(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20230113BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20230113BHJP
【FI】
F24F13/20
F24F8/80 110
(21)【出願番号】P 2019063774
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃広
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206352891(CN,U)
【文献】中国実用新案第208419165(CN,U)
【文献】特開2018-204908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 8/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に回転可能に取り付けられるカバー部と、
前記カバー部を支持する支持機構と
を備え、
前記カバー部には、前記本体部が挿入される開口部が形成され、
前記支持機構は、
前記カバー部の前記開口部が上下方向に切り欠かれて形成される凹部と、
前記本体部から突出する本体突起部と
を含み、
前記カバー部は複数の支持状態のうちのいずれかの支持状態に切り替え可能であり、
前記複数の支持状態は、
前記開口部の前記凹部以外の部分が前記本体突起部上に載置される第1支持状態と、
前記凹部が前記本体突起部と係合する第2支持状態と
を含む、送風装置。
【請求項2】
前記支持機構は、
前記カバー部の内面から突出するカバー突起部と、
前記本体部に形成された第2係合部と
をさらに含み、
前記第2支持状態から前記カバー部が上方向に移動することで第3支持状態へと切り替わり、
前記第3支持状態において前記カバー突起部は前記第2係合部と係合し、前記本体部に対して前記カバー部が上方へ移動することを規制する、請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記支持機構は、
前記本体部に形成され、前記カバー突起部に係合可能な第1係合部をさらに含み、
前記第2支持状態において、前記カバー突起部が前記第1係合部と係合する、請求項
2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記支持機構は、前記本体部に形成され、前記第1係合部と前記第2係合部とに連通し、かつ、前記カバー部の中心軸の軸回り方向に沿って延びるガイド溝をさらに含み、
前記開口部の前記凹部以外の部
分が前記本体部の前記本体突起部上に載置される場合、軸方向の位置において、前記ガイド溝の位置が、前記カバー突起部の位置と同じである、請求項
3に記載の送風装置。
【請求項5】
前記本体部は、周面に貫通孔と、前記貫通孔に装着可能なフィルタとを有し、
前記支持機構は、前記本体部に形成され、前記カバー突起部に係合可能な第3係合部をさらに含み、
前記第3係合部と、前記第1係合部と、前記第2係合部と、前記ガイド溝とは、前記軸方向の位置が異なり、
前記カバー突起部が前記第3係合部に係合する第4支持状態において、前記フィルタが前記カバー部に覆われず露出する、請求項
4に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のポータブル型空気清浄機は、内部支持体と、機器本体と、外観カバーとを備える。内部支持体は、空気吸込口とイオン吹出口とが形成された内側カバーを構成する。機器本体は、単独で空気清浄機として機能する。外観カバーは、空気清浄機の外観を決定する。外観カバーは、内部支持体からなる内側カバーの外側に装着されると共に、機器本体に対して着脱自在に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザーは、例えば、ポータブル型空気清浄機のメンテナンスを行う場合、機器本体(本体部)から外観カバー(カバー部)を取り外さなければならい。
【0005】
仮に、機器本体に対する外観カバーの位置が切り替えられることで、機器本体に対して外観カバーを半開きの状態にできると、ユーザーが機器本体から外観カバーを取り外すことなく、ポータブル型空気清浄機のメンテナンスを行える。従って、ユーザーが外観カバーを取り外す手間が省けるので好ましい。
【0006】
本発明は、本体部からカバー部が取り外されることなく、本体部に対するカバー部の位置を切り替えることができる送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1局面によれば、送風装置は、本体部と、カバー部と、支持機構とを備える。前記カバー部は、前記本体部に回転可能に取り付けられる。前記支持機構は、前記カバー部を支持する。前記支持機構は、前記カバー部の状態を複数の支持状態のうちのいずれかの支持状態に切り替え可能である。前記支持状態毎に、前記本体部に対する前記カバー部の位置が、前記本体部の軸方向に異なる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の送風装置によれば、本体部からカバー部が取り外されることなく、本体部に対するカバー部の位置を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る空気清浄機の側面図である。
【
図8】カバー部に本体部が挿入される動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1から
図3を参照して、本発明の実施形態に係る空気清浄機100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気清浄機100の側面図である。
【0012】
空気清浄機100は、本発明の送風装置の一例である。送風装置は、送風装置の外部から送風装置の内部に空気を取り入れて、取り入れた空気に対して加工処理を施し、加工処理後の空気を送風装置の外部に排出する構成を有していればよい。加工処理、例えば、空気を浄化する処理、空気にイオンを供給する処理、空気を除湿する処理、及び空気を加湿する処理のうちの少なくとも1つの処理を含む。
【0013】
図1に示すように、空気清浄機100は、筐体1を備える。筐体1は、中空の部材である。筐体1は、例えば、樹脂により形成される。
【0014】
筐体1は、本体部10と、カバー部20とを含む。カバー部20は、本体部10に着脱自在に取り付けられる。また、カバー部20は、本体部10に回転可能に取り付けられる。カバー部20は、本体部10の外側に位置する。本体部10にカバー部20が取り付けられることで、本体部10の一部がカバー部20によって覆われる。
【0015】
図2を参照して、本体部10について説明する。
図2は、本体部10の斜視図である。
図2に示すように、本体部10は、第1部分11と、複数の第2部分12と、第3部分13とを有する。
【0016】
第1部分11は、本体部10のうち上部に位置する部分である。第1部分11は、中空の部材である。第1部分11には、風の吹出口Bが形成される。
【0017】
複数の第2部分12の各々は、本体部10のうち上下方向の中央部に位置する部分である。複数の第2部分12の各々は、第1部分11と第3部分13との間に介装される。複数の第2部分12は、本体部10の中心軸Lの軸回り方向Pに沿って並んでいる。本体部10の中心軸Lは、本体部10の中心を通ると共に、上下方向に沿って延びる仮想線である。本実施形態では、本体部10は、3つの第2部分12を含む。なお、第2部分12の個数は特に限定されない。
【0018】
第3部分13は、本体部10のうち下部に位置する部分である。第3部分13は、下側部分13aと、上側部分13bとを含む。下側部分13aは、床面に設置される。本実施形態では、下側部分13aは、略円盤状に形成される。上側部分13bは、下側部分13aに連なり、下側部分13aの上側に位置する。上側部分13bは、環状に形成される。上側部分13bには、上側部分13bを貫通する貫通孔131が形成される。貫通孔131には、例えば、フィルター(プレフィルター)Cが装着される。フィルターCは、塵埃を捕獲する。貫通孔131は、複数設けられる。複数の貫通孔131は、軸回り方向Pに沿って並んでいる。
【0019】
図3を参照して、カバー部20について説明する。
図3は、カバー部20の斜視図である。
図3に示すように、カバー部20は、両端が開口した略筒状の部材である。カバー部20には、第1開口部21と、第2開口部22とが形成される。第1開口部21は、カバー部20の上部23に形成される。第2開口部22は、カバー部20の下部24に形成される。第1開口部21と第2開口部22との各々は、カバー部20の内部と外部とを連通する。カバー部20の内部は、カバー部20の内面25で囲まれた空間である。
【0020】
第2開口部22は、本発明の開口部の一例である。第2開口部22には、本体部10が挿入される。
【0021】
カバー部20は、周囲部27を含む。周囲部27は、カバー部20のうち第2開口部22の周囲に位置する部分であり、第2開口部22を囲むように形成される(
図5参照)。周囲部27は、環状に形成される。周囲部27は、カバー部20のうち下端に位置する。
【0022】
カバー部20には、吸気孔26が形成される。吸気孔26は、カバー部20の下部24に形成される。吸気孔26は、カバー部20の内部と外部とを連通する。吸気孔26は、複数設けられる。複数の吸気孔26は、カバー部20の下部24の外周に沿って並んでいる。
【0023】
図1から
図3を参照して、空気清浄機100についてさらに説明する。
【0024】
図1から
図3に示すように、本体部10は、カバー部20に挿通される。
【0025】
本体部10の第1部分11は、カバー部20の第1開口部21からカバー部20の外部に突出する。
【0026】
本体部10の第2部分12は、カバー部20の内部に位置することで、カバー部20で覆われる。
【0027】
本体部10の第3部分13の下側部分13aは、カバー部20の第2開口部22からカバー部20の外部に突出する。本体部10の第3部分13の上側部分13bは、カバー部20の内部に位置することで、カバー部20で覆われる。
【0028】
本体部10に形成される貫通孔131は、カバー部20に形成される吸気孔26と対向することで、吸気孔26と連通する。
【0029】
以下では、貫通孔131と吸気孔26とをまとめて、吸気口Aと記載することがある。
【0030】
次に、
図1及び
図4を参照して、空気清浄機100についてさらに説明する。
図4は、空気清浄機100の構成を示す断面図である。
【0031】
図1及び
図4に示すように、筐体1は、把持部3をさらに含む。把持部3は、筐体1の外面の一部を凹ませた形状を有する。把持部3は、カバー部20に形成される孔部3aと、筐体1に形成される凹部3bとにより構成される。孔部3aは、凹部3bに対向する。ユーザーが把持部3を把持することで、ユーザーの指が本体部10の孔部3a及びカバー部20の凹部3bの両方に引っ掛けられる。その結果、ユーザーは、本体部10及びカバー部20の両方を把持できる。ユーザーは、把持部3を把持した状態で、空気清浄機100を持ち運ぶ。
【0032】
図4に示すように、空気清浄機100は、発光部4と、浄化部5と、送風部6とをさらに備える。
【0033】
発光部4、浄化部5、及び送風部6は、筐体1の内部Mに配置される。
【0034】
発光部4は、浄化部5に向けて光を照射する。発光部4は、例えば、LEDのような光源を含む。
【0035】
浄化部5は、空気を浄化する。浄化部5は、発光部4の上方に配置される。浄化部5は、例えば、光触媒フィルターを含む。光触媒フィルターに含まれる光触媒は、発光部4から光を照射されることで触媒作用を生成する。その結果、空気が浄化部5の光触媒フィルターを通過する際、空気中の臭い成分が分解される。臭い成分は、例えば、アンモニア、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、及び/又は、ノネナール等である。
【0036】
浄化部5は、物理吸着型フィルター、及び/又は、化学吸着型フィルターを含み、物理吸着型フィルター、及び/又は、化学吸着型フィルターによって臭い成分を吸着してもよい。光触媒フィルターが用いられない場合、空気清浄機100は発光部4を備えてなくてもよい。
【0037】
本実施形態では、浄化部5は、空気の浄化の第1例として、空気中の臭い成分を低減させる。しかし、本発明はこれに限定されない。浄化部5は、空気の浄化の第2例として、空気中の塵埃を低減させてもよい。この場合、浄化部5は、例えば、HEPAフィルターを含む。
【0038】
筐体1の内部Mには、風路Nが形成される。本実施形態では、風路Nは、上下方向に沿って延びる。風路Nは、吸気口Aと吹出口Bとに連通する。風路N上には、浄化部5と、送風部6とが配置される。
【0039】
送風部6は、空気の流れを生成する。送風部6は、例えば、ファンと、ファンを回転させる駆動源とを含む。駆動源は、例えば、モータを含む。
【0040】
送風部6が稼働することで、筐体1の外部の空気は、吸気口Aを介して風路Nに流入する。そして、風路Nに流入した空気は、風路Nを流れる。そして、風路Nを流れる空気は、吹出口Bを介して筐体1の外部に排出される。本実施形態では、送風部6が稼働することは、駆動源であるモータがファンを回転させることを示す。
【0041】
空気清浄機100は、イオン供給部7をさらに備える。イオン供給部7は、風路N上に位置する。イオン供給部7は、送風部6の下流に配置される。イオン供給部7は、風路Nを流れる空気にイオンを供給する。イオンは、正イオン、及び負イオンのうちの少なくとも1つのイオンを含む。
【0042】
空気清浄機100は、整流部8と、ルーバー9とをさらに備える。整流部8及びルーバー9は、風路N上に配置される。
【0043】
整流部8は、送風部6により送られる風をガイドする。整流部8は、イオン供給部7の下流に配置される。整流部8は、筐体1に固定される。
【0044】
ルーバー9は、整流部8から流れる風をガイドする。ルーバー9は、整流部8の下流に配置される。ルーバー9は、吹出口Bの上流に配置される。ルーバー9は、板状の部材を湾曲させた形状を有する。ルーバー9は、風路N上において、吹出口Bの直前に配置される。ルーバー9は、筐体1の内部Mに回転可能に取り付けられる。筐体1に対するルーバー9の回転角度が変更されることで、吹出口Bから排出される空気の排出方向Hが変更される。
【0045】
空気清浄機100は、記憶部S1と、制御部S2とをさらに備える。
【0046】
記憶部S1は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。主記憶装置及び/又は補助記憶装置は、制御部S2によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0047】
制御部S2は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部S2は、空気清浄機100の各要素を制御する。
【0048】
図4を参照して、風路Nを通じた空気の流れについて説明する。
【0049】
図4に示すように、送風部6が稼働することで、筐体1の外部の空気は、吸気口Aを介して風路Nに流入する。風路Nに流入した空気は、浄化部5及びイオン供給部7の順番に、筐体1の内部Mを流れる。浄化部5及びイオン供給部7を流れる空気は、浄化部5を通過する際に浄化され、イオン供給部7を通過する際にイオンを供給される。浄化部5及びイオン供給部7を通過した空気は、整流部8を通過した後、ルーバー9の回転角度に応じた方向に向かって吹出口Bから排出される。その結果、浄化されると共にイオンを供給された空気が、吹出口Bから排出される。
【0050】
次に、
図5及び
図6を参照して、本体部10に対してカバー部20を支持するための装置構成について説明する。
図5は、カバー部20の斜視図である。
図6は、本体部10の斜視図である。
【0051】
図5及び
図6に示すように、空気清浄機100は、支持機構30をさらに備える。支持機構30は、本体部10に対してカバー部20を支持するための機構である。
【0052】
図5及び
図6に示すように、支持機構30は、凹部31と、凸部32と、本体突起部33とを含む。
【0053】
凹部31及び凸部32の各々は、カバー部20の周囲部27に形成される。
【0054】
凹部31は、周囲部27のうち凹んだ形状を有する部分である。凸部32は、周囲部27のうち凹部31に対して凸となる部分である。凸部32は、凹部31に連なる。本実施形態では、凸部32は、周囲部27のうち凹部31以外の部分である。
【0055】
本体突起部33は、本体部10から突出する突起である。本体突起部33は、本体部10の下端部に配置される。本体突起部33は、本体部10の第3部分13に形成される。本実施形態では、本体突起部33は、略門状に形成される。本体突起部33は、例えば、空気清浄機100の電源コードDを覆う。なお、本体突起部33が覆う部材は特に限定されない。また、本体突起部33は、空気清浄機100を構成する部材を覆わなくてもよく、単なる突起でもよい。
【0056】
本体突起部33には、凹部31が係合可能である。本実施形態では、本体突起部33に凹部31が係合することは、本体突起部33が凹部31に挿入されることを示す。
【0057】
支持機構30は、カバー突起部34と、ガイド溝35と、第1係合部36とをさらに含む。
【0058】
カバー突起部34は、カバー部20の内面25から突出する突起である。カバー突起部34は、カバー部20の内部に配置される。
【0059】
ガイド溝35は、本体部10の第2部分12に形成される溝である。ガイド溝35は、本体部10の外面を凹ませた形状を有する。ガイド溝35は、軸回り方向Pに沿って延びる。ガイド溝35は、カバー突起部34をガイドする。ガイド溝35は、カバー突起部34が摺動可能な寸法を有する。
【0060】
ガイド溝35は、本体部10の第2部分12を軸回り方向Pに沿って横切るように形成される。ガイド溝35のうち軸回り方向Pの両端は、開放されており、開口35aを形成する。カバー突起部34は、開口35aを通じてガイド溝35に進入する。
【0061】
第1係合部36は、本体部10の第2部分12に形成される溝である。第1係合部36は、本体部10の外面を凹ませた形状を有する。第1係合部36は、ガイド溝35に連なる。第1係合部36は、ガイド溝35から下方に突出する。第1係合部36の下端36aは閉塞される。
【0062】
第1係合部36には、カバー突起部34が係合可能である。本実施形態では、第1係合部36にカバー突起部34が係合することは、カバー突起部34が第1係合部36内に位置することを示す。第1係合部36にカバー突起部34が係合することで、カバー部20が本体部10に対して下方へ移動することが規制される。
【0063】
支持機構30は、第2係合部37をさらに含む。
【0064】
第2係合部37は、本体部10の第2部分12に形成される溝である。第2係合部37は、本体部10の外面を凹ませた形状を有する。第2係合部37は、ガイド溝35に連なる。第2係合部37は、ガイド溝35から上方に突出する。第2係合部37の上端37aは、閉塞される。
【0065】
第2係合部37は、第1係合部36の上方に配置される。第2係合部37は、第1係合部36に対して上下方向に対向配置される。第2係合部37は、ガイド溝35を介して第1係合部36と上下方向に対向する。
【0066】
第2係合部37には、カバー突起部34が係合可能である。本実施形態では、第2係合部37にカバー突起部34が係合することは、カバー突起部34が第2係合部37内に位置することを示す。第2係合部37にカバー突起部34が係合することで、カバー部20が本体部10に対して上方へ移動することが規制される。第1係合部36と第2係合部37とは、ガイド溝35に連通する。
【0067】
支持機構30は、第3係合部38をさらに含む。
【0068】
第3係合部38は、本体部10の第2部分12に形成される。軸回り方向Pの位置において、第3係合部38の位置は、本体突起部33の位置と同じである。第3係合部38は、本体部10から突出する。第3係合部38は、略U字状に形成される。
【0069】
第3係合部38は、上面38aと、一対の側面38bとを有する。上面38aは、第3係合部38のうち上向きの面である。側面38bは、第3係合部38のうち横向きの面である。
【0070】
上面38aは、軸回り方向Pに沿って延びる。側面38bは、上面38aの端部に連なり、上面38aの端部から上方に延びる。
【0071】
第3係合部38は、湾曲部38cをさらに含む。湾曲部38cは、上面38aと側面38bとが連なる箇所に位置する部分であり、湾曲した形状を有する。
【0072】
第3係合部38には、カバー突起部34が係合可能である。本実施形態では、第3係合部38にカバー突起部34が係合することは、カバー突起部34が第2係合部37の上面38aに載置されることを示す。第3係合部38にカバー突起部34が係合することで、カバー部20が本体部10に対して下方へ移動することが規制される。
【0073】
次に、
図7から
図11を参照して、カバー部20の支持状態について説明する。
【0074】
支持機構30は、本体部10に対してカバー部20を複数の支持状態で支持可能である。本実施形態では、複数の支持状態は、第1支持状態J1と、第2支持状態J2と、第3支持状態J3と、第4支持状態J4とを含む。支持状態毎に、本体部10に対するカバー部20の位置が、上下方向に異なる。
【0075】
上下方向は、本発明の軸方向の一例である。
【0076】
図7は、第1支持状態J1のカバー部20を示す図である。
図8は、本体部10に対してカバー部20が装着される動作を示す図である。
【0077】
第1支持状態J1は、本体部10に対してカバー部20が装着されている途中の段階のカバー部20の状態を示す。
【0078】
図7に示すように、支持機構30がカバー部20を第1支持状態J1で支持する場合、本体突起部33上に凸部32が載置される。
【0079】
カバー部20の凸部32が本体部10の本体突起部33上に載置される場合、上下方向の位置において、ガイド溝35の位置が、カバー突起部34の位置と同じである。その結果、カバー部20を軸回り方向Pに回転することで、カバー突起部34をガイド溝35に導くことができる。
【0080】
カバー部20が第1支持状態J1で支持される場合、カバー部20が本体突起部33の高さの分だけ床面から上方に離間した状態になるので、カバー部20の周囲部27と床面との間に隙間Xが形成される。隙間Xの上方方向の寸法X1は、例えば、20mm以上、40mm以下である。
【0081】
図7及び
図8を参照して、カバー部20の状態が第1支持状態J1になる手順について説明する。
図8は、カバー部20に本体部10が挿入される動作を示す図である。
【0082】
図8に示すように、ユーザーは、第2開口部22からカバー部20の内部に第1部分11を挿入した後、本体部10に対してカバー部20を下降させる。
図7に示すように、本体部10に対してカバー部20が下降すると、本体突起部33上に凸部32が載置される。その結果、カバー部20の状態が第1支持状態J1になる。
【0083】
カバー部20の状態が第1支持状態J1になると、カバー部20の周囲部27と床面との間に隙間Xが形成される。その結果、ユーザーの指がカバー部20の周囲部27により挟まれることを抑制できる。
【0084】
図9は、第2支持状態J2のカバー部20を示す図である。
【0085】
第2支持状態J2は、本体部10に装着完了後のカバー部20の状態を示す。カバー部20が本体部10に対して第2支持状態J2で支持されている状態で、ユーザーが空気清浄機100を使用する。
【0086】
図9に示すように、支持機構30がカバー部20を第2支持状態J2で支持する場合、凹部31に対して本体突起部33が下方から挿入されることで、凹部31に対して本体突起部33が下方から係合する。また、支持機構30がカバー部20を第2支持状態J2で支持する場合、第1係合部36に対してカバー突起部34が上方から進入することで、第1係合部36に対してカバー突起部34が上方から係合する。
【0087】
図10は、第3支持状態J3のカバー部20を示す図である。
【0088】
第3支持状態J3は、本体部10及びカバー部20のうちカバー部20のみが持ち上げられたときのカバー部20の状態を示す。
【0089】
図10に示すように、支持機構30がカバー部20を第3支持状態J3で支持する場合、第2係合部37に対してカバー突起部34が下方から進入することで、第2係合部37に対してカバー突起部34が下方から係合する。その結果、本体部10に対してカバー部20が上方へ移動することが規制される。
【0090】
図9及び
図10を参照して、カバー部20の状態の変化について説明する。
【0091】
図9及び
図10に示すように、カバー部20が第2支持状態J2で支持された状態から、ユーザーが、空気清浄機100を持ち運ぶ際、把持部3を把持せずに、本体部10及びカバー部20のうちカバー部20のみを把持して、カバー部20のみを引き上げた場合、カバー部20の状態が第3支持状態J3に変更される。その結果、本体部10に対してカバー部20が係止されるので、ユーザーがカバー部20のみを把持して、空気清浄機100を持ち運んでも、本体部10からカバー部20が外れることを抑制できる。
【0092】
図11は、第4支持状態J4のカバー部20を示す図である。
【0093】
第4支持状態J4は、空気清浄機100のメンテナンスが行われるときのカバー部20の状態を示す。
【0094】
図11に示すように、支持機構30がカバー部20を第4支持状態J4で支持する場合、第3係合部38に対してカバー突起部34上に載置されることで、第3係合部38に対してカバー突起部34が上方から係合する。その結果、本体部10に対してカバー部20が下方へ移動することが規制される。また、第3係合部38にカバー突起部34が係合することで、本体突起部33に対して周囲部27が上方に離間した状態が保持される。
【0095】
カバー部20が第4支持状態J4で支持されると、周囲部27が貫通孔131よりも上方に位置することで、貫通孔131がカバー部20で覆われずに露出する。その結果、ユーザーは、貫通孔131に装着されているフィルターCを交換する、又は、フィルターCに付着している塵埃を除去することで、空気清浄機100のメンテナンスを行うことができる。また、本体部10からカバー部20を取り外さなくても空気清浄機100のメンテナンスを行うことができるので、空気清浄機100のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0096】
図7から
図11に示すように、本体部10に対する上下方向の位置において、第1支持状態J1のカバー部20と、第2支持状態J2のカバー部20と、第3支持状態J3のカバー部20と、第4支持状態J4のカバー部20とは、第2支持状態J2のカバー部20、第1支持状態J1のカバー部20、第3支持状態J3のカバー部20、及び第4支持状態J4のカバー部20の順番に上方に位置する。
【0097】
図7から
図11を参照して、カバー部20の状態が第1支持状態J1から第4支持状態J4のうちのいずれかの支持状態に切り替えられるメカニズムについて説明する。
【0098】
図7、及び
図9に示すように、カバー部20が第1支持状態J1で支持されている状態から、カバー部20が軸回り方向Pに回転されることで、カバー部20の状態が第2支持状態J2に切り替わる。詳細には、カバー部20が軸回り方向Pの他方側P2に回転されることで、カバー突起部34がガイド溝35に進入した後、第1係合部36へ落下する。その結果、カバー部20の状態が第1支持状態J1から第2支持状態J2に切り替わる。
【0099】
図9及び
図10に示すように、カバー部20が第2支持状態J2で支持されている状態から、カバー部20が上方へ移動されることで、カバー部20の状態が第3支持状態J3に切り替わる。詳細には、カバー部20が上方へ移動されることで、カバー突起部34が第1係合部36からガイド溝35を介して第2係合部37へ移動する。その結果、カバー部20の状態が第3支持状態J3に切り替わる。
【0100】
図8及び
図11に示すように、軸回り方向Pの位置において、カバー突起部34の位置が、第3係合部38の位置と同じ状態で、本体部10に対してカバー部20を装着する動作が行われると、第3係合部38にカバー突起部34が載置される。その結果、カバー部20が第4支持状態J4で支持される。
【0101】
図7、
図9、
図10、及び
図11に示すように、カバー部20が第1支持状態J1、第2支持状態J2、及び第3支持状態J3のうちのいずれかの状態から、カバー部20に対して、軸回り方向Pに回転させる動作と、上下方向に沿って移動させる動作とが適宜行われることで、カバー部20の状態が第4支持状態J4に切り替えられる。
【0102】
図7及び
図11に示すように、カバー部20が第4支持状態J4で支持されている状態から、軸回り方向Pの位置において、カバー突起部34の位置が、第3係合部38の位置と異なる位置まで、カバー部20が軸回り方向Pに回転された後、カバー部20が下方へ移動されることで、カバー部20の状態が第1支持状態J1に切り替わる。この場合、カバー部20が軸回り方向Pに回転される際、第3係合部38の湾曲部38c(
図6参照)により、カバー突起部34を第3係合部38からスムーズに離間させることができる。
【0103】
図7に示すように、軸回り方向Pの位置において、カバー突起部34の位置が、ガイド溝35、第1係合部36、第2係合部37、及び第3係合部38の全ての位置と異なる状態で、カバー部20が上方へ移動されることで、カバー部20が本体部10から取り外される。カバー部20が本体部10から取り外されることは、本体部10が、カバー部20の外部に位置することで、カバー部20から離間した状態になることを示す。
【0104】
以上、
図7から
図11を参照して説明したように、支持機構30は、カバー部20の状態を複数の支持状態(第1支持状態J1から第4支持状態J4)のうちのいずれかの支持状態に切り替え可能である。また、支持状態毎に、本体部10に対するカバー部20の位置が、上下方向に異なる。従って、カバー部20の状態が、第1支持状態J1から第4支持状態J4のうちのいずれかの支持状態に切り替えられることで、本体部10に対するカバー部20の位置が上下方向に変更される。その結果、本体部10からカバー部20が取り外されることなく、本体部10に対するカバー部20の位置を切り替えることができる。
【0105】
また、本体部10に対してカバー部20を軸回り方向Pに回転させる動作、及び、本体部10に対してカバー部20を上下方向に沿って移動させる動作のうちの少なくとも1つの動作が行われることで、本体部10からカバー部20が取り外されることなく、支持機構30がカバー部20の状態を複数の支持状態(第1支持状態J1から第4支持状態J4)のうちのいずれかの支持状態に切り替える。従って、ユーザーがカバー部20の状態を切り替える作業を容易に行うことができる。
【0106】
以上、図面(
図1~
図11)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0107】
(1)
図6に示すように、空気清浄機100は、複数の第2部分12(本実施形態では、3つ)を備える。複数の第2部分12の各々には、ガイド溝35と、第1係合部36と、第2係合部37と、第3係合部38とが設けられる。また、カバー突起部34(
図5参照)は、複数の第2部分12と同数(本実施形態では、3つ)設けられる。その結果、カバー部20を、複数のカバー突起部34を介して複数個所で支持するので、カバー部20を安定して支持できる。また、
図6に示すように、本実施形態では、複数の第2部分12は、第2部分12aと、第2部分12bと、第2部分12cとを含む。第2部分12aは、軸回り方向Pの位置において、吹出口B(
図2参照)に対し軸回り方向Pに略180°離間している。第2部分12bは、軸回り方向Pの位置において、吹出口Bに対し軸回り方向Pの一方側P1に略90°離間している。第2部分12cは、軸回り方向Pの位置において、吹出口Bに対し軸回り方向Pの他方側P2に略90°離間している。そして、本実施形態では、第2部分12b及び第2部分12cの各々に形成されるガイド溝35と、第1係合部36と、第2係合部37と、第3係合部38とが、本発明の支持機構を構成する部材の一例となる。
【0108】
なお、第2部分12が1つ設けられてもよい。この場合、ガイド溝35と、第1係合部36と、第2係合部37と、第3係合部38と、カバー突起部34とが、第2部分12の個数に合わせて1つずつ設けられる。その結果、空気清浄機100の装置構成をシンプルにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、送風装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0110】
10 本体部
20 カバー部
30 支持機構
100 送風装置