(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】円形ステープラー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/115 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2021535924
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2019126923
(87)【国際公開番号】W WO2020125746
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】201822145985.3
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811564095.4
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 志
(72)【発明者】
【氏名】郭 毅
(72)【発明者】
【氏名】林 江
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/161314(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0296219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープラー本体と、前記ステープラー本体に移動可能に連結されるハンドルアセンブリと、前記ステープラー本体内に設置されるステープルプッシュロッドと、を含む円形ステープラーであって、前記ステープルプッシュロッドは、初期位置及び触発位置を有し、前記ハンドルアセンブリは、前記初期位置から前記触発位置に入るように前記ステープルプッシュロッドを押すことができ、
前記ステープラー本体内には、ポインター及び衝突部がさらに設置され、前記ポインターは、前記ステープラー本体に回転可能に連結され、
前記ステープラーが初期状態になる場合、前記ポインターの第1端は、第1位置領域に位置し、前記ポインターの第1端は、前記衝突部に対向し、前記ステープラーが触発状態になる場合、前記ポインターの第1端は、第2位置領域まで移動して前記衝突部から離れ、前記ステープラーの触発が完了された場合、前記ポインターの第1端は、前記第2位置領域から前記第1位置領域に戻り、且つ、前記衝突部に衝突して衝突音を発生させ
、
前記ポインターの前記第1端は、プルタブの遠位端に連結され、前記プルタブは、前記ポインターの前記第1端を前記第1位置領域から前記第2位置領域へ移動させるように駆動することを特徴とする円形ステープラー。
【請求項2】
前記ステープラー本体には、弾性位置規制部材が設置され、前記位置規制部材の自由端は、前記ポインターの第1端に向かって当接し、前記ポインターの第1端が第1位置領域に位置する場合、前記衝突部に当接しないことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラー。
【請求項3】
前記ステープラー本体は、前記ステープラーの両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジングを含み、前記衝突部の第1端及び第2端は、それぞれ前記2つのステープラーのハウジングの内面に固定され、前記衝突部の中間部は、ステープラーの近位端の方向に向かって突出していることを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラー。
【請求項4】
各前記ステープラーのハウジングの内面には、リブ付きスラブ及び固定プレートが設置され、前記リブ付きスラブと固定プレートとの間には、固定溝が形成され、前記衝突部の両端は、それぞれ2つの前記固定溝に挿入されることを特徴とする請求項
3に記載の円形ステープラー。
【請求項5】
前記衝突部は、中間部がステープラーの近位端の方向に向かって折り曲げられた金属シートであり、又は、
前記衝突部は、中空球又は球面がステープラーの近位端の方向を向く半球形であることを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラー。
【請求項6】
前記衝突部は、鈴と、ブラケットと、を含み、前記鈴は、前記ブラケットを介して前記ステープラー本体に固定されることを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラー。
【請求項7】
前記ステープラー本体は、両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジングを含み、前記ブラケットの両端は、それぞれ両側の前記ステープラーのハウジングに固定されることを特徴とする請求項
6に記載の円形ステープラー。
【請求項8】
前記ステープラーのハウジングの内側面には、凹溝がそれぞれ開設され、前記ブラケットの両端は、それぞれ両側の前記凹溝の内部に挿入されることを特徴とする請求項
7に記載の円形ステープラー。
【請求項9】
前記鈴は、下側面に開口する中空の円柱体であり、前記ブラケットは、連結部と、連結部の両側に位置する第1側アーム及び第2側アームと、を含み、前記ブラケットの連結部は、前記鈴の上側面の中間部に固定して連結され、前記ブラケットの第1側アームの末端と第2側アームの末端は、それぞれ両側の前記ステープラーのハウジングに固定されることを特徴とする請求項
7に記載の円形ステープラー。
【請求項10】
前記ポインターは、位置決め部をさらに含み、前記ポインターは、前記位置決め部を介して前記ステープラー本体に回転可能に固定されることを特徴とする請求項2に記載の円形ステープラー。
【請求項11】
前記ポインターの第1端には、触発部が設置され、前記触発部は、ステープラーの遠位端に向かって突出しており、前記ステープラーの触発が完了された場合、前記ポインターは、前記第2位置領域から前記第1位置領域に戻り、前記ポインターの触発部は、前記衝突部に衝突して衝突音を発生させることを特徴とする請求項
10に記載の円形ステープラー。
【請求項12】
前記位置決め部には、位置決めピン軸が貫装され、前記位置決めピン軸には、ポインター復帰ねじりばねが外嵌されることを特徴とする請求項
10に記載の円形ステープラー。
【請求項13】
前記ステープラー本体は、両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジングを含み、前記位置決め部は、一方側のステープラーのハウジングに固定され、前記ポインターの第1端は、指示部を含み、前記指示部は、他方側のステープラーのハウジングに向かって突出していることを特徴とする請求項
10に記載の円形ステープラー。
【請求項14】
前記ステープラー本体は、ステープラーのハウジングを含み、前記ステープラーのハウジングにおける前記衝突部に対応する位置には、少なくとも1つの発音孔が開設されることを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具技術分野に関し、特に、円形ステープラーに関する。
【背景技術】
【0002】
消化管病気は、発症率の高いヒト疾患の一つである。治療過程において、通常、医師の手動操作の代わりに円形ステープラーを使用して、消化管などの生理学的組織を吻合する。円形ステープラーは、よく見られる外科手術器具であり、軸方向の内向きに綴じるという方式を多く使用している。手術する時に、食道、胃、腸管などの生理学的組織の端対端又は端対側の吻合を行う。そして、吻合する時に、2つの組織セグメントをステープラー内に収束して収容し、触発を完了させた後、組織に円形の吻合口を形成することによって人体通路を再構築する。
【0003】
従来技術において、円形ステープラーは、ステープラー本体と、前記ステープラー本体に移動可能に連結される操作ハンドルと、前記本体と嵌合するステープルアンビル(Anvil)アセンブリと、を含む。前記ステープラー本体は、遠位端に設置され、環状ステープルカートリッジ及びカッターを含むステープルカートリッジアセンブリと、本体の近位端に設置され、本体に対して回転可能なノブ(knob)と、を含む。前記ステープラー本体の内部には、近位端から遠位端に向かって設置されるステープルアンビル軸がさらに含まれる。ここで、遠位端及び近位端は、操作者に対して示すものであり、操作者に近い一端が近位端であり、操作者から離れた一端、即ち手術位置により近い一端が遠位端である。ステープラーにおいて、内側及び外側は、ステープラーの軸心に対して示すものであり、軸心に近い側が内側であり、軸心から遠い側が外側である。前記ステープルアンビルアセンブリは、ステープルアンビルと、ステープルアンビルの遠位端に設置されるステープルアンビルキャップと、ステープルアンビルの内部に設置されるナイフアンビルと、を含み、ステープルアンビルアセンブリは、ステープルアンビル軸の遠位端に直接に連結され、又は、連結具であるステープルアンビル軸を介して連結されてもよい。腫瘍手術中、腫瘍組織を取り除いた後、ステープルアンビル軸を残端の組織の巾着に貫通させてステープラー本体の遠位端に配置し、その後ノブを回転させることにより、ステープルアンビルアセンブリとステープルカートリッジとの間の距離を適切な距離まで徐々に減少させた後、触発可能な状態に到達してこそ、操作ハンドルを把持して器具を触発できるようにすることで、吻合を完了することができる。医療器具の不断の発展に伴い、円形ステープラーは、痔などの疾患の治療にもますます広く使用されている。
【0004】
同時に、泌尿器科分野における過長包皮及び包茎を治療するための手術において、他の形態の円形ステープラー、即ち包皮ステープラーも登場した。従来技術において、前記本体と嵌合するものが亀頭キャップアセンブリである以外に、上記の消化管用円形ステープラーと類似する構造を有する包皮ステープラーも記載されている。同様に、前記亀頭キャップアセンブリは、ステープルアンビルと、ステープルアンビルに固定して連結される亀頭キャップ及びナイフアンビルと、ステープラー本体に着脱可能に連結される中心ロッドと、を含む。手術中、切断される包皮組織を把持して亀頭キャップに固定し、その後、中心ロッドをステープラー本体の遠位端に配置し、ノブを回転させることにより、亀頭キャップとステープルカートリッジとの間の距離を適切な距離まで徐々に減少させた後、触発可能な状態に到達してこそ、ハンドルを把持して器具を触発することで、吻合を完了することができる。
【0005】
しかしながら、使用の過程中に、医師は、ハンドルアセンブリを押圧した後、ステープラーの触発状態を直感的に見ることができないことが多く、触覚から触発が完了されたか否かを感じることもできなく、医師の使用体験が高くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術における問題に鑑みて、触発が完了された場合、ポインターの第1端は、第2位置領域から第1位置領域に戻り、衝突部に衝突して衝突音を発生させ、音声により触発が既にスムーズに完了されたことを操作者に提示する円形ステープラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は、ステープラー本体と、前記ステープラー本体に移動可能に連結されるハンドルアセンブリと、前記ステープラー本体内に設置されるステープルプッシュロッドと、を含む円形ステープラーを提供し、前記ステープルプッシュロッドは、初期位置及び触発位置を有し、前記ハンドルアセンブリは、前記初期位置から前記触発位置に入るように前記ステープルプッシュロッドを押すことができる。
【0008】
前記ステープラー本体内には、ポインター及び衝突部がさらに設置され、前記ポインターは、前記ステープラー本体に回転可能に連結される。
【0009】
前記ステープラーが初期状態になる場合、前記ポインターの第1端は、第1位置領域に位置し、前記ポインターの第1端は、前記衝突部に対向する。前記ステープラーが触発状態になる場合、前記ポインターの第1端は、第2位置領域まで移動して前記衝突部から離れる。前記ステープラーの触発が完了された場合、前記ポインターの第1端は、前記第2位置領域から前記第1位置領域に戻り、且つ、前記衝突部に衝突して衝突音を発生させる。
【0010】
選択的に、前記ステープラー本体には、弾性位置規制部材が設置され、前記位置規制部材の自由端は、前記ポインターの第1端に向かって当接し、前記ポインターの第1端が第1位置領域に位置する場合、前記衝突部に当接しない。
【0011】
選択的に、前記弾性位置規制部材は、ばねである。
【0012】
選択的に、前記ポインターの前記第1端は、プルタブの遠位端に連結され、前記プルタブは、前記ポインターの前記第1端を前記第1位置領域から前記第2位置領域へ移動させるように駆動する。
【0013】
選択的に、前記ステープラー本体は、前記ステープラーの両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジングを含み、前記衝突部の第1端及び第2端は、それぞれ前記2つのステープラーのハウジングの内面に固定され、前記衝突部の中間部は、ステープラーの近位端の方向に向かって突出している。
【0014】
選択的に、各前記ステープラーのハウジングの内面には、リブ付きスラブ及び固定プレートが設置され、前記リブ付きスラブと固定プレートとの間には、固定溝が形成され、前記衝突部の両端は、それぞれ2つの前記固定溝に挿入される。
【0015】
選択的に、前記衝突部は、中間部がステープラーの近位端の方向に向かって折り曲げられた金属シートである。
【0016】
選択的に、前記衝突部は、中空球又は球面がステープラーの近位端の方向を向く半球形である。
【0017】
選択的に、前記衝突部は、鈴と、ブラケットと、を含み、前記鈴は、前記ブラケットを介して前記ステープラー本体に固定される。
【0018】
選択的に、前記ステープラー本体は、両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジングを含み、前記ブラケットの両端は、それぞれ両側の前記ステープラーのハウジングに固定される。
【0019】
選択的に、前記ステープラーのハウジングの内側面には、凹溝がそれぞれ開設され、前記ブラケットの両端は、それぞれ両側の前記凹溝の内部に挿入される。
【0020】
選択的に、前記鈴は、下側面に開口する中空の円柱体であり、前記ブラケットは、連結部と、連結部の両側に位置する第1側アーム及び第2側アームと、を含み、前記ブラケットの連結部は、前記鈴の上側面の中間部に固定して連結され、前記ブラケットの第1側アームの末端と第2側アームの末端は、それぞれ両側の前記ステープラーのハウジングに固定される。
【0021】
選択的に、前記ポインターは、位置決め部をさらに含み、前記ポインターは、前記位置決め部を介して前記ステープラー本体に回転可能に固定される。
【0022】
選択的に、前記ポインターの第1端には、触発部が設置され、前記触発部は、ステープラーの遠位端に向かって突出しており、前記ステープラーの触発が完了された場合、前記ポインターは、前記第2位置領域から前記第1位置領域に戻り、前記ポインターの触発部は、前記衝突部に衝突して衝突音を発生させる。
【0023】
選択的に、前記位置決め部には、位置決めピン軸が貫装され、前記位置決めピン軸には、ポインター復帰ねじりばねが外嵌される。
【0024】
選択的に、前記ステープラー本体は、両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジングを含み、前記位置決め部は、一方側のステープラーのハウジングに固定され、前記ポインターの第1端は、指示部を含み、前記指示部は、他方側のステープラーのハウジングに向かって突出している。
【0025】
選択的に、前記ステープラー本体は、ステープラーのハウジングを含み、前記ステープラーのハウジングにおける前記衝突部に対応する位置には、少なくとも1つの発音孔が開設される。
【0026】
本発明により提供される円形ステープラーは、以下の利点を有する。
【0027】
本発明は、円形ステープラーを提供し、ステープラー本体内には、衝突部が設置され、触発する時、ポインターの第1端は、第1位置領域から第2位置領域まで移動し、衝突部から離れ、触発が完了された場合、ポインターの第1端は、第2位置領域から第1位置領域に戻り、且つ、衝突部に衝突して衝突音を発生させ、音声により触発が既にスムーズに完了されたことを操作者に提示することにより、操作者は、ステープラーの触発状態を即時に把握することができ、使用体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下、本発明の実施例に係る技術案をさらに明瞭に説明するために、実施例の記載に使用する必要がある図面に対して簡単に紹介する。なお、以下の記載における図面はただ本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者の場合、創造的な労働を付与しない前提で、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明の一実施例に係る従来の円形ステープラーの構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る従来のステープラーとハンドルアセンブリとの嵌合構造を示す模式図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る包皮ステープラーの構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る円形ステープラーが初期状態になる場合の構造を示す模式図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る円形ステープラーの一方側のハウジングと金属シートとの嵌合構造を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る円形ステープラーの一方側のハウジングと金属シートとの嵌合構造を示す模式図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る金属シートの構造を示す模式図である。
【
図9】本発明の他の実施例に係る円形ステープラーが初期状態になる場合の構造を示す模式図である。
【
図11】
図9におけるA1-A1方向に沿う断面図である。
【
図12】本発明の他の実施例に係る円形ステープラーの外部構造を示す模式図である。
【
図13】本発明の他の実施例に係るポインターの構造を示す模式図である。
【
図14】本発明の一実施例に係る円形ステープラーのハンドルアセンブリが初期状態になる場合の構造を示す模式図である。
【
図15】本発明の一実施例に係る円形ステープラーのハンドルアセンブリが初期状態になる場合の構造を示す模式図である。
【
図16】本発明の一実施例の初期状態になる場合のポインターとプルタブとの嵌合構造を示す模式図である。
【
図17】本発明の一実施例に係る円形ステープラーのハンドルアセンブリが失効状態になる時の構造を示す模式図である。
【
図18】本発明の一実施例の失効状態になる時のポインターとプルタブとの嵌合構造を示す模式図である。
【
図19】本発明の一実施例のプルタブがポインターを引いて回転させる時の模式図である。
【
図20】本発明の一実施例に係る円形ステープラーが触発状態になる時の構造を示す模式図である。
【
図21】本発明の一実施例のプルタブが突き上げられる時の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参考しながら、本発明の実施例に係る技術案をより明確且つ完全に説明し、なお、説明される実施例は、単に本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。
【0030】
以下、図面を参照しながら、実施例を併せて本発明を詳細に説明する。
【0031】
本発明は、従来技術における技術課題を解決するために、円形ステープラーを提供し、前記円形ステープラーは、ステープラー本体と、前記ステープラー本体に移動可能に連結されるハンドルアセンブリと、前記ステープラー本体内に設置されるステープルプッシュロッドと、を含み、前記ステープルプッシュロッドは、初期位置及び触発位置を有し、前記ハンドルアセンブリは、初期位置から触発位置に入るように前記ステープルプッシュロッドを押すことができる。前記ステープラー本体内には、ポインター及び衝突部がさらに設置され、前記ポインターは、前記ステープラー本体に回転可能に連結される。
【0032】
前記ステープラーが初期状態になる場合、前記ポインターの第1端は、第1位置領域に位置し、前記ポインターの第1端は、前記衝突部に対向する。前記ステープラーが触発状態になる場合、前記ポインターの第1端は、第2位置領域まで移動して前記衝突部から離れる。前記ステープラーの触発が完了された場合、前記ポインターの第1端は、第2位置領域から第1位置領域に戻り、且つ、前記衝突部に衝突して衝突音を発生させる。このため、音声により触発が既にスムーズに完了されたことを操作者に提示することにより、操作者は、ステープラーの触発状態を即時に把握することができ、使用体験を向上させる。
【0033】
図1及び
図2は、本発明の一実施例に係る従来のステープラーが初期状態になる場合の構造を示す。このステープラーは、ステープラー本体と、前記ステープラー本体に移動可能に連結されるハンドルアセンブリと、前記ステープラー本体内に設置されるステープルプッシュロッド75と、を含み、前記ステープルプッシュロッド75は、初期位置及び触発位置を有し、前記ハンドルアセンブリは、初期位置から触発位置に入るように前記ステープルプッシュロッド75を押すことができる。この実施例において、ステープラー本体の遠位端には、ステープルアンビルアセンブリ73及びステープルアンビルアセンブリ73と嵌合するステープルカートリッジアセンブリ72が設置され、近位端には、操作者により把持されるノブ71が設置される。ここでは、ステープラーの選択可能な構造のみを示したが、本発明の保護範囲の限定として解釈されるべきではない。
【0034】
ステープルプッシュロッド75が触発位置に移動する場合、さらにステープラーのステープルプッシュスライス及び環状カッターを押すことにより、手術する組織に対する縫合及び切断を行うことができる。ステープラーの触発状態を操作者に提示するために、本発明は、ステープラー本体の内部には、ポインター5及び衝突部がさらに設置され、ポインター5は、ステープラー本体に回転可能に連結され、ポインター5の第1端51は、触発不可能な状態及び触発可能な状態で、それぞれ第1位置領域及び第2位置領域に位置し、第1位置領域は、ポインター5の第1端51が初期状態(触発不可能)になる時の初期位置を含み、第2位置領域は、ポインター5の第1端51が位置する触発可能な位置を含む。ここで、ステープラー本体において、第1位置領域及び第2位置領域に対応する位置には、使用の過程中にポインターの第1端51が所在する位置を観察するための観察窓が設置される。ポインターの第1端51が第1位置領域に位置する場合、安全状態になり、この時、ステープラーを触発することができない。ポインターの第1端51が第2位置領域に位置する場合、ステープラーを触発することができる。医師により直感的に提示するために、観察窓において、触発可能な第2位置領域に対応する領域は、既に従来技術に開示された緑色領域である。ステープラーが初期状態になる場合、ポインター5の第1端51は、第1位置領域に位置し、ポインター5は、衝突部に対向し、この時、ポインター5は、衝突部に当接してもよく、衝突部との間に一定の隙間を有してもよい。ステープラーが触発状態になる場合、ポインター5の第1端51は、第2位置領域まで移動し、ステープラーの近位端に向かって回転して衝突部から離れる。ステープラーの触発が完了された場合、ポインター5の第1端51は、第2位置領域から第1位置領域に戻り、且つ、ポインター5の第1端51は、衝突部に衝突して衝突音を発生させる。この衝突音により、操作者は、現在のステープラーの触発が既に完了されたことを知ることができる。
【0035】
本発明は、従来の円形ステープラーだけでなく、包皮ステープラーにも適用可能である。例えば、
図3に示すように、このハンドルアセンブリが適用された包皮ステープラー本体8の構造を示す。包皮ステープラー本体8の遠位端には、ステープルカートリッジアセンブリ81が設置され、また、ステープルカートリッジアセンブリ81と嵌合する亀頭キャップアセンブリ(図示せず)がさらに設置される。包皮ステープラーを使用する時、ハンドルアセンブリを包皮ステープラーの一端に移動可能に連結し、ハンドルアセンブリの一端を包皮ステープラーのステープルブッシュ部材と嵌合させる。触発条件が満たされた場合、ハンドルアセンブリがステープルブッシュ部材を押すことによって包皮ステープラーの触発を実現する。
【0036】
この実施例における衝突部は、金属シート77の構造であり、具体的に、この実施例の衝突部の構造は、
図4~8を参照することができる。この実施例において、前記ステープラー本体は、両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジング74を含み、
図5及び
図6は、それぞれ衝突部と一方側のステープラーのハウジング74との嵌合方式を示す。金属シート77の第1端771及び第2端772は、それぞれ2つのステープラーのハウジング74の内面に固定され、金属シート77の中間部は、ステープラーの近位端に向かって突出して突起部773を形成し、これにより、中空の構造が形成されるので、ポインター5が金属シート77の突起部773を叩く場合、大きな音を発生させ、より良い提示効果を実現することができる。
【0037】
図7に示すように、各ステープラーのハウジング74の内面には、リブ付きスラブ741及び固定プレート742が設置され、リブ付きスラブ741と固定プレート742との間には、固定溝743が形成され、金属シート77の両端は、それぞれ2つの固定溝743に挿入される。具体的に、固定プレート742は、両側がリブ付きスラブ741に向かって折り曲げられた折り曲げ板であり、リブ付きスラブ741に固定された後、両者に囲まれたキャビティーは、固定溝743を形成する。
【0038】
この実施例において、衝突部は、中間部がポインターに向かって折り曲げられた金属シートであってもよいが、本発明は、これに限定されない。他の実施形態において、この衝突部は、中空球又は球面がステープラーの近位端を向く半球形の構造であってもよく、又は、例えばプラスチック、アクリルなどの他の材質を使用してもよいが、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0039】
本発明の他の実施例において、衝突部は、鈴アセンブリである。具体的に、鈴アセンブリの構造は、
図9~13を参照することができる。この実施例において、衝突部は、鈴91と、ブラケット92と、を含み、前記鈴91は、前記ブラケット92を介して前記ステープラーのハウジング74に固定される。初期状態になる場合、ポインター5の第1端51は、鈴91に対向し、この時、ポインター5の第1端51は、鈴91に当接してもよく、接触せずにポインター5の第1端と鈴91との間に隙間を有してもよく、ここで、前記ハウジング74には、ポインターの方向を向く弾性位置規制部材78が設置され、初期状態になる場合、前記ポインター5の第1端を鈴91と接触させない。ステープラーが触発される場合、ポインター5の第1端51は、ステープラーの近位端へ移動して鈴91から離れ、ステープラーの触発が完了された後、ポインター5の第1端51は、第2位置領域から第1位置領域に戻ると、鈴91に衝突して衝突音を発生させ、同様に、音声により触発が既に完了されたことを操作者に提示するという効果を実現することができる。弾性位置規制部材78により前記ポインター5の第1端51を鈴91と接触させず、触発が完了された後、ポインター5は、鈴91に衝突した直後に鈴91から離れ、鈴91の振動を阻害しなく、鈴91の音色及び音質をより良くし、鈴音をより長くすることができる。
【0040】
図10に示すように、本実施例において、前記弾性位置規制部材78は、ばねであり、前記ばねの遠位端は、前記ハウジング74に固定され、自由端は、前記ポインター5の第1端51に当接する。勿論、前記ばねの近位端が前記ポインター5の第1端51に固定され、前記自由端が前記ハウジング74に当接するようにしてもよい。
【0041】
図11に示すように、この実施例において、前記ステープラー本体は、両側にそれぞれ位置する2つのステープラーのハウジング74を含み、前記ブラケット92の両端は、それぞれ両側のステープラーのハウジング74に固定される。具体的に、前記ステープラーのハウジング74の内側面には、凹溝745がそれぞれ開設され、前記ブラケット92の両端は、それぞれ両側の凹溝745の内部に挿入される。
【0042】
前記鈴91は、下側面に開口する中空の円柱体であり、前記ブラケット92は、連結部923と、連結部923の両側に位置する第1側アーム921及び第2側アーム922と、を含み、前記ブラケット92の連結部923は、前記鈴91の上側面の中間部に固定して連結され、前記ブラケット92の第1側アーム921の末端及び第2側アーム922の末端は、それぞれ両側のステープラーのハウジング74に固定される。ブラケット92の連結部923は、ボルトやリベットなどの締付具を介して鈴91に連結されてもよく、溶接によりブラケット92と鈴91とを直接に連結してもよく、又は、その他の連結方式を使用してもよいが、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0043】
図12に示すように、ステープラーのハウジング74には、発音孔744がさらに開設され、発音孔744は、一方側のハウジング74に開設されてもよく、両側のハウジング74に開設されてもよく、発音孔744の位置は、鈴91に対応することにより、鈴が衝突される時の音量を向上させる。
【0044】
ポインター5の構造は、
図13~
図18を参照することができる。この実施例において、ポインター5は、位置決め部53を介してステープラー本体に回転可能に固定され、位置決め部53には、位置決めピン軸55が貫装され、位置決めピン軸55には、ポインター復帰ねじりばね56が外嵌され、ポインター復帰ねじりばね56の両端は、それぞれポインター5及びステープラー本体に当接する。初期状態及び触発完了状態で、ポインター5は、弾性位置規制部材78及びポインター復帰ねじりばね56の共同作用によってバランス状態になり、前記第1位置領域に保持される。ポインター5の第1端51がステープラーの近位端に向く外力を受けて第2位置領域まで移動する場合、ポインター復帰ねじりばね56は、変形し、ポインター5が受ける外力がなくなる場合、ポインター復帰ねじりばね56の復元力によって、衝突部に衝突するようにポインター5を押して再び第1位置領域に戻させることができる。衝突時、ポインター5の第1端51は、弾性位置規制部材78の作用に抗して、速やかに遠位端へ移動して衝突部に衝突する必要がある。ポインター5の第1端51は、触発部511を含み、触発部511は、ステープラーの遠位端に向かって突出することにより、衝突部とより良く嵌合する。ポインター5の第1端51は、指示部512をさらに含み、指示部512は、ステープラーの観察窓の位置に対応し、観察窓の位置により指示部512の位置を観察することにより、ポインター5の第1端51の現在の位置を決定するとともに、ステープラーの触発準備が完了されたか否かを判断することができる。
【0045】
具体的に、初期状態になる場合、触発部511の初期位置は、鈴91と接触しない。ポインター5の第1端51がステープラーの近位端に向く外力を受けて第2位置領域まで移動する場合、ポインター復帰ねじりばね56は、第1ねじれ変形が生じ、ステープラーの触発が完了された後、ポインター5の第1端51は、外力を失って、ポインター復帰ねじりばね56の変形復元力によって速やかにステープラーの遠位端へ揺動し、ポインター5の触発部511が初期位置まで移動した後、現在の加速度によってステープラーの遠位端へ短い距離だけ揺動し続けて、鈴91に衝突する。現在の加速度によって回転し続けるこのような短い距離の間に、ポインター復帰ねじりばね56は、小さな第2ねじれ変形が生じ、触発部511が鈴91に衝突した後、触発部511は、ポインター復帰ねじりばね56の変形復元力によって、初期位置に引き戻されて、さらに、弾性位置規制部材78の作用によって、鈴91の表面から速やかに離脱して鈴91と接触しなくなり、且つ、触発部511が再び鈴91に二次衝突しないように保持される。この実施例において、第1位置領域は、位置の範囲であり、触発部511の初期位置と、触発部511と鈴91との衝突位置と、初期位置と衝突位置との間の位置区間と、を含む。第2位置領域は、位置の範囲であってもよく、この位置の範囲内において、ステープラーを触発することができるが、必ずしも具体的な位置点ではない。
【0046】
他の実施形態において、ポインター5に触発部511を設けなく、ポインター5の第1端51が第2位置領域から第1位置領域に戻る場合、ポインター5の指示部512は、衝突部に衝突して衝突音を発生させるようにしてもよい。このようなポインターの構造は、
図15を参照することができ、ステープルプッシュロッド75は、ポインター5の第1端51と位置決め部53との間に位置し、ポインター5の指示部512は、ステープルプッシュロッド75の方向へ突出している。
図15から分かるように、ポインター5の指示部512が突出した部分は、金属シート77の中間部が突出した部分の長さとほぼ同じであり、即ち、ポインター5が金属シート77に衝突する接触面積を増加させることができる。同時に、ポインター5の指示部512と位置決め部53との間にステープルプッシュロッド75に対する退避構造を形成することにより、ステープラー本体の内部のポインター5及びステープルプッシュロッド75の位置をより合理的且つ柔軟に配置し、ステープラー本体全体の厚さを低減することにより、ステープラーのコンパクトな構造を実現することができる。
【0047】
ステープラーの内部には、プルタブ6がさらに設置され、ポインター5には、突出部54が設置され、ハンドルアセンブリが回転しなく且つプルタブ6がステープラーの近位端へ移動する場合、プルタブ6は、ポインター5の突出部54を引いて、ポインター5の第1端51を第1位置領域から第2位置領域へ移動させることができる。この実施例において、プルタブ6は、突出部54に対応するプルフック61と、スクリュー76に固定される末端部62と、を含み、スクリュー76が一定方向に沿って回転する場合、プルタブ6を近位端へ移動させることができる。
【0048】
さらに、ポインター5は、ハンドルアセンブリの動作状態を制御することにより、ステープラーの触発状態を制御することができる。この実施例において、ハンドルアセンブリは、第1ハンドル1と、第2ハンドル2と、を含み、第1ハンドル1の第1端11は、把持端であり、第2端12は、第2ハンドル2の第1端21に回転可能に連結され、第1ハンドル1は、外力によって第1方向に沿って回転することができ、第2ハンドル2の第2端22は、ステープルプッシュロッド75に当接し、ポインター5の第1端51が第1位置領域に位置する場合、第1ハンドル1と第2ハンドル2は、連動しなく、第1ハンドル1を回転させても、第2ハンドル2は、ステープルプッシュロッド75を押して触発を行うことができない。この実施例において、第1方向は、
図17及び20に示される反時計方向であるが、本発明は、これに限定されない。このため、医師が第1ハンドル1を把持する場合、第1ハンドル1を容易に回転させることができるが、第2ハンドル2を触発することができない。これは、この時に非触発状態になるので、第1ハンドル1を把持する力が非常に小さいからである。医師は、このような操作体験により、現在のステープラーが非触発状態になり、ステープラーのハウジングの破断を招くことができないことを把握することもできる。
【0049】
ポインター5の第1端51が第2位置領域に位置する場合、第1ハンドル1と第2ハンドル2は、連動し、第1ハンドル1の回転により第2ハンドル2を回転させることにより、触発位置に入るようにステープルプッシュロッド75を押し、さらにステープラーの触発を駆動することができる。
【0050】
具体的に、第1ハンドル1は、第1キャビティ13を有し、初期状態になる場合、第2ハンドル2の部分は、第1キャビティ13の内部に位置する。第1ハンドル1には、シュート41が設置され、シュート41は、互いに連通する第1区間及び第2区間を含み、シュート41には、スライダー42がスライディング可能に設置され、第2ハンドル2の第2端は、ハンドル当接部を有する。ポインター5の第1端51が第1位置領域に位置する場合、スライダー42は、シュート41の第1区間に位置し、第1ハンドル1が把持されて反時計回りに回転する場合、スライダー42は、第2ハンドル2に当接しなく、第2ハンドル2は、第1ハンドル1の第1キャビティ13に挿入し続ける。ポインター5の第1端51が第2位置領域へ移動する場合、ポインター5の第2端52は、スライダー42を押してシュート41の第2区間へ移動させ、スライダー42は、第2ハンドル2と干渉し、第1ハンドル1が反時計回りに回転する場合、スライダー42は、第2ハンドル2のハンドル当接部に当接し、且つ、第2ハンドル2を押して回転させる。
【0051】
なお、本発明において、前記シュート41の第1区間及び第2区間は、相対的な概念であり、必ずしもシュート41の2つの端部であるわけではない。即ち、
図14に示した視野角から見ると、シュート41の第1区間は、第2区間の右側に位置する。スライダー42がシュート41の第1区間に位置する場合、第2ハンドル2と干渉しないが、シュート41の第2区間に位置する場合、第2ハンドル2と干渉する。
【0052】
この実施例において、第1ハンドル1及び第2ハンドル2の両方には、第1ピン軸31が貫装される。第1ピン軸31は、ステープラーのハウジング74に固定され、且つ、第1ねじりばね32がその外周面に外嵌される。第1ねじりばね32の両端は、それぞれ前記ステープラーのハウジング74及び前記第2ハンドル2に当接する。第2ハンドル2を回転させた後、外力が解除されると、第1ねじりばね32の復元力によって第2ハンドル2を復帰させることができる。第1ハンドル1を復帰させるために、ステープラーのハウジング74内には、第2ピン軸33がさらに設置され、第2ピン軸33は、ステープラーのハウジング74に固定され、第2ねじりばね34がその外周面に外嵌される。第2ねじりばね34の両端は、それぞれステープラーのハウジング74及び第1ハンドル1に当接する。
【0053】
ここでは、ハンドルアセンブリの選択可能な構造のみを提供し、実際の応用において、ハンドルアセンブリは、第1ハンドルと第2ハンドルとを区別しなかったり、第1ハンドルと第2ハンドルとの間の連結方式を変更したりするなどの他の構造を使用してもよいが、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0054】
図17~18は、この実施例のステープラーが失効状態になる時の構造を示す。この状態で、プルタブ6がポインター5を引かないので、ポインター5の位置が変化せず、この時、ポインター5の第1端51は、第1位置領域に位置し、スライダー42は、依然としてシュート41の第1区間に位置し、第1ハンドル1の回転経路において、スライダー42は、第2ハンドル2のハンドル当接部25と干渉しない。なお、スライダー42は、初期位置に位置する時、スライダー復帰ばねの作用によってシュート41における第2区間から離れた第1区間の末端、即ち図示した右側の位置に位置する。勿論、ポインター5の第2端52によってスライダー42の初期位置を制限することもできる。この時、器具は、安全状態になる。第2ねじりばね34のねじり力が触発力よりも遥かに小さいので、第1ハンドル1は、操作者からの小さな把持力を受ける時、第1ピン軸31を中心として反時計回りに回転することができ、第2ハンドル2は、第1ハンドル1のキャビティの内部に挿入し続け、即ち、第1ハンドル1と第2ハンドル2は、連動しなく、第2ハンドル2は、回転しない。操作者が第1ハンドル1を把持する場合、第1ハンドル1を容易に回転させることができるが、第2ハンドル2を回転させることができないので、ステープラーの触発を完了させることができない。この時、操作者が触覚のフィードバックを取得することもできるので、現在のポインター5の第1端51が第2位置領域に到達しなく、ステープラーが触発されていないことを把握することができる。第1ハンドル1は、外力が解除されると、第2ねじりばね34の作用によって復帰する。
【0055】
図18から分かるように、ポインター5が実際に移動しないので、ポインター5の第1端51は、依然として衝突部に密着される。スライダー42は、第1ハンドル1の回転に伴って変位し、ポインター5の第2端52との相対位置は変化する。
【0056】
図19に示すように、操作者がステープラーを触発しようとする場合、ノブ71を回転させてスクリュー76を回転させることにより、プルタブ6をステープラーの近位端へ移動させることができる。プルタブ6のプルフック61は、ポインター5の突出部54に当接してポインター5を引いて時計回りに回転させることにより、ポインター5の第1端51は、第1位置領域から第2位置領域に入る。
【0057】
図20は、この実施例に係るステープラーが触発状態になる時の構造を示す模式図である。この過程において、ポインター5の第2端52を時計回りに回転させることにより、スライダー42を押してシュート41の第2区間へ移動させる。操作者が第1ハンドル1を把持する場合、第1ハンドル1を反時計回りに回転させ、スライダー42は、ハンドル当接部に当接して第2ハンドル2が第1ハンドル1の内部のキャビティに挿入し続けることを防止する。これにより、第2ハンドル2と第1ハンドル1は、連動状態になる。第2ハンドル2が第1ハンドル1に伴って反時計回りに回転することによって、第2ハンドル2の第2端22は、ステープルプッシュロッド75を押してステープラーの遠位端の方向へ移動させ、ステープラーの触発を完了させる。
【0058】
図20に示すように、触発の過程において、第2ハンドル2のプルタブ当接部23は、プルタブ6に当接して、プルタブ6を上方に突き上げ、ポインター5の突出部54から離脱させて、
図21の状態となる。このため、触発が完了された後、プルタブ6がポインター5を引かなくなるので、ポインター5の第1端51は、ポインター復帰ねじりばね56の復元力によって第1位置領域に戻り、衝突部に衝突して衝突音を発生させることにより、触発が既にスムーズに完了されたことを操作者に提示する。
【0059】
作業者が衝突音を聞いた後、ステープラーの触発が完了されたと判断することができ、第1ハンドル1を離す。ポインター5の第1端51が第1位置領域に戻るので、第1ハンドル1を離した後、ポインター5の第2端52は、スライダー42から離脱する。その後、ポインター5が受ける外力を失った後、スライダー復帰ばねが元の状態に戻ることによる変形力は、スライダー42を押して再びシュート41の第1区間へスライドさせて、初期位置に復帰させる。第2ハンドル2も第1ねじりばね32の復元力によって復帰する。第1ハンドル1は、スライダー42の作用によって第2ハンドル2と噛合するので、先に第2ハンドル2に伴って復帰するとともに、第2ねじりばね34の作用によって復帰する。
【0060】
本発明により提供される円形ステープラーは、以下の利点を有する。
【0061】
本発明は、円形ステープラーを提供し、ステープラー本体内には、衝突部が設置され、触発する時、ポインターの第1端は、第1位置領域から第2位置領域まで移動し、衝突部から離れ、触発が完了された場合、ポインターの第1端は、第2位置領域から第1位置領域に戻り、且つ、衝突部に衝突して衝突音を発生させ、音声により触発が既にスムーズに完了されたことを操作者に提示することにより、操作者は、ステープラーの触発状態を即時に把握することができ、使用体験を向上させる。
【0062】
以上、具体的な好ましい実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳細的に説明し、本発明の具体的な実施はこれらの説明のみに限定されると認定することができない。当業者にとって、本発明の構想から逸脱しない範囲において種々の単純な推論又は置換を行うこともでき、それらのすべては、本発明の保護範囲内のものに該当すると、見なされるべきである。