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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】水路のライニング構造
(51)【国際特許分類】
   E02B 5/02 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
E02B5/02 Q
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018199628
(22)【出願日】2018-10-24
(65)【公開番号】P2020066903
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(73)【特許権者】
【識別番号】518377126
【氏名又は名称】ジャパンキャステリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100187827
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 雅則
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊則
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-278135(JP,A)
【文献】特開2003-293349(JP,A)
【文献】特開2014-134006(JP,A)
【文献】特開2015-178720(JP,A)
【文献】特開2012-246605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路の路床に形成された凹部(1)の中に配置される複数の架台(2)と、
前記架台(2)の上に配置される複数のライニング材(3)と、
前記凹部(1)内に充填された上で硬化する充填材(4)と、
を備え、前記架台(2)に、この架台(2)と隣り合う他の架台(2)との間の相対位置を決める位置決め部材(8)が設けられており、
前記位置決め部材(8)は、前記架台(2)の脚部(5)に対して突出して設けられた第一接続片(9a)と、前記他の架台(2)に臨むように前記第一接続片(9a)の先端側に傾斜して連設された第二接続片(9b)と、を有し、
前記他の架台(2)と前記位置決め部材(8)との間の当接によって前記架台(2)と前記他の架台(2)との間の傾斜角度を変化させた状態で位置決めした水路のライニング構造。
【請求項2】
前記ライニング材(3)が、板状の本体部(13)と、前記本体部(13)の下面から下向きに突出して設けられた脚部(14)とを有し、前記本体部(13)が前記架台(2)によって支持されるとともに、前記脚部(14)が前記充填材(4)に埋め込まれて固定される請求項1に記載の水路のライニング構造。
【請求項3】
前記架台(2)に基礎ボルト(16)が固定されており、この基礎ボルト(16)に前記ライニング材(3)が固定されている請求項1又は2に記載の水路のライニング構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水路の路床の新設や補修に用いられる水路のライニング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、図11に示す砂防ダムD等の水路においては、土砂を含む水によって、その水通し部Aや水叩き部B等の各部に摩耗が生じやすい。そこで、この摩耗を防止又は補修するために、水路の新設時や補修時に、耐摩耗性を有するライニング材が敷設されることがある。
【0003】
このライニング材のライニング構造として、例えば下記特許文献1に示すものがある。このライニング構造は、水路の路床に設けた凹部に架台を固定し、その架台にライニング材本体とその裏面に設けたつば付きの脚部とからなる多数のライニング材を配列し、凹部とライニング材との間にコンクリートを充填し、ライニング材の脚部をコンクリートで固定することによって構成される(本文献の段落0008等参照)。このライニング材は、架台によって位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3708890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係るライニング構造においては、各架台の設置高さや角度等の位置決めは、作業現場での測量に基づく墨出しによって行うのが一般的である。この墨出しによるレベル出しは、構造物における代表的な部位(例えば、構造物の端部や中央部分)のみで行われるのが通常である。そして、各架台を並べる過程で、各架台の位置やレベルの調整が行なわれる。
【0006】
この場合、特許文献1の図6等に示すように凹部の底面が平坦部のときは、各架台の調整は比較的容易であるのに対して、河床の傾斜が連続的に変わる部位や、河床が屈曲(カーブ)した部位においては、架台の上に設けたライニング材同士が重なったり、隙間が空きすぎたりするのを防止するために、架台の位置、角度、レベル等の微調整が必要となる。場合によっては、ライニング材を架台に設置した状態で架台の位置等が正しいかどうかを確認した上で、一旦ライニング材を取り外し、架台をその位置に固定するといった作業が必要となり、施工の際に非常に大きな手間を要する問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、ライニング材を支持する架台の位置決めを容易に行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明は、水路の路床に形成された凹部の中に配置される複数の架台と、前記架台の上に配置される複数のライニング材と、前記凹部内に充填された上で硬化する充填材と、を備え、前記架台に、この架台と隣り合う他の部材との間の相対位置を決める位置決め部材が設けられており、前記他の部材と前記位置決め部材との間の当接によって前記架台を位置決めした水路のライニング構造を構成した。
【0009】
このようにすると、凹部底面や水路の形状にかかわらず、複数の架台を適切な位置関係で設けることができ、この架台の上に設けたライニング材同士が重なったり、隙間が空きすぎたりするのを確実に防止することができる。位置決め部材の当接部位は任意であって、隣り合う架台や、その架台に設けられた位置決め部材の他に、凹部内に埋め込まれたアンカー、コンクリート壁、スクリーン等の既設構造物等とすることができる。
【0010】
前記構成においては、前記ライニング材が、板状の本体部と、前記本体部の下面から下向きに突出して設けられた脚部とを有し、前記本体部が前記架台によって支持されるとともに、前記脚部が前記充填材に埋め込まれて固定される構成とすることができる。
【0011】
このようにすると、硬化した充填材によって脚部が強固に固定されるため、施工後のライニング材のずれを確実に防止することができる。
【0012】
前記各構成においては、前記架台に基礎ボルトが固定されており、この基礎ボルトに前記ライニング材が固定されている構成とすることができる。
【0013】
このようにすると、基礎ボルトへのナットの締付けによって、ライニング材を容易かつ確実に架台に固定することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によると、凹部底面や水路の形状にかかわらず、複数の架台を適切な位置関係で設けることができ、この架台の上に設けたライニング材同士が重なったり、隙間が空きすぎたりするのを確実に防止することができる。位置決め部材の当接部位は任意であって、隣り合う架台や、その架台に設けられた位置決め部材の他に、凹部内に埋め込まれたアンカー、コンクリート壁、スクリーン等の既設構造物等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明に係る水路のライニング構造の第一実施形態を示す正面図
図2図1の要部を示す拡大図
図3図1のライニング構造の一部の分解斜視図
図4】ライニング構造の設置例を示す平面図
図5】この発明に係る水路のライニング構造の第二実施形態を示す側面図
図6】架台(水平架台)を示す斜視図
図7】この発明に係る水路のライニング構造の第三実施形態を示す斜視図
図8】この発明に係る水路のライニング構造の第四実施形態を示す側面図
図9図8の要部を示す側面図
図10図9中のX-X線方向からの矢視図
図11】砂防ダムの一例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び図2にこの発明に係る水路のライニング構造の第一実施形態を示す。この図1及び図2は、水路の流れ方向に対する垂直な面で切った断面図であり、各図中のW、Wは水路の幅方向の左右側壁を示す。この水路のライニング構造は、水路の路床の新設や補修に用いられ、水路の路床に形成された凹部1の中に配置される複数の架台2と、この架台2の上に配置される複数のライニング材3と、凹部1内に充填された上で硬化する充填材4を主要な構成要素としている。
【0017】
凹部1は、水路の新設の際には、この凹部1の形状に対応した型枠等を用いて形成され、水路の補修の際には、老朽化した路床に対して斫り工事を行うことによって形成される。この凹部1の深さdは適宜決められるが、数十センチメートル程度とされることが多い。
【0018】
図1等に示すライニング構造に用いられる架台2とライニング材3の一例を図3に示す。
【0019】
架台2は、この架台2の長手方向(水路の流れ方向)に沿って2列に配置された複数の脚部5と、2列に配置された複数の脚部5の上端部を連結する一対の横部材6と、一対の横部材6同士を連結する複数の縦部材7と、2列に配置された複数の脚部5のうち一方の列の脚部5に設けられた位置決め部材8と、を有している。脚部5、横部材6、縦部材7、及び、位置決め部材8は、いずれも鋼材からなる。脚部5と横部材6の間、横部材6と縦部材7の間、及び、脚部5と位置決め部材8の間は、それぞれ溶接によって固定されている。一対の横部材6と複数の縦部材7によって、架台の上面には複数の正方形状の格子が形成されている。
【0020】
位置決め部材8は、各脚部5から垂直に突出して設けられた複数の接続片9と、各接続片9を連結する当接部10とから構成される。接続片9と当接部10は、溶接によって固定されている。当接部10は、横部材6と平行に配置された長尺板状の部材(フラットバー)である。この位置決め部材8は、隣り合う架台2の脚部5に当接するように配置されている。なお、位置決め部材8の形状は任意であって、L形鋼等の鉤形の部材や、コ字形鋼、H形鋼、T形鋼等の種々の形状の鋼材を施工のしやすさ等の事情を考慮して適宜選択することができる。また、隣り合う架台2等との間の位置決めを行い得る限りにおいて、短尺の部材を当接部10として採用することもできる。
【0021】
この架台2は、図2等に示すように、所定位置への設置後に、予め凹部1内に設けられたアンカーボルト11との間に配置された条鋼12を溶接することによって固定される。これによって、各架台2の凹部1内における位置が確定する。
【0022】
位置決め部材8の形状や、脚部5への取付け位置は、事前に行なわれる凹部1の形状の測定結果に基づいて決められる。例えば、図1に示すように、水路の断面形状がその幅方向に亘って湾曲している場合は、隣り合う架台2の設置角度をその幅方向に沿って少しずつ変化させる必要がある。そこで、隣り合う架台2の脚部5の相対角度が、水路の湾曲に対応するように、位置決め部材8の形状や、脚部5への取付け位置が決められる。この位置決め部材8は、架台2の製造工場で予め取り付けられるので、現場での調整作業が不要である。このため、現場での架台2の設置作業をスムーズに行うことができる。
【0023】
この位置決め部材8が当接する隣り合う架台2の脚部5に、当接位置を示すマーキングを付しておくのが好ましい。このようにすると、このマーキングを目安として架台2を配置することができるため、架台2の設置作業を一層スムーズに行うことができる。
【0024】
この実施形態においては、位置決め部材8を架台2の脚部5に設けた構成としたが、架台2の枠部(横部材6や縦部材7)に位置決め部材8を設けた構成とすることもできる。また、例えば、脚部5の一部を隣り合う架台2に向けて突出した形状とすることによって、この位置決め部材8を架台2の構成部材の一部とすることができ、省スペース化、軽量化、部材コストの削減等を図ることができる可能性がある。
【0025】
ライニング材3は、板状の本体部13と、本体部13の下面から下向きに突出して設けられた脚部14と、を有している。本体部13と脚部14は、溶接によって固定されている。本体部13は、耐摩耗性鋳鋼、脚部14は鋼材からなる。図3においては正方形の本体部13を示したが、本体部13の形状は、長方形、台形、又は、これらの一部を切り欠いた形状等(例えば図4参照)のように、水路の側壁Wの形状に合わせて適宜変更することができる。なお、鋳造等によって、本体部13と脚部14を一体に形成することもできる。
【0026】
脚部14は、本体部13の四隅近傍に四本設けられている。脚部14の下端には、つば部15が設けられている。この脚部14は、凹部1内に充填された充填材4に埋め込まれるが、つば部15を形成することにより、充填材4に埋め込まれた脚部14の耐引き抜き強度を向上することができる。なお、脚部14の位置や本数は、本体部13の形状や大きさ等に対応して適宜変更することができる。
【0027】
この実施形態においては、ライニング材3の脚部14の長さは、架台2の脚部5の長さよりも短く、ライニング材3の脚部14が凹部1の底面に当接しない構成としたが(図2等参照)、ライニング材3の脚部14が凹部1の底面によって支えられるように、その脚部14の長さを延長してもよい。
【0028】
この実施形態においては、充填材4としてセメントを採用している。この充填材4は、図1中等に示すLの位置まで充填される。充填材4をこの深さまで充填することによって、硬化した充填材4によって、ライニング材3の脚部14を安定的に保持することができる。
【0029】
このライニング構造の施工に際しては、まず、凹部1内に複数の架台2を順に配列する。このとき、架台2に設けられた位置決め部材8を、隣り合う架台2の脚部5等の所定位置に当接させる。これにより、複数の架台2をスムーズに所定位置に配置することができる。この配置後に、各架台2を条鋼12によってアンカーボルト11に固定する。
【0030】
次に、架台2の上面に形成された格子に、複数のライニング材3を順に設ける。このライニング材3の位置は架台2の設置位置によって決まる。この施工においては、各架台2が、正確に所定位置に設置されているため、複数のライニング材3に重なりが生じたり、大きな隙間が生じたりすることなくスムーズに配置することができる。このとき、一部のライニング材3の設置を一旦保留し、そのライニング材3を設けるための格子状の穴から、凹部1内に充填材4を所定量充填する。そして、その充填材4が硬化する前に、設置を一旦保留したライニング材3を所定位置に設ける。そして、この充填材4が硬化したら、水路のライニング構造が完成する。
【0031】
この実施形態においては、位置決め部材8を隣り合う架台2の脚部5に当接させる構成としたが、凹部1内に設けたアンカーボルト11、砂防ダムD等のコンクリート壁、水路中に設けられるスクリーン等の既設構造物に当接させることもできる。例えば、図4に平面視で示すように、河床面が曲がっている場合は、この河床面の側壁Wとなるコンクリート壁に位置決め部材8を当接させることにより、架台2を正確に位置決めすることができる。
【0032】
また、隣り合う架台2のそれぞれに設けられた位置決め部材8同士を当接させる構成としてもよい。この場合、位置決め部材8同士を溶接やねじによって固定することもできる。このようにすれば、架台2同士の位置ずれを確実に防止することができる。
【0033】
図5に、この発明に係る水路のライニング構造の第二実施形態を示す。この水路の流れ方向は、本図中の矢印fで示した方向である。このライニング構造の基本的な構成は第一実施形態に係るライニング構造と共通し、例えば、砂防ダムD(図11参照)の水通し部Aから水叩き部Bに至る途中の水路の傾斜角度が変化する箇所に設けられる。なお、第一実施形態と共通する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0034】
水路の傾斜部に配置される架台2(以下、傾斜架台2aという。)の脚部5の上流側には、位置決め部材8が設けられている。この位置決め部材8は、脚部5に対してほぼ垂直に突出して設けられた複数の第一接続片9aと、各第一接続片9aの先端側に連設された第二接続片9bと、各第二接続片9bを連結する当接部10とから構成される。当接部10は、水路の流れ方向fに対して直交して設けられた長尺板状の部材である。なお、この実施形態においては、脚部5の上流側に位置決め部材8を設けた構成としたが、脚部5の下流側、又は、上流側と下流側の両方に位置決め部材8を設けた構成とすることもできる。
【0035】
水路の水平部に配置される架台2(以下、水平架台2bという。)は、例えば図6に示すように、この水平架台2bの長手方向(流れ方向fと直交する方向)に沿って2列に配置された複数の脚部5と、2列に配置された複数の脚部5の上端部を連結する一対の横部材6と、一対の横部材6同士を連結する複数の第一縦部材7aと、前記一対の横部材6のうちの一方の横部材6から、第一縦部材7aと互い違いに水平に突出して設けられる第二縦部材7bと、を有する。脚部5と横部材6の間、横部材6と第一縦部材7a及び第二縦部材7bの間は、溶接によって固定されている。水平架台2bの上流側の脚部5には、位置決め部材8が設けられている。
【0036】
傾斜架台2aに設けられた位置決め部材8の当接部10は、水平架台2bの脚部5に当接している。また、水平架台2bに設けられた位置決め部材8の当接部10は、砂防ダムD(図11参照)等の既設構造物のコンクリート壁に当接している。これらの当接によって、傾斜架台2aと水平架台2bとの間、及び、水平架台2bと砂防ダムD等の既設構造物との間で正確に位置決めされるため、両架台2a、2bの上に設けたライニング材3に重なりが生じたり、大きな隙間が生じたりするのを確実に防止することができる。
【0037】
図7に、この発明に係る水路のライニング構造の第三実施形態を示す。このライニング構造が採用される水路の流れ方向は、本図中の矢印fで示した方向である。この第三実施形態に係る架台2は、この架台2の長手方向(流れ方向fと直交する方向)に沿って、上下に対をなすとともに流れ方向fに間隔を空けて配置された複数の横部材6と、横部材6と直交するように上下に対をなすとともに前記長手方向に間隔を空けて配置された複数の縦部材7と、横部材6に設けられたL字形をなし上端に雄ねじが形成された基礎ボルト16と、横部材6から水平方向に突出して設けられた位置決め部材8と、を有する。横部材6と縦部材7の間、横部材6と基礎ボルト16の間、及び、横部材6と位置決め部材8の間は、溶接によって固定されている。
【0038】
また、第三実施形態に係るライニング材3は、正方形平板状の本体部13を有する。この本体部13には、架台2の基礎ボルト16を挿通するためのボルト17孔が複数箇所に形成されている。この基礎ボルト16にナット18(本実施形態では、本体部13の上下から2個のナット18)をねじ込むことによって、架台2に本体部13を確実に固定することができる。ライニング材3の形状は正方形に限定されず、図7中に示すように(ライニング材3’参照)、長方形とすることもできる。
【0039】
図8から図10に、この発明に係る水路のライニング構造の第四実施形態を示す。この第四実施形態に係るライニング構造は、例えば、砂防ダムD(図11参照)の水通し部Aから水叩き部Bに至る途中の水路の傾斜角度が変化する箇所に設けられる点で第二実施形態に係るものと同様であるが、水路の傾斜角度が変化する箇所に設けられるライニング材3を、第三実施形態に係るライニング構造と同様に、基礎ボルト16にねじ込まれるナット18によって固定する点で異なっている。
【0040】
第四実施形態においては、水路の流れ方向fに直交する複数の横部材6と、この横部材6に設けられた複数の基礎ボルト16と、によって架台2が形成されている。そして、この架台2を構成する横部材6に、位置決め部材8が設けられている。位置決め部材8の構成は、第二実施形態に係るものと同様である。横部材6と基礎ボルト16の間、及び、横部材6と位置決め部材8の間は、溶接によって固定されている。
【0041】
上記の各実施形態において説明した水路のライニング構造は全ての点で例示であって、ライニング材3を支持する架台2の位置決めを容易に行う、というこの発明の課題を解決し得る限りにおいて、各構成部材の形状、個数、配置等、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 凹部
2 架台
2a 傾斜架台
2b 水平架台
3 ライニング材
4 充填材
5 (架台の)脚部
6 横部材
7 縦部材
8 位置決め部材
9 接続片
9a 第一接続片
9b 第二接続片
10 当接部
11 アンカーボルト
12 条鋼
13 本体部
14 (ライニング材の)脚部
15 つば部
16 基礎ボルト
17 ボルト孔
18 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11