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特許7209730湿度感受性の高い製品を貯蔵するための保存ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】湿度感受性の高い製品を貯蔵するための保存ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20230113BHJP
   B65D 43/10 20060101ALI20230113BHJP
   B65D 43/04 20060101ALI20230113BHJP
   B65D 81/26 20060101ALI20230113BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
B65D85/50 100
B65D43/10
B65D43/04
B65D81/26 N
B65D77/04 C
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020547312
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2018083487
(87)【国際公開番号】W WO2019110587
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】A51001/2017
(32)【優先日】2017-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】520195763
【氏名又は名称】ピャール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090918
【弁理士】
【氏名又は名称】泉名 謙治
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン-アフジャ オーサ
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02671707(US,A)
【文献】米国特許第06044650(US,A)
【文献】登録実用新案第3023462(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0223988(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0200499(US,A1)
【文献】特開昭57-017670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 43/10
B65D 43/04
B65D 81/26
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿度感受性の高い製品を貯蔵するための保存ユニット(10)であって、
閉鎖された外壁(11)、上面(101)、及び、下面(102)を備える外部容器(1)であって、前記上面(101)において前記外部容器(1)は開口していると共に上縁(14)を有し、前記下面(102)において閉鎖された底部(12)が配置されている、外部容器(1)と、
前記湿度感受性の高い製品を収容するための内部空間(7)、多数の換気孔(28)を有する壁面(25)、投入口(201)、前記投入口(201)の境界を定める端縁(27)、及び、閉鎖された底部(21)を備える内部容器(2)であって、
前記内部容器(2)は、前記外部容器(1)の中に可逆に挿入可能であり、前記内部容器(2)の前記投入口(201)は、上方に向かって前記外部容器(1)の前記上面(101)に対して向けられており、前記外部容器(1)と前記内部容器(2)の間に、湿気調整剤(31)を中に入れるための介在空間(3)が形成される、内部容器(2)と、
可逆に取り外し可能に前記外部容器(1)及び前記内部容器(2)の上に設置可能であり、前記上縁(14)及び前記端縁(27)に沿って周囲を一周して伸びるカバーフレーム(4)であって、
前記カバーフレーム(4)は、前記外部容器(1)と前記内部容器(2)との間に形成される前記介在空間(3)の開口部(32)を覆うために形成されており、
前記カバーフレーム(4)には、前記内部空間(7)へのアクセスのためのフレーム開口部(41)が設けられている、カバーフレーム(4)と、
可逆に取り外し可能に前記カバーフレーム(4)の上に設置可能であり、前記フレーム開口部(41)を閉鎖するための内側閉じ蓋(5)と、
前記外部容器(1)又は前記外部容器(1)の前記上面(101)を気密に閉鎖するための、取り外し可能な外側閉じ蓋(6)と、を備え
前記外側閉じ蓋は、前記内側閉じ蓋から分離されており、
前記外側閉じ蓋(6)は、前記外部容器(1)の上面(101)を閉鎖する閉鎖面(66)と、周囲を一周して伸びる折曲面(65)とを備え、
前記外側閉じ蓋(6)は、前記外部容器(1)の前記外壁(11)の上部縁領域が前記折曲面(65)によって包囲されるように、前記外部容器(1)の上に設置可能であり、
前記閉鎖面(66)及び前記折曲面(65)は、平坦に形成されており、
前記外側閉じ蓋(6)は、前記折曲面(65)の内部空間(7)を向いた側に、周囲に沿って、カバーフレーム(4)及び外部容器(1)に当接可能な第1のシーリング(61)を備え、
第2のシーリング(61a)が前記閉鎖面(66)の内部空間(7)を向いた側に配置されており、
前記第2のシーリング(61a)の前記内部空間(7)を向いた側に、前記第2のシーリング(61a)を少なくとも部分的に覆うカバー要素(62)が配置されている、保存ユニット(10)。
【請求項2】
前記カバーフレーム(4)は、前記内部容器(2)と係合する第1の段部(421)を有し、これによって、周辺を伸びる第1の載置面(42)が形成され、前記第1の載置面(42)は、前記内部容器(2)の前記端縁(27)の上に載置可能であり、前記第1の載置面(42)の上には、前記内側閉じ蓋(5)を載せることが可能であることを特徴とする、請求項1に記載の保存ユニット(10)。
【請求項3】
前記カバーフレーム(4)は、前記外部容器()と係合する第2の段部(431)を有し、これによって、周辺を伸びる第2の載置面(43)が形成され、前記第2の載置面(43)は、前記外部容器(1)の前記上縁(14)の上に載置可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の保存ユニット(10)。
【請求項4】
前記内側閉じ蓋(5)は、前記第1の載置面(42)に適合した沈下部(511)を有することにより、周囲を一周して伸びる外側に向けられた突出部(51)が形成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の保存ユニット(10)。
【請求項5】
前記カバー要素(62)は、凹部(63)を備え、前記第2のシーリング(61a)は、これに対応するシーリング切除部(64)を備え、
前記シーリング切除部(64)の底面は、前記凹部(63)の底面に対応しており、前記カバー要素(62)は、前記シーリング切除部(64)の領域において、前記外側閉じ蓋(6)に接触して配置可能であることを特徴とする、請求項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項6】
前記カバー要素(62)に、周囲を一周して伸びるフランジリム(67)が設けられており、前記フランジリム(67)は、前記閉鎖面(66)に接して設けられた第2のシーリング(61a)上に前記カバー要素(62)を配置して、カバー要素(62)を前記外側閉じ蓋(6)の前記第1のシーリング(61)及び前記折曲面(65)に固定する際に、突っ張り支持可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の保存ユニット(10)。
【請求項7】
前記外部容器(1)、及び、外側閉じ蓋(6)、及び、第2のシーリング(61a)、及び、カバー要素(62)、及び、前記カバーフレーム(4)における前記外部容器(1)の上に載せられる部分は、長方形、又は、正方形、又は、円形、又は、楕円形の断面を有していることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項8】
前記内部容器(2)、及び/又は、前記内側閉じ蓋(5)、及び/又は、前記カバーフレーム(4)における前記内部容器(2)の上に載せられる部分は、長方形、又は、正方形、又は、円形、又は、楕円形の断面を有していることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項9】
前記外部容器(1)、及び/又は、前記内部容器(2)は、立方体状又は円筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項10】
前記換気孔(28)は、前記内部空間(7)と前記介在空間(3)との間の雰囲気交換のために形成されており、これにより、前記内部空間(7)及び前記介在空間(3)において、一定の湿度を有する均一な内部雰囲気を設定可能であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の保存ユニット。
【請求項11】
前記内部容器(2)は、少なくとも1つの切除部(23)を備え、前記切除部(23)には、前記切除部(23)を覆う、前記換気孔(28)が設けられた有孔性の層要素(24)が配置されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項12】
前記内部容器(2)は、その各側面(26)に有孔性の層要素(24)が設けられた切除部(23)を備えるフレーム構成体によって形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の保存ユニット(10)。
【請求項13】
前記有孔性の層要素(24)は、鉄合金から成ることを特徴とする、請求項11又は12に記載の保存ユニット(10)。
【請求項14】
前記外部容器(1)、及び/又は、前記外側閉じ蓋(6)、及び/又は、場合によっては前記内部容器(2)の前記壁面(25)、及び/又は、前記内側閉じ蓋(5)は、スズ又はブリキから成ることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項15】
前記外部容器(1)の前記底部(12)において、及び/又は、前記内部容器(2)の底部(21)において、前記外部容器(1)と前記内部容器(2)との間の、可逆に取り外し可能な機能接続を生成するための、機械的な接続手段(8)が設けられており
記接続手段(8)は、中央において芯合わせされて配置されていることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項16】
前記外部容器(1)の前記底部(12)に、第1の凹部(13)が設けられており、前記内部容器(2)の前記底部(21)に、前記第1の凹部(13)に対応する第2の凹部(22)が設けられていることにより、機械的な機能接続を生成可能であることを特徴とする、請求項15に記載の保存ユニット(10)。
【請求項17】
前記第1の凹部(13)及び前記第2の凹部(22)は、球状、楕円形、又は、立方体状に形成されており
記第1の凹部(13)に第1の逃げ溝(131)が設けられ、これに対応する第2の逃げ溝(221)が、前記第2の凹部(22)に設けられており、前記内部容器(2)は、前記外部容器(1)の上に設置されることにより、前記外部容器(1)の中で係止可能であることを特徴とする、請求項16に記載の保存ユニット(10)。
【請求項18】
前記第1の凹部(13)の凹部壁面及び前記第2の凹部(22)の凹部壁面を、前記外部容器(1)の前記外壁面(11a)に対して平行に向けることが可能であることを特徴とする、請求項16又は17に記載の保存ユニット(10)。
【請求項19】
前記内側閉じ蓋(5)における前記内部空間(7)の反対側に、取っ手(52)が設けられていることを特徴とする、請求項1~18のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項20】
前記外部容器(1)及び前記内部容器(2)は、円筒状に形成されており、
前記外側閉じ蓋(6)、及び、前記カバーフレーム(4)における前記外部容器(1)の上に載せられる部分は、円形の断面を有しており、
前記内側閉じ蓋(5)、及び、前記カバーフレーム(4)における前記内部容器(2)の上に載せられる部分は、円形の断面を有していることを特徴とする、請求項1~19のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【請求項21】
前記内部容器(2)の前記壁面(25)は、有孔性の壁要素(29)から形成されており、前記有孔性の壁要素(29)は、多数の換気孔(28)を有していることを特徴とする、請求項1~20のいずれか1項に記載の保存ユニット(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に係る保存ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
栄養食品、食料品、及び、嗜好品の分野の湿度感受性の高い製品、例えば、ハーブ、香辛料、茶葉、キャビア、トリュフ、特殊なチーズ、及び、特殊なソーセージや肉製品だけでなく葉巻又は煙草等は、その独特の芳香、その独特の味覚、及び、その独特の質感や感触を貯蔵期間にわたり維持するためには、不変の雰囲気条件及び一定の湿度下での貯蔵が必要である。
【0003】
従来技術からは、例えば茶缶といった簡素な構造の保存ユニットが知られている。このような保存ユニットの欠点は、不変の雰囲気条件及び一定の湿度を維持することには適していないため、その中の湿度感受性の高い製品が、その独特の特性を急速に失ってしまう点にある。また、例えば、煙草用のヒュミドールといった保存ユニットが知られている。これは、保存されている煙草の湿気を、例えば複雑な保湿システムにより一定に維持するものである。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の課題は、構成が簡素かつ操作が容易な保存ユニットであって、その中で保存される製品の湿度を一定に維持し、該製品を保存ユニットの中に侵入してくる空気、匂い、及び、汚れから保護し、同時に、湿度感受性の高い製品を保存ユニットの中に容易に入れることが可能な保存ユニットを提供することにある。
【0005】
本発明は、この課題を、冒頭部分に記載の種類の保存ユニットにより解決する。この保存ユニットは、
閉鎖された外壁、上面、及び、下面を備える外部容器であって、上面において外部容器は開口していると共に上縁を有し、下面において閉鎖された底部が配置されている、外部容器と、
湿度感受性の高い製品を収容するための内部空間、多数の換気孔を有する壁面、投入口、投入口の境界を定める端縁、及び、閉鎖された底部を備える内部容器であって、
内部容器は、外部容器の中に可逆に挿入可能であり、内部容器の投入口は、上方に向かって外部容器の上面に対して向けられており、外部容器と内部容器の間に、湿気調整剤を中に入れるための介在空間が形成される、内部容器と、
可逆に取り外し可能に外部容器及び内部容器の上に設置可能であり、該上縁及び該端縁に沿って周囲を一周して伸びるカバーフレームであって、
カバーフレームは、外部容器と内部容器との間に形成される介在空間の開口部を覆うために形成されており、
カバーフレームには、内部空間へのアクセスのためのフレーム開口部が設けられている、カバーフレームと、
可逆に取り外し可能にカバーフレームの上に設置可能であり、フレーム開口部を閉鎖するための内側閉じ蓋と、
外部容器又は外部容器の上面を気密に閉鎖するための、取り外し可能な外側閉じ蓋と、を備える。
【0006】
この水門状の二重蓋システムは、保存ユニットを、外側閉じ蓋により侵入する空気、水分、及び、匂いから保護し、同時に、湿気調整剤、例えば乾燥剤で充填された袋又は包みが一定の湿度を保存ユニット内で生成することを確保する。内側閉じ蓋は、外側閉じ蓋が意図せずに取り外された場合でも、茶葉等の保存製品が周囲雰囲気に曝されないことを確保する。
【0007】
本発明に係る保存ユニット内で湿気調整剤を確実に保管すると同時に、ユーザが保存ユニットを開けた時に湿気調整剤を視認しないようにするために、カバーフレームは、内部容器と係合する第1の段部を有し、これによって、周辺を伸びる第1の載置面が形成され、第1の載置面は、内部容器の端縁の上に載置可能であり、第1の載置面の上には、内側閉じ蓋を載せることが可能なように構成されていてもよい。
【0008】
本発明のこの構成は、保存されている茶葉が、湿気調整剤が設置されている介在空間の中に落下し得ないようにすることをさらに確保する。
【0009】
外側閉じ蓋を保存ユニットの上部に密着して載せることは、カバーフレームが、外部容器と係合する第2の段部を有し、これによって、周辺を伸びる第2の載置面が形成され、第2の載置面は、外部容器の上縁の上に載置可能であることにより確保され得る。
【0010】
内側閉じ蓋の形状を、できるだけカバーフレームに適合させて、保存ユニットが倒れた場合でも、内側閉じ蓋が確実にカバーフレームの上に載っているようにするためには、内側閉じ蓋が、第1の載置面に適合した沈下部を有することにより、周囲を一周して伸びる外側に向けられた突出部が形成されるように構成してもよい。
【0011】
内側閉じ蓋のこの構成は、保存ユニットが倒れた場合でも、茶葉が内部容器から出て来ないようにすることを確保可能である。
【0012】
本発明に係る保存ユニットを複数個、例えば積み重ねによって場所を節約して保存するための方法は、外側閉じ蓋が、外部容器の上面を閉鎖する閉鎖面と、周囲を一周して伸びる折曲面とを備え、外側閉じ蓋は、外部容器の外壁の上部縁領域が折曲面によって包囲されるように、外部容器の上に設置可能であり、閉鎖面及び折曲面は、好ましくは、平坦に形成されていることにより、提供される。
【0013】
保存ユニットを気密、及び、場合によっては水密に閉鎖するためには、外側閉じ蓋が、折曲面の内部空間を向いた側に、周囲に沿って、カバーフレーム及び外部容器に当接可能な第1のシーリングを備え、場合によっては、第2のシーリングが閉鎖面の内部空間を向いた側に配置されている構成であってもよい。
【0014】
外側閉じ蓋の閉鎖面に配置された第2のシーリングを長期に渡って固定及び保護するために、第2のシーリングの内部空間を向いた側に、第2のシーリングを少なくとも部分的に覆うカバー要素が配置されている構成であってもよい。
【0015】
第2のシーリングを閉鎖面に長期に渡って固定することは、カバー要素が凹部を備え、第2のシーリングは、これに対応するシーリング切除部を備え、シーリング切除部の底面は、凹部の底面に対応しており、カバー要素は、シーリング切除部の領域において、外側閉じ蓋に接触して配置可能である場合に確保され得る。
【0016】
カバー要素が、誤って外側閉じ蓋から外れてしまうことは、カバー要素に、周囲を一周して伸びるフランジリムが設けられており、フランジリムは、閉鎖面に接して設けられた第2のシーリング上にカバー要素を配置して、カバー要素を外側閉じ蓋の第1のシーリング及び折曲面に固定する際に、突っ張り支持可能である場合に、回避可能である。
【0017】
本発明に係る保存ユニットを特に柔軟に構成して、これを棚や引き出しの中に支障なく保存するためのユーザの要望に応えるには、外部容器、及び、外側閉じ蓋、及び、第2のシーリング、及び、カバー要素、及び、カバーフレームにおける外部容器の上に載せられる部分が、長方形、又は、正方形、又は、円形、又は、楕円形の断面を有するように構成されていてもよい。
【0018】
様々なサイズ及び/又は形状の製品を保存するための本発明に係る保存ユニットを構成するために、内部容器、及び/又は、内側閉じ蓋、及び/又は、カバーフレームにおける内部容器の上に載せられる部分が、長方形、又は、正方形、又は、円形、又は、楕円形の断面を有するように構成されていてもよい。
【0019】
湿度感受性の高い製品を保存するための内部容器を、全体の雰囲気/湿気をより一定に保ちながら、特に容易に保存ユニットに投入すること又は保存ユニットから取り出すことは、外部容器、及び/又は、内部容器が、立方体状又は円筒状に形成する場合に確保可能である。
【0020】
保存ユニット内で一定の内部雰囲気を生成するためには、換気孔が、内部空間と介在空間との間の雰囲気交換のために形成されており、これにより、内部空間及び介在空間において、一定の湿度を有する均一な内部雰囲気を設定可能であるように構成されていてもよい。
【0021】
この換気孔の構成により、茶葉が入った内部空間と、湿気調整剤が保存される介在空間との間の雰囲気交換が行われ得る。これによって、内部空間及び介在空間において、均一な湿度が設定される。
【0022】
換気孔の代替例として微細孔を使用する変形例を提供する、本発明のさらなる実施形態は、内部容器が、少なくとも1つの切除部を備え、切除部には、切除部を覆う、換気孔が設けられた有孔性の層要素が配置されている場合に、提供可能である。
【0023】
設けられた有孔性の層要素によって、保存される茶葉の最も小さい成分であっても、介在空間の中に入り込むことは不可能になると同時に、内部空間と介在空間との間の雰囲気交換を効率よく行うことが確保される。
【0024】
有孔性の層要素を、長期的かつ安定的に、内部容器に付着させることを可能にするためには、内部容器が、その各側面に有孔性の層要素が設けられた切除部を備えるフレーム構成体によって形成されていてもよい。
【0025】
特に微細な孔は、有孔性の層要素が鉄合金から成る場合に、内部空間と介在空間との間の換気のために利用可能である。
【0026】
保存ユニットが特に耐食性を有すると同時に軽量である構成は、外部容器、及び/又は、外側閉じ蓋、及び/又は、場合によっては、内部容器の壁面、及び/又は、内側閉じ蓋が、スズ又はブリキから成る場合に確保され得る。
【0027】
内部容器を外部容器の中に入れた時に固定するためには、外部容器の底部、及び/又は、内部容器の底部に、外部容器と内部容器との間の、可逆に取り外し可能な機能接続を生成するための、具体的には機械的な接続手段が設けられており、好ましくは、接続手段は、中央において芯合わせされて配置されている構成であってもよい。
【0028】
内部容器と外部容器との間の特に安定した機能接続は、外部容器の底部に、第1の凹部が設けられており、内部容器の底部に、第1の凹部に対応する第2の凹部が設けられていることにより機械的な機能接続を生成可能である場合に、実現可能である。
【0029】
内部容器を、特に安定して定位置で保持するためには、第1の凹部及び第2の凹部が、球状、楕円形、又は、立方体状に形成されており、具体的には、第1の凹部に第1の逃げ溝が設けられ、これに対応する第2の逃げ溝が、第2の凹部に設けられており、内部容器は、外部容器の上に設置されることにより、外部容器の中で係止可能であるように構成されていてもよい。
【0030】
外部容器と内部容器との間に形成される介在空間に一定の幅を持たせるためには、第1の凹部の凹部壁面及び第2の凹部の凹部壁面を、外部容器の外壁面に対して平行に向けることが可能であるように構成されていてもよい。
【0031】
内部容器を外部容器において係止させると共に凹部壁面を外部容器の外壁面に平行に向けるために、逃げ溝を設けることは、湿気調整剤、又は、乾燥剤の包みが、外部容器の壁に沿って滑らず、上面側を向いた介在空間の開口部を介して容易に交換できるというさらなる利点を提供する。
【0032】
内側閉じ蓋の取り外しが容易であることは、内側閉じ蓋における内部空間の反対側に、取っ手が設けられている場合に確保され得る。
【0033】
係合及び積み重ねが特に容易な特別な保存ユニットは、外部容器及び内部容器が、円筒状に形成されており、外側閉じ蓋、及び、カバーフレームにおける外部容器の上に載せられる部分が、円形の断面を有しており、内側閉じ蓋、及び、カバーフレームにおける内部容器の上に載せられる部分が、円形の断面を有している場合に、提供可能である。
【0034】
内部空間と介在空間との間の特に効率のよい雰囲気交換は、内部容器の壁面が、有孔性の壁要素から形成されており、有孔性の壁要素が、多数の換気孔を有している場合に実現可能である。
【0035】
本発明のさらなる利点及び構成を、明細書及び添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
以下において、本発明の特に有効な実施形態を、添付の図面を用いて概略的に示すと共に、図面を参照しながら典型例として説明する。これらの実施形態は、限定的であると理解されるべきではない。以下の図が概略的に示される。
図1】本発明の第1の実施形態の分解図である。
図2】第1の実施形態の斜視図である。
図3】第1の実施形態の断面図である。
図3a】第1の実施形態の詳細図である。
図3b】外部容器を底部の方向から見た図である。
図3c】外側閉じ蓋を上から見た図である。
図4】第1の実施形態の第2の分解図である。
図4a】第1の実施形態のさらなる詳細図である。
図5】第1の実施形態の第3の分解図である。
図6】第2の実施形態の断面図である。
図6a】第2の実施形態の外部容器を底部の方向から見た図である。
図6b】第2の実施形態の外側閉じ蓋を上から見た図である。
図7】第2の実施形態の第1の分解図である。
図8】第2の実施形態の第2の分解図である。
図9】有孔性の壁要素を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1図2図3図4、及び、図5は、保存ユニット10の第1の実施形態を示す透視図である。ここで、図1は、本発明の第1の実施形態の断面図を分解図として示し、図2は、組み付けた状態の本発明の第1の実施形態の断面図を透視図の形で示し、図3は、組み付けた状態の本発明の第1の実施形態を示す図であり、図4は、本発明の第1の実施形態の断面図を分解図の形で示し、図5は、本発明の第1の実施形態の外面図を分解図の形で示すものである。
【0038】
図1図2図3図4、及び、図5における第1の実施形態では、本発明に係る保存ユニット10は、外部容器1、内部容器2、カバーフレーム4、内側閉じ蓋5、及び、外側閉じ蓋6を備えている。外部容器1は、閉鎖された外壁11、通常使用時には上方を向いた上面101、及び、通常使用時には下方を向いた下面102を備えている。上面101において、外部容器1は開口していると共に上縁14を有している。下面102には、外部容器1の閉鎖された底部12が配置されている。
【0039】
図示される第1の実施形態では、外部容器1は、正方形の断面を有しており、そのため、外部容器1の外壁11は4つの外壁面11aを有している。上縁14は、第1の実施形態では、外部容器1の内側に向けられたフランジリムとして形成されている。あるいは、フランジリムは外側に向けられていてもよい。あるいは、上縁14は、装飾素子又はフランジリムを有さない簡素な構造の端縁として形成されていてもよい。
【0040】
内部容器2は、湿度感受性の高い製品、例えば茶葉を収容するための内部空間7を有する。内部容器は、第1の実施形態では、多数の換気孔28を有する壁面25をさらに有すると共に、閉鎖された底部21を有する。換気孔28は、図2において詳細に示されており、図1図3図4、及び、図5では、黒点として示されている。換気孔28は、内部空間7と介在空間3との間の雰囲気交換のために設けられたものであり、内部空間7及び介在空間3において、所定の湿度の均一な内部雰囲気を設定可能である。
【0041】
内部容器2の閉鎖された底部21の反対側に、投入口201が配置されている。この投入口201は、端縁27によって境界が定められている。第1の実施形態では、内部容器2は、正方形の断面を有しており、そのため、壁面25は4つの側面26に分割されている。内部容器2の各側面26は、有孔性の層要素24が配置された切除部23を有しており、ここで、内部容器2はフレーム構成体として形成されている。
【0042】
第1の実施形態では、有孔性の層要素24は、鉄合金から成り、多数の換気孔28を有する。内部容器2のフレーム構成体、及び、外部容器1は、スズから成る。
【0043】
内部容器2は、可逆に外部容器1の中に挿入可能であり、外部容器1の上面101、及び、内部容器2の投入口201は、湿度感受性の高い製品を内部空間7に投入可能なように互いに対して配置されている。外部容器1及び内部容器2のこのような構成によれば、外部容器1と内部容器2との間に、湿気調整剤31を挿入するための介在空間3が形成される。
【0044】
第1の実施形態では、外部容器1の底部12において、及び、内部容器2の底部21において、外部容器1と内部容器2との間の、可逆に取外し可能な機能接続を生成するための接続手段8が設けられている。この接続手段8は、ここでは、外部容器1の底部12及び内部容器2の底部21の中央において芯合わせされて配置されており、機械的接続手段として形成されている。
【0045】
外部容器1の底部12には、立方体状に形成され、第1の逃げ溝131を有する第1の凹部13が設けられている。ここで、第1の凹部13は、内側に向かって、すなわち、外部容器1の下面102から上面101の方向に向かって形成されている。内部容器2の底部21には、第2の凹部22が形成されている。第2の凹部22は、外部容器1の第1の凹部13のような立方体状に形成され、これに対応するものである。これについては、図1及び図4から明らかである。
【0046】
第2の凹部22には、逃げ溝221が設けられている。逃げ溝221は、第1の凹部13の第1の逃げ溝131に対応しており、このため、内部容器2は、外部容器1の上に載せることにより、外部容器1の中で係止可能であり、機械的な機能接続が生成可能である。こうして、内部容器2を外部容器1の中に特に良好に固定することが確保される。あるいは、第1の凹部13及び第2の凹部22は、逃げ溝を有さないように形成されていてもよいし、又は、楕円状又は球状の底面を有していてもよい。
【0047】
第1の実施形態では、第1の凹部13及び第2の凹部22はさらに、円滑な凹部壁面を有する。この凹部壁面は、図2から明らかなように、外部容器1の外壁面11aを内部容器2の側面26に対して平行に向けることが可能であることを確保するものである。
【0048】
保存ユニット10は、可逆に取外し可能に外部容器1及び内部容器2の上に設置可能なカバーフレーム4をさらに備える。カバーフレーム4は、外部容器1及び内部容器2の周囲に沿って延びており、外部容器1と内部容器2との間に形成される介在空間3の開口部32を覆うために形成されている。
【0049】
カバーフレーム4には、内部空間7へのアクセス用にフレーム開口部41が設けられている。フレーム開口部41は、内部容器2の投入口201を開いた状態にし、こうすることによって、例えば茶葉を内部容器2の内部空間7の中に詰めることが可能になる。
【0050】
ここで、カバーフレーム4は、二段形状に形成されており、内部容器2に係合する第1の段部421を有し、これによって、周辺を伸びる第1の載置面42が形成されている。この載置面42は、内部容器2の端縁27の上に載置可能である。カバーフレーム4は、外部容器に係合する第2の段部431をさらに有しており、これによって、周辺を伸びる第2の載置面43が形成されている。この載置面43は、外部容器1の上縁14の上に載置可能である。
【0051】
換気孔28が設けられた有孔性の層要素24を有する内部容器2を、外部容器1内に配置することにより、湿度感受性の高い製品が、介在空間3における湿気調整剤31又は外部容器1と接触せずに、内部容器2の内部空間7内に安全に保管されることが確保される。
【0052】
換気孔28を介して、湿気調整剤31による内部容器1と介在空間3との間の空気及び水分のバランスを保つことが確保される。これによって、湿度感受性の高い製品、具体的には茶葉の適切な貯蔵を可能にする、内部空間7の均一な内部雰囲気及び特定の湿度を設定可能である。ここで、換気孔28は、茶葉の成分が外部容器1又は介在空間3の中に到達できない程度に、又は、粒状の湿気調整剤31を用いる場合に、湿気調整剤31が内部空間7の中に到達できない程度に、小さいものが選択される。
【0053】
カバーフレーム4は、内部容器2を茶葉で充填する際、又は、茶葉を内部空間7から取り出す際に、茶葉の成分が介在空間3又は外部容器1の中に決して落下し得ないことを確保する。カバーフレーム4により、内部容器2の内部空間7内の茶葉を取り除いたり茶葉に触れたりしなくても、湿気調整剤31を確実に交換可能である。
【0054】
図2及び図3に示されるように、保存ユニット10の介在空間3において、4袋までの湿気調整剤31を、壁面11a又は側面26に沿って設置可能である。このため、例えば、湿気調整剤31の袋の数を変えることによって、所望の湿度を設定可能であり、均一な内部雰囲気が長期に渡って確保される。あるいは、例えば粒状の湿気調整剤31を、介在空間3の中に充填してもよい。
【0055】
第1の実施形態では、保存ユニット10は、可逆に取外し可能にカバーフレーム4の上に設置可能な内側閉じ蓋5をさらに有している。閉じ蓋5は、フレーム開口部41又は内部容器2の投入口201を閉鎖するように機能しており、そのため、茶葉が内部容器2の内部空間7から落下したり、異物が茶葉の中に入ってきたりすることもあり得ない。
【0056】
ここで、内側閉じ蓋5は、カバーフレーム4の第1の載置面42の上に載せることが可能であり、第1の載置面42に適合する沈下部511を有していることにより、周囲を一周して伸びる外側に向けられた突出部51が形成されている。突出部51は、確実に、内側閉じ蓋5がカバーフレーム4に固定可能であることを確保するため、例えば保存ユニット10が倒れた場合に、内側閉じ蓋5が誤って落下することもあり得ない。内側閉じ蓋5は、その、内部空間7の反対側に取っ手52を有している。これによって、内側閉じ蓋5は、容易に把持可能であり、カバーフレーム4から取り外し可能である。
【0057】
第1の実施形態では、保存ユニット10は、外部容器1又は外部容器1の上面101を閉じるための、取り外し可能な外側閉じ蓋6をさらに備えている。外側閉じ蓋6は、外部容器1を気密、及び、場合によっては水密に閉じるものであるため、空気水分又は匂いが保存ユニット10の中に侵入することは不可能であり、保存されている湿度感受性の高い製品、又は、茶葉が損なわれることはない。
【0058】
この、内側閉じ蓋5及びさらに外側閉じ蓋6の構成により、外側閉じ蓋6が、意図せずに保存ユニット10から取り外されたとしても、内側閉じ蓋5が、内部空間7に存在する茶葉を、汚れや、場合によっては空気及び水分から依然として保護することがさらに確保される。
【0059】
外側閉じ蓋6は、第1の実施形態では、外部容器1の上面101を閉じる閉鎖面66、及び、周囲を一周して伸びる折曲面65を有している。折曲面65は、外側において、閉鎖面66に接して配置されており、下方にほぼ直角に曲げられている。外側閉じ蓋6の閉鎖面66及び折曲面65は、第1の実施形態では平坦に形成されており、図2及び図3に示されるように、外側閉じ蓋6を外部容器1の上に設置した時には、折曲面65は、外部容器1の外壁11の上部縁領域を包囲する。
【0060】
外側閉じ蓋6は、第1の実施形態では、第1のシーリング61が折曲面65の内部空間7を向いた側に配置されることによって、特に気密、及び、場合によっては水密に形成されている。第1のシーリング61は、周囲に沿って、カバーフレーム4及び外部容器1に当接可能であり、すなわち、第1のシーリング61は、外側閉じ蓋6を設置する際、外部容器1と、カバーフレーム4の外部容器1を越えて突出した部分とを包囲する。このため、外部から、匂いや空気水分が保存ユニット10又は外部容器1の中に侵入することは不可能である。
【0061】
また、外側閉じ蓋6を特に気密及び場合によっては水密の構成とするために、図1に示されるように、第2のシーリング61aが閉鎖面61の内部空間を向いた側に配置されている。
【0062】
第1の実施形態では、保存ユニット10はカバー要素62をさらに含む。カバー要素62は、第2のシーリング61aの内部空間7を向いた側に配置され、第2のシーリング61aを、少なくとも部分的に覆うものである。本実施形態では、第2のシーリング61aは、凹部63を有するカバー要素62によって完全に覆われる。
【0063】
図1に示されるように、凹部63は、第1の実施形態では正方形に形成されており、カバー要素62の中央において芯合わせされて配置され、第2のシーリング61aは、凹部63に対応するシーリング切除部64を有している。ここで、カバー要素62は、第1のシーリング61又は第2のシーリング61aを外側閉じ蓋6内で固定するように機能する。
【0064】
シーリング切除部64の底面は、凹部63の底面に対応しており、カバー要素62は、シーリング切除部64の領域において、外側閉じ蓋6に接触して配置されることが可能である。第1のシーリング61及び第2のシーリング61aを外側閉じ蓋6内で特に長期に渡って固定するために、第1の実施形態では、接着剤がカバー要素62の凹部63に塗布されており、そのため、カバー要素62は外側閉じ蓋6に長期に渡って固定される。したがって、第1のシーリング61及び第2のシーリング61aが外側閉じ蓋6からずれること、又は、剥がれることも阻止される。
【0065】
さらに、カバー要素62は、第1の実施形態では、周囲を一周して伸びるフランジリム67を有している。フランジリム67は、閉鎖面66に接して設けられた第2のシーリング61aの上にカバー要素62を設置して、カバー要素62を外側閉じ蓋6の第1のシーリング61及び折曲面65に固定する際に、突っ張り支持可能である。第1の実施形態では、フランジリム67は、外側閉じ蓋6の方向に湾曲しており、このため、特に容易な突っ張り支持が確保される。
【0066】
あるいは、カバー要素62は、接着を用いずフランジリム67だけを用いて、外側閉じ蓋6内の第1のシーリング61に対して突っ張り支持されてもよい。こうすることによっても、第1のシーリング61及び第2のシーリング61aの外側閉じ蓋6における十分な固定が確保される。
【0067】
任意により、カバー要素62は、凹部63を有さない構成であってもよい。この場合、第1のシーリング61aは、凹部63に対応するシーリング切除部64を有していない。
【0068】
あるいは、カバー要素62はまた、第1のシーリング61及び第2のシーリング61aを完全に覆っていてもよく、外側閉じ蓋6の閉鎖面66から離れた折曲面65の下部の領域において、閉じ蓋6の方向に湾曲したフランジリム67によって突っ張り支持されてもよい。
【0069】
図2には、一袋の湿気調整剤が介在空間3に配置されている構成が一例として示されている。さらに図2は、側面26の切除部23に、微細孔の形の換気孔28を有する層要素24が配置されている様子を示している。微細孔は、最も小さい茶葉の成分でさえ内部空間7内で維持できる程度に十分細かい孔であり、そのため、茶葉の成分が、介在空間3において湿気調整剤31に接触することはあり得ない。しかしながら、湿気調整剤31による内部空間7と介在空間3との間の換気及び換水は、支障なく行うことが可能である。
【0070】
図示される実施形態では、内部容器2の全ての側面26において、切除部23が設けられており、切除部23を閉鎖する有孔性の層要素24が設けられている。これによって、内部空間7と介在空間との間の最適な雰囲気交換が確保される。あるいは、例えば2つの側面26だけに、有孔性の層要素24を有する切除部23が配置されていてもよいし、又は、換気孔28が、内部容器2の壁面25の中に直接設けられていてもよい。
【0071】
ここで、有孔性の層要素24は、微細孔を支障なく生成することが可能な鉄合金から成る。外部容器1、及び、内部容器2の壁面25は、第1の実施形態では、スズから成る。外側閉じ蓋6及び/又は内側閉じ蓋5も同様に、スズ又はブリキから成る。
【0072】
図2は、保存ユニット10が組み付けられた状態において、カバーフレーム4が外部容器1と内部容器2との間に形成される介在空間3の開口部32を完全に覆っていることをさらに示している。これによって、保存ユニット10のユーザが茶葉を内部容器2の内部空間7の中に充填する時、又は、これから茶葉を取り出す時に、例えば湿気調整剤31の袋は視認されない。例えば、湿気調整剤31を介在空間3から取り出したい時、又は、湿気調整剤31を交換したい時のみ、カバーフレーム4を取り外せばよい。
【0073】
さらに、茶葉を内部容器2の内部空間7に充填したり、又は、取り出したりする際に、茶葉は介在空間3の中に落下し得ない。カバーフレーム4はさらに、害となる水分、空気、光、又は、匂いが、外部容器1や茶葉が入っている内部容器2の中に侵入し得る表面を低減している。これによって同時に、湿気調整剤31の製品寿命は長くなる。
【0074】
図2はさらに、内部容器2を外部容器1の中で芯合わせして係止させるためには、どのように第1の凹部13及び第2の凹部22を互いに係合させるかを示している。これによって、内部容器2が外部容器1の中で回転することは不可能になり、例えば湿気調整剤31の袋が、不変の広さを有する介在空間3の中に収容されるので、湿気調整剤31を、容易に設置及び除去することが可能になる。
【0075】
外側閉じ蓋6の閉鎖面66、及び、外部容器1の底部12は、平坦に形成されているので、本発明に係る保存ユニット10を支障なく複数個積み重ねることが可能である。ここで、外部容器1の底部12には、外部容器1の底部12の外側で周囲を一周して伸びるフランジリムが設けられていることが可能である。フランジリムは、保存ユニット10を積み重ねる際に、各保存ユニット10の外部容器1の底部12が、その下に配置される別の保存ユニット10の外側閉じ蓋6の上で安定して固定されることを確保する。図2からは、さらに、内側閉じ蓋5の取っ手52が、カバー要素62に接触せず、そのため、カバー要素62及び第2のシーリング61aが誤って取っ手52によって傷ついたり、又は、閉じ蓋6によって引っ張られたりしないことが分かる。
【0076】
図3aは、本発明の第1の実施形態に係る外側閉じ蓋6及び外部容器1の上縁14の領域における、詳細図である。図3aからは、第2のシーリング61aが外側閉じ蓋6の閉鎖面66を完全に覆っていること、及び、外側閉じ蓋6の折曲面65が第1のシーリング61によって完全に覆われていることが分かる。
【0077】
ここで、第1のシーリング61は、下方に延びており、すなわち、外側閉じ蓋6の閉鎖面66の反対側の方向に、楔形に延びている。カバー要素62のフランジリム67は、第1のシーリング61及びカバーフレーム4の第2の載置面43に対して突っ張り支持しており、第2の載置面43は、本実施形態では、フランジリムとして形成されており、同様に、第1のシーリング61に対して突っ張り支持している。さらに、図3aは、外部容器1の上縁14も同様に、第1のシーリング61に対して突っ張り支持していることを示している。したがって、外側閉じ蓋6が外部容器1の上に設置されると、保存ユニット10は、気密、及び、場合によっては水密に閉じられることが確保される。
【0078】
図3b及び図3cは、本発明の第1の実施形態を示す上面図である。ここで、図3bは、外部容器1の底部12の方向に見た上面図であり、図3cは、外側閉じ蓋6の方向に見た上面図である。ここで、第1の実施形態では、外部容器1及び外側閉じ蓋6が、正方形の断面を有していることが分かる。したがって、外部容器の外壁11は、同一に形成された4つの壁面11aを含む。
【0079】
第1の凹部13も同様に、正方形の断面を有しており、底部12の中央において芯合わせされて配置されている。第1の実施形態では、第2のシーリング61a、カバー要素62、及び、カバーフレーム4における外部容器1の上に載せられる部分も同様に、正方形の断面を有している。
【0080】
あるいは、外部容器1、外側閉じ蓋6、第2のシーリング61a、カバー要素62、及び、カバーフレーム4における外部容器1の上に載せられる部分は、長方形、楔形、又は、楕円形の断面を有していてもよい。
【0081】
本発明の第1の実施形態では、内部容器2及び内側閉じ蓋5、並びに、カバーフレーム4における内部容器2の上に載せられる部分は、正方形の断面を有している。
【0082】
あるいは、内部容器2、内側閉じ蓋5、及び、カバーフレーム4における内部容器2の上に載せられる部分は、長方形、楔形、又は、楕円形の断面を有していてもよい。
【0083】
第1の実施形態では、外部容器1及び内部容器2は、立方体状に形成されている。あるいは、外部容器1及び内部容器2は、円筒状に形成されていてもよい。したがって、例えば、円形の断面を有する円筒状の内部容器2が、正方形の断面を有する立方体状の外部容器1内で収容されることも可能である。
【0084】
図4aは、内部容器2の側面26における切除部23の領域の詳細図を断面に示す図である。ここで、有孔性の層要素24が、側面26に固定されて、側面26内の切除部23を閉じていることが分かる。
【0085】
本発明に係る保存ユニット10は、様々な湿度感受性の高い製品を貯蔵又は保存するために使用され得る。保存ユニット10は、ハーブ、香辛料、茶葉、キャビア、トリュフ、特殊なチーズ、及び、特殊なソーセージや肉製品といった、栄養食品又は食料品を貯蔵するためだけに適しているわけではなく、煙草等の嗜好品、又は、バスソルト若しくは化粧品といった健康管理製品を保存するためにも適している。
【0086】
図6図8は、本発明の第2の実施形態を示している。上述の説明は、第2の実施形態にも同様に適用される。
【0087】
図6図6a、図6b、図7、及び、図8に示される第2の実施形態では、本発明に係る保存ユニット10は、いずれも断面が円筒状の構成を有する外部容器1及び内部容器2を備えている。内部容器2は、既に図示した第1の実施形態のように、湿度感受性の高い製品を収容するための内部空間7を備えている。当該製品は、端縁27によって境界が定められた投入口201を介して内部容器2の中に投入可能である(図7を参照)。
【0088】
保存ユニット10はさらに、カバーフレーム4、並びに、いずれも円形の断面を有する内側閉じ蓋5及び外側閉じ蓋6(図6aを参照)、並びに、場合によってはシーリング61及びカバー要素62を有する。カバーフレーム4における外部容器1又は内部容器2の上に載せられる部分は、いずれの場合でも、円形の断面を有している(図6を参照)。カバーフレーム4が外部容器1又は内部容器2と協働することによって、本発明の第2の実施形態でも、茶葉が介在空間3に入り得ないことが確保される。
【0089】
既に第1の実施形態の際に説明したように、外部容器1の底部12(図6bを参照)及び内部容器2の底部21において、容器1と容器2との間の機能接続を生成するための接続手段8が形成されている。第2の実施形態では、これらは、互いに対応する円筒状の構造を有する第1の凹部13又は第2の凹部22として形成されている(図6及び図8を参照)。
【0090】
外部容器1と内部容器2との間には、例えば袋の形をした湿気調整剤31を挿入可能な介在空間3が形成される(図6を参照)。
【0091】
内部容器2は、第1の実施形態の場合のように、有孔性の層要素24がそれぞれ配置される切除部23が設けられたフレーム構成体として形成されていてもよい。層要素24は、例えば、鉄合金からなることが可能であり、内部空間7と介在空間3との間の雰囲気交換を行うように機能する多数の換気孔28を有する。
【0092】
これに対して選択的に、本発明の全ての実施形態において、内部容器2の壁面25は、多数の換気孔28を有する有孔性の壁要素29から形成されていてもよい。このような連続した有孔性の壁要素29は、例えば、鉄合金から構成されていることが可能である。
【0093】
このような有孔性の壁要素29は、例えば伸ばした状態において、図9に示されている。有孔性の壁要素29は、保存ユニット10の第2の実施形態の内部容器2の壁面25として用いられる場合は、円筒状の内部空間7を囲むように巻かれる。この場合、内部容器2の底部21は、有孔性の壁要素29と接続されており、上述の通り、外部容器1との機能接続を生成するための接続手段8を有していることが可能である。ここで、有孔性の壁要素29は、その、底部21の反対側の端部に、投入口201の境界を定める端縁27を有している。
【0094】
この内部容器2の構成は、内部容器2の内部空間7と介在空間3との間の雰囲気交換を特に効率よく行うことが可能であり、所定の湿度の均一な内部雰囲気を特に容易に設定可能であるため、極めて有効である。
図1
図2
図3
図3a
図3b
図3c
図4
図4a
図5
図6
図6a
図6b
図7
図8
図9