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特許7209479ノズル先端アダプタ、ノズルアセンブリ、並びに、ノズル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ノズル先端アダプタ、ノズルアセンブリ、並びに、ノズル
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/06 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
B05B1/06
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018110485
(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公開番号】P2019030868
(43)【公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】2019096
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591004412
【氏名又は名称】ズス・マイクロテック・リソグラフィ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Suss MicroTec Lithography GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・グルント
(72)【発明者】
【氏名】ガリー・ショケット
(72)【発明者】
【氏名】カデル・メキアス
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/154220(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/117633(WO,A1)
【文献】特開2004-359340(JP,A)
【文献】特開2010-149036(JP,A)
【文献】特開2013-115232(JP,A)
【文献】特開平07-299410(JP,A)
【文献】特開平09-000992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル先端(14)を基板処理装置に実装するためのノズル先端アダプタであって、
吸引ダクト(34)と、供給ダクト(36)と、装置端部(18)及び基板端部(20)を有するベース本体(16)と、を備え、
前記吸引ダクト(34)と前記供給ダクト(36)は、前記ベース本体(16)内に設けられ、
前記ベース本体(16)は、前記ベース本体(16)の基板端部(20)に、前記ノズル先端(14)を受け入れるためのノズル先端くぼみ(26)と、前記ノズル先端くぼみ(26)内へ広がる突出部(30)と、を有し、
前記突出部(30)は、前記ベース本体(16)に対して動くことができないように前記ベース本体(16)に固定されており、
前記吸引ダクト(34)は、前記突出部(30)を介して広がり、前記供給ダクト(36)は、前記ノズル先端くぼみ(26)内へ開口し、
前記吸引ダクト(34)は、少なくとも一部が前記供給ダクト(36)によって囲まれている、ノズル先端アダプタ。
【請求項2】
前記吸引ダクト(34)は前記突出部(30)の軸長に沿って伸びており、かつ、前記突出部(30)の下流端部で開口している、請求項1に記載のノズル先端アダプタ。
【請求項3】
前記突出部(30)は、前記ノズル先端くぼみ(26)を介して前記ベース本体の軸方向へ伸びており、かつ、前記ベース本体の下流端部を伴う前記ノズル先端くぼみ(26)から突出する、請求項1又は2に記載のノズル先端アダプタ。
【請求項4】
前記ベース本体(16)は、前記ノズル先端アダプタ(12)を前記基板処理装置に固定するための装置突出部(24)を前記装置端部(18)に有する、請求項1~3のいずれか1つに記載のノズル先端アダプタ。
【請求項5】
前記ノズル先端くぼみ(26)と前記装置突出部(24)とは、同一サイズ、かつ/又は、相補的形状を有する、請求項4に記載のノズル先端アダプタ。
【請求項6】
前記ノズル先端アダプタ(12)は、望ましくは前記ベース本体(16)の周囲表面(22)又は前記装置端部(18)に吸引ポート(32)を備えており、
前記吸引ダクト(34)は、望ましくは前記周囲表面(22)又は前記装置端部(18)で前記吸引ポート(32)並びに供給ポート(29)から始まり、
前記供給ダクト(36)は、前記供給ポート(29)から始まる、請求項1~5のいずれか1つに記載のノズル先端アダプタ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載のノズル先端アダプタ(12)とノズル先端(14)とを備える基板処理装置用のノズルアセンブリであって、
前記ノズル先端(14)は、
接続端部(46)と排出端部(48)とを有するノズル本体(44)と、
前記接続端部(46)に設けられる固定突出部(50)と、
前記接続端部(46)に向けて開口し、かつ、少なくとも前記固定突出部(50)内へ広がる液体チャンバ(52)と、
前記排出端部(48)にオリフィスを有し、かつ、望ましくは前記液体チャンバ(52)の下流端部で前記液体チャンバ(52)と流動的に接続される排出口(54)と、を有し、
前記ノズル先端(14)の前記固定突出部(50)は、前記ノズル先端アダプタ(12)の前記ノズル先端くぼみ(26)内に受け入れられ、前記ノズル先端アダプタ(12)の前記突出部(30)は前記ノズル先端(14)の前記液体チャンバ(52)内へ広がる、ノズルアセンブリ。
【請求項8】
前記ノズル先端アダプタ(12)の前記供給ダクト(36)は、前記液体チャンバ(52)の上流端部で前記液体チャンバ(52)内へ開口し、かつ/又は、前記ノズル先端アダプタ(12)の吸引ダクト(34)は、前記突出部(30)の下流端部で前記液体チャンバ(52)内へ開口する、請求項7に記載のノズルアセンブリ。
【請求項9】
前記排出口(54)は、直径(d)を有し、
前記突出部(30)の前記下流端部と前記オリフィス(56)との間の距離(a)は、前記排出口(54)の前記直径(d)の少なくとも0.5倍である、請求項7又は8に記載のノズルアセンブリ。
【請求項10】
前記排出口(54)と、前記突出部(30)における前記吸引ダクト(34)とは、同軸である、請求項7~9のいずれか1つに記載のノズルアセンブリ。
【請求項11】
チャンネル(58)は、前記ノズル先端アダプタ(12)の前記突出部(30)の周囲と、前記液体チャンバ(52)の内壁との間で形成され、
前記ノズル先端アダプタ(12)の前記供給ダクト(36)は、前記チャンネル(58)内へ開口する、請求項7~10のいずれか1つに記載のノズルアセンブリ。
【請求項12】
前記チャンネル(58)と前記吸引ダクト(34)は、前記液体チャンバ(52)の前記下流端部で合流する、請求項7~11のいずれか1つに記載のノズルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル先端を基板処理装置に実装するためのノズル先端アダプタ、基板処理システム用のノズルアセンブリ、並びに、基板に液体を供給するためのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のナノ加工やマイクロ加工用の基板処理装置では、液体を基板上に分注ことが必要である。基板はウェハ等である。流体は、現像液、水、溶媒若しくはいずれかの水溶液であり、ノズルを介して基板に供給される。通常、液体は、予め決められた液体量が分注されるように、決められた分注期間に分注される。しかしながら、分注期間の終了時、液体の残りがノズル内に留まり、非制御な方法で基板に液漏れし得る。
【0003】
最先端の処理基板装置では、液体の流れを逆向きにし、過剰な液体をノズルから引き戻すことで、分注期間後にノズルが液漏れすることを防ぐことが知られている。
【0004】
しかしながら、液体内の気泡等によって、この方法で液漏れを完全に防ぐことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、液体が分注された後の液漏れを確実に防ぐ、基板処理装置用のノズル先端アダプタと、ノズルアセンブリと、ノズルとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、ノズル先端を基板処置装置に実装するためのノズル先端アダプタが提供され、ノズル先端アダプタは、吸引ダクトと、供給ダクトと、装置端部と基板端部とを有するベース本体とを備えており、そこでは、吸引ダクトと供給ダクトはベース本体内に設けられる。ベース本体は、ノズル先端を受け入れるノズル先端凹部を基板端部に有し、ノズル先端凹部内へ伸びる突出部を有し、そこでは、吸引ダクトが突出部を経て伸び、供給ダクトがノズル先端凹部内へ開口し、吸引ダクトの少なくとも一部が供給ダクトによって囲まれている。
【0007】
基板は、ウェハのような非被覆基板であってもいいし、被覆基板であってもよい。例えば、液体は、現像液、溶媒、水若しくは水溶液である。さらに、基板処理装置は、ナノ加工及び/又はマイクロ加工用の装置であってもよい。
【0008】
本発明の内容において、「下流」とは、液体の通常の流れの方向、つまり、装置端部から基板端部又は基板そのものに向かう方を意味する、ノズル先端アダプタの軸方向もまた下流方向に伸びる。
【0009】
基板端部と装置端部は互いに反対であり得る。
【0010】
例えば、突出部は針形状である、又は、中空の針を形成する。さらに、ノズル先端凹部は、ノズル先端を受け入れるためにねじ山を付けられ得る。
【0011】
さらに、吸引ダクトと突出部の直径は、0.7mmから4.0mmであり得る。
【0012】
2つの異なるダクトを提供することにより、ノズル先端アダプタのダクトの一方は、ノズルに液体を供給するために使用され、もう一方のダクトが液体分注期間後、過剰な液体をノズル先端のオリフィスからそらすために使用され得る。突出部により、2つのダクトは、ノズルのオリフィスに相当近接して合流することができるので、オリフィスと、ダクトが合流し得る位置との間の全ての液体がノズルからそらされ得る。従って、液漏れ防止が相当確実に達成される。
【0013】
ベース本体と突出部は、互いに動くことできないように固定される。特に、ベース本体と突出部は、単一部品として形成される。これにより、ノズル先端アダプタの扱いが容易になる。
【0014】
例えば、吸引ダクトは突出部の軸長さにわたって伸び、突出部の下流端部に開口する。このようにして、吸引ダクトと供給ダクトは可能な限り下流で合流させられる。
【0015】
突出部が可能な限りノズル先端内奥へ到達するために、突出部は、ノズル先端凹部を介してベース本体の軸方向へ伸び、下流端部でノズル先端凹部から突出し得る。この場合、突出部の下流端部は、ノズル先端アダプタの最も下流部分である。
【0016】
本発明の一実施形態において、ベース本体は、ノズル先端アダプタを基板処理装置に固定するための装置突出部を装置端部に備える。装置突出部は、ねじ山を付けられ得る。これにより、ノズル先端アダプタをノズル先端と基板処理装置との間に容易に実装できる。
【0017】
特に、ノズル先端凹部と装置突出部とは、同一サイズである、かつ/又は、相補的形状である。これにより、ノズル先端アダプタは、ノズル先端又は装置を交換することなく、ノズル先端と装置の間に実装され得る。
【0018】
別の実施形態において、ノズル先端アダプタは、望ましくはベース本体の周囲表面又は装置端部に吸引ポートを有し、吸引ダクトは吸引ポートから始まっている。ノズルはさらに、望ましくは周囲表面又は装置端部に供給ポートを有し、供給ダクトは供給ポートから始まっている。周囲表面は、ベース本体の2つの端部の間の表面であり、供給ダクトは、装置突出部にわたって伸び得る。さらに、吸引ポートは、ねじ山を付けられる、又は、接続部であり得る。吸引ポートを設けることにより、ノズルからしたたる過剰な液体を容易にノズル排出口からそらすことができる。例えば、供給ポートは、装置端部に配置され、吸引ポートは逆に、周囲表面に配置され得る。さらに、吸引ポートと供給ポートはともに、ベース本体の同一表面、例えば、装置端部の周囲表面又は端面に配置される。
【0019】
本発明はさらに、本発明に係るノズル先端アダプタとノズル先端とを備える、基板処理装置に関するノズル先端アセンブリを提供する。ノズル先端は、接続端部と排出端部とを有するノズル本体、接続端部に設けられる固定突出部、接続端部の方に開口し、少なくとも固定突出部へ伸びる液体チャンバ、排出端部でオリフィスを有し、かつ、望ましくは液体チャンバの下流端部で液体チャンバに流動的に接続される排出口、を備える。ノズル先端の固定突出部は、ノズル先端アダプタでノズル先端くぼみ内に受け入れられ、ノズル先端アダプタの突出部はノズル先端の液体チャンバ内へ伸びる。ノズル先端は、パドル又はスプレーのノズル、特にファンスプレーノズルであり得る。ノズルアセンブリは、液体を供給するダクトと、液体チャンバから液体をそらし、排出口から離れて液体をそらす別のダクトを提供する。こうして、分注期間が終了した後、液体が排出口又は液体チャンバから基板上に液漏れすることを防ぐ。
【0020】
例えば、ノズル先端アダプタの供給ダクトは、液体チャンバへ開口し、液体チャンバの上流端部及び/又はノズル先端アダプタの吸引ダクトは、突出部の下流端部で液体チャンバへ開口する。従って、吸引ダクトと供給ダクトは、液体チャンバの下流端部に近い突出部の下流端部で合流し、分注期間後、制御された方法でノズルから液体を確実にそらす。
【0021】
ある実施形態において、排出口は、突出部の下流端部とオリフィスとの間の距離である、排出口の直径の少なくとも0.5倍である直径を有する。例えば、その距離は、排出口の直径の最大5倍、望ましくは1~3倍の直径である。このように、突出部の下流端部とオリフィスとの間の距離は、排出口内の全液体が別のダクトにそらされることを保証するのに十分小さい。
【0022】
改善された実施に関しては、突出部の排出口と吸引ダクトは同軸である。
【0023】
変形において、チャンネルはノズル先端アダプタの突出部の外周と液体チャンバの内壁との間で形成され、ノズル先端アダプタの供給ダクトはチャンネル内へ開口する。チャンネルの幅は0.25mm~1.0mmの間であり、供給ダクトは必要最低限の材料で形成される。
【0024】
さらなる改善された実施に関して、チャンネルと吸引ダクトは、液体チャンバの下流端部で合流する。
【0025】
本発明はさらに、液体を基板に供給するノズルを提供し、装置端部と排出端部とを有する本体を備えており、本体は、吸引ダクト、供給ダクト、供給ダクトの部分を形成する液体チャンバ、液体チャンバの直径より小さい直径を有し、排出端部にオリフィスを有し、望ましくは液体チャンバの下流端部で液体チャンバと流動的に接続される排出口、液体チャンバ内へ広がる突出部を備える。吸引ダクトは、突出部を介して広がり、液体チャンバの下流端部で液体チャンバ内へ開口し、排出口の上流で供給ダクトと合流する。吸引ダクトは、少なくとも一部が供給ダクトに囲まれる。
【0026】
供給ダクトは、突出部の軸長にわたって伸び、突出部の下流端部で開口していてもよい。このようにして、吸引ダクトと供給ダクトは可能な限り下流で合流する。
【0027】
本体と突出部とは、互いに動くことができないように固定される。特に、本体と突出部は単一部材として形成される。これによりノズルの扱いが簡略化される。
【0028】
例えば、主本体は、ノズルを基板処理装置に固定するために装置端部に装置突出部を備える。装置突出部はねじ山付けされていてもよい。この方法によって、ノズル先端アダプタは、ノズル先端と基板処理装置との間に簡単に実装され得る。装置突出部はねじ山付けされていてもよい。
【0029】
本発明の実施形態において、ノズルは、吸引ポートを、望ましくは本体の周囲表面又は装置端部に備えており、吸引ダクトは吸引ポートから始まっている。ノズルも同様に、供給ポートを、望ましくは周囲表面又は装置端部に有しており、供給ダクトは供給ポートから始まっている。周囲表面は本体の2つの端部の間に伸びる。供給ダクトは、装置突出部を介して広がり得る。さらに、吸引ポートは、ねじ山付け、又は、接続され得る。吸引ポートを提供することにより、ノズルから液漏れし得る、ノズル排出口の過剰液体を容易にそらすことができる。例えば、供給ポートは、装置端部に配置され、吸引ポートは、逆に周囲表面に配置される。さらに、吸引ポートと供給ポートは、本体の同一表面例えば、装置端部の周囲表面又は端面に配置されることもできる。
【0030】
変形において、突出部の下流端部とオリフィスとの間の距離は排出口の直径の少なくとも0.5倍である。例えば、その距離は、排出口の直径の最大5倍であり、望ましくはその直径の1~3倍である。このように、突出部の下流端部とオリフィスとの間の距離は、排出口の全液体を別のダクトに分注することを保証するのに十分小さい。
【0031】
改善された実施に関して、突出部内の排出口と吸引ダクトは、同軸である。
【0032】
別の実施形態において、チャンネルは、突出部の周囲と液体チャンバの内壁との間で形成される。チャンネルの幅は0.25mm~1.0mmであり得る。従って、チャンネルを提供するために必要なスペースは最小限にされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明のさらなる特徴と利点は、参考が示される以下の実施形態の詳細な説明と添付図から明らかになる。
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るノズル先端アダプタを有する、本発明の第1実施形態に係るノズル先端アセンブリの断面図を示す。
図2図2は、図1のノズル先端アダプタの断面図を示す。
図3図3は、図1のノズル先端アダプタのIII-III線にわたる、別の断面図を示す。
図4図4は、本発明の別の実施形態に係るノズルの断面図を示す。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係るノズル先端アダプタを有する、本発明に係る第2実施形態に係るノズル先端アセンブリの断面図を示す。
図6図6は、図5のノズル先端アダプタの断面図を示す。
図7図7は、図5のノズル先端アダプタのVII-VII線にわたる、別の断面図を示す。
図8図8は、本発明の別の実施形態に係るノズルの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0034】
図1は、ノズル先端アダプタ12とノズル先端14とを備えるノズルアセンブリ10を示す。
【0035】
ノズルアセンブリ10は、液体をウェハのような基板に分注するための基板処理装置内に実装され得る。基板処理装置は、ナノ加工及び/又はマイクロ加工用の装置であってもよい。
【0036】
ノズル先端14は、標準的なノズル先端であり、第1実施形態に示されるファンスプレーノズルのようなスプレーノズルである。
【0037】
ノズル先端アダプタ12もまた図2に示されており、例えば、プラスチック材料から作られるベース本体16を備える。ベース本体16はインジェクション成形又は3Dプリンタによって製造されてもよい。
【0038】
ベース本体16は、装置端部18と反対側の基板端部20、並びに、装置端部18と基板端部20との間に広がる周囲表面22を有する。液体は、装置端部18から基板端部20へ流れる。以下、「下流」方向は、装置端部18から基板端部20への方向及びノズル先端を介するさらなる方向を示すために使用される。従って、「上流」は、その反対の方向を示す。下流方向は、ノズル先端アダプタ12とノズル先端14との軸方向と一致する。
【0039】
装置端部18で、ベース本体16は、その径方向外側表面にねじ山付けされた装置突出部24を備えられる。
【0040】
基板端部20で、ノズル先端くぼみ26が、ねじ山付けされた壁を有するベース本体16内に形成される。
【0041】
装置突出部24の大きさとノズル先端くぼみ26の大きさは同じであり、これは、装置突出部24がノズル先端くぼみ26にねじって取り付けられることを意味する。その大きさは、標準基板処理装置又は標準ノズル先端14に合うように選定され得る。それゆえ、ノズル先端アダプタ12を基板処理装置とノズル先端との間で周知の装置に簡単に差し込むことができる。
【0042】
穴28は、装置突出部24を介して装置端部18からノズル先端くぼみ26へ、ベース本体16の長軸又は軸方向に広がる。
【0043】
穴28の上流端部、つまり、装置端部18での穴28の端部は、供給ポート29を形成する。供給ポート29は、ねじ山付けされる、又は、接続部のソケットであり得る。しかしながら、供給ポート29は、接続部のプラグ接続部の外側にねじ山付けする、又は、接続部のプラグ接続部を形成する、中空の突出部であってもよい。いずれの場合においても、供給ポート29は、基板処理装置と接続されるように構成される。
【0044】
装置突出部24を介して広がる穴28の隣接部は、供給ダクト36を形成する。
【0045】
さらに、ベース本体16は、一部が穴28内に伸び、ノズル先端くぼみ26内へベース本体16の軸方向に続く突出部30を備える。突出部30は、図3に示されるように、穴28の中央軸に沿って伸び、穴28の側壁で支持される。
【0046】
主本体16と突出部30は、単一部材として形成され、それゆえ、互いに動くことができないように固定される。
【0047】
突出部30は、ノズル先端くぼみ26を介して突出する針形状又は中空の針を有する。
【0048】
突出部30はさらに、完全にノズル先端くぼみ26を介して軸方向に伸び、下流端部を有するノズル先端くぼみ26から突出する。従って、突出部30の下流端部はノズル先端アダプタ12の最も下流部である。
【0049】
ベース本体16の周囲表面22、特に装置突出部24の下流に、吸引ポート32が設けられる。
【0050】
図示された実施形態において、吸引ポート32は、径方向内側に広がるくぼみとして形成される。くぼみはねじ山付けされる、又は、接続部のソケットであり得る。しかしながら、吸引ポート32は外側に接続部のプラグ接続部をねじ山付けする、又は、形成する中空の突出部であってもよい。いずれの場合でも、吸引ポート32は、配管等で真空ポンプ又は別の低圧源に接続されるように構成される。
【0051】
吸引ダクト34は、吸引ポート32から始まっている。吸引ダクト34は、完全に突出部30を介して下流方向に伸び、突出部30の下流端部で開口する。
【0052】
吸引ダクト34と突出部30の直径は、0.7mm~4.0mmであり得る。
【0053】
供給ダクト36は突出部30の領域において穴28の一部として形成される。
【0054】
供給ダクト36は、ノズル先端くぼみ26の上流端部でノズル先端くぼみ26に開口し、突出部30とそれゆえ吸引ダクト34を囲む。
【0055】
従って、吸引ダクト34と供給ダクト36とは互いに同軸である。
【0056】
図1~4に示す第1実施形態において、供給ポート29はベース本体16の装置端部18、例えば、装置端部18の端面に配置され、吸引ポート32はベース本体16の周囲表面22に配置される。
【0057】
ここで、図1に示されるようなノズル先端14に戻ると、ノズル先端14は、ノズル先端アダプタ12に面する接続端部46を有するノズル本体44と、ノズル先端14とノズルアセンブリ10との下流端部である排出端部48とを有する。
【0058】
ノズル本体44もまた、プラスチック材料から形成され、例えば、インジェクション成型又は3D印刷を使って製造され得る。
【0059】
ノズル本体44は、接続端部46で旋回し、ノズル先端アダプタ12のノズル先端くぼみ26に係合させられる固定突出部50を備える。このために、固定突出部50は、ねじ山を設けられ得る。
【0060】
液体チャンバは、接続端部46から固定突出部50へ下流に広がる。以下で排出口54と呼ばれる別のダクトは、液体チャンバ52の下流端部から排出端部48へ広がり、オリフィス56を形成しながら排出端部48で開口する。
【0061】
ノズル先端アダプタ12の吸引ダクト34と供給ダクト36とが同軸であるのと同様に、液体チャンバ52とオリフィス56とは同軸である。排出口54の直径は、液体チャンバ52の直径Dより小さいが、吸引ダクト34及び/又は突出部30の直径より大きくてもよい。
【0062】
ノズル先端14は、固定突出部50とノズル先端くぼみ26とを介してノズル先端アダプタ12と係合する。
【0063】
図1に示される係合位置において、ノズル先端アダプタ12の突出部30は、ノズル先端14の液体チャンバ52内へ広がる。
【0064】
その長さのため、突出部30は、液体チャンバ52の大部分を介して下流方向へ伸び、オリフィス56とノズル先端14の排出端部48とからの距離aで終端する。
【0065】
それゆえ、距離aは、突出部30と下流端部と、オリフィス56、つまり、ノズル先端の下流端部との間の距離であり、排出口54の直径の少なくとも0.5倍である。該距離aは、排出口の直径の最大5倍であり、望ましくは、排出口54の直径の1~3倍である。
【0066】
突出部30により、チャンネル58は突出部30の外壁と液体チャンバ52の内壁との間に形成される。
【0067】
それゆえ、チャンネル58は、突出部30周辺の環状のチャンネルであり、突出部30の外壁から液体チャンバ52の内壁までの幅wを有する。例えば、幅wは、0.25mm~1.0mmである。
【0068】
ノズル先端アダプタ12の供給ダクト36は液体チャンバ52の上流端部で液体チャンバ52内へ開口し、より正確には、供給ダクト36はチャンネル58内へ開口する。それゆえ、チャンネル58は供給ダクト36の延長部分のように見え得る。
【0069】
従って、吸引ダクト34と供給ダクト36とは共に、液体チャンバ52内へ開口する。突出部の長さのため、吸引ダクト34と供給ダクト36とは、液体チャンバ52の下流端部と突出部30の下流端部で合流する。
【0070】
作動中、ノズル先端アダプタ12は、ノズル先端アダプタ12の装置突出部24を介して基板処理装置(図示されていない)内へ実装される。そうすることで、ノズル先端アダプタ12の供給ポート29は、基板に分注される液体を運ぶ基板処理装置のチャンネルに接続される。
【0071】
基板は、ウェハのような非被覆基板又は既に被覆された基板であってもよい。液体は、現像液、溶媒、水若しくはその他の水溶液であってもよい。例えば、基板は露出した感光性樹脂で被覆されたウェハであり、液体は露出樹脂ようの現像液である。
【0072】
吸引ダクト34が真空にされ得るように、吸引ポート32は適切な配管によって真空ポンプのような低圧力源(図示されていない)に接続される。
【0073】
そして、液体は、決められた分注期間の長さの間付加される。液体は、基板処理装置から供給ポート29へ供給され、供給ダクト36を介して液体チャンバ52のチャンネル58へ流れ、液体がオリフィス56を介して基板(図示されていない)に向けて分注される排出口54を通って流れる。分注期間の間、低圧力源は非作動である。
【0074】
液体の供給が止まるとすぐ、つまり、分注期間の終了時又はその後直ぐ、低圧力源は作動させられる。従って、低圧力又は真空が吸引ポート32に適用される。
【0075】
真空を適用することで、排出口54と液体チャンバ52における液体残量は、吸引ダクト34内へ吸い込まれ、ノズル先端アダプタ12を介してノズル先端14から排出される。従って、潜在的に非制御形態で基板に液漏れし得る液体は、排出口54内に残らない。
【0076】
低圧力源は、ノズル先端アダプタ12を介して排出口54に向けて不必要に流れ得る液体をそらすために、液体が基板に分注しない期間の間、永久的に作動し得る。
【0077】
従って、突出部30の下流端、つまり吸引ダクト34と供給ダクト36が合流する点の間の距離が短いため、液漏れを確実に防ぐことができる。
【実施例2】
【0078】
図4図8は、図1に示されるノズル先端アダプタ12と実質的に同一である、本発明の異なる実施形態を示す。従って、同一部分又は、同一機能を有する部分は、同一数字を使用して参照され、異なる部分のみが以下に記載される。
【0079】
図4は、実質的にノズル先端アダプタ12の1ピース型であるノズル60を示す。
【0080】
ノズル60は、ノズル先端アダプタ12のベース本体16として理解される主本体62と、1ピースから作られたノズル先端14のノズル本体44とを有する。
【0081】
従って、主本体62は、明らかにノズル先端くぼみ26、固定突出部50、基板端部20及び接続端部46以外の、上述されたベース本体16とノズル本体44との全ての特徴を備える。当然、主本体62のみが、装置端部18と排出端部48とを備える。
【0082】
それゆえ、主本体62と突出部30は、互いに非可動なように固定される。特に、主本体62と突出部30とは、単一部材として形成される。
【0083】
さらに、液体チャンバ52は穴28の延長部である。
【0084】
主本体62もまた、プラスチック材料から作られ、例えば、射出成形又は3D印刷を使用して製造され得る。
【実施例3】
【0085】
図5図7は、ノズルアセンブリ10とノズル先端アダプタ12との別の実施形態を示す。
【0086】
図1図3に示される第1実施形態との差違において、吸引ポート32と供給ポート29との配置が交換されている。
【0087】
この実施形態において、突出部30は、穴28の内壁から始まっていないが、穴28の下流開口部のリムから伸びる。つまり、吸引ダクト34は穴28を伸張し、それゆえ、吸引ポート32は、装置端部18に配置される。
【0088】
供給ポート29はベース本体16の周囲表面22に配置される。供給ダクト36は、供給ポート29から径方向内側かつ突出部30周りに広がるくぼみ64として理解される。
【0089】
吸引ダクト34周りの環状のチャンネルは、既にノズル先端アダプタ12内にある供給ダクト36のくぼみ64によって形成される。
【0090】
供給ダクト36のくぼみ64は、下流方向へノズル先端くぼみ26内へ開口する。
【0091】
この実施形態において、ノズル先端14はプドルノズルである。しかしながら、第1実施形態におけるように、ファンスプレーノズルのようなスプレーノズルもまた逆にこの実施形態で使用され得る。さらに、別の標準的なノズル先端14もまた、ノズル先端アダプタ12とノズルアセンブリ10に適している。
【実施例4】
【0092】
図8は、図5図7に示されたノズルアセンブリ10の一部材版である本発明の別の実施形態を示す。
【0093】
図1図3のノズルアセンブリに関して、図4のノズルのように、図8のノズル60は、図4の実施形態に関して説明された例外を伴うベース本体16とノズル本体44とのほぼ全ての特徴を備える一部材の主本体62を有する。
【0094】
しかしながら、図8の実施形態のノズル60において、吸引ダクト34と供給ダクト36の構成は図5,6及び7の実施形態の構成に従う。
【0095】
さらに、両実施形態において、吸引ポート32と供給ポート29の両方は、ベース本体16の装置端部18に配置され得る。例えば、ポート29,32はともに、装置端部18の端面で実現され得る。ポート29,32の一方、例えば、吸引ポート32もまた、穴28の内側側面に配置されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8