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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20230113BHJP
   A61L 9/18 20060101ALI20230113BHJP
   F24F 3/16 20210101ALI20230113BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/18
F24F3/16
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019063773
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020162654
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山田 慶太郎
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-126227(JP,A)
【文献】特開2005-198846(JP,A)
【文献】特開2004-305436(JP,A)
【文献】特開2016-152899(JP,A)
【文献】特開2001-305220(JP,A)
【文献】特開2017-161110(JP,A)
【文献】特開2009-078058(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0124646(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1807192(KR,B1)
【文献】特表2019-504278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
F24F 7/003
F24F 3/16
F24F 8/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
光触媒を含むフィルターと、
風を生成する送風部と、
前記光源から発せられた光を案内する第1レンズと
を備え、
前記フィルターは、軸方向の一端側に設けられた第1開口部と、前記一端側の反対側であって前記軸方向の他端側に設けられた第2開口部とを有する筒状であり、
前記光源は、前記第2開口部に配置され、前記フィルターの内部に光を照射し、
前記第1レンズは、前記第2開口部に配置され、前記光源から照射された照射光が屈折された屈折光が透過し、
前記第1開口部に配置され、前記屈折光が反射光として反射する第2案内部材をさらに備え
前記送風部は、前記第1開口部に配置され、前記フィルターを通過した風を前記第1開口部へ吸気
前記屈折光および前記反射光は、前記フィルターの前記軸方向の中央部から前記第1開口部寄りの所定領域に照射する、空気清浄機。
【請求項2】
前記請求項1に記載の空気清浄機と、
空気にイオンを供給するイオン供給部と
を備えるイオン発生装置。
【請求項3】
前記第2開口部側に外部の空気を吸入する吸気口を有し、
前記第1開口部側に前記フィルターを通過した風を外部に放出する吹出口を有する、
請求項2に記載のイオン発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の空気清浄装置は、ランプと、脱臭フィルターと、ファンとを備える。ランプは、光触媒を活性化させる。脱臭フィルターは、ランプの周囲に配置された光触媒を含む。ファンは、脱臭フィルターに空気を送る。ランプからの光が脱臭フィルターにあたるように、脱臭フィルターが可動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-78058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、脱臭フィルターを可動させるために、回転モーターと、脱臭フィルターを回転可能に支持する支持部材と、回転モーターの回転を制御する制御部とが設けられなければならない。さらに、脱臭フィルターを回転させるタイミングが、設定されなければならない。その結果、空気清浄装置の装置構成が複雑になる可能性がある。
【0005】
本発明は、簡易な装置構成でフィルターの所定部分に光を供給できる空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1局面によれば、空気清浄機は、光源と、フィルターと、送風部と、案内部材とを備える。前記フィルターは、光触媒を含む。前記送風部は、風を生成する。前記案内部材は、前記光源から発せられた光を案内する。前記光源と、前記送風部と、前記フィルターとは、前記光源、前記フィルターの全部又は一部、及び前記送風部の順番に配置される。前記送風部は、前記フィルターを介して前記送風部に向かう風を生成する。前記案内部材は、前記フィルターのうち前記送風部側に位置する所定部分に前記光を案内する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気清浄機によれば、簡易な装置構成でフィルターの所定部分に光を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機の模式図である。
図2】送風部により生成される風の流れを示す模式図である。
図3】レンズの動作を示す模式図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る空気清浄機の模式図である。
図5】反射部材を示す模式図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る空気清浄機の模式図である。
図7】本発明の第5実施形態に係るイオン発生装置を示す図である。
図8】イオン発生装置の断面図である。
図9】本発明の第6実施形態に係る空気清浄機を示す斜視図である。
図10】本発明の第6実施形態に係る空気清浄機の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る空気清浄機100について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る空気清浄機100の模式図である。空気清浄機100は、空気を浄化する。
【0011】
図1に示すように、空気清浄機100は、光源10と、基板20と、レンズ31とを備える。
【0012】
光源10は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を含む。光源10は、光を発する。光源10は、基板20に設けられる。レンズ31は、光を屈折させる。レンズ31は、本発明の第1案内部の一例である。
【0013】
空気清浄機100は、フィルター部材Jをさらに備える。
【0014】
フィルター部材Jは、第1フィルター40と、第2フィルター50とを含む。
【0015】
第1フィルター40は、臭い成分を吸着し、及び/又は、塵埃を捕獲する。臭い成分は、臭いの原因となる臭気物質である。臭い成分は、例えば、アンモニア、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、及び/又は、ノネナール等である。
【0016】
第1フィルター40は、例えば、化学吸着剤を含む化学吸着型フィルターである。化学吸着剤は、例えば、酸化亜鉛、タンニン酸、植物抽出成分、及び、白金ナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
なお、第1フィルター40は、物理吸着剤を含む物理吸着型フィルターでもよい。物理吸着剤は、例えば、シリカゲル、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト、多孔質シリカ、及び、金属錯体多孔体のうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
また、第1フィルター40は、空気中の塵埃を濾過することで捕獲するような集塵フィルターでもよい。集塵フィルターは、例えば、HEPAフィルター、及び、ULPAフィルターのような網状の濾材を含む。
【0019】
また、第1フィルター40は、物理吸着型フィルター、化学吸着型フィルター、及び、集塵フィルターのうちの少なくとも2つのフィルターの構造を有していてもよい。
【0020】
第2フィルター50は、光触媒フィルターである。光触媒フィルターは、二酸化チタンのような光触媒を含む。第2フィルター50は、光触媒により消臭処理及び除菌処理のうちの少なくとも1つの処理を行う。
【0021】
光源10から発せられた光が、第2フィルター50に照射されることで、第2フィルター50に含まれる光触媒が触媒作用を生成する。その結果、第2フィルター50を通過中の空気に含まれる臭い成分が光触媒の触媒作用により分解される。また、光源10から発せられた光が、第2フィルター50に照射されることで、活性酸素が生成される。そして、生成された活性酸素により空気中を浮遊するウィルス及び細菌のような有機物質が除菌される。
【0022】
第2フィルター50(光触媒フィルター)の構成は、特に限定されない。第2フィルター50は、例えば、不織布に光触媒を担持させたものでもよい。また、第2フィルター50は、金属メッシュ表面に光触媒を担持させたものでもよい。また、第2フィルター50は、ペーパーに光触媒を担持させてハニカム状に形成したものでもよい。
【0023】
第1フィルター40と第2フィルター50との形状について説明する。
【0024】
第1フィルター40と第2フィルター50との各々は、両端が開口する略筒状に形成される。第1フィルター40と第2フィルター50との各々の両端は、互いに同じ向きに開口する。第1フィルター40と第2フィルター50とは、層状に配置される。第1フィルター40の内側には、第2フィルター50が配置される。
【0025】
第2フィルター50は、第1開口部51と、第2開口部52とを含む。第1開口部51と第2開口部52との各々は、第2フィルター50の内部Gと外部とを連通する。第2フィルター50の内部Gは、第2フィルター50の内周面で囲まれた空間である。
【0026】
第1実施形態では、第1フィルター40の内周面が、第2フィルター50の外周面に接触する。その結果、フィルター部材Jをコンパクトに構成できる。なお、第1フィルター40の内周面と第2フィルター50の外周面との間に隙間が存在していてもよい。その結果、空気が第1フィルター40と第2フィルター50とを通過する際、空気に生じる圧力損失を低減できる。
【0027】
空気清浄機100は、送風部60と、駆動源(不図示)とをさらに備える。送風部60は、風を生成する。
【0028】
送風部60は、回転軸61と、羽根部62とを含む。回転軸61は、回転可能に支持される軸状の部材である。羽根部62は、例えば、プロペラファンを含む。羽根部62は、回転軸61に固定される。羽根部62は、回転軸61と共に回転する。送風部60(回転軸61及び羽根部62)は、モーターのような駆動源から動力を伝達されることで回転する。
【0029】
送風部60は、記憶部S1と、制御部S2とをさらに備える。
【0030】
記憶部S1は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。主記憶装置及び/又は補助記憶装置は、制御部S2によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0031】
制御部S2は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部S2は、空気清浄機100の各要素を制御する。
【0032】
図1を参照して、光源10と、基板20と、レンズ31と、フィルター部材Jと、送風部60との位置関係について説明する。
【0033】
図1は、中心軸Zと、軸方向Xとを示す。中心軸Zは、第2フィルター50の第1開口部51の中心と、第2フィルター50の第2開口部52の中心とを通る仮想線である。軸方向Xは、中心軸Zが延びる方向を示す。
【0034】
図1に示すように、光源10と、基板20と、レンズ31と、フィルター部材Jと、送風部60とは、軸方向Xに沿って配置される。光源10と、基板20と、レンズ31と、フィルター部材Jと、送風部60とは、基板20、光源10、レンズ31、フィルター部材J、及び送風部60の順番に配置される。
【0035】
光源10は、レンズ31と、第2フィルター50の内部Gとを介して、送風部60と対向する。レンズ31は、光源10と第2フィルター50の内部Gとの間に配置される。
【0036】
次に、図2を参照して、送風部60により生成される風の流れについて説明する。図2は、送風部60により生成される風の流れを示す模式図である。
【0037】
なお、図1ではフィルター部材Jに対して断面を示すハッチングを施したが、図2~6ではフィルター部材Jのハッチングは省略する。
【0038】
図2に示すように、送風部60が回転することで、第1風路F1と、第2風路F2とが生成される。
【0039】
第1風路F1及び第2風路F2の各々は、風の流れを示す。第1風路F1は、第1フィルター40と第2フィルター50とを介して送風部60に向かう風の流れを示す。第2風路F2は、送風部60から離間する風の流れを示す。
【0040】
空気清浄機100の外部の空気は、第1風路F1に沿って流れた後、送風部60を通過する。送風部60を通過した空気は、第2風路F2に沿って流れる。
【0041】
空気は、第1風路F1を流れる際に、第1フィルター40と第2フィルター50とを通過することで、第1フィルター40と第2フィルター50とにより浄化される。その結果、第2風路F2には、第1フィルター40及び第2フィルター50により浄化された空気を含む風が流れる。
【0042】
図2は、所定部分Eを示す。所定部分Eは、第2フィルター50のうち送風部60側に位置する部分である。言い換えれば、所定部分Eは、第2フィルター50のうち、送風部60により生成される風の通過する風量が多くなる部分である。
【0043】
以下では、所定部分Eが生成される原理について説明する。
【0044】
送風部60は、送風部60に対して軸方向Xの他方側X2に存在する空気を、送風部60に向かわせるように吸気することで第1風路F1を生成する。従って、図2に示すように、送風部60に対して軸方向Xの他方側X2に位置する領域において、送風部60に向かうように略放射状に第1風路F1が生成されるので、送風部60の近傍の領域程、第1風路F1を示す矢印が密になり、風量が多くなる。その結果、第1実施形態では、第2フィルター50のうち軸方向Xの一方側X1に位置する部分が所定部分Eとなる。
【0045】
所定部分Eは、他の部分(第2フィルター50のうち軸方向Xの他方側X2に位置する部分)に比べて、通過する風量が多くなるので、臭い成分及び有機物質の供給量も多くなる。その結果、所定部分Eに対しては、光を効果的に供給することで、所定部分Eの光触媒を効果的に機能させることが好ましい。
【0046】
次に、図3を参照して、所定部分Eに対して光を効果的に供給するためのレンズ31の動作について説明する。図3は、レンズ31の動作を示す模式図である。
【0047】
図3に示すように、光源10から発せられた光は、レンズ31に入射する。レンズ31に入射した光は、所定部分Eへ向かう方向へ屈折しつつ、レンズ31から出射する。レンズ31から出射した光は、第2開口部52を介して第2フィルター50の内部Gに進入する。そして、第2フィルター50の内部Gに進入した光は、所定部分Eに向かって進む。その結果、光源10から発せられた光が、レンズ31により屈折された後、第2フィルター50の内部Gを通じて所定部分Eへ照射される。
【0048】
光源10から発せられた光は、広がりながら進行するので、通常は、第2フィルター50のうち、所定部分Eよりも、光源10の近傍に位置する部分E1に供給されやすい。そこで、第1実施形態では、レンズ31により光源10から発せられた光を屈折させることで、光源10から発せられた光が所定部分Eへ向かうように、光の進行方向を整える。その結果、光源10から発せられた光を所定部分Eに効果的に供給することが可能となる。
【0049】
また、レンズ31のような光を案内する案内部材を用いることで、モーターのような駆動源を用いて第2フィルター50を動かすこと無く、第2フィルター50の所定部分Eに光源10からの光を供給することができる。その結果、簡易な装置構成で第2フィルター50の所定部分Eに光を供給できる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る空気清浄機100について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る空気清浄機100の模式図である。
【0051】
第2実施形態は、光源10から発せられた光を所定部分Eに案内するための構成が第1実施形態と異なる。以下では、主に、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0052】
図4に示すように、空気清浄機100は、反射部材71をさらに備える。
【0053】
反射部材71は、光を反射する。反射部材71は、アルミニウムのような光を反射する部材により形成される。
【0054】
反射部材71は、本発明の第2案内部材の第1例である。なお、第2実施形態では、第1案内部材の一例であるレンズ31(図3参照)は、用いられない。
【0055】
光源10と、基板20と、フィルター部材Jと、送風部60と、反射部材71とは、軸方向Xに沿って配置される。光源10と、基板20と、フィルター部材Jと、送風部60と、反射部材71とは、基板20、光源10、フィルター部材J、反射部材71、及び送風部60の順番に配置される。
【0056】
光源10は、第2フィルター50の内部Gと、反射部材71とを介して、送風部60と対向する。反射部材71は、送風部60と第2フィルター50の内部Gとの間に配置される。
【0057】
反射部材71は、送風部60のうち回転軸61と軸方向Xに対向する。反射部材71は、中心軸Z(図1参照)寄りに配置される。反射部材71は、羽根部62と軸方向Xに対向しないように形成され、又は、僅かにしか対向しないように形成される。その結果、第1風路F1(図2参照)に沿って流れる風に、反射部材71が干渉することを抑制できる。
【0058】
第2実施形態では、反射部材71は、回転軸61に対して離間している。しかし、本発明はこれに限定されない。反射部材71は、回転軸61に固定されていてもよい。
【0059】
反射部材71の動作について説明する。
【0060】
光源10から発せられた光は、第2開口部52を介して第2フィルター50の内部Gに進入する。第2フィルター50の内部Gに進入した光は、第1開口部51を介して第2フィルター50の外部へ進行する。第2フィルター50の外部へ進行した光は、反射部材71により所定部分Eに向けて反射される。従って、光源10から発せられた光のうち、第2フィルター50を通過した光を、反射部材71により反射させることで、所定部分Eに供給できる。その結果、光源10から発せられた光を所定部分Eに効果的に供給することが可能となる。
【0061】
また、反射部材71のような光を案内する案内部材を用いることで、モーターのような駆動源を用いて第2フィルター50を動かすこと無く、第2フィルター50の所定部分Eに光源10からの光を供給することができる。その結果、簡易な装置構成で第2フィルター50の所定部分Eに光を供給できる。
【0062】
[第3実施形態]
次に、図5を参照して、反射部材71の変形例である反射部材72について説明する。図5は、反射部材72を示す模式図である。
【0063】
反射部材72は、本発明の第2案内部材の第2例である。
【0064】
第3実施形態の反射部材72は、風が通過させることができる点が第2実施形態の反射部材71と異なる。以下では、主に第2実施形態と異なる点を説明する。
【0065】
図5に示すように、反射部材72は、ケーシング72aと、複数の反射部72bとを含む。ケーシング72aは、軸方向Xの両端が開口した略筒状の部材である。複数の反射部72bの各々は、アルミニウムのような光を反射する部材により形成される。複数の反射部72bの各々は、ケーシング72aに固定される。複数の反射部72bは、互いに間隔を空けて配置される。複数の反射部72bのうち隣り合う反射部72bの間には隙間72cが形成される。
【0066】
第1風路F1(図2参照)に沿って流れる風は、フィルター部材Jを通過した後、隙間72cを通じて送風部60へ送られる。その結果、第1風路F1に沿って流れる風に、反射部72bが干渉することを抑制できる。
【0067】
また、反射部72bは、隙間72cを通じて風を通過させることができるので、羽根部62と軸方向Xに対向していても、第1風路F1に沿って流れる風に干渉することを抑制できる。その結果、羽根部62に対して反射部72bを対向配置できるので、反射部72bの設置場所の自由度を向上させることができる。
【0068】
第3実施形態では、反射部材72は、回転軸61に対して離間している。しかし、本発明はこれに限定されない。反射部材72は、回転軸61に固定されていてもよい。
【0069】
反射部材72の動作について説明する。
【0070】
光源10から発せられた光は、第2開口部52を介して第2フィルター50の内部Gに進入する。第2フィルター50の内部Gに進入した光は、第1開口部51を介して第2フィルター50の外部へ進行する。第2フィルター50の外部へ進行した光は、反射部材72により所定部分Eに向けて反射される。従って、光源10から発せられた光のうち、第2フィルター50を通過した光を、反射部材72により反射させることで、所定部分Eに供給できる。その結果、光源10から発せられた光を所定部分Eに効果的に供給することが可能となる。
【0071】
[第4実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第4実施形態に係る空気清浄機100について説明する。図6は、本発明の第4実施形態に係る空気清浄機100の模式図である。
【0072】
第4実施形態は、複数の案内部材を用いる点が第1実施形態~第3実施形態と異なる。以下では、主に、第1実施形態~第3実施形態と異なる点を説明する。
【0073】
図6に示すように、空気清浄機100は、レンズ31と、反射部材71とをさらに備える。
【0074】
光源10から発せられた光のうちの一部は、レンズ31により屈折された後、所定部分Eに供給される。光源10から発せられた光のうちの他の一部は、反射部材71により反射された後、所定部分Eに供給される。その結果、光源10から発せられた光を所定部分Eに効果的に供給することが可能となる。
【0075】
なお、反射部材71に代えて、第3実施形態の反射部材72(図5参照)が用いられてもよい。
【0076】
[第5実施形態]
図7及び図8を参照して、本発明の第5実施形態に係るイオン発生装置200について説明する。図7は、本発明の第5実施形態に係るイオン発生装置200を示す図である。図8は、イオン発生装置200の断面図である。
【0077】
図7及び図8に示すように、イオン発生装置200は、筐体1を備える。筐体1は、例えば、樹脂により形成される中空の部材である。
【0078】
筐体1は、第1筐体1aと、第2筐体2bとを含む。第1筐体1aには、第2筐体2bが着脱自在に取り付けられる。第2筐体2bは、第1筐体1aの外側に位置する。第1筐体1aに第2筐体2bが取り付けられることで、第1筐体1aの一部が第2筐体2bによって覆われる。なお、第1筐体1aと第2筐体2bとは、一体の部材でもよい。
【0079】
筐体1は、把持部3をさらに含む。把持部3は、筐体1の外面の一部を凹ませた形状を有する。ユーザーは、把持部3を把持してイオン発生装置200を持ち運ぶ。
【0080】
筐体1には、吸気口Aが形成される。吸気口Aは、筐体1の内部と外部とを連通する。吸気口Aは、筐体1の下部に形成される。
【0081】
筐体1には、吹出口Bがさらに形成される。吹出口Bは、筐体1の内部と外部とを連通する。吹出口Bは、筐体1の上部に形成される。
【0082】
イオン発生装置200は、第1実施形態の空気清浄機100をさらに備える。空気清浄機100は、筐体1の内部に配置される。
【0083】
イオン発生装置200は、整流部7と、ルーバー8とをさらに備える。
【0084】
整流部7は、送風部60により送られる空気をガイドする。整流部7は、送風部60の下流に配置される。整流部7は、筐体1に固定される。
【0085】
ルーバー8は、整流部7から流れる風をガイドする。ルーバー8は、略板状の部材である。ルーバー8は、整流部7の下流に配置される。ルーバー8は、吹出口Bの直前に配置される。
【0086】
ルーバー8は、筐体1に回転可能に取り付けられる。ルーバー8は、筐体1に対して回転可能に支持される。
【0087】
筐体1に対するルーバー8の回転角度が変更されることで、吹出口Bから排出される空気の排出方向Hが変更される。
【0088】
イオン発生装置200は、イオン供給部9をさらに備える。イオン供給部9は、送風部60と整流部7との間に配置される。イオン供給部9は、空気にイオンを供給する。その結果、吹出口Bからイオンを含む空気が排出される。イオンは、正イオン、及び負イオンのうちの少なくとも1つのイオンを含む。
【0089】
イオン発生装置200は、記憶部S1と、制御部S2とをさらに備える。
【0090】
図8を参照して、筐体1の内部の空気の流れについて説明する。
【0091】
図8に示すように、送風部60が稼働することで、筐体1の外部の空気は、吸気口Aを介して筐体1の内部に流入する。筐体1の内部に流入した空気は、空気清浄機100に供給され、第1フィルター40と第2フィルター50とにより浄化される。
【0092】
第1フィルター40と第2フィルター50とを通過した空気は、イオン供給部9を通過する。その結果、空気にイオンが供給される。
【0093】
イオン供給部9を通過した空気は、整流部7を通過した後、ルーバー8にガイドされて、吹出口Bから筐体1の外部へ放出される。その結果、イオン発生装置200により浄化されると共にイオンを供給された空気が室内に供給される。
【0094】
なお、イオン発生装置200は、第1実施形態の空気清浄機100に代えて、第2実施形態の空気清浄機100~第4実施形態の空気清浄機100のうちのいずれかの空気清浄機100を備えていてもよい。
【0095】
[第6実施形態]
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第6実施形態に係る空気清浄機100について説明する。図9は、本発明の第6実施形態に係る空気清浄機100を示す斜視図である。図10は、本発明の第6実施形態に係る空気清浄機100の平面図である。
【0096】
第6実施形態は、フィルター部材Jの形状が第1実施形態~第4実施形態と異なる。以下では、主に、第1実施形態~第4実施形態と異なる点を説明する。
【0097】
第6実施形態のフィルター部材Jは、第1フィルター45と、第2フィルター55とを含む。第1フィルター45は、略筒状の第1フィルター40(図1参照)を板状に形成した部材である。第2フィルター55は、略筒状の第2フィルター50を板状に形成した部材である。
【0098】
第1フィルター45には、第2フィルター55が取り付けられる。第6実施形態では、第1フィルター40の板面が、第2フィルター50の板面に接触する。その結果、フィルター部材Jをコンパクトに構成できる。なお、第1フィルター40の板面と第2フィルター50の板面との間に隙間が存在していてもよい。その結果、空気が第1フィルター40と第2フィルター50とを通過する際、空気に生じる圧力損失を低減できる。
【0099】
第1フィルター45は、送風部60に対向する。第2フィルター55は、第1フィルター45の下流に配置される。
【0100】
図9は、第1方向Cと、第2方向Dとを示す。第1方向Cは、第1フィルター45に対して送風部60が対向する方向である。第2方向Dは、第1方向Cに対して垂直な方向である。
【0101】
第6実施形態において、所定部分Eは、第2フィルター55の略中央部に位置する。理由は、送風部60が吸気することで、第2フィルター55の略中央部に寄ってくるように第1風路F1が生成されるので、第2フィルター55の縁部よりも第2フィルター55の略中央部の方が、第2フィルター55を通過する風量が多くなるからである。
【0102】
空気清浄機100は、反射部材73をさらに備える。反射部材73は、アルミニウムのような光を反射する部材により形成される。反射部材73は、略板状に形成される。反射部材73は、第2フィルター55の略中央部の下流に配置される。
【0103】
反射部材73は、本発明の第2案内部材の第3例である。
【0104】
光源10は、第2フィルター55の下流に配置される。光源10は、第2フィルター55に対向する。光源10は、第2フィルター55に対して第2方向Dに沿って離間した場所に配置される。
【0105】
光源10から発せられた光のうち、第2フィルター55に沿って進む光は、反射部材73により反射されることで所定部分Eに供給される。その結果、光源10から発せられた光のうち第2フィルター55に沿って進む光の進路を、反射部材73により所定部分Eに向かうように変更できるので、所定部分Eに光を効果的に供給することが可能となる。
【0106】
また、反射部材73のような光を案内する案内部材を用いることで、モーターのような駆動源を用いて第2フィルター50を動かすこと無く、第2フィルター55の所定部分Eに光源10からの光を供給することができる。その結果、簡易な装置構成で第2フィルター55の所定部分Eに光を供給できる。
【0107】
以上、図面(図1図10)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)~(4))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0108】
(1)第1実施形態~第4実施形態において、第1フィルター40と、第2フィルター50との各々は、円筒状に形成される。しかし、本発明は、これに限定されない。第1フィルター40と第2フィルター50との各々は、多角筒状に形成されてもよい。多角筒状は、第1フィルター40及び第2フィルター50の各々において、中心軸Z(図1参照)に対して垂直な断面の縁部の形状が、多角形になる形状である。円筒状と、多角筒状とは、本発明の筒状の一例である。
【0109】
(2)第1実施形態~第4実施形態において、白色の基板20が用いられてもよい。その結果、光源10から発せられた光を基板20により送風部60側へ効果的に反射させることができるので、所定部分Eに効果的に光を供給することができる。
【0110】
(3)第1実施形態~第4実施形態では、光源10と、送風部60とは、第2フィルター50の外部に配置される。この場合、光源10と、送風部60と、第2フィルター50とは、光源10、第2フィルター50の全部、及び送風部60の順番に配置される。しかし、本発明はこれに限定されない。光源10、及び、送風部60のうちの少なくとも1つが、第2フィルター50の内部Gに配置されていてもよい。この場合、光源10と、送風部60と、第2フィルター50とは、光源10、第2フィルター50の一部、及び送風部60の順番に配置される。
【0111】
(4)第1実施形態~第4実施形態では、フィルター部材Jは、第1フィルター40と、第2フィルター50とを含む。しかし、本発明は、これに限定されない。フィルター部材Jは、第1フィルター40と、第2フィルター50とのうち、少なくとも第2フィルター50を含んでいればよい。
【0112】
また、第6実施形態では、フィルター部材Jは、第1フィルター45と、第2フィルター55とを含む。しかし、本発明はこれに限定されない。フィルター部材Jは、第1フィルター45と、第2フィルター55とのうち、少なくとも第2フィルター55を含んでいればよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、空気清浄機の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0114】
10 光源
50 第2フィルター(フィルター)
60 送風部
31 レンズ(第1案内部)
71 反射部材(第2案内部)
72 反射部材(第2案内部)
73 反射部材(第2案内部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10