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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ブレーキ装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/12 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
F16D65/12 T
F16D65/12 X
F16D65/12 U
F16D65/12 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020517166
(86)(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 IB2018057042
(87)【国際公開番号】W WO2019058237
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】102017000107187
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】501016696
【氏名又は名称】フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ミラネージ
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・ティローニ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・ノリス
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-072911(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0092561(US,A1)
【文献】特開2010-106916(JP,A)
【文献】特開2009-228749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のためのブレーキ装置(1)であって、
回転軸(A-A)周りに回転することに適している、ディスクブレーキ(40)のブレーキディスク(2)を備えており、
前記ブレーキディスク(2)はディスクボディ(3)を備えており、
前記ディスクボディ(3)は、対向ブレーキ面(5,6)を有するブレーキバンド(4)を備えており、
前記ディスクボディ(3)は、前記ブレーキディスク(2)を、前記ブレーキ装置(1)と関連し得る車両の接続装置又はジャーナルに繋げることに適している少なくとも1つの接続部(7)又はベルを備えており、
前記ブレーキバンド(4)は、
前記ブレーキディスク(2)の前記回転軸(A-A)に平行な軸方向(X-X)、
前記軸方向(X-X)に対して直角な径方向(R-R)、
及び前記軸方向(X-X)と前記径方向(R-R)の両方に対して直角な接線方向又は円周方向(C-C)を定めており、
前記接続部(7)は、接続要素(8)により、前記ブレーキバンド(4)に繋げられており、
前記接続要素(8)は、前記円周方向(C-C)において、等間隔で配置されている複数の要素であり、
複数の前記接続要素(8)は、予め決められた数であり、
前記予め決められた数は素数であり、
7個の前記接続要素(8)があり、
前記接続要素(8)は、車両に取り付けられている前記ブレーキ装置(1)を操作する間、前記接続要素(8)と前記ブレーキバンド(4)との間における相対移動を防ぐため、前記ブレーキバンド(4)に固定され、
前記接続部(7)は、ベル形状であり、フランジ外側端部(22)と、前記フランジ外側端部(22)から前記軸方向(X-X)に突出する円筒接続ケーシング(23)とを有するディスク形状の取付フランジ(21)を備えており、
前記円筒接続ケーシング(23)は、前記接続要素(8)を摺動自在に収容する貫通座部(24)を備えるため、熱的に付勢されるとき、前記ブレーキバンドは前記径方向(R-R)に拡がり得る、ことを特徴とするブレーキ装置(1)。
【請求項2】
前記ブレーキバンド(4)、前記接続部(7)又はベル、及び前記接続要素(8)は、前記ブレーキディスク(2)を形成するため、互いに異なり、また互いに繋がる構成要素であり、
及び/又は、前記ブレーキバンド(4)と前記接続部(7)又はベルは第1の材料から形成され、
前記接続要素(8)は第2の材料から形成されており、
及び/又は、前記ブレーキバンド(4)は第1の材料から形成され、
前記接続要素(8)は第2の材料から形成され、
前記接続部(7)又はベルは第3の材料から形成されており、
及び/又は、前記ブレーキバンド(4)は鋳鉄から形成され、
前記接続要素(8)は鋼から形成され、
前記接続部(7)又はベルはアルミニウムから形成されている、請求項1に記載のブレーキ装置(1)。
【請求項3】
前記接続要素(8)はドラッグピン(9)であり、
及び/又は、前記ドラッグピン(9)は、貫通開口部(11)を少なくとも形成する中空ピンボディ(10)をそれぞれ有しており、
前記貫通開口部(11)は、少なくとも2つの対向窓部(12,13)により、前記中空ピンボディ(10)の外部に通じており、
及び/又は、前記ブレーキバンド(4)は、バンド通気ダクト(16)により分離されている2つの対向バンド板(14,15)を有しており、
前記対向バンド板(14,15)は、ペグ又はフィン(17)により互いに繋がり、
前記接続部(7)はベル形状接続ボディ(18)を有しており、
前記ベル形状接続ボディ(18)は、前記ブレーキ装置(1)を車両に関連付けること、及び冷却用空気流入ベルギャップ(20)を形成することに部分的に適しているベル内側窪み(19)を含んでおり、
それぞれの前記ドラッグピン(9)の前記対向窓部(12,13)は、前記バンド通気ダクト(16)における第1窓部(12)と、前記ベルギャップ(20)における第2窓部(13)に通じている、請求項1又は2に記載のブレーキ装置(1)。
【請求項4】
前記接続部(7)は、ベル形状であり、フランジ外側端部(22)と、前記フランジ外側端部(22)から前記軸方向(X-X)に突出する円筒接続ケーシング(23)とを有するディスク形状の取付フランジ(21)を備えており、
前記円筒接続ケーシング(23)は、ベル貫通窓部(26)と共に、前記軸方向(X-X)に突出して、且つ前記円周方向(C-C)に交互に配置されている軸方向突出伸長部(25)を備えており、
前記軸方向突出伸長部(25)は、前記接続要素(8)を摺動自在に収容する貫通座部(24)を備える、請求項1~3のいずれかに記載のブレーキ装置(1)。
【請求項5】
前記ベル貫通窓部(26)は、それぞれ、前記円周方向(C-C)に伸びるベース部(28)を有する窓端部(27)を備えており、
前記ブレーキバンド(4)に向けて前記径方向(R-R)に突出する少なくとも1つの分流フィン(29)が、前記ベース部(28)の近くにあり、
及び/又は、前記分流フィン(29)は、軸方向リブ(30)を有する前記軸方向突出伸長部(25)に繋がる、請求項4に記載のブレーキ装置(1)。
【請求項6】
前記ブレーキバンド(4)は、バンド通気ダクト(16)により分離されている、2つの対向バンド板(14,15)を有しており、
前記対向バンド板(14,15)は、ペグ又はフィン(17)により互いに繋がり、
前記接続要素(8)は、それぞれ、バンドピン端部(31)を備える中空ピンボディ(10)をそれぞれ有しており、
前記バンドピン端部(31)は、前記中空ピンボディ(10)を前記ブレーキバンド(4)に固定する一対のペグ又はフィン(17)に受容される、請求項1~5のいずれかに記載のブレーキ装置(1)。
【請求項7】
前記中空ピンボディ(10)を前記ブレーキバンド(4)に固定する前記一対のペグ又はフィン(17)は、前記バンドピン端部(31)から離れて、また互いに離れて、さらに窓部(12)を解放して、
前記中空ピンボディ(10)の貫通開口部(11)は、前記中空ピンボディ(10)の外部に通じており、
及び/又は、前記バンドピン端部(31)は、前記ペグ又はフィン(17)から離れて、前記バンド通気ダクト(16)に向けて突出するピン末端部(32)を備える、請求項6に記載のブレーキ装置(1)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の少なくとも1つのブレーキ装置(1)を備えるディスクブレーキ(40)。
【請求項9】
請求項1~7のいずれかに記載の少なくとも1つのブレーキ装置(1)、及び少なくとも1つの接続装置(8)を備える車両であって、
前記接続装置(8)は、車輪と一体となり、ディスクブレーキ(40)のディスク(2)を前記車輪に拘束する、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に適しているブレーキディスクを備えるブレーキ装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、ブレーキをかけたとき、振動や特定のノイズ(キーキー音)を生じるブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスクブレーキのブレーキキャリパは、一般的に、軸方向(X-X)を定める回転軸(A-A)周りに回転するブレーキディスクの外周端部をまたいで配置されている。また、ディスクブレーキにおいて、前記軸方向(X-X)に対して実質的に直角な径方向(R-R)、及び前記軸方向(X-X)と前記径方向(R-R)の両方に対して直角な接線方向又は円周方向(C-C)が定められる。
【0004】
ブレーキキャリパは、例えば車両のサスペンションの軸受ジャーナル、車輪のハブ、フォーク、又はモーターサイクルのフォークのように、車輪に関して固定されている支持構造に拘束されている。ブレーキキャリパは、一般的に、ブレーキディスクの対向ブレーキ面に向けて配置されている2つの伸長部、及び2つの上記伸長部を互いに繋げる少なくとも1つのブリッジを有するキャリパディスクボディを備える。好ましく動作されるキャリパはパッドをブレーキバンドに向けて付勢する。また、ブレーキ作用が、パッドとブレーキディスクのブレーキバンドとの間における摩擦により生じる。モーターサイクルに対する適用の場合、一般的な実施形態は、ブレーキディスクに対する結合面を形成することに適している車両の車輪に設けられる複数のスタッドを提供する。このブレーキディスクは、一般的に、接線方向又は円周方向において、互いに等間隔で配置されている複数の相互結合座部を備える。
【0005】
ディスクブレーキの装置の解決手段が、同じ出願人の欧州登録特許1122456号から知られている。また、この欧州登録特許1122456号は、本願の請求項1の前文に記載の特徴を有する。
【0006】
この既知の解決手段は、ブレーキ作用により加熱されるブレーキバンドの拡がりが改善されることを含む他の目的を達成するために最適化されている一方、振動、特に高周波振動を排除する、又は最小化するように最適化されていない。この高周波振動は、車両を減速させる段階において、可聴キーキー音を生じる。
【0007】
ブレーキ作用によって生じるディスク振動により、ブレーキをかけるとき、煩わしい可聴キーキー音が部分的にどのようになっているかも知られている。これらの振動は、ディスクの円周よりも小さい波長を有して、ディスク周り、すなわち円周方向に「伝播する」振動の形状になる傾向がある。この波の速度と周波数は、ディスクが回転するにつれて、キャリパとパッドに関して固定されている一連の節と凹部を生じる傾向があることも知られている。したがって、ディスクを基準点として用いることにより、波は、ディスク周りに伝播する一連の凸部と凹部に分解され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、これらの波を形成する傾向が減少するブレーキ装置を提供することである。
【0009】
上記及び他の目的と利点は、請求項1に記載のブレーキ装置、請求項9に記載のディスクブレーキ、及び請求項10に記載の車両により達成される。
【0010】
所定の有利な実施形態が、従属請求項の目的である。
【0011】
本発明は、ディスク周りに形成されている相対的に大きな剛性と小さな剛性を代替的に示す一連の領域、すなわち部分を有するブレーキディスクを提供する。このディスクにおいて、所定の素数の領域が、それぞれある。特に、7個の領域が、それぞれある。
【0012】
この解決手段の解析は、提案される解決手段により、どのように、ブレーキの快適さが得られることができるか、また先行技術の解決手段よりも、キーキー音をもたらす振動を減少させる、特になくすことができるかを示す。
【0013】
また、提案される解決手段は、どのように、ブレーキバンドとベルとの間における7個の接続要素により増加した剛性を有する7個の領域を用いることが、5個又は11個の接続部を有する解決手段よりも大きく快適になるかを示す。この5個又は11個の接続部を有する解決手段は、所定の素数の接続部を常に有する一方、第1に、過剰な降伏、騒音、及び低周波を有して、第2に、より大きな剛性、より大きな騒音、及び高周波を有して、同時に、車両を減速させるためのブレーキの間、可聴キーキー音を強調する。
【0014】
外部に向けて開口している中空ピンボディを有する所定の実施形態において、提案される解決手段は、激しいブレーキ作用に抵抗して、ブレーキをかけるときに生じる熱の除去を実質的に容易にする増加した能力を示す。
【0015】
有利な効果は、冷却用空気をブレーキバンドの通気ダクトに向ける軸方向突出伸長部と分流フィンを備えるベルを設けることにより、強調される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
上述の装置、ディスクブレーキ、及び車両の別の特徴と利点が、非限定的な実施例によりもたらされて、添付図面を参照する好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【0017】
図1図1は、本発明に記載のブレーキ装置の正面図を示す。
【0018】
図2図2は、図1の装置の斜視図を示す。
【0019】
図3図3は、接続部又はベルにおいて共に溶融されている接続要素が記載されている、ブレーキバンドを溶融させるためのコアの部分断面正面図を示す。
【0020】
図4図4は、板の通気ダクト、及び接続ペグ又はフィンが記載されている、軸方向X-Xを横断する平面に従って形成されている図1の装置の断面図を示す。
【0021】
図5図5は、回転軸A-Aと径方向R-Rを通る平面に応じる図1の装置の断面図を示す。
【0022】
図6図6は、接続部又はベルに対するブレーキバンドの接続装置の斜視図を示す。
【0023】
図7図7は、所定の実施形態に記載のブレーキ装置の拡大斜視図を示す。
【0024】
図8図8は、ブレーキバンドに固定されている端部における接続要素の拡大詳細図を示す。
【0025】
図9図9は、空気の流れの速度ベクトル及び空気の温度を示す、本発明に記載の装置から冷却用空気を排出するシミュレーションの結果を示す。
【0026】
図10図10は、本発明に記載の装置の回転軸A-Aと径方向R-R、特に接続要素の軸に沿う平面における断面図を示す。
【0027】
図11図11は、ブレーキバンドとベルとの間の接続領域におけるブレーキ装置の拡大図を示す。
【0028】
図12図12は、ブレーキ装置の斜視図を示す。
【0029】
図13図13は、図12に示す側面に関して反対側から見た、図12の装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
一般的な実施形態によれば、ブレーキ装置1が提供される。
【0031】
車両のためのブレーキ装置1は、回転軸A-A周りに回転することに適している、ディスクブレーキ40のブレーキディスク2を備える。上記ブレーキディスク2はディスクボディ3を備える。また、上記ディスクボディ3は、対向ブレーキ面5,6を有するブレーキバンド4を備える。
【0032】
上記ディスクボディ3は、ブレーキディスク2を、ブレーキ装置1と関連し得る車両の接続装置8に繋げることに適している少なくとも1つの接続部7又はベルを備える。
【0033】
上記ブレーキバンド4は、ブレーキディスク2の回転軸A-Aに平行な軸方向X-X、軸方向X-Xに対して直角な径方向R-R、及び軸方向X-Xと径方向R-Rの両方に対して直角な接線方向又は円周方向C-Cを定める。
【0034】
上記接続部7は、接続要素8により、上記ブレーキバンド4に繋げられている。
【0035】
上記接続要素8は、円周方向C-Cにおいて、等間隔で配置されている複数の接続要素である。
【0036】
複数の上記接続要素8は、予め決められた数である。また、上記予め決められた数は素数である。
【0037】
有利であるように、7個の上記接続要素8がある。
【0038】
試験が、素数の7により、ブレーキバンドにおける円周方向の振動波が最小化され、またブレーキ装置が取り付けられている車両の快適な乗り心地が最適化され、特に、ブレーキ作用により生じるキーキー音を最小化し得ることを示す。
【0039】
意外なことに、これらの結果は、接続要素の数として5を用いると、得られない。接続要素の数として5を用いると、装置は降伏し過ぎて、振動を増幅し得る。また、接続要素の数として11を用いると、ブレーキ装置は、剛性が大きくなり過ぎて、より大きな騒音になる。
【0040】
所定の実施形態によれば、上記ブレーキバンド(4)、上記接続部7又はベル、及び上記接続要素8は、上記ブレーキディスク2を形成するため、互いに異なり、また互いに繋がる構成要素である。
【0041】
所定の実施形態によれば、上記ブレーキバンド4と上記接続部7又はベルは第1の材料から形成されている。また、上記接続要素8は第2の材料から形成されている。
【0042】
所定の実施形態によれば、上記ブレーキバンド4は第1の材料から形成されている。上記接続要素8は第2の材料から形成されている。上記接続部7又はベルは第3の材料から形成されている。
【0043】
所定の実施形態によれば、上記ブレーキバンド4は鋳鉄から形成されている。上記接続要素8は鋼から形成されている。上記接続部7又はベルはアルミニウムから形成されている。
【0044】
所定の実施形態によれば、上記接続要素8はドラッグピン(9)である。
【0045】
所定の実施形態によれば、上記ドラッグピン9は、貫通開口部11を少なくとも形成する中空ピンボディ10をそれぞれ有する。この貫通開口部11は、少なくとも2つの対向窓部12,13により、上記中空ピンボディ10の外部に通じている。
【0046】
所定の実施形態によれば、上記ブレーキバンド4は、バンド通気ダクト16により分離されている2つの対向バンド板14,15を有する。上記対向バンド板14,15は、ペグ又はフィン17により互いに繋がる。
【0047】
所定の実施形態によれば、上記接続部7はベル形状接続ボディ18を有する。このベル形状接続ボディ18は、ブレーキ装置1を車両に関連付けること、及び冷却用空気流入ベルギャップ20を形成することに部分的に適しているベル内側窪み19を含む。
【0048】
所定の実施形態によれば、それぞれの上記ドラッグピン9の上記対向窓部12,13は、上記バンド通気ダクト16における第1窓部12と、上記ベルギャップ20における第2窓部13に通じている。
【0049】
所定の実施形態によれば、上記接続要素8は、車両に取り付けられている上記ブレーキ装置1を操作する間、上記接続要素8と上記ブレーキバンド4との間における相対移動を防ぐため、上記ブレーキバンド4に固定されている。
【0050】
所定の実施形態によれば、上記接続部7は、ベル形状であり、フランジ外側端部22と、フランジ外側端部22から軸方向X-Xに突出する円筒接続ケーシング23とを有するディスク形状の取付フランジ21を備える。
【0051】
所定の実施形態によれば、上記円筒接続ケーシング23は、上記接続要素8を摺動自在に収容する貫通座部24を備えるため、熱的に付勢されるとき、ブレーキバンドは径方向R-Rに拡がり、上記ベル7から径方向に(径方向R-Rに沿って)移動し得る。
【0052】
所定の実施形態によれば、上記ドラッグピン9は、ブレーキバンド4に固定するためのリブを備える。
【0053】
所定の実施形態によれば、上記リブは、円周方向の座部と交互に配置されている円周方向のリブである。
【0054】
所定の実施形態によれば、上記接続部7は、ベル形状であり、フランジ外側端部22と、フランジ外側端部22から軸方向X-Xに突出する円筒接続ケーシング23とを有するディスク形状の取付フランジ21を備える。上記円筒接続ケーシング23は、ベル貫通窓部26と共に、軸方向X-Xに突出して、且つ円周方向C-Cに交互に配置されている軸方向突出伸長部25を備える。
【0055】
所定の実施形態によれば、上記軸方向突出伸長部25は、上記接続要素8を摺動自在に収容する貫通座部24を備える。
【0056】
所定の実施形態によれば、上記ベル貫通窓部26は、それぞれ、円周方向C-Cに伸びるベース部28を有する窓端部27を備える。
【0057】
所定の実施形態によれば、ブレーキバンド4に向けて径方向R-Rに突出する少なくとも1つの分流フィン29が、上記ベース部28の近くにある。
【0058】
所定の実施形態によれば、上記分流フィン29は、軸方向リブ30を有する上記軸方向突出伸長部25に繋がる。
【0059】
所定の実施形態によれば、上記ブレーキバンド4は、バンド通気ダクト16により分離されている、2つの対向バンド板14,15を有する。上記対向バンド板14,15は、ペグ又はフィン17により互いに繋がる。接続要素8は、それぞれ、バンドピン端部31を備える中空ピンボディ10をそれぞれ有する。上記バンドピン端部31は、上記中空ピンボディ10をブレーキバンド4に固定する一対のペグ又はフィン17に受容される。
【0060】
所定の実施形態によれば、上記中空ピンボディ10をブレーキバンド4に固定する上記一対のペグ又はフィン17は、上記バンドピン端部31から離れて、また互いに離れて、さらに窓部12を解放する。上記中空ピンボディ10の貫通開口部11は、上記中空ピンボディ10の外部に通じている。
【0061】
所定の実施形態によれば、上記バンドピン端部31は、ペグ又はフィン17から離れて、上記バンド通気ダクト16に向けて突出するピン末端部32を備える。
【0062】
また、本発明は、上述の実施形態のいずれかに記載の少なくとも1つのブレーキ装置1を備えるディスクブレーキ40に関する。
【0063】
さらに、本発明は、上述の実施形態のいずれかに記載の少なくとも1つのブレーキ装置1、及び少なくとも1つの接続装置8を備える車両に関する。この接続装置8は、車輪と一体となり、ディスクブレーキ40のディスク2を上記車輪に拘束する。
【0064】
ブレーキのキーキー音を減らすことに加えて、提案される上記装置の解決手段により、通気効率が最適化される。
【0065】
コンピューターによる流体動的解析が、コアとドラッグピンに行われて、最適な空気の流れと装置の熱除去とを示す。これにより、最適な熱力学的性能を保証する(図12)。
【0066】
また、通気効率は、ケーブルの引張により増加する。シミュレーションは、引張による空気の経路を示す。
【0067】
さらに、向上した通気効率は、フィンにより得られる。
【0068】
上記フィンが、ベルを過ぎた流れをそらすことにより、空気の流れはそらされて、また通気は、温度が危険であるバンドに向けて導かれる。
【0069】
当業者は、添付されている請求項の保護の範囲から逸脱することなく、偶発的必要性を満足するため、多くの変更、適用、及び置き換えを上述の実施形態に行う、又は要素を機能的に同等な他の要素に置き換え得る。
【符号の説明】
【0070】
1:ブレーキ装置
2:ブレーキディスク
3:ディスクボディ
4:ブレーキバンド
5:対向ブレーキ面
6:対向ブレーキ面
7:接続部又はベル
8:接続要素
9:ドラッグピン
10:中空ピンボディ
11:貫通開口部
12:対向窓部
13:対向窓部
14:バンド板
15:バンド板
16:バンド通気ダクト
17:ペグ又はフィン
18:接続ボディ
19:ベル内側窪み
20:ベルギャップ
21:ディスク形状の取付フランジ
22:フランジ外側端部
23:円筒接続ケーシング
24:ピンに対する貫通座部
25:軸方向突出伸長部
26:ベル貫通窓部
27:窓端部
28:ベース部
29:分流フィン
30:軸方向リブ
31:バンドピン端部
32:ピン末端部
33:ピンベル端部
40:ディスクブレーキ
41:ブレーキバンドに対するコア
A-A:回転軸
X-X:軸方向
R-R:径方向
C-C:接線方向又は円周方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13