作業ユニット16の側面が、サイドカバー18により覆われる。
【0019】
また、サイドカバー18の裏側の面、つまり、対基板作業ユニット16の側の面には、図5に示すように、1対の磁石88が固定されている。なお、図5には、サイドカバー18の裏側の面を確認できるように、対基板作業ユニット16が取り外された状態の対基板作業機12が図示されている。1対の磁石88は、サイドカバー18の前方側の端部、つまり、対基板作業ユニット16の引出方向の側の端部に固定されており、押込位置に押し込まれた状態の対基板作業ユニット16の前方側支持脚(図3参照)36に磁力により密着する。これにより、サイドカバー18の前方側の端部のバタつきを抑制することができる。つまり、サイドカバー18は、下端部及びリブ82においてシステムベース15にボルト締結されているため、サイドカバー18の下端部及び後方側の剛性は高い。一方で、サイドカバー18の前方は、対基板作業ユニット16の引出方向であるため、リブ等を作成することができず、サイドカバー18の前方側の剛性は低い。このため、サイドカバー18の前方側の端部に磁石88が配設されており、その磁石88により、サイドカバー18の前方側の端部と、システムベース15上の対基板作業ユニット16が固定される位置である押込位置に押し込まれた対基板作業ユニット16の前方側支持脚36とが密着する。これにより、サイドカバー18の前方側の端部が対基板作業ユニット16に仮止めされることで、サイドカバー18の前方側の端部の剛性が担保され、サイドカバー18の前方側の端部のバタつきが抑制される。
【0020】
また、サイドカバー18には、基板用開口90が形成されている。基板用開口90は、サイドカバー18が対基板作業ユニット16の側面を覆っている状態、つまり、対基板作業ユニット16が押込位置に押し込まれた状態において、対基板作業ユニット16のコンベア装置40,42と対向する位置に形成されている。このため、サイドカバー18が対基板作業ユニット16の側面を覆っている状態において、基板用開口90を介して、回路基板が、対基板作業ユニット16の内部に搬入、若しくは、対基板作業ユニット16の内部から搬出される。さらに、サイドカバー18には、基板用開口90の下方に、メンテナンス用開口92も形成されている。メンテナンス用開口92は、基板用開口90より大きくされており、対基板作業ユニット16の側面がサイドカバー18により覆われている状態においても、作業者が、メンテナンス用開口92を介して、対基板作業ユニット16の内部のメンテンナンスをすることが可能とされている。
【0021】
また、検査装置14は、2台のコンベア装置(図示省略)を有している。2台のコンベア装置の各々は、コンベア装置40,42と略同じ構造とされており、検査装置14の内部において、X軸方向に延びるように配設されている。なお、検査装置14が、3台の対基板作業機12のうちの最も下流側に配設された対基板作業機12の下流側に配設されることで、検査装置14のコンベア装置は、その下流側に配設された対基板作業機12のコンベア装置40,42と対向する。これにより、3台の対基板作業機12のうちの最も下流側に配設された対基板作業機12から回路基板がコンベア装置40,42により搬出されると、その回路基板が検査装置14のコンベア装置により検査装置14に搬入される。また、検査装置14には、撮像装置(図示省略)が配設されており、検査装置14内に搬入された回路基板が撮像装置により撮像される。これにより、検査装置14において、撮像データが分析されることで、回路基板が検査される。
【0022】
上述した構成によって、対基板作業システム10では、回路基板が、3台の対基板作業ユニット16の内部を搬送装置22によって搬送され、各対基板作業ユニット16によって、回路基板に電子部品が装着される。そして、電子部品の装着された回路基板が、検査装置14によって検査される。
【0023】
具体的には、まず、3台の対基板作業ユニット16のうちの最上流に配置された対基板作業ユニット16内に回路基板が搬入される。そして、その対基板作業ユニット16では、回路基板が作業位置まで搬送され、その位置において、基板保持装置によって保持される。また、テープフィーダ72は、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド26が、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル60によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド26は、回路基板の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板上に装着する。回路基板への電子部品の装着作業が終了すると、回路基板が、下流に向かって搬送され、下流側に配置された対基板作業ユニット16内に搬入される。そして、上記装着作業が、各対基板作業ユニット16で順次実行されることで、各対基板作業ユニット16において、回路基板に電子部品が装着される。次に、3台の対基板作業ユニット16での装着作業が完了すると、3台の対基板作業ユニット16のうちの最下流に配置された対基板作業ユニット16から回路基板が搬出され、その回路基板は検査装置14に搬入される。そして、検査装置14に搬入された回路基板が撮像装置により撮像され、撮像データに基づいて回路基板の検査が行われる。この検査装置14での回路基板の検査作業が完了すると、検査装置14から回路基板が搬出され、電子部品が装着された回路基板の生産が完了する。
【0024】
このように、対基板作業システム10では、回路基板への電子部品の装着作業及び、回路基板の検査作業が実行されるが、対基板作業ユニット16における適切な装着作業を担保するべく、対基板作業ユニット16に配設されている搬送装置22,移動装置24等のメンテナンスを行う必要がある。また、装着作業時にエラー等が発生した場合には、そのエラーを解除するべく、作業者が対基板作業ユニット16の内部を点検する必要もある。一方で、対基板作業ユニット16の内部への埃,ごみ等の異物の混入を防止するべく、対基板作業ユニット16の開口部,特に、側面を覆う必要がある。このため、例えば、対基板作業ユニット16の内部へのアクセスを容易にするべく、開閉式の扉が形成されたサイドカバー(図示省略)が用意されている。そして、そのサイドカバーにより対基板作業ユニット16の側面を覆うことで、対基板作業ユニット16の内部への容易なアクセスと、対基板作業ユニット16の内部への異物の混入防止とが担保される。ただし、開閉式の扉が形成されたサイドカバーは、ある程度、厚いため、そのサイドカバーを対基板作業機12に取り付けると、その対基板作業機12に隣接して検査装置14を配設することができない。
【0025】
このため、図6に示すように、従来の対基板作業機110では、対基板作業ユニット16の両側面に、平板形状の1対のサイドカバー112が配設されていた。なお、従来の対基板作業機110は、上述した対基板作業機12と、サイドカバー112を除いて同じ構成とされているため、システムベース15及び対基板作業ユニット16に関する説明は省略する。
【0026】
サイドカバー112は、先に説明したサイドカバー18と同様に、比較的薄い平板により形成されており、対基板作業ユニット16の側面と略同形状とされている。ただし、サイドカバー112は、サイドカバー18と異なり、対基板作業ユニット16の側面に、複数のボルト118により締結されている。また、サイドカバー112にも、サイドカバー18の基板用開口90と同じ形状及び同じ位置に、基板用開口120が形成されている。これにより、サイドカバー112により側面が覆われた対基板作業ユニット16において、回路基板の搬入及び搬出が担保される。ただし、サイドカバー112には、サイドカバー18と異なり、メンテナンス用開口92が形成されていない。
【0027】
このように、従来の対基板作業機110では、対基板作業ユニット16の側面が、メンテナンス用開口92の形成されていないサイドカバー112により覆われている。このため、作業者が対基板作業ユニット16の内部にアクセスするためには、複数のボルト118を取り外し、サイドカバー112を対基板作業ユニット16の側面から取り外す必要がある。このため、サイドカバー112に、サイドカバー18と同様に、メンテナンス用開口92を形成することが考えられる。ただし、対基板作業ユニット16の外部から、作業者がメンテナンス用開口92を介して、対基板作業ユニット16の内部にアクセスしても、作業者がアクセス可能な範囲は、メンテナンス用開口92の周辺に限られる。また、作業者の安全性を担保するために、基本的には、メンテナンス用開口から稼動中の対基板作業ユニット16へアクセスできてはならない。このため、対基板作業ユニット16の内部の全体にアクセスするためには、結局、複数のボルト118を取り外し、サイドカバー112を対基板作業ユニット16の側面から取り外す必要がある。
【0028】
一方で、対基板作業機12では、先に説明したように、対基板作業ユニット16の側面を覆うサイドカバー18は、対基板作業ユニット16ではなく、システムベース15にボルト締結されている。そして、サイドカバー18は、対基板作業ユニット16が押込位置に位置している状態において、対基板作業ユニット16に磁石88により仮止めされている。このため、対基板作業ユニット16を、押込位置から引出位置に引き出すことで、対基板作業ユニット16は、磁石88によるサイドカバー18への仮止めが解除され、図3に示すように、システムベース15とサイドカバー18とに対して、前方に向って移動する。つまり、サイドカバー18はシステムベース15にボルト締結されており、対基板作業ユニット16はサイドカバー18に磁石88により仮止めされているだけなので、対基板作業ユニット16を引き出すことで、サイドカバー18がシステムベース15に置き去りにされ、移動しない。これにより、対基板作業ユニット16の側面が開放され、作業者は、対基板作業ユニット16の内部の全体にアクセスすることが可能となる。なお、従来の対基板作業機110では、対基板作業ユニット16を引き出しても、サイドカバー112は対基板作業ユニット16の側面にボルト締結されているため、対基板作業ユニット16は、側面がサイドカバー112により覆われた状態で引き出される。このため、従来の対基板作業機110では、対基板作業ユニット16を引き出しても、結局、ボルトの取り外し等を行う必要がある。
【0029】
このように、対基板作業機12では、サイドカバー18がシステムベース15にボルト締結されているため、作業者は、ボルトの取り外し等を行うことなく、対基板作業ユニット16を引き出すことで、対基板作業ユニット16の内部の全体にアクセスすることが可能となる。また、サイドカバー18は、対基板作業ユニット16の側面を覆っている状態において、前方側の端部において、磁石88により対基板作業ユニット16に仮止めされている。これにより、対基板作業ユニット16の側面を覆った状態でのサイドカバー18のバタつきを抑制することが可能となる。
【0030】
さらに言えば、磁石88は、対基板作業ユニット16でなく、サイドカバー18に配設されている。これは、上述したように、対基板作業ユニット16をシステムベース15から取り外し、対基板作業ユニット16が取り外されたシステムベース15に、対基板作業ユニット16と異なるユニットを取り付けることができるためである。つまり、サイドカバー18でなく、対基板作業ユニット16に磁石88が配設される場合には、システムベース15に取り付け可能なユニットの全てに磁石88を配設する必要がある。一方で、磁石88を、対基板作業ユニット16でなく、サイドカバー18に配設すれば、システムベース15に取り付け可能なユニットに磁石88を配設する必要はない。このため、コスト、配設スペース等を考慮すると、磁石88を、対基板作業ユニット16に配設せずに、サイドカバー18に配設することが好ましい。
【0031】
なお、上記実施例において、対基板作業機12は、対基板作業機の一例である。システムベース15は、ベースの一例である。対基板作業ユニット16は、対基板作業ユニットの一例である。サイドカバー18は、サイドカバーの一例である。磁石88は、磁石の一例である。
【0032】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、対基板作業ユニット16が、システムベース15に対して水平方向にスライド可能に配設されているが、上下方向であったり、揺動,回動など種々の態様で移動可能にシステムベース15に配設されてもよい。
【0033】
また、上記実施例では、サイドカバー18がシステムベース15にボルト締結により固定されているが、溶接や接着等の種々の手法でシステムベース15に固定されてもよい。なお、この場合の固定とは、ワンタッチで取り外しが不可能な状態である。つまり、作業者が、工具等の何らかの道具を用いることなく、取り外すことができない状態である。
【0034】
また、上記実施例では、サイドカバー18と対基板作業ユニット16とが磁石88により着脱可能に取り付けられているが、ゲル等の粘着剤等の種々の手法で仮止めされてもよい。
【0035】
また、システムベースの大きさには拘らない。つまり、1台のシステムベース上に、複数の対基板作業ユニットが配設される場合もある。そして、複数の対基板作業ユニット16が配設されたシステムベースが連結されて対基板作業システムが構成される。これらの場合には、システムベース上に配設された複数の対基板作業ユニットの両側面をサイドカバーが覆う。
【符号の説明】
【0036】
12:対基板作業機 15:システムベース(ベース) 16:対基板作業ユニット 18:サイドカバー 88:磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6