IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 広東美芝精密制造有限公司の特許一覧

特許7209842圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機
<>
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図1
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図2
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図3
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図4
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図5
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図6
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図7
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図8
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図9
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図10
  • 特許-圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/00 20060101AFI20230113BHJP
   F04B 39/14 20060101ALI20230113BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
F25B43/00 D
F04B39/14
F04B39/12 101Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021536772
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2019122017
(87)【国際公開番号】W WO2020258718
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】201910549206.2
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521273950
【氏名又は名称】広東美芝精密制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG MEIZHI PRECISION-MANUFACTURING CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Hi-Tech Industrial Zone,Ronggui,Shunde,Foshan,Guangdong,528303 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】王小峰
(72)【発明者】
【氏名】周涛
(72)【発明者】
【氏名】郭永
(72)【発明者】
【氏名】叶世佳
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-512963(JP,A)
【文献】中国実用新案第208635388(CN,U)
【文献】特開2013-137111(JP,A)
【文献】国際公開第2012/026004(WO,A1)
【文献】特開平07-317844(JP,A)
【文献】特開2002-042595(JP,A)
【文献】特開平06-045859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 43/00
F04B 39/12,39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の吸引カップと第2の吸引カップとを含み、前記第1の吸引カップは、前記第2の吸引カップに面する表面に第1の溶接面を有し、前記第2の吸引カップは、前記第1の吸引カップに面する表面に第2の溶接面を有し、前記第1の溶接面と前記第2の溶接面とは溶接接続され、前記第1の吸引カップと前記第2の吸引カップとは、キャビティを画定し、
前記第1の吸引カップは第1の挿入部を有し、前記第1の挿入部は前記第1の溶接面に隣接し、かつ、前記第1の挿入部は前記第2の吸引カップによって画定される前記キャビティ内に位置し、
前記第1の吸引カップは、
第1の本体部と、
フランジ部と、を含み、前記第1の本体部の前記第2の吸引カップに向かう縁が、前記キャビティの外部に向かって折り曲げられてフランジ部を形成し、前記フランジ部の前記第2の吸引カップに面する表面は前記第1の溶接面であり、前記第1の挿入部は、前記フランジ部に設けられ、
前記第1の本体部と前記フランジ部との間に、滑らかな遷移部があり、
前記滑らかな遷移部の厚さはBt1であり、前記第1の本体部の厚さはAt1であり、Bt1>At1である、
ことを特徴とする圧縮機アキュムレータ。
【請求項2】
前記第2の吸引カップの壁厚はL1であり、前記第2の吸引カップの壁厚方向において、前記第1の溶接面の幅はL2であり、0.6≦L2/L1≦1である、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項3】
前記第2の吸引カップの壁厚はL1であり、
前記第1の溶接面と前記第2の溶接面との溶接箇所に溶接溶融部が形成され、前記第2の吸引カップの壁厚方向において、前記溶接溶融部の幅はL2’であり、0.6≦L2’/L1≦1.2である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項4】
前記溶接溶融部の幅はL2’であり、L2’≧1mmである、
ことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項5】
前記第1の挿入部は、突起である、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項6】
前記第1の挿入部は、1つで、且つリング状であり、前記第1の挿入部は、前記第1の吸引カップの周方向に沿って延伸する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項7】
前記第1の挿入部は複数であり、複数の前記第1の挿入部は前記第1の吸引カップの周方向に沿って間隔を置いて分布している、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項8】
前記第1の溶接面と前記第2の溶接面とは、抵抗溶接法によって接続される、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項9】
前記第1の吸引カップには、前記キャビティに連通する第1の吸引パイプが設けられ、前記第1の吸引パイプは、火炎ろう付け、誘導ろう付け又は抵抗溶接によって、前記第1の吸引カップに固定される、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項10】
第3の吸引カップをさらに含み、前記第3の吸引カップは、前記第1の吸引カップと前記第3の吸引カップとの間に位置する前記第2の吸引カップに接続される、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項11】
前記第3の吸引カップは、前記第2の吸引カップに面する表面に第3の溶接面を有し、前記第2の吸引カップは、前記第3の吸引カップに面する表面に第4の溶接面を有し、前記第3の溶接面と前記第4の溶接面とは溶接される、
ことを特徴とする請求項10に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項12】
前記第3の吸引カップと前記第2の吸引カップのうちの一方に、第2の挿入部があり、前記第2の挿入部は、前記キャビティ内に位置し、かつ、前記第2の挿入部は、対応する第2の吸引カップ又は第3の吸引カップに当接する、
ことを特徴とする請求項10に記載の圧縮機アキュムレータ。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の圧縮機アキュムレータを含む、
ことを特徴とする圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、広東美芝精密製造有限公司が2019年06月24日に提出した、出願名称「圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機」、中国特許出願番号「201910549206.2」の優先権を主張している。
【0002】
本願は、冷凍機器の技術分野に関し、特に、圧縮機アキュムレータ及びそれを有する圧縮機に関する。
【背景技術】
【0003】
圧縮機は、低圧ガスを高圧ガスに昇圧する従動流体機械であり、冷凍システムの心臓部である。圧縮機は、一般に、圧縮機本体とアキュムレータとを含み、関連技術におけるアキュムレータの固定方式は、工程が複雑で製造コストが高いという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、関連技術における技術的問題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0005】
このため、本願の1つの目的は、単純な構造、高い溶接効率及び低コストという利点を有する圧縮機アキュムレータを提供することである。
【0006】
本願の別の目的は、上記の圧縮機アキュムレータを有する圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1の態様の実施例による圧縮機アキュムレータは、第1の吸引カップと第2の吸引カップとを含む。ここで、前記第1の吸引カップは、前記第2の吸引カップに面する表面に第1の溶接面を有し、前記第2の吸引カップは、前記第1の吸引カップに面する表面に第2の溶接面を有し、前記第1の溶接面と前記第2の溶接面とは溶接接続され、前記第1の吸引カップと第2の吸引カップとによってキャビティが画定される。前記第1の吸引カップは第1の挿入部を有し、前記第1の挿入部は前記第1の溶接面に隣接し、かつ、前記第1の挿入部は前記第2の吸引カップによって画定される前記キャビティ内に位置する。
【0008】
本願の実施例による圧縮機アキュムレータは、第1の溶接面を有する第1の吸引カップと、第2の溶接面を有する第2の吸引カップとを設けるとともに、第1の吸引カップに第2の吸引カップのキャビティ内部に位置することが可能な第1の挿入部を設けることにより、圧縮機アキュムレータの他の部品の性能に対する溶接プロセスの影響を低減することで、溶接品質の向上に寄与するだけでなく、溶接プロセスを簡素化し、溶接効率を向上させ、コストを省くこともできる。また、第1の吸引カップと第2の吸引カップとの嵌合接続の安定性を向上させ、ひいては圧縮機アキュムレータの安定性を向上させることができ、かつ、第1の吸引カップと第2の吸引カップとの嵌合接続の効率を向上させ、ひいては生産効率を向上させることができる。
【0009】
本願の一部の実施例によれば、前記第1の吸引カップは、第1の本体部とフランジ部とを含み、前記第1の本体部の前記第2の吸引カップに向かう縁が、前記キャビティの外部に向かって折り曲げられてフランジ部を形成し、前記フランジ部の前記第2の吸引カップに面する表面は前記第1の溶接面であり、前記第1の挿入部は、前記フランジ部に設けられる。
【0010】
本願の一部の実施例によれば、前記第2の吸引カップの壁厚はL1であり、前記第2の吸引カップの壁厚方向において、前記第1の溶接面の幅はL2であり、0.6≦L2/L1≦1である。
【0011】
本願の一部の実施例によれば、前記第2の吸引カップの壁厚はL1であり、前記第1の溶接面と前記第2の溶接面との溶接箇所に溶接溶融部が形成され、前記第2の吸引カップの壁厚方向において、前記溶接溶融部の幅はL2’であり、0.6≦L2’/L1≦1.2である。
【0012】
本願の一部の実施例によれば、前記溶接溶融部の幅はL2’であり、L2’≧1mmである。
【0013】
本願の一部の実施例によれば、前記第1の本体部と前記フランジ部との間に、滑らかな遷移部がある。
【0014】
本願の一部の実施例によれば、前記滑らかな遷移部の厚さはBt1であり、前記第1の本体部の厚さはAt1であり、Bt1>At1である。
【0015】
本願の一部の実施例によれば、前記第1の挿入部は、突起である。
【0016】
本願の一部の実施例によれば、前記第1の挿入部は、1つで、且つリング状であり、前記第1の挿入部は、前記第1の吸引カップの周方向に沿って延伸する。
【0017】
本願の一部の実施例によれば、前記第1の挿入部は複数であり、複数の前記第1の挿入部は前記第1の吸引カップの周方向に沿って間隔を置いて分布している。
【0018】
本願の一部の実施例によれば、前記第1の溶接面と前記第2の溶接面とは、抵抗溶接法によって接続される。
【0019】
本願の一部の実施例によれば、前記第1のカップ本体には、前記キャビティに連通する第1の吸引パイプが設けられ、前記第1の吸引パイプは、火炎ろう付け、誘導ろう付け又は抵抗溶接によって、前記第1の吸引カップに固定される。
【0020】
本願の一部の実施例によれば、前記圧縮機アキュムレータは、第3の吸引カップをさらに含み、前記第3の吸引カップは、前記第1の吸引カップと前記第3の吸引カップとの間に位置する第2の吸引カップに接続される。
【0021】
本願の一部の実施例によれば、前記第3の吸引カップは、前記第2の吸引カップに面する表面に第3の溶接面を有し、前記第2の吸引カップは、前記第3の吸引カップに面する表面に第4の溶接面を有し、前記第3の溶接面と前記第4の溶接面とは溶接される。
【0022】
本願の一部の実施例によれば、前記第3の吸引カップと前記第2の吸引カップのうちの一方に、第2の挿入部があり、前記第2の挿入部は、前記キャビティ内に位置し、かつ、前記第2の挿入部は、対応する第2の吸引カップ又は第3の吸引カップに当接する。
【0023】
本願の第2の態様の実施例による圧縮機は、上記の圧縮機アキュムレータを含む。
【発明の効果】
【0024】
本願の実施例による圧縮機は、第1の溶接面を有する第1の吸引カップと、第2の溶接面を有する第2の吸引カップとを設けるとともに、第1の吸引カップに第2の吸引カップのキャビティ内部に位置することが可能な第1の挿入部を設けることにより、圧縮機アキュムレータの他の部品の性能に対する溶接プロセスの影響を低減することで、溶接品質の向上に寄与するだけでなく、溶接プロセスを簡素化し、溶接効率を向上させ、コストを省くこともできる。また、第1の吸引カップと第2の吸引カップとの嵌合接続の安定性を向上させ、ひいては圧縮機アキュムレータの安定性を向上させることができ、かつ、第1の吸引カップと第2の吸引カップとの嵌合接続の効率を向上させ、ひいては生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願の一実施例による圧縮機アキュムレータの概略構造図である。
図2図1のA部分の拡大図である。
図3図1のB部分の拡大図である。
図4】本願の一実施例による圧縮機アキュムレータの部分概略構造図である。
図5図4のC部分の拡大図である。
図6】本願の別の実施例による圧縮機アキュムレータの部分概略構造図である。
図7図6のD部分の拡大図である。
図8】本願の別の実施例による圧縮機アキュムレータの概略構造図である。
図9図8のE部分の拡大図である。
図10】本願のまたの実施例による圧縮機アキュムレータの部分概略構造図である。
図11図10のF部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本願の実施例を詳細に記述し、前記実施例の例示を図面に示し、ここで本明細書全体を通じて同一又は類似の参照符号は、同一又は類似の素子、又は同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照して記述する実施例は例示的なものであり、本願を解釈することを意図しているもので、本願を限定するものと理解されるべきではない。
【0027】
以下、本願の実施例による圧縮機アキュムレータ100について、図面を参照して記述する。
【0028】
図1及び図11を参照すると、本願の第1の態様の実施例による圧縮機アキュムレータ100は、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120とを含む。
【0029】
具体的には、図1図2に示すように、第1の吸引カップ110は、第2の吸引カップ120に面する表面に第1の溶接面1121があってもよい。第1の溶接面1121は、第2の吸引カップ120の端面と対向することは理解できる。第2の吸引カップ120は、第1の吸引カップ110に面する表面に第2の溶接面121があってもよく、すなわち、第2の溶接面121は、第1の吸引カップ110の端面と対向する。
【0030】
第1の溶接面1121は第2の溶接面121と対向し、かつ、第1の溶接面1121は第2の溶接面121に接続されてもよく、これにより、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120とを嵌合接続して一緒にすることができ、かつ、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続によりキャビティ122を画定することができる。第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との接続は、第1の溶接面1121と第2の溶接面121との溶接接続により実現されることができ、すなわち、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との接続プロセス全体が、第1の溶接面1121と第2の溶接面121との溶接プロセスに集中されてもよいことは理解できる。これにより、圧縮機アキュムレータ100の他の部品の性能に対する溶接プロセスの影響を低減することにより、溶接品質の向上に役立つだけでなく、溶接プロセスを簡素化し、溶接効率を向上させ、コストを省くこともできる。
【0031】
例えば、図1に示すように、第1の吸引カップ110は第2の吸引カップ120の上方(図1に示す上方)に位置してもよく、第1の吸引カップ110は、第2の吸引カップ120に向かう方向に開放口を有し、第2の吸引カップ120は、第1の吸引カップ110に向かう方向にも開放口を有してもよく、第1の吸引カップ110の開放口と第2の吸引カップ120の開放口とを対応して連通させるために、第1の吸引カップ110は第2の吸引カップ120に接続されてもよく、この場合、図2に示すように、第1の吸引カップ110は、第2の吸引カップ120と接触する部分を有し、当該部分の表面は第1の溶接面1121であり得、第2の吸引カップ120は、第1の吸引カップ110と接触する部分を有し、当該部分の表面は第2の溶接面121であり得、第1の溶接面1121は、第2の溶接面121と対向する。
【0032】
なお、第1の吸引カップ110は、第1の挿入部1122をさらに有してもよく、第1の挿入部1122は第1の溶接面1121に隣接してもよく、かつ、第1の挿入部1122は第2の吸引カップ120によって画定されるキャビティ122内に位置してもよい。これにより、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120との位置関係を利用して、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続時に、第1の吸引カップ110の開放口の周方向で第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続に対する位置制限、位置決めを容易に実現することができ、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続の安定性を向上させ、ひいては圧縮機アキュムレータ100の安定性を向上させることができ、かつ、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続の効率を向上させ、ひいては生産効率を向上させることができる。
【0033】
例えば、図1に示すように、第1の吸引カップ110は第2の吸引カップ120の上方に位置してもよく、第1の吸引カップ110は、第2の吸引カップ120に向かう開放口を有してもよく、第1の吸引カップ110は、開放口の向きに沿って第2の吸引カップ120内部のキャビティ122まで延伸する部分を有してもよく、当該延伸部分は第1の挿入部1122であり得る。
【0034】
本願の実施例による圧縮機アキュムレータ100は、第1の溶接面1121を有する第1の吸引カップ110と、第2の溶接面121を有する第2の吸引カップ120とを設けるとともに、第1の吸引カップ110に第2の吸引カップ120のキャビティ122内部に位置可能な第1の挿入部1122を設けることにより、圧縮機アキュムレータ100の他の部品の性能に対する溶接プロセスの影響を低減することにより、溶接品質の向上に役立つだけでなく、溶接プロセスを簡素化し、溶接効率を向上させ、コストを省くこともできる。また、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続の安定性を向上させ、ひいては圧縮機アキュムレータ100の安定性を向上させることができ、かつ、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続の効率を向上させ、ひいては生産効率を向上させることができる。
【0035】
本願の一部の実施例によれば、図1図2を参照すると、第1の吸引カップ110は、第1の本体部111とフランジ部112とをさらに含んでもよい。ここで、第1の本体部111の第2の吸引カップ120に向かう縁が、キャビティ122の外部に向かって折り曲げられてフランジ部112を形成し、フランジ部112の第2の吸引カップ120に面する表面は第1の溶接面1121であり、第1の挿入部1122は、フランジ部112に設けられる。これにより、第1の挿入部1122をフランジ部112に設け、フランジ部112の第2の吸引カップ120に面する表面を第1の溶接面1121とすることにより、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120との嵌合で、第1の溶接面1121と第2の吸引カップ120との溶接嵌合をより精密で、安定的にすることができる。
【0036】
図1図2に示すように、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120との嵌合により、第1の溶接面1121の平面方向で位置制限作用を有することができ、これにより第1の溶接面1121の平面方向における外力が第1の吸引カップ110に作用する時、過度の力によって第1の溶接面1121と第2の吸引カップ120との溶接嵌合が損傷される確率を低減することができる。また、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120との嵌合は、位置決め作用がよく、それにより第1の溶接面1121と第2の吸引カップ120とを溶接接続時に溶接箇所を特定するのに有利であり、ひいては溶接効率を向上させることができる。
【0037】
例えば、図1図2に示すように、第1の吸引カップ110は、キャビティ122を画定するために、第2の吸引カップ120の上方に接続されてもよく、第1の吸引カップ110の内部空間に位置するキャビティ122の部分は、第1の吸引カップ110の本体構造の一部によって構成され、キャビティ122の一部を画定する第1の吸引カップ110の本体の一部を第1の本体部111と呼び得る。第2の吸引カップ120の縁に近接する第1の本体部111の部分は、第2の吸引カップ120の縁に向かってかつキャビティ122の外部に折り曲げられてもよく、これにより形成された折り曲げ部分がフランジ部112であり得る。
【0038】
図1図2に示すように、フランジ部112の一部は、第2の吸引カップ120の縁よりも上方に位置し、第2の吸引カップ120に溶接接続されてもよく、第2の吸引カップ120に溶接接続できるフランジ部112の部分の表面は、第1の溶接面1121であってもよい。フランジ部112の一部は、第2の吸引カップ120のキャビティ122の内部まで延伸することができ、フランジ部112の延伸部分は、第2の吸引カップ120の内壁に隣接してもよく、フランジ部112の延伸部分は、第1の挿入部1122であり得る。
【0039】
本願の一部の実施例によれば、図2を参照すると、第2の吸引カップ120の壁厚はL1であり、第2の吸引カップ120の壁厚方向において、第1の溶接面1121の幅はL2であると、0.6≦L2/L1≦1を満たすことができ、これにより実際の要件に応じてL2/L1の最適値を選択することができ、それにより、溶接接続の強度及び安定性を向上させることができる。例えば、L2/L1は、0.7、0.8又は0.9であってもよい。
【0040】
本願の一部の実施例によれば、図2を参照すると、第1の溶接面1121と第2の溶接面121との溶接箇所に溶接溶融部が形成されてもよく、第2の吸引カップ120の壁厚方向において、溶接溶融部の幅はL2’であり、0.6≦L2’/L1≦1.2である。これにより、溶接接続の強度要件に応じて、最適値のL2’/L1を選択することができる。溶接溶融部が完全に、壁厚方向における第2の吸引カップ120の周壁の縁の範囲内に位置することに限定されず、例えば、L2’/L1は1.1又は1.2であってもよく、この場合、第2の吸引カップ120の壁厚方向において、溶接溶融部の一部が第2の吸引カップ120の周壁の縁の範囲外に位置することは理解できる。
【0041】
本願の一部の実施例によれば、溶接溶融部の幅はL2’であり、L2’≧1mmである。これにより圧縮機アキュムレータ100の異なるサイズに応じて溶接溶融部のサイズを最適化することができ、圧縮機アキュムレータ100は良好な接続強度及び安定性を有するとともに、生産コストを低減することができる。例えば、L2’は、2mm、4mm、又は6mmであってもよい。
【0042】
本願の一部の実施例によれば、第1の本体部111とフランジ部112との間に、滑らかな遷移部があってもよい。これにより、第1の本体部111の一部が折り曲げられてフランジ部112を形成する中に、材料の応力を低減し、ひいてはフランジ部112の成形難易度を低減することができる。
【0043】
例えば、図1図2に示すように、第2の吸引カップ120の縁に近接する第1の本体部111の一部が、第2の吸引カップ120の縁に向かってかつキャビティ122の外部に折り曲げられてフランジ部112を形成することができ、フランジ部112が位置する平面と第2の吸引カップ120の縁に近接する第1の本体部111の延伸平面の一部との角度差が大きいため、フランジ部112と第1の本体部111との間に弧形の滑らかな遷移部を構成することができ、第1の遷移部11とも呼ばれる。
【0044】
本願の一部の実施例によれば、図4図5を参照すると、第1の遷移部113の厚さはBt1であり、第1の本体部111の厚さはAt1であり、Bt1>At1を満たすことができる。第1の本体部111が折り曲げられてフランジ部112を形成する中に、材料の伸張に伴って、第1の本体部111が折り曲げられて形成されるフランジ部112の厚さを増加することができ、同時に、曲げ位置への応力集中を削減することもでき、フランジ部112の疲労損傷の可能性を低減することは理解できる。
【0045】
本願の一部の実施例によれば、第1の挿入部1122は、突起として形成されてもよい。これにより、第1の挿入部1122を突起構造に構成することで、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120とは挿着嵌合を形成でき、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120との嵌合接続に対する位置決め、位置制限に有利である。
【0046】
本願の一部の実施例によれば、第1の挿入部1122はリング状であってもよく、第1の挿入部1122は第1の吸引カップ110の周方向に沿って延伸する。リング状の第1の挿入部1122は、閉じた構造であってもよく、リング状構造体は、高い安定性を有し、これにより、リング状の第1の挿入部1122を設けることにより、第1の挿入部1122の位置決め、位置制限の能力を向上させることができるだけでなく、リング状構造部材の密閉性を利用して、圧縮機アキュムレータ100の封止性能を向上させることができることは理解できる。
【0047】
本願の一部の実施例によれば、第1の挿入部1122は複数あってもよく、複数の第1の挿入部1122は第1の吸引カップ110の周方向に沿って間隔を置いて分布されてもよく、これにより、実際の要件に応じて第1の挿入部1122の数と位置を選択して設置することができ、材料を節約し、コストを省く。
【0048】
本願の一部の実施例によれば、第1の溶接面1121と第2の溶接面121とは、抵抗溶接法によって接続されてもよい。なお、抵抗溶接は、溶接作業時にその熱が集中し、溶接による熱が圧縮機アキュムレータ100の他の領域に与える影響が小さく、ひいては溶接による熱が圧縮機アキュムレータ100に与える悪影響を低減することができ、かつ、抵抗溶接の溶接箇所に大きな変形や応力が生じることがなく、通常、溶接後に校正や熱処理工程を設ける必要がなく、ひいては生産効率を向上させ、コストを低減することができる。また、抵抗溶接は、溶接ワイヤや溶接棒などの溶加材が不要であるため、狭い空間での作業に適し、溶接コストが安い。
【0049】
抵抗溶接とは、電極とワークとの接触点に大電流を流し、接触抵抗により発生する熱で溶接を実現する方法である。抵抗溶接は、スポット溶接、プロジェクション溶接、シーム溶接、突合せ溶接、及びボルト抵抗溶接などに分類される。その自体に、通電時間が短く、生産効率が高く、溶接の品質が安定的であるという特徴がある。
【0050】
本願の一部の実施例によれば、図8を参照すると、第1のカップ本体に、第1の吸引パイプ114が設けられてもよく、第1の吸引パイプ114は、キャビティ122と外部とを連通するために、キャビティ122に連通されてもよく、第1の吸引パイプ114は、火炎ろう付け、誘導ろう付け又は抵抗溶接によって、第1の吸引カップ110に固定されてもよい。第1の吸引パイプ114と第1の吸引カップ110との間の接続強度の要求を満たすように、第1の吸引パイプ114の形状やサイズに応じて、より優れた溶接方式を選択してもよいことは理解できる。
【0051】
なお、火炎ろう付けは、火炎硬ろう付けと火炎軟ろう付けに分類される。火炎ろう付けは、可燃性ガスに酸素や圧縮空気を混合して燃焼させた火炎を熱源として溶接することができ、ワークの形状に応じて複数の火炎で同時に加熱して溶接することができ、小さいワークの溶接に適する。
【0052】
誘導ろう付けは、高周波、中周波又は電力周波の誘導電流を熱源として利用する溶接方法である。高周波加熱は、薄肉パイプ部材の溶接に適する。同軸ケーブル及びスプリットマージ型誘導コイルを使用して、電源から離れた現場でろう付けをすることができ、ロケット上で取り外す必要のあるパイプジョイントの溶接のような、一部の大型部材に特に適する。
【0053】
本願の一部の実施例によれば、図1を参照すると、圧縮機アキュムレータ100は、第3の吸引カップ130をさらに含んでもよく、第3の吸引カップ130は、第1の吸引カップ110と第3の吸引カップ130との間に位置する第2の吸引カップ120に接続されてもよい。これにより、順番に接続された第1の吸引カップ110、第2の吸引カップ120、第3の吸引カップ130を設置することにより、圧縮機アキュムレータ100の作動部品を収容し、冷媒の貯留空間を提供するための、圧縮機アキュムレータ100の内部空間を画定することができる。
【0054】
例えば、図1に示すように、第1の吸引カップ110は第2の吸引カップ120の上方に位置し、キャビティ122を画定するように第1の吸引カップ110が第2の吸引カップ120に接続され、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120とによって画定されたキャビティ122には、下方に向かう開放口があり、キャビティ122を、収容機能を有する密閉構造に構成するために、第2の吸引カップ120の下方に、キャビティ122の下方に向かう開放部を覆う部品を設けることができ、当該部品を第3の吸引カップ130と呼び得る。
【0055】
本願の一部の実施例によれば、図1図3を参照すると、第3の吸引カップ130は、第2の吸引カップ120に面する表面に第3の溶接面1321があり、第2の吸引カップ120は、第3の吸引カップ130に面する表面に第4の溶接面123があってもよく、第3の溶接面1321は第4の溶接面123に溶接されてもよい。これにより、第3の溶接面1321と第4の溶接面123との溶接接続を利用して、第2の吸引カップ120と第3の吸引カップ130とを一体に接続することができ、すなわち、第2の吸引カップ120と第3の吸引カップ130との接続プロセス全体が、第3の溶接面1321と第4の溶接面123との溶接プロセスに集中さてもよく、圧縮機アキュムレータ100の他の部品の性能に対する溶接プロセスの影響を低減することにより、溶接品質の向上に役立つだけでなく、溶接プロセスを簡素化し、溶接効率を向上させ、コストを省くこともできる。
【0056】
本願の一部の実施例によれば、図1図3を参照すると、第3の吸引カップ130と第2の吸引カップ120のうちの一方に、第2の挿入部1322があってもよく、第2の挿入部1322はキャビティ122内に位置してもよく、第2の挿入部1322は第2の吸引カップ120又は第3の吸引カップ130に当接嵌合してもよい。第3の吸引カップ130は、第2の挿入部1322を有してもよく、第2の挿入部1322は、第2の吸引カップ120に当接嵌合してもよいことは理解できる。
【0057】
第2の吸引カップ120は第2の挿入部1322を有してもよく、第2の挿入部1322は、第3の吸引カップ130に当接嵌合してもよい。これにより、第3の吸引カップ130と第2の吸引カップ120のうちの一方に、第2の挿入部1322を設けることにより、第2の挿入部1322と吸引カップとの当接嵌合を利用して、第3の吸引カップ130と第2の吸引カップ120との接続に対する位置制限、位置決めの役割を果たすことができる。
【0058】
例えば、図1図3に示すように、第3の吸引カップ130は、第2の吸引カップ120の下方に位置してもよく、第3の吸引カップ130は、第2の吸引カップ120に向かう開放口を有してもよく、第3の吸引カップ130は、開放口の向きに沿って第2の吸引カップ120内部のキャビティ122まで延伸する部分を有してもよく、当該延伸部分は第2の挿入部1322であってもよい。
【0059】
本願の第2の形態の実施例による圧縮機は、上記の圧縮機アキュムレータ100を含む。
【0060】
本願の実施例による圧縮機は、第1の溶接面1121を有する第1の吸引カップ110と、第2の溶接面121を有する第2の吸引カップ120とを設けるとともに、第1の吸引カップ110に第2の吸引カップ120のキャビティ122内部に位置可能な第1の挿入部1122を設けることにより、圧縮機アキュムレータ100の他の部品の性能に対する溶接プロセスの影響を低減することにより、溶接品質の向上に役立つだけでなく、溶接プロセスを簡素化し、溶接効率を向上させ、コストを省くこともできる。また、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続の安定性を向上させ、ひいては圧縮機アキュムレータ100の安定性を向上させることができ、かつ、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続の効率を向上させ、ひいては生産効率を向上させることができる。
【0061】
以下、図1図11を参照して、本願による圧縮機アキュムレータ100について詳細に説明する。以下の記述は、例示的な説明にすぎず、本願を具体的に限定するものではないことを理解されたい。
【0062】
図1図3に示すように、圧縮機アキュムレータ100は、第1の吸引カップ110と、第2の吸引カップ120と、第3の吸引カップ130と、を含む。
【0063】
図1に示すように、第1の吸引カップ110は、第2の吸引カップ120の上方に位置し、第2の吸引カップ120は、第3の吸引カップ130の下方に位置し、第1の吸引カップ110は、第2の吸引カップ120に向かう方向に開放口を有し、第2の吸引カップ120も第1の吸引カップ110に向かう方向に開放口を有してもよく、第1の吸引カップ110の開放口と第2の吸引カップ120の開放口とを対応して連通して、キャビティ122を画定するために、第1の吸引カップ110は第2の吸引カップ120に接続されてもよく、第1の吸引カップ110は、第2の吸引カップ120の開放口の上方に位置しかつ第2の吸引カップ120の開放口に係合する第1の本体部111を含み、第1の本体部111は、第2の吸引カップ120の縁に近接する位置で、キャビティ122の外縁に向かってフランジ部112が折り曲げられ、フランジ部112の一部は第2の吸引カップ120の周壁の上方に位置し、第2の吸引カップ120の縁の上方に位置するフランジ部112の部分の表面を第1の溶接面1121に構成してもよく、第2の吸引カップ120の縁の第1の溶接面1121に対応する位置に、第2の溶接面121が構成されてもよく、第1の溶接面1121と第2の溶接面121とが対向し、第1の溶接面1121は、抵抗溶接法によって第2の溶接面121に接続されてもよい。
【0064】
図1図2に示すように、フランジ部112部分は、第2の吸引カップ120のキャビティ122内部に延伸して第1の挿入部1122を構成することができ、第1の挿入部1122は、第2の吸引カップ120の周壁の内側に位置してもよく、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120の内周壁との間に隙間を設けてもよい。第1の溶接面1121に近接する第1の挿入部1122の側壁は第1の溶接面1121と段差面を形成する。
【0065】
図4に示すように、第1の挿入部1122は、第1の吸引カップ110の周方向に沿って延伸してもよく、第1の挿入部1122の外径をFに設定し、第2の吸引カップ120の内径をfに設定すると、fがFより大きいことを満たす必要があり、これにより、第1の挿入部1122の部分が、第2の吸引カップ120のキャビティ122内に位置することを実現でき、第1の挿入部1122と第2の吸引カップ120の内周壁との当接嵌合で、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との嵌合接続に対する位置決め、位置制限を実現できる。
【0066】
図1図2に示すように、フランジ部112が位置する平面と第2の吸引カップ120の縁に近接する第1の本体部111の延伸平面の一部との角度差が大きいため、フランジ部112と第1の本体部111との間に遷移接続効果を有する第1の遷移部113を構成することができる。図5に示すように、第1の本体部111の壁厚をAt1に設定してもよく、フランジ部112の壁厚をCt1に設定してもよく、第1の遷移部113の壁厚をBt1に設定してもよく、第2の溶接面121とフランジ部112の上面との上下(ここで、「上下」とは、図5における正の「上下」方向をいう)方向での距離がDt1である場合、Bt1>At1を満たす必要がある。
【0067】
これにより、第1の本体部111が折り曲げられたフランジ部112に、第1の吸引カップ110と第2の吸引カップ120との接続部分として機能するのに十分な厚さを有させることができる。Ct1>Dt1であり、Ct1とDt1とのサイズ差が、第2の吸引カップ120のキャビティ122に挿入した第1の挿入部1122の部分であることは理解できる。Ct1>Dt1を設定することにより、第2の吸引カップ120の内周壁との当接嵌合のために、第1の挿入部1122の部分を第2の吸引カップ120のキャビティ122内部に設けることができる。
【0068】
図1図3に示すように、第2の吸引カップ120は第3の吸引カップ130に向かう方向に開放口を有し、第3の吸引カップ130も第2の吸引カップ120に向かう方向に開放口を有してもよく、第3の吸引カップ130の開放口と第2の吸引カップ120の開放口とを対応して連通して、キャビティ122を画定するために、第3の吸引カップ130は第2の吸引カップ120に接続されてもよい。第3の吸引カップ130は、第2の本体部131を含んでもよく、第2の本体部131は第2の吸引カップ120の開放口の下方に位置し、第2の本体部131は第2の吸引カップ120の開放口に係合する。
【0069】
図1図3に示すように、第2の本体部131は、第2の吸引カップ120の縁に近接する位置で、キャビティ122の外縁に向かって折り曲げ部132が折り曲げられ、折り曲げ部132の部分が第2の吸引カップ120の縁の下方に位置し、第2の吸引カップ120の縁の下方に位置する折り曲げ部132の部分の表面を第3の溶接面1321に構成してもよく、第2の吸引カップ120の縁の第3の溶接面1321に対応する位置に、第4の溶接面123が構成されてもよく、第3の溶接面1321と第4の溶接面123とは対向し、第3の溶接面1321と第4の溶接面123とが抵抗溶接法によって接続されてもよい。
【0070】
図1図3に示すように、折り曲げ部132の部分は、第2の吸引カップ120のキャビティ122内部に向かって延伸して第2の挿入部1322を構成することができ、第2の挿入部1322は、第2の吸引カップ120の周壁内側に位置してもよく、かつ、第2の挿入部1322と第2の吸引カップ120の内周壁とに隙間を設けてもよい。図3に示すように、第3の溶接面1321に近接する第2の挿入部1322は第4の溶接面123と段差面を形成する。
【0071】
図6に示すように、第2の挿入部1322は第3の吸引カップ130の周方向に沿って延伸でき、第2の挿入部1322の外径をEに設定し、第2の吸引カップ120の内径をfに設定すると、fがEより大きいことを満たす必要があり、これにより第2の挿入部1322の一部が第2の吸引カップ120のキャビティ122内に位置することができ、第2の挿入部1322と第2の吸引カップ120の内周壁との当接嵌合で、第3の吸引カップ130と第2の吸引カップ120との嵌合接続に対する位置決め、位置制限を実現できる。なお、第2の挿入部1322を第2の吸引カップ120に設けてもよく、第2の挿入部1322が第3の吸引カップ130のキャビティ122内に部分的に位置してもよい。
【0072】
図1図3に示すように、折り曲げ部132が位置する平面と第2の吸引カップ120の縁に近接する第2の本体部131の延伸平面の一部との角度差が大きいため、折り曲げ部132と第1の本体部111との間に遷移接続効果を有する第2の遷移部133を構成することができ、第2の遷移部133は円弧状であってもよい。
【0073】
図6図7に示すように、第2の本体部131の壁厚をAt2に設定してもよく、折り曲げ部132の壁厚をCt2に設定してもよく、第2の遷移部133の壁厚をBt2に設定してもよく、第4の溶接面123と折り曲げ部132の下面との上下(ここで、「上下」とは、図7における正の「上下」方向をいう)方向での距離をDt2とする場合、Bt2>At2を満たす必要があり、これにより、第2の本体部131が折り曲げられて形成した折り曲げ部132に、第3の吸引カップ130と第2の吸引カップ120との接続部分として機能するのに十分な厚さを有させることができる。Ct2>Dt2であり、Ct2とDt2とのサイズ差は、第2の吸引カップ120のキャビティ122に挿入した第2の挿入部1322の一部であることは理解でき、これにより、Ct2>Dt2を設定することで、第2の吸引カップ120の内周壁との当接嵌合のために、第2の挿入部1322の一部を第2の吸引カップ120のキャビティ122内部に設けることができる。
【0074】
図8図9に示すように、フランジ部112に近接する第2の吸引カップ120の縁に、鋭角124が構成されてもよく、鋭角124のサイズをaに設定すると、30°≦a≦150°を満たすことができ、好ましくは、90°≦a≦120°である。図10図11に示すように、折り曲げ部132に近接する第2の吸引カップ120の縁に、鋭角124が構成されてもよく、鋭角124のサイズをaに設定すると、30°≦a≦150°を満たすことができ、好ましくは、90°≦a≦120°である。鋭角124を設けることで、溶接プロセスの作業空間を容易に提供するとともに、溶接面を折り曲げ面に構成することができ、溶接の接触面を大きくすることに有利であり、ひいては溶接接続の強度を高めることができる。
【0075】
図1に示すように、キャビティ122と外部とを連通するために、第1の吸引カップ110の上方にキャビティ122に連通可能な第1の吸引パイプ114を設けてもよく、第1の吸引カップ110の下方に、異物を濾過できる濾過モジュール140を設けてもよく、外力で濾過モジュール140を、第2の吸引カップ120のキャビティ122内部の第1の吸引カップ110に近接する位置に押し込むことができ、第2の吸引カップ120の周壁で濾過モジュール140の上端と下端に対応する位置にスロットローリング構造を構成することができ、当該スロットローリング構造は、第2の吸引カップ120の周方向に沿って分布され、濾過モジュール140の取り付けに対する位置決め、位置制限の役割を果たすことができる。
【0076】
図1に示すように、キャビティ122と外部とを連通するために、第3の吸引カップ130の下方にキャビティ122に連通可能な第2の吸引パイプ134を設けてもよく、第3の吸引カップ130の上方に、異物を濾過できる濾過モジュール140を設けてもよく、外力で濾過モジュール140を、第2の吸引カップ120のキャビティ122内部の第3の吸引カップ130に近接する位置に押し込むことができ、第2の吸引カップ120の周壁で濾過モジュール140の上端と下端に対応する位置にスロットローリング構造を構成することができ、当該スロットローリング構造は、第2の吸引カップ120の周方向に沿って分布され、濾過モジュール140の取り付けに対する位置決め、位置制限の役割を果たすことができる。
【0077】
なお、本願の記述において、「上」、「下」、「水平」、「内側」、「外側」、「周方向」などの用語によって示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づいたものであり、本願の記述及び記述の簡略化のためのものにすぎず、言及される装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び作業しなければならないことを示したり、暗示したりすることではなく、したがって、本願を限定するものとして理解することはできない。
【0078】
また、「第1」、「第2」という用語は、単に記述のためのものであるが、相対的な重要性を明示したり暗示したりするか、又は、示される技術的特徴の数を暗示するものと理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」により限定される特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示するか又は暗黙的に含み得る。本願の記述において、「複数」は、特に明確に定義及び限定しない限り、2つ以上を意味する。
【0079】
本願において、特に明確に定義及び限定しない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続であっても、着脱可能な接続であっても、又は一体になってもよく、機械的接続であっても、電気的接続であってもよく、直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、本願における上記の用語の具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【0080】
本願において、特に明確に定義及び限定しない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあるということは、第1の特徴は、第2の特徴に直接接触するか、又は第1の特徴が第2の特徴に中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。そして、第1の特徴が第2の特徴の「の上」、「上方」及び「上」にあるということは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあることであってもよいし、第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを表すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「の下」、「下方」及び「下」にあるということは、第1の特徴が第2の特徴の真下又は斜め下方にあることであってもよいし、単に第1の特徴が第2の水平高さが特徴よりも低いことを表すだけであってもよい。
【0081】
本明細書の記述において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例示」、「具体的な例」、又は「一部の例示」などの用語の記述は、当該実施例又は例示を参照しながら記述した具体的な特徴、構造、材料、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意図する。本明細書において、上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例示を意味するとは言えない。そして、記述された具体的な特徴、構造、材料、又は特性を、任意の1つ又は複数の実施例又は例示において、適切な方法で結合してもよい。さらに、互いに矛盾しない状況で、当業者であれば、本明細書に記述された異なる実施例又は例示、及び異なる実施例又は例示の特徴を結合及び組み合わせすることができる。
【0082】
以上、本願の実施例について図示及び記述したが、上記の実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものと理解するべきではなく、当業者は、本願の範囲内で上記の実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
100 圧縮機アキュムレータ
110 第1の吸引カップ
111 第1の本体部
112 フランジ部
1121 第1の溶接面
1122 第1の挿入部
113 第1の遷移部
114 第1の吸引パイプ
At1 第1の本体部の壁厚
Ct1 フランジ部の壁厚
Bt1 第1の遷移部の壁厚
Dt1 第1の溶接面の壁厚
F 第1の挿入部の外径
120 第2の吸引カップ
121 第2の溶接面
122 キャビティ
123 第4の溶接面
124 鋭角
f 第2の吸引カップ120の内径
130 第3の吸引カップ
131 第2の本体部
132 折り曲げ部
1321 第3の溶接面
1322 第2の挿入部
133 第2の遷移部
134 第2の吸引パイプ
At2 第2の本体部の壁厚
Ct2 折り曲げ部の壁厚
Bt2 第2の遷移部の壁厚
Dt2 第3の溶接面の壁厚
E 第2の挿入部の外径
140 濾過モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11