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特許7209539組付適否判定装置、方法、プログラム、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】組付適否判定装置、方法、プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B05B 3/10 20060101AFI20230113BHJP
   B05B 5/025 20060101ALI20230113BHJP
   B05B 5/04 20060101ALI20230113BHJP
   B05B 15/00 20180101ALI20230113BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
B05B3/10 B
B05B5/025 F
B05B5/04 A
B05B15/00
B05D3/00 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018529399
(86)(22)【出願日】2017-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2017020499
(87)【国際公開番号】W WO2018020832
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2019-11-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2016148574
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519190746
【氏名又は名称】エービービー シュヴァイツ エージー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 6, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔
(74)【代理人】
【識別番号】100113354
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 総
(72)【発明者】
【氏名】北川 昌明
(72)【発明者】
【氏名】フーベ ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス ホセ
【合議体】
【審判長】門前 浩一
【審判官】関根 裕
【審判官】東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-235862号公報(JP,A)
【文献】特開2009-44094号公報(JP,A)
【文献】特開2008-47782号公報(JP,A)
【文献】国際公開第2015/063880(WO,A1)
【文献】特開2006-198774号公報(JP,A)
【文献】特開2006-293659(JP,A)
【文献】特開平11-231734号公報(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0053787号明細書(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0259290号明細書(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00-9/08
B05D1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定装置であって、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録部と、
前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録部の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定部と、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって、かつては前記部品の組み付けに適していたが現時点では適していないものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する過去組付適合情報記録部と、
を備え、
前記組付適否判定部は、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記過去組付適合情報記録部の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定し、
前記組み付けの適否の判定は、組み付けに適していないもののかつては適していたとの判定を含む、
組付適否判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の組付適否判定装置であって、
前記部品および前記装置側部品は、前記部品を特定する部品情報を記録する部品情報記録部を有し、
前記部品情報が、無線通信により、前記部品情報記録部から前記組付適否判定装置に与えられる、
組付適否判定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の組付適否判定装置であって、
前記部品は、回転霧化頭である、
組付適否判定装置。
【請求項4】
部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定方法であって、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録工程と、
前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定工程と、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって、かつては前記部品の組み付けに適していたが現時点では適していないものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する過去組付適合情報記録工程と、
を備え、
前記組付適否判定工程は、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記過去組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定し、
前記組み付けの適否の判定は、組み付けに適していないもののかつては適していたとの判定を含む、
組付適否判定方法。
【請求項5】
部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記組付適否判定処理は、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録工程と、
前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定工程と、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって、かつては前記部品の組み付けに適していたが現時点では適していないものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する過去組付適合情報記録工程と、
を備え、
前記組付適否判定工程は、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記過去組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定し、
前記組み付けの適否の判定は、組み付けに適していないもののかつては適していたとの判定を含む、
プログラム。
【請求項6】
部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記組付適否判定処理は、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録工程と、
前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定工程と、
前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって、かつては前記部品の組み付けに適していたが現時点では適していないものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する過去組付適合情報記録工程と、
を備え、
前記組付適否判定工程は、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記過去組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定し、
前記組み付けの適否の判定は、組み付けに適していないもののかつては適していたとの判定を含む、
記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装装置への部品の組み付けに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エアモータにより回転霧化頭を回転させる塗装装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。回転霧化頭は、塗装装置に組み付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-192022号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、回転霧化頭には色々な型式のものがあり、組み付ける対象である塗装装置に適した型式のものを組み付けなければならない。不適切な型式の回転霧化頭は、たとえ塗装装置に組み付けられたとしても、塗装不良を引き起こしたりする恐れがある。なお、このような問題は、回転霧化頭に限らず、他の部品の塗装装置への組み付けの際にも生じる恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、ある部品の塗装装置への組み付けの適否の判定を課題とする。
【0006】
本発明にかかる組付適否判定装置は、部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定装置であって、前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録部と、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録部の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定部とを備えるように構成される。
【0007】
上記のように構成された組付適否判定装置によれば、部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定装置が提供される。組付適合情報記録部は、前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する。組付適否判定部は、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録部の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する。
【0008】
なお、本発明にかかる組付適否判定装置は、前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって、かつては前記部品の組み付けに適していたが現時点では適していないものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する過去組付適合情報記録部を備え、前記組付適否判定部は、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記過去組付適合情報記録部の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定するようにしてもよい。
【0009】
なお、本発明にかかる組付適否判定装置は、前記部品および前記装置側部品は、前記部品を特定する部品情報を記録する部品情報記録部を有し、前記部品情報が、無線通信により、前記部品情報記録部から前記組付適否判定装置に与えられるようにしてもよい。
【0010】
なお、本発明にかかる組付適否判定装置は、前記部品は、回転霧化頭であるようにしてもよい。
【0011】
本発明は、部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定方法であって、前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録工程と、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定工程とを備えた組付適否判定方法である。
【0012】
本発明は、部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記組付適否判定処理は、前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録工程と、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定工程とを備えたプログラムである。
【0013】
本発明は、部品の塗装装置への組み付けの適否を判定する組付適否判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記組付適否判定処理は、前記部品の型式を示す型式情報と、前記塗装装置において該部品を受ける装置側部品であって前記部品の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する組付適合情報記録工程と、前記部品の型式情報と、前記装置側部品の型式情報と、前記組付適合情報記録工程の記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する組付適否判定工程とを備えた記録媒体である。
【0014】
なお、部品および装置側部品の表面の刻印またはネームプレートに部品番号を記録していたとすれば、表面の塗料等による汚れ等により、部品番号の視認が困難になるという問題がある。しかし、本発明は、部品を備えた塗装装置であって、前記部品が前記部品を特定する部品情報を無線通信により読み出し可能なように記録する部品情報記録部を有するようにしてもよいので、表面の塗料等による汚れ等に関わらず、部品情報を無線通信により読み出し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態にかかる塗装装置および組付適否判定装置12の正面図である。
図2】組付適否判定装置12の構成を示す機能ブロック図である。
図3】型番記録部12aの記録内容の一例である。
図4】組付適合型番記録部12cの記録内容の一例である。
図5】過去組付適合型番記録部12eの記録内容の一例である。
図6】型番記録部12a、組付適合型番記録部12cおよび過去組付適合型番記録部12eを、一体化した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態にかかる塗装装置および組付適否判定装置12の正面図である。塗装装置は、SAリング2、ボディユニット5を有する。塗装装置のSAリング2には、回転霧化頭1が組み付けられる。SAリング2は、塗装装置において回転霧化頭1を受ける装置側部品である。回転霧化頭1は、高速回転し、図示省略した塗料供給源より供給された塗料を微粒化噴霧するものである。SAリング2は、噴霧された塗料粒子に指向性を与えるためのものである。ボディユニット5は、SAリング2が取り付けられており、塗装装置の図示省略した周知の色々な部品(例えば、エアモータ、バルブおよび昇圧器など)を収納している。
【0018】
回転霧化頭(部品)1およびSAリング(装置側部品)2は、それぞれ、部品を特定する部品情報を記録する部品情報記録部1a、2aを有する。なお、本実施形態においては、部品情報は部品番号であり、部品情報記録部1aおよび2aはICタグである。
【0019】
なお、塗装装置のボディユニット5および図示省略した周知の色々な部品が、塗装装置に組み付けられる部品または装置側部品となり、部品情報記録部(例えば、ICタグ)を有するようにしてもよい。
【0020】
ICタグリーダ10は、部品情報記録部1a、2aから部品番号を無線通信(例えば、電波によるものである。以下同様。)により読み出し、読み出した部品番号を組付適否判定装置12へ無線通信により与える。
【0021】
なお、部品番号を無線通信により読み出し組付適否判定装置12へ与えるのであれば、部品情報記録部1a、2aはICタグに限らず、例えば、コイルとしてもよい。この場合、ICタグリーダ10にかえて、何らかの磁場を発生するものにより、部品情報記録部1a、2aから部品番号を読み出す。
【0022】
なお、無線通信により部品情報記録部1a、2aを読み出すため、たとえ塗料等による汚れにより回転霧化頭(部品)1およびSAリング(装置側部品)2の表面が汚れていても、読出し可能である。もし仮に、回転霧化頭(部品)1およびSAリング(装置側部品)2の表面の刻印またはネームプレートに部品番号を記録していたとすれば、表面の塗料等による汚れにより、部品番号の視認が困難になることとは好対照である。
【0023】
図2は、組付適否判定装置12の構成を示す機能ブロック図である。組付適否判定装置12は、回転霧化頭(部品)1の塗装装置(のSAリング2)への組み付けの適否を判定する。組付適否判定装置12は、型番記録部12a、組付部品型番読出部12b、組付適合型番記録部12c、組付適合型番読出部12d、過去組付適合型番記録部12e、過去組付適合型番読出部12f、装置側部品型番読出部12g、組付適否判定部12hを備える。
【0024】
型番記録部12aは、回転霧化頭(部品)1およびSAリング(装置側部品)2の部品番号と、型式情報の一種である型式番号と、部品名称とを対応付けて記録する。型式情報は、部品の型式を示すものである。型式番号は、部品の型式を示す番号であり、型式が共通する部品は同じ型式番号を有する。
【0025】
図3は、型番記録部12aの記録内容の一例である。回転霧化頭(部品)1が一種類、SAリング(装置側部品)2が四種類記録されている。なお、部品名称は、必ずしも記録されている必要は無い。
【0026】
組付部品型番読出部12bは、回転霧化頭(部品)1の部品番号を、ICタグリーダ10を介して、部品情報記録部1aから受ける。さらに、組付部品型番読出部12bは、回転霧化頭(部品)1の部品番号に対応づけられた型式番号を型番記録部12aから読み出して、組付適合型番読出部12dおよび過去組付適合型番読出部12fに与える。
【0027】
装置側部品型番読出部12gは、SAリング(装置側部品)2の部品番号を、ICタグリーダ10を介して、部品情報記録部2aから受ける。さらに、装置側部品型番読出部12gは、SAリング(装置側部品)2の部品番号に対応づけられた型式番号を型番記録部12aから読み出して、組付適否判定部12hに与える。
【0028】
組付適合型番記録部12cは、回転霧化頭(部品)1の型式情報と、SAリング(装置側部品)2であって回転霧化頭(部品)1の組み付けに適したものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する。
【0029】
図4は、組付適合型番記録部12cの記録内容の一例である。回転霧化頭(部品)1の型番と、その組み付けに適したSAリング(装置側部品)2の型番(組付適合型番)とが記録されている。
【0030】
組付適合型番読出部12dは、回転霧化頭(部品)1の型番を組付部品型番読出部12bから受け、その型番に対応付けられたSAリング(装置側部品)2の型式情報(組付適合型番)を組付適合型番記録部12cから読み出す。
【0031】
過去組付適合型番記録部12eは、回転霧化頭(部品)1の型式情報と、SAリング(装置側部品)2であって、かつては回転霧化頭(部品)1の組み付けに適していたが現時点では適していないものの型式を示す型式情報とを対応付けて記録する。
【0032】
図5は、過去組付適合型番記録部12eの記録内容の一例である。回転霧化頭(部品)1の型番と、その組み付けにかつては適していたが現時点では適していないSAリング(装置側部品)2の型番(過去組付適合型番)とが記録されている。
【0033】
過去組付適合型番読出部12fは、回転霧化頭(部品)1の型番を組付部品型番読出部12bから受け、その型番に対応付けられたSAリング(装置側部品)2の型式情報(過去組付適合型番)を過去組付適合型番記録部12eから読み出す。
【0034】
組付適否判定部12hは、回転霧化頭(部品)1の型番と、SAリング(装置側部品)2の型番と、組付適合型番記録部12cの記録内容と、過去組付適合型番記録部12eの記録内容とに基づき、組み付けの適否を判定する。
【0035】
例えば、本実施形態においては、
(1)組付適合型番読出部12dが、回転霧化頭(部品)1の型番と組付適合型番記録部12cの記録内容とに基づき、組付適合型番を読み出して、組付適否判定部12hに与え、
(2)過去組付適合型番読出部12fが、回転霧化頭(部品)1の型番と過去組付適合型番記録部12eの記録内容とに基づき、過去組付適合型番を読み出して、組付適否判定部12hに与え、
(3)装置側部品型番読出部12gが、SAリング(装置側部品)2の型番を組付適否判定部12hに与え、
(4)組付適否判定部12hが、SAリング(装置側部品)2の型番が、組付適合型番または過去組付適合型番に合致するか否かに基づき、組み付けの適否を判定する。
【0036】
SAリング(装置側部品)2の型番が、(組付適合型番記録部12cに記録された)組付適合型番に合致すれば、回転霧化頭(部品)1が組み付けに適していると判定する。さもなければ、回転霧化頭(部品)1が組み付けに適していないと判定する。ただし、SAリング(装置側部品)2の型番が、(過去組付適合型番記録部12eに記録された)過去組付適合型番に合致すれば、回転霧化頭(部品)1が組み付けに適していないものの、かつては適していたと判定する。
【0037】
なお、型番記録部12a、組付適合型番記録部12cおよび過去組付適合型番記録部12eは、一体化することができる。図6は、型番記録部12a、組付適合型番記録部12cおよび過去組付適合型番記録部12eを、一体化した例を示す図である。
【0038】
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
【0039】
まず、ICタグリーダ10は、SAリング(装置側部品)2の部品情報記録部2aから部品番号を読出し、組付適否判定装置12に与える。
【0040】
組付適否判定装置12の装置側部品型番読出部12gは、SAリング(装置側部品)2の部品番号に対応づけられた型式番号を型番記録部12aから読み出して、組付適否判定部12hに与える。
【0041】
図3の例を参照し、SAリング(装置側部品)2の部品番号が(1)01fdまたは01feの場合、(2)02ffの場合、(3)0203の場合がある。
【0042】
(1)SAリング2の部品番号が01fdまたは01feの場合は、SAリング2の型番は、RB001-SA002またはRB001-SA003(組付適合型番)となる。(2)SAリング2の部品番号が02ffの場合は、SAリング2の型番は、RB001-SA001(過去組付適合型番)となる。(3)SAリング2の部品番号が0203の場合は、SAリング2の型番は、EXT001-SA005となる。
【0043】
次に、ICタグリーダ10は、回転霧化頭(部品)1の部品情報記録部1aから部品番号を読出し、組付適否判定装置12に与える。組付適否判定装置12の組付部品型番読出部12bは、回転霧化頭(部品)1の部品番号に対応づけられた型式番号を型番記録部12aから読み出して、組付適合型番読出部12dおよび過去組付適合型番読出部12fに与える。
【0044】
ここで、図3の例を参照し、回転霧化頭(部品)1の部品番号は、01fcであるとする。すると、回転霧化頭(部品)1の型番RB001-BC002が、組付適合型番読出部12dおよび過去組付適合型番読出部12fに与えられる。
【0045】
ここで、図4を参照し、組付適合型番読出部12dが、組付適合型番記録部12cから、回転霧化頭(部品)1の型番RB001-BC002に対応する組付適合型番RB001-SA002およびRB001-SA003を読み出して、組付適否判定部12hに与える。
【0046】
さらに、図5を参照し、過去組付適合型番読出部12fが、過去組付適合型番記録部12eから、回転霧化頭(部品)1の型番RB001-BC002に対応する過去組付適合型番RB001-SA001を読み出して、組付適否判定部12hに与える。
【0047】
ここで、SAリング2の型番により、組付適否判定部12hの動作が異なるので、以下に場合分けして説明する。
【0048】
(1)SAリング2の型番がRB001-SA002またはRB001-SA003の場合
SAリング2の型番が組付適合型番であるので、組付適否判定部12hは回転霧化頭(部品)1が組み付けに適していると判定する。
【0049】
(2)SAリング2の型番がRB001-SA001の場合
SAリング2の型番が組付適合型番ではないので、組付適否判定部12hは回転霧化頭(部品)1が組み付けに適していないと判定する。ただし、SAリング2の型番が過去組付適合型番であるので、回転霧化頭(部品)1が組み付けに適していないものの、かつては適していたと判定する。
【0050】
回転霧化頭1がSAリング2への組み付けに、かつては適していた場合は、現時点でも組み付けられないわけではないことが多いが、それでも、塗装に最適というわけではなく、塗装不良を引き起こすことにもなりかねない。しかし、組み付け可能なことが多いため、塗装に最適ではないということが、塗装装置のユーザになかなか理解してもらえないことが多い。そこで、(組み付けに適していないものの)「かつては適していた」と判定することで、組み付け可能であっても、塗装に最適というわけではないということを、塗装装置のユーザに理解しやすくすることができる。
【0051】
(3)SAリング2の型番がEXT001-SA005の場合
SAリング2の型番が組付適合型番ではないので、組付適否判定部12hは回転霧化頭(部品)1が組み付けに適していないと判定する。しかも、SAリング2の型番が過去組付適合型番でもないので、組付適否判定部12hは、単に組み付けに適していないと判定する。
【0052】
さらに、図2における記録部12a、12cおよび12eを、組付適否判定装置12とは別の遠隔データセンタに設け、組付適否判定装置12と、記録部12a、12cおよび12eとの情報のやりとりはインターネットを介するような構成にしても良い。
【0053】
本発明の実施形態によれば、ある部品の塗装装置への組み付けの適否を判定できる。
【0054】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、組付適否判定装置12の各部分を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【0055】
1 回転霧化頭
2 SAリング
1a、2a 部品情報記録部
5 ボディユニット
10 ICタグリーダ
12 組付適否判定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6