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特許7209712冗長シールを備えるブラインドボス嵌合部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】冗長シールを備えるブラインドボス嵌合部品
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/06 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
F17C13/06 301Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020524327
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 US2018057920
(87)【国際公開番号】W WO2019094214
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】62/582,477
(32)【優先日】2017-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511167010
【氏名又は名称】ヘキサゴン テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ムトレイ ブラッド ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】エイフーセン ジョン アレン
(72)【発明者】
【氏名】イェギー ブライアン クリストファー
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-002655(JP,A)
【文献】特表2013-520622(JP,A)
【文献】特開2014-037865(JP,A)
【文献】米国特許第08863973(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00-13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力容器用のボスアセンブリであって、前記ボスアセンブリは、
内表面を有する開口部と、前記内表面に隣接する第1停止機構とを備えるボスと、
少なくとも部分的に前記ボス内に挿入されて、前記圧力容器の内部と前記圧力容器の外部の間の流体の連通を防止するように構成された嵌合部品であって、外表面と、前記外表面に隣接する第2停止機構とを備える嵌合部品と、
前記外表面に沿って配置された第1シールと、
前記外表面に沿って配置された第2シールと、を備え、
前記嵌合部品は、前記ボスに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、
前記第1位置において、前記第1シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合し、前記第2シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合せず、前記第1停止機構と前記第2停止機構との間に相互接触はなく、
前記第2位置において、前記第1シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合せず、前記第2シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合し、前記第1停止機構は前記第2停止機構に接触する、
圧力容器用のボスアセンブリ。
【請求項2】
前記第1停止機構は前記内表面から外向きに延在する肩部であり、前記第2停止機構は前記外表面から外向きに延在する面である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ボスは雌ねじ面を備え、前記嵌合部品は前記雌ねじ面と係合するように構成された雄ねじ面を備える、請求項1から2のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記嵌合部品は、前記第1シール又は前記第2シールを保持するように構成された第1溝を備える、請求項1からのいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記嵌合部品は第2溝を備える、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
少なくとも部分的に前記第2溝内に挿入されるように構成されたリテーナを更に備える、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記リテーナは、前記第2位置において前記ボスの外側に位置する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記リテーナは、前記第2位置において前記ボスの外面に接触する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記リテーナは、前記第1位置において前記開口部の内部に位置する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記嵌合部品はその外面に非円形の凹部を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
圧力容器とともにボスアセンブリを使用する方法であって、
前記ボスアセンブリは、
内表面を有する開口部と、前記内表面に隣接する第1停止機構とを備えるボスと、
前記ボス内に挿入されて、前記圧力容器の内部と前記圧力容器の外部の間の流体の連通を防止するように構成された嵌合部品であって、外表面と、前記外表面に隣接する第2停止機構とを備える嵌合部品と、を備え、
前記方法は、
前記嵌合部品を第1位置まで前記ボスの前記開口部に挿入して、第1溝内に配置される第1シールが前記内表面と前記外表面との間に係合し、第2シールが前記内表面と前記外表面との間に係合せず、前記第1停止機構と前記第2停止機構との間に相互接触がないようにすることと、
前記ボスの前記開口部に対して前記嵌合部品を第2位置まで移動させて、前記第1溝が前記圧力容器の外部と流体連通し、前記第2シールが前記内表面と前記外表面との間に係合するようにすることとを含む、方法。
【請求項12】
前記第1シールを、前記嵌合部品の前記外表面に沿って前記第1溝内に配置することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2シールを、前記嵌合部品の前記外表面に沿って別の溝内に配置することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記嵌合部品の前記外表面に沿って、少なくとも部分的に第2溝内にリテーナを配置することを更に含む、請求項12から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ボスの前記開口部に対して前記嵌合部品を前記第2位置まで移動させて、前記第1シール前記ボスの外側に位置するようにすることを更に含む、請求項11から14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[背景]
圧力容器は、一般に、例えば水素、酸素、天然ガス、窒素、プロパン、メタン、及び他の燃料等の、加圧下にある種々の流体を収容するために用いられる。一般に、圧力容器はどのような大きさ又は形状であってもよい。圧力容器は、例えば、重くても軽くてもよく、単回使用(例えば、使い捨て式)であっても、再使用可能であっても、高圧(例えば50psi超)を受けても、低圧(例えば50psi未満)を受けても、あるいは高温又は低温の流体を保管するために用いられてもよい。
【0002】
適切な圧力容器のシェル材料は、鋼等の金属又は複合材料を含み、複合材料は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂により結合された、巻回したガラス繊維フィラメント又は他の合成フィラメントの積層体を含んでもよい。繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、あるいは他の一般に知られた繊維強化材料であってもよい。樹脂材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱可塑性樹脂、あるいは繊維間結合、繊維層間結合、及び容器が使用される特定の用途のために求められる破砕耐性を提供することができる他の適切な樹脂材料であってもよい。容器の複合構造は、例えば軽量性や、耐腐食性、耐疲労性、耐突発故障性など多くの利点を提供する。これらの属性は、強化繊維又は強化フィラメントの高い比強度によるものである。
【0003】
容器を密封して、内部の流体が複合材料に接触するのを防止するために、ポリマ又は他の非金属製の弾性ライナ又は弾性ブラダがしばしば複合材料シェルの内部に配置される。ライナは、圧縮成形、ブロー成形、射出成形、又は他の一般に知られた手法により製造してもよい。あるいは、ライナは、鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、プラチナ、金、銀、ステンレス鋼、及びそれらの任意の合金を含む、他の材料で作られてもよい。これらの材料は、一般に高い弾性率を有すると特徴づけることができる。一実施形態において、ライナ20は、ブロー成形された高密度ポリエチレン(HDPE)で形成されている。
【0004】
図1は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる「損傷軽減システムを備えた圧力容器」と題する米国特許第5,476,189号に開示された容器のような、長形の圧力容器10を示す。圧力容器10は、本体部12と、略半球状又はドーム状の両端部14とを有する。典型的にはアルミニウムで構成されるボス16が、圧力容器10の一端又は両端に設けられ、圧力容器10の内部環境17と外部環境19との間の連通口を提供する。図2に示されるように、圧力容器10は、シェル18に覆われたライナ20(例えば、ポリマ製インナーライナなど)を備えて形成される。一例において、シェル18は、フィラメントを巻回した複合材料シェルであってもよい。シェル18は圧力容器10に掛かる構造負荷を解決し、一方、ライナ20はガスバリアを提供する。
【0005】
図2は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる「フィラメント巻回式圧力容器用のボス」と題する米国特許第5,429,845号に開示されたようなボス16を備える端部14の、図1の線2-2に沿った部分断面図を示す。ボス16はネック部22を備え、ネック部22は外表面23と開口部26とを有する。開口部26は、ボス16の外表面23を垂直に横断しており、圧力容器10の外部環境19と内部環境17の間の流体の連通を可能にする。ボス16は、ネック部22の開口部26から半径方向外側に延出するフランジ24(環状フランジとして図示されている)も備えている。一般に、ボス16のフランジ24は、ライナ20の部分の間に収容されており、かつ/又は、ライナ20とシェル18との間に挟まれている。典型的には、シェル18はネック部22に当接する。
【0006】
本開示において、内部環境17に向かう表面、方向、及び要素は、「内」という用語を伴って言及され、外部環境19に向かう表面、方向、及び要素は、「外」という用語を伴って言及される。この表記は限定的なものではなく、便宜上及び理解を容易にするために提供されるものであって、他の用語もまた使用可能であり、かつ/又は、適切であり得ることが理解されるべきである。例示的な圧力容器の形成に関する詳細は、参照により本明細書に組み込まれる「フィラメントを巻回する方法及び装置」と題する米国特許第4,838,971号に開示されている。
[概要]
一局面において、本開示は圧力容器用のボスアセンブリを説明しており、ボスアセンブリは、ボスと、嵌合部品と、第1シールと、第2シールとを備える。ボスは、内表面を有する開口部と、前記内表面に隣接する第1停止機構とを備える。嵌合部品は、少なくとも部分的にボス内に挿入されて、圧力容器の内部と圧力容器の外部の間の流体の連通を防止するように構成され、嵌合部品は、外表面と、前記外表面に隣接する第2停止機構とを備える。第1シール及び第2シールのそれぞれは、前記外表面に沿って配置される。嵌合部品は、ボスに対する第1位置と第2位置との間で移動可能である。第1位置において、第1シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合し(sealingly engaged)、第2シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合せず、第1停止機構と第2停止機構との間に相互接触はない。第2位置において、第1シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合せず、第2シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合し、第1停止機構は第2停止機構に接触する。
【0007】
別の局面においては、圧力容器とともにボスアセンブリを使用する方法が説明されている。ボスアセンブリは、ボスと嵌合部品とを備える。ボスは、内表面を有する開口部と、前記内表面に隣接する第1停止機構とを備える。嵌合部品は、ボス内に挿入されて、圧力容器の内部と圧力容器の外部の間の流体の連通を防止するように構成され、嵌合部品は、外表面と、前記外表面に隣接する第2停止機構とを備える。この方法は、嵌合部品を第1位置までボスの開口部に挿入して、第1シールは前記内表面と前記外表面との間に係合し、第2シールは前記内表面と前記外表面との間に係合せず、前記第1停止機構と前記第2停止機構との間に相互接触がないようにすることを備える。
【0008】
本開示は、装置または方法の形態であっても、様々な組合せで、以下に挙げる項目により特徴付けられ得る。
1. 圧力容器用のボスアセンブリであって、前記ボスアセンブリは、
内表面を有する開口部と、前記内表面に隣接する第1停止機構とを備えるボスと、
少なくとも部分的に前記ボス内に挿入されて、前記圧力容器の内部と前記圧力容器の外部の間の流体の連通を防止するように構成された嵌合部品であって、外表面と、前記外表面に隣接する第2停止機構とを備える嵌合部品と、
前記外表面に沿って配置された第1シールと、
前記外表面に沿って配置された第2シールと、を備え、
前記嵌合部品は、前記ボスに対して、第1位置と第2位置との間で移動可能であり、
前記第1位置において、前記第1シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合し、前記第2シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合せず、前記第1停止機構と前記第2停止機構との間に相互接触はなく、
前記第2位置において、前記第1シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合せず、前記第2シールは前記内表面と前記外表面との間に密封係合し、前記第1停止機構は前記第2停止機構に接触する、
圧力容器用のボスアセンブリ。
2. 前記第1停止機構は前記内表面から外向きに延在する肩部であり、前記第2停止機構は前記外表面から外向きに延在する面である、項目1に記載のアセンブリ。
3. 前記ボスは雌ねじ面を備え、前記嵌合部品は前記雌ねじ面と係合するように構成された雄ねじ面を備える、項目1から2のいずれか1項に記載のアセンブリ。
4. 前記嵌合部品は、前記第1シール又は前記第2シールを保持するように構成された第1溝を備える、項目1から3のいずれか1項に記載のアセンブリ。
5. 前記嵌合部品は第2溝を備える、項目4に記載のアセンブリ。
6. 少なくとも部分的に前記第2溝内に挿入されるように構成されたリテーナを更に備える、項目5に記載のアセンブリ。
7. 前記リテーナは、前記第2位置において前記ボスの外側に位置する、項目6に記載のアセンブリ。
8. 前記リテーナは、前記第2位置において前記ボスの外面に接触する、項目7に記載のアセンブリ。
9. 前記リテーナは、前記第1位置において前記開口部の内部に位置する、項目6から8のいずれか1項に記載のアセンブリ。
10. 前記嵌合部品はその外面に非円形の凹部を備える、項目1から9のいずれか1項に記載のアセンブリ。
11. 圧力容器とともにボスアセンブリを使用する方法であって、
前記ボスアセンブリは、
内表面を有する開口部と、前記内表面に隣接する第1停止機構とを備えるボスと、
前記ボス内に挿入されて、前記圧力容器の内部と前記圧力容器の外部の間の流体の連通を防止するように構成された嵌合部品であって、外表面と、前記外表面に隣接する第2停止機構とを備える嵌合部品と、を備え、
前記方法は、
前記嵌合部品を第1位置まで前記ボスの前記開口部に挿入して、第1シールが前記内表面と前記外表面との間に係合し、第2シールが前記内表面と前記外表面との間に係合せず、前記第1停止機構と前記第2停止機構との間に相互接触がないようにすることを含む、方法。
12. 前記第1シールを、前記嵌合部品の前記外表面に沿って第1溝内に配置することを更に含む、項目11に記載の方法。
13. 前記第2シールを、前記嵌合部品の前記外表面に沿って別の溝内に配置することを更に含む、項目12に記載の方法。
14. 前記嵌合部品の前記外表面に沿って、少なくとも部分的に第2溝内にリテーナを配置することを更に含む、項目12から13のいずれか1項に記載の方法。
15. 前記リテーナを配置することは、前記リテーナを前記ボスの外側に配置することを含む、項目14に記載の方法。
16. 前記リテーナを配置することは、前記リテーナを前記ボスの外表面に接触させることを含む、項目15に記載の方法。
17. 前記ボスの前記開口部に対して前記嵌合部品を第2位置まで移動させて、前記第1シールが前記ボスの外側に位置し、前記第2シールが前記内表面と前記外表面との間に係合し、前記第1停止機構が前記第2停止機構に接触するようにすることを更に含む、項目11から16のいずれか1項に記載の方法。
18. 前記ボスの前記開口部に対して前記嵌合部品を移動させることは、前記嵌合部品を回転させて、前記ボスの雌ねじ面と前記嵌合部品の雄ねじ面とを係合させることを含む、項目17に記載の方法。
19. 前記嵌合部品を回転させるために、前記嵌合部品の外面にある非円形の凹部を係合させることを含む、項目18に記載の方法。
20. 前記ボスの前記開口部に対して前記嵌合部品を移動させることは、前記開口部内で前記嵌合部品上に配置されたリテーナを移動させることを含む、項目17から19のいずれか1項に記載の方法。
【0009】
本概要は、以下の「詳細な説明」において更に説明される概念を簡略な形で紹介するために提供されている。本概要は、開示された又は請求項に記載された主題の重要な特徴又は不可欠な特徴を特定することを意図するものではなく、それぞれの開示された実施形態又は開示されたもしくは請求項に記載された主題の全ての実施を説明することを意図するものでもない。特に、一実施形態に関して本明細書中で開示された特徴は、他の実施形態にも同様に適用可能であり得る。更に、本概要は、請求項に記載された主題の範囲を決定する助けとして用いられることを意図するものではない。多くの他の新規な利点、特徴、及び関係は、説明が進むにつれて明らかになるであろう。以下の図及び説明は、更に具体的に例示的な実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
開示された主題は、添付の図を参照して更に説明され、複数の図を通して、同様の構造又はシステム要素は同様の参照番号により示される。複数の実施形態を通して、全ての説明は同様及び類似の構造に適用可能であると考えられる。
図1】典型的な従来の圧力容器の側面図である。
図2図1の線2-2に沿った、図1の圧力容器の一端の部分断面図である。
図3】例示的なブラインドボスアセンブリの構成要素の分解断面図である。
図4図3の嵌合部品の拡大図である。
図5】構成要素が巻回モード構成に組み付けられた、ブラインドボスアセンブリの断面図である。
図6図5と類似であるが、サービスモード構成に組み付けられた構成要素を示す図である。
図7図5及び図6と類似であるが、保守モード構成に組み付けられた構成要素を示す図である。
図8】サービスモード構成における、ブラインドボスアセンブリの第2の例示的な実施形態の径方向断面図である。
図9】サービスモード構成における、ブラインドボスアセンブリの第3の例示的な実施形態の径方向断面図である。
図9A】通気構成における、図9のブラインドボスアセンブリの部分図である。
図10図6のサービスモード構成に組み付けられた構成要素を備える例示的なブラインドボスアセンブリを含む、圧力容器の一端の部分断面図である。
【0011】
上記の図は開示された主題の1つ以上の実施形態を説明しているが、本開示において述べたように他の実施形態も考えられる。いかなる場合も、本開示は、開示された主題を代表として提示しており、限定として提示するものではない。当業者であれば、本開示の原理の範囲内にある多くの他の変更及び実施形態に想到し得るものと解すべきである。
【0012】
上記の図は、正確な縮尺により描かれているとは限らない。特に、明確性のために、ある特徴を他の特徴に対して拡大する場合もあり得る。更に、上方、下方、上、下、上部、下部、側方、右、左、垂直、水平等の用語が用いられる場合、それらの用語は説明の理解を容易にするためにのみ用いられているものと解すべきである。構成は、異なる方向に向けられてもよいと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[詳細な説明]
本開示はブラインドボスアセンブリ28に関し、ブラインドボスアセンブリ28は、図3-7に示されるように、ボス30と、ボス30の開口部26に挿入されるように構成された嵌合部品32とを含む、2ピース構造として形成される。図4は、ボス30の内側に対して螺合されるように構成された嵌合部品32の拡大断面図である。図5に示されるように、ボス30と嵌合部品32との接続構成は、圧力容器10を形成するためのフィラメント巻回工程中に部品が互いから外れることを防ぐ保持リング62によって維持される。圧力容器の形成完了の後、図6に示されるように構成されたブラインドボスアセンブリ28を備えて、圧力容器10が使用開始となる。図7はアセンブリ28の保守モード構成を示している。
【0014】
図3は、ボス30及び嵌合部品32を備えるブラインドボスアセンブリ28の、例示的な構成要素の径方向断面図である。各構成要素の半分のみが示されているが、例示的な実施形態において、構成要素は断面の切断線に対して対称であり、かつ長手軸58を中心として環状であるものと解すべきである。ブラインドボスアセンブリ28は、圧力容器の開口部を塞ぐために、圧力容器10のボス16の代わりに用いてもよい。ブラインドボスアセンブリ28の構成要素の特定の構成が示されているが、例えば、図2のボス16に関して示されているフランジ24の蟻継ぎを含む、他のボス機能を組み込んでもよいことは理解されるべきである。図4は、図3の嵌合部品32の拡大図であり、これにより嵌合部品32の構造的特徴がより明確に視認できる。
【0015】
図3に示されるように、ボス30及び嵌合部品32は、嵌合部品32が挿入方向34に沿って可変の深さまでボス30内に挿入可能であるが、ボス30の肩部36と嵌合部品32の面38との当接により制限を受けるように構成されている。例示的な実施形態において、ボス30は雌ねじ面40を備え、雌ねじ面40は、嵌合部品32の雄ねじ面42と協働するように構成される。嵌合部品32は、2つのリテーナ溝44及び46と、2つのシーリング溝48及び50とを備える。嵌合部品32は、工具との非回転係合のためにキー形状にした凹部56を備え、それによって使用者は、嵌合部品32を、ボス30と共通の長手軸58を中心として回転させることができ、それにより、嵌合部品32をボス30の開口部26内に螺合するように挿入し嵌合させることができる。例示的な実施形態において、凹部56は、円錐状の窪みの形を有する中央巻回機構68を備える。中央巻回機構68により、マンドレル要素は、ボスアセンブリ28を、軸58周りに回転可能なように心出しして保持することができる。
【0016】
図5は、ボスアセンブリ28の巻回モード構成に組み付けられたボス30及び嵌合部品32を示し、嵌合部品32は斜視図、ボス30は径方向断面図で示されている。この構成は、ライナ20上にシェル18のフィラメントが巻回される間、アセンブリ28が圧力容器10のライナ20の開口部内に挿入されて保持される際に、ボス30及び嵌合部品32の組み付け状態を維持するのに有用である。O-リング、ガスケット又は他のシール60a(断面で表示)がシーリング溝50に挿入され、ボス30と嵌合部品32との境界における流体の出入りをシールする。例えば保持リングなどの巻回リテーナ62がリテーナ溝46に挿入され、ボス30の外面64に押し当てられ保持される。したがって、リテーナ62は、ボス30の肩部36が嵌合部品32の面38に接触する完全挿入された構成に、ボス30及び嵌合部品32を保持し、それによりボス30及び嵌合部品32が軸58に沿って互いから外れることを防ぐ。
【0017】
図6は、サービスモード構成におけるブラインドボスアセンブリ28の径方向断面図であり、この構成では、内部環境17の流体により加圧される圧力容器10にブラインドボスアセンブリ28が備えられている(図10も参照)。この構成においては、巻回リテーナ62が取り外され、サービスリテーナ66が嵌合部品32のリテーナ溝44に取り付けられている。サービスリテーナ66は、ボス30の肩部54により制限される、図6の右への最大移動を有する。サービスリテーナ66は、例示的な実施形態において、いずれもほぼ平坦で環状又はC字型の保持リングである点において、巻回リテーナ62と同様であってもよい。しかし、サービスリテーナ66は外径寸法が巻回リテーナ62より小さいため、ボス30の外面64を越えて、肩部54に当接するまで開口部26内に収まることができる。
【0018】
この構成においては、例えばO-リングなど追加のシール60bがシーリング溝48に配置される。したがって、このシール60bがボス30と嵌合部品32との境界を封止して、両構成要素の境界における流体の出入りを防ぐ。この構成において、シール60aはシーリング溝50内に残っているが、このサービスモード構成においてはシーリング溝50の付近でボス30と嵌合部品32の表面同士が接触しないため、シール60aは封止機能を果たさない。
【0019】
リテーナ66は、リテーナ溝44において嵌合部品32に対する位置が固定されているが、リテーナ66は、ボス30の肩部36が嵌合部品32の面38に接触するまでは、図6に示される左方向に向かって嵌合部品32とともに長手軸58に沿って移動可能である。ボス30に対する嵌合部品32の図6の右への移動は、リテーナ66がボス30の肩部54に接触することにより制限される。したがって、このサービスモード構成において、ブラインドボスアセンブリ28は、シーリング溝48内に位置するシール60b及び/又はシーリング溝50内に位置するシール60aにおいて依然として流体密封シールを提供しつつ、長手軸58の向きにおける嵌合部品32のボス30内外への移動に反映されているように、制限された伸縮が可能である。
【0020】
やがて、シーリング溝48内のシール60bは、年数の経過及び/又は圧力容器の圧力サイクルによる磨耗を原因とする材料及び/又は構造における故障のため、交換が必要になる場合がある。図7は、保守モード構成にあるブラインドボスアセンブリ28を示し、嵌合部品32が斜視図で示され、ボス30が径方向断面図で示され、ボス30と嵌合部品32とは、図5に示される位置と同様な相対位置にある。ただし、図5のリテーナ62は省かれている(また、本図ではサービスリテーナ66も同様に省かれている)。シーリング溝48内のシール60bが露出されているため、使用者はそのシール60bを取り外して交換することができる。その時、シーリング溝48内のシール60bが取り外されるか、又は稼動していない場合であっても、シーリング溝50内のシール60aは、ボス30と嵌合部品32との境界を封止する稼動状態を保ち、圧力容器10からの流体の出入りを防ぐ。
【0021】
ボス30に対する嵌合部品32の図7の左方向への移動は、ボス30の肩部36と嵌合部品32の面38との相互接触により制限される。ボス30に対する嵌合部品32の図7の右方向への過度の移動は、圧力容器10内に収容された流体の圧力により抑止される。更に、ボス30に対する嵌合部品32の図7の右方向への移動は、図6に示されるように、ボス30の肩部54と嵌合部品32の溝44内に保持され得るリテーナ66との相互接触により制限することができる。
【0022】
シール60a、60bのうち少なくとも1つは、図5-7に示す巻回構成、サービス構成、及び保守構成の全てにおいて、ボス30と嵌合部品32との境界を封止するために稼動する。したがって、圧力容器10はこれらすべての段階において密閉状態にあるため、どの時点でも高圧流体が圧力容器から排出されるおそれがない。
【0023】
シーリング溝50内のシール60aは、一般に、シーリング溝48内のシール60bより保守又は交換の必要性が低いであろう。そのように予測されるのは、シーリング溝50内のシール60aが、典型的には、本来、図5及び7の巻回構成及び保持構成の間においてのみ稼動し、それらの構成は圧力容器の耐用年数中に生じる頻度が低いためである。しかしながら、シーリング溝50内のシール60aを交換することが望ましい場合、ブラインドボスアセンブリ28により閉鎖されている開口部とは異なる開口部を介して圧力容器を空にすることなどにより、圧力容器を減圧することは可能である。その後、図3に示すように、嵌合部品32をボス30から完全に取り外すことができ、必要に応じて、圧力容器10内で嵌合部品32を把持及び操作するために工具を使用し、シーリング溝50からシール60aを取り外して交換することができる。圧力容器が嵌合部品32より大きい別の開口部を備える場合、そのような大きい開口部は、ボス30とは独立して、嵌合部品32を保守及び操作のために圧力容器10の内部17へのアクセスを可能にし得る。
【0024】
ボス30及び嵌合部品32は、例えばアルミニウムなどの高強度の金属材料によって形成されることが考えられる。場合によっては、ボス30及び嵌合部品32は、圧力容器10の使用中に予想される構造負荷を解決するように選択された異なる材料で形成されてもよい。典型的には、シール60a、60bは、弾性のある低デュロメータ硬度のポリマで形成されるため、それぞれのシール60b、60aが、嵌合部品32の外表面70にわたって伸び、それぞれのシーリング溝48、50に嵌まり込むことが可能になる。巻回リテーナ62及びサービスリテーナ66は、外表面70にわたって十分に曲がり、リテーナ溝46及び44のそれぞれに嵌まり込むように、同様に弾性を有する、より剛性の高いポリマ材料で形成されてもよい。図3に示されるように、嵌合部品32は方向34に向かって(例えば、圧力容器10の内部17から)挿入されるように構成される。したがって、多くの適用例において、挿入物32は、圧力容器を完全に形成する前に、ボス30内に配置されていることになる。例えば、ブラインドボスアセンブリ28は、容器シェル18が巻き付けられる前に容器ライナ20の開口部に配置されてもよい。
【0025】
図5及び図6に示すように、巻回リテーナ62及びサービスリテーナ66の一方又は両方をリテーナ溝44、46のうちの1つに設けることによって、不注意により嵌合部品32がボス30から完全に離脱することを防ぐ。図5に示されるように、嵌合部品32の右への移動は、巻回リテーナ62がボス30の外面64に接触することにより制限される。図6に示されるように、サービスリテーナ66を用いる場合、ボス30に対する嵌合部品32の右への移動は、サービスリテーナ66がボス30の肩部54に接触することにより制限される。
【0026】
図6に示されるように、シーリング溝48及び50のそれぞれにシール60b、60aを最初に設置した後、シール60b、60aは、圧力容器10の内部環境17及び外部環境19の両方への露出から保護されている。したがって、シール60a、60bは環境悪化から保護されている。
【0027】
図6に示す「サービスモード」(以下、「第1位置」という)において、図5の「巻回モード」構成と比較すると、嵌合部品32は、ボス30に対して部分的に螺合されていないため、シーリング溝48内のシール60bの形態の1次シールは、ボス30と嵌合部品32との間に係合する。シール60bを容易に保守及び/又は交換できるよう、図7の「保守モード」(以下、「第2位置」という)は、シーリング溝48内の1次シール60bが交換のため取外し可能である間、シーリング溝50内の2次シール60aが、ボス30と嵌合部品32との間における漏出を防ぐために係合する構成における、ボス30及び嵌合部品32を示す。これらの冗長的なシール60a、60bがあるため、圧力容器10が加圧下にある間に保守が行われたとしても、ブラインドボスアセンブリ28は常に密閉される。
【0028】
図8は、サービスモード構成における、ブラインドボスアセンブリ28aの第2の例示的な実施形態の径方向断面図である。図9は、サービスモード構成における、ブラインドボスアセンブリ28bの第3の例示的な実施形態の径方向断面図である。ブラインドボスアセンブリ28a及び28bの多くの構成要素及び特徴は、ブラインドボスアセンブリ28の実施形態を参照して上述した構成要素及び特徴と類似している。したがって、一実施形態の構成要素及び特徴の説明は、別段の記載がない限り、他の実施形態の類似の構成要素にも適用されることは理解されるべきである。
【0029】
図6、8及び9は、嵌合部品32、32a、32bがボス30、30a、30bに対して挿入方向34(図3に表示されている)に過度に挿入されることを防止する機構の、3つの実施形態を示している。図6のアセンブリ28において、ボス30は肩部36の形態の第1停止機構を備えており、肩部36は、開口部26の内表面から半径方向外向きに、当該内表面に隣接して延在している。嵌合部品32は、面38の形態の第2停止機構を備えており、面38は、嵌合部品32の外表面70(図3に表示されている)から半径方向外向きに、外表面70に隣接して延在している。図5及び図7に示すように、肩部36と面38との相互接触は、嵌合部品32がボス30内に挿入方向34に挿入可能な範囲を制限する。
【0030】
図8のアセンブリ28aにおいて、ボス30aは肩部36aの形態の第1停止機構を備えており、肩部36aは、開口部26の内表面からある角度で外向きに、当該内表面に隣接して延在している。嵌合部品32aは面38aの形態の第2停止機構を備えており、面38aは、嵌合部品32aの外表面70からある角度で外向きに、外表面70に隣接して延在している。図示された実施形態において、肩部36aと面38aは同様の傾斜又はテーパを有するため、両者の表面はほぼ平行である。肩部36aと面38aとの相互接触は、嵌合部品32aがボス30内に挿入方向34(図3に表示されている)に挿入可能な範囲を制限する。
【0031】
図9のアセンブリ28bにおいて、ボス30bは、開口部26の内表面に隣接する端部ねじ36bの形態の第1停止機構を備える。嵌合部品32bは、嵌合部品32bの外表面70に隣接する端部ねじ38bの形態の第2停止機構を備える。端部ねじ36bと端部ねじ38bとの相互接触は、嵌合部品32bがボス30b内に挿入方向34(図3に表示されている)に挿入可能な範囲を制限する。
【0032】
図9において、ブラインドボスアセンブリ28bの構成要素は、密閉されたサービスモード構成に組み付けられている。それに対して、図9Aは、ブラインドボスアセンブリ28bの通気構成を示す。通気構成においては、溝48と通気口72との間に流路74を介して流体連通路が確立される程度に、嵌合部品32bはボス30bから螺合が解除されている。例示的な実施形態では、通気構成において、ボス30bの雌ねじ面40と嵌合部品32bの雄ねじ面42との間における波形の流体連通路を介して、溝50と圧力容器の内部環境17との間に流体連通通気路も確立される。このようにして、溝48及び50に蓄積されたガスを放出することができる。更に、例示的な実施形態において、通気口72は、放出されたガスを回収するためのリザーバ又は他の容器に接続されてもよい。開示された通気路はまた、ブラインドボスアセンブリ28bが設置された圧力容器10を、制御された状態でゆっくり減圧することができる手段を提供する。通気口72がリザーバに接続されている場合、放出された圧力容器10の内容物をリザーバに収容することができる。
【0033】
適切な実施形態の例示的で非限定的な説明が、以下に記載されている。圧力容器10用の例示的なボスアセンブリ28、28a、28bは、ボス30、30a、30bと、嵌合部品32、32a、32bと、第1シール及び第2シール60a、60bとを備える。ボス30、30a、30bは、内表面を備える開口部26と、内表面に隣接する第1停止機構36、36a、36bとを備える。嵌合部品32、32a、32bは、少なくとも部分的にボス30、30a、30b内に挿入されて、圧力容器10の内部17と圧力容器10の外部19との間における流体の流通を防ぐように構成されている。嵌合部品32、32a、32bは、外表面70と、外表面70に隣接する第2停止機構38、38a、38bとを備える。外側シール60bは、例えばシーリング溝48において外表面70に沿って配置される。内側シール60aは、例えばシーリング溝50において外表面70に沿って配置される。嵌合部品32、32a、32bは、ボス30、30a、30bに対する第1位置と第2位置との間で移動可能である。図6、8及び9に示す第1位置において、外側シール60b(シーリング溝48内)は内表面と外表面との間に密封係合し、内側シール60a(シーリング溝50内)は内表面と外表面との間に密封係合せず、第1停止機構36、36a、36bと第2停止機構38、38a、38bとの間に相互接触はない。第2位置(一実施形態について、図5及び図7に示されている)において、外側シール60bは内表面と外表面との間に密封係合せず、内側シール60a(シーリング溝50内)は、内表面と外表面との間に密封係合し、第1停止機構36、36a、36bは第2停止機構38、38a、38bに接触する。例示的な実施形態において、第2位置では、外側シール60b(シーリング溝48内)はボス30、30a、30bの外側に位置する。
【0034】
例示的な実施形態において、開口部26の内表面と、外表面70の少なくとも一方はほぼ円筒形状である。例示的な実施形態において、ボス30、30a、30bは雌ねじ面40を備え、嵌合部品32、32a、32bは、雌ねじ面40と係合するように構成された雄ねじ面42を備える。例示的な実施形態において、嵌合部品32、32a、32bは外面に非円形の凹部56を備える。
【0035】
例示的な実施形態において、嵌合部品32、32a、32bは、外側シール60b又は内側シール60aを保持するように構成された溝48又は50を備える。例示的な実施形態において、嵌合部品32、32a、32bは、別の溝44又は46を備える。図5に示されるように、リテーナ62は、少なくとも部分的に溝46内に挿入されるように構成されている。リテーナ62は、例えば図5に示されるように、アセンブリ28、28a、28bの第2位置において、ボス30、30a、30bの外側に位置する。アセンブリ28、28a、28bの第2位置において、リテーナ62は、ボス30、30a、30bの外面64と接触する。図6-9に示すように、リテーナ66は、少なくとも部分的に溝44に挿入されるように構成されている。図6、8及び9に示すように、リテーナ66は、アセンブリ28、28a、28bの第1位置において、ボス30、30a、30bの開口部26内に位置する。リテーナ66は、アセンブリ28、28a、28bの第2位置においては、溝44内にあって、かつボス30、30a、30bの外側に位置し得る。
【0036】
本開示はまた、ボスアセンブリ28、28a、28bを圧力容器20とともに使用する方法を対象とする。本方法は、図6、8及び9に示すように、嵌合部品32、32a、32bをボス30、30a、30bの開口部26内に第1位置まで挿入することを含み、それにより、外側シール60b(シーリング溝48内)は内表面と外表面との間に係合し、内側シール60a(シーリング溝50内)は内表面と外表面との間に係合せず、第1停止機構36、36a、36bと第2停止機構38、38a、38bとの間に相互接触はない。例示的な方法は、嵌合部品32、32a、32bの外表面70に沿って、外側シール60bを溝48内に配置することを更に含む。例示的な方法は、嵌合部品32、32a、32bの外表面70に沿って、内側シール60aを溝50内に配置することを更に含む。例示的な方法は、嵌合部品32、32a、32bの外表面70に沿って、リテーナ62、66を少なくとも部分的に溝44、46内に配置することを更に含む。例示的な方法において、リテーナ62、66を配置することは、リテーナ62、66をボス30、30a、30bの外側に配置することを含む。図5に示されるように、リテーナ62を配置することは、リテーナ62をボス30、30a、30bの外面64に接触させることを含む。
【0037】
例示的な方法は、ボス30、30a、30bの開口部26に対して嵌合部品32、32a、32bを第1位置(例えば図6に示すように)から第2位置(例えば図7に示すように)に移動させ、それにより、外側シール60b(シーリング溝48内)はボス30、30a、30bの外側に位置し、内側シール60a(シーリング溝50内)は内表面と外表面との間に係合し、第1停止機構36、36a、36bは第2停止機構38、38a、38bに接触することを更に含む。例示的な方法において、ボス30、30a、30bの開口部26に対して嵌合部品32、32a、32bを移動させることは、嵌合部品32、32a、32bを長手軸58周りに回転させて、ボス30、30a、30bの雌ねじ面40と嵌合部品32、32a、32bの雄ねじ面42とを係合させることを含む。例示的な方法において、当該回転は、嵌合部品32、32a、32bの外面にある非円形の凹部56に工具を嵌合させることを含む。例示的な方法において、ボス30、30a、30bの開口部26に対して嵌合部品32、32a、32bを移動させることは、嵌合部品32、32a、32b上に配置されたリテーナ66を開口部26の内側及び開口部26の外側に移動させることを含む。
【0038】
本開示の主題が幾つかの実施形態を参照して説明されたが、本開示の範囲を逸脱することなく形態及び詳細において変更を加え得ることは、当業者であれば認識するであろう。更に、一実施形態に関して開示された任意の特徴を別の実施形態に組み込むことができ、その逆もまた同様に可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図10