(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】高精度地図生成方法、高精度地図生成装置、コンピュータ機器、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20230113BHJP
B60W 30/00 20060101ALI20230113BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20230113BHJP
G01C 7/04 20060101ALI20230113BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230113BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20230113BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230113BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
B60W30/00
B60W50/14
G01C7/04
G01C21/26 A
G08G1/00 X
G08G1/09 F
G09B29/10 A
(21)【出願番号】P 2019148733
(22)【出願日】2019-08-14
【審査請求日】2019-08-14
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】201811004098.2
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】シー, イーフェン
(72)【発明者】
【氏名】タオ, シェン
(72)【発明者】
【氏名】カオ, フューオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ハイソン
(72)【発明者】
【氏名】タオ, ジ
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】吉村 尚
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520902(JP,A)
【文献】特開2017-7572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00-29/14
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の取得モジュールが自動運転車両
の現在位置を含むローカルの高精度地図を取得するステップと、
第2の取得モジュールが前記自動運転車両の目的地を取得するステップと、
判断モジュールが
前記自動運転車両の現在位置及び前記目的地に基づいて、複数の前方道路区間で構成される走行経路
に対応する高精度地図があるか否かを判断するステップと、
対応する前記高精度地図がない場合、生成モジュールが運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前記前方道路区間に入った後、前記自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して
、高精度地図を生成するステップとを含む高精度地図生成方法。
【請求項2】
前記地図情報は、前記レーダ及び前記カメラによって収集された点群データ及び画像データを含み、
前記高精度地図を生成するステップは、
取得ユニットが前記自動運転車両の現在の位置を取得するステップと、
判断ユニットが前記現在の位置が
前記対応する高精度地図がない前記前方道路区間の道路の入口であるか否かを判断するステップと、
前記道路の入口である場合、生成ユニットが前記点群データ及び前記画像データに基づいて、前記自動運転車両が前記道路の出口を出るまで、前記道路の入口からの前記高精度地図を生成するステップとを含
む請求項1に記載の高精度地図生成方法。
【請求項3】
前記点群データと前記画像データは、いずれもタイムスタンプを含み、
前記点群データ及び前記画像データに基づいて、前記道路の入口からの前記高精度地図を生成するステップは、
前記生成ユニットが前記点群データに基づいて、前記道路の長さ、幅及び位置座標を取得するステップと、
前記生成ユニットが前記画像データに基づいて、前記道路の種類、標識線の種類及び前記標識線の色を取得するステップと、
前記生成ユニットが前記道路の長さ、幅、位置座標、種類、前記標識線の種類及び前記標識線の色に基づいて、前記道路の入口からの前記高精度地図を生成するステップとを含む請求項
2に記載の高精度地図生成方法。
【請求項4】
自動運転車両
の現在位置を含むローカルの高精度地図を取得する第1の取得モジュールと、
前記自動運転車両の目的地を取得する第2の取得モジュールと、
前記自動運転車両の現在位置及び前記目的地に基づいて、複数の前方道路区間で構成される走行経路
に対応する高精度地図があるか否かを判断する判断モジュールと、
対応する前記高精度地図がない
前記前方道路区間においては、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前記前方道路区間に入った後、前記自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して
、高精度地図を生成する生成モジュールとを備える高精度地図生成装置。
【請求項5】
コンピュータ機器であって、
メモリと、
プロセッサと、
前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって作動可能なコンピュータプログラムとを備え、
前記コンピュータプログラム
により、請求項1から請求項
3のいずれかに記載の高精度地図生成方法が実現されるコンピュータ機器。
【請求項6】
コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記
コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される
ことで、請求項1から請求項
3のいずれかに記載の高精度地図生成方法が実現される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項7】
コンピュータプログラムであって、
該コンピュータプログラムにおける命令
に基づきプロセッサによって実行される
ことで、請求項1から請求項
3のいずれかに記載の高精度地図生成方法が実行されるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、人工知能技術分野に関し、特に、高精度地図生成方法、高精度地図生成装置、コンピュータ機器、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
知能道路交通技術の継続的な発展に伴い、自動車の知能技術が徐々に広く使用されるようになり、自動運転車両が注目される研究テーマとなっている。現在、自動運転車両技術は、ビデオカメラ、レーダセンサ及びレーザ距離計によって、周囲の交通状況を把握し、高精度地図によって前方の道路に対してナビゲートして、自動運転を実現する。
【0003】
しかしながら、地理的な多様性のため、すべての道路に対応する高精度地図を有するわけではないので、自動運転車両が走行している道路区間に高精度地図が存在しない場合、自動運転車両の位置決め、検知及び計画制御などには多くの制限があり、自動運転が実現されなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、関連技術における技術問題の少なくとも一つをある程度に解決することを目的とする。
【0005】
本願は、関連技術における自動運転車両が走行している前方道路区間に対応する高精度地図がない場合、前方道路状況を自動判断できず、安全な運転が実現できないとの技術問題を解決する、高精度地図生成方法、高精度地図生成装置及びコンピュータ機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様として、高精度地図生成方法を提供する。高精度地図生成方法は、自動運転車両におけるローカルの高精度地図を取得するステップと、前記自動運転車両の目的地を取得するステップと、前記目的地及び前記ローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応する高精度地図があるか否かを判断するステップと、対応する前記高精度地図がない場合、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前記前方道路区間に入った後、前記自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、前記高精度地図を生成するステップとを含む。
【0007】
本態様の高精度地図生成方法によると、自動運転車両におけるローカルの高精度地図と目的地とを取得し、目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応される高精度地図があるか否かを判断し、前方道路区間に対応される高精度地図がない場合、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、高精度地図を生成する。このようにして、自動運転車両の目的地及びローカルの高精度地図を取得し、走行する前方道路区間に対応される高精度地図がないと決定された場合、さらに、地図情報を収集して高精度地図を生成することによって、高精度地図の使用領域が拡大され、自動車走行の安全性をより向上し、自動運転車両の普及と都市交通状況の改善とにさらに有利である。
【0008】
本発明の第2態様として、もう1つの高精度地図生成方法を提供する。高精度地図生成方法は、自動運転車両によって報告された高精度地図を取得するステップと、前記高精度地図に対応される道路情報を取得し、取得した該道路情報に基づいて対応されるナビゲーション地図を取得するステップと、前記ナビゲーション地図に基づいて、前記高精度地図に対して得点をつけるステップと、前記高精度地図の前記得点の値が所定の閾値よりも大きい場合に、前記高精度地図を記憶するステップとを含む。
【0009】
本態様の高精度地図生成方法によると、自動運転車両によって報告された高精度地図及び高精度地図に対応される道路情報を取得し、道路情報に基づいて対応されるナビゲーション地図を取得する。さらに、ナビゲーション地図に基づいて、高精度地図に対して得点をつけ、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい場合に、高精度地図を記憶する。このようにして、高精度地図がない領域に対して、自動運転車両が収集した高精度地図をサーバに報告し、ナビゲーション地図に基づいて得点をつけることによって、規格に合った高精度地図が取得でき、高精度地図の収集能力をより向上し、さらに高精度地図の対応領域が拡大され、自動運転車両の普及に有利である。
【0010】
本発明の第3態様として、高精度地図生成装置を提供する。高精度地図生成装置は、自動運転車両におけるローカルの高精度地図を取得する第1の取得モジュールと、前記自動運転車両の目的地を取得する第2の取得モジュールと、前記目的地及び前記ローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応する前記高精度地図があるか否かを判断するための判断モジュールと、前記前方道路区間に対応する前記高精度地図がない場合に、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、前記自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、前記高精度地図を生成する生成モジュールとを備える。
【0011】
本態様の高精度地図生成装置によると、自動運転車両におけるローカルの高精度地図と目的地とを取得し、目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応される高精度地図があるか否かを判断する。前方道路区間に対応される高精度地図がない場合、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、前記自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、高精度地図を生成する。このようにして、自動運転車両の目的地及びローカルの高精度地図を取得し、走行する前方道路区間に対応される高精度地図がないと決定された場合、さらに、地図情報を収集して高精度地図を生成することによって、高精度地図の使用領域が拡大され、自動車走行の安全性をより向上し、自動運転車両の普及と都市交通状況の改善とにさらに有利である。
【0012】
本態様の第4態様として、もう1つの高精度地図生成装置を提供する。高精度地図生成装置は、自動運転車両によって報告された高精度地図を取得する第1の取得モジュールと、前記高精度地図に対応される道路情報を取得し、取得した該道路情報に基づいて対応するナビゲーション地図を取得する第2の取得モジュールと、前記ナビゲーション地図に基づいて、前記高精度地図に対して得点をつける処理モジュールと、前記高精度地図の前記得点の値が所定の閾値よりも大きい場合に、前記高精度地図を記憶する記憶モジュールとを備える。
【0013】
本態様の高精度地図生成装置によると、自動運転車両によって報告された高精度地図及び高精度地図に対応される道路情報を取得し、道路情報に基づいて対応されるナビゲーション地図を取得する。さらに、ナビゲーション地図に基づいて、高精度地図に対して得点をつけ、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい場合に、高精度地図を記憶する。このようにして、高精度地図がない領域に対して、自動運転車両が収集した高精度地図をサーバに報告し、ナビゲーション地図に基づいて得点をつけることによって、規格に合った高精度地図が取得でき、高精度地図の収集能力をより向上し、さらに高精度地図の対応領域が拡大され、自動運転車両の普及に有利である。
【0014】
本発明の第5態様として、コンピュータ機器を提供する。コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、プロセッサによって作動可能なコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムが実行される場合に、上記の高精度地図生成方法が実現される。
【0015】
本発明の第6態様として、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合に、上記の高精度地図生成方法が実現される。
【0016】
本発明の第7態様として、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、該コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行される場合に、上記の高精度地図生成方法が実行される。
【0017】
本発明の付加的な特徴及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになり、又は本発明の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の上記及び/又は付加的な特徴及び利点は、下記の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、理解しやすくなる。
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る高精度地図生成方法を示す概略フローチャート図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る他の高精度地図生成方法を示す概略フローチャート図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る高精度地図生成方法の変形例を示す概略フローチャート図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る高精度地図生成装置を示す概略構造図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る他の高精度地図生成装置を示す概略構造図である。
【
図6】本発明の一実施形態の実現に適用されるコンピュータ機器を示す例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明し、本実施形態の一例が図面に示されている。同一又は類似の符号は常に同一又は類似の要素を表す。以下に図面を参照ながら説明された実施形態は、例示するものであり、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものであると理解されるものではない。
【0021】
関連技術において、自動運転車両はビデオカメラ、レーダセンサ、及び、レーザ距離計を利用して周囲の交通状況を把握し、高精度地図を利用して前方の道路をナビゲートする。それで、走行している道路区間に高精度地図がない場合、自動運転車両の位置決め、検知、及び計画制御などには多くの制限があり、自動運転が実現できなくなる。しかも、地理的な多様性のため、多くの場所は対応される高精度の地図を持たないかもしらないので、自動運転車両の普及の程度に影響を与えてしまう。
【0022】
本発明の実施形態は、上記問題に鑑みて、高精度地図生成方法を提供する。高精度地図生成方法は、自動運転車両におけるローカルの高精度地図及び目的地を取得し、目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応する高精度地図があるか否かを判断し、前方道路区間に対応する高精度地図がない場合に、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、高精度地図を生成する。
【0023】
以下、図面を参考して、本発明の一実施形態に係る高精度地図生成方法及び高精度地図生成方法装置を説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る高精度地図生成方法の概略フローチャート図である。
【0025】
図1に示されるように、高精度地図生成方法は、以下のステップ101~ステップ104を含む。
【0026】
ステップ101においては、自動運転車両におけるローカルの高精度地図を取得する。
【0027】
自動運転車両は、無人運転自動車、パソコン運転自動車又は車輪付き移動ロボットとも呼ばれ、パソコンシステムによって無人運転を実現する知能自動車である。自動運転車両は、ビデオカメラ、レーダセンサ及びレーザ距離計を利用して、自動車の走行過程において周囲の交通状況を把握し、ローカルの高精度地図を利用して、前方の道路をナビゲートする。しかしながら、現在、自動運転車両の走行の過程において緊急時にハンドルをコントロールする運転者に存在するので、自動運転車両に異常が発生した場合には、人工手動運転モードに切り替えて、事故の発生を回避することができる。
【0028】
なお、自動運転車両に適用される高精度地図は、日常生活でナビゲーションに用いられる通常の電子地図とは異なる。高精度地図に含まれるデータ情報は、いっそう豊かかつ詳細であり、動的データ情報と静的データ情報に分けられる。そして、静的データ情報には、車線標示や周辺インフラなどの基本的な2次元道路データだけでなく、交通管制、道路工事及び広域気象などの準静的データも含まれる。その中、動的データ情報には、事故、道路の混雑状況、周辺の車両、歩行者及び信号機などの様々な動的情報データが含まれる。さらに、高精度地図においては、数ヶ月又は数年にもわたって一回更新される通常の地図とは異なり、数分又は数秒レベルの更新速度を維持しなければならない。また、高精度地図は、通常の電子地図と比較すると、位置決めの精度が高い。例えば、現在携帯電話において使用されるGPSナビゲーションは、その精度が、一般的に5メートル~10メートル範囲内にあり、集中ビル地域や地下トンネルでの精度はさらに低い。自動運転技術に必要な高精度地図では、センチメートルレベルの精度に達する必要がある。
【0029】
本発明の一実施形態において、自動運転車両は、サーバから、現在走行している自動運転車両のローカルの高精度地図情報を取得する。そして、ローカルの高精度地図は、自動運転車両の走行過程の周囲環境に従って、継続的に更新され、その更新速度が数分又は数秒レベルに維持される。
【0030】
ステップ102においては、自動運転車両の目的地を取得する。
具体的には、ユーザは、自動運転車両の走行前に、ナビゲーションに目的地を入力する。これよって、自動運転車両は、プロセッサを利用して自動運転車両の目的地を取得することができる。
【0031】
ステップ103においては、目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応される高精度地図があるか否かを判断する。
【0032】
本発明の一実施形態において、ローカルの高精度地図がリアルタイムで更新されるため、自動運転車両が走行している前方道路区間領域を検出し、取得した自動運転車両の目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、自動車が走行しようとする前方道路区間に対応される高精度地図があるか否かを判断することができる。自動車が走行しようとする前方道路区間に対応される高精度地図がある場合、現在の運転モードを取得する。自動運転モードである場合、自動運転モードを維持して続けて走行する。自動車が走行しようとする前方道路区間に対応される高精度地図がない場合、順次にステップ104を実行する。
【0033】
ステップ104においては、前方道路区間に対応される高精度地図がない場合は、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、高精度地図を生成する。
【0034】
そして、地図情報には、レーダ及びカメラによって収集された点群データと画像データとが含まれる。点群データとは、レーダスキャンを通じた後の点の形で記録されたものを指し、各々の点には3次元座標が含まれ、色情報や反射強度情報が含まれる場合もある。
【0035】
本実施形態において、自動運転車両が走行しようとする前方道路区間に対応される高精度地図がないと検出された場合、現在の運転モードを取得し、現在運転モードが自動運転モードである場合は、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトする。ここで、手動運転モードとは、運転者に操作する必要がある運転モードを指す。
【0036】
さらに、自動運転車両は、対応する高精度地図がない前方道路区間に入った後、自動車に配置されたレーダ及びカメラを利用して、点群データ及び画像データを収集し、点群データ及び画像データを組み合わせて対応する高精度地図を生成する。さらに、生成した高精度地図がサーバに送信され、サーバは前方道路区間に対応されるナビゲーション地図に基づいて、高精度地図に対して得点をつけ、得点の値が所定の閾値よりも大きい場合は、サーバは高精度地図を採用する。ここで、所定の閾値とは、自動運転車両によって報告された高精度地図が規格に合うか否かを判断するために予め設定した値を指す。
【0037】
変形例の一つとして、サーバは、前方道路区間に対応されるナビゲーション地図を組み合わせて、自動運転車両によって報告された高精度地図に対して得点をつける際に、複数の自動運転車両が送信した高精度地図を同時に受信する場合がある。この場合、複数の自動運転車両が送信した高精度地図にそれぞれ得点をつけ、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい複数の高精度地図の中から得点の値が最も高い高精度地図を選択して標準の高精度地図を生成する。
【0038】
なお、自動運転車両に配置されたレーダ及びカメラを利用して障害物情報、道路情報、信号機情報、交差点情報、駐車領域情報、停止線情報及び横断歩道情報などを収集する。慣性航法装置を使用して自動運転車両の現在位置を取得し、さらに、レーダ及びカメラを使用して収集した障害物情報、道路情報、信号機情報、交差点情報、駐車領域情報、停止線情報及び横断歩道情報などに基づいて、高精度地図を生成する。
【0039】
変形例の一つとして、自動運転車両は、ソナーの原理を利用する場合がある。自動運転車両は、自身に配置されたレーダの超音波センサを使用して探測し、発射した超音波が障害物に当たった場合に、反射波が発生され、反射波がセンサによって受信される。制御器は、発射波及び反射波を利用して、障害物とレーダ発射器との間の距離を算出して、障害物情報を取得する。現在、一般的に使用される自動車レーダには、超音波レーダ、ミリ波レーダ及びレーザーレーダが含まれる。
【0040】
変形例の一つとして、自動運転車両は、自身に配置されたカメラの画像センサを使用して、対応する高精度地図がない前方道路区間の画像情報を収集し、収集した画像をサーバへアップロードして、高精度地図の生成に用いられるようにする場合がある。自動運転車両に応用されるカメラは、前方カメラ及びデュアルカメラを含むことができ、具体的にどのような種類のカメラを採用するかは実際状況によって決定され、ここでは限定しない。
【0041】
本実施形態に係る高精度地図生成方法によると、自動運転車両におけるローカルの高精度地図と目的地とを取得し、目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応する高精度地図があるか否かを判断する。そして、前方道路区間に対応される高精度地図がない場合は、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、高精度地図を生成する。このようにして、自動運転車両の目的地及びローカルの高精度地図を取得し、走行する前方道路区間に対応する高精度地図がないと決定された場合、さらに、地図情報を収集して高精度地図を生成することによって、高精度地図の使用領域が拡大され、自動車走行の安全性をより向上して、自動運転車両の普及に有利である。
【0042】
本発明の他の実施形態として、
図1に記載の一実施形態を基に、
図2を参考すると、ステップ104は、以下のステップ201~ステップ203を含んでいてもよい。
【0043】
ステップ201においては、自動運転車両の現在位置を取得する。
具体的には、グローバル・ポジショニング・システム(GPS:Global Positioning System)を利用して、自動運転車両の現在位置を取得する。
【0044】
ステップ202においては、現在位置が道路の入口であるか否かを判断する。
本実施形態において、自動運転車両の現在位置が道路の入口であるか否かを判断し、現在位置が道路の入口ではない場合は、続けて走行し、取得された自動運転車両の現在位置が道路の入口であるまで走行した後、順次にステップ203を実行する。現在位置が道路の入口であると、直接ステップ203を実行する。
【0045】
ステップ203においては、現在位置が道路の入口である場合は、点群データ及び画像データに基づいて、自動運転車両が道路の出口を出るまで、道路の入口からの高精度地図を生成する。その中、道路の入口と出口との間の高精度地図が道路の高精度地図である。
【0046】
ここで、点群データ及び時間データは、いずれもタイムスタンプを含み、タイムスタンプは、一般的に、一つの文字シーケンスであり、ある瞬間の時間を一意に標識するために用いられる。
【0047】
具体的には、自動運転車両の目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応される高精度地図がないと決定された場合は、自動運転車両の現在位置が高精度地図がない道路区間の入口であることが決定されると、自動運転車両に配置されたレーダ及びカメラを利用して点群データ及び画像データを収集する。さらに、点群データに基づいて、自動運転車両の入口の道路の長さ、幅及び位置座標を取得する同時に、画像データに基づいて道路の種類、標識線の種類及び標識線の色を取得する。例えば、画像に基づいて道路の停止線、実線、破線、黄色線及び白線などの道路情報を取得する。
【0048】
さらに、タイムスタンプのマッチングによって取得された入口の道路の長さ、幅、位置座標、種類、標識線の種類及び標識線の色に基づいて、同一タイムスタンプの点群データ及び画像データを組み合わせて、道路の入口の高精度地図を生成する。取得された自動運転車両の現在位置が出口である場合、レーダ及びカメラが点群データ及び画像データの収集を停止するように制御する。また、点群データ及び画像データに基づいて、自動運転車両が道路の出口を出るまで、道路の入口からの高精度地図を生成する、すなわち、道路の入口と出口との間の高精度地図を道路の高精度地図として生成する。
【0049】
本実施形態に係る高精度地図生成方法によると、自動運転車両の現在位置を取得し、さらに現在位置が道路の入口であるか否かを判断する。現在位置が道路の入口である場合は、点群データ及び画像データに基づいて、自動運転車両が道路の出口を出るまで、道路の入口からの高精度地図を生成する。ここで、道路の入口と出口との間の高精度地図が道路の高精度地図である。このようにして、収集点群データ及び画像データを利用して道路の高精度地図を生成することによって、高精度地図の収集精度をより向上し、前方道路区間の道路状況がより一層正確に判断され、自動運転車両の安全性をより向上することができる。
【0050】
本発明は、上記の実施形態を実現するために、他の高精度地図生成方法を提供した。
図3は、変形例として提供される高精度地図生成方法の概略フローチャート図である。
【0051】
図3に示されるように、高精度地図生成方法は、以下のステップ301~ステップ304を含む。
【0052】
ステップ301においては、自動運転車両によって報告された高精度地図を取得する。
具体的には、自動運転車両の前方道路区間に対応する高精度地図がないことが検出される場合、自動運転車両は道路区間に入った後、自動運転車両のレーダ及びカメラを使用して地図情報を収集して、高精度地図を生成し、生成した高精度地図をサーバに報告する。このようにして、サーバは自動運転車両によって報告された高精度地図を取得することができる。
【0053】
なお、自動運転車両に配置されたレーダ及びカメラを利用して障害物情報、道路情報、信号機情報、交差点情報、駐車領域情報、停止線情報及び横断歩道情報などを収集する。慣性航法装置を使用して自動運転車両の現在位置を取得し、さらに、レーダやカメラを使用して収集した障害物情報、道路情報、信号機情報、交差点情報、駐車領域情報、停止線情報及び横断歩道情報などに基づいて、高精度地図を生成する。
【0054】
変形例の一つとして、自動運転車両によって報告された高精地図は、領域ごとに作成されたものであってもよく、作成する単位は道路レベルであってもよく、つまり交差点と交差点との間であってもよい。もちろん、たくさんの道路を作成してもよく、作成する過程において自動運転車両会が位置を報告するため、交差点と交差点との間の作成条件を満たすと、サーバにアップロードすることができる。
【0055】
ステップ302においては、高精度地図に対応される道路情報を取得し、道路情報に基づいて対応するナビゲーション地図を取得する。
具体的には、生成した高精度地図に基づいて、対応する道路情報を取得し、さらに、道路情報に基づいて対応するナビゲーション地図を取得することができる。
【0056】
ここで、ナビゲーション地図とは、通常の電子地図を指し、GPS機器でナビゲートするソフトウェアに用いられ、主には経路の計画及びナビゲート機能の実現に用いられる。
【0057】
ステップ303においては、ナビゲーション地図に基づいて高精度地図に対して得点をつける。
【0058】
ステップ304においては、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい場合は、高精度地図を記憶する。
ここで、所定の閾値とは、自動運転車両によって報告された高精度地図が規格に合うか否かを判断するために予め設定した値を指す。
【0059】
本実施形態において、サーバは、道路情報に対応されるナビゲーション地図を組み合わせて、自動運転車両によって報告された高精度地図に対して得点をつけ、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい場合は、アップロードされた高精度地図が要求に合うと決定し、さらに標準の高精度地図を生成する。生成した高精度地図を記憶することによって、他の自動運転車両が領域を走行する際に、サーバから高精度地図をダウンロードするようにする。
【0060】
変形例の一つとして、サーバは、道路情報対応されるナビゲーション地図を組み合わせて、自動運転車両によって報告された高精度地図に対して得点をつける際に、複数の自動運転車両が送信した高精度地図を同時に受信する場合がある。この場合、複数の自動運転車両が送信した高精度地図にそれぞれ得点をつけ、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい複数の高精度地図の中から得点の値が最も高い高精度地図を選択して標準の高精度地図を生成し、生成した高精度地図を記憶する。
【0061】
さらに、サーバは、他の自動運転車両が道路区間を走行する際に、他の自動運転車両の道路情報が含まれた高精度地図要求メッセージを受信する場合がある。この場合、道路情報に基づいて、記憶した高精度地図を取得し、他の自動運転車両に送信する。このようにして、他の自動運転車両が領域を走行する際に、サーバから高精度地図を直接取得するようにする。
【0062】
本実施形態に係る高精度地図生成方法によると、自動運転車両によって報告された高精度地図及び高精度地図に対応される道路情報を取得し、道路情報に基づいて対応されるナビゲーション地図を取得する。さらに、取得したナビゲーション地図に基づいて、高精度地図に対して得点をつけ、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい場合に、高精度地図を記憶する。このようにして、高精度地図がない領域に対して、自動運転車両が収集した高精度地図をサーバに報告し、ナビゲーション地図に基づいて得点をつけることによって、規格に合った高精度地図が取得できる。さらに、高精度地図の収集能力が向上し、さらに高精度地図の対応領域が拡大されて、自動運転車両の普及に有利である。
【0063】
本発明、上記の一実施形態を実現するために、高精度地図生成装置をさらに提供する。
【0064】
図4は、本発明の一実施形態に係る高精度地図生成装置の概略構造図である。
【0065】
図4に示されるように、高精度地図生成装置100は、第1の取得モジュール110と、第2の取得モジュール120と、判断モジュール130と、生成モジュール140とを備える。
【0066】
第1の取得モジュール110は、自動運転車両におけるローカルの高精度地図を取得する。
第2の取得モジュール120は、自動運転車両の目的地を取得する。
判断モジュール130は、目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応する高精度地図があるか否かを判断する。
生成モジュール140は、前方道路区間に対応する高精度地図がない場合、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、高精度地図を生成する。
【0067】
変形例の一つとして、高精度地図生成装置100は、高精度地図をサーバに送信するための処理モジュールをさらに備える場合がある。ここで、サーバは、前方道路区間に対応されるナビゲーション地図に基づいて、高精度地図に対して得点をつけ、得点の値が所定の閾値よりも大きい場合は、サーバは高精度地図を採用する。
【0068】
変形例の一つとして、生成モジュール140は、具体的には、自動運転車両の現在位置を取得するための取得ユニットと、現在位置が道路の入口であるか否かを判断するための判断ユニットと、自動運転車両の現在位置が道路の入口である場合、点群データ及び画像データに基づいて、自動運転車両が道路の出口を出るまで、道路の入口からの高精度地図を生成するための生成ユニットとを備えていてもよい。ここで、道路の入口と出口との間の高精度地図が道路の高精度地図である。
【0069】
変形例の一つとして、生成ユニットは、具体的には、さらに、点群データに基づいて、道路の長さ、幅及び位置座標を取得し、画像データに基づいて、道路の種類、標識線の種類及び標識線の色を取得し、道路の長さ、幅、位置座標、種類、標識線の種類及び標識線の色に基づいて、道路の入口からの高精度地図を生成してもよい。
【0070】
本実施形態に係る高精度地図生成装置によると、自動運転車両におけるローカルの高精度地図と目的地とを取得し、目的地及びローカルの高精度地図に基づいて、前方道路区間に対応される高精度地図があるか否かを判断する。前方道路区間に対応される高精度地図がない場合は、運転者に手動運転モードに切り替えるようにプロンプトし、前方道路区間に入った後、自動運転車両のレーダ及びカメラによって地図情報を収集して、高精度地図を生成する。このようにして、自動運転車両の目的地及びローカルの高精度地図を取得し、走行する前方道路区間に対応される高精度地図がないと決定された場合は、さらに、地図情報を収集して高精度地図を生成することによって、高精度地図の使用領域が拡大され、自動車走行の安全性をより向上して、自動運転車両の普及と都市交通状況の改善とにさらに有利である。
【0071】
上記の実施形態を実現するために、本発明は、他の高精度地図生成装置をさらに提供する。
【0072】
図5は、本発明の他の実施形態に係る高精度地図生成装置の概略構造図である。
【0073】
図5に示されるように、高精度地図を生成する装置200は、第1の取得モジュール210と、第2の取得モジュール220と、処理モジュール230と、記憶モジュール240とを備える。
【0074】
第1の取得モジュール210は、自動運転車両によって報告された高精度地図を取得する。
第2の取得モジュール220は、高精度地図に対応する道路情報を取得し、道路情報に基づいて対応するナビゲーション地図を取得する。
処理モジュール230は、ナビゲーション地図に基づいて、高精度地図に対して得点をつける。
記憶モジュール240は、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい場合は、高精度地図を記憶する。
【0075】
変形例の一つとして、高精度地図生成装置200は、他の自動運転車両からの、道路情報が含まれた高精度地図の要求メッセージを受信する受信モジュールと、道路情報に基づいて、記憶された高精度地図を取得し、他の自動運転車両に送信する送信モジュールと、をさらに備えていてもよい。
【0076】
本実施形態に係る高精度地図生成装置によると、自動運転車両によって報告された高精度地図及び高精度地図に対応する道路情報を取得し、取得した道路情報に基づいて対応するナビゲーション地図を取得する。さらに、ナビゲーション地図に基づいて、高精度地図に対して得点をつけ、高精度地図の得点の値が所定の閾値よりも大きい場合に、高精度地図を記憶する。このようにして、高精度地図がない領域に対して、自動運転車両が収集した高精度地図をサーバに報告し、ナビゲーション地図に基づいて得点をつけることによって、規格に合った高精度地図が取得でき、高精度地図の収集能力が向上し、さらに高精度地図の対応領域が拡大され、自動運転車両の普及に有利である。
【0077】
上記の実施形態を実現するために、本発明は、コンピュータ機器をさらに提供する。コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで作動可能なコンピュータプログラムとを備え、プロセッサによってコンピュータプログラムが実行される場合に、上記の実施形態に記載の高精度地図生成方法が実現される。
【0078】
上記の実施形態を実現するために、本発明は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合に、上記の実施形態に記載の高精度地図生成方法が実現される。
【0079】
上記の実施形態を実現するために、本発明は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行される場合に、上記の実施形態に記載の高精度地図生成方法が実行される。
【0080】
図6は、本発明の一実施形態の実現に適用されるコンピュータ機器を示す例示的なブロック図である。
図6に示されるコンピュータ機器12は、単なる一例であり、本発明の各実施形態の機能及び使用範囲に何らの制限をもたらすものではない。
【0081】
図6に示されるように、コンピュータ機器12は、汎用コンピューティングデバイスの形態で示されてもよい。コンピュータ機器12のコンポーネントとしては、限定されないが、少なくとも一つのプロセッサ又は処理ユニット16と、システムメモリ28と、異なるシステムコンポーネント(システムメモリ28と処理ユニット16とを有する)を接続するバス18とを備える。
【0082】
バス18は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、プロセッサ又は多様なバス構造のうち任意のバス構造を使用するローカルバスを含む、複数種のバス構造のうち少なくとも一つのものを表す。限定するわけではないが、一例として、これらのアーキテクチャは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(Industry Standard Architecture、以下ISAと略する)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro Channel Architecture、以下MCAと略する)バス、エンハンストISAバス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーション(Video Electronics Standards Association、以下VESAと略する)ローカルバス、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnection、以下PCIと略する)バスを含む。
【0083】
コンピュータ機器12は、典型的には、多様なコンピュータシステム可読媒体を備える。これらの媒体は、コンピュータ機器12がアクセスできる任意の入手可能な媒体であってもよく、揮発性媒体及び不揮発性媒体と、リムーバブル媒体及びノンリムーバブル媒体とを含む。
【0084】
システムメモリ28は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)30及び/又はキャッシュメモリ32などの揮発性メモリの形態を取るコンピュータシステム可読媒体を有していてもよい。コンピュータ機器12は、他のリムーバブル/ノンリムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体をさらに有していてもよい。例示だけであるが、ストレージシステム34は、ノンリムーバブル、不揮発性磁気媒体(
図6には示されていないが、通常「ハードドライブ」と称される)に対して読み出し及び書き込みをするために用いることができる。
図6には示されていないが、リムーバブル、不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)に対して読み出し及び書き込みをするための磁気ディスクドライブ、及びリムーバブル、不揮発性光学ディスク(例えば、シーディーロム(Compact Disc Read Only Memory、以下「CD-ROM」と略する)、ディーブイディーロム(Digital Video Disc Read Only Memory、以下「DVD-ROM」と略する)又は他の光学媒体)に対して読み出し及び書き込みをするための光学ディスクドライブを提供することができる。そのような場合、各ドライブは、少なくとも一つのデータメディアインターフェイスによりバス18に接続することがきる。メモリ28は、本発明の各実施形態に記載の機能を実行するように構成されているプログラムモジュールのセット(例えば、少なくとも一つ)を有する少なくとも一つのプログラム製品を有していてもよい。
【0085】
プログラムモジュール42のセット(少なくとも一つ)を有するプログラム/ユーティリティ40は、例えば、メモリ28に記憶されてもよく、限定されないが、このようなプログラムモジュール42は、オペレーティングシステム、少なくとも一つのアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、プログラムデータを含み、これらの一例のそれぞれ又は何らかの組み合わせには、ネットワーキング環境の実装が含まれてもよい。プログラムモジュール42は、通常、本発明の各実施形態における機能及び/又は方法を実行する。
【0086】
コンピュータ機器12は、少なくとも一つの外部デバイス14(例えば、キーボードやポインティングデバイス及びディスプレイ24など)と通信してよいし、ユーザがコンピュータシステム/サーバ12とインタラクションすることを可能にする少なくとも一つのデバイスと通信してもよいし、及び/又はコンピュータシステム/サーバ12が少なくとも一つの他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットワークカード、モデムなど)と通信する。そのような通信は、入力/出力(I/O)インターフェイス22を介して行うことができる。また、コンピュータ機器12は、ネットワークアダプタ20を介して、少なくとも一つのネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、以下「LAN」と略する)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、以下「WAN」と略する)、及び/又はパブリックネットワーク、例えば、インターネット)と通信できる。
図6に示されるように、ネットワークアダプタ20は、バス18を介して、コンピュータ機器12の他のモジュールと通信する。なお、
図6に示されていないが、他のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュールをコンピュータ機器12と組み合わせて使用することができ、一例として、限定されていないが、マイクロコードやデバイスドライバ、冗長化処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライバ又はデータアーカイバルストレージシステムなどを含む。
【0087】
処理ユニット16は、システムメモリ28に記憶されるプログラムを実行することにより、多様な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、例えば、上記実施形態において言及される高精度地図生成方法が実現される。
【0088】
本発明の説明において、「一実施形態」、「他の実施形態」、「一例」、「具体的な一例」或いは「変形例」などの用語を参考した説明とは、実施形態或いは実施例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態或いは実施例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施形態或いは実施例を指すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、少なくとも一つの実施形態又は実施例において適切に結合することができる。なお、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に説明された異なる実施形態又は実施例、及び異なる実施形態又は実施例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0089】
なお、「第1」、「第2」の用語は、単に目的を説明するためのものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は少なくとも一つの特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ以上、例えば、二つ、三つなどを意味する。
【0090】
フローチャート、又はここでもう一つの方式により説明されるいかなるプロセス又は方法の説明は、特定のロジック機能又はプロセスのステップを実現するための少なくとも一つの実行可能な命令のコードを含むモジュール、セグメント又は部分と理解されてもよい。また、本発明の好ましい実施形態の範囲は、もう一つの実現方式が含まれており、例示された、又は議論された順序に従わなくてもよく、言及された機能が実質的に同時に、又は逆の順序に応じて機能を実行することを含む。本発明の実施形態が属する技術分野の当業者は、これを理解すべきである。
【0091】
フローチャートに示され、又は、ここでもう一つの方式により説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の一定のシーケンスリストと考えられてもよい。コマンド実行システム、装置又は機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、命令実行システム、装置又は機器からコマンドを取り出して、実行可能な他のシステム)が使用、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は機器を組み合わせて使用するように、いかなるコンピュータ読み取り可能な媒体において具現化されてもよい。本明細書の場合、「コンピュータ読み取り可能な媒体」とは、コマンド実行システム、装置又は機器が使用、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用するように、プログラムを含む、記憶、通信、伝播、又は伝送することができるいかなる装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的な一例(非網羅的なリスト)としては、少なくとも一つの配線を有する電気に接続される部分(IPM過電流保護回路)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気デバイス)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なランダムアクセスメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置及びポータブルシディロム(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、上記プログラムが印刷される用紙又は他の適切な媒体であってもよい。なぜならば、例えば、用紙や他の媒体を光学スキャンし、引き続き編集し、デコードし、又は必要に応じて他の適切な方式により処理して、電子的な方法で上記プログラムを取得した後、それをコンピュータのメモリに記憶することができる。
【0092】
なお、本発明の実施形態の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより実現できる。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、且つ適切なコマンド実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアにより実現することができる。例えば、ハードウェアにより実現される場合は、他の実施形態と同じく、本分野の以下の公知技術のうち何れか一つ又はこれらの組み合わせにより実現することができる。データ信号のロジック機能を実現するための論理ゲート回路を備えたディスクリート論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を備えた専用集積回路、プログラム可能なゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)などである。
【0093】
当業者は、上記実施形態に係る方法に含まれている少なくとも一部のステップが、プログラムにより関連するハードウェアを指令することにより完了できることを理解できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されてもよく、プログラムは実行時に、方法の実施形態における少なくとも一つのステップ又はその組み合わせを含む。
【0094】
また、本発明の各実施形態に係る各機能ユニットは、一つの処理モジュールに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に独立して存在してもよいし、複数のユニットが一つのモジュールに集積されていてもよい。上記集積されたモジュールは、ハードウェアの形式により実現されてもよく、ソフトウェアの機能モジュールの形式により実現されてもよい。上記集積されたモジュールがソフトウェアの機能モジュールの形式により実現され、独立の製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することもできる。
【0095】
以上説明した記憶媒体はリードオンリーメモリ、磁気ディスク又は光学ディスクなどであってもよい。以上、本発明の実施形態を示して説明したが、なお、上記実施形態は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解されるものではない。当業者は、本発明の範囲内で上記実施形態に対して変更、修正、取り替え及び変形を行うことができる。